JPH0119708Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は細溝の見掛を有する直線模様入りの裏
棧付き長尺天井板に関する。

近年、住宅等の室内化粧方法も多様化し、従来
は壁面への使用を目的に商品化された化粧板も洋
室用の天井板として使用される事が多くなつて来
つつある。特に合板を基板とし、その上面に木目
模様の印刷紙を貼着した化粧合板で、約60cm当り
の幅に対し、６〜８本の平行する細溝を化粧合板
の長手方向に切削後、さらにその細溝内に溝塗料
を塗布した化粧合板が多用されつつある。所が本
来壁面用として商品化された化粧合板をそのまま
天井板として使用すると種ゝの問題点が発生す
る。

すなわち、通常、長さが約250cmで幅が約60cm
の裏棧加工もされていない化粧合板を天井板とし
て直接天井野縁に施工しようとすると、まず施工
面での問題、特に釘頭が見えることや、長さが短
かくてつなぎ目が見えること、さらには色や模様
が天井板としてはアンバランスなことなどの欠点
が生じている。

そこで、現行の和室用として用いられている幅
が約47cm、長さ約390cm程度で表面は厚さ2.5〜
2.7mm程度の薄い合板の上面に天然スギの突板や、
マツの板目やスギの柾目模様を印刷した化粧紙を
貼着した化粧板で、裏面には長手方向の側面に凹
溝加工した裏棧を梯子状に貼着した通称「長尺目
すかし天井板」に細溝加工することにより天井板
の施工性と、意匠性を向上させることが考えられ
るため、種ゝの方法を検討した。

まず、化粧板と同様に細溝を切削加工しようと
したが、基板である合板が薄すぎることと、長さ
が約４ｍであるため溝を直線でかつ同一深さに切
削し難く、又合板をほぼ中央部でスカーフジヨイ
ントとしていることから、スカーフジヨイント部
が見えるなどの問題点があり現実的でなかつた。

一方印刷紙に木目模様とともに細溝の見掛けを
持つた直線模様をもあらかじめ印刷しておき、合
板表面に従来どおり貼着する方法も検討したが、
印刷紙を合板に正確に直線状に貼着することは現
実的には困難な技術であることが判明し、本考案
の天井板の構成を提供するに至つた。

すなわち本考案は木目模様が印刷された化粧紙
あるいは突板などのシート状物が基板表面に貼着
された天井板の裏面周辺部及び内側に棧材が固着
された裏棧付き天井板において、天井板上面に貼
着されたシート状物上面に塗布された透明塗料よ
りも艶消しで木目模様よりも濃色の直線模様が、
天井板の長手方向にそつて所定の間隔で複数本平
行に印刷された直線模様入り長尺天井板に係り、 その最も特徴とする所は、通常の長尺目すかし
天井板の上面に、その透明塗料よりも艶消しで木
目模様よりも濃色の直線模様を印刷することによ
り、あたかも細溝が天井板に直線的に刻設された
かの様に見せた天井板を提供することにある。

以下、本考案の実施例となる図面により、本考
案を詳述する。

第１図は本考案の実施例となる天井板を表面か
ら見た斜視図で、第２図は裏面から見た図面であ
る。第３図は第２図のＡ−A′拡大断面図を示し
ている。

１は木目模様が印刷された化粧紙や、その上面
に透明塗料が塗布された重さ18〜35ｇ／m²程度の
化粧紙、あるいは厚さが0.2〜1.0mm程度の突板な
どのシート状物を示している。該シート状物１が
印刷紙の場合は第２図に示す様に通常のインクに
より印刷された木目模様２上面に艶のあるスリツ
ク剤等の混入されていない透明塗料３がわずか
（５〜10ｇ／m²程度）に塗布されているのが一般
的である。なお、シート状物１が突板の場合は木
目模様２印刷を行なう必要はない。つぎに該シー
ト状物１の上面に本考案の特徴とする塗布された
透明塗料３よりも艶消しで木目模様２よりも濃色
の平行な直線模様４がインクや塗料により天井板
の長手方向にそつて複数本印刷形成される。印刷
方法としてはフレキソ印刷や、グラビヤオフセツ
ト印刷などの方法を用いると良い。

なお、直線模様４の印刷は、通常のシート状物
１を合板などの基板５上に貼着後に行われるが、
その裏面に棧材６を固着した後に行なつてもよ
い。そして直線模様４はシート状物１全面に透明
塗料を塗布する前、あるいは塗布後に印刷するこ
とが考えられるが、第３図のように透明塗料の上
面に艶消で木目模様２よりも濃色のインクを用い
て印刷した方が効果を高める。

棧材６は常用の鋸材や合板あるいはパーテイク
ルボードなどで構成されており、木工用の接着剤
等により基板５の裏面に固着される。本考案に用
いる艶消しで木目模様２よりも濃色のインクや、
塗料としては通常のラツカーやアミノアルキツド
樹脂などの合成樹脂インクや塗料で良く、該直線
模様１を印刷するに当つてシート状物１全面に透
明塗料３が塗布されていてもスリツク剤が混入さ
れていないから直線模様１は周辺の木目模様２よ
りも艶の消えた状態で容易に印刷される。

以上の様に、本考案では通常構成の長尺目すか
し天井板に周辺の木目模様よりも艶の消えた直線
模様が直接が印刷されているので、該部分があた
かも凹所に見え、直線模様の蛇行や幅の狭広など
従来の方法で発生した問題点は皆無であるなどの
効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例となる天井板を表面か
ら見た斜視図で、第２図は裏面から見た図面であ
る。第３図は第２図のＡ−A′拡大断面図を示し
ている。 １……シート状物、２……木目模様、３……透
明塗料、４……直線模様、５……基板、６……棧
材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 木目模様２が印刷された化粧紙あるいは突板な
   どのシート状物１が基板５表面に貼着された天井
   板の裏面周辺部及び内側に棧材６が固着された裏
   棧付き天井板において、 天井板上面に貼着されたシート状物１上面に塗
   布された透明塗料３よりも艶消しで木目模様２よ
   りも濃色の直線模様４が、天井板の長手方向にそ
   つて所定の間隔で複数本平行に印刷されたことを
   特徴とした直線模様入り長尺天井板。