JPH0849068A - タングステンシリサイドターゲット材およびその製造方法 - Google Patents
タングステンシリサイドターゲット材およびその製造方法Info
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Abstract
材およびその製造方法を提供する。 【構成】 本発明は相対密度が101%以上であり、シ
リコンとタングステンの原子比Si/Wが2を超えるこ
とを特徴とするタングステンシリサイドターゲット材で
ある。本発明のターゲット材は、仮焼体を粉砕して得ら
れた粉砕粉を1200℃〜1400℃、110MPa以
上で焼結することにより得ることができる。
Description
される電極形成あるいは配線形成等に使用されるタング
ステンシリサイドターゲット材およびその製造方法に関
するものである。
の電極および配線としてタングステンシリサイド膜が用
いられている。このタングステンシリサイド膜を形成す
る方法としては、スパッタリング法、化学蒸着法等が使
用されており、特に膜の生産性、再現性および作業の安
全性から、スパッタリング法が主流となっている。この
スパッタリング法は、タングステンとシリコンで構成さ
れるターゲットを用いて、アルゴン等の不活性ガスイオ
ンをターゲット表面に衝突させ、放出される微細な粒子
を薄膜として形成させる方法である。
れの発生を防止するため、薄膜の均一性、低抵抗性など
を確保するため、あるいはスパッタ時の局部放電により
ターゲット表面に突起が生じ、パーティクルが発生する
のを防止するために、高密度で不純物の少ないターゲッ
トを製造する方法が検討されている。例えば、特開昭6
1−145828号公報では、高純度高融点金属粉末と
高純度シリコン粉末を混合、加圧成形、加熱焼結して焼
結体を得た後、電子ビーム溶解してシリサイド溶製品を
得る方法が開示されている。また、特開昭61−141
673号公報あるいは特開昭61−141674号公報
では、モリブデン粉末あるいはタングステン粉末とシリ
コン粉末を混合後、成形、シリサイド化の後にペレット
を粉砕し、ホットプレスによる焼結体を得る方法によっ
て高密度ターゲットを得ている。
記載されるように、組織の微細化のために、高融点金属
(M)粉末とシリコン粉末とを真空中でシリサイド反応
させ、得られた仮焼体を熱間静水圧プレスする方法も提
案されている。さらに、最近では、特公平6−4162
9号公報に記載されるように、パーティクルの低減に炭
素量が関係することに着目して、金属粉末とシリコン粉
末の混合粉末を作製した後、炭素および酸素を低減する
ために高真空中で加熱して炭素および酸素を低減する工
程を付加する方法も開示されている。
純物の低減および組織の微細化は、タングステンシリサ
イドターゲットとしてそれぞれ有効な手法である。しか
し、近年のLSIの高集積化は著しく、配線などに要求
される薄膜の幅がサブミクロンになってきており、上述
した従来の手法だけでは、微細なデバイスのパーティク
ルの発生をさらに低減するのには不十分である。本発明
は、上述した要求に答えるべく、パーティクルの発生を
さらに低減できる新規なターゲット材およびその製造方
法を提供することである。
を用いて、タングステンシリサイドターゲット材を製造
し、化学量論的なタングステンシリサイドWSi2およ
び純シリコンSiで構成されると仮定して計算された時
の理論密度に対するターゲット材の真密度の比である相
対密度が101%を超える従来にはないターゲット材を
製造することが可能であることを見い出し、この相対密
度が101%を超えたターゲット材が、パーティクルの
低減に極めて有効であることを見いだし本発明に到達し
た。
論的なタングステンシリサイドWSi2および純シリコ
ンSiで構成されると仮定して計算された理論密度に対
するターゲット材の真密度の比である相対密度が101
%以上であり、シリコンとタングステンの原子比Si/
Wが2を超えることを特徴とするタングステンシリサイ
ドターゲット材である。
めの製造方法は、シリコンとタングステンの原子比Si
/Wが2を超えるように混合したタングステン粉末とシ
リコン粉末とを還元性雰囲気でシリサイド反応させて仮
焼体とし、ついで該仮焼体を粉砕して得られた粉砕粉を
1200℃〜1400℃、110MPa以上で焼結し
て、化学量論的なタングステンシリサイドWSi2およ
び純シリコンSiで構成されると仮定して計算された理
論密度に対する真密度の比である相対密度が101%以
上であるターゲット材を得ることを特徴とするタングス
テンシリサイドターゲット材の製造方法である。
は、タングステンシリサイドターゲット材の相対密度を
101%以上にしたことである。従来のタングステンシ
リサイドターゲット材は、その組織として化学量論的な
タングステンシリサイドWSi2と遊離シリコンで構成
されるものと考えられ、相対密度を100%に近づける
ことによって、スパッタリング時の異常放電の原因とな
る空隙を減らすことを目的として高密度化が検討されて
きた。これに対して、本発明者は、上述した従来の手法
をさらに検討したところ、1200℃〜1400℃、1
10MPa以上という、シリコンの融点である1414
℃直下でかつ極めて高い圧力条件を選択することによ
り、化学量論的なタングステンシリサイドと遊離シリコ
ンのみで構成されるとは考えられない相対密度101%
以上の新規なターゲット材を実際に製造できることを見
いだしたのである。
が、パーティクルを低減できる理由は不詳であるが、高
温・高圧の条件により組織中のタングステンシリサイド
相とシリコン相の界面で一部拡散が起こり、化合物であ
るタングステンシリサイド相とシリコン相とのスパッタ
速度の違いを緩和していることが考えられる。本発明に
おける相対密度は好ましくは102%以上である。ある
いは、タングステンシリサイド相とシリコン相との機械
的な結合力が強くなっており、パーティクルの発生を抑
制したものと考えられる。
テンの原子比Si/Wが2を超えると規定したのは、S
i/Wが2以下であると、生成する薄膜に大きな引張り
応力が発生し、薄膜の密着性を阻害する危険があるため
である。またLSIの電極または配線として使用する場
合には、Si/Wが4を超えるとシート抵抗が高くなっ
てしまうという問題があるため、好ましくはSi/Wを
4以下とする。
法の最も特徴とするところは、1200℃〜1400
℃、110MPa以上という、純シリコンの融点141
4℃直下で極めて高い圧力を適用したことである。これ
により上述した本発明のターゲット材を得ることが可能
となる。このような高温・高圧条件で焼結するには、例
えば熱間静水圧プレス法が適用できる。従来タングステ
ンシリサイドターゲット材を製造するために熱間静水圧
プレス法を適用する場合は、通常では1200℃以上と
することはなく、またこのような高温で110MPa以
上の高圧条件を適用していなかった。これはこのような
高温・高圧の条件を適用しなくても相対密度がほぼ10
0%となり、これ以上密度を高めようとしなかったため
である。なお、本発明において焼結温度の上限を140
0℃としたのは、1400℃を超えるとシリコンが溶融
して、焼結体組織が不均一になるためである。好ましい
焼結温度範囲は1250〜1350℃であり、好ましい
焼結圧力は120MPa以上である。
コンとタングステンの原子比Si/Wが2を超えるよう
に混合したタングステン粉末とシリコン粉末とを還元性
雰囲気下でシリサイド反応させてタングステンシリサイ
ドと遊離シリコンからなる仮焼体とし、ついで該仮焼体
を粉砕して焼結原料としている。仮焼体をあらかじめ製
造するのは、タングステンはシリサイド化反応させタン
グステンシリサイドとし、反応にあずからなかったシリ
コンは微細な遊離シリコンとするためである。また還元
性雰囲気下で行うのは、シリサイド反応に伴ない、W,
Siに吸着していた酸素が解離され、不純物酸素を効果
的に低減できるためである。還元性雰囲気としては、水
素含有雰囲気や減圧雰囲気が使用できる。また、仮焼体
をさらに粉砕するのは、均一で高密度な焼結体を得るた
めである。
うに計算できる。シリコンとタングステンの原子比Si
/W=2.75のターゲット材の場合。化学量論的タン
グステンシリサイドWSi2の密度と分子量は以下の通
りである。 密度 9.83 [g/cm3] 分子量 240.022[g/g-mol] 純シリコンの密度と分子量は以下の通りである。 密度 2.33 [g/cm3] 原子量 28.086[g/g-mol] ターゲット材が実質的にWSi2 1[g-mol]とSi 0.75[g-mo
l]のみで構成されると仮定すると、ターゲット材重量
は、 (1[g-mol]×240.022[g/g-mol])+(0.75[g-mol]×28.086
[g/g-mol])=261.085[g] ターゲット材容積は、 (1[g-mol]×240.022[g/g-mol]/9.83[g/cm3])+(0.75[g-
mol]×28.086[g/g-mol]/2.33[g/cm3])=33.458[cm3] この時の密度は、ターゲット材重量/ターゲット材容積
=7.803〔g/cm3〕となる。これが理論密度である。一方
真密度は、ターゲット材をアルキメデス法によって容積
を求め、また秤量することにより重量を求めることによ
って得ることができる。これによって得られた真密度が
たとえば、7.90/〔g/cm3〕であれば、相対密度は、(真
密度×100)/理論密度=(7.90[g/cm3]×100)/7.803[g/
cm3]=101.2%である。
平均粒径4.2μm)と高純度シリコン粉末(純度99.999%以
上、平均粒径16μm)をSi/W=2.75の配合比に秤量し、ブ
レンダーにて混合した。混合して得られた混合粉末を13
50℃×2hrの条件で5×10マイナス4乗Torr以下の高真空
下でシリサイド化反応を行い仮焼体を得た。この仮焼体
をアルゴン雰囲気中で100メッシュ(150μm)以下にまで
粉砕し、粉砕粉を表1に示す条件により加圧焼結し、機
械加工により300mmφのターゲット材を得た。表1に示
すHIPは熱間静水圧プレス、HPはホットプレスを意
味するものである。得られたターゲット材の密度を測定
した結果を表1に示す。また、得られたターゲット材を
表2の条件でスパッタリングを行い6インチウエハーに
発生する0.3μm以上のパーティクル数を測定した。結
果を表1に示す。
織を示すために試料No.2の600倍の組織写真を図
1に示す。図1に示すように本発明のターゲット材は、
白色で表されるタングステンシリサイド相と黒色に見え
る遊離シリコン相が均一に分散した組織となっているこ
とがわかる。表1に示す試料のうち、試料1〜3が本発
明のターゲット材であり、試料4〜6は比較例の試料で
ある。試料4および試料5に示すように、圧力および温
度のいずれか一方が本発明よりも低い場合には、101
%以上の密度とすることはできなかった。また、試料6
は通常のホットプレスの限界の条件を適用してみたもの
であるが、相対密度101%以上のターゲット材を得る
ことはできなかった。
て、表1に示すように1200℃以上、110MPa以
上の本発明の焼結条件を適用した場合、ターゲット材の
相対密度は、理論密度をはるかに超えた101%以上の
相対密度のターゲット材を得ることができたことがわか
る。そして相対密度が101%未満の比較例のターゲッ
ト材のパーティクル発生数は、本発明のターゲット材に
比べて2倍近く多くなっており、相対密度を101%以
上にしたターゲット材がパーティクルの発生を抑制する
のに有効であることをがわかる。
った相対密度101%以上のターゲット材を得ることが
でき、このターゲット材によって、パーティクル発生の
発生を効果的に抑制することでできるようになった。し
たがって、本発明のターゲット材を使用することによ
り、半導体デバイスの製造歩留まり向上あるいは半導体
デバイスの信頼性向上となり、工業上極めて有効であ
る。
ミクロ組織写真である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ターゲット材が化学量論的なタングステ
ンシリサイドWSi2および純シリコンSiで構成され
ると仮定して計算された理論密度に対するターゲット材
の真密度の比である相対密度が101%以上であり、シ
リコンとタングステンの原子比Si/Wが2を超えるこ
とを特徴とするタングステンシリサイドターゲット材。 - 【請求項2】 シリコンとタングステンの原子比Si/
Wが2を超えるように混合したタングステン粉末とシリ
コン粉末とを還元性雰囲気でシリサイド反応させて仮焼
体とし、ついで該仮焼体を粉砕して得られた粉砕粉を1
200℃〜1400℃、110MPa以上で焼結して、
化学量論的なタングステンシリサイドWSi2および純
シリコンSiで構成されると仮定して計算された理論密
度に対する真密度の比である相対密度が101%以上で
あるターゲット材を得ることを特徴とするタングステン
シリサイドターゲット材の製造方法。
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- 1994-08-03 JP JP20139894A patent/JP3528980B2/ja not_active Expired - Fee Related
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