JP2001277445A - ポリオレフィン系シートおよびこれを用いたディスプレイ用シート、パッケージ用シート、記録用透明シート、化粧用シート、ワッペン用シート - Google Patents

ポリオレフィン系シートおよびこれを用いたディスプレイ用シート、パッケージ用シート、記録用透明シート、化粧用シート、ワッペン用シート

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JP2001277445A
JP2001277445A JP2000093747A JP2000093747A JP2001277445A JP 2001277445 A JP2001277445 A JP 2001277445A JP 2000093747 A JP2000093747 A JP 2000093747A JP 2000093747 A JP2000093747 A JP 2000093747A JP 2001277445 A JP2001277445 A JP 2001277445A
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Takaharu Yasue
隆治 安江
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】印刷適性を向上させつつ、接着性を低下させな
いようなコート層を有するポリオレフィン系シートおよ
びこれを用いたディスプレイ用シート、パッケージ用シ
ート、記録用透明シート、化粧用シート、ワッペン用シ
ートを提供すること。 【解決手段】水溶性アクリル樹脂とポリアルキレンイミ
ンとを含むコーティング剤によるコート層を備えるポリ
オレフィン系シート。これによれば、PO系シート表面
の印刷適性を向上させつつ、接着性の低下を防止でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
シートおよびこれを用いたディスプレイ用シート、パッ
ケージ用シート、記録用透明シート、化粧用シート、ワ
ッペン用シートに関する。
【0002】
【背景技術】従来から、ポリオレフィン系シート(以
下、PO系シートという)の、印刷性、接着性等の二次
加工性を向上させるために、PO系シートの表面に、コ
ロナ放電処理等の酸化処理を施したり、ポリエチレンイ
ミンと樹脂エマルジョンからなるコーティング剤を塗布
して、表面特性を変化させる手法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コロナ
放電処理等を施しても、経時的に効果が薄れていくとい
う問題がある。一方、印刷適性を向上させるために、コ
ーティング剤を用いても、PO系シートは、もともと印
刷性が低いため、その効果があまり発揮されないととも
に、ポリエチレンイミンの有するカチオン性により、シ
アノアクリレート系接着剤による接着性が低下してしま
うという問題がある。このようなことから、印刷性およ
び接着性の両方を兼ね備えたPO系シートが望まれてい
る。
【0004】本発明の目的は、印刷適性を向上させつ
つ、接着性を低下させないようなコート層を有するポリ
オレフィン系シート、およびこれを用いたディスプレイ
用シート、パッケージ用シート、記録用透明シート、化
粧用シート、ワッペン用シートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るポリオレフ
ィン系シートは、水溶性アクリル樹脂とポリアルキレン
イミンとを含むコーティング剤によるコート層を備える
ことを特徴とする。ここで、PO系シートを構成するポ
リオレフィン系樹脂としては、種々のオレフィンの単独
重合体、共重合体、およびこれらの混合物を採用するこ
とができる。単独重合体を構成するモノマーとしては、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソプレン、ブタ
ジエン等を採用することができる。また、共重合体とし
ては、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−
環状オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
アクリル酸エステル共重合体等を採用することができ
る。このような種々のPO系樹脂を用いたPO系シート
のなかでも、透明性、強度等を考慮するとポリプロピレ
ン系シートであることが好ましい。
【0006】これらの樹脂をシート状に成形する方法と
しては、任意の成形方法を採用することができ、例え
ば、Tダイ押出法、カレンダ法、キャスティング法等を
採用することができる。また、PO系シートは、単層で
も多層でもよい。多層シートを成形する方法としては、
共押出、熱ラミネート等の種々の積層法を採用できる。
なお、コーティング剤は、シートの両面に塗布してもよ
く、片面のみに塗布してもよい。
【0007】本発明における水溶性アクリル樹脂として
は、種々の不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる
重合体を含むものを採用できる。不飽和カルボン酸およ
びその誘導体としては、アクリル酸、アルキルアクリレ
ート、メタクリル酸、アルキルメタクリレート、イタコ
ン酸、マレイン酸、フマル酸等を採用できる。また、ポ
リアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミン、ポ
リプロピレンイミン等を採用できる。ポリエチレンイミ
ンには、エチレンイミンの単独重合体、変性重合体、グ
ラフト共重合体等を用いることができる。なお、本発明
のPO系シートには、厚さが相対的に薄いフィルムも含
まれる。
【0008】この発明によれば、不飽和カルボン酸から
なる重合体を含む水溶性アクリル樹脂とポリアルキレン
イミンとを含むコーティング剤であるから、ポリオレフ
ィン系樹脂の印刷適性を向上させつつ、接着性の低下を
防止できる。すなわち、ポリアルキレンイミンにより印
刷適性が向上するため、汎用インキを用いての印刷が可
能となる。
【0009】また、ポリアルキレンイミンのみでは粘調
な液体であるため製膜せずにブロッキングが発生する
が、水溶性アクリル樹脂を用いることにより、ポリアル
キレンイミンとアクリル樹脂中のカルボキシル基がイオ
ン的に架橋し、強度な皮膜を形成する。さらに、ポリア
ルキレンイミンおよび水溶性アクリル樹脂の配合、塗布
量を適度に調整することで、被コーティング材に塗布さ
れるポリアルキレンイミンの量を調整できるので、シア
ノアクリレート系接着剤の接着性の低下を防止すること
ができる。また、ポリオレフィン系シートのコーティン
グ層上に、他のシートを積層してラミネートした際の、
ラミネート強度を向上できる。
【0010】以上において、前記コート層の厚みは、
0.003〜0.1μmであり、前記水溶性アルキル樹
脂およびポリアルキレンイミンの配合比は、5:1〜
1:4であることが好ましい。コート層の厚みが、0.
003μm未満であると、コーティング剤を塗布した効
果が発揮されない可能性があり、一方、0.1μmを超
えると、ポリアルキレンイミンが過剰に塗布されるた
め、シアノアクリレートの接着阻害が生じる可能性があ
る。
【0011】そして、配合比5:1よりもポリアルキレ
ンイミンの割合が少ないと、PO系シートとの密着力が
低下する可能性がある。一方、配合比1:4よりもポリ
アルキレンイミンの割合が多いと、コーティング剤塗布
後のPO系シートのブロッキングが発生しやすくなる可
能性がある。
【0012】また、前記ポリアルキレンイミンの塗布量
は、0.0005〜0.1g/m2であることが好まし
く、より好ましくは0.0007〜0.07g/m2
ある。ここでの塗布量とは、ドライベースでの塗布量を
いい、例えば、ポリアルキレンイミンを配合したコーテ
ィング剤(エマルジョン)を、塗布した場合に、その中
に含まれるポリエチレンイミンの固形分量をいう。上記
ポリエチレンイミンの塗布量が、0.0005g/m2
未満であると、コーティング剤塗布後のPO系シートの
印刷適性が悪化する可能性がある。一方、0.1g/m
2を超えると、シアノアクリレート系接着剤による接着
性が低下する可能性がある。
【0013】さらに、前記コート層は、前記コーティン
グ剤の固形分に対して帯電防止剤を0.5〜30wt%
含むことが好ましく、より好ましくは2〜15wt%で
ある。ここで、帯電防止剤としては、界面活性剤系(ア
ニオン系、カチオン系、非イオン系、両性系)、無機塩
系、多価アルコール系、金属化合物系、カーボン等任意
の帯電防止剤を採用できるが、スルホン酸ナトリウム系
等のアニオン系界面活性剤が好ましい。
【0014】このように帯電防止剤を添加することで、
コーティング層表面に帯電防止効果を付与することがで
き、静電気によるブロッキング等を防止できる。しか
も、PO系シート中に添加する帯電防止剤量を低減する
ことができるから、PO系シート中に添加された帯電防
止剤が、高温時に多量にブリードアウトして、外観悪化
および二次加工適性の低下を生じさせることを防止でき
る。
【0015】そして、前記コーティング剤は、有機天然
物微粉末および/または紫外線吸収剤を含むことが好ま
しい。ここで、有機天然物微粉末としては、コラーゲン
微粉末、絹フィブロイン微粉末、セルロース微粉末、セ
リシン、キチン、キトサン微粉末、ウール微粉末、麻、
綿、海綿パウダー、卵白、ホエー、カゼイン、血清タン
パク、ゼラチン等を採用できる。また、これらの可溶化
物を採用してもよい。一方、紫外線吸収剤としては、ベ
ンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とアクリルとのコポリ
マーをエマルジョン化したもの等を採用できる。
【0016】このように有機天然物微粒子を添加するこ
とで、表面滑性を向上でき、また、紫外線吸収剤を添加
することで、紫外線透過を防止し、PO系シートの紫外
線による劣化、およびPO系シートを包装材として用い
た場合の内容物の紫外線による劣化を防止することがで
きる。
【0017】以上で説明したポリオレフィン系シート
は、透明性および印刷適性が高く、接着性等の二次加工
が容易であるとともに、容易に帯電防止効果、紫外線吸
収効果等を付与できるため、ディスプレイ用シート、各
種パッケージ用シート、記録用透明シート、化粧用シー
ト、ワッペン用シートに用いることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態につ
いて説明する。上述のポリオレフィン系シートは、以下
のような方法により製造する。予めTダイ押出により、
シート状に成形した透明PPシートの両面に酸化処理で
あるコロナ処理を施す。
【0019】続いて、アクリル酸メタクリル酸エステル
共重合体を主成分とする水溶性アクリル樹脂と、分子量
1200のポリエチレンイミンと、スルホン酸ナトリウ
ム系の帯電防止剤とを0.125%:0.025%:
0.02%の割合(溶液またはコーティング剤中の固形
分の割合)で配合したコーティング剤を、グラビアコー
ターによりPPシートの両面に、ドライベースで0.0
075g/m2(ウェットベースで5g/m2)の塗布量
でコーティングする。その後、80℃で30秒間乾燥さ
せ、コート層を有するPPシートを得る。なお、コーテ
ィング法は、インライン、オフラインのどちらでもよ
い。
【0020】この場合、水溶性アクリル樹脂と、ポリエ
チレンイミンとの配合比は、5:1であり、帯電防止剤
の添加量はコーティング剤の固形分中11.7wt%で
ある。また、ポリエチレンイミンの塗布量(固形分)
は、0.0012g/m2となる。さらに、コート層の
厚みは、0.0075μmとされている。なお、コーテ
ィング剤中には、揮発性中和剤として、2−アミノエタ
ノールが所定量含まれている。
【0021】この際、コーティング後すぐに印刷性向上
効果は発揮されるが、コート層の強度を向上させるに
は、養生させた方が好ましい。なお、上記コーティング
剤中には、さらに有機天然物微粉末、紫外線吸収剤等を
添加して、表面滑性、紫外線吸収性を付与することもで
きる。
【0022】上述のようにして得られたPPシートは、
印刷性、接着性の高さから種々の用途に利用することが
でき、特に、以下のような各種用途に好適に利用でき
る。 (1)ディスプレイ用シート ここで、ディスプレイ用シートとは、看板等で印刷物の
上に重ねる保護シートをいう。上記PPシートによっ
て、印刷性、接着性が改良される。PPシートに帯電防
止効果を容易に付与できる。強度、透明性が高い。等の
理由によりディスプレイ用途での利用価値が高い。 (2)パッケージ用シート PPシートが透明性、印刷性に優れる上、シアノアクリ
レート接着性が高いため二次加工性に優れる。等により
パッケージ用途での利用価値が高い。
【0023】(3)記録用透明シート(フィルム) ここで、記録用透明シートとは、駅構内等に設けられる
広告板で、背後から蛍光灯等(バックライト)で照らす
ものに用いられるシートをいう。接着性、印刷性が改良
されるため、容易に筆記受理用コーティング層を設けや
すく、インクジェットプリンタ等での印刷による記録が
容易にできる。透明性に優れるため、バックライトによ
る照明効果を阻害しない。筆記受理用コーティング層と
の密着が良く、透明性が高いため、絵柄等が鮮明にな
る。オフセット、グラビア等によるシートへの直接印刷
も可能である。等の理由により、記録用透明シートとし
ての利用価値が高い。
【0024】(4)化粧用シート(フィルム) 印刷適性が向上するため、安価な汎用インキを使用した
印刷が可能となる。コート層に容易に帯電防止効果を付
与できるため、給紙性の向上により、印刷速度を向上で
きる。基材に帯電防止剤を添加する必要がないから、季
節要因による後加工(印刷、接着等)不良率が低下す
る。通常の場合と同様に、シアノアクリレート系接着剤
による接着を行うことができる。一般的な接着剤で、
紙、木材、金属等を接着することが可能である。等の理
由により、化粧用シート(フィルム)としての利用価値
が高い。
【0025】(5)ワッペン用シート ここで、ワッペン用シートとは、シール、ラベル、カッ
ティングシート等に用いられるシートをいう。印刷性が
向上するため、安価な汎用インキを使用した印刷が可能
となる。接着性も維持されるため、粘着層を容易に設け
ることができる。粘着層とPP層との密着も良いため、
様々な粘着用途に利用できる。等の理由により、ワッペ
ン用シートとしての利用価値が高い。
【0026】上述のような、本実施形態によれば、次の
ような効果が得られる。 (1)ポリアルキレンイミンにより印刷適性が向上する
ため、汎用インキを用いての印刷が可能となる。 (2)ポリエチレンイミンおよび水溶性アクリル樹脂を
適度に配合することで、ポリエチレンイミンによる接着
性の低下を防止することができる。
【0027】(3)コート層の厚みが0.0075μm
であり、水溶性アクリル樹脂およびポリエチレンイミン
の配合比が、5:1(0.125:0.025)である
から、コート層と基材シートとの密着力が高く、ブロッ
キングも起こしにくい。 (4)ポリエチレンイミンの塗布量が、0.0012g
/m2とされているから、PPシートの印刷適性を向上
させつつ、シアノアクリレート系接着剤の接着性の低下
を防止できる。
【0028】(5)スルホン酸ナトリウム系の帯電防止
剤を、11.7wt%添加しているから、帯電防止効果
が得られ、コートされたPPシートの静電気によるブロ
ッキング等で、給紙性が悪化することを防止できる。ま
た、PPシート中の帯電防止剤の添加量を低減すること
ができ、高温時に帯電防止剤が多量にブリードアウトし
て、外観悪化および二次加工適性の低下を生じさせるこ
とを防止できる。
【0029】(6)ポリエチレンイミンの分子量が12
00であるから、コーティング剤のポットライフが長
く、また、コート層の透明性が低下する等の問題も生じ
ない。 (7)中和剤として揮発性の2−エタノールアミンを用
いているから、コート層中に過剰の揮発性中和剤が残留
することがない。したがって、中和剤の残留によるコー
ト層の劣化を防止することができる。
【0030】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、P
Pシートの表面に施す酸化処理としては、コロナ処理に
限られず、フレーム処理等を採用してもよい。また、コ
ーターとしては、グラビアコーターに限らず、任意のコ
ーターを用いることができ、例えば、オフセットコータ
ー等を使用できる。さらに、乾燥温度、乾燥時間は、コ
ーティング剤の特性、コート層の膜厚等に応じて適宜設
定することができる。
【0031】水溶性アクリル樹脂として、アクリル酸メ
タクリル酸エステル共重合体を主成分とするものを用い
ていたが、これに限らず、種々の不飽和カルボン酸から
なる重合体を含む水溶性樹脂を採用できる。また、ポリ
エチレンイミンに限らず、ポリプロピレンイミン等を採
用してもよい。さらに、これら各成分の配合比も、上記
実施形態のものに限定されず、5:1〜1:4の範囲で
任意に設定することができる。また、コーティング剤の
塗布量は、ドライベースで0.0075g/m2として
いたが、これに限らず、適宜設定することができ、例え
ば、ドライベースで0.01g/m2、0.005g/
2等で塗布してもよい。
【0032】前記実施形態では、PPシートを採用して
いたが、これに限らず、種々のポリオレフィンを含むP
O系シートを採用できる。また、PPシートの両面に、
コーティング剤を塗布していたが、片面でもよい。さら
に、PPシートの成形法として、Tダイ押出成形を用い
ていたが、これに限られない。すなわち、任意のシート
成形法を採用することができ、例えば、カレンダ法、キ
ャスティング法等を採用してもよい。そして、帯電防止
剤も、スルホン酸ナトリウム系のものに限らず、種々の
帯電防止剤を任意に選択することができ、その添加量も
0.5〜30wt%、好ましくは2〜15wt%の範囲
で任意に設定することができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
より具体的に説明する。コーティング剤中の水溶性アク
リル樹脂とポリエチレンイミンとの配合比が、コート層
を有するPO系シートの特性に与える影響について検討
した結果を説明する。 [実施例1]以下の原料を用いてコーティング剤を調製
し、前述の実施形態で説明した方法で、PPシートの両
面にコーティング剤を塗布して、コート層を有するPP
シートを得た。
【0034】(1)水溶性アクリル樹脂:アクリル酸メタ
クリル酸エステル共重合体 (2)ポリアルキレンイミン:ポリエチレンイミン、分子
量1200 (3)帯電防止剤:スルホン酸ナトリウム系界面活性剤 (4)配合比:水溶性アクリル樹脂/ポリエチレンイミン
=0.0125/0.25=5/1 (5)帯電防止剤添加量:11.7wt%
【0035】[実施例2]水溶性アクリル樹脂とポリエ
チレンイミンとの配合比を、1:4(0.125:0.
5)とした以外は、実施例1と同様にして、コート層を
有するPPシートを得た。
【0036】[実施例3]水溶性アクリル樹脂とポリエ
チレンイミンとの配合比を、1:2(0.625:1.
25)とした以外は、実施例1と同様にして、コート層
を有するPPシートを得た。
【0037】[比較例1]コーティング剤をコーティン
グしないPPシート(コロナ処理有り)をそのまま使用
した。
【0038】[比較例2]水溶性アクリル樹脂とポリエ
チレンイミンとの配合比を、12.5:1(0.12
5:0.01)とした以外は、実施例1と同様にして、
コート層を有するPPシートを得た。
【0039】[比較例3]水溶性アクリル樹脂とポリエ
チレンイミンとの配合比を、25:1(0.625:
0.025)とした以外は、実施例1と同様にして、コ
ート層を有するPPシートを得た。
【0040】[比較例4]水溶性アクリル樹脂とポリエ
チレンイミンとの配合比を、1:10(0.125:
1.25)とした以外は、実施例1と同様にして、コー
ト層を有するPPシートを得た。
【0041】上記実施例1〜3および比較例1〜4で得
られたPPシートについて、透明性、アンチブロッキン
グ性、裁断性、印刷性(給紙性、インキ密着性)、接着
性(シアノアクリレート接着性、木材接着性)について
測定、評価し、結果を表1に示した。なお、コート層の
厚み、およびポリエチレンイミンの塗布量についても併
せて記載した。
【0042】
【表1】
【0043】表1において、各項目は、以下のように測
定、評価した。 (1)透明性 JIS K−7105に準拠した方法により霞度を測定
し、霞度3.0%以下を合格(○)とした。 (2)アンチブロッキング性 0.3tのPPシートを1.5mの高さまで積み上げ、
24時間放置後、ブロッキングの有無を確認し、以下の
基準により評価した。 ○:シートに外観変化が無く、容易に1枚ずつ引き離し
可能 △:シートに外観変化が無く、わずかなブロッキングが
有るが、実用上問題なし ×:シートに外観変化があり、ブロッキングを生じて1
枚ずつ引き離せず
【0044】(3)裁断性 裁断機によりシートを裁断した後、シート同士のブロッ
キングの有無を確認した。評価基準は上記(2)と同様で
ある。 (4)印刷性 (4-1)給紙性 UVオフセット印刷機において、給紙速度8000枚/
hで、問題なく給紙できるか否かを確認し、給紙できる
場合を○、給紙できない場合を×として評価した。 (4-2)インキ密着性 印刷面にセロファンテープを貼り付けた後、テープを印
刷面に対して90°の方向に勢いよく剥離した際に、以
下の基準により評価した。 ○:インキ塗膜が剥離せず △:一部剥離 ×:大部分剥離
【0045】(5)接着性 (5-1)シアノアクリレート接着性 シアノアクリレート系接着剤用プライマーを塗布した
後、シアノアクリレート系接着剤を塗布し、PPシート
同士を接着した後、以下の基準により評価した。 ○:剥離強度が材料破壊レベル ×:材料破壊せずに界面剥離 (5-2)木材接着性 木材接着用樹脂エマルジョン接着剤にて木材を接着した
後、以下の基準により評価した。 ○:剥離強度が9.8N/1.5cm以上 ×:剥離強度が9.8N/1.5cm未満
【0046】表1に示されるように、実施例1〜実施例
3では、PPシートの厚みを0.0075μmとし、か
つ、水溶性アクリル樹脂およびポリエチレンイミンの配
合量を5:1〜1:4の範囲としているから、比較例よ
りもインキ密着性、接着性の点で非常に優れていること
がわかる。また、透明性、アンチブロッキング性(AB
性)、裁断性においても優れるとともに、所定量の帯電
防止剤を添加しているから、印刷時の給紙性も高いこと
がわかる。
【0047】一方、比較例1では、コーティング剤を塗
布しないPPシートをそのまま用いているから、ポリエ
チレンイミンが存在せず、シアノアクリレート接着性は
優れているが、木材接着性に劣るとともに、インキ密着
性が低下していることがわかる。
【0048】また、比較例2および比較例3では、水溶
性アクリル樹脂およびポリエチレンイミンの配合量が1
2.5:1および25:1であり、ポリエチレンイミン
の割合が非常に少なく、インキ密着性が低下しているこ
とがわかる。さらに、比較例4では、水溶性アクリル樹
脂およびポリエチレンイミンの配合量が1:10であ
り、ポリエチレンイミンの割合が多いため、インキ密着
性は向上しているものの、接着性が低下するとともに、
ブロッキングし易くなっていることがわかる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、水溶性アクリル樹脂と
ポリアルキレンイミンとを含むコーティング剤によるコ
ート層を備えるPO系シートであるから、PO系シート
表面の印刷適性を向上させつつ、接着性の低下を防止で
きるという効果がある。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H086 BA12 BA19 BA31 BA33 BA35 BA38 4F100 AJ00A AJ00C AK03B AK07 AK25A AK25C AK31A AK31C AK62B AK66B BA02 BA03 BA06 BA10A BA10C BA15 CA07A CA07C CA22A CA22C CC00 CC00A CC00C DE01A DE01C EH46 EH46A EH46C EJ55 GB07 GB15 GB41 GB90 HB00 JA20A JA20C JB09A JB09C JD09 JD14 JG03 JK06 JK15 JN01 YY00A YY00C 4J038 BA022 BA192 BA222 CG001 CG002 DJ001 DJ012 KA12 NA20 PB04 PC08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性アクリル樹脂とポリアルキレンイミ
    ンとを含むコーティング剤によるコート層を備えること
    を特徴とするポリオレフィン系シート。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のポリオレフィン系シート
    において、 前記コート層の厚みは、0.003〜0.1μmであ
    り、 前記水溶性アルキル樹脂およびポリアルキレンイミンの
    配合比は、5:1〜1:4であることを特徴とするポリ
    オレフィン系シート。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のポリオレフィン系シート
    において、 前記ポリアルキレンイミンの塗布量は、0.0005〜
    0.1g/m2であることを特徴とするポリオレフィン
    系シート。
  4. 【請求項4】請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    ポリオレフィン系シートにおいて、 前記コート層は、前記コーティング剤の固形分に対して
    帯電防止剤を0.5〜30wt%含むことを特徴とする
    ポリオレフィン系シート。
  5. 【請求項5】請求項1から請求項4のいずれかに記載の
    ポリオレフィン系シートにおいて、 前記コート層は、有機天然物微粉末および/または紫外
    線吸収剤を含むことを特徴とするポリオレフィン系シー
    ト。
  6. 【請求項6】請求項1から請求項5のいずれかに記載の
    ポリオレフィン系シートにおいて、 ポリプロピレン系シートであることを特徴とするポリオ
    レフィン系シート。
  7. 【請求項7】請求項1から請求項6のいずれかに記載の
    ポリオレフィン系シートを用いたことを特徴とするディ
    スプレイ用シート。
  8. 【請求項8】請求項1から請求項6のいずれかに記載の
    ポリオレフィン系シートを用いたことを特徴とするパッ
    ケージ用シート。
  9. 【請求項9】請求項1から請求項6のいずれかに記載の
    ポリオレフィン系シートを用いたことを特徴とする記録
    用透明シート。
  10. 【請求項10】請求項1から請求項6のいずれかに記載
    のポリオレフィン系シートを用いたことを特徴とする化
    粧用シート。
  11. 【請求項11】請求項1から請求項6のいずれかに記載
    のポリオレフィン系シートを用いたことを特徴とするワ
    ッペン用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016124957A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 住友林業株式会社 ラッピング用水性接着剤組成物及びそれを用いた木質建材

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