JP2003082295A - 粉体塗料及び塗膜形成方法 - Google Patents

粉体塗料及び塗膜形成方法

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JP2003082295A
JP2003082295A JP2001274941A JP2001274941A JP2003082295A JP 2003082295 A JP2003082295 A JP 2003082295A JP 2001274941 A JP2001274941 A JP 2001274941A JP 2001274941 A JP2001274941 A JP 2001274941A JP 2003082295 A JP2003082295 A JP 2003082295A
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coating material
vinyl
coating film
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Katsuhiko Okada
勝彦 岡田
Tetsuro Agawa
哲朗 阿河
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性に優れ、塗膜の耐候性、耐水性に
優れるとともに、塗装時の作業性、塗膜の仕上がり外観
にも優れる粉体塗料及びその塗膜形成方法を提供するこ
と。 【解決手段】 硬化反応性基を有する含フッ素共重合
体、該含フッ素共重合体の硬化反応性基と反応しうる硬
化剤、および有機溶剤を必須の成分として含んでなる粉
体塗料原料溶液を、噴霧乾燥させて得られる、平均粒径
5〜50μm、平均円形度0.9以上である、粉体塗
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
る粉体塗料及び塗膜形成方法に関する。さらに詳細に
は、特定の含フッ素共重合体(A)、硬化剤(B)、お
よび有機溶剤(C)を必須の成分として含んでなる粉体
塗料原料溶液を噴霧乾燥させて得られる平均粒径が5〜
50μm、平均円形度0.9以上である粉体塗料であっ
て、塗料の貯蔵安定性、塗膜の耐候性、耐水性などに特
に優れ、かつ粉体塗料の流動性、静電塗装作業性、塗膜
の仕上がり外観にも優れる塗膜を提供可能な粉体塗料及
び当該粉体塗料を用いた塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、塗装時に有機溶剤を大気中
に揮散することのない、環境調和型塗料として金属塗装
全般に広く使用されており、なかでも、門扉、フェン
ス、ガードレール等の道路資材、あるいは自動車用等、
高い耐候性が要求される屋外用途への使用が増えてきて
いる。
【0003】これに対して、耐候性に優れるような粉体
塗料がいくつか提案されている。例えば、特許1973
174号公報に見られるような含フッ素共重合体を用い
る粉体塗料は耐候性に非常に優れるという特徴がある。
【0004】これら含フッ素共重合体は、含フッ素ビニ
ル単量体を単独重合させることが極めて困難であること
から、工業的には一般に、含フッ素ビニル単量体との共
重合性に優れるビニルエーテルを共重合成分として使用
して製造されている。しかしながら、ビニルエーテル
は、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が低い原
料であり、含フッ素ビニル単量体とビニルエーテルを共
重合させて得られる含フッ素共重合体のガラス転移温度
も、一般に粉体塗料用に使用されている他の樹脂に比べ
て低い。そのため、含フッ素共重合体を用いる粉体塗料
では、粉体塗料として多く使用されているポリエステル
粉体塗料や、エポキシ粉体塗料に比べて貯蔵安定性が十
分でないという問題がある。また、得られる塗膜の耐水
性が十分でなく、屋外用途への展開が制限されるという
問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述の
従来技術における種々の問題点などを解決し、実用性の
粉体塗料ならびに塗膜形成方法を得るべく鋭意研究を開
始した。本発明が解決しようとする課題は、貯蔵安定性
に優れ、塗膜の耐候性、耐水性に優れるとともに、塗装
時の作業性、塗膜の仕上がり外観にも優れる粉体塗料及
びその塗膜形成方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
課題を解決するべく、鋭意、研究を重ねた結果、硬化反
応性基を有する含フッ素共重合体(A)、該含フッ素共
重合体(A)の硬化反応性基と反応しうる硬化剤
(B)、および有機溶剤(C)を必須の成分として含有
する粉体塗料原料溶液を噴霧乾燥させて得られる粉体塗
料が、貯蔵安定性に優れ、かつ該粉体塗料を用いて形成
される塗膜が耐候性、耐水性に特段に優れ、しかも塗膜
外観にも優れること等を見出し、ここに本発明を完成さ
せるに至った。
【0007】すなわち本発明は、硬化反応性基を有する
含フッ素共重合体(A)、該含フッ素共重合体(A)の
硬化反応性基と反応しうる硬化剤(B)、および有機溶
剤(C)を必須の成分として含んでなる粉体塗料原料溶
液を、噴霧乾燥させて得られる平均粒径5〜50μm、
平均円形度0.9以上である、粉体塗料を提供するもの
である。
【0008】また本発明は、被塗物上に、単層又は複層
の塗膜を形成する塗膜形成方法において、上記の粉体塗
料を使用することを特徴とする、塗膜形成方法を提供す
るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の詳細を具体的に
述べることにする。本発明は、硬化反応性基を有する含
フッ素共重合体(A)、該含フッ素共重合体(A)の硬
化反応性基と反応しうる硬化剤(B)、および有機溶剤
(C)を必須の成分として含有する粉体塗料原料溶液を
噴霧乾燥させて得られる粉体塗料及び塗膜形成方法を提
供するものである。
【0010】まず、含フッ素共重合体(A)について述
べることにする。含フッ素共重合体(A)とは、分子中
にフッ素原子を有する高分子化合物を指し、具体的に
は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ンや(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン−フッ化ビニリデン)共重合体の如き、1種又は2
種以上の含フッ素ビニル単量体(a−1)を(共)重合
させて得られるものや、(パー)フルオロアルキルポリ
エーテル、(パー)フルオロアルキルポリカーボネート
等があげられるが、とりわけ、含フッ素ビニル単量体
(a−1)と、ビニルエーテル(a−2)及び/又はカ
ルボン酸ビニルエステル(a−3)を、さらに必要に応
じて、他のビニル単量体類と共に共重合せしめて得られ
るような含フッ素共重合体が、耐候性、機械的物性等の
塗膜性能に優れ、有機溶剤への溶解性にも優れることか
ら好適に使用できる。
【0011】これらの含フッ素共重合体(A)を調製す
るには、公知慣用の方法が適用できるが、例えば、含フ
ッ素ビニル単量体(a−1)と、ビニルエーテル(a−
2)及び/又はカルボン酸ビニルエステル(a−3)
を、さらに必要に応じて、他のビニル単量体類と共に用
いて、これらの各単量体類を有機溶剤中で重合せしめる
という方法が、最も簡便であるので推奨される。
【0012】その際に用いられる、上記の含フッ素ビニ
ル単量体(a−1)とは、分子中にフッ素原子を有し、
しかも、重合性不飽和二重結合(以下、不飽和二重結合
ともいう。)をも併せ有するというような形の化合物を
指称するものであって、好ましくは、かかる含フッ素ビ
ニル単量体類が重合した場合において、次の一般式
(I)
【0013】
【化1】
【0014】[ただし、式中のW、X、Y、Zは、それ
ぞれ、同一であっても異なっていてもよい、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基もしくはハロゲン化アルキル
基を表わし、これらのW、X、Y及びZのうちの少なく
とも一つはフッ素原子である。]で示されるフルオロオ
レフィン構造単位を、主鎖中に導入することができるも
のである。
【0015】それらのうちでも特に代表的なものを例示
すれば、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオ
ロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフル
オロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、ペンタフ
ルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンの如き、
各種のフッ素含有−α−オレフィン類;トリフルオロメ
チルトリフルオロビニルエーテル、ペンタフルオロエチ
ルトリフルオロビニルエーテル、ヘプタフルオロプロピ
ルトリフルオロビニルエーテルの如き、各種のパーフル
オロアルキル−パーフルオロビニルエーテル類;各種の
(パー)フルオロアルキルビニルエーテル類(ただし、
このアルキル基の炭素数は1〜18であるものとす
る。)などがある。
【0016】これらの含フッ素ビニル単量体(a−1)
は、単独使用でも、2種以上の併用でもよいが、耐候性
などに優れる共重合体が得られることから、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラ
フルオロエチレンおよびクロロトリフルオロエチレンよ
りなる群から選ばれる少なくとも1種の含フッ素ビニル
単量体類の使用が望ましい。
【0017】さらに、含フッ素共重合体(A)には、前
記したビニルエーテル(a−2)及び/又はカルボン酸
ビニルエステル(a−3)をも使用するということが望
ましい。これらのビニルエーテル(a−2)及び/又は
カルボン酸ビニルエステル(a−3)は、含フッ素ビニ
ル単量体(a−1)との共重合性に優れ、したがって、
含フッ素共重合体(A)中にフッ素原子を効率よく、導
入せしめるということが出来る。
【0018】かかるビニルエーテル(a−2)として代
表的なもの例示すれば、まず、ビニルエーテル(a−
2)としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエ
ーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビ
ニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n
−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテ
ル、n−オクチルビニルエーテルなどをはじめ、
【0019】さらには、2−エチルヘキシルビニルエー
テル、クロロメチルビニルエーテル、クロロエチルビニ
ルエーテル、ベンジルビニルエーテル、フェネチルエチ
ルビニルエーテルの如き、各種の(置換)アルキルビニ
ルエーテルないしはアラルキルビニルエーテル類;シク
ロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエー
テル、メチルシクロヘキシルビニルエーテルの如き、各
種のシクロアルキルビニルエーテル類などがある。
【0020】他方、カルボン酸ビニルエステル(a−
3)として代表的なものは、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸
ビニル、ステアリン酸ビニル;炭素数が9なる分岐状
(分枝状)脂肪族カルボン酸ビニル、炭素数が10なる
分岐状(分枝状)脂肪族カルボン酸ビニル、炭素数が1
1なる分岐状(分枝状)脂肪族カルボン酸ビニルの如
き、各種の脂肪族カルボン酸ビニルエステル類;シクロ
ヘキサンカルボン酸ビニル、メチルシクロヘキサンカル
ボン酸ビニル、安息香酸ビニル、p−tert−ブチル
安息香酸ビニルの如き、環状構造を有する、各種のカル
ボン酸ビニルエステル類などがある。
【0021】さらに、上掲したような化合物のほかに
も、必要に応じて、その他のビニル単量体類をも使用す
ることが出来る。そうした、その他のビニル単量体類と
して特に代表的なもののみを挙げれるにとどめれば、エ
チレン、プロピレン、ブテン−1の如き、各種のα−オ
レフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデンの如き、フル
オロオレフィンを除く、各種のハロゲン化オレフィン
類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの
如き、各種の芳香族ビニル化合物類;
【0022】メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレー
ト、tert−ブチルメタクリレート、ラウリルメタク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメ
タクリレートの如き、各種のメタクリル酸エステル類;
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートの如き、
各種のアクリル酸エステル類;炭素数1〜20の(パ
ー)フルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステ
ル類;
【0023】フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フ
マル酸ジブチル、フマル酸ジイソブチル、フマル酸ジt
ert−ブチル、フマル酸ジヘキシル、フマル酸ジオク
チル、フマル酸ジ2−エチルヘキシル、マレイン酸ジメ
チル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレ
イン酸ジイソブチル、マレイン酸ジtert−ブチル、
マレイン酸ジヘキシル、マレイン酸ジオクチル、マレイ
ン酸ジ−2−エチルヘキシル、イタコン酸ジメチル、イ
タコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジ
イソブチル、イタコン酸ジヘキシル、イタコン酸ジオク
チル、イタコン酸ジ−2−エチルヘキシルの如き、各種
の不飽和ジカルボン酸と、炭素数が1〜18なる1価ア
ルコールとのジエステル類;
【0024】ジエチル−2−(メタ)アクリロイルオキ
シエチルフォスフェート、ジブチル−2−(メタ)アク
リロイルオキシブチルフォスフェート、ジオクチル−2
−(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、
ジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフ
ォスフェートの如き、各種の燐酸エステル基含有単量体
類等がある。
【0025】また、本発明の含フッ素共重合体(A)
は、硬化反応性基を有する。硬化反応性基を含フッ素共
重合体(A)に導入する方法としては、硬化反応性基を
有する単量体類を、上述したような単量体類と共重合せ
しめる方法が、容易に含フッ素共重合体(A)中に硬化
反応性基を導入できるという点で推奨される。当該含フ
ッ素共重合体(A)を用いて製造した粉体塗料の貯蔵安
定性、塗膜物性に優れるという点からは、硬化反応性基
は、水酸基、カルボキシル基及びエポキシ基のうちの少
なくとも一種であることが望ましい。
【0026】かかる硬化反応性基含有単量体類として代
表的なものを例示するにとどめれば、水酸基含有ビニル
単量体類としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒド
ロキシブチルビニルエーテルの如き、各種の水酸基含有
ビニルエーテル類;この水酸基含有ビニルエーテル類
と、ε−カプロラクトンとの付加反応生成物;2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アリルエーテル、3−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アリルエーテル、4−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アリルエーテルの如き、各種の水酸基含有ア
リルエーテル類;この水酸基含有アリルエーテル類と、
ε−カプロラクトンとの付加反応生成物;
【0027】2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、3−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルモノ(メ
タ)アクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルモノ(メ
タ)アクリレ−トの如き水酸基含有(メタ)アクリレ−
ト類;この水酸基含有(メタ)アクリレ−トとε−カプ
ロラクトンの付加反応生成物などがある。
【0028】カルボキシル基含有単量体類としては、例
えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、
マレイン酸、フマル酸の如き、各種のカルボキシル基含
有単量体類;フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチ
ル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノイソブチル、フ
マル酸モノtert−ブチル、フマル酸モノヘキシル、
フマル酸モノオクチル、フマル酸モノ2−エチルヘキシ
ル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マ
レイン酸モノブチル、マレイン酸モノイソブチル、マレ
イン酸モノtert−ブチル、マレイン酸モノヘキシ
ル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノ2−エチ
ルヘキシルの如き、各種のα,β−不飽和ジカルボン酸
と炭素数が1〜18なる1価アルコールとのモノエステ
ル類;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、
イタコン酸モノブチル、イタコン酸モノイソブチル、イ
タコン酸モノヘキシル、イタコン酸モノオクチル、イタ
コン酸モノ2−エチルヘキシルの如き、イタコン酸モノ
アルキルエステルなどがある。
【0029】エポキシ基含有単量体類としては、例え
ば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリ
シジル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシ−ブ
チル)メタクリレート、(2−オキソ−1,3−オキソ
ラン)メチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートの如き、エ
ポキシ基含有(メタ)アクリレート類;(2−オキソ−
1、3−オキソラン)メタンカルボン酸ビニル、3,4
−エポキシシクロヘキサンカルボン酸ビニルエステルの
如き、エポキシ基含有カルボン酸ビニルエステル類;グ
リシジルビニルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキ
シルビニルエーテルの如き、エポキシ基含有ビニルエー
テル類;アリルグリシジルエーテルの如き、エポキシ基
含有アリルエーテル類などがある。
【0030】上述した硬化反応性基含有単量体類の他に
も、無水マレイン酸、無水イタコン酸の如き、酸無水物
基含有単量体類;N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリルアミド、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド、N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミドの如き、各種のアミノ基含有アミド系不飽和
単量体類;
【0031】ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの如
き、各種のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレ
ート類;tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、tert−ブチルアミノプロピル(メタ)アク
リレート、アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、
ピロリジニルエチル(メタ)アクリレート、ピペリジニ
ルエチル(メタ)アクリレートの如き、各種のアミノ基
含有単量体類;
【0032】ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメ
チルジエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエ
トキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、トリメト
キシシリルエチルビニルエーテル、トリエトキシシリル
エチルビニルエーテル、メチルジメトキシシリルエチル
ビニルエーテル、トリメトキシシリルプロピルビニルエ
ーテル、トリエトキシシリルプロピルビニルエーテル、
メチルジエトキシシリルプロピルビニルエーテル、γ−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエト
キシシランもしくはγ−(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルメチルジメトキシシランの如き、加水分解性シリ
ル基を有する各種の単量体類などもまた、硬化反応性基
含有単量体として使用することができる。
【0033】含フッ素共重合体(A)を、溶液重合法に
より調製するには、全単量体、重合開始剤および溶剤を
反応器に一括仕込みして重合させるとか、含フッ素ビニ
ル単量体(a−1)および溶剤を仕込んだ反応器に、こ
の含フッ素ビニル単量体(a−1)以外の単量体および
重合開始剤を、それぞれ、連続的に、あるいは分割によ
り添加して重合させるとか、さらには、溶剤のみを仕込
んだ反応器に、全単量体および重合開始剤を、それぞ
れ、連続的に、あるいは分割により添加して重合させる
などの方法を適用することができる。その際に使用する
重合開始剤、溶剤としては、公知慣用のものがそのまま
使用できる。
【0034】含フッ素共重合体(A)のフッ素含有率
は、15重量%以上であることが望ましい。フッ素含有
率が15重量%以上であれば、該含フッ素共重合体
(A)を用いて形成された塗膜に十分な耐候性を付与す
ることができる。
【0035】該含フッ素共重合体(A)の軟化点は、8
0〜150℃なる範囲であることが望ましい。軟化点が
上記した範囲内であれば、塗膜外観と貯蔵安定性の両方
に優れた粉体塗料を得ることができる。
【0036】さらに、当該含フッ素共重合体(A)の数
平均分子量としては、500〜50,000なる範囲内
が好ましく、なかでも1,000〜10,000なる範
囲内がより好ましい。数平均分子量が上記した範囲内で
あれば、耐候性、機械的物性と平滑性の両方に優れる塗
膜を得ることができる。
【0037】次に、硬化剤(B)について述べる。本発
明で用いられるところの硬化剤(B)は、含フッ素共重
合体(A)の硬化反応性基の種類に応じて、通常粉体塗
料用として使用されているようなものが、適宜選択して
使用される。
【0038】かかる硬化剤(B)としては、含フッ素共
重合体(A)の硬化反応性基がエポキシ基の場合、特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバチン酸、ドデカン二酸、アイコサン二
酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコ
ン酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、テ
トラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロ
メリット酸、あるいはこれらの酸無水物やウレタン変性
物などがあり、なかでも塗膜物性、貯蔵安定性に優れる
ことから、脂肪族二塩基酸が好ましく、特に塗膜物性に
優れることから、ドデカン二酸が特に好ましい。
【0039】また、含フッ素共重合体(A)の硬化反応
性基がカルボキシル基の場合、硬化剤(B)として特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、ビスフェノ
ールAのポリグリシジルエーテルの如き、種々のエポキ
シ樹脂;グリシジル基含有アクリル樹脂の如き、エポキ
シ基含有アクリル樹脂;1,6−ヘキサンジオール、ト
リメチロールプロパン、トリメチロールエタンの如き、
種々の多価アルコールのポリグリシジルエーテル類;
【0040】フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、
ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、
トリメリット酸、ピロメリット酸の如き、種々の多価カ
ルボン酸のポリグリシジルエステル類;ビス(3,4−
エポキシシクロヘキシル)メチルアジペートの如き、種
々の脂環式エポキシ基含有化合物;トリグリシジルイソ
シアヌレート、β−ヒドロキシアルキルアミドなどのヒ
ドロキシアミド類が挙げられる。
【0041】含フッ素共重合体(A)の硬化反応性基が
水酸基の場合、硬化剤(B)として特に代表的なものと
しては、ポリブロックイソシアネート化合物や、アミノ
プラスト等が好適である。
【0042】ポリブロックポリイソシアネート化合物と
して特に代表的なものを例示すれば、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネートの如き、各種の脂肪族ジイソシアネート類;キシ
リレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
の如き、各種の環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレ
ンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネートの如き、各種の芳香族ジイソシアネート類
などの有機ジイソシアネート、あるいは此等の有機ジイ
ソシアネートと、多価アルコール、低分子量ポリエステ
ル樹脂(ポリエステルポリオール)又は水などとの付加
物などがあるし、
【0043】さらには、上掲したような有機ジイソシア
ネート同志の重合体(イソシアヌレート型ポリイソシア
ネート化合物をも含む。)や、イソシアネート・ビウレ
ット体などのような各種のポリイソシアネート化合物を
公知慣用のブロック化剤でもってブロック化せしめて得
られる形のものや、ウレトジオン結合を構造単位として
有する、いわゆるセルフ・ブロックポリイソシアネート
化合物等が挙げられる。
【0044】一方、アミノプラストとしては、例えばメ
ラミン、尿素、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、
ステログアナミン、スピログアナミンの如き、種々のア
ミノ基含有化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキザールの如き、
種々のアルデヒド系化合物成分とを、公知慣用の種々の
方法により反応せしめることによって得られる形の縮合
物、あるいは此等の縮合物を、アルコール類で以てエー
テル化せしめることによって得られる形の化合物などが
ある。
【0045】かかるアミノプラストとして特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、ヘキサメトキシメチ
ロールメラミン、ヘキサブチルエーテル化メチロールメ
ラミン、メチルブチル混合エーテル化メチロールメラミ
ン、メチルエーテル化メチロールメラミン、n−ブチル
エーテル化メチロールメラミン、イソブチルエーテル化
メチロールメラミン、あるいはそれらの縮合物;
【0046】ヘキサメトキシグリコールウリル、ヘキサ
ブトキシグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリ
コールウリルの如き、種々の双環状化合物;脂肪族二塩
基酸と、ジエタノールアミンなどのような種々のアルカ
ノールアミンとの縮合反応によって得られるという形の
種々の酸アミド類;N−メチロールアクリルアミドのブ
チルエーテルなどのような重合性単量体を単独で、ある
いは他の共重合可能なる単量体類と共重合反応せしめて
得られるような、種々の高分子化合物などがある。
【0047】尚、上記ヘキサメトキシメチロールメラミ
ンは「サイメル 300、301もしくは303」(三
井サイアナミッド社製品)として;メチルブチル混合エ
ーテル化メチロールメラミンは「サイメル 238、2
32もしくは266」(三井サイアナミッド社製品)と
して;n−ブチルエーテル化メチロールメラミンは「ス
ーパーベッカミン L−164」(大日本インキ化学工
業(株)社製品)として;テトラメトキシメチルグリコ
ールウリルは「パウダーリンク(POWDERLIN
K) 1174」(米国アメリカン・サイアナミッド社
製品)として;酸アミド類は「プリミド(PRIMI
D) XL−552」、「プリミド (PRIMID)
QM−1260」(EMS社製品)として、それぞれ
市販されている。
【0048】上記硬化剤(B)は、単独でも2種以上を
組み合わせて使用してもよい。含フッ素共重合体(A)
の硬化反応性基と硬化剤(B)の配合量は、硬化剤
(B)の当量に対する含フッ素共重合体(A)の硬化反
応性基の当量比が、2.0〜0.5の間であることが好
ましい。
【0049】次に本発明で用いられる有機溶剤(C)に
ついて述べる。有機溶剤(C)としては、含フッ素共重
合体(A)及び/又は硬化剤(B)を溶解する公知慣用
の溶剤が使用でき、1種でも、2種以上の溶剤を併用し
てもよく、含フッ素共重合体(A)が、溶液重合で得ら
れた樹脂のような場合には、含フッ素共重合体(A)の
重合の際に用いた溶剤をそのまま、有機溶剤(C)の一
部にあるいは全部に使用することもできる。
【0050】なお含フッ素共重合体(A)及び硬化剤
(B)の両方を溶解しないような有機溶剤であっても、
粉体塗料原料溶液の保存安定性を損なわない範囲であれ
ば、使用することができる。
【0051】かかる有機溶剤(C)として代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert
−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノールの
如き、アルキルアルコール類;
【0052】メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エ
チレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコー
ルジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、
プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレ
ングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール
ジエチルエーテルの如き、グリコールエーテル類;
【0053】ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼンの如き芳香族炭化水素類;エクソンアロマティッ
クナフサNo.2(米国エクソン社製)の如き、芳香族
炭化水素を含有する混合炭化水素類;n−ペンタン、n
−ヘキサン、n−オクタンの如き、脂肪族炭化水素類;
アイソパーC、アイソパーE、エクソールDSP100
/140,エクソールD30(いずれも米国エクソン社
製)、IPソルベント1016(出光石油化学社製)の
如き、脂肪族炭化水素を含有する混合炭化水素類;シク
ロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、
エチルシクロヘキサンの如き、脂環族炭化水素類;
【0054】テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソ
プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテルの如き、エ
ーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンの如き、ケトン類;酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブ
チル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミ
ル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸
ブチルの如き、エステル類;等がある。
【0055】噴霧乾燥時の塗料粒子の乾燥性を向上させ
るという点からは、有機溶剤(C)のうち、常圧におけ
る沸点が100℃以下の有機溶剤が65〜100重量%
を占めていることが好ましい。
【0056】また、硬化剤(B)が脂肪族二塩基酸の場
合、硬化剤の溶解性を上げるために、有機溶剤(C)が
少なくとも1種の炭素数4以下のアルコールを含んでな
り、かつその炭素数4以下のアルコールの量が、粉体塗
料原料溶液中に含まれる脂肪族二塩基酸に対して、重量
比で4倍以上であることが好ましい。
【0057】さらに、有機溶剤(C)が、常圧における
沸点が150〜300℃である高沸点溶剤(C1)を含
んでなることが望ましい。高沸点溶剤(C1)は、単一
成分でも、複数成分からなる混合物でもよい。
【0058】高沸点溶剤(C1)の常圧における沸点と
しては、170〜250℃のものがより好ましく用いら
れる。さらに、常圧における沸点が、本発明の粉体塗料
を焼き付け硬化させる際の温度に対して+15〜+15
0℃であるものが特に好ましい。
【0059】高沸点溶剤(C1)の使用量は、粉体塗料
原料溶液を噴霧乾燥させて得られる粉体塗料中に高沸点
溶剤(C1)が、好ましくは0.005〜2部、より好
ましくは0.005〜1部残留するように、粉体塗料原
料溶液中に配合すればよい。通常は、粉体塗料原料溶液
中に配合した高沸点溶剤(C1)は、ほぼ全量、噴霧乾
燥させて得られる粉体塗料中に残留する。上記のよう
に、粉体塗料中に高沸点溶剤(C1)を残留させること
により、焼き付け硬化時のワキやピンホール等の塗膜欠
陥の生成を防止して、塗膜外観も向上させることができ
る。
【0060】かかる高沸点溶剤(C1)として特に代表
的なもののみを例示すると、n−ヘキサノール、n−オ
クタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノ
ール、ベンジルアルコールの如き、アルコール類;エチ
レングリコール、プロピレングリコール、グリセリンの
如き、多価アルコール類;ブチルセロソルブ、ヘキシル
セロソルブ、エチレングリコールジプロピルエーテル、
エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリ
コールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジプ
ロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテ
ル、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチル
カルビトール、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコー
ルジブチルエーテルの如き、グリコールエーテル類;
【0061】プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、ペン
チルベンゼン、ジエチルベンゼン、ジプロピルベンゼ
ン、ジペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、シクロヘ
キシルベンゼンの如き芳香族炭化水素類;ソルベッソ1
00、ソルベッソ150、ソルベッソ200(いずれも
米国エクソン社製)の如き、芳香族炭化水素を含有する
混合炭化水素類;エクソンナフサNo.3、エクソンナ
フサNo.5、エクソンナフサNo.6、エクソンソル
ベントNo.7、アイソパーG、アイソパーH、アイソ
パーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソール
D90、エクソールD110(いずれも米国エクソン社
製)、IPソルベント1620、IPソルベント202
8(出光石油化学社製)、メルベイユ20,メルベイユ
30、メルベイユ40(昭和シェル石油社製)、ミネラ
ルスピリットの如き、脂肪族炭化水素を含有する混合炭
化水素類;
【0062】グリセリンアルキルエーテル、グリセリン
アルキルエステル;ジイソブチルケトン、メチルアミル
ケトン、シクロヘキサノン、イソホロンの如き、ケトン
類;酢酸シクロヘキシル、酢酸2−エチルブチル、酢酸
2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン
酸イソアミル、酪酸アルキルエステル、ステアリン酸ア
ルキルエステル、安息香酸アルキルエステル、アジピン
酸ジアルキルエステル、フタル酸ジアルキルエステルの
如き、エステル類;
【0063】N−メチルピロリドン、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、エチレンカーボネート等
がある。上記した高沸点溶剤(C1)のうち、なかでも
芳香族系溶剤及び/又は脂肪族系溶剤の使用が、塗膜欠
陥生成防止の効果がより顕著であることから好ましく使
用される。
【0064】高沸点溶剤(C1)を粉体塗料原料溶液に
添加する方法としては、特に制限はないが、粉体塗料原
料溶液を調製する際に他の原料と共に混合、溶解する方
法や、粉体塗料原料溶液を噴霧乾燥する直前に添加して
混合する等の方法が簡便であるので推奨される。含フッ
素共重合体(A)が溶液重合により得られるような場合
には、含フッ素共重合体(A)を重合させる際の重合溶
剤の一部として予め添加する方法や、あるいは含フッ素
共重合体(A)の重合終了後に添加する方法も採用でき
る。
【0065】次に、粉体塗料原料溶液について述べる。
本発明の粉体塗料原料溶液とは、含フッ素共重合体
(A)、硬化剤(B)、及び有機溶剤(C)を必須の成
分として含んでなる有機溶剤溶液であり、本発明の粉体
塗料は、粉体塗料原料溶液を噴霧乾燥することにより得
られる。
【0066】本発明で用いられる粉体塗料原料溶液は、
噴霧乾燥する際の温度より低い温度、例えば常温におい
て、含フッ素共重合体(A)及び硬化剤(B)が有機溶
剤(C)に完全に溶解した状態にあることが好ましい。
含フッ素共重合体(A)及び硬化剤(B)が完全に溶解
している場合には、従来の製造方法で行われているよう
な溶融混練による混合に比べ、含フッ素共重合体(A)
と硬化剤(B)がより均一に混合されることから含フッ
素共重合体(A)や硬化剤(B)が均一に分散した状態
にあり、貯蔵安定性に劣る含フッ素共重合体(A)の粉
体塗料中での局在化に起因する粉体塗料の貯蔵安定性低
下がなく、しかも緻密な塗膜を形成することから塗膜の
耐水性にも優れ、さらに塗膜外観、特に塗膜の鮮映性が
著しく向上した粉体塗料を得ることができるからであ
る。
【0067】さらに、必要に応じて、顔料、他の樹脂
類、硬化触媒、添加剤等を粉体塗料原料溶液に加えて溶
解あるいは分散し、塗料化してもよい。顔料として特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、酸化チタ
ン、弁柄、クロムチタンイエロー、黄色酸化鉄、カーボ
ンブラックの種々の無機顔料、フタロシアニンブルー、
フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系、インダ
スレンブルー、ジアントラキノニルレッド等のアントラ
キノン系、キナクリドン系、レーキレッド、ファースト
イエロー、ジスアゾイエロー、パーマネントレッド等の
アゾ系、ナフトールイエロー等のニトロ系、ピグメント
グリーンB、ナフトールグリーン等のニトロソ系の如
き、公知慣用の種々の有機顔料、公知慣用の種々の体質
顔料、さらには、アルミ・フレーク、マイカ・フレーク
の如き、公知慣用の種々の光輝性(メタリック調)顔料
などが使用される。
【0068】上記したような顔料を、粉体塗料原料溶液
中に分散させた後、噴霧乾燥することにより、着色粉体
塗料を調製することができる。顔料を粉体塗料原料溶液
中に分散させる方法としては、サンドミル等の公知慣用
の方法が使用できる。また、複数の着色粉体塗料原料溶
液を混合して色彩を調整し、目的の色彩を有する着色粉
体塗料原料溶液を調製し、噴霧乾燥することによって着
色粉体塗料を製造してもよい。
【0069】他の樹脂類として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、あるいは塩素化ポリエ
チレン、塩素化ポリプロピレン、石油樹脂、エポキシ樹
脂、塩化ゴムの如き、各種の樹脂類であって、かつ含フ
ッ素共重合体(A)及び硬化剤(B)以外の樹脂が挙げ
られる。
【0070】硬化触媒としては、含フッ素共重合体
(A)と硬化剤(B)の組み合わせに応じて公知慣用の
ものがそのまま使用できる。添加剤類としては、流動調
整剤類、色別れ防止剤類、酸化防止剤類、紫外線吸収剤
類、光安定剤類、シランカップリング剤類等、公知慣用
の添加剤類等がある。
【0071】更に、必要に応じて、ニトロセルロース、
セルロースアセテートブチレートの如き、各種の繊維素
誘導体類等を使用してもよい。
【0072】次に噴霧乾燥について説明する。噴霧乾燥
に用いる装置は、噴霧された粉体塗料原料溶液から有機
溶剤を除去することのできるものであればよく、例えば
噴霧された粉体塗料原料溶液を熱源ガスと接触させて有
機溶剤を揮発させる噴霧乾燥装置などが使用できる。有
機溶剤を揮発させることから、装置は防爆仕様であるこ
とが望ましい。また、噴霧された粉体塗料原料溶液を乾
燥させるために使用される、熱源ガス中の溶剤の蒸気含
有量を低く保つという観点からは、溶剤回収装置を備え
ることが望ましい。
【0073】上記の、噴霧された粉体塗料原料溶液を熱
源ガスと接触させて有機溶剤を揮発させる噴霧乾燥装置
を使用する場合において、粉体塗料原料溶液と熱源ガス
の接触方式は特に限定されず、通常用いられているよう
な、並流式、向流式、並流・向流混合式のようないずれ
の方式でもよい。装置内の圧力は、常圧でも、減圧ある
いは加圧でもよく、特に制限はない。
【0074】粉体塗料原料溶液の噴霧方式についても、
回転円盤式、二流体ノズル式、圧力ノズル式など、公知
慣用のものがいずれも使用できる。噴霧する際の、粒子
径をコントロールするための因子としては、回転円盤式
においては、円盤の回転速度、二流体ノズル式において
は、ノズルからの吐出速度、原料溶液と混合して使用さ
れる圧縮空気と原料溶液の混合比、圧力ノズル式におい
ては、吐出圧力等があるが、これらの値については、目
標とする粒子径に応じて適宜決定すればよい。
【0075】原料溶液の供給速度、熱源ガスの流量につ
いても、目標とする粒子径にあわせて、適宜決定すれば
良いが、噴霧乾燥中に原料溶液の供給速度や熱源ガスの
流量が変化すると、得られる粒子の粒子径、粒子径分布
や不揮発分の値も変化するため、噴霧乾燥中は一定に保
つことが望ましい。
【0076】また、噴霧乾燥を行う際の粉体塗料原料溶
液の不揮発分濃度は、噴霧乾燥装置の仕様、噴霧乾燥す
る条件に応じて適宜決定すればよい。
【0077】通常、噴霧乾燥により得られた粒子を含む
熱源ガスは、引き続き、サイクロンに代表される分級装
置へ導かれ、粒子の捕集・分級が行われる。本発明の粉
体塗料の粒度分布を整えるため、粗大粒子や微細粒子を
除去するための分級が必要な場合は市販されている一般
的な分級機を用いることもできる。
【0078】熱源ガスとしては、不活性ガスが望まし
い。なかでもコスト等の点からは窒素ガスの使用が望ま
しい。熱源ガスの温度は、粉体塗料原料溶液の熱硬化性
樹脂及び硬化剤が実質的に硬化反応を起こさないような
温度、すなわち、一部硬化反応が起こったとしても得ら
れる粉体塗料の塗料としての性能が実質的に損なわれる
ことのないような温度範囲で、適宜決定すればよい。熱
源ガスの温度の下限については特に制限はないが、効率
よく溶剤を蒸発させるためには、20℃以上が好まし
く、30℃以上とすることがより好ましい。通常は、熱
源ガスの温度は20〜160℃、好ましくは30〜13
0℃の範囲で適宜決定される。
【0079】さらに溶剤の蒸発をより効率的に行わせる
ために、粉体塗料原料溶液を、噴霧乾燥する前に予備加
熱しても良い。その際に予備加熱する温度は、粉体塗料
原料溶液のゲル化を防止するため、70℃以下であるこ
とが好ましく、また予備加熱後できるだけ速やかに噴霧
乾燥することが好ましい。
【0080】かくして得られる粉体塗料は、そのままで
使用することができるが、さらに、必要に応じて、真空
乾燥、通気乾燥、流動層乾燥等の他の乾燥方法で二次乾
燥させてもよい。その際には、粉体塗料のゲル化、ある
いは塗料粒子の熱融着を防止するため、二次乾燥は約7
0℃以下の温度で行うことが望ましい。
【0081】また得られた粉体塗料は、さらに、必要に
応じて、粉砕工程あるいは造粒工程により、粒子径を調
整して使用してもよい。
【0082】また、本発明の粉体塗料は本質的に球状で
あり、その平均円形度は0.9以上であることが好まし
い。球状の粉体塗料を用いることにより塗料流動性、再
塗装性が向上する。この観点から、好ましくは円形度
0.9以上の粒子が頻度50%以上、より好ましくは頻
度70%以上であることが好適である。
【0083】ここでいう円形度及び平均円形度とは、粒
子表面の凹凸状態を表す粒子形状指数のひとつであり、
次式のように表される。
【0084】円形度=(粒子投影面積と同じ面積の円の
周長)/(粒子投影像の周長)
【0085】したがって、円形度は粒子像が真円であれ
ば1となり、粒子像が真円から逸脱し、細長い形状ある
いはデコボコしているほど小さい値となる。平均円形度
は各粒子の円形度を全て足し合わせた値を、全粒子数で
割算することにより求められる。上記粉体塗料の形状及
び平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(FPIA−
1000、東亜医用電子(株)製)により測定すること
ができる。また、走査型電子顕微鏡によっても、粉体塗
料の形状を確認することができる。
【0086】また、塗装方法については、静電吹付法又
は摩擦帯電塗装方法、流動浸漬などのような、公知慣用
の種々の方法によって、被塗物基材を塗装せしめ、通
常、かくして得られる塗装物を、約120〜約250℃
の温度で焼き付けを行なうというようにすればよく、こ
のようにして、粉体塗装物を得ることが出来る。
【0087】本発明の粉体塗料は、被塗物上に単層又は
複層の塗膜を形成する塗膜形成方法において、下塗り塗
料、トップコート塗料として好適に使用できる。
【0088】ここにおいて、被塗物とは塗料が塗布され
る基材をいい、具体的には、未塗装の鋼板、未処理の若
しくは化成処理されたアルミ基材等の未塗装金属素材で
あって、自動車車体、2輪車車体等の道路車両に使用さ
れる基材や、アルミホイ−ル等の自動車部品用に使用さ
れる基材、飲料缶などに使用される基材等が挙げられる
し、また電着塗装がほどこされた状態の自動車車体等の
道路車両に使用される基材も含まれる。さらに、家電製
品、自動販売機、スチ−ル家具等に使用される基材、例
えば電気亜鉛メッキ鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板等や、瓦
類;ガラス類;又は各種の無機質建材類;門扉又はフェ
ンス類の如き、各種の建材類;アルミサッシ類の如き、
各種の建築内外装用資材類等も例示される。
【0089】これらの基材は、最終用途に応じた形状に
加工されたものでも良いし、またPCM(プレコ−トメ
タル)塗装法が適用される形態、即ちおおまかに平板状
の切板状基材であって本発明の方法により塗膜が形成さ
れた後に目的に応じた所定の形状に折り曲げ加工される
ものであっても良いし、さらにはコイルコ−ティングの
ような完全に後加工に供される塗装システムに使用され
る基材でも良い。
【0090】本発明の製造方法により得られる粉体塗料
は、常法により、上掲したような種々の被塗物基材類に
塗布され、次いで、常法に従って、焼き付け乾燥せしめ
るということによって、塗膜の、とりわけ、硬化性、外
観、耐候性ならびに機械的物性などに優れた塗膜を与え
ることが出来るものである。
【0091】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例及び比較例に
より、一層具体的に説明するが、本発明はこれらの例示
例にのみ限定されるものではないのはいうまでもない。
以下において、特に断りのない限りは、「部」は、すべ
て「重量部」を意味するものとする。
【0092】参考例1〔含フッ素ビニル共重合体(A)
の調製〕 内容積が3000mlのステンレス製のオートクレーブ
に、オルソキシレンの1800部、ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチルピペリジニル)セバケートの30
部を仕込み、窒素ガスを吹き込んで、オートクレーブ内
の空気を置換した。次に、このオートクレーブを75℃
に昇温し、クロロトリフルオロエチレンの1500部、
エチルビニルエーテルの390部、2−ヒドロキシエチ
ルビニルエーテルの210部、「ベオバ−9」(オラン
ダ国シェル社製の炭素数9の分岐脂肪族カルボン酸ビニ
ルエステル)の600部、p−tert−ブチル安息香
酸ビニルの300部、オルソキシレンの600部、te
rt−ブチルパーオキシピバレートの240部からなる
混合物を8時間にわたって滴下した。その後1時間温度
を保持し、tert−ブチルパーオキシピバレートの1
5部を加えてさらに同温度で8時間反応を続行し、重合
反応を完結せしめることにより、含フッ素共重合体溶液
(I−1)を得た。性状値を第1表に示す。
【0093】参考例2、3(同上) 使用するビニル単量体、重合開始剤、重合溶剤を表1に
示すように変更した以外は、参考例1と同様にして、含
フッ素ビニル共重合体(A)の溶液(I−2)、(I−
3)を得た。性状値を第1表に示す。
【0094】
【表1】
【0095】≪第1表の脚注≫ CTFE・・・・・・・・クロロトリフルオロエチレン HFP・・・・・・・・・・ヘキサフルオロプロピレン EVE・・・・・・・・・・エチルビニルエーテル CHVE・・・・・・・・シクロヘキシルビニルエーテル HEVE・・・・・・・・2−ヒドロキシエチルビニルエーテル 「ベオバ―9」・・オランダ国シェル社製の炭素数9の分
岐脂肪族カルボン酸ビニルエステル VTB・・・・・・・・・・p−tert−ブチル安息香酸ビニル MBM・・・・・・・・・・マレイン酸モノブチル GVE・・・・・・・・・・グリシジルビニルエーテル TBPV・・・・・・・・tert−ブチルパーオキシピバレー
ト AMBN・・・・・・・・2,2’−アゾビス(2−メチル−ブ
チロニトリル) o−Xy・・・・・・・・オルソキシレン MEK・・・・・・・・・・メチルエチルケトン
【0096】参考例4(粉体塗料原料溶液の調製) 参考例1で得られた含フッ素共重合体溶液(I−1)1
540部に、「タイペーク CR−90」(石原産業
(株)製のルチル型酸化チタン)430部を加え、サン
ドミルで分散することにより、顔料分散樹脂溶液を調製
した。
【0097】次に、撹拌機、温度計、コンデンサー及び
窒素ガス導入口を備えた反応容器に、調製した顔料分散
樹脂溶液、メチルエチルケトン1460部を仕込み、3
0℃に昇温した。攪拌しながら硬化剤(B)として「ベ
スタゴン B1530」(ドイツ国ヒュルス社製のブロ
ックイソシアネート化合物)160部、ジブチル錫ラウ
レート2部、ベンゾイン5部及び「モダフロー」(米国
モンサント社製の流動調整剤)5部を加え、30分間さ
らに攪拌することによって、粉体塗料原料溶液(S−
1)を得た。この溶液(S−1)の性状値を第3表に示
す。
【0098】参考例5(同上) 使用する含フッ素共重合体溶液、硬化剤(B)及び希釈
溶剤を第2表に示すように変更した以外は、参考例4と
同様にして、粉体塗料原料溶液(S−2)を得た。それ
ぞれの性状値を第2表に示す。
【0099】参考例6(同上) 撹拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入口を備
えた反応容器に、参考例3で得られた含フッ素共重合体
溶液(I−3)1520部に、メチルエチルケトン60
0部及びイソプロパノール1000部を仕込み、30℃
に昇温し、攪拌しながらドデカン二酸200部、ベンゾ
イン5部及び「モダフロー」5部を加え、さらに30分
間攪拌することにより、室温で原料が均一に溶解した透
明な粉体塗料原料溶液(S−3)を得た。この溶液(S
−3)の性状値を第2表に示す。
【0100】
【表2】
【0101】≪第2表の脚注≫ 「B1530」・・・ドイツ国ヒュルス社製「ベスタゴン
B1530」(イソホロンジイソシアネートのヌレー
ト体をε−カプロラクタムでブロック化せしめた形のブ
ロック・イソシアネート化合物) TGIC・・・トリグリシジルイソシアヌレート 「CR−90」・・・石原産業(株)製ルチル型酸化チタ
ン「タイペーク CR−90」
【0102】「モダフロー」・・・米国モンサント社製流
動調整剤 「チヌビン 144」・・・チバ・スペシャリティケミカ
ルズ(株)社製光安定剤 「チヌビン 900」・・・チバ・スペシャリティケミカ
ルズ(株)社製紫外線吸収剤 「ソルベッソ 150」・・・米国エクソン社製芳香族炭
化水素含有混合炭化水素溶剤 MEK・・・メチルエチルケトン IPA・・・イソプロパノール
【0103】実施例1 溶剤回収装置を備えた防爆型の垂直下降並流式噴霧乾燥
装置で、噴霧方式として二流体ノズル方式を用いて粉体
塗料を製造した。噴霧ガス圧を0.4MPaとし、熱源
ガスとしては窒素ガスを用い、原料溶液と熱源ガスを垂
直下降並流式で接触させた。ガスの温度は80℃に設定
し、溶剤回収装置の溶剤蒸気冷却部の温度は−15℃に
設定した。35℃に予備加熱した粉体塗料原料溶液(S
−1)を供給速度1kg/hrで噴霧乾燥装置中に噴霧
し、装置内で乾燥された粉体塗料の粒子をサイクロンで
捕集することによって、平均粒子径28μm、平均円形
度0.92の粉体塗料(P−1)を得た。不揮発分は9
9.2%であった。
【0104】実施例2、3(同上) 粉体塗料原料溶液(S−1)のかわりに粉体塗料原料溶
液(S−2)、(S−3)を用い、粉体塗料原料溶液の
予備加熱温度と、熱源ガスの温度を第3表に示すように
変更した以外は実施例1と同様にして、粉体塗料(P−
2)、(P−3)を得た。粉体塗料の性状値を第3表に
示す。
【0105】
【表3】
【0106】実施例4(本発明の製造方法により製造し
た粉体塗料の硬化塗膜の性状) 0.8mm厚の燐酸亜鉛処理鋼板上に、実施例1で得ら
れた粉体塗料(P−1)を60μmの膜厚になるように
静電塗装した。塗装した試験板を180℃で20分間焼
き付け硬化させることによって、硬化塗膜の塗板を得
た。得られた硬化塗膜の性状を第5表(1)に示す。
【0107】実施例5(同上) 使用する粉体塗料を(P−2)に変更し、焼き付け温度
を160℃に変更した以外は実施例4と同様にして、塗
板を得た。得られた硬化塗膜の性状を第5表(1)に示
す。
【0108】実施例6(同上) 白色の溶剤系アルキド塗料を30μmの膜厚で焼き付け
塗装した0.8mm厚の燐酸亜鉛処理鋼板に、実施例6
で得られた粉体塗料(P−3)を60μmの膜厚になる
ように静電塗装した。塗装した試験板を150℃で20
分間焼き付け硬化させることによって、塗板を得た。得
られた硬化塗膜の性状を第5表(2)に示す。
【0109】比較例1(機械粉砕法による含フッ素粉体
塗料の調製) 参考例1で得られた含フッ素共重合体溶液(I−1)
を、60℃、30hPaで12時間真空乾燥することに
より固形の含フッ素共重合体を得た。得られた固形の含
フッ素共重合体の840部を粉砕し、さらに「ベスタゴ
ン B1530」(ドイツ国ヒュルス社製のブロック・
イソシアネート化合物)160部、ジブチル錫ラウレー
ト2部、ベンゾイン5部及び「モダフロー」(米国モン
サント社製の流動調整剤)5部、「チヌビン 144」
10部、(チバ・スペシャリティケミカルズ(株)社製
の光安定剤)、「チヌビン 900」20部(チバ・ス
ペシャリティケミカルズ(株)社製の紫外線吸収剤)を
ドライブレンドした後、「コニーダー PR−46」
(スイス国ブス社製の押出混練機)で以て溶融混練し
た。冷却後、粉砕し、150メッシュの篩を用いて、当
該篩を通過した粉砕分級物を集めて粉体塗料(P−4)
を得た。この粉体塗料(P−4)を使用して、実施例4
と同様にして塗板を作成した。得られた硬化塗膜の性状
を第5表(2)に示す。
【0110】
【表4】
【0111】
【表5】
【0112】≪第6表の脚注≫ ・平滑性・・・塗膜の平滑性を目視で判定した。 評価 5:非常にスムーズなる平滑な塗面の場合 評価 4:小さなラウンドがある場合 評価 3:大きなラウンドがある場合 評価 2:大きなラウンドがあり、細かいチリ肌が多
く認められる場合 評価 1:大きなラウンドがあり、細かいチリ肌が著
しく、塗膜外観を大きく損ねている場合
【0113】・塗膜光沢・・・JIS−K5400の鏡面
光沢度より測定した。
【0114】・耐候性・・・サンシャイン・ウエザオ・メ
ーター(スガ試験器(株)社製)を用いて2000時間
暴露した後の塗膜の光沢保持率(%)で表示した。この
値が高いほど耐候性が良好である。
【0115】・耐水性・・・試験板を、40℃の温水中
に、10日間浸漬した後の塗膜の状態を目視で判定し
た。 評価 ◎:塗膜に何ら異常が認められない場合 評価 ○:塗膜の光沢が若干低下しているがフクレ等
の発生は認められない場合 評価 △:塗膜に小さなフクレが生じている場合 評価 ×:塗膜に大きなフクレが生じている場合
【0116】・貯蔵安定性・・・・製造した塗料を、恒温器
内に30℃で2週間放置した後、再度、塗料をスプレー
したときの塗装作業性で判定した。 評価 ○:問題なし 評価 △:一部凝集物発生のためスプレー困難 評価 ×:スプレー不可能。
【0117】
【発明の効果】以上に詳述して明らかとなように、本発
明に係る粉体塗料用組成物及び塗膜形成方法は、貯蔵安
定性ならびに耐水性に優れ、加えて、平滑性ならびに耐
候性、などにも優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 129/10 C09D 129/10 131/02 131/02 Fターム(参考) 4J031 CA20 CA49 CA73 4J038 CD091 CE051 CF091 CG011 CG061 CG141 CG142 CH121 CH171 CH172 DA152 DB002 DE001 DF001 DG102 DG302 DH002 GA03 GA06 GA07 GA09 GA12 GA15 JA03 JA17 JA25 JA32 JA35 JA55 JA69 JB12 JB27 KA03 KA06 LA05 MA02 MA14 NA01 NA03 NA04 NA23 NA26 NA27 PA19 PB02 PB04 PB05 PB07 PB09 PC02 PC03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化反応性基を有する含フッ素共重合体
    (A)、該含フッ素共重合体(A)の硬化反応性基と反
    応しうる硬化剤(B)、および有機溶剤(C)を必須の
    成分として含んでなる粉体塗料原料溶液を、噴霧乾燥さ
    せて得られる平均粒径5〜50μm、平均円形度0.9
    以上である、粉体塗料。
  2. 【請求項2】 硬化反応性基を有する含フッ素共重合体
    (A)が、含フッ素ビニル単量体(a−1)、ビニルエ
    ーテル(a−2)及び/又はカルボン酸ビニルエステル
    (a−3)を必須の単量体成分として共重合せしめて得
    られる共重合体である、請求項1に記載の粉体塗料。
  3. 【請求項3】 粉体塗料が、常圧における沸点が150
    〜300℃である高沸点有機溶剤(C1)を0.005
    〜2重量%含有する粉体塗料である、請求項2に記載の
    粉体塗料。
  4. 【請求項4】 被塗物上に、単層又は複層の塗膜を形成
    する塗膜形成方法において、請求項1〜3のいずれかに
    記載の粉体塗料を使用することを特徴とする、塗膜形成
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の塗膜形成方法によって
    塗膜が形成された塗装物。
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