JP2001246605A - 化粧板の框及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装飾紙を使用しつつも、意匠的に優れた化粧
板を得る。 【解決手段】 フラットな前面（装飾紙１２を貼るのに
支障のない面）に装飾紙１２を貼り、切削加工曲面１４
には装飾紙１２を貼るとなく木目模様塗装を施す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、折れ戸、収納庫の
戸等として好適な化粧板の框及びその製造方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の框として以下の如きもの
は知られている。鏡板嵌合溝を有すると共に鏡板嵌合溝
の前側の縁部が正面から見て曲面をなすように切削加工
された、無垢の木以外の木質系素材からなる框本体と、
框本体の少なくとも前面（切削加工曲面を含む）を被覆
する木目模様の塩化ビニル装飾シートとを有するものは
知られている。

【０００３】

【発明の背景】塩化ビニル装飾シートは焼却処理の際ダ
イオキシンが発生するので、環境保護の観点からその使
用を止めることが望まれている。そこで、塩化ビニル装
飾シートに代えて、それより環境にやさしい装飾紙を使
用することを考えたが、装飾紙は塩化ビニル装飾シート
に比較して伸縮性が小さいため、装飾紙を切削加工曲面
にしわなどの発生を押さえてきれいに沿わせることが出
来ないという欠点があった。

【０００４】

【前記欠点を解消するための手段】本発明は前記欠点を
解消するために以下の如き手段を採用した。 請求項１の発明は、鏡板嵌合溝を有する、無垢の木以
外の木質系素材からなる框本体と、框本体の少なくとも
前面を被覆する木目模様の装飾紙とを有し、前記鏡板嵌
合溝の前後側の縁部の少なくとも前側の縁部が正面から
見て曲面をなすように切削加工され、その切削加工曲面
に木目模様塗装が施されているものである。 請求項２の発明は、請求項１の框の製造方法であっ
て、鏡板嵌合溝を有する、無垢の木以外の木質系素材か
らなる長尺の框本体の少なくとも前面を木目模様の装飾
紙で被覆する工程と、長尺の框本体を所定長さに切断す
る工程と、切断された框本体の鏡板嵌合溝の前後側の縁
部の少なくとも前側の縁部を正面から見て曲面をなすよ
うに切削加工する工程と、切削加工された曲面に木目模
様塗装を施こす工程とを有するものである。

【０００５】

【発明の効果】本発明は前記した如き構成によって以下
の如き効果を奏する。 請求項１の発明によれば、フラットな前面（装飾紙を
貼るのに支障のない面）に装飾紙を貼り、切削加工曲面
には装飾紙を貼るとなく木目模様塗装を施しているの
で、意匠的に優れ、且つ、環境問題にも配慮した框を得
ることが出来る。 請求項２の発明によれば、意匠的に優れ、且つ、環境
問題にも配慮した框を効率良く製造することが出来る。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。なお、この説明において、前とは図１紙面表側
を、後とは同裏側をいい、左とは図１左側を、右とは同
図右側をいう。

【０００７】化粧板１は、上框３、下框４及び左右框５
からなる枠２と、この枠２の内周面に形成された鏡板嵌
合溝６に周縁部が嵌められた鏡板８とを有している。

【０００８】前記下框４及び左右框５は公知のもので、
図２に示すごとく、無垢の木以外の木質系素材、例え
ば、ＭＤＦ等からなる框本体１１と、この框本体１１の
前面（鏡板嵌合溝６の前側の縁部である、傾斜面及び内
向き面を含む。）、外側面及び後面（鏡板嵌合溝６の後
側の縁部の内向き面を含む。）を被覆する木目模様の装
飾紙１２とを有している。

【０００９】前記上框３は、図３及び図４に示すごと
く、無垢の木以外の木質系素材、例えば、ＭＤＦ等から
なる框本体１１と、この框本体１１の少なくとも前面、
この実施の形態では、フラットな前面（後述の切削加工
曲面１４を除く。）、外側面及び後面（鏡板嵌合溝６の
後側の縁部の内向き面を含む。）を被覆する木目模様の
装飾紙１２とを有し、前記鏡板嵌合溝６の前側の縁部を
正面から見て曲面をなすように切削加工して形成された
切削加工曲面１４に木目模様塗装により木目模様塗装層
１５が形成されている。

【００１０】

【発明の実施の形態の作用】次に上框３の製造方法につ
いて説明する。

【００１１】［第１工程］鏡板嵌合溝６を有する、無垢
の木以外の木質系素材、例えば、ＭＤＦ等からなる長尺
の框本体１１の少なくとも前面、具体的には、前面、外
側面及び後面（鏡板嵌合溝６の後側の縁部の内向き面を
含む。）を木目模様の装飾紙１２で被覆する。

【００１２】［第２工程］その後、長尺の框本体１１を
所定長さに切断すると共に、框本体１１の左右端部が左
右框５の上部の左右端部に密接するように加工を施す。

【００１３】［第３工程］その後、前記框本体１１の鏡
板嵌合溝６の前側の縁部を正面から見て曲面をなすよう
に切削加工する。

【００１４】［第４工程］その後、切削加工曲面１４に
木目模様塗装を施こす。

【００１５】このようにして製造された上框３及び公知
の方法で製造された、下框４、左右框５及び鏡板８を公
知の方法で組み立てることにより、化粧板１を製造する
ことが出来る。

【００１６】

【変形例等】以下に変形例等について説明を加える。 （１）切削加工曲面１４の形状は任意である。 （２）鏡板８の素材は任意である。 （３）切削加工曲面１４の形成される框は上框３に限定
されない。また、鏡板嵌合溝６の後側の縁部にも切削加
工曲面１４を施すようにする場合もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す一部破砕の中間省略
の正面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿う中間省略の拡大端面
図である。

【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線拡大断面図である。

【図４】図１のＩＶ−ＩＶ線に沿う中間省略の拡大断面
図である。

【符号の説明】

３ 上框 １１ 框本体 １２ 装飾紙 １４ 切削加工曲面 １５ 木目模様塗装層

フロントページの続き Ｆターム(参考） 2B250 AA11 CA11 DA04 EA01 EA11 FA03 FA09 FA13 FA28 FA31 FA33 GA03 HA01 2E014 AA01 AA05 BA05 BC10 BD08

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鏡板嵌合溝を有する、無垢の木以外の木
   質系素材からなる框本体と、框本体の少なくとも前面を
   被覆する木目模様の装飾紙とを有し、前記鏡板嵌合溝の
   前後側の縁部の少なくとも前側の縁部が正面から見て曲
   面をなすように切削加工され、その切削加工曲面に木目
   模様塗装が施されている化粧板の框。
2. 【請求項２】 鏡板嵌合溝を有する、無垢の木以外の木
   質系素材からなる長尺の框本体の少なくとも前面を木目
   模様の装飾紙で被覆する工程と、長尺の框本体を所定長
   さに切断する工程と、切断された框本体の鏡板嵌合溝の
   前後側の縁部の少なくとも前側の縁部を正面から見て曲
   面をなすように切削加工する工程と、切削加工された曲
   面に木目模様塗装を施こす工程とを有する、化粧板の框
   の製造方法。