JP2001263457A - カウンタシャフトブレーキの潤滑装置 - Google Patents
カウンタシャフトブレーキの潤滑装置Info
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Abstract
ブレーキの潤滑装置を提供する。 【解決手段】 変速機2のカウンタシャフト12の端部
に設けられたブレーキ58と、該ブレーキ58に隣接さ
せてカウンタシャフト12の端部に設けられたギヤ16
と、静止時に上記ギヤ16の一部が浸漬されるミッショ
ンケース61内のオイル62と、上記ギヤ16の回転に
よって掻き上げられた上記オイル62をせき止めるリブ
63と、該リブ63によってせき止められたオイル62
を上記ブレーキ58に案内するオイル通路64とを備え
たもの。
Description
ブレーキの潤滑装置に関する。
速機とオートクラッチとを備え、変速機内のカウンタシ
ャフトにブレーキを設けたタイプが知られている。この
種の自動変速機は、機械的なシンクロ機構を設けていな
いので、シフトアップ時に、変速スリーブを低段側の変
速ギヤのスプラインから抜いて高段側の変速ギヤのスプ
ラインに入れるとき、高段側の変速ギヤのスプラインの
回転数(rpm) を減速して変速スリーブの回転数(rpm) に
合わせるべく、上記ブレーキによってカウンタシャフト
の回転を減速し、動機制御をしている。
アップ毎に作動されるため、耐焼付性・耐久性・信頼性
を確保すべく、潤滑油が供給される湿式タイプが採用さ
れる。従来、かかるカウンタシャフトブレーキの潤滑装
置として、当該ブレーキを油没させて使用するタイプ、
またはブレーキにオイルをポンプによって圧送供給する
タイプ等が知られている。これらのタイプによれば、油
温上昇が抑えられ、性能劣化を抑制できる。
は、油没させるためのスペースが必要となる。また、油
没させているのみでは、油の循環が良くないのでブレー
キ作動による発熱がオイルに蓄積されるため、結局オイ
ルを循環させる必要が生じ、構造が複雑となる。他方、
オイル圧送タイプでは、ポンプからブレーキへのオイル
経路を確保しなければならない。
目的は、コンパクトで簡単な構造のカウンタシャフトブ
レーキの潤滑装置を提供することにある。
案された本発明に係るカウンタシャフトブレーキの潤滑
装置は、変速機のカウンタシャフトの端部に設けられた
ブレーキと、該ブレーキに隣接させてカウンタシャフト
の端部に設けられたギヤと、静止時に上記ギヤの一部が
浸漬されるミッションケース内のオイルと、上記ギヤの
回転によって掻き上げられた上記オイルをせき止めるリ
ブと、該リブによってせき止められたオイルを上記ブレ
ーキに案内するオイル通路とを備えたものである。
に取り付けられたブレーキケース内に収容され、カウン
タシャフトの端部に固定されたハブと、該ハブに軸方向
に移動自在に且つ周方向に固定して取り付けられた複数
のフリクションプレートと、各フリクションプレートに
対向させて上記ブレーキケースに軸方向に移動自在に且
つ周方向に固定して取り付けられた複数のセパレータプ
レートと、それらセパレータプレートとフリクションプ
レートとを押し付けるべく上記ブレーキケースに軸方向
にスライド自在に設けられた筒体状のピストンとを有
し、該ピストンに、上記オイル通路からのオイルを当該
ピストンおよび上記ハブの内方に導く第1通路を形成
し、上記ハブに、内方に導かれたオイルをカウンタシャ
フトの回転に伴う遠心力によって上記フリクションプレ
ートおよびセパレータプレートに供給するための第2通
路を形成することが望ましい。
記オイル通路のオイル入口が、少なくとも前記ギヤの回
転中のオイル油面より高い位置に配置されていることが
望ましい。オイル入口が油中に没していると、油が循環
し難く冷却性が悪化するからである。
オイル排出路のオイル出口が、前記ギヤの回転中のオイ
ル油面より高い位置にあると共に、前記ギヤの停止中の
オイル油面より低い位置に配置されることが望ましい。
ギヤ停止中にオイル出口が油面下にあれば、ギヤ停止中
であってもオイル出口から流れ込むオイルによってブレ
ーキがオイルに浸漬された状態となって、潤滑状態を保
つことができ、ギヤ回転中にオイル出口が油面より上で
あれば、オイル出口から排出されるオイルの流動抵抗が
少なく循環性がよいからである。
のメインケースの外側のクラッチケース内に配置される
ことが好ましい。こうすれば、メインケースにスペース
が無く、クラッチケースの空きスペースを活用でき、全
長を短くできる。
図面に基いて説明する。
ブレーキの潤滑装置を備えた自動変速機の概要図であ
る。
エンジンEと変速機2(トランスミッション)との間に
介設されたクラッチ3と、クラッチ3を断接するクラッ
チアクチュエータ(図示せず)と、クラッチアクチュエ
ータに断接指令を与えるコントロールユニット(図示せ
ず)とを備え、発進時・変速時・停止時にコントロール
ユニットから発せられる断接指令に基きクラッチアクチ
ュエータを作動させ、クラッチ3をその都度適宜断接す
るものである。
フトCに接続されたフライホイール6(ドライブプレー
ト)と、そのフライホイール6に対向配置されたドリブ
ンプレート7と、ドリブンプレート7をフライホイール
6との間に挟むプレッシャプレート8とを有する。クラ
ッチアクチュエータは、コントロールユニットから発せ
られる断接指令に基き、プレッシャプレート8をフライ
ホイール6側とその反対側とに適宜移動制御し、クラッ
チ3を接・断してエンジンEの出力を変速機2に対して
オン・オフする。
プレート7に連結されたインプットシャフト9と、それ
と同軸に配置されたメインシャフト10と、それと同軸
に配置されたアウトプットシャフト11と、それらシャ
フト9、10、11と平行に配置されたカウンタシャフ
ト12とを備えている。インプットシャフト9には、ス
プライン13が固設されていると共に、インプットギヤ
14が軸支されている。インプットギヤ14には、スプ
ライン15が固設されている。
ヤ14に噛合するインプットカウンタギヤ16と、4速
カウンタギヤ17と、3速カウンタギヤ18と、2速カ
ウンタギヤ19と、1速カウンタギヤ20と、リバース
カウンタギヤ21とが、夫々固設されている。他方、メ
インシャフト10には、4速カウンタギヤ17に噛合す
る4速メインギヤ22と、3速カウンタギヤ18に噛合
する3速メインギヤ23と、2速カウンタギヤ19に噛
合する2速メインギヤ24と、1速カウンタギヤ20に
噛合する1速メインギヤ25と、リバースカウンタギヤ
21にアイドルギヤ26を介して噛合するリバースメイ
ンギヤ27とが、夫々軸支されている。
イン28、29が夫々固設されており、3速メインギヤ
23の左方にはスプライン30が固設されており、2速
メインギヤ24の右方にはスプライン31が固設されて
おり、1速メインギヤ25の左方にはスプライン32が
固設されており、リバースメインギヤ27の右方にはス
プライン33が固設されている。また、メインシャフト
10には、スプライン29、30の間に位置してスプラ
イン34が固設され、スプライン31、32の間に位置
してスプライン35が固設され、スプライン33の右方
に位置してスプライン36が固設されている。
13、15(13、28)同士を噛合接続するか中央の
スプライン13にのみ噛合するスリーブ37が設けら
れ、スプライン34には、隣接するスプライン34、2
9(34、30)同士を噛合接続するか中央のスプライ
ン34にのみ噛合するスリーブ38が設けられ、スプラ
イン35には、隣接するスプライン35、31(35、
32)同士を噛合接続するか中央のスプライン35にの
み噛合するスリーブ39が設けられ、スプライン36に
は、隣接するスプライン33、36同士を噛合接続する
かスプライン36にのみ噛合するスリーブ40が設けら
れている。
機構が設けられているが、スリーブ38、39、40に
は、コーンシンクロ機構が設けられていない。よって、
スリーブ37で変速するときには、スリーブ37とスプ
ライン15、28との回転が合ってなくとも変速できる
が、スリーブ38、39、40で変速するときには、ス
リーブ38とスプライン29、30との回転が合ってい
ないと変速できず、スリーブ39とスプライン31、3
2との回転が合っていないと変速できず、スリーブ40
とスプライン33との回転が合っていないと変速できな
い。
右方端部には、遊星歯車機構41のサンギヤ42が固設
されている。サンギヤ42の周りには、複数の遊星ギヤ
43が配置されている。各遊星ギヤ43は、キャリヤ4
4によって纏めて軸支されている。これら遊星ギヤ43
の外側には、リングギヤ45が配置されている。リング
ギヤ45にはスプライン46が固設され、ミッションケ
ース部材47にはスプライン48が固設されている。キ
ャリヤ44にはアウトプットシャフト11が固設され、
アウトプットシャフト11にはスプライン49が固設さ
れている。
るいずれかのスプライン46、48(46、49)同士
を噛合接続するスリーブ50が設けられている。スリー
ブ50には、通常のコーンシンクロ機構が設けられてい
る。よって、スリーブ50で変速するときには、スリー
ブ50とスプライン46、48(46、49)との回転
が合ってなくとも変速できる。なお、各スリーブ38、
39、40にはコーンシンクロ機構を設けていないの
で、その分だけ変速機2の軸長を短くできる。
0、50には、図示しないシフトフォークが係合され、
コントロールユニットから指令を受けて作動するギヤシ
フトユニットによって、適宜軸方向に移動されるように
なっている。例えば、スリーブ37がスプライン13上
に位置するときには(ニュートラル位置)、インプット
シャフト9の回転はインプットギヤ14に伝わらず、カ
ウンタシャフト12、メインシャフト10およびアウト
プットシャフト11は停止状態となる。
移動されると、インプットシャフト9の回転がインプッ
トギヤ14およびインプットカウンタギヤ16を介して
カウンタシャフト12に増速されて伝わり、全てのカウ
ンタギヤ16〜21およびメインギヤ22〜27が回転
する。また、スリーブ37がスプライン13、28上に
切換移動されると、インプットシャフト9の回転が4速
メインギヤ22および4速カウンタギヤ17を介してカ
ウンタシャフト12に減速されて伝わり、全てのカウン
タギヤ16〜21およびメインギヤ22〜27が切換前
より減速されて回転する。
スプライン34、35、36上の位置(ニュートラル位
置)であると、各メインギヤ22〜27はメインシャフ
ト10上を空回りするのみであり、メインシャフト10
が回転することはないが、スリーブ39がスプライン3
5、32上に位置すると1速となり、メインシャフト1
0が1速相当で回転する。同様に、スリーブ39がスプ
ライン35、31上に位置すると2速となり、スリーブ
38がスプライン34、30上に位置すると3速とな
り、スリーブ38がスプライン34、29上に位置する
と4速となり、夫々、メインシャフト10が2速相当、
3速相当、4速相当で回転する。
に固設されたサンギヤ42は、メインシャフト10と同
速度で回転し、遊星ギヤ43およびリングギヤ45を回
転させる。そして、スリーブ50がスプライン48、4
6上の位置のとき、サンギヤ42の回転数が遊星歯車機
構41の所定の減速比で減速されてアウトプットシャフ
ト11に伝達され、スリーブ50がスプライン46、4
9上の位置のとき、サンギヤ42の回転が直結状態でア
ウトプットシャフト11に伝達される。
図8に示すスプリット変速ギヤ機構51で2段変速さ
れ、その下流側のメイン変速ギヤ機構52で4段変速さ
れ、その下流側のレンジ変速ギヤ機構53で2段変速さ
れ、結局2×4×2=16段変速となる。オートクラッ
チ1は、上記トランスミッション2をギヤシフトユニッ
トによって変速操作するとき、または車両の発進・停止
時に、コントロールユニットから発せられる断接指令に
基きクラッチアクチュエータを作動し、クラッチ3をそ
の都度適宜断接するものである。
ように、各スリーブ37、38、39、40、50の位
置を検出してギヤ段がニュートラル位置であることを検
出するニュートラルスイッチ(図示せず)を有する。ニ
ュートラルスイッチは、各スリーブ37、38、39、
40、50を軸方向に移動させるシフトフォークの位置
に基いて現在のギヤ段がニュートラル位置であるか否か
を検出し、その検出結果をコントロールユニットに送る
ものである。
は、スリーブ37がスプライン13、15(又は13、
28)上に位置され、スリーブ38がスプライン34上
に位置され、スリーブ39がスプライン35上に位置さ
れ、スリーブ40がスプライン36上に位置され、スリ
ーブ50がスプライン46、48(又は46、49)上
に位置されている状態をいう。
チ3を繋ぎエンジンEを仮想アクセルによって空吹しす
ると、各メインギヤ22〜27および各スプライン28
〜33が回転される。これにより、シフトダウン時に、
それら各スプライン28〜33の回転を、各スリーブ3
8〜40の回転と合わせる(シンクロさせる)べく高め
ることができる。
時(シフトダウン時)に、一旦クラッチ3を切ってギヤ
をニュートラル位置にしてクラッチ3を繋ぎ、エンジン
Eを空吹しして変速すべきメインギヤ22〜27の回転
を変速に用いるスリーブ38、39又は40の回転に合
わせた後、再びクラッチ3を切って変速に用いる変速ス
リーブ38、39又は40を変速すべきメインギヤ22
〜27のスプライン29〜33に噛合させる、というダ
ブルクラッチ制御を有する。
ルクラッチ制御を行い、変速すべきメインギヤ22〜2
7の回転を変速に用いるスリーブ38〜40の回転に合
わせているので、上述したように本実施形態にかかる変
速機2では各スリーブ38、39、40に一般的なコー
ンシンクロ機構を設けていないものの、スムーズに引っ
掛かりなく変速できるのである。なお、各スリーブ3
8、39、40に、コーンシンクロ機構を設けてもよい
ことは勿論である。また、スリーブ37、50には、上
述したようにコーンシンクロ機構を設けている。
ロールユニットからの指令を受け、シフトダウン時等に
適宜エンジンEを空吹しするものである。他方、シフト
アップ時には、変速すべきメインギヤ22〜27のスプ
ライン28〜33の回転の方が、変速に用いるスリーブ
38〜40の回転よりも高い場合が大半である。よっ
て、カウンタシャフト12の端部でクラッチケース61
b内にカウンタシャフトブレーキ58を設け、変速すべ
きメインギヤ22〜27のスプライン28〜33の回転
を減速調節し、変速に用いるスリーブ38〜40の回転
と合わせている。
を調節するカウンタシャフトブレーキ58は、シフトア
ップ毎に作動されるため、耐焼付性・耐久性・信頼性を
確保すべく、潤滑油が供給される湿式タイプが採用され
ている。かかるカウンタシャフトブレーキ58の潤滑装
置60についての詳細を、図1乃至図7を用いて説明す
る。
カウンタシャフト12の端部に設けられたブレーキ58
(カウンタシャフトブレーキ)と、ブレーキ58に隣接
させてカウンタシャフト12の端部に設けられたギヤ1
6(インプットカウンタギヤ)と、静止時にインプット
カウンタギヤ16の一部が浸漬されるミッションケース
61内のオイル62と(図8参照)、インプットカウン
タギヤ16の回転によって掻き上げられたオイル62を
せき止めるリブ63と(図3参照)、リブ63によって
せき止められたオイル62をカウンタシャフトブレーキ
58に案内するオイル通路64とを備えている。
に、スプリット変速ギヤ機構51およびメイン変速ギヤ
機構52が収容されるメインケース61aと、クラッチ
3およびカウンタシャフトブレーキ58が収容されるク
ラッチケース61bと、レンジ変速ギヤ機構53が収容
されるレンジケース61cとからなる。オイル62は、
メインケース61a内の底部に貯留されており、静止時
(メインケース61a内の各ギヤの静止時)に図8に仮
想線で示す油面62aとなっている。油面62aが傾い
ているのは、変速機2が車両に縦置きされ、エンジンE
側が高くなるように傾斜されているからである。
bとを仕切る隔壁65には、図1および図6に示すよう
に、カウンタシャフト12の端部がローラベアリング6
6を介して軸支されている。隔壁65には、クラッチケ
ース61b側に位置させて、カウンタシャフトブレーキ
58を収容するためのブレーキケース67が取り付けら
れている。図1は図2の I-I線断面図であり、図6は図
2の VI-VI線断面図である。
ケース61a内のオイル62をブレーキケース67内に
取り込むためのオイル入口68が形成されている。オイ
ル入口68には、そこを通過したオイル62をカウンタ
シャフトブレーキ58に案内すべく、ブレーキケース6
7に凹設成形されたオイル導入路69が、接続されてい
る。これらオイル入口68およびオイル導入路69は、
メインケース61a内のオイル62をカウンタシャフト
ブレーキ58に案内するオイル通路64を構成する。
を通ってブレーキケース67内に取り込まれ各部(後述
するフリクションプレート70やセパレータプレート7
1等)を潤滑し終わったオイル62をメインケース61
a内に戻すためのオイル排出路72が、凹設成形されて
いる。そして、隔壁65には、オイル排出路72を通過
したオイル62をメインケース61a内に戻すオイル出
口73が形成されている(図1〜図3参照)。
6に示すように、カウンタシャフト12の端部に固定さ
れたハブ74が収容されている。ハブ74は、カウンタ
シャフト12の端部に取り付けられる円板部74aと、
円板部74aに一体成形された円筒部74bとからな
る。円筒部74bの外周面には、図2に示すようにスプ
ライン76が形成されている。
部分に位置させて、ハブ74内方のオイル62をカウン
タシャフト12の回転に伴う遠心力によって外方に飛び
出させる第2通路77が形成されている(図7参照)。
第2通路77は、図1および図7に示すように円筒部7
4bの軸方向に所定間隔を隔てて複数形成されており、
図2に示すように円筒部74bの周方向に所定間隔を隔
てて複数形成されている。
および図7に示すように、複数のフリクションプレート
70が軸方向に移動自在に且つ周方向に固定されて係合
されている。これらフリクションプレート70の間に
は、セパレータプレート71が配置されている。セパレ
ータプレート71は、図2および図6に示すように、ブ
レーキケース67の内周面に成形されたスプライン78
に係合されており、軸方向に移動自在に且つ周方向に固
定されている。
ース67には、セパレータプレート71とフリクション
プレート70とを押し付けるための筒体状のピストン7
9が、軸方向にスライド自在に設けられている。ピスト
ン79は、図5にも示すように、ブレーキケース67の
ボス部80にスライド自在に被嵌される内側円筒部79
aと、内側円筒部79aに一体成形されたドーナッツ状
の円板部79bと、円板部79bに一体成形されブレー
キケース67の凹部81にスライド自在に嵌め込まれる
外側円筒部79cとからなる。
記オイル通路64からのオイル62をピストン79およ
びハブ74の内方に導く第1通路82が形成されてい
る。第1通路82は、外側円筒部79cの端部に、周方
向に所定間隔を隔てて形成された複数の溝からなる。ま
た、外側円筒部79cには、リング状のシール83を収
容する円環状の溝84が形成されている。また、内側円
筒部79aと円板部79bとの接続部には、エアチャン
バ85を区画する凹部86が形成されている。エアチャ
ンバ85には、ブレーキケース67にネジ込まれたエア
供給ナット87から高圧エアが供給される。
る円環状の溝89が形成されていると共に、ピストン7
9のリターンバネ90を押さえるリテーナ91が取り付
けられている。この構成によれば、エア供給ナット87
からエアチャンバ85内に高圧エアが供給されると、図
6および図7において、ピストン79が右方に移動して
フリクションプレート70とセパレータプレート71と
がストッパリング92に当るまで右方に移動され、それ
らプレートが相互に押し付けられる。これにより、制動
力が発生し、カウンタシャフト12が減速される。
ャンバ85内からエアを抜くと、ピストン79がリター
ンバネ90により左方に移動されて元の位置にリセット
され、フリクションプレート70とセパレータプレート
71とは押し付けから解放される。これにより、制動力
がカットされ、カウンタシャフト12が減速されること
はない。上記ストッパリング92は、図7に示すよう
に、ブレーキケース67の内周面に凹設された溝93に
嵌め込まれるスナップリングからなる。
ス61のメインケース61a内には、メインケース61
a内のギヤの静止時に一点鎖線で示す油面62aとなる
オイル62が収容されている。図示するようにオイル6
2は、この状態でインプットカウンタギヤ16の一部を
浸漬している。よって、この状態でインプットカウンタ
ギヤ16が回転されると、当該ギヤ16によってオイル
62が掻き上げられ、オイル62が二点鎖線62bで示
すようにメインケース61aの内周面に張り付く。イン
プットカウンタギヤ16が回転するときには、メインケ
ース61a内の全てのギヤが回転するからである。
よび図4に示すように、インプットカウンタギヤ16の
回転によって掻き上げられたオイル62をせき止めるリ
ブ63が設けられている。リブ63は、掻き上げられた
オイル62をオイル入口68に案内できる位置に設けら
れており、オイル入口68の僅かに上方に斜めに設けら
れている。また、オイル入口68の近傍には、掻き上げ
られたオイル62を当該オイル入口68に案内する案内
部材68aが設けられている。
止時の油面62aよりも高い位置にあり、他方、オイル
出口73は一点鎖線で示す静止時の油面62aよりも低
い位置にある。また、リブ63の幅は、図4に示すよう
に、インプットカウンタギヤ16の幅よりも広い。
べる。
ケース61のメインケース61a内のオイル62は、メ
インケース61a内の各ギヤが静止状態のときには一点
鎖線で示す油面62aとなっており、インプットカウン
タギヤ16の一部を浸漬している。その後、メインケー
ス61a内の各ギヤが回転すると、オイル62は、イン
プットカウンタギヤ16および他のカウンタギヤによっ
て掻き上げられ、図3に二点鎖線62bで示すようにメ
インケース61aの内周面に張り付く。
示すように、メインケース61aの内周面に設けられた
リブ63によってせき止められ、図1に示すように、そ
の一部が案内部材68aに案内されてオイル入口68を
通ってメインケース61a側からブレーキケース67内
へ流れる。オイル入口68を通過したオイル62は、図
1および図2に示すオイル導入路64を通り、ピストン
79に形成された第1通路82(図5に示すように周方
向に間隔を隔てて複数形成された第1通路82のうちオ
イル導入路69に臨む第1通路82)を通ってピストン
及びスリーブ内に導かれる。
2は、ハブ74はカウンタシャフト12の回転に伴って
回転しているものの、ピストン79は回転していないの
で、静止状態のピストン79に形成された上記第1通路
82を通って速やかにピストン79及びハブ74内に導
かれる。すなわち、オイル導入路69内のオイル62
は、当該オイル導入路69に臨むフリクションプレート
70およびセパレータプレート71にも供給されるが、
フリクションプレート70はハブ74と一体的に回転し
ていて遠心力が発生しているため、第2通路77を通っ
てピストン79及びハブ74内に導かれることはない。
イル62の殆どは、カウンタシャフト12の回転に伴っ
て回転するハブ74による遠心力を受け、ハブ74に形
成された第2通路77を通ってハブ74の外方に飛び出
し、フリクションプレート70とセパレータプレート7
1との間を通って、ブレーキケース67の内周面(スプ
ライン78)に至る(図7参照)。このとき、フリクシ
ョンプレート70とセパレータプレート71とは、そこ
を通過するオイル62によって冷却・洗浄・潤滑され
る。
に第2通路77を複数のフリクションプレート70で仕
切られた全ての部屋にオイル62が供給されるように配
置・成形したので、各フリクションプレート70および
セパレータプレート71にオイル62が供給されること
になる。各部屋のオイル62は、フリクションプレート
70およびセパレータプレート71によって仕切られて
いるため、軸方向に行き来することはない。このため、
本実施形態では、第2通路77の位置・大きさを図7の
ように設定し、各部屋にオイル62が供給されるように
しているのである。但し、必ずしもこのようになってい
なくとも構わない。
ート70とセパレータプレート71との間に飛び出たオ
イル62は、ハブ74の回転に伴って回転するフリクシ
ョンプレート70に引き摺られてその周方向に移動し、
図2に示すようにブレーキケース67に形成されたオイ
ル排出路72に導かれる。図2において、矢印95はハ
ブ74(カウンタシャフト12)の回転方向である。詳
しくは、図1および図7において、フリクションプレー
ト70とセパレータプレート71との相互押付けが解放
されているとき即ちカウンタシャフトブレーキ58のO
FF時には、第2通路77から飛び出たオイル62は、
回転するフリクションプレート70によって引き摺られ
て周方向に移動され、各プレート70、71の間のスペ
ース97を通ってオイル排出路72に導かれる。
ータプレート71とが相互に押し付けられているとき即
ちカウンタシャフトブレーキ58のON時には、第2通
路77から飛び出たオイル62は、フリクションプレー
ト70の回転が減速されているものの、ブレーキONに
よってフリクションプレート70が完全に回転停止され
るわけではないので、図7に示すように、減速回転され
るフリクションプレート70によってその先端部のスペ
ース98のオイル62が引き摺られ、スペース98を通
って周方向に移動され、オイル排出路72に導かれる。
れたオイル62は、上記第2通路77のみならず、図1
に示すように、ピストン79に形成された第1通路82
(図5に示すように周方向に間隔を隔てて複数形成され
た第1通路82のうちオイル排出路72に臨む第1通路
82)を通って、ピストン79及びハブ74から外方に
排出され、ブレーキケース67に形成されたオイル排出
路72に導かれる。こうして種々のルートを通ってオイ
ル排出路72に導かれたオイル62は、隔壁65に形成
されたオイル出口73を通り、ブレーキケース67側か
らメインケース61a側に戻される。そして、再びギヤ
16によって掻き上げられて循環する。
ヤ16の静止時にはメインケース61a内の油面62a
(一点鎖線)より低いものの、ギヤ16が回転されると
オイル62が二点鎖線62bで示すようにメインケース
61aの内周面に張り付くため、油面より高くなる。こ
のため、ブレーキケース67側からオイル出口73を通
ってメインケース61a内に導かれたオイル62は、ギ
ヤ16の回転中は重力によって二点鎖線62bで示す油
面に落下し、メインケース61a内のオイル62によっ
てせき止められることはない。また、ギヤ16の停止中
は、そもそもカウンタシャフト12が回転停止してお
り、カウンタシャフトブレーキ58を掛ける必要がない
ので、問題とならない。
キ58の潤滑装置60よれば、インプットカウンタギヤ
16をオイル62の掻き揚げ・圧送手段として利用し、
そのギヤ16によって掻き揚げられたオイル62をリブ
63でせき止めてメインケース61a側からブレーキケ
ース67側へ導くようにしているので、専用のオイル圧
送ポンプは不要であり、またカウンタブレーキ58を油
没させる専用スペースも不要であるので、コンパクトで
簡単な構造の潤滑装置を実現できる。
示すように、カウンタシャフト12の軸芯に沿ってオイ
ル通路99を形成し、図8に示すようにカウンタシャフ
ト12の反対端部に設けたオイルポンプ100によって
加圧されたオイル62の一部をカウンタシャフト12の
中心に形成されたオイル通路99を介してピストン79
およびハブ74に内方に導くようにしているが、このオ
イル通路99は無くても構わない。また、本発明は、図
8に示す構造の変速機2に限定されるものではなく、通
常の二軸式の4速または5速ミッション等に適用しても
よい。
ンパクトで簡単な構造のカウンタシャフトブレーキの潤
滑装置を実現できる。
レーキの潤滑装置の側断面図であり、図2の I-I線断面
図である。
−a線断面図)、(b) は背面図、(c) はc矢示図であ
る。
断面図であり、図2の VI-VI線断面図である。
ある。
速機の概要図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 変速機のカウンタシャフトの端部に設け
られたブレーキと、該ブレーキに隣接させてカウンタシ
ャフトの端部に設けられたギヤと、静止時に上記ギヤの
一部が浸漬されるミッションケース内のオイルと、上記
ギヤの回転によって掻き上げられた上記オイルをせき止
めるリブと、該リブによってせき止められたオイルを上
記ブレーキに案内するオイル通路とを備えたことを特徴
とするカウンタシャフトブレーキの潤滑装置。 - 【請求項2】 上記ブレーキは、ミッションケースに取
り付けられたブレーキケース内に収容され、カウンタシ
ャフトの端部に固定されたハブと、該ハブに軸方向に移
動自在に且つ周方向に固定して取り付けられた複数のフ
リクションプレートと、各フリクションプレートに対向
させて上記ブレーキケースに軸方向に移動自在に且つ周
方向に固定して取り付けられた複数のセパレータプレー
トと、それらセパレータプレートとフリクションプレー
トとを押し付けるべく上記ブレーキケースに軸方向にス
ライド自在に設けられた筒体状のピストンとを有し、該
ピストンに、上記オイル通路からのオイルを当該ピスト
ンおよび上記ハブの内方に導く第1通路を形成し、上記
ハブに、内方に導かれたオイルをカウンタシャフトの回
転に伴う遠心力によって上記フリクションプレートおよ
びセパレータプレートに供給するための第2通路を形成
した請求項1記載のカウンタシャフトブレーキの潤滑装
置。 - 【請求項3】 前記ブレーキにオイルを案内する前記オ
イル通路のオイル入口が、少なくとも前記ギヤの回転中
のオイル油面より高い位置に配置されている請求項1乃
至2記載のカウンタシャフトブレーキの潤滑装置。 - 【請求項4】 前記ブレーキからオイルを排出するオイ
ル排出路のオイル出口が、前記ギヤの回転中のオイル油
面より高い位置にあると共に、前記ギヤの停止中のオイ
ル油面より低い位置に配置された請求項1乃至3記載の
カウンタシャフトブレーキの潤滑装置。 - 【請求項5】 前記ブレーキが、ミッションケースのメ
インケースの外側のクラッチケース内に配置された請求
項1乃至4記載のカウンタシャフトブレーキの潤滑装
置。
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