JP2001288755A - 基礎の施工方法 - Google Patents
基礎の施工方法Info
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Abstract
合してなる基礎を合理的に施工する。 【解決手段】 杭1を施工した後、杭頭部に鋼管4の下
半部を装着して鋼管内にコンクリート5を打設すること
により鋼管の下半部を杭頭部に対して固定し、しかる後
に鋼管内に柱脚部を挿入して柱2を立設し、鋼管内にコ
ンクリート5をさらに打設して柱脚部を鋼管に対して固
定する。鋼管の内面に突設せしめたスペーサにより鋼管
の半径方向の位置決めを行う。杭頭部の周囲に設けた捨
てコンクリート7により鋼管の下端を支持せしめて上下
方向の位置決めを行い鉛直建て込み精度を確保する。地
盤の表層部に形成した層状の地盤改良体9や土間コンク
リート10によって杭頭部の水平変位を拘束する。柱の
柱脚部にスタッド8を設けて柱脚部と鋼管との接合強度
を高める。
Description
り、特に杭頭部と柱脚部とを鋼管を介して軸方向に接合
する構造の基礎を施工するための方法に関する。
礎梁とをフーチングを介して接合するものが最も一般的
であるが、より簡略で合理的な基礎の構造として、図1
3に示すように杭1と柱2とを直接的に接合して基礎梁
およびフーチングを省略することが近年試みられてい
る。そのような構造では杭1と柱2とを確実強固に接合
するべく、たとえば図14に示すように、柱脚を杭頭に
対してアンカー3により直接的に接合することに加え、
杭頭部と柱脚部に跨るように鋼管4を外挿してその内部
にコンクリート5を打設充填することで接合強度を確保
することが提案されている(特開平11−100854
号公報)。
礎は従来一般の基礎より十分な簡略化を実現できること
から広く普及する気運にあるが、現時点では試行的に施
工されるに留まっていてそのための施工方法は未だ確立
されておらず、そのような構造の基礎を合理的に施工す
るための有効適切な施工方法の開発が急務とされてい
る。
1の発明は、杭頭部と柱脚部とを鋼管を介して軸方向に
接合してなる基礎を施工するに際し、杭を施工した後、
杭頭部に鋼管の下半部を装着して該鋼管内にコンクリー
トを打設することにより該鋼管の下半部を杭頭部に対し
て固定し、しかる後に該鋼管内に柱脚部を挿入して柱を
立設し、該鋼管内にコンクリートをさらに打設して柱脚
部を鋼管に対して固定するようにしたものである。
方法において、前記鋼管を杭頭部に装着するに際し、該
鋼管の内面に突設せしめたスペーサを杭頭部周面に当接
せしめることで該鋼管の径方向の位置決めを行うように
したものである。
明の施工方法において、前記鋼管を杭頭部に装着するに
際し、杭頭部の周囲に捨てコンクリートを打設し、該捨
てコンクリートにより前記鋼管の下端を支持せしめて該
鋼管の上下方向の位置決めを行いかつ鉛直建て込み精度
を確保するようにしたものである。
の発明の施工方法において、地盤の表層部を地盤改良し
て層状の地盤改良体を形成し、該地盤改良体により杭頭
部の水平変位を拘束するようにしたものである。
は4の発明の施工方法において、地盤上に土間コンクリ
ートを打設して該土間コンクリートにより杭頭部の水平
変位を拘束するようにしたものである。
または5の発明の施工方法において、前記柱の柱脚部に
スタッドを設けておくことで該柱脚部のコンクリートに
対する定着強度を高めるようにしたものである。
実施形態を説明する。まず、本発明の施工方法が対象と
している基礎の構造について図1〜図3を参照して概略
説明する。その基礎は図13および図14に示したもの
と基本的に同様の構造のもので、本例では図1に示すよ
うに柱2および梁6からなる単層(平屋建て)の鉄骨造
建物に適用され、杭1と柱2とが鋼管4を介して軸方向
に接合されることにより通常の基礎における基礎梁とフ
ーチングとが省略されたものである。
さらに説明すると、本例では杭1としてPHC杭が採用
されてそれが地盤に打ち込まれ、その杭頭部には杭径よ
りやや大径の鋼管4の下半部が装着され、鋼管4の上半
部には角形鋼管からなる柱2の柱脚部が挿入され、その
鋼管4内全体にコンクリート5が打設充填されることで
そのコンクリート5および鋼管4を介して杭頭部と柱脚
部とが確実強固に接合されている。符号7は捨てコンク
リート、8は柱脚部に設けたスタッド、9は地盤改良
体、10はこの建物の1階床面となる土間コンクリート
であるが、これらについては後述する。
を参照して詳細に説明する。
後、図5に示すように杭頭部の周囲を根切りして杭頭部
を露出せしめ、その根切り底に捨てコンクリート7を打
設し、鋼管4を杭頭部に装着して捨てコンクリート7を
支持面として建て込む。その際、捨てコンクリート7に
より鋼管4の上下方向の位置決めを行うとともに建て込
み精度を確保し、径方向の位置決めは図11に示すよう
に鋼管4内に予め突設せしめておいたスペーサ11によ
り行う。
間隔で少なくととも3カ所に取り付けておき、鋼管4を
杭頭部に装着するとそれらスペーサ11によって杭頭部
との間に自ずと適正かつ均等な間隔が確保されるように
しておく。なお、図示しているように、スペーサ11を
上下2段にわたって設けておくことにより鋼管4の鉛直
建て込み精度を自ずと確保できるし、スペーサ11を逆
三角形状としておくと、鋼管4を装着する際にスペーサ
11の斜面により鋼管4が径方向に自ずと案内されるの
で装着作業を容易に行い得る。さらに、このスペーサ1
1は鋼管4内に打設充填されるコンクリート5に対する
定着強度を高めるためのスタッドとしても機能する。
にコンクリート5を打設して杭頭部を埋設し、杭頭部に
対して鋼管4を固定する。本実施形態では杭1がPHC
杭等の中空杭であるので、コンクリート5の打設に先立
って杭1内にコンクリート止めとなる閉塞板12を取り
付ける。閉塞板12の取付位置は鋼管4の下端レベルと
する。
して、図7に示すように杭頭部の周囲を埋め戻し、転圧
を行った後、地盤表層部に対して地盤改良を行って層状
の地盤改良体9を形成する。この地盤改良体9は建物の
1階床面となる土間コンクリート10の支持面となると
ともに、杭頭部の水平変位を拘束する機能を有するもの
である。地盤改良体9の厚さは適宜設定すれば良いが、
たとえば350mm程度で良い。
示すように柱2を建て込む。本実施形態では柱2として
角形鋼管を採用し、その柱脚部には多数のスタッド8を
取り付けておき、その柱脚部を鋼管4内に挿入すること
で建て込む。
具15および治具16を用いて次の手順で行う。治具1
5は柱2の芯出しを行うためのもので、レーザー測量に
て鋼管4にマーキングしたポイントを基準として(a)
に示すように柱芯Oを設定するものである。治具16は
治具15を基準として鋼管4の上部にクランプ17によ
り固定されることで(b)に示すように柱2の表面の位
置を設定するものである。その治具16により案内する
ことで柱2を適正位置に建て込んだら(c)に示すよう
にさらに同様の治具16を鋼管4に固定してそれら2台
の治具16により柱2を両側から挟み込んで仮支持す
る。それら治具15,16はアングル材を柱2の寸法に
応じて組み立てて溶接することにより簡便かつ安価に製
作できるものであるし、繰り返し転用できるものであ
る。
クリート5をさらに打設し、相前後して柱2内にも所定
高さまでコンクリート18を打設して少なくとも柱脚部
にはコンクリート18を充填する。コンクリート5が硬
化すればそのコンクリート5および鋼管4を介して杭1
と柱2とが確実強固に接合される。
ート10を打設して1階床面を形成する。なお、土間コ
ンクリート10の打設に先立ち、治具16を取り外して
も良い。土間コンクリート10には地盤改良体9ととも
に杭頭部の水平変位を拘束する機能を持たせることが好
ましい。引き続いて梁6の架設等、地上部の躯体の施工
を行い、建物を完成させる。
鋼管4を介して確実強固に接合されることはもとより、
杭1の施工後には、杭頭部への鋼管4の装着、コンクリ
ート5の打設、柱2の建て込み、コンクリート5のさら
なる打設、という簡便な作業を順次行うことのみで効率
的な施工が可能であり、極めて施工性に優れる。
くことで杭頭部に対する鋼管4の径方向の位置決めを容
易にかつ精度良く行い得るし、鋼管4の上下方向の位置
決めおよび建て込み精度の確保は捨てコンクリート7に
より精度良くかつ支障なく行うことができる。また、地
盤の表層部に形成した層状の地盤改良体9およびその上
部に形成した土間コンクリート10にて杭頭部の水平変
位を拘束することができるので構造的にも安定した基礎
の施工が可能である。さらに、柱脚部にはスタッド8を
設けているので、コンクリート5に対する定着強度が高
められ、コンクリート5および鋼管4を介しての杭1と
柱2との接合強度を十分に高めることができる。
杭を採用したが、それに限らず鋼管杭や場所打ちコンク
リート杭等も採用可能である。また、柱2としては角形
鋼管に限ることなく円形鋼管はもとよりH形鋼の鋼材も
当然に採用可能である。さらに、図14に示した従来の
ものと同様に、柱2の柱脚にベースプレートを取り付け
ておいて鋼管4内のコンクリート5に対してアンカーに
より定着するようにしても良い。
間コンクリート10の双方に杭頭部の水平変位を拘束す
る機能をもたせるようにしたが、そのような機能は不要
であれば省略して良いし、あるいは地盤改良体9か土間
コンクリート10のいずれか一方にのみその機能を持た
せることでも良い。その他、本発明は上記実施形態に限
定されることなく適宜の設計的変更が可能であることは
言うまでもない。
鋼管を介して軸方向に接合してなる基礎を施工するに際
し、杭を施工した後、杭頭部に鋼管の下半部を装着して
鋼管内にコンクリートを打設することにより鋼管の下半
部を杭頭部に対して固定し、しかる後に鋼管内に柱脚部
を挿入して柱を立設し、鋼管内にコンクリートをさらに
打設して柱脚部を鋼管に対して固定するようにしたか
ら、簡便な作業で杭と柱とを確実強固に接合することが
できることはもとより極めて合理的で施工性に優れ、上
記構造の基礎の施工方法として最適である。
めたスペーサを杭頭部周面に当接せしめることでその鋼
管の径方向の位置決めを行うようにしたので、特に杭頭
部に対する鋼管の径方向の位置決めを容易にかつ精度良
く行い得る。
ンクリートを打設し、その捨てコンクリートにより鋼管
の下端を支持せしめて鋼管の上下方向の位置決めを行い
かつ鉛直建て込み精度を確保するようにしたので、特に
鋼管の上下方向の位置決めを捨てコンクリートにより精
度良くかつ支障なく行うことができる。
良して層状の地盤改良体を形成し、その地盤改良体によ
り杭頭部の水平変位を拘束するようにしたので、構造的
に安定した基礎の施工が可能である。
ートを打設してその土間コンクリートにより杭頭部の水
平変位を拘束するようにしたので、同様に構造的に安定
した基礎の施工が可能である。
を設けておくので、柱脚部のコンクリートに対する定着
強度を十分に高めることができる。
す概要図である。
示すもので、杭を施工した状態を示す図である。
ある。
固定した状態を示す図である。
図である。
柱脚部を固定した状態を示す図である。
である。
る。
従来例を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 杭頭部と柱脚部とを鋼管を介して軸方向
に接合してなる基礎を施工するに際し、杭を施工した
後、杭頭部に鋼管の下半部を装着して該鋼管内にコンク
リートを打設することにより該鋼管の下半部を杭頭部に
対して固定し、しかる後に該鋼管内に柱脚部を挿入して
柱を立設し、該鋼管内にコンクリートをさらに打設して
柱脚部を鋼管に対して固定することを特徴とする基礎の
施工方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の基礎の施工方法におい
て、前記鋼管を杭頭部に装着するに際し、該鋼管の内面
に突設せしめたスペーサを杭頭部周面に当接せしめるこ
とで該鋼管の径方向の位置決めを行うことを特徴とする
基礎の施工方法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の基礎の施工方法
において、前記鋼管を杭頭部に装着するに際し、杭頭部
の周囲に捨てコンクリートを打設し、該捨てコンクリー
トにより前記鋼管の下端を支持せしめて該鋼管の上下方
向の位置決めを行いかつ鉛直建て込み精度を確保するこ
とを特徴とする基礎の施工方法。 - 【請求項4】 請求項1,2または3記載の基礎の施工
方法において、地盤の表層部を地盤改良して層状の地盤
改良体を形成し、該地盤改良体により杭頭部の水平変位
を拘束することを特徴とする基礎の施工方法。 - 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載の基礎の
施工方法において、地盤上に土間コンクリートを打設し
て該土間コンクリートにより杭頭部の水平変位を拘束す
ることを特徴とする基礎の施工方法。 - 【請求項6】 請求項1,2,3,4または5記載の基
礎の施工方法において、前記柱の柱脚部にスタッドを設
けておくことで該柱脚部のコンクリートに対する定着強
度を高めることを特徴とする基礎の施工方法。
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