JP2001279189A - 粉体塗料の製造方法、粉体塗料および塗膜形成方法 - Google Patents

粉体塗料の製造方法、粉体塗料および塗膜形成方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長くて複雑な製造工程を得ることなく、容易
にかつ製造時にゲル化を起こす恐れがなく、しかも得ら
れる粉体塗料がワキやピンホールのような塗膜欠陥を生
じることなく平滑性に優れる塗膜を形成するような粉体
塗料を提供する。 【解決手段】硬化反応性基を有する常温固形の主剤樹脂
(A)と、該主剤樹脂(A)の硬化反応性基と反応しう
る常温固形の硬化剤(B)と、有機溶剤(C)とを必須
の構成成分として含んでなる粉体塗料原料溶液を、主剤
樹脂(A)と硬化剤(B)とが実質的に硬化反応を起こ
さない温度で噴霧乾燥させることを特徴とする、粉体塗
料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体塗料の製造方
法及び粉体塗料及び塗膜形成方法に関する。さらに詳細
には、本発明は、硬化反応性基を有する常温固形の主剤
樹脂(A)及びその硬化剤(B)と、有機溶剤(C)、
好ましくは常圧における沸点が150〜300℃である
高沸点溶剤(C1)を含有する有機溶剤(C)とを必須の
構成成分として含む粉体塗料原料溶液を、主剤樹脂
(A)と硬化剤(B)とが実質的に硬化反応を起こさな
い温度で、かつ、高沸点溶剤(C1)を含有する有機溶剤
を用いてる場合は沸点有機溶剤(C1)の一部乃至全部が
残留する条件下で噴霧乾燥させる、粉体塗料の製造方
法、及び高沸点溶剤(C1)を含有する粉体塗料、及び塗
膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、塗装時に有機溶剤を大気中
に揮散することのない、環境調和型塗料として金属塗装
全般に広く使用されている。
【0003】通常、粉体塗料は、主剤樹脂を製造後、粗
粉砕し、硬化剤、各種添加剤をドライブレンド後、溶融
混練、冷却、再度粉砕、分級を経て製造される。このよ
うに溶剤系塗料に比べると製造工程が長くかつ複雑であ
るため、どうしても製造コストが高くなるという問題が
ある。この問題を解決するため、原料である主剤樹脂、
硬化剤、各種添加剤を溶剤中に溶解あるいは分散した原
料溶液を調製しておき、溶剤を除去することにより、直
接粉体塗料を得ようとする試みが行われている。
【0004】この場合、最終製品である粉体塗料を得る
ためには、溶剤を除去する工程が必要であるが、溶剤除
去時に原料溶液を高温に加熱すると主剤と硬化剤が硬化
反応を起こしてゲル化する。
【0005】これに対して、特開平10−53729号
公報には、特定の連続式減圧脱溶剤装置を使用して比較
的低温で溶剤を除去して粉体塗料を得る方法が示されて
いる。しかしながら、得られる粉体塗料は塊状であり、
塗料として使用するためには、微粉砕及び分級工程が必
要になる。また、脱溶剤時に装置内部の局部加熱による
ゲル物発生の可能性もある。
【0006】一方、超臨界流体を利用して、粉体塗料原
料溶液から溶剤を除去する方法も提案されている(特開
平8−113652号公報、特公平8−503721号
公報)が、この方法では高圧力の条件で操作を行わなけ
ればならないために、製造のための設備が非常に高価に
なるという問題があり、工業生産には適していない。
【0007】溶剤を除去する方法として、特開平9−2
55895号公報には、凍結乾燥法により粉体塗料を得
る方法も開示されてはいるが、この方法による場合に
も、エネルギーコストが高く、生産性も低いという問題
がある。
【0008】これらの方法の他に、噴霧乾燥を溶剤の除
去に利用する提案もなされている。例えば、特開平3−
192128号公報には、水中に分散した粉体塗料原料
液を噴霧乾燥して粉体化する方法が開示されている。し
かしながら、この方法による場合には、粉体塗料原料を
水中に分散させる為に分散剤等の使用が必要であるた
め、原料費が上昇するばかりでなく、塗料の貯蔵安定性
の低下、形成された塗膜の耐水性、耐薬品性の低下を招
く恐れもある。また、比熱と蒸発潜熱が共に大きい水を
媒体に使用するために、乾燥に要する熱エネルギーコス
トが非常に高くなるという問題がある。
【0009】一方、特開昭63−267402号公報に
は、主剤と溶剤からなる原液を乾燥する方法が示されて
いる。しかしながら、当該製造方法による場合には、熱
源ガスとして過熱蒸気状態まで加熱された高温の溶剤ガ
スを使用するため、主剤樹脂と硬化剤からなる系では、
乾燥時に粉体塗料原料が高温にさらされることによっ
て、主剤樹脂と硬化剤の硬化反応が起こり、塗料のゲル
化が進行して粉体塗料として使用できない恐れがある。
【0010】また一般に、噴霧乾燥法では中空粒子が生
成し易いという問題があり、噴霧乾燥法で製造した粉体
塗料では、塗装条件によっては塗膜にワキ、ピンホール
等の塗膜欠陥が発生する場合があるという問題がある。
【0011】さらに、従来の機械粉砕法により製造され
た粉体塗料では、その製造方法上、どうしても主剤樹脂
と硬化剤の混合が不十分になり、塗膜外観が溶剤系塗料
に比べ劣るという問題があった。そのため、自動車用を
はじめとする高塗膜外観が必要とされる用途への使用が
困難であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、本発明者ら
は、上述したような従来技術における種々の問題点ない
しは欠点などを解決し、長くて複雑な製造工程を経るこ
となく、容易にかつ製造時にゲル化を起こす恐れのない
ような、なかでも得られる粉体塗料がワキやピンホール
のような塗膜欠陥を生じることなく平滑性に優れる塗膜
を形成するような、粉体塗料の製造方法及び粉体塗料及
び塗膜形成方法を開発すべく、鋭意、研究を開始した。
【0013】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、長くて複雑な製造工程を得ることなく、容易にか
つ製造時にゲル化を起こす恐れがなく、しかも得られる
粉体塗料がワキやピンホールのような塗膜欠陥を生じる
ことなく平滑性に優れる塗膜を形成するような、粉体塗
料の製造方法及び粉体塗料及び塗膜形成方法を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
問題を解決するべく、鋭意、研究を重ねた結果、硬化反
応性基を有する常温固形の主剤樹脂(A)及びその硬化
剤(B)と、有機溶剤(C)、好ましくは常圧における
沸点が150〜300℃である高沸点溶剤(C1)を含有
する有機溶剤(C)とを必須の構成成分として含んでな
り、必要に応じて顔料(D)をも含んでなるような粉体
塗料原料溶液を、主剤樹脂(A)と硬化剤(B)とが実
質的に硬化反応を起こさない温度で、かつ、高沸点溶剤
(C1)を含有する有機溶剤を用いる場合は、高沸点有機
溶剤(C1)の一部乃至全部が残留する条件下で噴霧乾燥
させると、容易にかつ製造時にゲル化を起こす恐れがな
く粉体塗料が製造可能で、しかも高沸点溶剤(C1)を含
有する有機溶剤を用いた場合に得られる粉体塗料がワキ
やピンホールのような塗膜欠陥を生じることなく平滑性
に優れる塗膜を形成すること、2種以上の顔料(D)を
含んでなる粉体塗料原料溶液を混合して色彩を調整して
噴霧乾燥させると、色彩の調整が容易でかつ再現性に優
れる均一な色彩を有する塗膜が形成できること、有機溶
剤(C)のうち、常圧における沸点が100℃以下の有
機溶剤の占める割合が65%重量%以上であると好まし
いこと、主剤樹脂(A)の硬化反応性基が、エポキシ
基、カルボキシル基および水酸基からなる群から選ばれ
る少なくとも1種であると好ましく、なかでもエポキシ
基が特に好ましいこと、主剤樹脂(A)の硬化反応性基
がエポキシ基である場合、硬化剤(B)としては脂肪族
二塩基酸が好ましく、なかでもドデカンジカルボン酸が
特に好ましいこと、硬化剤(B)の少なくとも一種が脂
肪族二塩基酸の場合、有機溶剤(C)が、炭素数4以下
のアルコールを含んでなり、かつその炭素数4以下のア
ルコールの量が、粉体塗料原料溶液中に含まれる脂肪族
二塩基酸に対して、重量比で4倍以上であると好ましい
こと、粉体塗料原料溶液を、40〜130℃で噴霧乾燥
させると好ましいこと、粉体塗料中に高沸点溶剤(C1)
が0.005〜1重量%含有されていると好ましいこ
と、被塗物上に単層または複層の塗膜を形成する塗膜形
成方法において、上述した方法により製造された粉体塗
料をトップコート塗料として使用すると好ましいこと等
を見いだし、ここに本発明を完成させるに至った。
【0015】すなわち、本発明は、 1. 硬化反応性基を有する常温固形の主剤樹
脂(A)と、該主剤樹脂(A)の硬化反応性基と反応し
うる常温固形の硬化剤(B)と、有機溶剤(C)とを必
須の構成成分として含んでなる粉体塗料原料溶液を、主
剤樹脂(A)と硬化剤(B)とが実質的に硬化反応を起
こさない温度で噴霧乾燥させることを特徴とする、粉体
塗料の製造方法、
【0016】2. 粉体塗料原料溶液として、
硬化反応性基を有する常温固形の主剤樹脂(A)と、該
主剤樹脂(A)の硬化反応性基と反応しうる常温固形の
硬化剤(B)と、有機溶剤(C)と、顔料(D)とを必
須の構成成分として含んでなる原料溶液を用いる、上記
1記載の粉体塗料の製造方法、
【0017】3.粉体塗料原料溶液の色彩調整を行った
後、噴霧乾燥させる、上記2記載の粉体塗料の製造方
法。
【0018】4.硬化反応性基を有する常温固形の主剤
樹脂(A)と、該主剤樹脂(A)の硬化反応性基と反応
しうる常温固形の硬化剤(B)と、沸点150〜300
℃の高沸点有機溶剤(C1)を含有する有機溶剤(C)と
を必須の構成成分として含んでなる粉体塗料原料溶液
を、主剤樹脂(A)と硬化剤(B)とが実質的に硬化反
応を起こさない温度で、かつ、高沸点有機溶剤(C1)の
一部乃至全部が残留する条件下で噴霧乾燥させて、高沸
点有機溶剤(C1)の含有率が0.005〜1重量%の粉
体塗料を得ることを特徴とする、粉体塗料の製造方法、
【0019】5.粉体塗料原料溶液として、硬化反応性
基を有する常温固形の主剤樹脂(A)と、該主剤樹脂
(A)の硬化反応性基と反応しうる常温固形の硬化剤
(B)と、沸点150〜300℃の高沸点有機溶剤(C
1)を含有する有機溶剤(C)と、顔料(D)を必須の
構成成分として含んでなる原料溶液を用いる、上記4記
載の粉体塗料の製造方法、
【0020】6.粉体塗料原料溶液の色彩調整を行った
後、噴霧乾燥させる、上記5記載の粉体塗料の製造方
法、
【0021】7.有機溶剤(C)のうち、常圧における
沸点が100℃以下の有機溶剤の占める割合が65重量
%以上である、上記1〜6のいずれか1項に記載の粉体
塗料の製造方法、
【0022】8.主剤樹脂(A)の硬化反応性基が、エ
ポキシ基、カルボキシル基および水酸基からなる群から
選ばれる少なくとも1種である、上記1〜7のいずれか
1項に記載の粉体塗料の製造方法、
【0023】9.主剤樹脂(A)の硬化反応性基の少な
くとも一種がエポキシ基であり、硬化剤(B)が脂肪族
二塩基酸である、上記1〜7のいずれか1項に記載の粉
体塗料の製造方法、
【0024】10.脂肪族二塩基酸が、ドデカンジカル
ボン酸である、上記9記載の粉体塗料の製造方法、
【0025】11.有機溶剤(C)が、炭素数4以下の
アルコールを含んでなり、かつその炭素数4以下のアル
コールの量が、粉体塗料原料溶液中に含まれる脂肪族二
塩基酸に対して、重量比で4倍以上である、上記9また
は10記載の粉体塗料の製造方法、
【0026】12.粉体塗料原料溶液を、40〜130
℃で噴霧乾燥させる、上記1〜11のいずれか1項に記
載の粉体塗料の製造方法、
【0027】13.硬化反応性基を有する常温固形の主
剤樹脂(A)と、該主剤樹脂(A)の硬化反応性基と反
応しうる常温固形の硬化剤(B)と、沸点150〜30
0℃の高沸点有機溶剤(C1)とを含有し、かつ、高沸点
有機溶剤(C1)の含有率が0.005〜1重量%である
ことを特徴とする、粉体塗料、
【0028】14.硬化反応性基を有する常温固形の主
剤樹脂(A)と、該主剤樹脂(A)の硬化反応性基と反
応しうる常温固形の硬化剤(B)と、沸点150〜30
0℃の高沸点有機溶剤(C1)と共に顔料(D)を含有す
る、上記13に記載の粉体塗料、
【0029】15.主剤樹脂(A)の硬化反応性基が、
エポキシ基、カルボキシル基および水酸基からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種である、上記13または14
記載の粉体塗料、
【0030】16.主剤樹脂(A)の硬化反応性基の少
なくとも一種がエポキシ基であり、硬化剤(B)が脂肪
族二塩基酸である、上記または14記載の粉体塗料、
【0031】17.被塗物上に、単層または複層の塗膜
を形成する塗膜形成方法において、上記1〜12のいず
れか1項に記載の製造方法で得られた粉体塗料(X1)
を、トップコート塗料として使用することを特徴とす
る、塗膜形成方法、
【0032】18.被塗物上に、ベースコート塗料
〔I〕を塗装し、更にその上にトップコート塗料〔II〕
を塗装する塗膜形成方法であって、該トップコート塗料
〔II〕として粉体塗料(X1)を使用する、上記17記
載の塗膜形成方法、
【0033】19.ベースコート塗料〔I〕が着色ベー
スコート塗料であり、かつ、トップコート塗料〔II〕が
透明トップコート塗料である、上記18記載の塗膜形成
方法、
【0034】20.被塗物上に、単層または複層の塗膜
を形成する塗膜形成方法において、上記13〜16のい
ずれか1項に記載の粉体塗料(X2)を、トップコート
塗料として使用することを特徴とする、塗膜形成方法、
【0035】21.被塗物上に、ベースコート塗料
〔I〕を塗装し、更にその上にトップコート塗料〔II〕
を塗装する塗膜形成方法であって、該トップコート塗料
〔II〕として粉体塗料(X2)を使用する、上記20記
載の塗膜形成方法、および、
【0036】22.ベースコート塗料〔I〕が着色ベー
スコート塗料であり、かつ、トップコート塗料〔II〕が
透明トップコート塗料である、上記21記載の塗膜形成
方法、を提供するものである。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の詳細を具体的に
述べることにする。まず、本発明の製造方法において用
いられる粉体塗料原料溶液の必須の構成成分であるうち
の、硬化反応性基を有する主剤樹脂(A)について述べ
ることにする。
【0038】当該主剤樹脂(A)としては、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂など通常粉体塗料
で用いられている樹脂がいずれも使用できるが、なかで
もアクリル樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。また、
当該主剤樹脂(A)としては、貯蔵時の保存安定性や塗
膜外観のバランスに優れる粉体塗料が得られることか
ら、軟化点が80〜150℃の範囲内にあるものが特に
好ましい。
【0039】主剤樹脂(A)がアクリル樹脂の場合、当
該主剤アクリル樹脂を調製するには、公知慣用の方法が
適用できるが、硬化反応性基含有ビニル単量体を、さら
に必要に応じて他の共重合可能なビニル単量体類をも用
いて、これらの各単量体類を有機溶剤中で重合せしめる
という方法が、最も簡便であるので推奨される。その際
に使用する重合開始剤や溶剤としては、公知慣用のもの
がそのまま使用できる。
【0040】主剤樹脂(A)の硬化反応性基としては、
エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミ
ノ基、酸無水基、(ブロック)イソシアネート基などが
挙げられるが、製造が容易なことから、エポキシ基、カ
ルボキシル基および水酸基からなる群から選ばれる少な
くとも1つであることが望ましい。なかでも、貯蔵安定
性や塗膜外観に優れることから、硬化反応性基の少なく
とも一種はエポキシ基であることがより好ましい。さら
に、主剤樹脂(A)が脂環式エポキシ基を有する場合に
は、塗膜外観が向上するため、エポキシ基の少なくとも
一部が脂環式エポキシ基であることが特に好ましい。
【0041】硬化反応性基を有するビニル単量体類とし
て特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ま
ず、硬化反応性基がエポキシ基の場合には、例えばグリ
シジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル
(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、ア
リルグリシジルエーテルの如き、各種のエポキシ基含有
単量体類;(2−オキソ−1,3−オキソラン)メチル
(メタ)アクリレートの如き、(2−オキソ−1,3−
オキソラン)基含有ビニル単量体類;3,4−エポキシ
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート
の如き、各種の脂環式エポキシ基含有ビニル単量体など
がある。
【0042】硬化反応性基がカルボキシル基の場合に
は、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマル酸の如き、各種のカルボキシル
基含有単量体類;フマル酸モノメチル、フマル酸モノエ
チル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノイソブチル、
フマル酸モノtert−ブチル、フマル酸モノヘキシ
ル、フマル酸モノオクチル、フマル酸モノ2−エチルヘ
キシル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチ
ル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノイソブチ
ル、マレイン酸モノtert−ブチル、マレイン酸モノ
ヘキシル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノ2
−エチルヘキシルの如き、各種のα,β−不飽和ジカル
ボン酸と、炭素数が1〜18なる1価アルコールとのモ
ノエステル類;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノ
エチル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸モノイソブ
チル、イタコン酸モノヘキシル、イタコン酸モノオクチ
ル、イタコン酸モノ2−エチルヘキシルの如き、イタコ
ン酸モノアルキルエステルなどがある。
【0043】硬化反応性基が水酸基の場合には、例えば
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
トの如き、各種の水酸基含有(メタ)アクリレート類;
上掲したような各種の(メタ)アクリレートと、ε−カ
プロラクトンの付加反応生成物;
【0044】2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3
−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ
プロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニル
エーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−
ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、5−
ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘ
キシルビニルエーテルの如き、各種の水酸基含有ビニル
エーテル類;上掲したような各種のビニルエーテルと、
ε−カプロラクトンとの付加反応生成物;
【0045】2−ヒドロキシエチル(メタ)アリルエー
テル、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アリルエーテ
ル、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アリルエーテル、
4−ヒドロキシブチル(メタ)アリルエーテル、3−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロピル(メタ)アリルエーテル、5−
ヒドロキシペンチル(メタ)アリルエーテル、6−ヒド
ロキシヘキシル(メタ)アリルエーテルの如き、各種の
水酸基含有アリルエーテル;上掲したような各種のアリ
ルエーテルと、ε−カプロラクトンとの付加反応生成物
などがある。
【0046】さらに、他の共重合可能なビニル単量体類
をも、必要に応じて、使用できるが、かかる他の共重合
可能な単量体類として特に代表的なもののみを例示する
にとどめれば、例えばメチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリ
レートの如き、各種のアクリル酸エステル類;メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert
−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、ベンジルメタクリレートの如き、各種のメタクリル
酸エステル類;
【0047】エチレン、プロピレン、ブテン−1の如
き、各種のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリ
デンの如き、フルオロオレフィンを除く各種のハロゲン
化オレフィン類(ハロ・オレフィン類);スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエンの如き、各種の芳香
族ビニル単量体;
【0048】フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フ
マル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル、マレイン酸ジメ
チル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレ
イン酸ジオクチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジ
エチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジオクチルの
如き、各種の不飽和ジカルボン酸と、炭素数が1〜18
なる1価アルコールとのジエステル類;
【0049】N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリル
アミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリル
アミド、N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリル
アミドの如き、各種のアミノ基含有アミド系不飽和単量
体類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレートの如き、各種
のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類;
【0050】tert−ブチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、tert−ブチルアミノプロピル(メタ)
アクリレート、アジリジニルエチル(メタ)アクリレー
ト、ピロリジニルエチル(メタ)アクリレート、ピペリ
ジニルエチル(メタ)アクリレートの如き、各種のアミ
ノ基含有単量体類;無水マレイン酸、無水イタコン酸、
無水シトラコン酸、無水(メタ)アクリル酸、無水テト
ラヒドロフタル酸の如き、各種の酸無水基含有単量体
類;
【0051】ジエチル−2−(メタ)アクリロイルオキ
シエチルフォスフェート、ジブチル−2−(メタ)アク
リロイルオキシブチルフォスフェート、ジオクチル−2
−(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、
ジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフ
ォスフェートの如き、各種の燐酸エステル基含有単量体
類;γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシランの如き、各種の加水分
解性シリル基含有単量体;
【0052】酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸
ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、炭素原
子数9なる分岐状(分枝状)脂肪族カルボン酸ビニル、
炭素原子数10なる分岐状脂肪族カルボン酸ビニル、炭
素原子数11なる分岐脂肪族カルボン酸ビニル、ステア
リン酸ビニルの如き、各種の脂肪族カルボン酸ビニル
類;
【0053】シクロヘキサンカルボン酸ビニル、メチル
シクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニル、p
−tert−ブチル安息香酸ビニルの如き、環状構造を
有するカルボン酸の、各種のビニルエステル類などがあ
る。
【0054】以上に例示したような、種々の硬化反応性
基含有ビニル単量体の使用量は、使用するビニル単量体
総量の10〜70重量%なる範囲内が適切である。硬化
反応性基含有ビニル単量体の使用量が上記した範囲内で
あれば、機械的物性及び柔軟性に優れるような塗膜を得
ることができる。
【0055】当該主剤アクリル樹脂(A)の数平均分子
量としては、1,000〜20,000の範囲内にある
ことが適切であり、なかでも1,500〜15,000
なる範囲内にあることが好ましい。当該主剤アクリル樹
脂(A)の数平均分子量が上記した範囲内であれば、平
滑性に優れ、しかも機械的物性にも優れる塗膜を得るこ
とができる。
【0056】当該主剤樹脂(A)として用いるポリエス
テル樹脂を得るための調製方法については、特に制限は
なく、公知慣用の種々の方法が利用できるが、多価アル
コールと多塩基酸を縮合せしめる方法により製造する。
硬化反応性基としては、調製の容易さから、カルボキシ
ル基及び/または水酸基が好ましく採用される。
【0057】主剤樹脂(A)として用いるポリエステル
樹脂の原料として使用し得る多価アルコールならびに多
塩基酸もまた、公知慣用の種々の化合物が使用でき、こ
れら多価アルコールと多塩基酸の使用量を調節すること
により、カルボキシル基及び/または水酸基を有するポ
リエステル樹脂を得ることができる。
【0058】まず、上記した多価アルコールとして特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、トリエチレングリコール、ビス−ヒドロキシエチル
テレフタレート、シクロヘキサンジメタノール、オクタ
ンジオール、ジエチルプロパンジオール、ブチルエチル
プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、水添
ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのエチレンオ
キサイド付加物、水添ビスフェノールAのプロピレンオ
キサイド付加物、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリ
スヒドロキシエチルイソシアヌレート、ヒドロキシピバ
リルヒドロキシピバレートなどがある。
【0059】他方の、上記した多塩基酸として特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、テレフタル酸、
イソフタル酸、フタル酸、メチルテレフタル酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸あるいはそれらの無水物;コ
ハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸あるい
はそれらの無水物;マレイン酸、イタコン酸あるいはそ
れらの無水物;フマル酸、テトラヒドロフタル酸、メチ
ルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチ
ルヘキサヒドロフタル酸あるいはそれらの無水物;シク
ロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸などがある。
【0060】さらに、ポリエステル樹脂の原料として
は、ジメタノールプロピオン酸、ヒドロキシピバレート
の如き、一分子中にカルボキシル基と水酸基とを併せ有
する化合物;「カージュラ E10」(オランダ国シェ
ル社製の、分岐脂肪族カルボン酸のグリシジルエステル
の商品名)などのモノエポキシ化合物;メタノール、プ
ロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールの如き、
種々の1価アルコール;安息香酸、p−tert−ブチ
ル安息香酸の如き、種々の1価の塩基酸;ひまし油脂肪
酸、ヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸の如き、種々の脂肪酸
類なども使用することができる。
【0061】以上に掲げたような、種々の多価アルコー
ル、多塩基酸、その他の原料等を用いて得られる、ポリ
エステル樹脂としては、就中、酸価と水酸基価との合計
が10〜250(mgKOH/g;以下同様)なる範囲
内で、しかも、数平均分子量が500〜10,000な
る範囲内であるような形のものの使用が望ましい。
【0062】酸価と水酸基価との合計が上記した範囲内
であれば、平滑性及び機械的物性に優れる塗膜を得るこ
とができる。さらに、数平均分子量が上記した範囲内で
あれば、平滑性及び機械的物性に優れる塗膜が得られる
ばかりでなく、貯蔵安定性にも優れるような塗料を得る
ことができる。
【0063】当該ポリエステル樹脂の構造は、上述した
ような樹脂の諸特性値の範囲内であれば、特に制限され
るものではなく、分岐構造のものでも、線状構造のもの
でもよい。
【0064】当該主剤樹脂(A)として用いことのでき
るエポキシ樹脂としては、特に限定はないが、例えばビ
スフェノール−Aのポリグリシジルエーテルの如きエポ
キシ樹脂が挙げられる。
【0065】次に、硬化剤(B)について述べる。本発
明で用いられるところの硬化剤(B)は、主剤樹脂
(A)の硬化反応性基の種類に応じて、通常粉体塗料用
として使用されているようなものが、適宜選択して使用
される。
【0066】かかる硬化剤(B)としては、主剤樹脂
(A)の硬化反応性基がエポキシ基の場合、特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、アイコサン
ジカルボン酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン
酸、グルタコン酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメ
リット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル
酸、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸、あるいはこれらの酸無水物な
どがあり、なかでも塗膜物性、貯蔵安定性に優れること
から、脂肪族二塩基酸が好ましく、特に塗膜物性に優れ
ることから、ドデカンジカルボン酸が特に好ましい。
【0067】また、主剤樹脂(A)の硬化反応性基がカ
ルボキシル基の場合、硬化剤(B)として特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、ビスフェノールAの
ポリグリシジルエーテルの如き、種々のエポキシ樹脂;
グリシジル基含有アクリル樹脂の如き、エポキシ基含有
アクリル樹脂;1,6−ヘキサンジオール、トリメチロ
ールプロパン、トリメチロールエタンの如き、種々の多
価アルコールのポリグリシジルエーテル類;フタル酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、
メチルヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメ
リット酸の如き、種々の多価カルボン酸のポリグリシジ
ルエステル類;ビス(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)メチルアジペートの如き、種々の脂環式エポキシ基
含有化合物;トリグリシジルイソシアヌレートなどがあ
る。
【0068】主剤樹脂(A)の硬化反応性基が水酸基の
場合、硬化剤(B)として特に代表的なものとしては、
ポリブロックイソシアネート化合物や、アミノプラスト
等が好適である。
【0069】ポリブロックポリイソシアネート化合物と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネートの如き、各種の脂肪族ジイソシア
ネート類;キシリレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネートの如き、各種の環状脂肪族ジイソシアネ
ート類;トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネートの如き、各種の芳香族ジイ
ソシアネート類などの有機ジイソシアネート、あるいは
此等の有機ジイソシアネートと、多価アルコール、低分
子量ポリエステル樹脂(ポリエステルポリオール)また
は水などとの付加物などがあるし、
【0070】さらには、上掲したような有機ジイソシア
ネート同志の重合体(イソシアヌレート型ポリイソシア
ネート化合物をも含む。)や、イソシアネート・ビウレ
ット体などのような各種のポリイソシアネート化合物を
公知慣用のブロック化剤で以てブロック化せしめて得ら
れる形のものや、下記構造式
【0071】
【化1】
【0072】で示されるウレトジオン結合を構造単位と
して有する、いわゆるセルフ・ブロックポリイソシアネ
ート化合物等が挙げられる。
【0073】一方、アミノプラストとしては、例えばメ
ラミン、尿素、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、
ステログアナミン、スピログアナミンの如き、種々のア
ミノ基含有化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキザールの如き、
種々のアルデヒド系化合物成分とを、公知慣用の種々の
方法により反応せしめることによって得られる形の縮合
物、あるいは此等の縮合物を、アルコール類で以てエー
テル化せしめることによって得られる形の化合物などが
ある。
【0074】かかるアミノプラストとして特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、ヘキサメトキシメチ
ロールメラミン、ヘキサブチルエーテル化メチロールメ
ラミン、メチルブチル混合エーテル化メチロールメラミ
ン、メチルエーテル化メチロールメラミン、n−ブチル
エーテル化メチロールメラミン、イソブチルエーテル化
メチロールメラミン、あるいはそれらの縮合物;ヘキサ
メトキシグリコールウリル、ヘキサブトキシグリコール
ウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリルの如
き、種々の双環状化合物;脂肪族二塩基酸と、ジエタノ
ールアミンなどのような種々のアルカノールアミンとの
縮合反応によって得られるという形の種々の酸アミド
類;N−メチロールアクリルアミドのブチルエーテルな
どのような重合性単量体を単独で、あるいは他の共重合
可能なる単量体類と共重合反応せしめて得られるよう
な、種々の高分子化合物などがある。
【0075】尚、上記ヘキサメトキシメチロールメラミ
ンは「サイメル 300、301もしくは303」(三
井サイアナミッド社製品)として;メチルブチル混合エ
ーテル化メチロールメラミンは「サイメル 238、2
32もしくは266」(三井サイアナミッド社製品)と
して;n−ブチルエーテル化メチロールメラミンは「ス
ーパーベッカミン L−164」(大日本インキ化学工
業(株)社製品)として;テトラメトキシメチルグリコ
ールウリルは「パウダーリンク(POWDERLIN
K) 1174」(米国アメリカン・サイアナミッド社
製品)として;酸アミド類は「プリミド(PRIMI
D) XL−552」、「プリミド (PRIMID)
QM−1260」として、それぞれ市販されている。
【0076】上記硬化剤(B)は、単独でも2種以上を
組み合わせて使用してもよい。主剤樹脂(A)の硬化反
応性基と硬化剤(B)の配合量は、硬化剤(B)の当量
に対する主剤樹脂(A)の硬化反応性基の当量比が、
2.0〜0.5の間であることが好ましい。
【0077】次に本発明で用いられる有機溶剤(C)に
ついて述べる。有機溶剤(C)としては、主剤樹脂
(A)及び/又は硬化剤(B)を溶解する溶剤が使用で
き、1種でも、2種以上の溶剤を併用してもよく、なか
でも主剤樹脂(A)及び硬化剤(B)を溶解する溶剤が
好ましい。主剤樹脂(A)が、溶液重合で得られた樹脂
のような場合には、主剤樹脂(A)の重合の際に用いた
溶剤をそのまま、有機溶剤(C)の一部にあるいは全部
に使用することもできる。
【0078】本発明で用いられる粉体塗料原料溶液は、
噴霧する際の温度以下、好ましくは噴霧する際の温度よ
り低い温度、例えば常温において、主剤樹脂(A)と硬
化剤(B)が有機溶剤(C)に完全に溶解した状態にあ
ることが好ましい。主剤樹脂(A)と硬化剤(B)が有
機溶剤(C)に完全に溶解している場合には、従来の製
造方法で行われているような溶融混練による混合に比
べ、主剤樹脂と硬化剤がより均一に混合され、塗膜外観
をはじめとする各種塗膜物性に優れる塗膜を形成する粉
体塗料を得ることができる。
【0079】主剤樹脂(A)及び硬化剤(B)の両方を
溶解しないような溶剤であっても、粉体塗料原料溶液の
保存安定性を損なわない範囲であれば、使用することが
できる。
【0080】さらに、有機溶剤(C)は、より好ましく
は常圧における沸点が150〜300℃である高沸点溶
剤(C1)を含んでなる。有機溶剤(C)の一部に高沸点
溶剤(C1)を使用することにより、ワキやピンホールの
ような塗膜欠陥を生じることのない塗膜を形成する粉体
塗料を得ることができる。高沸点溶剤(C1)は、単一成
分でも、複数成分からなる混合物でもよい。
【0081】高沸点溶剤(C1)の常圧における沸点とし
ては、150〜300℃、より好ましくは150〜25
0℃のものが好ましく用いられる。さらに、常圧におけ
る沸点が、本発明の製造方法で得られた粉体塗料を焼き
付け硬化させる際の温度に対して+5〜+150℃であ
るものが特に好ましい。
【0082】高沸点溶剤(C1)の使用量は、粉体塗料原
料溶液中の固形分100部に対して0.005〜2部、
より好ましくは、0.005〜1部であることが好まし
い。
【0083】高沸点溶剤(C1)の常圧における沸点及び
使用量が上記した範囲であれば、本発明の製造方法によ
り得られる粉体塗料中に適切な量の高沸点溶剤(C1)が
残留し、焼き付け硬化時のワキやピンホール等の塗膜欠
陥の生成を防止することができる。
【0084】かかる高沸点溶剤(C1)として特に代表的
なもののみを例示すると、n−ヘキサノール、n−オク
タノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノー
ル、ベンジルアルコールの如き、アルコール類;エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、グリセリンの如
き、多価アルコール類;ブチルセロソルブ、ヘキシルセ
ロソルブ、エチレングリコールジプロピルエーテル、エ
チレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジプロ
ピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテ
ル、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピル
エーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルの如
き、グリコールエーテル類;
【0085】プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、ペン
チルベンゼン、ジエチルベンゼン、ジプロピルベンゼ
ン、ジペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、シクロヘ
キシルベンゼンの如き芳香族炭化水素類;ソルベッソ1
00、ソルベッソ150、ソルベッソ200(いずれも
米国エクソン社製)の如き、芳香族炭化水素を含有する
混合炭化水素類;エクソンナフサNo.3、エクソンナ
フサNo.5、エクソンナフサNo.6、エクソンソル
ベントNo.7、アイソパーG、アイソパーH、アイソ
パーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソール
D90、エクソールD110(いずれも米国エクソン社
製)、IPソルベント1620、IPソルベント202
8(出光石油化学社製)、メルベイユ20,メルベイユ
30、メルベイユ40(昭和シェル石油社製)、ミネラ
ルスピリットの如き、脂肪族炭化水素を含有する混合炭
化水素類;
【0086】グリセリンアルキルエーテル、グリセリン
アルキルエステル;ジイソブチルケトン、メチルアミル
ケトン、シクロヘキサノン、イソホロンの如き、ケトン
類;酢酸シクロヘキシル、酢酸2−エチルブチル、酢酸
2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン
酸イソアミル、酪酸アルキルエステル、ステアリン酸ア
ルキルエステル、安息香酸アルキルエステル、アジピン
酸ジアルキルエステル、フタル酸ジアルキルエステルの
如き、エステル類;
【0087】N−メチルピロリドン、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、エチレンカーボネート等
がある。上記した高沸点溶剤(C1)のうち、なかでも芳
香族系溶剤及び/または脂肪族系溶剤の使用が、塗膜欠
陥生成防止の効果がより顕著であることから好ましく使
用される。
【0088】高沸点溶剤(C1)を粉体塗料原料溶液に添
加する方法としては、特に制限はないが、例えば、主剤
樹脂を重合させる際の溶剤の一部として予め添加する、
主剤樹脂の重合終了後に添加する、あるいは、粉体塗料
原料溶液を噴霧乾燥する直前に添加する等の方法が簡便
であるので推奨される。
【0089】有機溶剤(C)には、上記した高沸点溶剤
(C1)以外にも、公知慣用の有機溶剤を使用することが
できる。
【0090】かかる有機溶剤(C)として代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert
−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノールの
如き、アルキルアルコール類;
【0091】メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エ
チレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコー
ルジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、
プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレ
ングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール
ジエチルエーテルの如き、グリコールエーテル類;
【0092】ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼンの如き芳香族炭化水素類;エクソンアロマティッ
クナフサNo.2(米国エクソン社製)の如き、芳香族
炭化水素を含有する混合炭化水素類;n−ペンタン、n
−ヘキサン、n−オクタンの如き、脂肪族炭化水素類;
アイソパーC、アイソパーE、エクソールDSP100
/140,エクソールD30(いずれも米国エクソン社
製)、IPソルベント1016(出光石油化学社製)の
如き、脂肪族炭化水素を含有する混合炭化水素類;シク
ロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、
エチルシクロヘキサンの如き、脂環族炭化水素類;
【0093】テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソ
プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテルの如き、エ
ーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンの如き、ケトン類;酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブ
チル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミ
ル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸
ブチルの如き、エステル類;等がある。
【0094】噴霧乾燥時の塗料粒子の乾燥性を向上させ
るという点からは、有機溶剤(C)のうち、高沸点溶剤
(C1)を除いた残りの溶剤成分において、常圧における
沸点が100℃以下の溶剤が65〜100重量%を占め
ていることが好ましい。
【0095】また、硬化剤(B)が脂肪族二塩基酸の場
合、硬化剤の溶解性を上げるために、溶剤(C)が少な
くとも1種の炭素数4以下のアルコールを含んでなり、
かつその炭素数4以下のアルコールの量が、粉体塗料原
料溶液中に含まれる脂肪族二塩基酸に対して、重量比で
4倍以上であることが好ましい。
【0096】さらに、必要に応じて、顔料(D)、他の
樹脂類、硬化触媒、添加剤等を粉体塗料原料溶液に加え
て溶解あるいは分散し、塗料化してもよい。
【0097】顔料(D)として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、酸化チタン、弁柄、クロムチタ
ンイエロー、黄色酸化鉄、カーボンブラックの種々の無
機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリー
ン等のフタロシアニン系、インダスレンブルー、ジアン
トラキノニルレッド等のアントラキノン系、キナクリド
ン系、レーキレッド、ファーストイエロー、ジスアゾイ
エロー、パーマネントレッド等のアゾ系、ナフトールイ
エロー等のニトロ系、ピグメントグリーンB、ナフトー
ルグリーン等のニトロソ系の如き、公知慣用の種々の有
機顔料、公知慣用の種々の体質顔料、さらには、アルミ
・フレーク、マイカ・フレークの如き、公知慣用の種々
の光輝性(メタリック調)顔料などが使用される。
【0098】上記したような顔料(D)を、粉体塗料原
料溶液中に分散させた後、噴霧乾燥することにより、着
色粉体塗料を調製することができる。顔料(D)を粉体
塗料原料溶液中に分散させる方法としては、サンドミル
等の公知慣用の方法が使用できる。また、複数の着色粉
体塗料原料溶液を混合して色彩を調整し、目的の色彩を
有する着色粉体塗料原料溶液を調製し、噴霧乾燥するこ
とによって着色粉体塗料を製造してもよい。
【0099】他の樹脂類として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、あるいは塩素化ポリエ
チレン、塩素化ポリプロピレン、石油樹脂、エポキシ樹
脂、塩化ゴムの如き、各種の樹脂類であって、かつ主剤
樹脂(A)及び硬化剤(B)以外の樹脂が挙げられる。
【0100】硬化触媒としては、主剤樹脂(A)と硬化
剤(B)の組み合わせに応じて公知慣用のものがそのま
ま使用できる。
【0101】添加剤類としては、流動調整剤類、色別れ
防止剤類、酸化防止剤類、紫外線吸収剤類、光安定剤
類、シランカップリング剤類等、公知慣用の添加剤類等
がある。これらの添加剤は、硬化反応性基を有していて
もいなくてもよい。硬化反応性基を有している場合、そ
の硬化反応性基の種類は特に限定されず、主剤樹脂
(A)と同じ硬化反応性基を有しているものも使用でき
る。
【0102】更に、必要に応じて、ニトロセルロース、
セルロースアセテートブチレートの如き、各種の繊維素
誘導体類等を使用してもよい。
【0103】次に、噴霧乾燥装置について述べる。噴霧
乾燥に用いる装置は、噴霧された粉体塗料原料溶液から
有機溶剤を除去することのできるものであればよいが、
通常は噴霧された粉体塗料原料溶液を熱源ガスと接触さ
せて有機溶剤を揮発させる噴霧乾燥装置を使用するが、
有機溶剤を揮発させることから、装置は防爆仕様である
ことが望ましい。また、噴霧された粉体塗料原料溶液を
乾燥させるために使用される熱源ガス中の溶剤の蒸気含
有量を低く保つという観点からは、溶剤回収装置を備え
ることが望ましい。
【0104】粉体塗料原料溶液と熱源ガスの接触方式は
特に限定されず、通常用いられているような、並流式、
向流式、並流・向流混合式のようないずれの方式でもよ
い。
【0105】粉体塗料原料溶液の噴霧方式についても、
回転円盤式、二流体ノズル式、圧力ノズル式など、公知
慣用のものがいずれも使用できる。噴霧する際の、粒子
径をコントロールするための因子としては、回転円盤式
においては、円盤の回転速度、二流体ノズル式において
は、ノズルからの吐出速度、原料溶液と混合して使用さ
れる圧縮空気と原料溶液の混合比、圧力ノズル式におい
ては、吐出圧力等があるが、これらの値については、目
標とする粒子径に応じて適宜決定すればよい。
【0106】原料溶液の供給速度、熱源ガスの流量につ
いても、目標とする粒子径にあわせて、適宜決定すれば
良いが、噴霧乾燥中に原料溶液の供給速度や熱源ガスの
流量が変化すると、得られる粒子の粒子径、粒子径分布
や不揮発分の値も変化するため、噴霧乾燥中は一定に保
つことが望ましい。
【0107】通常、噴霧乾燥により得られた粒子を含む
熱源ガスは、引き続き、サイクロンに代表される分級装
置へ導かれ、粒子の捕集・分級が行われる。
【0108】熱源ガスとしては、不活性ガスが望まし
い。なかでもコスト等の点からは窒素ガスの使用が望ま
しい。熱源ガスの温度は、粉体塗料原料溶液の主剤樹脂
(A)と硬化剤(B)が実質的に硬化反応を起こさない
ような温度、すなわち、一部硬化反応が起こったとして
も得られる粉体塗料の塗料としての性能が実質的に損な
われることのないような温度範囲で、適宜決定すればよ
い。熱源ガスの温度の下限については特に制限はない
が、効率よく溶剤を蒸発させるためには、30℃以上、
より好ましくは40℃以上とすることが望ましい。通常
は、熱源ガスの温度は30〜160℃、より好ましくは
40〜130℃の範囲で適宜決定される。例えば、主剤
樹脂(A)がエポキシ基含有アクリル樹脂で硬化剤
(B)が酸基含有化合物のような場合には30℃〜10
0℃、主剤樹脂(A)が水酸基含有樹脂で硬化剤(B)
がポリブロックイソシアネート化合物やアミノプラスト
の場合には40〜130℃である。熱源ガスの流量及び
粉体塗料原料溶液の供給速度は、得られる粒子の不揮発
分が99重量%以上となるような条件下で、目的とする
粒子径に合わせて適宜調整すれば良い。装置内の圧力
は、常圧でも、減圧あるいは加圧でも特に制限されな
い。
【0109】また、噴霧乾燥を行う際の粉体塗料原料溶
液の不揮発分濃度は、噴霧乾燥装置の仕様、噴霧乾燥す
る条件に応じて適宜決定すればよい。
【0110】さらに溶剤の蒸発をより効率的に行わせる
ために、粉体塗料原料溶液を、噴霧乾燥する前に予備加
熱しても良い。その際に予備加熱する温度は、粉体塗料
原料溶液のゲル化を防止するため、70℃以下であるこ
とが望ましく、また予備加熱後できるだけ速やかに噴霧
乾燥することが望ましい。
【0111】かくして得られた粉体塗料は、そのままで
粉体塗料として使用することができるが、さらに、必要
に応じて、真空乾燥等の他の乾燥方法で二次乾燥させて
もよい。その際には、粉体塗料のゲル化を防止するた
め、二次乾燥は約70℃以下の温度で行うことが望まし
い。
【0112】また得られた粉体塗料は、さらに、必要に
応じて、粉砕工程あるいは造粒工程により、粒子径を調
整して使用してもよい。
【0113】そして、本発明の粉体塗料は、主として、
自動車上塗り用、自動車中塗り用、自動車部品用、建材
用、家電製品用、各種金属製品用などに、広範に利用し
適用することが出来る。
【0114】なかでも、本発明の粉体塗料は、被塗物上
に単層または複層の塗膜を形成する塗膜形成方法におい
て、トップコート塗料として好適に使用でき、特に、被
塗物上に、ベースコート塗料〔I〕を塗装し、さらにそ
の上にトップコート塗料〔II〕を塗装する塗膜形成方法
において、トップコート塗料〔II〕としてより好適に使
用することができる。またベースコート塗料〔I〕が着
色ベースコート塗料であり、トップコート塗料〔II〕が
透明トップコート塗料であることがさらに好ましい。
【0115】ここにおいて、被塗物とは塗料が塗布され
る基材をいい、具体的には、未塗装の鋼板、未処理の若
しくは化成処理されたアルミ基材等の未塗装金属素材で
あって、自動車車体、2輪車車体等の道路車両に使用さ
れる基材や、アルミホイ−ル等の自動車部品用に使用さ
れる基材等が挙げられるし、また電着塗装がほどこされ
た状態の自動車車体等の道路車両に使用される基材も含
まれる。さらに家電製品、自動販売機、スチ−ル家具等
に使用される基材、例えば電気亜鉛メッキ鋼板、溶融亜
鉛メッキ鋼板等も例示される。
【0116】これらの基材は、最終用途に応じた形状に
加工されたものでも良いし、またPCM(プレコ−トメ
タル)塗装法が適用される形態、つまりおおまかに平板
状の切板状基材であって本発明の方法により複層塗膜が
形成された後に目的に応じた所定の形状に折り曲げ加工
されるものであっても良いし、さらにはコイルコ−ティ
ングのような完全に後加工に供される塗装システムに使
用される基材でも良い。
【0117】また、必要に応じて、これらの基材上に中
塗り塗料による塗膜が形成されたものも、被塗物として
好適に使用できる。ここにおいて、中塗り塗料とは、上
記した基材上に、最終的に得られる複層塗膜の、平滑
性、耐チッピング性、層間付着性の向上等のために塗布
される塗料であって、かかる中塗り塗料としては、アル
キド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ
樹脂、セルロース樹脂の如き各種主剤成分と、アミノ樹
脂あるいはポリイソシアネート化合物の如き硬化剤成分
とからなるような、有機溶剤型、非水分散型、粉体、水
可溶型あるいは水分散型の熱硬化性ないしは常温硬化性
塗料がいずれも使用できる。
【0118】上記のベ−スコ−ト塗料〔I〕とは、主と
して水または有機溶剤を媒体としてなる塗料をいう。水
を媒体とするものの代表的なものを例示すると、(1)
水性樹脂をバインダ−とするもの、(2)ディスパ−ジ
ョン(水分散)タイプの樹脂をバインダ−とするもの、
(3)エマルジョン重合体をバインダ−とするもの、な
どがある。(1)のタイプには、カルボキシル基を含有
するビニル単量体を共重合することにより酸基を含有せ
しめたアクリル樹脂を、さらにアミン中和することによ
り完全水溶化せしめたものや、(2)のタイプにはアニ
オン形成性基を有する水分散性ポリウレタン樹脂(特公
平3−45755号公報に開示されている。)などがあ
り、また(3)のタイプには、架橋性重合体微粒子を含
むエマルジョン重合体(特開昭56−157358号公
報に開示されている。)水溶液からなるものなどがあ
る。
【0119】有機溶剤を媒体とする塗料の代表的なもの
を例示すると、トルエン、キシレン等の有機溶剤に可溶
な高分子、たとえば、水酸基を有するビニル樹脂の有機
溶剤溶液と、このビニル共重合体中の水酸基と反応する
アミノプラスト、ポリイソシアネート類、ブロックポリ
イソシアネート類等とを組み合わせてなる塗料が挙げら
れる。
【0120】これらベ−スコ−ト塗料〔I〕の中でも、
主として水または有機溶剤を媒体とし、水酸基を有する
ビニル共重合体と、このビニル共重合体中の水酸基と反
応するアミノプラスト、ポリイソシアネート類、ブロッ
クポリイソシアネート類とを組み合わせてなる塗料が好
ましく、なかでも、被塗物との付着性の改良効果が著し
いことから、水酸基を有するビニル共重合体とアミノプ
ラストとを組み合わせてなる塗料が特に好ましい。
【0121】これらの水または有機溶剤を媒体としてな
るベ−スコ−ト塗料〔I〕は、これらの樹脂成分以外に
酸化チタン等の無機顔料や体質顔料、さらに有機顔料あ
るいはアルミフレ−ク、マイカフレ−ク等の光輝性(メ
タリック調)顔料、硬化促進剤、レベリング剤等の添加
剤を含有させることができる。
【0122】その上に塗装するトップコート塗料〔II〕
としては、本発明の高沸点溶剤(C1)を含有する0.0
01〜1重量%含有する粉体塗料(X2)が好適に使用
される。 当該粉体塗料(X2)を使用することによ
り、ピンホール等の塗膜欠陥のない塗膜を得ることがで
きる。
【0123】さらに、本発明の製造方法、すなわち、硬
化反応性基を有する常温固形の主剤樹脂(A)と、該主
剤樹脂(A)の硬化反応性基と反応しうる常温固形の硬
化剤(B)と、沸点150〜300℃の高沸点有機溶剤
(C1)を含有する有機溶剤(C)とを必須の構成成分と
して含んでなる粉体塗料原料溶液を、主剤樹脂(A)と
硬化剤(B)とが実質的に硬化反応を起こさない温度
で、かつ、高沸点有機溶剤(C1)の一部乃至全部が残留
する条件下で噴霧乾燥させることにより製造される粉体
塗料(X1)を使用することにより、塗膜欠陥がなく、
しかも平滑性にも優れる塗膜を得ることができる。
【0124】本発明におけるトップコート塗料〔II〕に
は、透明でないものも含まれるが、特にベ−スコ−ト塗
料〔I〕が着色ベースコート塗料である場合は、透明ト
ップコート塗料が好ましい。当該透明トップコート塗料
は、透明であれば顔料(D)により着色されていてもよ
い。
【0125】以上に述べてきたように、本発明の製造方
法により得られる粉体塗料、および本発明の粉体塗料
は、常法により、上掲したような種々の被塗物基材類に
塗布され、次いで、常法に従って、焼き付け乾燥せしめ
るということによって、塗膜の、とりわけ、硬化性、外
観、耐候性ならびに機械的物性などに優れた塗膜を与え
ることが出来るものである。
【0126】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例及び比較例に
より、一層具体的に説明するが、本発明はこれらの例示
例にのみ限定されるものではないのはいうまでもない。
以下において、特に断りのない限りは、「部」は、すべ
て「重量部」を意味するものとする。
【0127】参考例1〔主剤アクリル樹脂(A)の調
製〕 撹拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入口を備
えた反応容器に、キシレン1800部を仕込み、窒素雰
囲気下に135℃に昇温した。そこへ、メチルメタクリ
レート1890部、n−ブチルメタクリレート810
部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート300部、t
ert−ブチルパーオキシオクトエート210部、ジt
ert−ブチルパーオキサイド15部及びキシレン60
0部からなる混合物を6時間にわたって滴下した。滴下
終了後も同温度に5時間保持して重合反応を完結せしめ
ることによって、水酸基価が40(mg−KOH/g)
で、数平均分子量が2,200なる主剤樹脂(A−1)
の溶液(A′−1)(不揮発分56.9%)を得た。性
状値を第1表(1)に示す。
【0128】参考例2、3(同上) 使用する単量体類、重合開始剤、溶剤及び重合温度を、
第1表(1)〜(2)に示すように変更した以外は、参
考例1と同様にして、主剤アクリル樹脂(A−2)、
(A−3)の溶液(A′−2)、(A′−3)を得た。
性状値を第1表(1)、(2)に併せて示す。
【0129】参考例4(同上) 撹拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入口を備
えた反応容器に、キシレン1800部及び、高沸点溶剤
(C1)として「ソルベッソ150」(米国エクソン社製
芳香族炭化水素含有混合炭化水素系溶剤)8.0部を仕
込み、窒素雰囲気下に135℃に昇温した。そこへ、ス
チレン900部、メチルメタクリレート390部、n−
ブチルメタクリレート510部、グリシジルメタクリレ
ート1050部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ルメタクリレート150部、tert−ブチルパーオキ
シオクトエート180部、ジtert−ブチルパーオキ
サイド15部及びキシレン600部からなる混合物を6
時間にわたって滴下した。滴下終了後も同温度に5時間
保持して重合反応を完結せしめることによって、エポキ
シ当量が395(g/当量)で、数平均分子量が2,4
00なる主剤樹脂(A−4)の溶液(A′−4)(不揮
発分57.1%)を得た。性状値を第1表(2)に示
す。
【0130】参考例5(同上) 窒素ガスで内部の空気を置換したステンレス製のオート
クレーブに、メチルエチルケトン1800部を仕込み、
135℃に昇温した。そこへ、メチルメタクリレート1
470部、n−ブチルメタクリレート330部、グリシ
ジルメタクリレート1200部、tert−ブチルパー
オキシオクトエート225部及びメチルエチルケトン6
00部からなる混合物を、6時間にわたって滴下した。
滴下終了後も同温度に5時間の間保持して重合反応を完
結せしめることによって、エポキシ当量が385で、数
平均分子量が2,300なる主剤アクリル樹脂(A−
5)の溶液(A′−5)(不揮発分57.5%)を得
た。性状値を第1表(3)に示す。
【0131】参考例6(同上) 使用する単量体類、重合開始剤、溶剤及び重合温度を、
第1表(3)に示すように変更した以外は、参考例1と
同様にして、主剤アクリル樹脂(A−6)の溶液(A′
−6)を得た。性状値を第1表(3)に示す。
【0132】
【表1】
【0133】
【表2】
【0134】
【表3】
【0135】≪第1表の脚注≫ Xy…………………キシレン BuAc……………酢酸ブチル MEK………………メチルエチルケトン EGMM……………エチレングリコールモノメチルエー
テル 2EHA……………2−エチルヘキシルアクリレート HEMA……………2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト ECHMMA………3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チルメタクリレート TBPO……………tert−ブチルパーオキシオクト
エート DTBP……………ジtert−ブチルパーオキサイド
の略記。 ソルベッソ150…米国エクソン社製芳香族炭化水素含
有混合炭化水素系溶剤
【0136】参考例7〔主剤ポリエステル樹脂(A)の
調製〕 撹拌機、温度計、精留塔及び窒素ガス導入口を備えた反
応容器に、エチレングリコール150部、ネオペンチル
グリコール840部及びシクロヘキサンジメタノール1
65部を仕込んで、窒素雰囲気下で撹拌を続けながら1
50℃にまで昇温し、次いで、イソフタル酸345部、
テレフタル酸1500部及びジブチル錫オキサイド2部
を仕込んで、撹拌を続けながら240℃にまで昇温し
た。
【0137】さらに、同温度で樹脂の酸価が12(mg
KOH/g)、水酸基価が26(mg−KOH/g)に
なるまで脱水縮合反応を続行せしめた後、冷却し、キシ
レン3000部を加えることによって、数平均分子量が
2,900なる主剤ポリエステル樹脂(A−7)の溶液
を得た。以下、この溶液を(A′−7)と略記する。性
状値を第2表(1)に示す。
【0138】参考例8、9(同上) 使用する原料を、第2表に示すように変更した以外は、
参考例7と同様にして、第2表(1)、(2)に示すよ
うな性状値を有する、主剤ポリエステル樹脂溶液(A′
−8)、(A′−9)を得た。
【0139】参考例10(同上) 撹拌機、温度計、精留塔および窒素ガス導入口を備えた
反応容器に、エチレングリコール180部、ネオペンチ
ルグリコール876部及び水添ビスフェノールA135
部を仕込んで、窒素雰囲気下で撹拌を続けながら150
℃にまで昇温し、次いで、テレフタル酸1500部、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸300部、トリメチロールプロ
パン9部及びジブチル錫オキサイド2部を仕込んで、撹
拌を続けながら240℃にまで昇温した。
【0140】さらに、同温度で樹脂の水酸基価が35
(mgKOH/g)になるまで、脱水縮合反応を続行せ
しめた後、冷却して取り出した。取り出した主剤ポリエ
ステル樹脂(A−10)を室温まで冷却した後、粗粉砕
した。この主剤ポリエステル樹脂(A−10)1350
部に酢酸エチル1650部を加えて溶解させることによ
って、数平均分子量が3,200なる主剤ポリエステル
樹脂(A−10)の溶液(A′−10)を得た。性状値
を第2表(2)に示す。
【0141】
【表4】
【0142】
【表5】
【0143】≪第2表の脚注≫ MIBK…………………メチルイソブチルケトン
【0144】参考例11(硬化反応性基を有する流動調
整剤の調製) 撹拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入口を備
えた反応容器に、キシレン450部を仕込み、窒素雰囲
気下に120℃に昇温した。そこへ、2−エチルヘキシ
ルアクリレート300部、n−ブチルメタクリレート1
00部、グリシジルメタクリレート300部、tert
−ブチルパーオキシオクトエート10部及びキシレン2
00部からなる混合物を6時間にわたって滴下した。滴
下終了後も同温度に5時間保持して重合反応を完結せし
めることによって、エポキシ当量が480(g/当量)
で、数平均分子量が4,500なるエポキシ基含有流動
調整剤(L)の溶液(L′)(不揮発分60.8%)を
得た。
【0145】参考例12(粉体塗料原料溶液の調製) 撹拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入口を備
えた反応容器に、メチルエチルケトン1454部を仕込
み、攪拌しながら「B1530」(ドイツ国ヒュルス社
製のブロック・イソシアネート化合物)156部、「サ
イメル300」(三井サイアナミッド社製のヘキサメト
キシメチロールメラミン)25部、ジブチル錫ラウレー
ト2部、ベンゾイン5部及びKP322(信越化学
(株)製のシリコーン系流動調整剤)2部と、高沸点溶
剤(C1)として、「ソルベッソ 100」(米国エクソ
ン社製の芳香族炭化水素含有混合炭化水素系溶剤)3.
2部を加え、さらに参考例1で得られた主剤アクリル樹
脂溶液(A′−1)1536部を加えて、さらに攪拌し
て、室温で均一で透明な粉体塗料原料溶液(S−1)を
得た。この溶液(S−1)の性状値を第4表(1)に示
す。
【0146】参考例13〜16(同上) 使用する主剤樹脂溶液、硬化剤、各種添加剤及び希釈溶
剤を第3表(1)、(2)に示すように変更した以外
は、参考例12と同様にして、粉体塗料原料溶液(S−
2)〜(S−5)を得た。それぞれの性状値をまとめて
第4表(1)、(2)に示す。
【0147】参考例17〔顔料を分散した粉体塗料原料
溶液の調製〕 参考例6で得られた主剤アクリル樹脂溶液(A′−6)
1352部に、顔料として「タイペーク CR−90」
(石原産業(株)製の、ルチル型酸化チタン)430部
を加え、サンドミルで分散することにより、白色顔料分
散樹脂溶液を調製した。
【0148】次に、撹拌機、温度計、コンデンサー及び
窒素ガス導入口を備えた反応容器に、メチルエチルケト
ン2000部、メチルイソブチルケトン479部及びイ
ソブタノール275部を仕込み、攪拌しながら「B15
30」87部、ドデカンジカルボン酸188部、ベンゾ
イン5部及び「アクロナール 4F」(ドイツ国BAS
F社製の流動調整剤)5部と、高沸点溶剤(C1)とし
て、「IPソルベント2028」3.0部を加え、さら
に調製した白色顔料分散樹脂溶液を加えて攪拌すること
により、着色粉体塗料原料溶液(S−6)を得た。この
溶液(S−6)の性状値を第4表(3)に示す。
【0149】参考例18,19 参考例6と同様にして主剤アクリル樹脂溶液を調製し、
分散する顔料を、第3表(3)に示すように変更した以
外は、参考例17と同様にして、着色粉体塗料原料溶液
(S−7)、(S−8)を得た。これらの溶液の性状値
を第4表(3)に併せて示す。
【0150】参考例20〜23(同上) 使用する主剤樹脂溶液、硬化剤、顔料、各種添加剤及び
希釈溶剤を第3表(4)、(5)に示すように変更した
以外は、参考例17と同様にして、粉体塗料原料溶液
(S−9)〜(S−12)を得た。それぞれの性状値を
まとめて第4表(4)、(5)に示す。
【0151】参考例24,25(同上) 高沸点溶剤(C1)を使用しない以外は、参考例16,2
3と同様にして、粉体塗料原料溶液(S−13)、(S
−14)を得た。それぞれの性状値をまとめて第4表
(6)に示す。
【0152】
【表6】
【0153】
【表7】
【0154】
【表8】
【0155】
【表9】
【0156】
【表10】
【0157】≪第3表の脚注≫ B1530……………独国ヒュルス社製「VESTAG
ON B1530」(イソホロンジイソシアネートのヌ
レート体をε−カプロラクタムでブロック化せしめた形
のブロック・イソシアネート化合物) BF1540…………独国ヒュルス社製「VESTAG
ON BF1540」(イソホロンジイソシアネートを
ウレトジオン結合で以ってセルフブロック化せしめた形
のブロック・イソシアネート化合物) TGIC………………トリグリシジルイソシアヌレート エピクロン4050…大日本インキ化学工業(株)製エ
ポキシ樹脂 A−229−30……大日本インキ化学工業(株)製エ
ポキシ基含有アクリル樹脂「ファインディック A−2
29−30」 XL−552…………スイス国エムス社製の酸アミド化
合物「PRIMID XL−552」 サイメル300………三井サイテック(株)社製ヘキサ
メトキシメチル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂 CR−90……………石原産業(株)製ルチル型酸化チ
タン「タイペーク CR−90」 ファーストゲンブルー NK…大日本インキ化学工業
(株)社製フタロシアニン系青色有機顔料 MA100……………三菱化学(株)社製カーボンブラ
ック顔料 KP322……………信越化学(株)製シリコーン系流
動調整剤 アクロナール 4F…独国BASF社製流動調整剤 ソルベッソ100……米国エクソン社製芳香族炭化水素
含有混合炭化水素溶剤 ソルベッソ150……同上 ソルベッソ200……同上 IPソルベント1620……出光石油化学(株)社製脂
肪族炭化水素含有混合炭化水素系溶剤 IPソルベント2028……同上 エクソンソルベント No.7…米国エクソン社製脂肪
族炭化水素含有混合炭化水素溶剤 アイソパー M………同上
【0158】
【表11】
【0159】
【表12】
【0160】
【表13】
【0161】
【表14】
【0162】
【表15】
【0163】
【表16】
【0164】実施例1 溶剤回収装置を備えた防爆型の垂直下降並流式噴霧乾燥
装置で、噴霧方式として回転円盤式を用いて粉体塗料を
製造した。円盤の回転速度を15,000rpmとし、
熱源ガスとしては窒素ガスを用い、原料溶液と熱源ガス
を垂直下降並流式で接触させた。ガスの温度は120℃
に設定した。60℃に予備加熱した粉体塗料原料溶液
(S−1)を供給速度0.5kg/hrで噴霧乾燥装置
中に噴霧し、装置内で乾燥された粉体塗料の粒子をサイ
クロンで捕集することによって、平均粒子径15μmの
粉体塗料を得た。粒子の形状はほとんどが球状であっ
た。また得られた粉体塗料の不揮発分は99.3%で、
高沸点溶剤(C1)である「ソルベッソ100」の含有量
を測定したところ、0.09重量%であった。
【0165】実施例2〜14(同上) 粉体塗料原料溶液(S−1)の代わりに粉体塗料原料溶
液(S−2)〜(S−14)を用い、粉体塗料原料溶液
の予備加熱温度と、熱源ガスの温度を第5表(1)〜
(5)に示すように変更した以外は実施例1と同様にし
て、粉体塗料(P−2)〜(P−14)を得た。ただ
し、(P−6)〜(P−8)については、さらに2次乾
燥として、真空乾燥機で60℃で8時間乾燥を行った。
粉末塗料の性状値を第5表(1)〜(6)に示す。
【0166】比較例1 参考例16と同様にして粉体塗料原料溶液(S−5)を
調製し、熱源ガスの温度を170℃に変更した以外は実
施例5と同様にして粉体塗料を製造しようとしたが、得
られた粒子はゲル化、凝集していた。その性状値を第5
表(7)に示す。
【0167】比較例2 粉体塗料原料溶液を調製する時の、ソルベッソ150の
添加量を55部に変更した以外は参考例14と同様にし
て粉体塗料原料溶液を調製し、実施例3と同様にして粉
体塗料を製造したが、塗料の乾燥が不十分で固体粒子が
得られなかった。さらに二次乾燥として、60℃で8時
間真空乾燥したが、固体粒子は得られなかった。その性
状値を第5表(7)に示す。
【0168】
【表17】
【0169】
【表18】
【0170】
【表19】
【0171】
【表20】
【0172】
【表21】
【0173】
【表22】
【0174】
【表23】
【0175】比較参考例1(従来の製造方法による透明
トップコート塗料〔II〕の調製) 参考例5で得られた主剤アクリル樹脂溶液(A′−5)
の1536部を、150℃、30hPaの条件下で減圧
して溶剤を留去し、主剤アクリル樹脂(A−5)を得
た。得られた主剤アクリル樹脂(A−5)を粗粉砕し、
さらに参考例16と同じ配合量で、硬化剤、触媒及び各
種添加剤をドライブレンドし、「コニーダー PR−4
6」(スイス国ブス社製の押出混練機)で以て溶融混練
した。冷却後、粉砕し、150メッシュの篩を用いて、
当該篩を通過した粉砕分級物を集めて透明トップコート
塗料(P−15)を得た。
【0176】比較参考例2(従来の製造方法による粉体
塗料の調製) 参考例6と同様にして得られた主剤アクリル樹脂溶液
(A′−6)の1352部を、150℃、30hPaの
条件下で減圧して溶剤を留去し、主剤アクリル樹脂(A
−6)を得た。得られた主剤アクリル樹脂(A−6)を
粗粉砕し、さらに参考例17と同じ配合量で、硬化剤、
触媒、顔料、各種添加剤、及び高沸点溶剤(C1)をド
ライブレンドし、「コニーダー PR−46」(スイス
国ブス社製の押出混練機)で以て溶融混練した。冷却
後、粉砕し、150メッシュの篩を用いて、当該篩を通
過した粉砕分級物を集めて粉体塗料(P−16)を得
た。
【0177】比較参考例3 比較参考例2と同様にして主剤アクリル樹脂(A−6)
を調製し、参考例18と同じ配合量で、硬化剤、触媒、
顔料及び各種添加剤をドライブレンドし、「コニーダー
PR−46」(スイス国ブス社製の押出混練機)で以
て溶融混練した。冷却後、粉砕し、150メッシュの篩
を用いて、当該篩を通過した粉砕分級物を集めて粉体塗
料(P−17)を得た。
【0178】比較参考例4 比較参考例2と同様にして主剤アクリル樹脂(A−6)
を調製し、参考例19と同じ配合量で、硬化剤、触媒、
顔料及び各種添加剤をドライブレンドし、「コニーダー
PR−46」(スイス国ブス社製の押出混練機)で以
て溶融混練した。冷却後、粉砕し、150メッシュの篩
を用いて、当該篩を通過した粉砕分級物を集めて粉体塗
料(P−18)を得た。
【0179】比較参考例5(同上) 参考例10で得られた主剤ポリエステル樹脂(A−1
0)の384部に、参考例23と同じ配合量の硬化剤、
触媒、顔料及び各種添加剤をドライブレンドし、「コニ
ーダー PR−46」(スイス国ブス社製の押出混練
機)で以て溶融混練した。冷却後、粉砕し、150メッ
シュの篩を用いて、当該篩を通過した粉砕分級物を集め
て粉体塗料(P−19)を得た。
【0180】参考例26〔着色ベ−スコ−ト塗料〔I〕
の調製〕 〔水性樹脂[W]の調製〕撹拌機、温度計、コンデンサ
−および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、脱イオン
水680部、過硫酸アンモニウム2部および「Trit
on X−200」(アメリカ国ローム・アンド・ハー
ス社製のアニオン性界面活性剤の商品名)15部を加
え、95℃に加熱した。下記アクリル単量体成分の水性
乳化液をこの95℃の反応系に4時間かけて滴下し、そ
の滴下終了後もさらに3時間保持した。その後、反応液
を冷却し、ジメチルエタノールアミン5部と脱イオン水
40部を添加した。かくして安定な固形分45%の水性
アクリル樹脂の乳白色の分散液を得た。これを水性樹脂
[W]と略記する。
【0181】 アクリル単量体成分: メチルメタクリレート 450 部 エチルアクリレート 350 部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 150 部 アクリル酸 20 部 エチレングリコ−ルジ−メタクリレート 30 部 n−オクチルメルカプタン 5 部 過硫酸アンモニウム 4 部 Triton X−200 15 部 (アメリカ国ローム・アンド・ハース社製 アニオン性界面活性剤) エマルゲン840s 10 部 (花王アトラス社製 ノニオン性界面活性剤) 脱イオン水 530 部
【0182】(増粘剤[AW]の調製) 「アクリゾールASE−60」(米国ローム・アンド・
ハース社製の増粘剤:固形分28%)64部に、ジメチ
ルエタノールアミン6部および脱イオン水530部を添
加して、固形分が3%なる目的物を得た。この増粘剤を
[AW]と略記する。
【0183】〔着色ベ−スコ−ト塗料〔I〕の調製〕水
性樹脂[W]100部に、増粘剤[AW]10部、サイ
メル300(三井サイアナミド社製のヘキサメトキシメ
チル化メラミン)5部、パラトルエンスルフォン酸1
部、アルミペースト分散液#4919(東洋アルミニウ
ム(株)製品アルミペースト)3部、アルミペースト分
散液#55−519(同社製)1.5部にイソプロパノ
ール12部を混合し、脱イオン水で粘度16秒(フォー
ドカップNo4/20℃)に調製した。これを着色ベ−
スコ−ト塗料[I]と略記する。
【0184】実施例15(従来の製造方法による高沸点
溶剤を含有する粉体塗料の調製) 参考例6と同様にして得られた主剤アクリル樹脂溶液
(A′−6)の1352部を、150℃、30hPaの
条件下で減圧して溶剤を留去し、主剤アクリル樹脂(A
−6)を得た。得られた主剤アクリル樹脂(A−6)を
粗粉砕し、さらに参考例17と同じ配合量で、硬化剤、
触媒、顔料及び各種添加剤をドライブレンドし、「コニ
ーダー PR−46」(スイス国ブス社製の押出混練
機)で以て溶融混練した。冷却後、粉砕し、150メッ
シュの篩を用いて、当該篩を通過した粉砕分級物を集め
て粉体塗料(P−20)を得た。0.8mm厚の燐酸亜
鉛処理鋼板上に、得られた粉体塗料(P−20)を60
μmの膜厚になるように静電塗装した。塗装した試験板
を160℃で20分間焼き付け硬化させることによっ
て、塗板を得た。得られた硬化塗膜の性状を第6表
(1)に示す。
【0185】実施例16 0.8mm厚の燐酸亜鉛処理鋼板上に、白色アルキドメ
ラミン溶剤系塗料を30μmの膜厚になるようにスプレ
ー塗装し、140℃で30分間焼き付け硬化させた後、
その上に実施例1で得られた粉体塗料(P−1)を60
μmの膜厚になるように静電塗装した。塗装した試験板
を180℃で20分間焼き付け硬化させることによっ
て、塗板を得た。得られた硬化塗膜の性状を第6表
(1)に示す。
【0186】実施例17(本発明の製造方法により製造
した粉体塗料の硬化塗膜の性状) 着色ベースコート塗料〔I〕、および、透明トップコー
ト塗料を使用して、次に示すような塗膜形成方法に従っ
て、塗膜を作製した。
【0187】被塗物として使用する基材としては、「ボ
ンデライト#3030」(日本パーカライジング(株)
製の燐酸亜鉛系処理剤で以て処理された軟鋼板)に、エ
ポキシ樹脂系カチオン電着塗料を電着塗装せしめたもの
に、メラミン硬化ポリエステル樹脂系中塗り塗料を塗装
せしめたものを用いた。
【0188】この基材上に、参考例26で得られた着色
ベ−スコ−ト塗料〔I〕を温度が25℃で、かつ相対湿
度が65〜70%なる塗装雰囲気下で乾燥膜厚が20μ
mになるように、それぞれ2回にわけて塗装し、焼き付
けを行って、複層塗膜を有する被塗物を得た。こうした
2回の塗装の間に2分間のセッティングを行った。1回
目の塗装時のスプレーガンのエアー圧は5(Kg/cm
2 )、塗料の流速は400(m/分)とし、2回目の
塗装時には、塗料の流速は200(m/分)とし、被塗
物とスプレーガンとの距離は40cmとした。尚、基材
上における塗布面が、常に吐出方向に対し垂直となるよ
うに、この基材は保持されていた。
【0189】かかる2回の塗装の後、被塗物を30℃の
温度で5分間風乾せしめ、さらに室温まで冷却せしめて
から、透明トップコ−ト塗料として実施例3で得られた
粉体塗料(P−3)を、静電粉体塗装により乾燥膜厚が
60μmとなるように塗布し、140℃/30分間の焼
き付けを行った。
【0190】かくして得られた、被塗物上の複層粉体塗
膜について、塗膜外観の評価を行った。それらの結果を
まとめて第6表(2)に示した。
【0191】実施例18(同上) 使用する粉体塗料、焼き付け温度を第6表(2)に示す
ように変更した以外は実施例17と同様にして、塗板を
得た。得られた硬化塗膜の性状を第6表(2)に示す。
【0192】実施例19 0.8mm厚の燐酸亜鉛処理鋼板上に、実施例9で得ら
れた粉体塗料(P−9)を60μmの膜厚になるように
静電塗装した。塗装した試験板を200℃で20分間焼
き付け硬化させることによって、塗板を得た。得られた
硬化塗膜の性状を第6表(3)に示す。
【0193】実施例20 使用する粉体塗料、焼付温度を第6表(3)に示すよう
に変更した以外は実施例19と同様にして、塗板を得
た。得られた硬化塗膜の性状を第6表(3)に示す。
【0194】実施例21 使用する粉体塗料、焼付温度を第6表(4)に示すよう
に変更した以外は実施例17と同様にして、塗板を得
た。得られた硬化塗膜の性状を第6表(4)に示す。
【0195】実施例22 使用する粉体塗料を、第6表(4)に示すように変更し
た以外は実施例19と同様にして、塗板を得た。得られ
た硬化塗膜の性状を第6表(4)に示す。
【0196】比較例3 使用する粉体塗料を、第6表(5)に示すように変更し
た以外は、実施例17と同様にして、塗板を得た。得ら
れた硬化塗膜の性状を第6表(5)に示す。
【0197】比較例4 使用する粉体塗料を、第6表(5)に示すように変更し
た以外は、実施例19と同様にして、塗板を得た。得ら
れた硬化塗膜の性状を第6表(5)に示す。
【0198】
【表24】
【0199】
【表25】
【0200】
【表26】
【0201】
【表27】
【0202】
【表28】
【0203】≪第6表の脚注≫ 塗膜欠陥の有無……塗膜表面の、ワキ、ヘコミ、ヒ゜ンホール等の
塗膜欠陥の生じた個数(塗板100平方cm当たり)で
判定 ◎:0個 ○:1〜2個 △:3〜10個 ×:>10個
【0204】参考例27〔標準色粉体塗料(PC−1)
の調製〕 使用する顔料を「CR−90」300.7部、「ファス
トゲンブルー NK」33.4部に変更した以外は、比
較参考例2と同様にして標準色粉体塗料(PC−1)を
調製した。得られた標準色粉体塗料(PC−1)を使用
して、実施例19と同様にして塗板を作成した。
【0205】参考例28〔標準色粉体塗料(PC−2)
の調製〕 使用する顔料を「CR−90」301.9部、「MA1
00」15.9部に変更した以外は、比較参考例2と同
様にして標準色粉体塗料(PC−2)を調製した。得ら
れた標準色粉体塗料(PC−2)を使用して、実施例1
9と同様にして塗板を作成した。
【0206】実施例23(本発明の製造方法による色彩
を調整した着色粉体塗料の調製) 参考例17,18と同様にして、粉体塗料原料溶液(S
−6)、(S−7)を調製し、次いで、(S−6)/
(S−7)=713/287の比率となるように混合し
て(顔料の混合比率:「CR−90」/「ファーストゲ
ンブルー NK」=90/10)、粉体塗料原料溶液
(S−15)を調製した。この粉体塗料原料溶液(S−
15)を実施例6と同様にして噴霧乾燥し、着色粉体塗
料(P−21)を得た。得られた粉体塗料(P−21)
を使用して、実施例19と同様にして塗板を作成した。
得られた塗膜の色彩を参考例27で作成した標準色粉体
塗料(PC−1)の塗膜と比較した結果を第7表(1)
に示す。
【0207】比較例5(ドライブレンド法による色彩を
調整した着色粉体塗料の調製) 比較参考例2,3で得られた粉体塗料(P−16)と
(P−17)を、(P−16)/(P−17)=747
/253の比率でドライブレンドして、着色粉体塗料
(P−22)を製造した。得られた着色粉体塗料(P−
22)を使用して、実施例19と同様にして塗板を作成
した。得られた塗膜は、まだら模様で、均一な色彩の塗
膜が得られなかった。参考例27で作成した標準色粉体
塗料(PC−1)の塗膜と比較した結果を第7表(1)
に示す。
【0208】実施例24 参考例17,19と同様にして、粉体塗料原料溶液(S
−6)、(S−8)を調製し、次いで、(S−6)/
(S−8)=718/282の比率となるように混合し
て(顔料の混合比率:「CR−90」/「MA100」
=95/5)、粉体塗料原料溶液(S−16)を調製し
た。この粉体塗料原料溶液(S−16)を実施例6と同
様にして噴霧乾燥し、着色粉体塗料(P−23)を得
た。得られた粉体塗料(P−23)を使用して、実施例
19と同様にして塗板を作成した。得られた塗膜の色彩
を参考例28で作成した標準色粉体塗料(PC−2)の
塗膜と比較した結果を第7表(2)に示す。
【0209】比較例6 比較参考例2,4で得られた粉体塗料(P−16)と
(P−18)を、(P−16)/(P−18)=758
/242の比率でドライブレンドして(顔料の混合比
率:「CR−90」/「MA100」=95/5)、着
色粉体塗料(P−24)を製造した。得られた着色粉体
塗料(P−24)を使用して、実施例19と同様にして
塗板を作成した。得られた塗膜は、まだら模様で、均一
な色彩の塗膜が得られなかった。参考例28で作成した
標準色粉体塗料(PC−2)の塗膜と比較した結果を第
7表(2)に示す。
【0210】
【表29】
【0211】
【表30】
【0212】≪第7表の脚注≫ 塗膜欠陥の有無……塗膜表面の、ワキ、ヘコミ、ヒ゜ンホール等の
塗膜欠陥の生じた個数(塗板100平方cm当たり)で
判定 ◎:0個 ○:1〜2個 △:3〜10個 ×:>10個 標準塗料との色差…塗膜の色彩の状態を目視で判定 ◎:均一な色彩で標準塗料との差が認められない ○:均一な色彩であるが標準塗料と比較すると色彩に差
が認められる △:色彩にムラがみられ標準塗料との色彩の差が大きい ×:二色のまだら模様で標準塗料との色彩の差も著しく
大きい
【0213】
【発明の効果】以上において詳述したように、本発明の
粉体塗料の製造方法は、従来の粉体塗料の製造方法でと
られているような長くて複雑な製造工程を得ることな
く、容易にかつ低コストで製造可能で、しかも製造時に
ゲル化を起こす恐れのない極めて実用性の高いものであ
る。そして、本発明の粉体塗料は平滑性に優れる塗膜を
形成することができるもので、特に沸点150〜300
℃の高沸点有機溶剤(C1)を含有する有機溶剤(C)を
用いてなる粉体塗料は、ワキやピンホールのような塗膜
欠陥を生じることのない塗膜を形成することができる。
さらに本発明の塗膜形成方法によれば、本発明の粉体塗
料をトップコート塗料として使用することにより、平滑
性に優れた塗膜が得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月28日(2000.7.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体塗料の製造方
法及び粉体塗料及び塗膜形成方法に関する。さらに詳細
には、本発明は、硬化反応性基を有する常温固形の主剤
樹脂(A)及びその硬化剤(B)と、常圧における沸点
が150〜300℃である高沸点有機溶剤(C1)を含有
する有機溶剤(C)とを必須の構成成分として含む粉体
塗料原料溶液を、主剤樹脂(A)と硬化剤(B)とが実
質的に硬化反応を起こさない温度で、かつ、高沸点有機
溶剤(C1)の一部乃至全部が残留する条件下で噴霧乾燥
させる、粉体塗料の製造方法、及び高沸点有機溶剤(C
1)を含有する粉体塗料、及び塗膜形成方法に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、長くて複雑な製造工程を経ることなく、容易にか
つ製造時にゲル化を起こす恐れがなく、しかも得られる
粉体塗料がワキやピンホールのような塗膜欠陥を生じる
ことなく平滑性に優れる塗膜を形成するような、粉体塗
料の製造方法及び粉体塗料及び塗膜形成方法を提供する
ことにある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
問題を解決するべく、鋭意、研究を重ねた結果、硬化反
応性基を有する常温固形の主剤樹脂(A)及びその硬化
剤(B)と、常圧における沸点が150〜300℃であ
高沸点有機溶剤(C1)を含有する有機溶剤(C)とを
必須の構成成分として含んでなり、必要に応じて顔料
(D)をも含んでなるような粉体塗料原料溶液を、主剤
樹脂(A)と硬化剤(B)とが実質的に硬化反応を起こ
さない温度で、かつ、高沸点有機溶剤(C1)の一部乃至
全部が残留する条件下で噴霧乾燥させると、容易にかつ
製造時にゲル化を起こす恐れがなく粉体塗料が製造可能
で、しかも得られる粉体塗料がワキやピンホールのよう
な塗膜欠陥を生じることなく平滑性に優れる塗膜を形成
すること、2種以上の顔料(D)を含んでなる粉体塗料
原料溶液を混合して色彩を調整して噴霧乾燥させると、
色彩の調整が容易でかつ再現性に優れる均一な色彩を有
する塗膜が形成できること、有機溶剤(C)のうち、常
圧における沸点が100℃以下の有機溶剤の占める割合
が65%重量%以上であると好ましいこと、主剤樹脂
(A)の硬化反応性基が、エポキシ基、カルボキシル基
および水酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種で
あると好ましく、なかでもエポキシ基が特に好ましいこ
と、主剤樹脂(A)の硬化反応性基がエポキシ基である
場合、硬化剤(B)としては脂肪族二塩基酸が好まし
く、なかでもドデカンジカルボン酸が特に好ましいこ
と、硬化剤(B)の少なくとも一種が脂肪族二塩基酸の
場合、有機溶剤(C)が、炭素数4以下のアルコールを
含んでなり、かつその炭素数4以下のアルコールの量
が、粉体塗料原料溶液中に含まれる脂肪族二塩基酸に対
して、重量比で4倍以上であると好ましいこと、粉体塗
料原料溶液を、40〜130℃で噴霧乾燥させると好ま
しいこと、粉体塗料中に高沸点有機溶剤(C1)が0.0
05〜1重量%含有されていると好ましいこと、被塗物
上に単層または複層の塗膜を形成する塗膜形成方法にお
いて、上述した方法により製造された粉体塗料をトップ
コート塗料として使用すると好ましいこと等を見いだ
し、ここに本発明を完成させるに至った。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】すなわち、本発明は、 1. 硬化反応性基を有する常温固形の主剤樹脂(A)
と、該主剤樹脂(A)の硬化反応性基と反応しうる常温
固形の硬化剤(B)と、沸点150〜300℃の高沸点
有機溶剤(C1)を含有する有機溶剤(C)とを必須の構
成成分として含んでなる粉体塗料原料溶液を、主剤樹脂
(A)と硬化剤(B)とが実質的に硬化反応を起こさな
い温度で、かつ、高沸点有機溶剤(C1)の一部乃至全部
が残留する条件下で噴霧乾燥させて、高沸点有機溶剤
(C1)の含有率が0.005〜1重量%の粉体塗料を得
ることを特徴とする、粉体塗料の製造方法、
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】2.粉体塗料原料溶液として、硬化反応性
基を有する常温固形の主剤樹脂(A)と、該主剤樹脂
(A)の硬化反応性基と反応しうる常温固形の硬化剤
(B)と、沸点150〜300℃の高沸点有機溶剤(C
1)を含有する有機溶剤(C)と、顔料(D)を必須の
構成成分として含んでなる原料溶液を用いる、上記1記
載の粉体塗料の製造方法、
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】3.粉体塗料原料溶液の色彩調整を行った
後、噴霧乾燥させる、上記2記載の粉体塗料の製造方
法、
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】4.有機溶剤(C)のうち、常圧における
沸点が100℃以下の有機溶剤の占める割合が65重量
%以上である、上記1〜3のいずれか1項に記載の粉体
塗料の製造方法、
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】5.主剤樹脂(A)の硬化反応性基が、エ
ポキシ基、カルボキシル基および水酸基からなる群から
選ばれる少なくとも1種である、上記1〜4のいずれか
1項に記載の粉体塗料の製造方法、
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】6.主剤樹脂(A)の硬化反応性基の少な
くとも一種がエポキシ基であり、硬化剤(B)が脂肪族
二塩基酸である、上記1〜4のいずれか1項に記載の粉
体塗料の製造方法、
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】7.脂肪族二塩基酸が、ドデカンジカルボ
ン酸である、上記6記載の粉体塗料の製造方法、
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】8.有機溶剤(C)が、炭素数4以下のア
ルコールを含んでなり、かつその炭素数4以下のアルコ
ールの量が、粉体塗料原料溶液中に含まれる脂肪族二塩
基酸に対して、重量比で4倍以上である、上記6または
7記載の粉体塗料の製造方法、
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】9.粉体塗料原料溶液を、40〜130℃
で噴霧乾燥させる、上記1〜8のいずれか1つに記載の
粉体塗料の製造方法、
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】10.硬化反応性基を有する常温固形の主
剤樹脂(A)と、該主剤樹脂(A)の硬化反応性基と反
応しうる常温固形の硬化剤(B)と、沸点150〜30
0℃の高沸点有機溶剤(C1)とを含有し、かつ、高沸点
有機溶剤(C1)の含有率が0.005〜1重量%である
ことを特徴とする、粉体塗料、
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】11.硬化反応性基を有する常温固形の主
剤樹脂(A)と、該主剤樹脂(A)の硬化反応性基と反
応しうる常温固形の硬化剤(B)と、沸点150〜30
0℃の高沸点有機溶剤(C1)と共に顔料(D)を含有す
る、上記10に記載の粉体塗料、
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】12.主剤樹脂(A)の硬化反応性基が、
エポキシ基、カルボキシル基および水酸基からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種である、上記10または11
記載の粉体塗料、
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】13.主剤樹脂(A)の硬化反応性基の少
なくとも一種がエポキシ基であり、硬化剤(B)が脂肪
族二塩基酸である、上記10または11記載の粉体塗
料、
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】14.被塗物上に、単層または複層の塗膜
を形成する塗膜形成方法において、上記1〜9のいずれ
か1つに記載の製造方法で得られた粉体塗料(X1)
を、トップコート塗料として使用することを特徴とす
る、塗膜形成方法、
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】15.被塗物上に、ベースコート塗料
〔I〕を塗装し、更にその上にトップコート塗料〔II〕
を塗装する塗膜形成方法であって、該トップコート塗料
〔II〕として粉体塗料(X1)を使用する、上記14記
載の塗膜形成方法、
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】16.ベースコート塗料〔I〕が着色ベー
スコート塗料であり、かつ、トップコート塗料〔II〕が
透明トップコート塗料である、上記15記載の塗膜形成
方法、
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】17.被塗物上に、単層または複層の塗膜
を形成する塗膜形成方法において、上記10〜13のい
ずれか1つに記載の粉体塗料(X2)を、トップコート
塗料として使用することを特徴とする、塗膜形成方法、
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】18.被塗物上に、ベースコート塗料
〔I〕を塗装し、更にその上にトップコート塗料〔II〕
を塗装する塗膜形成方法であって、該トップコート塗料
〔II〕として粉体塗料(X2)を使用する、上記17記
載の塗膜形成方法、および、
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】19.ベースコート塗料〔I〕が着色ベー
スコート塗料であり、かつ、トップコート塗料〔II〕が
透明トップコート塗料である、上記18記載の塗膜形成
方法、を提供するものである。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正内容】
【0080】さらに、有機溶剤(C)は、常圧における
沸点が150〜300℃である高沸点溶剤(C1)を含ん
でなる。有機溶剤(C)の一部に高沸点溶剤(C1)を使
用することにより、ワキやピンホールのような塗膜欠陥
を生じることのない塗膜を形成する粉体塗料を得ること
ができる。高沸点溶剤(C1)は、単一成分でも、複数成
分からなる混合物でもよい。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0151
【補正方法】削除
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0163
【補正方法】削除
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0165
【補正方法】変更
【補正内容】
【0165】実施例2〜12(同上) 粉体塗料原料溶液(S−1)の代わりに粉体塗料原料溶
液(S−2)〜(S−12)を用い、粉体塗料原料溶液
の予備加熱温度と、熱源ガスの温度を第5表(1)〜
(5)に示すように変更した以外は実施例1と同様にし
て、粉体塗料(P−2)〜(P−12)を得た。ただ
し、(P−6)〜(P−8)については、さらに2次乾
燥として、真空乾燥機で60℃で8時間乾燥を行った。
粉末塗料の性状値を第5表(1)〜(5)に示す。
【手続補正31】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0173
【補正方法】削除
【手続補正32】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0194
【補正方法】削除
【手続補正33】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0195
【補正方法】削除
【手続補正34】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0201
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 弘治 奈良県奈良市神功5−12−10 (72)発明者 小西 由高 奈良県奈良市南京終町1丁目90の1エンペ ランス奈良314号 Fターム(参考) 4D075 AE03 BB24X EA02 EB22 EB33 EB35 EB52 EB53 EB55 EB56 EC01 EC02 EC11 EC13 EC30 EC37 4J038 CE051 CE052 CG031 CG061 CG071 CG141 CG151 CH111 CH121 CH171 CH172 DA112 DB002 DB021 DB061 DB262 DB282 DD051 DD052 DD061 DD071 DD081 DD122 DG142 DG302 GA03 GA06 GA07 GA09 GA11 JA19 JA35 JA39 JB18 KA03 KA06 KA08 LA02 LA05 MA02 NA23 PA02

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化反応性基を有する常温固形の主剤樹
    脂(A)と、該主剤樹脂(A)の硬化反応性基と反応し
    うる常温固形の硬化剤(B)と、有機溶剤(C)とを必
    須の構成成分として含んでなる粉体塗料原料溶液を、主
    剤樹脂(A)と硬化剤(B)とが実質的に硬化反応を起
    こさない温度で噴霧乾燥させることを特徴とする、粉体
    塗料の製造方法。
  2. 【請求項2】 粉体塗料原料溶液として、硬化反応性基
    を有する常温固形の主剤樹脂(A)と、該主剤樹脂
    (A)の硬化反応性基と反応しうる常温固形の硬化剤
    (B)と、有機溶剤(C)と、顔料(D)とを必須の構
    成成分として含んでなる原料溶液を用いる、請求項1記
    載の粉体塗料の製造方法。
  3. 【請求項3】 粉体塗料原料溶液の色彩調整を行った
    後、噴霧乾燥させる、請求項2記載の粉体塗料の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 硬化反応性基を有する常温固形の主剤樹
    脂(A)と、該主剤樹脂(A)の硬化反応性基と反応し
    うる常温固形の硬化剤(B)と、沸点150〜300℃
    の高沸点有機溶剤(C1)を含有する有機溶剤(C)とを
    必須の構成成分として含んでなる粉体塗料原料溶液を、
    主剤樹脂(A)と硬化剤(B)とが実質的に硬化反応を
    起こさない温度で、かつ、高沸点有機溶剤(C1)の一部
    乃至全部が残留する条件下で噴霧乾燥させて、高沸点有
    機溶剤(C1)の含有率が0.005〜1重量%の粉体塗
    料を得ることを特徴とする、粉体塗料の製造方法。
  5. 【請求項5】 粉体塗料原料溶液として、硬化反応性基
    を有する常温固形の主剤樹脂(A)と、該主剤樹脂
    (A)の硬化反応性基と反応しうる常温固形の硬化剤
    (B)と、沸点150〜300℃の高沸点有機溶剤(C
    1)を含有する有機溶剤(C)と、顔料(D)を必須の
    構成成分として含んでなる原料溶液を用いる、請求項4
    記載の粉体塗料の製造方法。
  6. 【請求項6】 粉体塗料原料溶液の色彩調整を行った
    後、噴霧乾燥させる、請求項5記載の粉体塗料の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 有機溶剤(C)のうち、常圧における沸
    点が100℃以下の有機溶剤の占める割合が65重量%
    以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粉体
    塗料の製造方法。
  8. 【請求項8】 主剤樹脂(A)の硬化反応性基が、エポ
    キシ基、カルボキシル基および水酸基からなる群から選
    ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれか
    1項に記載の粉体塗料の製造方法。
  9. 【請求項9】 主剤樹脂(A)の硬化反応性基の少なく
    とも一種がエポキシ基であり、硬化剤(B)が脂肪族二
    塩基酸である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粉
    体塗料の製造方法。
  10. 【請求項10】 脂肪族二塩基酸が、ドデカンジカルボ
    ン酸である、請求項9記載の粉体塗料の製造方法。
  11. 【請求項11】 有機溶剤(C)が、炭素数4以下のア
    ルコールを含んでなり、かつその炭素数4以下のアルコ
    ールの量が、粉体塗料原料溶液中に含まれる脂肪族二塩
    基酸に対して、重量比で4倍以上である、請求項9また
    は10記載の粉体塗料の製造方法。
  12. 【請求項12】 粉体塗料原料溶液を、40〜130℃
    で噴霧乾燥させる、請求項1〜11のいずれか1項に記
    載の粉体塗料の製造方法。
  13. 【請求項13】 硬化反応性基を有する常温固形の主剤
    樹脂(A)と、該主剤樹脂(A)の硬化反応性基と反応
    しうる常温固形の硬化剤(B)と、沸点150〜300
    ℃の高沸点有機溶剤(C1)とを含有し、かつ、高沸点有
    機溶剤(C1)の含有率が0.005〜1重量%であるこ
    とを特徴とする、粉体塗料。
  14. 【請求項14】 硬化反応性基を有する常温固形の主剤
    樹脂(A)と、該主剤樹脂(A)の硬化反応性基と反応
    しうる常温固形の硬化剤(B)と、沸点150〜300
    ℃の高沸点有機溶剤(C1)と共に顔料(D)を含有す
    る、請求項13に記載の粉体塗料。
  15. 【請求項15】 主剤樹脂(A)の硬化反応性基が、エ
    ポキシ基、カルボキシル基および水酸基からなる群から
    選ばれる少なくとも1種である、請求項13または14
    記載の粉体塗料。
  16. 【請求項16】 主剤樹脂(A)の硬化反応性基の少な
    くとも一種がエポキシ基であり、硬化剤(B)が脂肪族
    二塩基酸である、請求項13または14記載の粉体塗
    料。
  17. 【請求項17】 被塗物上に、単層または複層の塗膜を
    形成する塗膜形成方法において、請求項1〜12のいず
    れか1項に記載の製造方法で得られた粉体塗料(X1)
    を、トップコート塗料として使用することを特徴とす
    る、塗膜形成方法。
  18. 【請求項18】 被塗物上に、ベースコート塗料〔I〕
    を塗装し、更にその上にトップコート塗料〔II〕を塗装
    する塗膜形成方法であって、該トップコート塗料〔II〕
    として粉体塗料(X1)を使用する、請求項17記載の
    塗膜形成方法。
  19. 【請求項19】 ベースコート塗料〔I〕が着色ベース
    コート塗料であり、かつ、トップコート塗料〔II〕が透
    明トップコート塗料である、請求項18記載の塗膜形成
    方法。
  20. 【請求項20】 被塗物上に、単層または複層の塗膜を
    形成する塗膜形成方法において、請求項13〜16のい
    ずれか1項に記載の粉体塗料(X2)を、トップコート
    塗料として使用することを特徴とする、塗膜形成方法。
  21. 【請求項21】 被塗物上に、ベースコート塗料〔I〕
    を塗装し、更にその上にトップコート塗料〔II〕を塗装
    する塗膜形成方法であって、該トップコート塗料〔II〕
    として粉体塗料(X2)を使用する、請求項20記載の
    塗膜形成方法。
  22. 【請求項22】 ベースコート塗料〔I〕が着色ベース
    コート塗料であり、かつ、トップコート塗料〔II〕が透
    明トップコート塗料である、請求項21記載の塗膜形成
    方法。
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