JP2001295036A - タングステンスパッタリングターゲットおよびその製造方法 - Google Patents

タングステンスパッタリングターゲットおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2001295036A
JP2001295036A JP2000115395A JP2000115395A JP2001295036A JP 2001295036 A JP2001295036 A JP 2001295036A JP 2000115395 A JP2000115395 A JP 2000115395A JP 2000115395 A JP2000115395 A JP 2000115395A JP 2001295036 A JP2001295036 A JP 2001295036A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tungsten
sputtering target
molybdenum
ppm
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000115395A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4634567B2 (ja
JP2001295036A5 (ja
Inventor
Hitoshi Aoyama
斉 青山
Takashi Watanabe
高志 渡辺
Yasuo Kosaka
泰郎 高阪
Takashi Ishigami
隆 石上
Yukinobu Suzuki
幸伸 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2000115395A priority Critical patent/JP4634567B2/ja
Publication of JP2001295036A publication Critical patent/JP2001295036A/ja
Publication of JP2001295036A5 publication Critical patent/JP2001295036A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4634567B2 publication Critical patent/JP4634567B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】スパッタリング時におけるパーティクルの発生
を低減でき、しかも比抵抗が低いスパッタ膜を形成する
ことが可能であり、かつ高密度で低コストのタングステ
ンスパッタリングターゲットおよびその製造方法を提供
する。 【解決手段】モリブデン(Mo)含有量が5ppm以上
100ppm以下であることを特徴とするタングステン
スパッタリングターゲットである。上記モリブデン(M
o)含有量は10〜50ppmであることがより好まし
い。さらに、炭素(C)および酸素(O)の含有量がそ
れぞれ100ppm以下であることがより好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体デバイス等に
使用される電極や配線を形成するために用いられるタン
グステンスパッタリングターゲットおよびその製造方法
に係り、特にスパッタリング時におけるパーティクルの
発生を低減でき、しかも比抵抗が低いスパッタ膜を形成
することが可能であり、かつ高密度で低コストのタング
ステンスパッタリングターゲットおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子技術の進展によりLSI(大
規模集積回路)の高集積化、高出力化,高速化が急速に
進行している。このようなLSIの高集積化により、電
極幅および配線幅の減少と配線長の増大とが必至とな
り、配線材料の電気抵抗による信号遅延が顕著になり高
速化が阻害されてデバイス機能が低下する弊害が起こる
ため、より電気抵抗が小さい配線材料が希求されてい
る。
【0003】上記配線材料としては、特に現用の高温プ
ロセスにおいて優れた耐久性を有し、電気抵抗値が低い
タングステンやモリブデンなどの高融点金属材料が有望
である。タングステン膜やモリブデン膜は、スパッタリ
ング法およびCVD(化学的蒸着)法などで形成される
が、成膜の量産性および安定性の観点で有利なスパッタ
リング法が一般的に採用されている。このスパッタリン
グ法は、高速のアルゴンイオンを高純度タングステンタ
ーゲットに衝突させて微細なタングステン粒子をたたき
出し、この放出されたタングステン粒子等を対向電極上
に配置したSiウエハー基板表面に堆積させて所定厚さ
の薄膜を形成する方法である。この薄膜をドライエッチ
ングなどの配線加工方法により処理することにより、所
定の電極や配線パターンが形成される。
【0004】近年、LSIなどの半導体デバイスの製造
効率を高めるためにSiウエハーが大口径化される傾向
にあり、これに伴って成膜時に使用されるタングステン
スパッタリングターゲットも大型化が進められている。
また、製品歩留りおよび信頼性を向上させる観点から、
スパッタリングターゲットには下記のような技術的要求
がなされる。すなわち、スパッタ時においてパーティク
ルの発生が少ないこと、高密度であること、そして半導
体メーカー相互の競争が激化している背景から低コスト
であること、などの技術的要求が従来からなされてい
る。
【0005】上記技術的要求に対応する手段として、こ
れまでに下記のような対応策が提示されている。例え
ば、特許第2757287号公報は、平均粒径が10μ
m以下の微細組織を有し、かつ相対密度が99%以上で
あるタングステンターゲットが開示されている。
【0006】一方、特開平5−93267号公報には、
炭素量が50ppm以下で酸素量が30μm以下で相対
密度が97%以上であり、結晶粒がほぼ一定方向に圧潰
された形状を有することを特徴とする半導体用タングス
テンターゲットが開示されている。
【0007】また、特許第2646058号公報には、
タングステン焼結体の圧延材であって、結晶粒径が30
〜300μmのタングステン粒子を有するとともに、H
v硬度で360〜400の範囲内の硬度と、99.0%
以上の相対密度とを有し、上記タングステン粒子が細長
い結晶粒子から成り、かつその並び方が結晶の長さ方向
が板面に沿っている横並び配列であることを特徴とする
タングステンターゲット材が開示されている。
【0008】一方、特開平7−76771号公報には、
タングステン粉末焼結体を水素雰囲気で2000℃以上
に加熱し、その後圧延することにより、相対密度が9
9.5%以上であり、また平均粒径が10μmを超え2
00μm以下であり、酸素含有量が20ppm以下であ
り、炭素含有量が30ppm以下であり、他の不純物の
合計含有量が10ppm以下であり、ウラン(U)およ
びトリウム(Th)の各含有量が0.1ppb以下であ
るタングステンターゲットが記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載されているような粗大な結晶粒径や細長い結晶
形状を有するタングステンターゲットをスパッタリング
した場合には、結晶粒の異方性のため均一な組成の膜が
形成できないという問題点があった。またスパッタ時に
おいてパーティクルが発生し易く、このパーティクルが
成膜中に混入して配線膜の断線や短絡を生じ、製品の製
造歩留りを低下させ、半導体デバイスの動作信頼性を大
きく損う原因となっていた。
【0010】近年、半導体デバイスの高集積化および高
速化がさらに進展し、タングステン電極,配線等を形成
するタングステン膜に関して、さらにパーティクルを低
減するとともに成膜の比抵抗の低減化による信頼性向上
と、さらに低コストなターゲットを安定して供給するこ
とが技術的な課題となっている。しかしながら、前記の
ような従来のタングステンターゲットでは上記の技術的
な課題を全て解消するまでには至っていない。
【0011】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、スパッタリング時におけるパーティクル
の発生を低減でき、しかも比抵抗が低いスパッタ膜を形
成することが可能であり、かつ高密度で低コストのタン
グステンスパッタリングターゲットおよびその製造方法
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは上記目的
を達成するために、各種添加物を配合したタングステン
粉末を用いて種々のターゲットを調製し、添加物の種類
および含有量がターゲットの特性に及ぼす影響を比較検
討した。その結果、特にタングステン原料粉末に微量の
モリブデン(Mo)を添加することにより、タングステ
ン粉末成形体の焼結性が著しく向上し高密度のタングス
テンターゲットが得られ、しかもターゲットを構成する
タングステン粒子の結晶成長が効果的に抑止できるとと
もに、スパッタリング時におけるパーティクルの発生量
を大幅に低減できるという知見を得た。本発明は上記知
見に基づいて完成されたものである。
【0013】すなわち、本発明に係るタングステンスパ
ッタリングターゲットは、モリブデン(Mo)含有量が
5ppm以上100ppm以下であることを特徴とす
る。また、モリブデン(Mo)含有量が10〜50pp
mであることがより好ましい。
【0014】さらに、炭素(C)および酸素(O)の含
有量がそれぞれ100ppm以下であることが好まし
く、また、ウラン(U)およびトリウム(Th)の含有
量がそれぞれ1ppb以下であることが望ましい。さら
にターゲットの相対密度が95%以上であり、タングス
テン結晶の平均粒径が10μmを超え、300μm以下
であることが望ましい。
【0015】また、本発明に係るタングステンスパッタ
リングターゲットの製造方法は、純度99.999%以
上の高純度タングステン粉末を、モリブデン製ボールミ
ル中で粉砕することによりモリブデン含有量が5〜10
0ppmであり、平均粒径が3〜5μmとなるように調
整し、得られたタングステン粉末の成形体を真空中また
は不活性ガス雰囲気中で加圧焼結することを特徴とす
る。
【0016】上記製造方法において、上記成形体は冷間
静水圧プレス法(CIP法)によって調製することが好
ましく、さらに、上記加圧焼結は熱間静水圧プレス法
(HIP法)によって実施するが好ましい。
【0017】ここで、ターゲット中に添加されるモリブ
デン(Mo)は、タングステン成形体の焼結性を向上し
高密度化を達成し、さらにタングステンの結晶成長を抑
止してパーティクルの発生を低減する効果をもたらすも
のであり、本願発明においてモリブデンの添加量は5〜
100ppmの範囲に規定される。モリブデン含有量が
5ppm未満の場合には上記のような添加効果が不十分
となる一方、含有量が100ppmを超えると、このタ
ーゲットを使用して形成される膜の比抵抗が高くなる。
したがって、モリブデン含有量は上記範囲に規定される
が、10〜50ppmの範囲がより好ましい。
【0018】ターゲット中に含有される炭素(C)およ
び酸素(O)は、モリブデン元素と結合してモリブデン
の添加効果を阻害し易いため、これらの混入を防止する
ことが必要である。本発明において、炭素および酸素の
含有量はそれぞれ100ppm以下に規定することがよ
り好ましい。
【0019】同様にタングステン粉末中にウラン(U)
やトリウム(Th)が存在すると、成形体を焼結する際
にモリブデンが取り込まれ易く、モリブデンの添加効果
が阻害されるため、これらの元素成分を低減する必要が
ある。本願発明では上記ウランおよびトリウムの含有量
はそれぞれ1ppb以下であることが好ましい。
【0020】また、ターゲットの相対密度は95%以上
であり、タングステン結晶の平均粒径が10μmを超え
300μm以下であることが好ましい。上記相対密度が
95%未満に低下するとモリブデンを添加してもスパッ
タ放電が非常に不安定になり、異常放電を起こし易くパ
ーティクルの発生量が増大し製品の歩留りが低下する。
またターゲットの相対密度を高めるためには、ターゲッ
トを構成するタングステン結晶を、ある程度まで粒成長
させて焼結孔を潰す必要ある。そのため、タングステン
結晶の平均粒径は10μmを超えるように調整するとと
もに、モリブデンの添加効果により300μm以下にす
ることが、より好ましい。
【0021】次に本発明に係るタングステンスパッタリ
ングターゲットの製造方法について以下に詳細に説明す
る。タングステン原料粉末としては、ターゲット自体お
よびそのターゲットを使用して形成される成膜に高純度
性が要求されるため、可及的に高純度であることが望ま
しく、具体的には99.999%(5N)以上の純度を
有することが望ましい。また、タングステン原料粉末の
粒度は、フィッシャー粒度による平均粒径で1〜5μm
の粉末を用いることが好ましい。タングステン原料粉末
の平均粒径が1μm未満と微細になると、粉砕工程や混
合撹拌工程等の段階で酸化し易くなり、また粉末表面に
吸着した酸素,炭素やその他の不純物ガスを焼結時に除
去することが困難になる。一方、タングステン原料粉末
の平均粒径が5μmを超えるように粗大になると、長時
間の焼結操作を行っても高密度のターゲットを得ること
が困難になる。したがって、タングステン原料粉末の平
均粒径は、上記のように1〜5μmに規定されるが、1
〜2μmの範囲がより好ましい。
【0022】タングステン原料粉末に所定量のモリブデ
ンを添加する目的で、モリブデン製の粉砕ボールおよび
ポットを有するボールミルによりタングステン原料粉末
の混合粉砕を行うことが好ましい。この混合粉砕工程に
おいて、粉砕ボールの形状や重量、粉砕時間を適正に制
御することにより、粉砕ボールおよびポットからモリブ
デン成分がタングステン原料粉末に移行し均一に添加さ
れる。上記ボールミルによる粉砕時間は30分間〜12
時間程度でよい。この混合粉砕工程により、タングステ
ン原料粉末中のモリブデン含有量は5〜100ppmに
調整される。
【0023】なお、タングステン原料粉末へのモリブデ
ンの添加量を調整する方法として、予め適量のモリブデ
ンを含有するタングステン鉱石または中間生成物(AP
T)などを精製することにより上記のモリブデン含有量
となるように調整する方法も利用できる。
【0024】次に、上記のように所定量のモリブデンを
添加したタングステン原料粉末を成形・焼結してスパッ
タリングターゲットを調製する。例えば、ホットプレス
法を用いる場合には、真空中または不活性ガス雰囲気中
でタングステン原料粉末を10〜40MPaの加圧力で
押圧しながら温度1700〜2300℃に加熱し焼結す
る。この高温度での焼結処理により、ターゲット焼結体
に含有される酸素,炭素,ウラン,トリウムの各含有量
を前記の範囲内に調整することができ、かつターゲット
の相対密度を95%以上に高めることができる。
【0025】さらに高密度のターゲットを得るために、
上記のようにホットプレス処理したターゲットについ
て、さらに熱間静水圧プレス(HIP)処理を実施して
もよい。このHIP処理に際しては、ターゲットの仮焼
体をTaなどから成る所定形状の缶内に挿入し、挿入口
を封止した後に、缶体に静水圧を作用させる、いわゆる
キャニング処理を行ってもよいし、このキャニング処理
を実施しない、いわゆるオープンHIP処理でターゲッ
トを形成してもよい。しかしながら、上記キャニング処
理を行うとターゲットコストが高くなり、またガス成分
を除去することが困難になり易いため、オープンHIP
処理が好ましい。上記HIP処理条件として加熱温度は
1700〜2000℃の範囲が好ましく、加圧力は15
0〜200MPaの範囲が好ましい。
【0026】上記のようなターゲットの製造方法とは別
に、予め金型成形法や冷間静水圧(CIP)法によりタ
ングステン粉末の成形体を調製し、続いて、この成形体
を水素雰囲気や真空雰囲気、不活性ガス雰囲気で焼結
し、焼結体中に含有される酸素等の不純物を低減させた
後に、さらに相対密度を向上させるために、上記HIP
処理や圧延,鍛造などによる塑性・加工を行ってターゲ
ットを調製してもよい。
【0027】上記のような製造工程を経て、モリブデン
含有量が5ppm以上100ppm以下であり、また炭
素含有量および酸素含有量が各々100ppm以下であ
り、UおよびThの含有量がそれぞれ1ppb以下,相
対密度が95%以上であり、タングステン結晶の平均粒
径が10μmを超え、300μm以下である本願発明に
係るタングステンスパッタリングターゲットが得られ
る。
【0028】上記の本発明に係るタングステンスパッタ
リングターゲットによれば、所定量のモリブデンを含有
させているため、タングステン成形体の焼結性が大幅に
改善され高密度のターゲットが得られ、しかもタングス
テン粒子の結晶成長が効果的に抑止されるため、スパッ
タリング時におけるパーティクルの発生量を大幅に低減
することが可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について以
下の実施例および比較例に基づいて具体的に説明する。
【0030】実施例1〜9および比較例1〜6 純度が99.999%以上であり平均粒径が4μmの高
純度タングステン原料粉末を、モリブデン製のポットお
よび粉砕ボールを備えたボールミル中に投入し、粉砕時
間を30分〜12時間の範囲で変えることにより、モリ
ブデン含有量がそれぞれ異なるタングステン粉末を調製
した。次に得られた各タングステン粉末を内径が330
mmの成形型に充填し、真空中においてホットプレス処
理した。ホットプレス処理の圧力は25MPaとする一
方、焼結温度は表1に示す値に設定することによりタン
グステン焼結体を作製した。
【0031】上記タングステン焼結体のうち、実施例4
〜6および比較例3〜4については、相対密度への影響
を調査するために、さらに温度1800℃で加圧力18
0MPaのHIP処理を行った。
【0032】そして得られた各タングステン焼結体を機
械加工し、直径が300mmで厚さが10mmである各
実施例および比較例に係るタングステンスパッタリング
ターゲットとした。各ターゲットについて、UおよびT
h含有量を測定したところ、いずれも1ppb以下であ
った。
【0033】また各実施例および比較例に係るタングス
テンスパッタリングターゲットについて、相対密度,C
およびO含有量,平均結晶粒径を測定し、表1に示す
結果を得た。
【0034】なお、上記平均結晶粒径は下記の求積法に
より測定した。すなわち、ターゲットのスパッタ面を研
摩し腐食させた後に、倍率200倍の金属顕微鏡により
観察し、直径80mm(視野内での直径は0.4mm)
に相当する円をターゲット組織上に描き、その面積内に
完全に含まれる結晶粒の数と円の周辺で切断される結晶
粒数の半分との和を全結晶粒数とし、各結晶粒を正方形
と考えて、次の結晶粒度dとして算出した。
【0035】
【数1】
【0036】また、各実施例および比較例に係る各ター
ゲットをマグネトロンスパッタリング装置にセットした
後、アルゴン圧2.3×10−3Torrの条件下でス
パッタリングを行い、8インチSiウエハー上にタング
ステン膜を約3000オングストローム堆積した。同一
操作を10回行い、各タングステン膜の比抵抗を測定す
るとともに、粒径0.2μm以上のパーティクル混入数
を測定し、その結果を下記表1に併記した。
【0037】
【表1】
【0038】上記表1に示す結果から明らかなように、
所定量のモリブデンを含有させて作製した実施例1〜9
に係るターゲットによれば、いずれも相対密度が95%
以上と高く、微細な結晶粒径を有しており、比抵抗値が
小さいタングステン膜が得られている。特に8インチウ
エハー上に混入するパーティクルは4〜8個と極めて少
なく、タングステン膜を使用した半導体製品を高い製造
歩留りで製造できることが判明した。
【0039】一方、モリブデン含有量が過少または過量
である比較例1〜6に係るターゲットにおいては、パー
ティクルの発生量が15〜30となり、各実施例のター
ゲットと比較して2〜7倍程度の多量のパーティクルが
発生することが判明した。
【0040】実施例10〜18および比較例7〜12 純度が99.999%以上であり平均粒径が4μmの高
純度タングステン原料粉末を、モリブデン製のポットお
よび粉砕ボールを備えたボールミル中に投入し、粉砕時
間を30分〜12時間の範囲で変えることにより、モリ
ブデン含有量がそれぞれ異なるタングステン粉末を調製
した。次に焼結体の厚さを変える目的で充填する粉末重
量を変えて得られた各タングステン粉末をCIP成形用
弾性容器内に充填し、150MPaの等方静水圧を弾性
容器に作用させるCIP成形処理を行いそれぞれ成形体
とした。得られた各成形体を水素雰囲気中で温度180
0℃で30時間焼結することにより直径が200mmで
厚さが異なるタングステン焼結体を作成した。
【0041】次に得られた各タングステン焼結体につい
て、表2に示す加工率で鍛造加工を施し、さらに表2に
示すアニール温度にて熱処理することにより、相対密度
および結晶粒径が異なり、直径が300mmであり、厚
さが10mmのタングステンスパッタリングターゲット
をそれぞれ調製した。各ターゲットについて、Uおよび
Thの含有量を測定したところ、いずれも1ppb以下
であった。
【0042】また各実施例および比較例に係るタングス
テンスパッタリングターゲットについて、相対密度,C
およびO含有量,平均結晶粒径を測定するとともに、
各ターゲットを使用して実施例1〜9と同様な操作条件
でスパッタリングを行い、8インチウエハー上にタング
ステン膜を形成して、その比抵抗を測定し、さらにタン
グステン膜中に混入したパーティクル数を測定して、下
記表2に示す結果を得た。
【0043】
【表2】
【0044】上記表2に示す結果から明らかなように、
所定量のモリブデンを含有させて作製した実施例10〜
18に係るターゲットによれば、いずれも相対密度が9
5%以上と高く、微細な結晶粒径を有しており、比抵抗
値が小さいタングステン膜が得られている。特に8イン
チウエハー上に混入するパーティクルは4〜12個と極
めて少なく、タングステン膜を使用した半導体製品を高
い製造歩留りで製造できることが判明した。
【0045】一方、モリブデン含有量が過少または過量
である比較例7〜12に係るターゲットにおいては、パ
ーティクルの発生量が9〜25となり、各実施例のター
ゲットと比較して多量のパーティクルが発生することが
判明した。
【0046】
【発明の効果】以上説明の通り本発明に係るタングステ
ンスパッタリングターゲットおよびその製造方法によれ
ば、所定量のマンガンを含有させているため、タングス
テン成形体の焼結性が大幅に改善され高密度のターゲッ
トが得られ、しかもタングステン粒子の結晶成長が効果
的に抑止されるため、スパッタリング時におけるパーテ
ィクルの発生量を大幅に低減することが可能になる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 27/04 101 C22C 27/04 101 5F103 H01L 21/203 H01L 21/203 S 21/285 21/285 S 301 301R 21/3205 21/88 M (72)発明者 高阪 泰郎 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 石上 隆 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 鈴木 幸伸 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 4K017 AA03 BA04 BB04 BB13 BB18 CA07 EA04 4K018 AA19 BA09 BB04 BC08 BD10 CA24 CA26 DA11 DA31 DA32 EA02 KA29 4K029 BA02 BD02 CA05 DC03 DC09 4M104 BB18 DD40 HH16 HH20 5F033 HH19 PP15 XX00 XX10 XX31 XX34 5F103 AA08 BB22 DD28 RR10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モリブデン(Mo)含有量が5ppm以
    上100ppm以下であることを特徴とするタングステ
    ンスパッタリングターゲット。
  2. 【請求項2】 モリブデン(Mo)含有量が10〜50
    ppmであることを特徴とする請求項1記載のタングス
    テンスパッタリングターゲット。
  3. 【請求項3】 炭素(C)および酸素(O)の含有量が
    それぞれ100ppm以下であることを特徴とする請求
    項1および2のいずれかに記載のタングステンスパッタ
    リングターゲット。
  4. 【請求項4】 ウラン(U)およびトリウム(Th)の
    含有量がそれぞれ1ppb以下であることを特徴とする
    請求項1,2および3のいずれかに記載のタングステン
    スパッタリングターゲット。
  5. 【請求項5】 ターゲットの相対密度が95%以上であ
    り、タングステン結晶の平均粒径が10μmを超え、3
    00μm以下であることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載のタングステンスパッタリングターゲ
    ット。
  6. 【請求項6】 純度99.999%以上の高純度タング
    ステン粉末を、モリブデン製ボールミル中で粉砕するこ
    とによりモリブデン含有量が5〜100ppmであり、
    平均粒径が1〜5μmとなるように調整し、得られたタ
    ングステン粉末の成形体を真空中または不活性ガス雰囲
    気中で加圧焼結することを特徴とするタングステンスパ
    ッタリングターゲットの製造方法。
  7. 【請求項7】 成形体は冷間静水圧プレス法(CIP
    法)によって調製することを特徴とする請求項6記載の
    タングステンスパッタリングターゲットの製造方法。
  8. 【請求項8】 加圧焼結は熱間静水圧プレス法(HIP
    法)によって実施することを特徴とする請求項6記載の
    タングステンスパッタリングターゲットの製造方法。
JP2000115395A 2000-04-17 2000-04-17 タングステンスパッタリングターゲットの製造方法 Expired - Lifetime JP4634567B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000115395A JP4634567B2 (ja) 2000-04-17 2000-04-17 タングステンスパッタリングターゲットの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000115395A JP4634567B2 (ja) 2000-04-17 2000-04-17 タングステンスパッタリングターゲットの製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001295036A true JP2001295036A (ja) 2001-10-26
JP2001295036A5 JP2001295036A5 (ja) 2007-05-24
JP4634567B2 JP4634567B2 (ja) 2011-02-16

Family

ID=18627045

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000115395A Expired - Lifetime JP4634567B2 (ja) 2000-04-17 2000-04-17 タングステンスパッタリングターゲットの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4634567B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004085312A1 (ja) * 2003-03-25 2004-10-07 Nikko Materials Co., Ltd. シリコン焼結体及びその製造方法
WO2005073418A1 (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Nippon Tungsten Co., Ltd. タングステン系焼結体およびその製造方法
JP2007314883A (ja) * 2007-06-11 2007-12-06 Nikko Kinzoku Kk スッパタリング用タングステン焼結体ターゲットの製造方法
WO2012042791A1 (ja) * 2010-09-29 2012-04-05 株式会社アルバック タングステンターゲットおよびその製造方法
WO2013129434A1 (ja) * 2012-03-02 2013-09-06 Jx日鉱日石金属株式会社 タングステン焼結体スパッタリングターゲット及び該ターゲットを用いて成膜したタングステン膜
WO2014069328A1 (ja) * 2012-11-02 2014-05-08 Jx日鉱日石金属株式会社 タングステン焼結体スパッタリングターゲット及び該ターゲットを用いて成膜したタングステン膜
JP2018510265A (ja) * 2015-03-06 2018-04-12 インテグリス・インコーポレーテッド 固体ソース送出用の高純度タングステンヘキサカルボニル
JP2019090071A (ja) * 2017-11-10 2019-06-13 Jx金属株式会社 タングステンスパッタリングターゲット及びその製造方法
CN114457222A (zh) * 2021-09-30 2022-05-10 中国船舶重工集团公司第七一八研究所 一种改善高纯钨加工性能的方法
JP7278463B1 (ja) 2022-06-27 2023-05-19 株式会社アルバック タングステンターゲットおよびその製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103567443B (zh) * 2012-07-25 2015-10-07 宁波江丰电子材料股份有限公司 钨靶材的制作方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62182202A (ja) * 1986-02-05 1987-08-10 Hitachi Metals Ltd タ−ゲツトの製造方法
JP2757287B2 (ja) * 1989-11-02 1998-05-25 日立金属株式会社 タングステンターゲットの製造方法
JP3280054B2 (ja) * 1992-02-10 2002-04-30 日立金属株式会社 半導体用タングステンターゲットの製造方法
JPH0776771A (ja) * 1993-09-08 1995-03-20 Japan Energy Corp タングステンスパッタリングターゲット

Cited By (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004085312A1 (ja) * 2003-03-25 2004-10-07 Nikko Materials Co., Ltd. シリコン焼結体及びその製造方法
WO2005073418A1 (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Nippon Tungsten Co., Ltd. タングステン系焼結体およびその製造方法
JP2007314883A (ja) * 2007-06-11 2007-12-06 Nikko Kinzoku Kk スッパタリング用タングステン焼結体ターゲットの製造方法
US9388489B2 (en) 2010-09-29 2016-07-12 Ulvac, Inc. Tungsten target and method for producing same
WO2012042791A1 (ja) * 2010-09-29 2012-04-05 株式会社アルバック タングステンターゲットおよびその製造方法
JPWO2012042791A1 (ja) * 2010-09-29 2014-02-03 株式会社アルバック タングステンターゲットおよびその製造方法
JP5684821B2 (ja) * 2010-09-29 2015-03-18 株式会社アルバック タングステンターゲットの製造方法
CN103124804A (zh) * 2010-09-29 2013-05-29 株式会社爱发科 钨靶及其制造方法
WO2013129434A1 (ja) * 2012-03-02 2013-09-06 Jx日鉱日石金属株式会社 タングステン焼結体スパッタリングターゲット及び該ターゲットを用いて成膜したタングステン膜
US10047433B2 (en) 2012-03-02 2018-08-14 Jx Nippon Mining & Metals Corporation Tungsten sintered compact sputtering target and tungsten film formed using same target
JPWO2013129434A1 (ja) * 2012-03-02 2015-07-30 Jx日鉱日石金属株式会社 タングステン焼結体スパッタリングターゲット及び該ターゲットを用いて成膜したタングステン膜
JP2016135922A (ja) * 2012-03-02 2016-07-28 Jx金属株式会社 タングステン焼結体スパッタリングターゲット及び該ターゲットを用いて成膜したタングステン膜
JPWO2014069328A1 (ja) * 2012-11-02 2016-09-08 Jx金属株式会社 タングステン焼結体スパッタリングターゲット及び該ターゲットを用いて成膜したタングステン膜
JP5851612B2 (ja) * 2012-11-02 2016-02-03 Jx日鉱日石金属株式会社 タングステン焼結体スパッタリングターゲット及び該ターゲットを用いて成膜したタングステン膜
CN104508176A (zh) * 2012-11-02 2015-04-08 吉坤日矿日石金属株式会社 钨烧结体溅射靶和使用该靶形成的钨膜
KR20170015559A (ko) 2012-11-02 2017-02-08 제이엑스금속주식회사 텅스텐 소결체 스퍼터링 타깃 및 그 타깃을 사용하여 성막한 텅스텐막
TWI588282B (zh) * 2012-11-02 2017-06-21 Jx Nippon Mining & Metals Corp A tungsten sintered sputtering target and a tungsten film formed using the target
WO2014069328A1 (ja) * 2012-11-02 2014-05-08 Jx日鉱日石金属株式会社 タングステン焼結体スパッタリングターゲット及び該ターゲットを用いて成膜したタングステン膜
JP2018510265A (ja) * 2015-03-06 2018-04-12 インテグリス・インコーポレーテッド 固体ソース送出用の高純度タングステンヘキサカルボニル
JP2019090071A (ja) * 2017-11-10 2019-06-13 Jx金属株式会社 タングステンスパッタリングターゲット及びその製造方法
JP7308013B2 (ja) 2017-11-10 2023-07-13 Jx金属株式会社 タングステンスパッタリングターゲット及びその製造方法
US11939661B2 (en) 2017-11-10 2024-03-26 Jx Metals Corporation Tungsten sputtering target and method for manufacturing the same
CN114457222A (zh) * 2021-09-30 2022-05-10 中国船舶重工集团公司第七一八研究所 一种改善高纯钨加工性能的方法
CN114457222B (zh) * 2021-09-30 2023-07-14 中国船舶重工集团公司第七一八研究所 一种改善高纯钨加工性能的方法
JP7278463B1 (ja) 2022-06-27 2023-05-19 株式会社アルバック タングステンターゲットおよびその製造方法
WO2024004554A1 (ja) * 2022-06-27 2024-01-04 株式会社アルバック タングステンターゲットおよびその製造方法
JP2024003721A (ja) * 2022-06-27 2024-01-15 株式会社アルバック タングステンターゲットおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4634567B2 (ja) 2011-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5460793A (en) Silicide targets for sputtering and method of manufacturing the same
JP5243541B2 (ja) タングステン焼結体スパッタリングターゲット
JP2004100000A (ja) 珪化鉄スパッタリングターゲット及びその製造方法
TWI438310B (zh) Sintered silicon wafers
JP3973857B2 (ja) マンガン合金スパッタリングターゲットの製造方法
JP2001098364A (ja) スッパタリング用タングステンターゲット及びその製造方法
JP6768575B2 (ja) タングステンシリサイドターゲット及びその製造方法
JP2001295036A (ja) タングステンスパッタリングターゲットおよびその製造方法
JP3819863B2 (ja) シリコン焼結体及びその製造方法
EP3124647B1 (en) Sputtering target comprising al-te-cu-zr alloy, and method for producing same
JP2004099392A (ja) 珪化鉄粉末及びその製造方法
JPWO2004016825A1 (ja) ハフニウムシリサイドターゲット及びその製造方法
JPWO2019187329A1 (ja) タングステンシリサイドターゲット部材及びその製造方法、並びにタングステンシリサイド膜の製造方法
JP2001295035A (ja) スパッタリングターゲットおよびその製造方法
JP3998972B2 (ja) スパッタリング用タングステンターゲットの製造方法
JP2896233B2 (ja) 高融点金属シリサイドターゲット,その製造方法,高融点金属シリサイド薄膜および半導体装置
JP4921653B2 (ja) スパッタリングターゲットおよびその製造方法
JP2003167324A (ja) 金属シリサイドスパッタリングターゲット及びその製造方法
JP3997527B2 (ja) Ru−Al金属間化合物ターゲットの製造方法、Ru−Al金属間化合物ターゲットおよび磁気記録媒体
JP4238768B2 (ja) P含有w粉末およびこれを用いて製造されたスパッタリング焼結ターゲット
JPH0247261A (ja) シリサイドターゲットおよびその製造方法
JPH0849068A (ja) タングステンシリサイドターゲット材およびその製造方法
CN111886359A (zh) 溅射靶
JPH02247379A (ja) シリサイドターゲットの製造方法
JP3073764B2 (ja) Ti―Wターゲット材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070316

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070316

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100524

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100622

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100921

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20101001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101026

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101119

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4634567

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126

Year of fee payment: 3

EXPY Cancellation because of completion of term