JP2001302598A - 芳香族ポリアミンの製造方法及び芳香族ジアミン化合物 - Google Patents
芳香族ポリアミンの製造方法及び芳香族ジアミン化合物Info
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Abstract
する芳香族ジアミンを、相当する芳香族ポリニトロ化合
物から、温和な条件の還元反応により高収率で製造する
方法、及び新規芳香族ジアミン化合物を提供すること。 【解決手段】 非プロトン性極性溶媒中、4級アンモニ
ウム塩水溶液共存下、インジウムメタルにより、少なく
とも2つのニトロ基を有する芳香族ポリニトロ化合物を
還元して少なくとも2つのアミノ基を有する芳香族ポリ
アミンを製造する芳香族ポリアミンの製造方法。下記一
般式[3]で表される芳香族ジアミン化合物。 【化1】 (R13、R14、R15及びR16のいずれか1つは、シスー
共役ジエニル基またはフェニル基を含む1価の有機基、
残余は水素、−Ph−はフェニレン基。)
Description
の製造方法に関する。さらに詳しくは、医薬品や感光性
ポリマー合成などの中間体として重要な少なくとも1つ
のシスー共役ジエニル基を有する芳香族ポリアミンの製
造方法に関する。さらに本発明は、医薬品や感光性ポリ
マー合成などの中間体として芳香族ジアミン化合物に関
する。
金、ニッケル、パラジウムなどの貴金属触媒を用いた接
触還元、亜鉛、鉄、スズ、塩化スズなどによる還元、硫
化ナトリウム、硫化アンモニウムなど硫化物による還元
などがよく用いられている。しかし、これらの製造方法
は多くの欠点や問題点があり適用範囲が極めて狭い。す
なわち、欠点とは、 1)アゾベンゼン誘導体など副生成物ができ易く低収率
である。 2)還元反応後に生成してくる硫黄などの分離が困難で
後処理が煩雑。 3)ハロゲン原子、カルボニル基、ニトリル基などの官
能基が共存すると該官能基が反応したり脱離したりして
ニトロ基を選択的に還元することが困難。
有する芳香族ポリニトロ化合物にこれらの還元法を適用
して、少なくとも2つ以上のアミノ基を有する芳香族ポ
リアミノ化合物が製造できるのは極く単純な芳香族ポリ
ニトロ化合物に限定され、エステル基、アルケニル基、
ジエニル基などの官能基が共存する芳香族ポリニトロ化
合物への適用はほとんど不可能に近い状況であった。
リル基などの官能基が共存する芳香族モノニトロ化合物
を温和な条件でニトロ基のみを選択的に還元する方法が
開発されている。例えば、 1)塩化第二鉄触媒共存下、N,N−ジメチルヒドラジ
ンによる4−ニトロ安息香酸メチルなどの4−アミノ安
息香酸メチルへの還元。S. R. Boothroyd and M. A. Ke
rr, Tetrahedron Lett., 36, 2411(1995). 2)酸化鉄−酸化マグネシウム触媒共存下、ヒドラジン
による4−クロルニトロベンゼンなどの4−クロルアニ
リンへの還元。P. S. Kumbhar, J. Sanchez-Valente, a
nd F. Figueras, TetrahedronLett., 39, 2573-2574(19
98). 3)ジエチルクロロホスファイト/3級アミンによる4
−ニトロベンズアルデヒドなどの4−アミノベンズアル
デヒドへの還元。B. Fischer and L. Sheihet, J. Org.
Chem., 63, 393-395(1998).さらには、 4)塩化アンモニウム飽和水溶液を含むエチルアルコー
ル中、インジウム金属粉末による、ハロゲン原子、カル
ボキシル基、カルボン酸エステル、ニトリル基などが共
存するニトロベンゼン誘導体のアニリン誘導体への還
元。C. D. Moody and M. R. Pitts, Synlett., 1028(19
98).
化合物への適用は報告されておらず、エステル基、アル
ケニル基、ジエニル基などの官能基が共存する芳香族ポ
リニトロ化合物へ適用できる還元法の出現が強く求めら
れている。
光性ポリマー合成などの中間体である芳香族ポリアミ
ン、特に、少なくとも1つのシスー共役ジエニル基また
はフェニル基を有する芳香族ジアミンを、相当する芳香
族ポリニトロ化合物、特に芳香族ジニトロ化合物から、
温和な条件の還元反応により高収率で製造する方法を提
供することを目的とする。さらに本発明の目的は、医薬
品や感光性ポリマー合成などの中間体である新規芳香族
ジアミン化合物を提供することにある。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、芳香族ジニトロ
化合物を非プロトン性極性溶媒中、4級アンモニウム塩
水溶液共存下、インジウムメタルにより還元することに
より、温和な条件下で、従来の合成法と比べて、極めて
高収率で芳香族ジアミン等の芳香族ポリアミンが得られ
ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
媒中、4級アンモニウム塩水溶液共存下インジウムメタ
ルにより、少なくとも2つのニトロ基を有する芳香族ポ
リニトロ化合物を還元して少なくとも2つのアミノ基を
有する芳香族ポリアミンを製造することを特徴とする芳
香族ポリアミンの製造方法に関する。
は、少なくとも1つのシスー共役ジエニル基を有するも
のであることができる。
リアミンは一般式[1]又は一般式[2]で表される芳
香族ジアミンであることができる。
ー共役ジエニル基又はフェニル基を含む1価の有機基で
あり、残余は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜20の
アルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシル基であ
り、X1及びX2はそれぞれ独立に酸素若しくは硫黄、又
は炭素数1〜4の置換基を有していてもよいアルキレン
基、アルキリデン基若しくはアルキレンオキシ基であ
り、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に2価の芳香族基で
あり、l1、l2、m1及びm2はそれぞれ独立に0又は1
である。ただし、l1及び/又はl2が1のとき,m1及
び/又はm2も1である。)
12の少なくとも1つはシスー共役ジエニル基を含む1価
の有機基であり、残余は、それぞれ独立に水素、炭素数
1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ
ル基であり、Yは酸素若しくは硫黄、又は炭素数1〜4
の置換基を有していてもよいアルキレン基、アルキリデ
ン基若しくはアルキレンオキシ基であり、n1は0又は
1である。)
基は、フリル基、チエニル基又はピロリル基であること
ができる。
以下で行い、芳香族ポリニトロ化合物の消失を確認した
後、60℃以上で還元反応を完結させることができる。
る芳香族ジアミン化合物に関する。
シスー共役ジエニル基またはフェニル基を含む1価の有
機基であり、残余は水素であり、−Ph−はフェニレン
基である。)
少なくとも2つのニトロ基を有する芳香族ポリニトロ化
合物を用いる。少なくとも2つのニトロ基を有する芳香
族ポリニトロ化合物としては、例えば、一般式[4]又
は一般式[5]で表される芳香族ポリニトロ化合物を挙
げることができる。
r1、Ar2、l1、l2、m1及びm2は一般式[1]中の
各記号と同義である。また、一般式[5]中の、R5、
R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、Y及びn1は
一般式[2]中の各記号と同義である。
以下の方法により合成することができる。 (1)市販の3,5−ジニトロベンゾイルクロリドなどの
ポリニトロ置換ベンゾイルクロリドとフルフリルアルコ
ールなどのシス−共役ジエニル基を含むアルコールとの
エステル化反応。 (2)市販の3,5−ジニトロベンジルアルコールなどの
ポリニトロアレーン構造を有するアルコールと2-フロイ
ルクロリドなどのシス−共役ジエニル基を含む酸クロリ
ドとのエステル化反応。 (3)市販の3,5−ジヒドロキシベンジルアルコールな
どのポリヒドロキシベンジルアルコール誘導体と4-フル
オロニトロベンゼンなどのハロゲン置換ニトロベンゼン
とのエーテル化反応の後、残存するアルコールの上記
(2)のエステル化反応による共役ジエニル基の導入。
アミンは、少なくとも1つのシスー共役ジエニル基を有
するものであることができる。シスー共役ジエニル基を
有する芳香族ポリニトロ化合物は、一般に、シスー共役
ジエニル基を還元することなしにニトロ基のみを選択的
に還元することが難しい。しかるに、本発明の製造方法
であれば、シスー共役ジエニル基を有する芳香族ポリニ
トロ化合物であっても、シスー共役ジエニル基を還元す
ることなしにニトロ基のみを選択的に還元することがで
きる。
基、チエニル基、ピロリル基、ピラニル基、イソベンゾ
フラニル基、インドリジニル基、キノリジニル基等を挙
げることができ、中でも、フリル基、チエニル基または
ピロリル基であることが好ましい。
族ポリアミンは上記一般式[1]又は一般式[2]で表
される芳香族ジアミンであることができる。一般式
[1]中、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つはシ
スー共役ジエニル基を含む1価の有機基であり、残余
は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル基
又は炭素数1〜20のアルコキシル基である。また、一
般式[2]中、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11
及びR12の少なくとも1つはシスー共役ジエニル基を含
む1価の有機基であり、残余は、それぞれ独立に水素、
炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアル
コキシル基である。一般式[1]及び一般式[2]にお
いて、シスー共役ジエニル基を含む1価の有機基として
は、例えば、−CH2O−CO−D、−O−CO−D、
−CO−O−CH2−D、−CH2O−CH2−D、−O
−CH2−D、−NH−CO−D、−CO−NH−CH2
−D等を挙げることができる。但し、Dはシスー共役ジ
エニル基を表す。炭素数1〜20のアルキル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、デシル基、ラウリル基、等を挙げることができ
る。これらの中でも、メチル基、エチル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基等であることが好ましい。
炭素数1〜20のアルコキシル基としては、例えば、メ
トキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ラウリル
オキシ基等を挙げることができる。これらの中でも、メ
トキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基等であることが好ましい。
立に酸素若しくは硫黄、又は炭素数1〜4の置換基を有
していてもよいアルキレン基、アルキリデン基若しくは
アルキレンオキシ基である。一般式[2]中、Yは酸素
又は硫黄であるか、炭素数1〜4の置換基を有していて
もよいアルキレン基、アルキリデン基又はアルキレンオ
キシ基である。炭素数1〜4の置換基を有していてもよ
いアルキレン基、アルキリデン基又はアルキレンオキシ
基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピ
レン基、イソプロピリデン基、ブチレン基、1,1,1,3,3,
3-ヘキサフルオロイソプロピリデン基、メチレンオキシ
基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレン
オキシ基等を挙げることができる。
れ独立に2価の芳香族基であり、2価の芳香族基として
は、例えば、フェニレン基(1,4-又は1,3-)、ナフチレン
基(1,4-)等を挙げることができる。一般式[1]中、l
1、l2、m1及びm2はそれぞれ独立に0又は1である。
ただし、l1及び/又はl2が1のとき,m1及び/又は
m2も1である。l1、l2、m1及びm2は、好ましくは
l1=l2=m1=m2=1またはl1=l2=m1=m2=0
である。一般式[2]中、n1は0又は1である。
芳香族ジアミンの具体例を以下に示す。
としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(D
MF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−
2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホ
キシドなどを挙げることができ、これらを単独又は混合
して用いることができる。非プロトン性極性溶媒として
は、DMFが好ましい。本発明に用いられる4級アンモ
ニウム塩としては、塩化アンモニウム、臭化アンモニウ
ム、よう化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アン
モニウム、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラ
メチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウ
ムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミドなどを
挙げることができ、これらを単独又は混合して用いるこ
とができる。4級アンモニウム塩としては、塩化アンモ
ニウムが好ましい。4級アンモニウム塩水溶液の量は、
インジウムメタル1g当り、4級アンモニウム塩飽和水
溶液として1〜10ml、より好ましくは、2〜5mlとす
ることが適当である。
り芳香族ポリニトロ化合物を還元する。インジウムメタ
ル量の量は、芳香族ポリニトロ化合物1g当り、0.6
〜20g、好ましくは1.5〜10g、より好ましくは
3〜6gとすることが適当である。還元温度は、室温〜
85℃、好ましくは40〜75℃、より好ましくは45
〜55℃とすることが適当である。40℃以上とするこ
とで還元反応の速度が速くなり比較的短時間に反応を終
了させることができ、75℃以下であれば副反応も起こ
りにくく、高い収量で芳香族ポリアミン化合物を得るこ
とができる。還元反応は、芳香族ポリニトロ化合物が反
応して消失したことを確認後、60〜70℃にて反応を
完結させるのが良い。芳香族ポリニトロ化合物の消失
は、例えば、薄層クロマトグラフィー(TLC)により
確認することができる。なお、生成した芳香族ポリアミ
ン化合物の酸化や着色を防ぐため、上記還元反応は、不
活性ガス、例えば、アルゴンガスあるいは窒素ガス、雰
囲気下で行うことが望ましい。
規芳香族ジアミン化合物を包含する。
スー共役ジエニル基またはフェニル基を含む1価の有機
基であり、シスー共役ジエニル基またはフェニル基を含
む1価の有機基は、例えば、−CH2O−CO−Dまた
は−CH2O−CH2−Dである(但し、Dはシスー共役
ジエニル基またはフェニル基を表す)。さらに、シスー
共役ジエニル基は、フリル基、チエニル基又はピロリル
基であることが好ましい。本発明の新規芳香族ジアミン
化合物の具体例は、前記1-(9)〜1-(16)で表される化合
物である。特に、実施例3、4及び6で合成された化合
物が好ましい。
記一般式[6]に示す芳香族ジニトロ化合物を原料として
前記本発明の芳香族ポリアミンの製造方法を用いて製造
することができる。
義である。一般式[6]で表されるジニトロ化合物は、
前記一般式[4]で示される芳香族ポリニトロ化合物と
同様の方法で、市販または公知の化合物を原料として合
成することができる。
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。下記の表に実施例で得られた芳香族ポリアミンの
構造式と収率を示す。
−フロエートの製造 3,5−ジニトロベンジル−2−フロエートの製造:攪
拌機、水冷式還流冷却管、温度計及び滴下ロートを備え
た500mlセパラブルフラスコ中で、3,5−ジニトロ
ベンジルアルコール37.0gをピリジン100mlに溶
解した。0〜5℃に冷却しながら、2−フロイルクロリ
ド53.1gを滴下した。滴下終了後、反応液を室温に
戻し、2時間攪拌した。400mlの水を加え、析出した
固体をろ過した。得られた個体をエチルアルコール/水
(80/20、容積比)から再結晶し、3,5−ジニト
ロベンジル−2−フロエート47gを得た。収率86
%。融点116.0〜117.7℃。
トの製造:攪拌機、水冷式還流冷却管、温度計及び窒素
ガス導入管を備えた1リットルのセパラブルフラスコ中
で、3,5−ジニトロベンジル−2−フロエート23.
6gを300mlのN,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)に溶解した。この溶液にインジウム金属粉末130
gを分散し、窒素気流下、195mlの塩化アンモニウム
飽和水溶液を加え52℃で4時間還元反応を行った。反
応は薄層クロマトグラフィー(TLC)で追跡した。反
応終了後、反応液に酢酸エチル800ml及び水400ml
を加え、固体をろ別した。ろ液を分液し、酢酸エチル層
を200mlの水及び150mlの飽和食塩水で洗浄した
後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、酢酸エチル
を留去し、3,5−ジアミノベンジル−2−フロエート
の粗結晶15.03gを得た。収率80%。イソプロピ
ルアルコールから再結晶し、融点119.0〜121.
1℃の淡黄色プリズム状結晶を得た。
07, 1600, 1476, 1353, 1209, 1174,1122, 1077, 947,
771 and 754 cm-1 1 HNMR(500MHz, CDCl3): δ 3.61(bs, NH2), 5,16(s, 2
H), 6.00(t, J=1.66Hz, 1H), 6.18(d, J=1.66Hz, 2H),
6.50(dd, J=3.32, 1.66Hz, 1H), 7.21(dd J= 3.32, 0.6
6Hz, 1H), 7.58(dd, J=1.66, 0.66Hz, 1H)13 CNMR(500MHz, CDCl3): δ 66.6, 101.6, 105.7, 111.
8, 118.1, 137.9, 144.7, 146.3, 147.7, 158.6 MS: 232(M+) 元素分析値 C12H12N2O3としての計算値:C,62.06;H,5.21;N,1
2.06% 測定値:C,62.01;H,5.29;N,11.80%
フリルエステルの製造 3,5−ジニトロ安息香酸フルフリルエステルの製造:
攪拌機、水冷式還流冷却管、温度計及び滴下ロートを備
えた1リットルのセパラブルフラスコ中で、フルフリル
アルコール29.4gをDMF200ml及びピリジン8
0mlに溶解した。15〜17℃に冷却しながら、250
mlのDMFに3,5−ジニトロベンゾイルクロリド6
9.15gを溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、反
応液を室温に戻し、3時間半攪拌した。1.5規定塩酸
800mlを加え析出した固体をろ過した。得られた個体
を少量の冷メタノールで洗浄後、減圧乾燥して82.0
2gの3,5−ジニトロ安息香酸フルフリルエステルを
得た。収率94%。
テルの製造:攪拌機、水冷式還流冷却管、温度計及び窒
素ガス導入管を備えた2リットルのセパラブルフラスコ
中で、3,5−ジニトロ安息香酸フルフリルエステル4
3.8gを500mlのDMFに溶解した。この溶液にイ
ンジウム金属粉末200gを分散し、窒素気流下、30
0mlの塩化アンモニウム飽和水溶液を加え52〜53℃
で2時間還元反応を行ない、TLCで3,5−ジニトロ
安息香酸フルフリルエステルが完全に反応したことを確
認した後、さらに、62〜63℃で1時間反応を続け
た。反応終了後、実施例1と同様の後処理を行い、3,
5−ジアミノ安息香酸フルフリルエステルの粗結晶3
1.4gを得た。収率90%。イソプロピルアルコール
から再結晶し、融点132.6〜134.3℃の淡黄色
針状結晶を得た。
(w), 3061(w), 2955(w), 1713(s), 1628, 1501, 1465,
1379, 1351, 1293, 1228(s), 1198, 1152, 1097, 1015,
981, 918, 861, 822(w), 769 cm-1 1 HNMR(500MHz, CDCl3): δ 3.66(s, NH2), 5,25(s, 2
H), 6.17(t, J=1.98Hz, 1H), 6.37(dd, J=3.30, 1.98H
z, 1H), 6.46(d, J=3.30Hz, 1H), 6.78(d, J= 1.98Hz,
2H), 7.44(dd, J=1.98, 0.66Hz, 1H)13 CNMR(500MHz, CDCl3): δ 58.4, 105.7, 107.0, 110.
5, 110.6, 131.7, 143.2, 147.4, 149.6, 166.4(-CO-O) 元素分析値 C12H12N2O3としての計算値:C,62.06;H,5.21;N,1
2.06% 測定値:C,61.96;H,5.23;N,11.99%
ノキシ)ベンジル−2−フロエートの製造 3,5−ビス(4−ニトロフェノキシ)ベンジルアルコ
ールの製造:攪拌機、水冷式還流冷却管、温度計及び滴
下ロートを備えた500mlのセパラブルフラスコに、
3,5−ジヒロキシベンジルアルコール28g,炭酸カ
リウム60.72g及びN,N−ジメチルアセタミド3
00mlを加え、83〜84℃に加熱し、4−フルオロニ
トロベンゼン56.4gを5時間かけて滴下した。滴下
終了後、さらに4時間半85℃で攪拌し反応を完結させ
た。反応終了後、析出した固体をろ別し、酢酸エチルで
よく洗浄した。ろ液と酢酸エチル洗浄液とを合わせ、減
圧蒸留により酢酸エチル及び大部分のN,N−ジメチル
アセタミドを留去して粘調な油状液体を得た。油状液体
に酢酸エチル500mlを加え飽和食塩水100mlで3回
洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、酢酸
エチルを留去して粗生成物77.45gの固体を得た。
固体にメタノール750mlを加え5時間還流した後、メ
タノールに不溶な固体をろ別した。ろ液からメタノール
を減圧下に留去して3,5−ビス(4−ニトロフェノキ
シ)ベンジルアルコール54.54gを得た。収率71
%。融点137〜140℃。3,5−ビス(4−ニトロ
フェノキシ)ベンジル−2−フロエートの製造:攪拌
機、水冷式還流冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた
1リットルのセパラブルフラスコ中で、3,5−ビス
(4−ニトロフェノキシ)ベンジルアルコール38.2
gをDMF330ml及びピリジン100mlに溶解した。
11〜12℃に冷却しながら、2−フロイルクロリド1
5.66gを滴下した。滴下終了後、反応液を室温に戻
し、4時間攪拌した。実施例2の3,5−ジニトロ安息
香酸フルフリルエステルの製造の時と同様の後処理を行
い、3,5−ビス(4−ニトロフェノキシ)ベンジル−
2−フロエート46.85gを得た。収率98%。融点
121〜124℃
ンジル−2−フロエートの製造:攪拌機、水冷式還流冷
却管、温度計及び窒素ガス導入管を備えた1リットルの
セパラブルフラスコ中で、3,5−ビス(4−ニトロフ
ェノキシ)ベンジル−2−フロエート46.85gを3
00mlのDMFに溶解した。この溶液にインジウム金属
粉末136gを分散し、窒素気流下、204mlの塩化ア
ンモニウム飽和水溶液を加え50〜51℃で12時間還
元反応を行ない、TLCで3,5−ビス(4−ニトロフ
ェノキシ)ベンジル−2−フロエートが完全に反応した
ことを確認した後、さらに、68〜70℃で1時間半反
応を続けた。反応終了後、実施例1と同様の後処理を行
い、41.0gの油状粗生成物を得た。油状粗生成物を
カラムクロマトグラフィーにより精製し、3,5−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンジル−2−フロエート3
1.95gを得た。収率80%。イソプロピルアルコー
ルから再結晶し、融点117〜121℃の淡黄色プリズ
ム状結晶を得た。
1613, 1592, 1507, 1475, 1453, 1400, 1305, 1213, 11
22, 1008, 965, 838 and 763 cm-1 1 HNMR(500MHz, CDCl3): δ 3.59(bs, -NH2), 5.18(s, 2
H), 6.49(t, J=2.37Hz,1H), 6.50(dd, J=3.72, 1.69Hz,
1H), 6.61(d, J=2.37Hz, 2H), 6.66 & 6.86(ABq, J=8.
79Hz, 4H,4H), 7.16(dd, J=3.72, 1.01Hz, 1H), 7.57(d
d, J=1.69, 1.01Hz, 1H)13 CNMR(500MHz, CDCl3): δ 65.9, 105.9, 111.8, 116.
2, 118.2, 121.5, 138.1, 143.0, 144.4, 146.5, 147.
9, 158.3, 160.3 MS: 416(M+) 元素分析値 C24H20N2O5としての計算値:C,69.22;H,4.84;N,6.
73% 測定値:C,69.08;H,5.09;N,6.56%
ノキシ)ベンジルフルフリルエーテルの製造 3,5−ビス(4−ニトロフェノキシ)ベンジルヨージ
ドの製造:攪拌機、水冷式還流冷却管及び滴下ロートを
備えた1リットルのセパラブルフラスコ中に、実施例3
で製造した3,5−ビス(4−ニトロフェノキシ)ベン
ジルアルコール51.34g、テトラエチルアンモニウ
ムヨージド68.85g及びクロロホルム400mlを加
えた。この混合液を攪拌しながら室温下、三弗化ほう素
ジエチルエーテル錯体28.52gを滴下した。滴下
後、6時間半還流した。反応液を室温に冷却し、炭酸水
素ナトリウムの飽和水溶液180mlを加え、クロロホル
ム層を分液した。クロロホルム層を10%チオ硫酸ナト
リウム水溶液200mlで2回、飽和食塩水200mlで2
回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。クロロホル
ムを減圧下で留去し、粗生成物59.68gの固体を得
た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
より精製し、3,5−ビス(4−ニトロフェノキシ)ベ
ンジルヨージド43.33gの薄黄色結晶を得た。収率
66%。融点159.5〜162.5℃
ンジルフルフリルエーテルの製造:攪拌機、水冷式還流
冷却管及び温度計を備えた1リットルのセパラブルフラ
スコ中に、3,5−ビス(4−ニトロフェノキシ)ベン
ジルヨージド43.33g、フルフリルアルコール8.
62g及び使用直前に蒸留したテトラヒドロフラン40
0mlを加えた。この混合液に水素化ナトリウム2.33
gの粉末を20℃に保ちながら加えていった。反応液を
室温に戻し1時間半攪拌した。反応液からテトラヒドロ
フランを減圧下留去し、残さに酢酸エチル300mlを加
え、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液120mlで1回、
飽和食塩水120mlで2回洗浄した後、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。減圧下酢酸エチルを留去して3,5−ビ
ス(4−ニトロフェノキシ)ベンジルフルフリルエーテ
ル39.28gの粘調液体を得た。収率97%。
ンジルフルフリルエーテルの製造:攪拌機、水冷式還流
冷却管、温度計及び窒素ガス導入管を備えた1リットル
のセパラブルフラスコ中で、3,5−ビス(4−ニトロ
フェノキシ)ベンジルフルリルエーテル39.20gを
300mlのDMFに溶解した。この溶液にインジウム金
属粉末136gを分散し、窒素気流下、204mlの塩化
アンモニウム飽和水溶液を加え51〜53℃で11時間
還元反応を行ない、TLCで3,5−ビス(4−ニトロ
フェノキシ)ベンジルフルフリルエーテルが完全に反応
したことを確認した後、さらに、62〜64℃で1時間
反応を続けた。反応終了後、実施例1と同様の後処理を
行い、33.28gの油状粗生成物を得た。油状粗生成
物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、3,5−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンジルフルフリルエー
テル24.53gを得た。収率72%。イソプロピルア
ルコールから再結晶し、融点82〜84℃の淡黄色プリ
ズム状結晶を得た。
2921(vw), 2860(vw), 1635, 1595, 1507(vs), 1458, 13
55, 1323, 1301, 1275, 1213, 1150, 1122, 1070, 994,
912,838 and 743 cm-1 1 HNMR(500MHz, CDCl3): δ3.54(bs, 4H), 4.39(s, 2H),
4.43(s, 2H), 6.27(d,J=3.1Hz, 1H), 6.32(dd, J=3.1,
1.7Hz, 1H), 6.47(t, J=2.1Hz, 1H), 6.55(d,J=2.1Hz,
2H), 6.65&6.85(Abq, J=8.6Hz, 4H,4H), 7.39(dd, J=
1.7, 0.7Hz, 1H)13CNMR(500MHz, CDCl3): δ 63.8, 71.
4, 105.7, 109.4, 109.9, 110.2, 116.2,121.2, 140.6,
142.7, 142.8, 148.1, 151.5, 160.2 元素分析値 C24H22N2O4としての計算値:C,71.63;H,5.51;N,6.
96% 測定値:C,71.43;H,5.53;N,6.72%
−ジ−2−フロイルアミノビフェニルの製造 3,3′−ジニトロ−4,4′−ジ−2−フロイルアミ
ノビフェニルの製造:攪拌機、水冷式還流冷却管、温度
計及び滴下ロートを備えた500mlのセパラブルフラス
コ中で、3,3′−ジニトロ−4,4′−ジアミノビフ
ェニル10.96gをDMF200mlに溶解したのち、
ピリジン20mlを加えた。13〜14℃に冷却しなが
ら、2−フロイルクロリド12.53gを滴下した。滴
下終了後、反応溶液を室温に戻し、5時間攪拌を続け
た。2規定塩酸80ml、次いで水100mlを加え、析出
した固体をろ過した・固体をよく水洗した後、減圧乾燥
して3,3′−ジニトロ−4,4′−ジ−2−フロイル
アミノビフェニル15.0gを得た。収率81%
フロイルアミノビフェニルの製造:攪拌機、水冷式還流
冷却管、温度計及び窒素ガス導入管を備えた1リットル
のセパラブルフラスコ中で、3,3′−ジニトロ−4,
4′−ジ−2−フロイルアミノビフェニル14.8g、
インジウム金属粉末52g及び400mlのDMFを仕込
んだ。この分散溶液に、窒素気流下、78mlの塩化アン
モニウム飽和水溶液を加え52〜53℃で20時間還元
反応を行ない、TLCで3,3′−ジニトロ−4,4′
−ジ−2−フロイルアミノビフェニルが完全に反応した
ことを確認した後、さらに、64〜65℃で2時間反応
を続けた。反応終了後、実施例1と同様の後処理を行
い、12.0gの粉末状粗生成物を得た。粗生成物をカ
ラムクロマトグラフィーにより精製し、3,3′−ジア
ミノ−4,4′−ジ−2−フロイルアミノビフェニル
9.02gを得た。収率70%。N−メチル−2−ピロ
リドン/酢酸エチル(25/75、容積比)から再結晶
し、分解点256〜259℃の黄色針状結晶を得た。
1649, 1587, 1465, 1409, 1310, 1223, 1167, 1013, 88
3, 860, 797, 759 cm-1 1 HNMR(400MHz, d6-DMSO): δ 5.01(s, -NH2), 6.68(dd,
J=3.42, 1.95 Hz, 2H),6.80(m,2H), 7.00(d, J=1.95 H
z, 2H), 7.22 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.29(d, J=3.41 Hz,
2H), 7.91(d, J=1.95, 2H), 9.58(s, -CONH-)13 CNMR(400MHz, d6-DMSO): δ 112.0, 114.0, 114.4, 1
14.7, 121.9, 126.8, 138.8, 143.1, 145.4, 147.7, 15
6.4 MS; 402(M+) 元素分析値 C22H18N4O4としての計算値:C,65.66;H,4.51;N,1
3.92% 測定値:C,65.11;H,4.92;N,13.32%
ノキシ)ベンジルベンゾエートの製造 3,5−ビス(4−ニトロフェノキシ)ベンジルベンゾ
エートの製造:攪拌機、水冷式還流冷却管、温度計及び
滴下ロートを備えた200mlの四つ口フラスコ中で、実
施例3で製造した3,5−ビス(4−ニトロフェノキ
シ)ベンジルアルコール5.43gをDMF40mlに溶
解したのち、ピリジン10mlを加えた。混合液を18℃
に冷却しながら、ベンゾイルクロリド2.4gを滴下し
た。滴下終了後、反応溶液を室温に戻し、2時間攪拌を
続けた。2規定塩酸50ml、次いで水100mlを加え、
析出した固体をろ過した・固体をよく水洗した後、減圧
乾燥して3,5−ビス(4−ニトロフェノキシ)ベンジ
ルベンゾエート6.35gを得た。収率93%
ンジルベンゾエートの製造:攪拌機、水冷式還流冷却
管、温度計及び窒素ガス導入管を備えた200mlの四つ
口フラスコ中で、3,5−ビス(4−ニトロフェノキ
シ)ベンジルベンゾエート5.13g、インジウム金属
粉末16.9g及び45mlのDMFを仕込んだ。この分
散溶液に、窒素気流下、25.4mlの塩化アンモニウム
飽和水溶液を加え50〜51℃で6時間還元反応を行な
い、TLCで3,5−ビス(4−ニトロフェノキシ)ベ
ンジルベンゾエートが完全に反応したことを確認した
後、さらに、61〜62℃で1時間半反応を続けた。反
応終了後、実施例1と同様の後処理を行い、4.38g
の油状粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラ
フィーにより精製し、ガラス状の3,5−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンジルベンゾエート3.16gを得
た。収率70%。
1715, 1616, 1594, 1506, 1450, 1373, 1274, 1211, 11
22, 1070, 1025, 966, 832 and 713 cm-1 1 HNMR(500MHz, CDCl3): δ 3.60(bs, -NH2), 5,21(s, 2
H), 6.49(bs, 1H), 6.63(d, J=1.66Hz, 2H), 6.66 & 6.
87(ABq, J=8.64Hz, 4H, 4H), 7.44(t J=7.64Hz,2H), 7.
56(t, J=7.64Hz, 1H), 8.02(d, J=7.64Hz, 2H)13 CNMR(500MHz, CDCl3): δ 66.0, 105.7, 109.6, 116.
2, 121.3, 128.3, 129.7, 129.9, 133.0, 138.5, 143.
0, 147.9, 160.3, 166.2 元素分析値 C26H22N2O4としての計算値:C,73.23;H,5.20;N,6.
57% 測定値:C,72.37;H,5.24;N,6.44%
ノキシ)ベンジルアルコールの製造 攪拌機、水冷式還流冷却管、温度計及び窒素ガス導入管
を備えた200mlの四つ口フラスコ中で、実施例3で製
造した3,5−ビス(4−ニトロフェノキシ)ベンジル
アルコール5.73g、インジウム金属粉末20g及び
60mlのDMFを仕込んだ。この分散溶液に、窒素気流
下、30mlの塩化アンモニウム飽和水溶液を加え52〜
53℃で7時間還元反応を行ない、TLCで3,5−ビ
ス(4−ニトロフェノキシ)ベンジルアルコールが完全
に反応したことを確認した後、さらに、62〜63℃で
2時間反応を続けた。反応終了後、実施例1と同様の後
処理を行い、4.92gの油状粗生成物を得た。粗生成
物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、ガラス状
の3,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンジルアル
コール3.89gを得た。収率81%。室温で放置して
おくと結晶化した。イソプロピルアルコールより再結晶
し、融点100.2〜101.9℃の淡黄色プリズム状
結晶を得た。
1599, 1504, 1451, 1316, 1211, 1117, 1017, 970 and
841 cm-1 1 HNMR(500MHz, CDCl3): δ 2.17(s, -OH), 3.55(bs, -N
H2), 4.52(s, 2H), 6.48(t, J=1.83 Hz, 1H), 6.53(d,
J=1,83 Hz, 2H), 6.65 & 6.85 (ABq, J=8.71 Hz, 4H, 4
H)13 CNMR(500MHz, CDCl3): δ 64.9, 105.5, 108.6, 116.
2, 121.3, 142.9, 143.6, 148.0, 160.3 元素分析値 C19H18N2O3としての計算値:C,70.79;H,5.63;N,8.
69% 測定値:C, 70.70; H, 5.71; N, 8.57%
ジル−2−フロエートの還元において3,5−ビス(4
−ニトロフェノキシ)ベンジル−2−フロエート11.
9gをDMFに代えてエチルアルコール130mlと酢酸
エチル100mlに溶解し、インジウム金属粉末40gと
塩化アンモニウム飽和水溶液60mlを加え還流下7時間
還元反応を行った。実施例3と同様の後処理を行い黒色
タール状粗生成物10gを得た。TLCから多数の生成
物の混合物であることが判明した。粗生成物のシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー精製を2回繰り返し、2.
6gの3,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンジル
−2−フロエートを得た。収率25%。
ロイルアミノビフェニルの還元においてDMFに代えて
エチルアルコール150mlとN−メチル−2−ピロリド
ン200mlに溶解し80℃にて1時間攪拌し還元反応を
行った。TLCで3,3′−ジニトロ−4,4′−ジ−
2−フロイルアミノビフェニルが完全に反応したことを
確認した。反応溶液を室温まで冷却した後、固形物をろ
別した。ろ液を減圧下約1/2に濃縮した後、水600
mlを加え、析出した固体をろ過して粗生成物6.0gを
得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製し、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジ−2
−フロイルアミノビフェニル4.0gを得た。収率23
%。
光性ポリマー合成などの中間体である芳香族ポリアミ
ン、特に、少なくとも1つのシスー共役ジエニル基を含
有する芳香族ジアミンを、相当する芳香族ポリニトロ化
合物、特に芳香族ジニトロ化合物から、温和な条件の還
元反応により高収率で製造することができる。さらに、
本発明によれば、医薬品や感光性ポリマー合成などの中
間体として有用な新規芳香族ジアミンを提供することが
できる。
Claims (8)
- 【請求項1】 非プロトン性極性溶媒中、4級アンモニ
ウム塩水溶液共存下、インジウムメタルにより、少なく
とも2つのニトロ基を有する芳香族ポリニトロ化合物を
還元して少なくとも2つのアミノ基を有する芳香族ポリ
アミンを製造することを特徴とする芳香族ポリアミンの
製造方法。 - 【請求項2】 芳香族ポリアミンが少なくとも1つのシ
スー共役ジエニル基又はフェニル基を有していることを
特徴とする請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 芳香族ポリアミンが一般式[1]又は一
般式[2]で表される芳香族ジアミンであることを特徴
とする請求項2記載の製造方法。 【化1】 (式中、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つはシス
ー共役ジエニル基又はフェニル基を含む1価の有機基で
あり、残余は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜20の
アルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシル基であ
り、X1及びX2はそれぞれ独立に酸素若しくは硫黄、又
は炭素数1〜4の置換基を有していてもよいアルキレン
基、アルキリデン基若しくはアルキレンオキシ基であ
り、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に2価の芳香族基で
あり、l1、l2、m1及びm2はそれぞれ独立に0又は1
である。ただし、l1及び/又はl2が1のとき,m1及
び/又はm2も1である。) 【化2】 (ただし、式中、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R
11及びR12の少なくとも1つはシスー共役ジエニル基を
含む1価の有機基であり、残余は、それぞれ独立に水
素、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20の
アルコキシル基であり、Yは酸素若しくは硫黄、又は炭
素数1〜4の置換基を有していてもよいアルキレン基、
アルキリデン基若しくはアルキレンオキシ基であり、n
1は0又は1である。) - 【請求項4】 シスー共役ジエニル基がフリル基、チエ
ニル基又はピロリル基であることを特徴とする請求項2
又は請求項3記載の製造方法。 - 【請求項5】 還元反応を55℃以下で行い、芳香族ポ
リニトロ化合物の消失を確認した後、60℃以上で還元
反応を完結させることを特徴とする請求項1〜4のいず
れか一項に記載の製造方法。 - 【請求項6】下記一般式[3]で表される芳香族ジアミ
ン化合物。 【化3】 (式中、R13、R14、R15及びR16のいずれか1つは、
シスー共役ジエニル基またはフェニル基を含む1価の有
機基であり、残余は水素であり、−Ph−はフェニレン
基である。) - 【請求項7】シスー共役ジエニル基またはフェニル基を
含む1価の有機基が、−CH2O−CO−Dまたは−C
H2O−CH2−Dである(但し、Dはシスー共役ジエニ
ル基またはフェニル基を表す)請求項6記載の化合物。 - 【請求項8】シスー共役ジエニル基がフリル基、チエニ
ル基又はピロリル基である請求項6又は7記載の化合
物。
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