JP2001279157A - ポリオレフィン系樹脂用コーティング剤 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂用コーティング剤

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JP2001279157A
JP2001279157A JP2000093746A JP2000093746A JP2001279157A JP 2001279157 A JP2001279157 A JP 2001279157A JP 2000093746 A JP2000093746 A JP 2000093746A JP 2000093746 A JP2000093746 A JP 2000093746A JP 2001279157 A JP2001279157 A JP 2001279157A
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Takaharu Yasue
隆治 安江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】印刷性を向上させつつ、接着性も阻害しないポ
リオレフィン系樹脂用コーティング剤を提供すること。 【解決手段】不飽和カルボン酸からなる重合体を含む水
溶性アクリル樹脂と、ポリアルキレンイミンとを含むポ
リオレフィン系樹脂用コーティング剤。これによれば、
ポリオレフィン系樹脂の印刷適性を向上させつつ、接着
性の低下を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂用コーティング剤に関する。
【0002】
【背景技術】従来から、樹脂性シートでは、印刷性、接
着性等の機能性を向上させるコーティング剤が利用され
ている。このようなコーティング剤の中でも、ポリエチ
レンイミンと樹脂エマルジョンからなるものは、特に印
刷性の向上を図る目的で使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
コーティング剤を塗布することで、一般的に、シートの
印刷性は向上するものの、ポリエチレンイミンがポリカ
チオンであるために、樹脂シートの二次加工時に利用さ
れるシアノアクリレート系接着剤の反応性を阻害し、接
着性を低下させるという問題がある。
【0004】さらに、もともと印刷性の低いポリオレフ
ィン系シートに対して上記コーティング剤を塗布した場
合、その効果が十分には発揮されないという問題もあ
る。つまり、ポリオレフィン系シートでは、印刷性も低
く、しかも、シアノアクリレート系接着剤による接着性
も低いという問題がある。このようなことから、印刷性
を向上させつつ、接着性も阻害しないPO系シート用コ
ーティング剤が望まれている。
【0005】本発明の目的は、印刷性を向上させつつ、
接着性も阻害しないポリオレフィン系樹脂用コーティン
グ剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るポリオレフ
ィン系樹脂(以下、PO系樹脂という)用コーティング
剤は、不飽和カルボン酸からなる重合体を含む水溶性ア
クリル樹脂と、ポリアルキレンイミンとを含むことを特
徴とする。ここで不飽和カルボン酸としては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸
等を採用できるが、アクリル酸および/またはメタクリ
ル酸であることが好ましい。なお、水溶性アクリル樹脂
とは、上記不飽和カルボン酸を含む重合体で、重合体中
のカルボキシル基がアルキルエステル化されている、ま
たは塩基で中和され、水に可溶化している樹脂をいう。
【0007】また、ポリアルキレンイミンとしては、ポ
リエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等を採用する
ことができるが、ポリエチレンイミンであることが好ま
しい。ポリエチレンイミンには、エチレンイミンの単独
重合体、変性重合体、グラフト共重合体等を用いること
ができる。さらに、ポリオレフィン系樹脂としては、種
々のオレフィンの単独重合体、共重合体、およびこれら
の混合物を採用することができる。単独重合体を構成す
るモノマーとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、イソプレン、ブタジエン等を採用することができ
る。また、共重合体としては、エチレン−α−オレフィ
ン共重合体、エチレン−環状オレフィン共重合体、プロ
ピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等
を採用することができる。
【0008】これらの樹脂をシート状に成形する方法と
しては、任意の成形方法を採用することができ、例え
ば、Tダイ押出法、カレンダ法、キャスティング法等を
採用することができる。また、被コーティング材である
PO系シートは、単層でも多層でもよい。多層シートを
成形する方法としては、共押出、または熱ラミネート等
の種々の積層法を採用できる。なお、コーティング剤
は、シートの両面に塗布してもよく、片面のみに塗布し
てもよい。
【0009】この発明によれば、不飽和カルボン酸から
なる重合体を含む水溶性アクリル樹脂とポリアルキレン
イミンとを含むコーティング剤であるから、ポリオレフ
ィン系樹脂の印刷適性を向上させつつ、接着性の低下を
防止できる。すなわち、ポリアルキレンイミンにより印
刷適性が向上するため、汎用インキを用いての印刷が可
能となる。
【0010】また、ポリアルキレンイミンのみでは粘調
な液体であるため製膜せずにブロッキングが発生する
が、水溶性アクリル樹脂を用いることにより、ポリアル
キレンイミンとアクリル樹脂中のカルボキシル基がイオ
ン的に架橋し、強度な皮膜を形成する。さらに、ポリア
ルキレンイミンおよび水溶性アクリル樹脂の配合、塗布
量を適度に調整することで、被コーティング材に塗布さ
れるポリアルキレンイミンの量を調整できるので、シア
ノアクリレート系接着剤の接着性の低下を防止すること
ができる。また、ポリオレフィン系シートのコート層上
に、他のシートを積層してラミネートした際の、ラミネ
ート強度を向上できる。
【0011】以上において、当該コーティング剤は、前
記アクリル樹脂中のカルボキシル基の中和剤として、揮
発性アミンを含むことが好ましい。揮発性アミンとして
は、エタノールアミン(アミノエタノール)、アンモニ
ア、メチルアミン、エチルアミン等の比較的分子量の小
さいアミン類を採用できる。この発明によれば、中和剤
として揮発性アミンを含んでいるから、コート層中に過
剰の揮発性中和剤が残留することがない。したがって、
中和剤の残留によるコート層の劣化を防止することがで
きる。
【0012】また、前記ポリアルキレンイミンの分子量
は、200〜20000であることが好ましい。分子量
が20000を超えると、水溶性アクリル樹脂との相溶
性が低下するとともに、コーティング剤のポットライフ
が短くなる可能性がある。また、コーティング加工中に
白濁化を起こし、シートの透明性が低下する可能性があ
る。一方、分子量が低い分には、上記問題は発生せず、
加工適性の面からの制限はないが、入手可能性等を考慮
すると200以上の分子量を有するものがよい。より好
ましい分子量の範囲は、500〜5000である。
【0013】さらに、前記水溶性アクリル樹脂およびポ
リエチレンイミンの配合比は、5:1〜1:4であるこ
とが好ましい。ここで、配合比5:1よりもポリエチレ
ンイミンの割合が少ないと、基材シートとの密着力が低
下する可能性がある。一方、配合比1:4よりもポリエ
チレンイミンの割合が多いと、コーティング剤塗布後の
基材シートのブロッキングが発生しやすくなる可能性が
ある。
【0014】以上で説明したコーティング剤は、帯電防
止剤を含むことが好ましく、その添加量は、コーティン
グ剤の固形分に対して0.5〜30wt%であることが
好ましく、より好ましくは2〜15wt%である。ここ
で、帯電防止剤としては、界面活性剤系(アニオン系、
カチオン系、非イオン系、両性系)、無機塩系、多価ア
ルコール系、金属化合物系、カーボン等任意の帯電防止
剤を採用できるが、スルホン酸ナトリウム系等のアニオ
ン系界面活性剤が好ましい。
【0015】このように帯電防止剤を添加することで、
コーティング層表面に帯電防止効果を付与することがで
き、静電気によるブロッキング等を防止できる。しか
も、PO系樹脂中に添加する帯電防止剤量を低減するこ
とができるから、PO系樹脂中に添加された帯電防止剤
が、高温時に多量にブリードアウトして、外観悪化およ
び二次加工適性の低下を生じさせることを防止できる。
【0016】また、前記コーティング剤には、天然有機
物微粉末および/またはその可溶化物を添加することも
可能である。ここで、天然有機物微粉末としては、コラ
ーゲン微粉末、絹フィブロイン微粉末、セルロース微粉
末、セリシン、キチン、キトサン微粉末、ウール微粉
末、麻、綿、海綿パウダー、卵白、ホエー、カゼイン、
血清タンパク、ゼラチン等を採用できる。このように有
機天然物微粉末を添加することで、表面滑性を向上で
き、シートのブロッキングを防止することができる。
【0017】さらに、前記コーティング剤には、紫外線
吸収剤を添加することも可能である。ここで、紫外線吸
収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とア
クリルとのコポリマーをエマルジョン化したもの等を採
用できる。これにより、紫外線透過を防止し、PO系樹
脂の紫外線による劣化、およびPO系樹脂からなるシー
トを包装材として用いた場合に、内容物の紫外線による
劣化を防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態につ
いて説明する。上述のコーティング剤をポリオレフィン
系シートに塗布する方法は、次のように行う。予めTダ
イ押出等により、シート状に成形した透明PPシートの
両面に酸化処理であるコロナ処理を施す。
【0019】続いて、アクリル酸メタクリル酸エステル
共重合体を主成分とする水溶性アクリル樹脂と、分子量
1200のポリエチレンイミンと、スルホン酸ナトリウ
ム系の帯電防止剤とを0.125%:0.025%:
0.02%の割合(溶液またはコーティング剤中の固形
分の割合)で配合したコーティング剤を、グラビアコー
ターによりPPシートの両面に、ドライベースで0.0
075g/m2(ウェットベースで5g/m2)の塗布量
でコーティングする。その後、80℃で30秒間乾燥さ
せ、コート層を形成する。なお、コーティング法は、イ
ンライン、オフラインのどちらでもよい。
【0020】この場合、水溶性アクリル樹脂と、ポリエ
チレンイミンとの配合比は、5:1であり、帯電防止剤
の添加量はコーティング剤の固形分中11.7wt%で
ある。また、ポリエチレンイミンの塗布量(固形分)
は、0.0012g/m2となる。なお、コーティング
剤中には、揮発性中和剤として、2−アミノエタノール
が所定量含まれている。
【0021】上記方法において、コーティング後すぐに
印刷性向上効果は発揮されるが、コート層の強度を向上
させるには、養生させた方が好ましい。なお、上記コー
ティング剤中には、さらに有機天然物微粉末、紫外線吸
収剤等を添加して、表面滑性、紫外線吸収性を付与する
こともできる。
【0022】上述のような、本実施形態によれば、次の
ような効果が得られる。 (1)ポリアルキレンイミンにより印刷適性が向上する
ため、汎用インキを用いての印刷が可能となる。 (2)ポリエチレンイミンおよび水溶性アクリル樹脂を
適度に配合することで、ポリエチレンイミンのみを用い
た場合のブロッキング等の問題を回避でき、しかも接着
性の低下を防止することができる。 (3)中和剤として揮発性の2−エタノールアミンを用
いているから、コート層中に過剰の揮発性中和剤が残留
することがない。したがって、揮発に伴いアクリル樹脂
とポリエチレンイミンとがイオン的に架橋し、耐水性等
の皮膜強度を向上させる。
【0023】(4)ポリエチレンイミンの分子量が12
00であるから、コーティング剤のポットライフが長
く、また、コート層の透明性が低下する等の問題も生じ
ない。 (5)水溶性アクリル樹脂およびポリエチレンイミンの
配合比が、5:1(0.125:0.025)であるか
ら、コート層と基材シートとの密着力が高く、ブロッキ
ングも起こしにくい。
【0024】(6)スルホン酸ナトリウム系の帯電防止
剤を、11.7wt%添加しているから、帯電防止効果
が得られ、コートされたPPシートの静電気によるブロ
ッキング等で、給紙性が悪化することを防止できる。ま
た、PPシート中の帯電防止剤の添加量を低減すること
ができ、高温時に帯電防止剤が多量にブリードアウトし
て、外観悪化および二次加工適性の低下を生じさせるこ
とを防止できる。 (7)ポリエチレンイミンの塗布量が、0.0012g
/m2とされているから、PPシートの印刷適性を向上
させつつ、シアノアクリレート系接着剤の接着性の低下
を防止できる。
【0025】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、シ
ート表面に施す酸化処理としては、コロナ処理に限られ
ず、フレーム処理等を採用してもよい。また、コーター
としては、グラビアコーターに限らず、任意のコーター
を用いることができ、例えば、オフセットコーター等を
使用できる。さらに、乾燥温度、乾燥時間は、コーティ
ング剤の特性、コート層の膜厚等に応じて適宜設定する
ことができる。
【0026】水溶性アクリル樹脂として、アクリル酸メ
タクリル酸エステル共重合体を主成分とするものを用い
ていたが、これに限らず、種々の不飽和カルボン酸から
なる重合体を含む水溶性樹脂を採用できる。また、ポリ
エチレンイミンに限らず、ポリプロピレンイミン等を採
用してもよい。さらに、これら各成分の配合比も、上記
実施形態のものに限定されず、5:1〜1:4の範囲で
任意に設定することができる。また、コーティング剤の
塗布量は、ドライベースで0.0075g/m2として
いたが、これに限らず、適宜設定することができ、例え
ば、ドライベースで0.01g/m2、0.005g/
2等で塗布してもよい。
【0027】前記実施形態では、PPシートを採用して
いたが、これに限らず、種々のポリオレフィンを含むP
O系シートを採用できる。また、PPシートの両面に、
コーティング剤を塗布していたが、片面でもよい。さら
に、帯電防止剤も、スルホン酸ナトリウム系のものに限
らず、種々の帯電防止剤を任意に選択することができ、
その添加量も0.5〜30wt%の範囲で任意に設定す
ることができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
より具体的に説明する。まず、ポリアルキレンイミンの
分子量がポットライフに与える影響について、検討した
結果を説明する。 [実施例1] 以下の原料を用いてコーティング剤を調製し、そのポッ
トライフを測定した。 (1)水溶性アクリル樹脂:アクリル酸メタクリル酸エス
テル共重合体 (2)ポリアルキレンイミン:ポリエチレンイミン、分子
量600 (3)帯電防止剤:スルホン酸ナトリウム系界面活性剤 (4)配合比:水溶性アクリル樹脂/ポリエチレンイミン
=0.0125/0.25=5/1 (5)帯電防止剤添加量:11.7wt%
【0029】[比較例1]ポリエチレンイミンの分子量
を7万とした以外は、実施例1と同様の原料および配合
で、コーティング剤を調製した。実施例1および比較例
1で調製したコーティング剤のポットライフについて測
定した結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1に示されるように、分子量600のポ
リエチレンイミンを用いた実施例1のコーティング剤の
ポットライフは8時間を超え、分子量7万のポリエチレ
ンイミンを用いた比較例1のコーティング剤のポットラ
イフ(2時間未満)よりも、非常に長くなっていること
がわかる。
【0032】次に、水溶性アクリル樹脂とポリエチレン
イミンの配合比が、コーティングされたPO系シートの
特性に与える影響について検討した結果を説明する。 [実施例2]前述の実施形態で説明した方法で、PPシ
ートの両面にコーティング剤を塗布して、コート層を有
するPPシートを得た。コーティング剤の原料およびそ
の配合量としては、ポリエチレンイミンの分子量を12
00とした以外は、実施例1と同様である。
【0033】[実施例3]水溶性アクリル樹脂とポリエ
チレンイミンとの配合比を、1:4(0.125:0.
5)とした以外は、実施例2と同様にして、コート層を
有するPPシートを得た。
【0034】[実施例4]水溶性アクリル樹脂とポリエ
チレンイミンとの配合比を、1:2(0.625:1.
25)とした以外は、実施例2と同様にして、コート層
を有するPPシートを得た。
【0035】[比較例2]コーティング剤をコーティン
グしない、PPシート(コロナ処理有り)をそのまま使
用した。
【0036】[比較例3]水溶性アクリル樹脂とポリエ
チレンイミンとの配合比を、12.5:1(0.12
5:0.01)とした以外は、実施例2と同様にして、
コート層を有するPPシートを得た。
【0037】[比較例4]水溶性アクリル樹脂とポリエ
チレンイミンとの配合比を、25:1(0.625:
0.025)とした以外は、実施例2と同様にして、コ
ート層を有するPPシートを得た。
【0038】[比較例5]水溶性アクリル樹脂とポリエ
チレンイミンとの配合比を、1:10(0.125:
1.25)とした以外は、実施例2と同様にして、コー
ト層を有するPPシートを得た。
【0039】上記実施例2〜4および比較例2〜5で得
られたPPシートについて、透明性、アンチブロッキン
グ性、裁断性、印刷性(給紙性、インキ密着性)、接着
性(シアノアクリレート接着性、木材接着性)について
測定、評価し、結果を表2に示した。なお、コート層の
厚み、およびポリエチレンイミンの塗布量についても併
せて記載した。
【0040】
【表2】
【0041】表2において、各項目は、以下のように測
定、評価した。 (1)透明性 JIS K−7105に準拠した方法により霞度を測定
し、霞度3.0%以下を合格(○)とした。
【0042】(2)アンチブロッキング性 0.3tのPPシートを1.5mの高さまで積み上げ、
24時間放置後、ブロッキングの有無を確認し、以下の
基準により評価した。 ○:シートに外観変化が無く、容易に1枚ずつ引き離し
可能 △:シートに外観変化が無く、わずかなブロッキングが
有るが、実用上問題なし ×:シートに外観変化があり、ブロッキングを生じて1
枚ずつ引き離せず
【0043】(3)裁断性 裁断機によってシートを裁断した後、シート同士のブロ
ッキングの有無を確認した。評価基準は上記(2)と同様
である。 (4)印刷性 (4-1)給紙性 UVオフセット印刷機において、給紙速度8000枚/
hで、問題なく給紙できるか否かを確認し、給紙できる
場合を○、給紙できない場合を×として評価した。 (4-2)インキ密着性 印刷面にセロファンテープを貼り付けた後、テープを印
刷面に対して90°の方向に勢いよく剥離した際のイン
キの剥離度合いについて、以下の基準により評価した。 ○:インキ塗膜が剥離せず △:一部剥離 ×:大部分剥離
【0044】(5)接着性 (5-1)シアノアクリレート接着性 シアノアクリレート系接着剤用プライマーを塗布した
後、シアノアクリレート系接着剤を塗布し、PPシート
同士を接着した後、各シートを剥離し、その剥離度合い
について、以下の基準により評価した。 ○:剥離強度が材料破壊レベル ×:材料破壊せずに界面剥離 (5-2)木材接着性 木材接着用樹脂エマルジョン接着剤にて木材を接着した
後、以下の基準により評価した。 ○:剥離強度が9.8N/1.5cm以上 ×:剥離強度が9.8N/1.5cm未満
【0045】表2に示されるように、実施例2〜実施例
4では、水溶性アクリル樹脂およびポリエチレンイミン
の配合量を5:1〜1:4の範囲としているから、比較
例よりもインキ密着性、接着性の点で非常に優れている
ことがわかる。また、透明性、アンチブロッキング性
(AB性)、裁断性においても優れるとともに、所定量
の帯電防止剤を添加しているから、印刷時の給紙性も高
いことがわかる。
【0046】一方、比較例2では、コーティング剤を塗
布しないPPシートをそのまま用いているから、ポリエ
チレンイミンが存在せず、シアノアクリレート接着性は
優れているが、木材接着性に劣るとともに、インキ密着
性が低下していることがわかる。
【0047】また、比較例3および比較例4では、水溶
性アクリル樹脂およびポリエチレンイミンの配合量が1
2.5:1および25:1であり、ポリエチレンイミン
の割合が非常に少なく、インキ密着性が低下しているこ
とがわかる。さらに、比較例5では、水溶性アクリル樹
脂およびポリエチレンイミンの配合量が1:10であ
り、ポリエチレンイミンの割合が多いため、インキ密着
性は向上しているものの、接着性が低下するとともに、
ブロッキングし易くなっていることがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、不飽和カルボン酸から
なる重合体を含む水溶性アクリル樹脂とポリアルキレン
イミンとを含むコーティング剤であるから、ポリオレフ
ィン系樹脂の印刷適性を向上させつつ、接着性の低下を
防止できるという効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 179/02 C09D 179/02 Fターム(参考) 4F006 AA12 AB24 AB32 AB65 AB69 BA01 CA07 4J002 AB013 AB053 AD003 AD013 AD023 BG00W BG01W BG03W BH02W CM01X DF008 EC046 EC056 EN008 EN028 EN108 EU177 EV256 FD057 FD106 GH00 4J038 CG031 CG032 CG071 CG072 CR071 CR072 GA06 GA09 HA026 HA066 HA246 JA21 KA03 KA09 MA08 MA10 MA14 NA12 NA20 PA07 PB04 PC04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和カルボン酸からなる重合体を含む水
    溶性アクリル樹脂と、ポリアルキレンイミンとを含むこ
    とを特徴とするポリオレフィン系樹脂用コーティング
    剤。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂用
    コーティング剤において、 前記不飽和カルボン酸は、アクリル酸および/またはメ
    タクリル酸であることを特徴とするポリオレフィン系樹
    脂用コーティング剤。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載のポリオレ
    フィン系樹脂用コーティング剤において、 前記水溶性アクリル樹脂中のカルボキシル基の中和剤と
    して、揮発性アミンを含むことを特徴とするポリオレフ
    ィン系樹脂用コーティング剤。
  4. 【請求項4】請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    ポリオレフィン系樹脂用コーティング剤において、 前記ポリアルキレンイミンの分子量は、200〜200
    00であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂用コ
    ーティング剤。
  5. 【請求項5】請求項1から請求項4のいずれかに記載の
    ポリオレフィン系樹 脂用コーティング剤において、前記ポリアルキレンイミ
    ンは、ポリエチレンイミンであることを特徴とするポリ
    オレフィン系樹脂用コーティング剤。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のポリオレフィン系樹脂用
    コーティング剤において、 前記水溶性アクリル樹脂およびポリエチレンイミンの配
    合比は、5:1〜1:4であることを特徴とするポリオ
    レフィン系樹脂用コーティング剤。
  7. 【請求項7】請求項1から請求項6のいずれかに記載の
    ポリオレフィン系樹脂用コーティング剤において、 帯電防止剤を含むことを特徴とするポリオレフィン系樹
    脂用コーティング剤。
  8. 【請求項8】請求項7に記載のポリオレフィン系樹脂用
    コーティング剤において、 前記帯電防止剤の添加量は、前記コーティング剤の固形
    分に対して0.5〜30wt%であることを特徴とする
    ポリオレフィン系樹脂用コーティング剤。
  9. 【請求項9】請求項1から請求項8のいずれかに記載の
    ポリオレフィン系樹脂用コーティング剤において、 天然有機物微粉末および/またはその可溶化物を含むこ
    とを特徴とするポリオレフィン系樹脂用コーティング
    剤。
  10. 【請求項10】請求項1から請求項9のいずれかに記載
    のポリオレフィン系樹脂用コーティング剤において、 紫外線吸収剤を含むことを特徴とするポリオレフィン系
    樹脂用コーティング剤。
JP2000093746A 2000-03-30 2000-03-30 ポリオレフィン系樹脂用コーティング剤 Withdrawn JP2001279157A (ja)

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