JP2001260962A - 弾性履帯 - Google Patents
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Abstract
抗張体埋設対応部において、カット傷等の損傷発生を減
少する。 【解決手段】 本体2内部に周方向の抗張体3を埋設
し、接地面4に略周方向の溝5及び略幅方向の溝6で区
切るブロック7を形成し、前記接地面4の芯金8投影域
Aでかつ幅方向において少なくとも抗張体埋設対応部t
のブロック7を略周方向の溝5のみで区切る。
Description
ロードで使用する履帯車両用の弾性履帯に関する。
としては、図11(特開平7ー52841号公報)に示
すように、本体2内部に周方向の抗張体を埋設すると共
に周方向等間隔に芯金8を埋設し、接地面に略周方向の
溝5及び略幅方向の溝6で区切ってブロック7を多数形
成している。幅方向溝6は本体2の幅方向中心から左右
にハの字状に傾斜しており、前記接地面の芯金8の投影
域内で周方向溝5と幅方向溝6とが交差したり、芯金の
エッジ付近が開口形状のブロック配置になったりしてお
り、両方向溝により比較的大きな海部分を形成してい
る。
は、芯金8の投影域内の四方に溝のある部分、開口形状
のブロック配置になっている部分等では、鋭利な石等に
より接地面にカット傷を受けることがあり、特に、中央
部分の芯金付近、芯金のエッジ付近等、図11にバツ印
を付けた位置で損傷が発生し易くなっている。本発明
は、接地面の芯金投影域でかつ幅方向において、少なく
とも抗張体埋設対応部にはブロックを区切る略周方向の
溝のみが存在することにより、カット傷等の損傷発生を
減少できるようにした弾性履帯を提供することを目的と
する。
おいても、接地面の駆動係合体投影域でかつ幅方向にお
いて少なくとも抗張体埋設対応部のブロックを略周方向
の溝のみで区切ることにより、カット傷等の損傷発生を
減少できるようにした弾性履帯を提供することを目的と
する。
のための第1の具体的手段は、本体2幅方向中央部に周
方向の抗張体3を埋設し、この抗張体3に対して幅方向
に芯金8を埋設して、接地面4に略周方向の溝5及び略
幅方向の溝6で区切るブロック7を形成した弾性履帯に
おいて、前記接地面4の芯金8投影域Aでかつ幅方向に
おいて少なくとも抗張体埋設対応部tのブロック7を略
周方向の溝5のみで区切っていることであうる。
向溝5のみしかないので、溝が縦横に交差したり、ブロ
ックが開口形状となることがなく、カット傷等の損傷発
生を抑制する。本発明における課題解決のための第2の
具体的手段は、第1の具体的手段に加えて、前記投影域
Aの周方向ピッチPに対して芯金8の周方向長さLを4
0%以下に設定していることである。これによって、投
影域A内の略周方向の溝5を、略幅方向の溝6と交差し
ないように確実に形成できる。
体的手段は、第1又は2の具体的手段に加えて、前記芯
金8の周方向前後端の少なくとも一方からそれに対応す
る投影域Aのブロック7基部までの距離Rをブロック7
頂部までの距離rより長く設定していることである。こ
れによって、芯金8から略幅方向の溝6までの距離を十
分にとって、略幅方向の溝6での損傷発生を抑制する。
本発明における課題解決のための第4の具体的手段は、
第1〜3のいずれかの具体的手段に加えて、周方向にお
いて、前記芯金長さLよりもブロック頂部長さ7aを長
く設定し、ブロック7頂部長さ7aよりもブロック基部
長さ7bを長く設定していることである。
るブロック7の強度を十分に確保し、かつ略幅方向の溝
6での損傷発生を抑制する。本発明における課題解決の
ための第5の具体的手段は、本体2内部に周方向の抗張
体3を埋設し、接地面4に略周方向の溝5及び略幅方向
の溝6で区切るブロック7を形成し、前記接地面4の駆
動係合体投影域Aでかつ幅方向において少なくとも抗張
体埋設対応部tのブロック7を略周方向の溝5のみで区
切っていることである。
周方向溝5のみしかないので、溝が縦横に交差したり、
ブロックが開口形状となることがなく、カット傷等の損
傷発生を抑制する。本発明における課題解決のための第
6の具体的手段は、第1〜5のいずれかの具体的手段に
加えて、前記投影域Aの幅方向略全幅Tに対応するブロ
ック7を略周方向の溝5のみで区切っていることであ
る。これによって、接地面4は大きい接地圧を受ける抗
張体埋設対応部tだけでなく、その幅方向外側での損傷
発生も十分に抑制する。
体的手段は、第1〜6のいずれかの具体的手段に加え
て、前記投影域Aの少なくとも抗張体埋設対応部tのラ
ンドシー比を35%以上に設定していることである。こ
れによって、少なくとも大きい接地圧を受ける抗張体埋
設対応部tでの損傷発生をより強力に抑制する。本発明
における課題解決のための第8の具体的手段は、第1〜
7のいずれかの具体的手段に加えて、前記抗張体3より
接地面4側に補強層9を埋設していることである。
スリップの減少等の操縦安定性を向上する。本発明にお
ける課題解決のための第9の具体的手段は、第1〜8の
いずれかの具体的手段に加えて、前記投影域Aのブロッ
ク7間の略周方向の溝5を投影域A外のブロック7間の
略周方向の溝5より浅く設定しているこである。これに
よって、投影域Atでの損傷発生をより強力に抑制す
る。本発明における課題解決のための第10の具体的手
段は、第1〜9のいずれかの具体的手段に加えて、前記
投影域Aの略周方向の溝5を幅方向線に対して20〜9
0度に設定していることである。
上した種々の形状のブロック7を形成可能とする。本発
明における課題解決のための第11の具体的手段は、第
1〜10のいずれかの具体的手段に加えて、前記投影域
Aに位置するブロック7の周方向端部が投影域A外のブ
ロック7と周方向にオーバラップしていることである。
これによって、投影域Aのブロック7を略周方向の溝5
のみで区切っても、略幅方向の溝6を直線状にしなくと
もよく、振動等を減少しかつ排水性を向上する。
具体的手段は、第1〜11のいずれかの具体的手段に加
えて、前記投影域A外のブロック高さを投影域Aのブロ
ック高さより高く設定していることである。これによっ
て、履帯全周にわたる振動の振幅差を小さくできる。
に基づいて説明する。図1〜6に示す第1の実施の形態
において、1Aは芯金埋設型弾性履帯(クローラベル
ト)であり、例えば、キャビンと荷台とで構成される6
輪軽トラック等の高速走行車両の駆動輪11及び遊転輪
12に巻き掛けられている。この弾性履帯1Aは、ゴム
等の可撓性弾性材料でエンドレスベルト状に形成された
履帯本体2の内部に、スチールコード等で形成された抗
張体3を本体周方向に沿って埋設し、本体周方向略等間
隔に芯金8を埋設しており、内周面側に車輪転動面を挟
むように脱輪防止突起10を突設している。
置されており、本体2の幅方向で芯金8と同一又はより
狭い幅の範囲内で埋設されている。前記接地面4におい
て、芯金8の投影域Aは、駆動輪11の下方になったと
きに接地荷重を受けて、他部より接地圧が高くなる部位
であり、その周方向長さは芯金8よりも長くなってい
る。そして接地圧は、その投影域Aの中でも幅方向両側
よりも抗張体3の埋設対応部tで高くなる。
とその左右とに計3本の略周方向の溝5が形成され、ま
た周方向に適宜間隔で略幅方向の溝6が形成され、これ
ら溝5、6によってブロック7が区画形成されている。
各ブロック7には複数本のサイプ7aが形成されてい
る。前記縦横の溝5、6は海部Sとなり、多数のブロッ
ク7は陸部Lとなっている。投影域Aの全幅T又は抗張
体埋設対応部tにおけるランドシー(L/S)比は、3
5%以上に設定されている。
応部tではランドシー比を大きくして、損傷発生を強力
に抑制することが好ましい。前記芯金8の投影域Aにお
いては、抗張体埋設対応部t又は本体全幅Tに対応する
部位のブロック7を区切る溝は略周方向溝5のみとなっ
ており、略幅方向の溝6は存在しなく、従って縦横溝が
交差したり、傾斜溝によってブロック7が開口形状とな
ったりすることがなく、投影域A及びその近辺では、カ
ット傷等の損傷を受ける海部が存在しなく、または存在
しても小面積となり、損傷が抑制される。
は、ブロック7によって接地面4を確実に被い、かつ保
護することができ、縦横溝が交差したり、傾斜溝によっ
てブロック7が開口形状となったりする部位は、高い接
地圧が作用する部位からずれて存在するので損傷の発生
は減少する。前記投影域Aは芯金8の埋設位置が等間隔
であることにより、周方向一定ピッチPに存在してお
り、このピッチP間隔に対して芯金8の周方向長さLは
40%以下に設定されており、ピッチP間隔の残りの6
0%の範囲は投影域A外となり、この投影域A外に2本
以上の略幅方向の溝6が形成され、略周方向の溝5と交
差している。
周方向前後端の一方又は両方からブロック7基部までの
距離Rがブロック7頂部までの距離rより長く設定され
ており、芯金8端部から略幅方向の溝6までの距離を十
分にとって、略幅方向の溝6での損傷発生を抑制できる
ように構成されている。また、投影域Aにおけるブロッ
ク7は、周方向において、芯金長さLよりもブロック頂
部長さ7aを長く設定され、かつブロック7頂部長さ7
aよりもブロック基部長さ7bを長く設定されており、
芯金8の投影域Aに対応するブロック7の強度を十分に
確保するように構成されている。
方向の溝5は、図4に示すように、投影域A外のブロッ
ク7間の略周方向の溝5より寸法Sだけ浅く設定されて
おり、投影域Aでの損傷発生をより強力に抑制可能にな
っている。そして、前記投影域A外のブロック高さを、
投影域Aのブロック高さより高く設定して、本体全周に
わたる振幅を小さくするように構成することもできる。
前記抗張体3は芯金8より内周側に配置することもでき
るが、芯金8より接地面4側に埋設することにより、ブ
ロック7の頂面との距離が短くなり、スリップの減少等
の操縦安定性を向上する。
12に巻き付いた部分では、外周面が内周面より大きく
延び、駆動輪11の下方を通過したとき、伸張状態から
延びる前の状態に縮むため路面と弾性履帯1との間にス
リップを生じようとするが、抗張体3を芯金8より接地
面4側に埋設することにより、芯金8より内周側に配置
する場合よりも伸張量が少なくなり、スリップを抑制
し、弾性履帯1の摩耗の低減、騒音の防止及び旋回性の
向上を図ることができるようになる。しかしながら、抗
張体3を芯金8より接地面4側に埋設すると、石等によ
るカット・ピンチで抗張体3に傷が入る可能性が生じ
る。
ェット路面での排水性を確保するために、略周方向の溝
5を残してランドシー比を適正に保ちつつ、ブロック7
で芯金8上を被うことで、抗張体3を保護し、受けるダ
メージを減少させるようにしている。本体2内の抗張体
3の接地面4側には、バイアスコード等で形成された補
強層9が埋設されており、この補強層9によって抗張体
3を保護し、スリップの減少等の操縦安定性をより向上
している。
A)、下向き蒲鉾形(図5B)又は上向き蒲鉾形(図5
C)等に形成されており、抗張体3は芯金8がいずれの
断面形状であっても、実線で示すような芯金8を取り囲
む状態に配置したり、2点鎖線で示すような接地面4と
平行状態に配置したり、又はその他の配置構造にしたり
することができる。補強層9は抗張体3と平行に配置さ
れている。図7は第2の実施の形態を示しており、弾性
履帯1Bの投影域Aのブロック7と投影域A外のブロッ
ク7とは、幅方向の溝6によって明確に区別されてい
て、周方向に略対称形状となっている。
ているが周方向直線に近く、外側の溝5は葛折り状に屈
曲されて形成されており、各投影域Aでは略周方向の溝
5は傾斜角Qをもつ傾斜溝となっている。この溝5の傾
斜角Qは幅方向線に対して90度より小さい角度、即
ち、20度から90度まで適宜角度に傾斜されていても
よく、排水性、操縦安定性を向上できる角度に形成し、
種々のパターンのブロック7を形成することを可能にし
ている。図8は第3の実施の形態を示しており、弾性履
帯1Cの投影域Aのブロック7と投影域A外のブロック
7とは平面形状が大きく異なっている。
で陸部が7分割されているのに対して、投影域A外のブ
ロック7は略周方向の溝5と傾斜したり不連続となって
いる略幅方向の溝6によって区切られている。そして、
投影域Aに位置するブロック7には長短があり、長いブ
ロック7は投影域A外に突出していて、投影域A外のブ
ロック7と周方向にオーバラップしているものもあり、
これにより、投影域Aのブロック7と投影域A外のブロ
ック7とを略幅方向の溝6で区切る場合よりも、振動等
をより減少できるようにしている。
り、弾性履帯1Dはピン駆動型走行車両用のものであ
る。この弾性履帯1Dは、軽トラック、農用又は土木用
のクローラ車両のピン13を有する駆動輪11及び遊転
輪12に巻き掛けられており、駆動輪11のピン(駆動
係合体)13によって駆動される。前記弾性履帯1D
は、履帯本体2の内部に周方向の抗張体3と補強層9と
が埋設されており、芯金は埋設されていなく、接地面4
には前記第1〜3の実施の形態に示されたパターンが適
用可能になっており、略周方向の溝5及び略幅方向の溝
6によって多数のブロック7が区画形成されている。
11のピン13が係合しかつ脱輪を防止可能な係合突起
14が周方向等間隔に形成されされており、この係合突
起14間で前記ピン13の径外側が投影域Aとなってい
て、駆動輪11の下方に来たときに高い接地圧を受ける
部位となっている。前記弾性履帯1Dのその他の構成は
前記第1〜3実施の形態と略同一であり、接地面4の駆
動係合体投影域Aでかつ幅方向において少なくとも抗張
体埋設対応部tのブロック7が略周方向の溝5のみで区
切られており、投影域A又はその付近での損傷発生を抑
制するようになっている。
るものではなく、種々変形することができる。例えば、
第1〜4の実施の形態の各構成を適宜組み合わせてもよ
く、履帯本体2の幅方向中央に係合孔を形成してスプロ
ケットで駆動する型式でもよい。前記スプロケット駆動
式弾性履帯においては、投影域AのピッチP間隔に対し
て芯金8の周方向長さLを40%以下に設定することに
より、歯底円直径250mm以上のスプロケットで、2
0km/hの高速走行を良好に行うことができるように
なる。
に略周方向の溝5及び略幅方向の溝6でブロック7を区
切り形成しているが、芯金投影域A又は駆動係合体投影
域Aには略周方向溝5のみしかないので、投影域Aで溝
が縦横に交差したり、ブロックが開口形状となることが
なく、カット傷等の損傷発生を確実に抑制することがで
きる。
る。
面説明図である。
側面図である。
る。
る。
図である。
面図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 本体幅方向中央部に周方向の抗張体を埋
設し、この抗張体に対して幅方向に芯金を埋設して、接
地面に略周方向の溝及び略幅方向の溝で区切るブロック
を形成した弾性履帯において、前記接地面の芯金投影域
でかつ幅方向において少なくとも抗張体埋設対応部のブ
ロックを略周方向の溝のみで区切っていることを特徴と
する弾性履帯。 - 【請求項2】 前記投影域の周方向ピッチに対して芯金
の周方向長さを40%以下に設定していることを特徴と
する請求項1に記載の弾性履帯。 - 【請求項3】 前記芯金の周方向前後端の少なくとも一
方からそれに対応する投影域のブロック基部までの距離
をブロック頂部までの距離より長く設定していることを
特徴とする請求項1又は2に記載の弾性履帯。 - 【請求項4】 周方向において、前記芯金長さよりもブ
ロック頂部長さを長く設定し、ブロック頂部長さよりも
ブロック基部長さを長く設定していることを特徴とする
請求項1〜3のいずれかに記載の弾性履帯。 - 【請求項5】 本体内部に周方向の抗張体を埋設し、接
地面に略周方向の溝及び略幅方向の溝で区切るブロック
を形成し、前記接地面の駆動係合体投影域でかつ幅方向
において少なくとも抗張体埋設対応部のブロックを略周
方向の溝のみで区切っていることを特徴とする弾性履
帯。 - 【請求項6】 前記投影域の幅方向略全幅に対応するブ
ロックを略周方向の溝のみで区切っていることを特徴と
する請求項1〜5のいずれかに記載の弾性履帯。 - 【請求項7】 前記投影域の少なくとも抗張体埋設対応
部のランドシー比を35%以上に設定していることを特
徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の弾性履帯。 - 【請求項8】 前記抗張体より接地面側に補強層を埋設
していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記
載の弾性履帯。 - 【請求項9】 前記投影域のブロック間の略周方向の溝
を投影域外のブロック間の略周方向の溝より浅く設定し
ていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載
の弾性履帯。 - 【請求項10】 前記投影域の略周方向の溝を幅方向線
に対して20〜90度に設定していることを特徴とする
請求項1〜9のいずれかに記載の弾性履帯。 - 【請求項11】 前記投影域に位置するブロックの周方
向端部が投影域外のブロックと周方向にオーバラップし
ていることを請求項1〜10のいずれかに記載の特徴と
する弾性履帯。 - 【請求項12】 前記投影域外のブロック高さを投影域
のブロック高さより高く設定していることを特徴とする
請求項1〜11のいずれかに記載の弾性履帯。
Priority Applications (1)
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JP2000080781A JP4530465B2 (ja) | 2000-03-22 | 2000-03-22 | 弾性履帯 |
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