JP2001237114A - 金属磁性粉末及び磁気記録媒体 - Google Patents
金属磁性粉末及び磁気記録媒体Info
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Abstract
気ヘッド等に対して焼き付きを生じさせない。 【解決手段】 Feを主体とする中心部の外郭に酸化被
膜が形成されてなる金属磁性粉末において、上記中心部
及び上記酸化被膜を酸化させた際の酸化反応機構が未反
応核生成物層内拡散律速モデルであって、その速度係数
が3.5×10-5[sec-1]以下である。
Description
中心部の外郭に酸化被膜が形成されてなる金属磁性粉末
に関し、また、この金属磁性粉末を磁性層に含有する塗
布型の磁気記録媒体に関する。
ータ装置等の記録再生装置に用いられる記録媒体とし
て、少なくとも磁性粉末と結合剤とを含有する磁性塗料
を塗布して形成される磁性層を備える、いわゆる塗布型
の磁気記録媒体が広く使用されている。この磁気記録媒
体は、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料よりな
る非磁性支持体上に、上述した磁性塗料を塗布した後に
乾燥させることによって作製される。
の小型軽量化や記録時間の長時間化が進行しており、こ
れに伴い、上述した塗布型の磁気記録媒体においても、
短波長信号を用いることで高密度記録化が進行してい
る。
性粉末として、従来より使用されている酸化鉄系磁性粉
末より飽和磁化量が大きく、且つ微粒子である金属磁性
粉末を用いていることにより、高密度記録化を目指して
いる。このような金属磁性粉末は、α−Feを主体とす
る中心部の外郭に酸化被膜が形成されてなり、中心部の
α−Feが磁性に寄与する部分となっている。これに対
して、酸化被膜は、中心部のα−Feが酸化することを
防止するものである。
体では、記録再生装置を用いて記録再生をされる場合、
磁性層が磁気ヘッドとの高速摺動により生じた高温の摩
擦熱に晒されている。したがって、磁性層に含有される
金属磁性粉末は、高温酸化反応により酸化し、磁気ヘッ
ドに焼き付きを生じさせてしまう。磁気ヘッドに焼き付
きが発生すると、磁性層と磁気ヘッドとの間に大きな間
隔が形成されることになる。この場合、スペーシングロ
スとなり、磁気ヘッドは所望の出力を得られなくなる。
すなわち、従来の磁気記録媒体では、金属磁性粉末の酸
化によって、スペーシングロスが生じてしまい、磁気ヘ
ッドの出力劣化が著しくなるといった問題点があった。
出されたものであり、耐酸化性に優れ、高温に晒された
としても磁気ヘッド等に対して焼き付きを生じさせるこ
とのない金属磁性粉末及びその製造方法並びに磁気記録
媒体を提供することを目的とする。
ために本発明者が鋭意検討した結果、酸化被膜を有する
金属磁性粉末を酸化させた際の酸化反応が未反応核生成
物層内拡散律速モデルであるとともに、その速度係数が
所定の値以下である場合に、当該金属磁性粉末の酸化安
定性を向上させることができることを見出し、本発明を
完成するに至った。
Feを主体とする中心部の外郭に酸化被膜が形成されて
なる金属磁性粉末において、上記中心部及び上記酸化被
膜を酸化させた際の酸化反応機構が未反応核生成物層内
拡散律速モデルであって、その速度係数が3.5×10
-5[sec-1]以下であることを特徴とするものである。
磁性粉末は、上記中心部及び上記酸化被膜を酸化させた
際の酸化反応機構が未反応核生成物層内拡散律速モデル
となっている。すなわち、本発明に係る金属磁性粉末
は、例えば、高温条件下に晒された際に未反応核生成物
層内拡散律速モデルに従って酸化反応が進行するもので
ある。そして、この金属磁性粉末は、未反応核生成物層
内拡散律速モデルに従って酸化反応が進行する際の速度
係数が3.5×10-5[sec-1]以下であるため、高温
条件下であっても酸化反応に対する安定性に優れたもの
となる。
磁性支持体と、Feを主体とする中心部の外郭に酸化被
膜が形成されてなる金属磁性粉末を含有する磁性層とを
有する磁気記録媒体において、上記磁性層に含有される
金属磁性粉末は、上記中心部及び上記酸化被膜を酸化さ
せた際の酸化反応機構が未反応核生成物層内拡散律速モ
デルであって、その速度係数が3.5×10-5[sec
-1]以下であることを特徴とするものである。
は、例えば、高温条件下に晒された際に未反応核生成物
層内拡散律速モデルに従って金属磁性粉末の酸化反応が
進行する。このため、磁気記録媒体では、長期間走行に
よっても磁気特性の劣化を防止できる。
及び磁気記録媒体の実施の形態について、図面を参照し
て詳細に説明する。
示すように、非磁性支持体1と、非磁性支持体1上に形
成された中間層2と、中間層2上に形成され磁性層3と
からなる。
磁気記録媒体で用いられるものは、いずれも使用可能で
ある。具体的には、ポリエチレンテレフタレート等のポ
リエルテル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン系、セルローストリアセテート、セルロース
ダイアセテート、セルロースブチレート等のセルロース
誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニ
ル系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド
イミド等のプラスチックの他、アルミニウム合金、チタ
ン合金等の軽金属、アルミナガラス等のセラミック等が
挙げられる。
ガラス板等の剛性を有する基板を使用した場合には、基
板表面にアルマイト処理等の酸化被膜やNi−P被膜等
を形成して、その表面を硬くするようにしても良い。
のではなく、テープ状、ディスク状又はカード状等のい
ずれの形状であっても良い。
又は磁性粉末を結合剤中に分散してなる中間層用塗料を
塗布して形成される。
いる公知の非磁性粉末、例えばα−Fe2O3、Ti
O2、Cr2O3、α−FeOOH、CaO、SiO2等を
用いることができる。また、磁性粉末としては、従来よ
り公知のものが何れも使用可能であり、酸化物磁性粉末
であっても良い。酸化物磁性粉末としては、例えば、γ
−Fe2O3、Co含有γ−Fe2O3、Fe3O4、Co含
有Fe3O4、Co被着γ−Fe2O3、Co被着Fe
3O4、CrO2等が挙げられる。
来より使用されている公知の結合剤を用いることができ
る。具体的には、後述する磁性層3に含有される結合剤
と同様のものが挙げられる。
散してなる磁性塗料を、中間層2上に塗布することによ
り形成される。
あり、α−Fe等の金属で構成される中心部と、中心部
の外郭に形成された酸化被膜とを有するものである。酸
化被膜は、α−Fe粉末等の金属をいわゆる徐酸化する
ことにより、当該金属の表面を酸化させることにより形
成される。これにより、α−Fe等よりなる中心部と、
この中心部を覆う酸化被膜とからなる金属磁性粉末が作
製される。
素からなる雰囲気で200℃程度に加熱するといった高
温酸化反応を行うと、その高温酸化反応機構が未反応核
生成物層内拡散律速モデルとなり、且つ、その速度係数
が3.5×10-5[sec-1]以下となっている。言い
換えると、この金属磁性粉末は、3.5×10-5[se
c-1]以下の速度係数で未反応核生成物層内拡散律速モ
デルに従って高温酸化反応が進行するものである。
る。高温酸化反応機構には、全域反応モデル、核成長モ
デル及び未反応核モデルがある。また、未反応核モデル
には、生成物層内拡散律速モデル、ガス境膜内拡散律速
モデル及び表面反応律速モデルがある。これら高温酸化
反応機構は、酸化反応率x、速度係数k[sec-1]及
び時間t[sec]を用いて以下に示すよなモデル式で
表される。
ktのモデル式で表され、α−Fe粉末の表面から中心
まで均一に酸化反応が進行するモデルである。このた
め、高温酸化反応機構が全域反応モデルで進行する場合
には、酸化反応が速く、酸化安定性に優れた金属磁性粉
末とはいえない。
n(n=1.5〜4)のモデル式で表され、酸化されて
なる生成物の体積変化が大きいモデルである。このた
め、高温酸化反応モデルが核成長モデルで進行する場合
には、酸化被膜に欠陥やクラックが発生してしまい、こ
れら欠陥やクラックから酸素が進入して内部のα−Fe
部分を酸化させるため、酸化安定性に優れた金属磁性粉
末とはいえない。
デルの場合(1−x)ln(1−x)+x=ktのモデ
ル式で表され、表面反応律速モデルの場合1−(1−
x)1/8=ktのモデル式で表され、ガス境膜内拡散律
速モデルの場合x=ktで表され、金属磁性粉末の表面
から酸化反応が徐々に進行するモデルである。このた
め、未反応核モデルは、酸化反応が緩やかに進行するた
め、酸化安定性に優れた金属磁性粉末といえる。
表面反応律速モデル及びガス境内拡散律速モデルでは、
酸化が内部にまで進行した場合にもほぼ一定の速度で酸
化反応が進行する。これに対して未反応核モデルのなか
で生成物層内拡散律速モデルでは、最も酸化反応の進行
が遅く、且つ、酸化反応が内部に進行するに従ってα−
Fe粉末表面の酸化被膜が厚くなるために酸化反応速度
がより遅くなる。
ルの生成物層内拡散律速モデルで高温酸化反応が進行す
るとともに、そのときの速度係数kが3.5×10
-5[sec-1]以下となるものである。
応核モデルの生成物層内拡散律速モデルのモデル式でプ
ロットし、その結果として得られる相関係数R2が0.
98以上である場合、金属磁性粉末の高温酸化反応機構
が未反応核モデルの生成物層内拡散律速モデルに適合し
ているものとする。言い換えると、相関係数R2が0.
98未満である場合、上述した他の高温酸化反応機構が
混在しているものとなる。
がα−Fe粉末、Fe−Co合金粉末、Fe−Al合金
粉末、Fe−Al−Ni合金粉末、Fe−Al−Zn合
金粉末、Fe−Al−Co合金粉末、Fe−Al−Ca
合金粉末、Fe−Ni合金粉末、Fe−Ni−Al合金
粉末、Fe−Ni−Co合金粉末、Fe−Ni−Si−
Al−Mn合金粉末、Fe−Ni−Si−Al−Zn合
金粉末、Fe−Al−Si合金粉末、Fe−Ni−Zn
合金粉末、Fe−Ni−Mn合金粉末、Fe−Ni−S
i合金粉末、Fe−Mn−Zn合金粉末、Fe−Co−
Ni−P合金粉末、窒化鉄又は炭化鉄からなるものを挙
げることができる。
i等の元素を添加したものであることが好ましい。これ
らCo、Ni等の元素の添加量を増加することによっ
て、未反応核モデルの生成物層内拡散律速モデルについ
ての相関係数R2を増加させることができるとともに未
反応核モデルの生成物層内拡散律速モデルにおける速度
係数kを小とすることができる。したがって、例えば、
Co、Ni等の元素の添加量を制御することによって、
金属磁性粉末の高温酸化反応機構を未反応核モデルの生
成物層内拡散律速モデルに適合させることができると同
時に、未反応核モデルの生成物層内拡散律速モデルによ
る高温酸化反応を緩やかに進行させることができる。な
お、金属磁性粉末にCoを添加した場合には酸化被膜中
にCoFe2O4が存在することとなり、また、金属磁性
粉末にNiを添加した場合には酸化被膜中にNiFe2
O4が存在することとなる。
する手法としては、従来より公知の方法を使用すること
ができる。例示するならば、ゲーサイトを作製する工程
の初期においてα−Fe粉末に添加元素を添加した後に
合金化する方法や、針状ゲーサイトを作製した後に添加
元素を被着させ、この状態で加熱することにより添加元
素を内部に拡散させる方法、或いはこれらの方法を組み
合わせる方法が挙げられる。
0emu/g以上、150emu/g以下であることが
好ましい。金属磁性粉末の飽和磁化量が80emu/g
より小さい場合には、磁気記録媒体が十分な出力を示さ
ない可能性がある。一方、金属磁性粉末の飽和磁化量が
150emu/gより大きい場合には、磁性層3中にお
いて金属磁性粉末同士が凝集する虞がある。これによ
り、金属磁性粉末の飽和磁化量が150emu/gより
大きい場合、磁気記録媒体は、磁性層3の表面性が劣化
する虞があり、その結果、電磁変換特性が劣化する虞が
ある。なお、金属磁性粉末の飽和磁化量は、通常の金属
磁性粉末を作製した後に、徐酸化工程の反応温度と雰囲
気条件とを調整することにより制御することができる。
が0.01μm以上、0.2μm以下の範囲であること
が好ましく、0.03μm以上、0.15μm以下の範
囲であることがより好ましい。且つ、金属磁性粉末のX
線結晶粒径(Dx)が5nm以上、25nm以下の範囲
であることが好ましい。
より小さい場合、超常磁性となる虞がある。その結果、
磁気記録媒体には、電磁変換特性が著しく低下する虞が
ある。一方、金属磁性粉末の平均長軸長が0.2μmよ
り大きい場合、短波長記録におけるノイズ成分が増加す
る虞がある。その結果、磁気記録媒体には、SN比が劣
化して、電磁変換特性が低下する虞がある。また、金属
磁性粉末のX線結晶粒径が5nmより小さい場合、超常
磁性となる虞がある。その結果、磁気記録媒体は、電磁
変換特性が著しく低下する虞がある。一方、金属磁性粉
末のX線結晶粒径が25nmより大きい場合には、短波
長記録におけるノイズ成分が増加する虞がある。その結
果、磁気記録媒体には、電磁変換特性が低下する虞があ
る。
防止、形状安定等を目的とした添加元素又は酸化物等を
添加してもよい。これら添加元素及び酸化物としては、
例えばY、Nd、La等の希土類元素及びAl、Si、
Ca等や、これらの酸化物、α−Fe2O3、γ−Fe2
O3、Fe3O4等のFeの酸化物が挙げられる。特に、
酸化被膜中にAlやSi等の元素を添加するとともにこ
れらの添加量を調節することによって、未反応核モデル
の生成物層内拡散律速モデルにおける相関係数R2を大
とすることができる。
来より使用されている公知の結合剤を用いることができ
る。具体的には、ポリビニル系共重合体樹脂、ポリエス
テルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン
樹脂、ニトロセルロース樹脂、或いはこれらの樹脂の混
合物等が挙げられる。
応じて潤滑剤、研磨材、帯電防止剤等の添加剤が添加さ
れていても良い。これら添加剤としては、従来より公知
である添加剤を用いることができる。
先ず、非磁性粉末及び/又は磁性粉末を結合剤中に分散
してなる中間層用塗料と、上述した金属磁性粉末を結合
剤中に分散してなる磁性塗料とを、混練機及び希釈分散
機を用いて、上述した各成分を溶剤とともに混練分散す
ることによりそれぞれ調製する。
従来より塗料化の際に用いられている公知の溶剤、例え
ばメチルエチルケトン、トルエン、酢酸ブチル、シクロ
ヘキサノン等を使用することができる。また、混練機及
び希釈分散機としては、従来から公知の機械が使用可能
である。具体的に混練機としては、連続二軸混練機(エ
クストルーダ)、コニーダ及び加圧ニーダ等が挙げられ
る。また、希釈分散機としては、縦型サンドミル、横型
サンドミル、スパイクミル、パールミル及びダブルシリ
ンダーパールミル等が挙げられる。
順に非磁性支持体1上に塗布して、中間層2及び磁性層
3を形成する。
性塗料を一層ずつ塗布して乾燥を行ういわゆるウェット
・オン・ドライ方式を用いても良く、湿潤状態にある中
間層用塗料の上に磁性塗料を重ねて塗布するいわゆるウ
ェット・オン・ウェット方式を用いても良い。ウェット
・オン・ウェット方式により塗布を行うときは、塗布装
置として主にダイコータを用いる。
層3を形成した後に配向処理を施し、湿潤状態の塗膜を
乾燥させた後、必要に応じてカレンダ処理等の表面平滑
処理を施して、磁気記録媒体原反を作製する。なお、必
要であればバックコート層を非磁性支持体1の磁性層3
を形成した面とは反対側の面に塗布する。
を所望の形状にスリット又は打ち抜くことで、磁気記録
媒体が作製される。
部として磁気抵抗効果素子(以下、MR素子と称する)
を有する磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、MR再生ヘ
ッドと称する。)を用いて信号を再生する磁気記録再生
システムに使用することが好ましい。すなわち、磁気記
録媒体は、上述した金属磁性粉末を磁性層に含有するた
め、MR再生ヘッドを備える磁気記録再生システムに好
適に使用される。
中心部が磁性を有し、酸化被膜が非磁性となっている。
このため、磁気記録媒体は、インダクティブヘッドを用
いて信号を再生する磁気記録再生システムに用いられた
場合、金属磁性粉末の飽和磁化量が十分でないため、優
れた再生出力が得られない虞がある。しかしながら、M
R再生ヘッドでは、磁気記録媒体からの信号磁界が小さ
い場合でも十分に良好な再生出力を得ることができる。
磁気記録媒体は、上述した金属磁性粉末を磁性層に含有
するため、MR再生ヘッドを用いて信号を再生する記録
再生システムに好適に使用することができる。逆に、上
述したような酸化被膜を有さない金属磁性粉末を使用し
た場合、当該金属磁性粉末の飽和磁化量が大きすぎて磁
気抵抗変化の線形性が損なわれ、出力特性が劣化する虞
がある。
素子をシールドで挟み込んだシールド型のMRヘッドを
用い、これを回転ドラムに搭載して記録再生装置を構成
する。
磁気記録システムと本発明に係る磁気記録媒体とを組み
合わせることにより、これまでにない高密度記録システ
ムを構築することができる。
磁気記録再生装置は、回転ドラムを用いて記録再生を行
うヘリカルスキャン方式の磁気記録再生装置であり、回
転ドラムに搭載された再生用磁気ヘッドとして、MRヘ
ッドを使用する。
ラム装置の一構成例を図2及び図3に示す。なお、図2
は回転ドラム装置Dの概略を示す斜視図であり、図3は
回転ドラム装置Dを含む磁気テープ送り機構10の概略
を示す平面図である。
円筒状の固定ドラム4と、円筒状の回転ドラム5と、回
転ドラム5を回転駆動するモータ6と、回転ドラム5に
搭載された一対のインダクティブ型磁気ヘッド7a,7
bと、回転ドラム5に搭載された一対のMRヘッド8
a,8bとを備える。
持されるドラムである。この固定ドラム4の側面には、
磁気テープMの走行方向に沿ってリードガイド部9が形
成されている。後述するように、記録再生時に磁気テー
プMは、このリードガイド部9に沿って走行する。そし
て、この固定ドラム4と中心軸が一致するように、回転
ドラム5が配されている。
録再生時に、モータ6によって所定の回転速度で回転駆
動されるドラムである。この回転ドラム5は、固定ドラ
ム4と略同径の円筒状に形成されてなり、固定ドラム4
と中心軸が一致するように配されている。そして、この
回転ドラム5の固定ドラム4に対向する側には、一対の
インダクティブ型磁気ヘッド7a,7b及び一対のMR
ヘッド8a,8bが搭載されている。
は、一対の磁気コアが磁気ギャップを介して接合される
とともに、磁気コアにコイルが巻装されてなる記録用磁
気ヘッドであり、磁気テープMに対して信号を記録する
際に使用される。そして、これらのインダクティブ型磁
気ヘッド7a,7bは、回転ドラム5の中心に対して互
いに成す角度が180°となり、それらの磁気ギャップ
部分が回転ドラム5の外周から突き出すように、回転ド
ラム5に搭載されている。なお、これらのインダクティ
ブ型磁気ヘッド7a,7bは、磁気テープMに対してア
ジマス記録を行うように、アジマス角が互いに逆となる
ように設定されている。
プMからの信号を検出する感磁素子としてMR素子を備
えた再生用磁気ヘッドであり、磁気テープMから信号を
再生する際に使用される。そして、これらのMRヘッド
8a,8bは、回転ドラム5の中心に対して互いに成す
角度が180°となり、磁気ギャップ部分が回転ドラム
の外周から突き出すように、回転ドラム5に搭載されて
いる。なお、これらのMRヘッド8a,8bは、磁気テ
ープMに対してアジマス記録された信号を再生できるよ
うに、アジマス角が互いに逆となるように設定されてい
る。
回転ドラム装置Dに磁気テープMを摺動させて、磁気テ
ープMに対する信号の記録や、磁気テープMからの信号
の再生を行う。
図3に示すように、供給リール11からガイドローラ1
2,13を経て、回転ドラム装置Dに巻き付くように送
られ、この回転ドラム装置Dで記録再生がなされる。そ
して、回転ドラム装置Dで記録再生がなされた磁気テー
プMは、ガイドローラ14,15、キャプスタン16、
ガイドローラ17を経て、巻き取りロール18へと送ら
れる。すなわち、磁気テープMは、キャプスタンモータ
19により回転駆動されるキャプスタン16によって所
定の張力及び速度にて送られ、ガイドローラ17を経て
巻き取りロール18に巻き取られる。
Aに示すように、モータ6によって回転駆動される。一
方、磁気テープMは、固定ドラム4のリードガイド部9
に沿って、固定ドラム4及び回転ドラム5に対して斜め
に摺動するように送られる。すなわち、磁気テープM
は、テープ走行方向に沿って、図2中矢印Bに示すよう
にテープ入口側から固定ドラム4及び回転ドラム5に摺
接するようにリードガイド部9に沿って送られ、その
後、図2中矢印Cに示すようにテープ出口側へと送られ
る。
ついて、図4を参照して説明する。
ドラム5の中心には、回転軸21が挿通されている。な
お、固定ドラム4、回転ドラム5及び回転軸21は導電
材料からなり、これらは電気的に導通しており、固定ド
ラム4が接地されている。
は、2つの軸受け22,23が設けられており、これに
より、固定ドラム4に対して回転軸21が回転可能に支
持されている。すなわち、回転軸21は、軸受け22,
23により、固定ドラム4に対して回転可能に支持され
ている。一方、回転ドラム5には、その内周部にフラン
ジ24が形成されており、このフランジ24が回転軸2
1の上端部に固定されている。これにより、回転ドラム
5は、回転軸21の回転に伴って回転するようになされ
ている。
ドラム4と回転ドラム5との間で信号の伝送を行うため
に、非接触型の信号伝送装置であるロータリトランス2
5が配されている。このロータリトランス25は、固定
ドラム4に取り付けられたステータコア26と、回転ド
ラム5に取り付けられたロータコア27とを有してい
る。
フェライト等のような磁性材料が、回転軸21を中心と
する円環状に形成されてなる。また、ステータコア26
には、一対のインダクティブ型磁気ヘッド7a,7bに
対応した一対の信号伝送用リング26a,26bと、一
対のMRヘッド8a,8bに対応した信号伝送用リング
26cと、一対のMRヘッド8a,8bの駆動に必要な
電力を供給するための電力伝送用リング26dとが、同
心円状に配置されている。同様に、ロータコア27に
も、一対のインダクティブ型磁気ヘッド7a,7bに対
応した一対の信号伝送用リング27a,27bと、一対
のMRヘッド8a,8bに対応した信号伝送用リング2
7cと、一対のMRヘッド8a,8bの駆動に必要な電
力を供給するための電力伝送用リング27dとが、同心
円状に配置されている。
26d,27a,27b,27c,27dは、回転軸2
1を中心として円環状に巻回されたコイルからなり、ス
テータコア26の各リング26a,26b,26c,2
6dと、ロータコア27の各リング27a,27b,2
7c,27dとがそれぞれ対向するように配されてい
る。そして、このロータリトランス25は、ステータコ
ア26の各リング26a,26b,26c,26dと、
ロータコア27の各リング27a,27b,27c,2
7dとの間で、非接触にて信号や電力の伝送を行うよう
になっている。
5を回転駆動させるモータ6が取り付けられている。こ
のモータ6は、回転部分であるロータ28と、固定部分
であるステータ29とを有している。ロータ28は、回
転軸21の下端部に取り付けられており、駆動用マグネ
ット30を備えている。一方、ステータ29は、固定ド
ラム4の下端部に取り付けられており、駆動用コイル3
1を備えている。そして、駆動用コイル31に電流を供
給することにより、ロータ28が回転駆動される。これ
により、ロータ28に取り付けられている回転軸21が
回転し、それに伴って、回転軸21に固定されている回
転ドラム5が回転駆動されることとなる。
よる記録再生について、この回転ドラム装置D並びにそ
の周辺回路についての回路構成の概略を示す図5を参照
して説明する。
Mに信号を記録する際は、先ず、モータ6の駆動用コイ
ル31に電流が供給され、これにより、回転ドラム5が
回転駆動される。そして、回転ドラム5が回転している
状態にて、図5に示すように、外部回路40からの記録
信号が記録用アンプ41に供給される。
記録信号を増幅し、一方のインダクティブ型磁気ヘッド
5aによって信号を記録するタイミングの時、当該イン
ダクティブ型磁気ヘッド5aに対応したステータコア2
6の信号伝送用リング26aに記録信号を供給し、ま
た、他方のインダクティブ型磁気ヘッド5bによって信
号を記録するタイミングの時、当該インダクティブ型磁
気ヘッド5bに対応したステータコア26の信号伝送用
リング26bに記録信号を供給する。
ド7a,7bは、上述したように、回転ドラム5の中心
に対して互いに成す角度が180°となるように配され
ているので、これらのインダクティブ型磁気ヘッド7
a,7bは、180°の位相差を持って交互に記録する
こととなる。すなわち、記録用アンプ41は、一方のイ
ンダクティブ型磁気ヘッド5aに記録信号を供給するタ
イミングと、他方のインダクティブ型磁気ヘッド5bに
記録信号を供給するタイミングとを、180°の位相差
を持って交互に切り換える。
ド5aに対応したステータコア26の信号伝送用リング
26aに供給された記録信号は、非接触にてロータコア
27の信号伝送用リング27aに伝送される。そして、
ロータコア27の信号伝送用リング27aに伝送された
記録信号は、インダクティブ型磁気ヘッド5aに供給さ
れ、当該インダクティブ型磁気ヘッド5aにより、磁気
テープMに対して信号の記録がなされる。
ド5bに対応したステータコア26の信号伝送用リング
26bに供給された記録信号は、非接触にてロータコア
27の信号伝送用リング27bに伝送される。そして、
ロータコア27の信号伝送用リング27bに伝送された
記録信号は、インダクティブ型磁気ヘッド5bに供給さ
れ、当該インダクティブ型磁気ヘッド5bにより、磁気
テープMに対して信号の記録がなされる。
テープMからの信号を再生する際は、先ず、モータ6の
駆動用コイル31に電流が供給され、これにより、回転
ドラム5が回転駆動される。そして、回転ドラム5が回
転している状態にて、図5に示すように、オシレータ4
2から高周波の電流がパワードライブ43に供給され
る。
ワードライブ43によって所定の交流電流に変換された
上で、ステータコア26の電力伝送用リング26dに供
給される。そして、ステータコア26の電力伝送用リン
グ26dに供給された交流電流は、非接触にてロータコ
ア27の電力伝送用リング27dに伝送される。そし
て、ロータコア27の電力伝送用リング27dに伝送さ
れた交流電流は、整流器44により整流されて直流電流
とされレギュレータ45に供給され、当該直流電流はレ
ギュレータ45により所定の電圧に設定される。
電圧に設定された電流は、一対のMRヘッド8a,8b
にセンス電流として供給される。なお、一対のMRヘッ
ド8a,8bには、当該MRヘッド8a,8bからの信
号を検出する再生用アンプ46が接続されており、レギ
ュレータ45からの電流は、この再生用アンプ46にも
供給される。
界の大きさによって抵抗値が変化するMR素子を備えて
いる。そして、MRヘッド8a,8bは、磁気テープM
からの信号磁界により、MR素子の抵抗値が変化し、こ
れにより、センス電流に電圧変化が現れるようになされ
ている。
化を検出し、当該電圧変化に応じた信号を再生信号とし
て出力する。なお、再生用アンプ46は、一方のMRヘ
ッド6aによって信号を再生するタイミングの時、当該
MRヘッド6aによって検出した再生信号を出力し、ま
た、他方のMRヘッド6bによって信号を再生するタイ
ミングの時、当該MRヘッド6bによって検出した再生
信号を出力する。
上述したように、回転ドラム5の中心に対して互いに成
す角度が180°となるように配されているので、これ
らのMRヘッド8a,8bは、180°の位相差を持っ
て交互に再生することとなる。すなわち、再生用アンプ
46は、一方のMRヘッド6aからの再生信号を出力す
るタイミングと、他方のMRヘッド6bからの再生信号
を出力するタイミングとを、180°の位相差を持って
交互に切り換える。
は、ロータコア27の信号伝送用リング27cに供給さ
れ、この再生信号は、非接触にてステータコア26の信
号伝送用リング26cに伝送される。ステータコア26
の信号伝送用リング26cに伝送された再生信号は、再
生用アンプ47によって増幅された上で、補正回路48
に供給される。そして、再生信号は、補正回路48によ
り所定の補正処理が施された後、外部回路40へと出力
される。
場合、一対のインダクティブ型磁気ヘッド7a,7b、
一対のMRヘッド8a,8b、整流器44、レギュレー
タ45及び再生用アンプ46は、回転ドラム5に搭載さ
れ、回転ドラム5と共に回転する。一方、記録用アンプ
41、オシレータ42、パワードライブ43、再生用ア
ンプ47及び補正回路48については、回転ドラム装置
Dの固定部分に配するか、或いは、回転ドラム装置Dと
は別に構成された外部回路とする。
Rヘッド8a,8bについて、図6を参照して詳細に説
明する。なお、MRヘッド6a及びMRヘッド6bは、
アジマス角が互いに逆となるように設定されている他
は、同一の構成を有している。そこで、以下の説明で
は、これらのMRヘッド8a,8bをまとめてMRヘッ
ド6と称する。
れ、ヘリカルスキャン方式によって磁気テープMからの
信号を、磁気抵抗効果を利用して検出する再生専用の磁
気ヘッドである。一般に、MRヘッドは、電磁誘導を利
用して記録再生を行うインダクティブ型磁気ヘッドより
も感度が高く再生出力が大きいので、高密度記録に適し
ている。したがって、再生用磁気ヘッドとしてMRヘッ
ド6を用いることで、より高密度記録化を図ることがで
きる。
ように、Ni−Zn多結晶フェライト等のような軟磁性
材料からなる一対の磁気シールド51,52と、絶縁体
53を介して一対の磁気シールド51,52によって挟
持された略矩形状のMR素子部54とを備える。なお、
MR素子部54の両端からは、一対の端子が導出されて
おり、これらの端子を介して、MR素子部54にセンス
電流を供給できるようになされている。
MR素子と、SAL(Soft Adjacent Layer)膜と、M
R素子とSAL膜との間に配された絶縁体膜とが積層さ
れてなる。MR素子は、異方性磁気抵抗効果(AMR)
により、外部磁界の大きさによって抵抗値が変化するN
i−Fe等のような軟磁性材料からなる。SAL膜は、
いわゆるSALバイアス方式により、MR素子にバイア
ス磁界を印加するためのものであり、パーマロイ等のよ
うに低保磁力で高透磁率の磁性材料からなる。絶縁体膜
は、MR素子とSAL膜との間を絶縁し、電気的な分流
損を防ぐためのものであり、Ta等のような絶縁材料か
らなる。
れてなり、一側面が磁気テープ摺動面55に露呈するよ
うに、一対の磁気シールド51,52によって絶縁体5
3を介して挟持されている。詳細には、このMR素子部
54は、短軸方向が磁気テープ摺動面55に対して略垂
直となり、長軸方向が磁気テープ摺動方向に対して略直
交するように、一対の磁気シールド51,52によって
絶縁体53を介して挟持されている。
は、当該磁気テープ摺動面55にMR素子部54の一側
面が露呈するように、磁気テープMの摺動方向に沿って
円筒研磨されているとともに、磁気テープMの摺動方向
に対して直交する方向に沿って円筒研磨されている。こ
れにより、このMRヘッド6は、MR素子部54或いは
その近傍部分が最も突出するようになされている。この
ように、MR素子部54或いはその近傍部分が最も突出
するようにすることにより、MR素子部54の磁気テー
プMに対する当たり特性を良好なものとすることができ
る。
て磁気テープMからの信号を再生する際は、図7に示す
ように、磁気テープMをMR素子部54に摺動させる。
なお、図7中の矢印は、磁気テープMが磁化されている
様子を模式的に示している。
子部54に摺動させた状態で、MR素子部54の両端に
接続された端子54a,54bを介して、MR素子部5
4にセンス電流を供給し、当該センス電流の電圧変化を
検出する。具体的には、MR素子部54の一端に接続さ
れた端子54aから、所定の電圧Vcを印加するととも
に、MR素子部54の他端に接続された端子54bを、
回転ドラム5に接続しておく。ここで、回転ドラム5は
回転軸21を介して固定ドラム4に電気的に導通してお
り、また、固定ドラム4は接地されている。したがっ
て、MR素子部54に接続された一方の端子54bは、
回転ドラム5、回転軸21及び固定ドラム4を介して接
地されている。
MR素子部54にセンス電流を供給すると、磁気テープ
Mからの磁界に応じて、MR素子部54に形成されたM
R素子の抵抗値が変化し、その結果、センス電流に電圧
変化が生じる。そこで、このセンス電流の電圧変化を検
出することにより、磁気テープMからの信号磁界が検出
され、磁気テープMに記録されている信号が再生され
る。
素子部54に形成されるMR素子は、磁気抵抗効果を示
す素子であれば良く、例えば、複数の薄膜を積層するこ
とにより、より大きな磁気抵抗効果を得られるようにし
た、いわゆる巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)も使
用可能である。また、MR素子にバイアス磁界を印加す
る手法は、SALバイアス方式でなくてもよく、例え
ば、永久磁石バイアス方式、シャント電流バイアス方
式、自己バイアス方式、交換バイアス方式、バーバーポ
ール方式、分割素子方式、サーボバイアス方式等、種々
の手法が適用可能である。なお、巨大磁気抵抗効果並び
に各種バイアス方式については、例えば、丸善株式会社
発行の「磁気抵抗ヘッド−基礎と応用 林和彦訳」に詳
細に記載されている。
具体的な実験結果に基づいて詳細に説明する。
層と磁性層とを備える磁気テープを作製した。
末を用いて、徐酸化工程を経ることによりFe粉末表面
に酸化被膜を形成し、金属磁性粉末を作製した。次に、
この金属磁性粉末の一部を取り出し、セイコーインスツ
ルメンタル株式会社製のEXSTAR6000シリーズのTG−D
TAで高温酸化反応させた。高温酸化反応条件として
は、N2雰囲気中にて100℃/minで200℃まで
昇温し、その後、N2(80%)+O2(20%)雰囲気
にて30min保持した。そして、高温酸化反応させた
ときの重量変化を測定し、更に十分に酸化し、重量変化
が飽和したときの値を完全酸化反応後の重量変化とし
た。酸化反応率は、完全酸化反応後の重量変化により規
格化し、(1−x)ln(1−x)+x=ktのモデル
式にてプロットを行った。その結果、実施例1に使用す
る金属磁性粉末は、以下に示すような特性となってい
る。
係数R2=0.995 未反応核生成物層内拡散律速モデルの速度定数k=1.
4×10-5[sec] また、この金属磁性粉末の飽和磁化を、を試料振動型磁
力計(東栄工業社製)を用いて測定したところ、134
Am2/kgであった。さらに、この金属磁性粉末のX
線粒径を、X線回折装置(理学電機社製)を用いて測定
したところ、13.1nmであった。さらに、この金属
磁性粉末の長軸長を、透過型電子顕微鏡(日本電子社
製)で撮影した電子顕微鏡写真から200点の平均値と
して計測したところ、0.06μmであった。
成となるように上層用磁性塗料を調製した。
取り、混練分散させることで中間層用塗料を調整した。
を、ポリエチレンテレフタレートからなる非磁性支持体
上に塗布した後に乾燥させて、磁気テープ原反を作製し
た。そして、この磁気テープ原反を8mmの幅に裁断
し、実施例1の磁気テープを得た。なお、この磁気テー
プにおいて、磁性層の厚さは0.3μm、中間層厚さは
1.5μmとした。
粉末を使用した以外は実施例1と同様にして磁気テープ
を作製した。なお、この金属磁性粉末を高温酸化反応さ
せると、未反応核生成物層内拡散律速モデルの相関係数
R2が0.996、その速度定数kが1.1×10-5で
あった。
化被膜を厚くし、未反応核生成物層内拡散律速モデルの
相関係数R2が0.985、その速度定数kが3.1×
10-5である金属磁性粉末を使用した以外は実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
化被膜を厚くし、未反応核生成物層内拡散律速モデルの
相関係数R2が0.989、そ速度定数kが2.9×1
0-5である金属磁性粉末を使用した以外は実施例1と同
様にして磁気テープを作製した。
Fe3O4の一部をCoFe2O4に置換したものを使用し
た以外は実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
実施例5で使用した金属磁性粉末は、未反応核生成物層
内拡散律速モデルの相関係数R2が0.991、その速
度定数kが2.1×10-5であった。
成物層内拡散律速モデルの相関係数R2が0.989、
その速度定数kが2.8×10-5である金属磁性粉末を
使用した以外は実施例1と同様にして磁気テープを作製
した。
加することにより、未反応核生成物層内拡散律速モデル
の相関係数R2が0.987、その速度定数kが2.5
×10-5である金属磁性粉末を使用した以外は実施例1
と同様にして磁気テープを作製した。
長を変更し、未反応核生成物層内拡散律速モデルの相関
係数R2が0.981、速度定数kが3.5×10-5で
ある金属磁性粉末を使用した以外は実施例1と同様にし
て磁気テープを作製した。
長を変更し、未反応核生成物層内拡散律速モデルの相関
係数R2が0.995、その速度定数kが1.9×10
-5である金属磁性粉末を使用した以外は実施例1と同様
にして磁気テープを作製した。
未反応核生成物層内拡散律速モデルの相関係数R2が
0.991、その速度定数kが2.7×10-5である金
属磁性粉末を使用した以外は実施例1と同様にして磁気
テープを作製した。
り、未反応核生成物層内拡散律速モデルの相関係数R2
が0.98、その速度定数kが3.5×10-5である金
属磁性粉末を使用した以外は実施例1と同様にして磁気
テープを作製した。
結晶粒径(Dx)が26.1nmであり、未反応核生成
物層内拡散律速モデルの相関係数R2が0.985、そ
の速度定数kが3.2×10-5である金属磁性粉末を使
用した以外は実施例1と同様にして磁気テープを作製し
た。
線結晶粒径(Dx)が4.9nmであり、未反応核生成
物層内拡散律速モデルの相関係数R2が0.98、その
速度定数kが3.5×10-5である金属磁性粉末を使用
した以外は実施例1と同様にして磁気テープを作製し
た。
よって、未反応核生成物層内拡散律速モデルの相関係数
R2が0.969、その速度定数kが1.1×10-4で
ある金属磁性粉末を使用した以外は実施例1と同様にし
て磁気テープを作製した。
に、実施例6の金属磁性粉末においてNiを添加しない
ことによって、未反応核生成物層内拡散律速モデルの相
関係数R2が0.973、速度定数kが7.8×10-5
である金属磁性粉末を使用した以外は実施例1と同様に
して磁気テープを作製した。
関係数R2が0.981、その速度定数kが5.2×1
0-5である金属磁性粉末を使用した以外は実施例1と同
様にして磁気テープを作製した。
ることによって、未反応核生成物層内拡散律速モデルの
相関係数R2が0.982、その速度定数kが7.1×
10-5である金属磁性粉末を使用した以外は実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。
例13及び比較例1〜比較例4の磁気テープに対して、
電磁変換特性を以下に示すようにして評価した。
た磁気テープ記録再生装置と、インダクティブ再生ヘッ
ドを搭載した磁気テープ記録再生装置との2種類を用い
て、種々の電磁変換特性を以下に示すようにして評価し
た。
プ記録再生装置において、MR再生ヘッドの素子として
はFeNi−AMR(異方性磁気抵抗効果素子)を用い
た。また、このMR再生ヘッドにおいて、飽和磁化量は
800emu/gであり、膜厚は40nmであり、シー
ドル素材はNiZnであり、シードル間距離は0.17
μmである。更に、トラック幅は18μmであり、アジ
マス角は25度である。
は、MIGヘッドを使用し、記録波長0.5μmにて信
号を記録した。
20%の環境下において、10パス走行後の出力の低下
を測定した。
例13は、比較例1〜比較例4と比較して出力劣化が低
く抑えられている。このことから、金属磁性粉末は、高
温酸化反応したとき、未反応核生成物層内拡散律速モデ
ルの相関係数R2が0.98以上であり、その速度定数
kが3.5×10-5以下である場合、優れた耐久性を有
することが判る。
が3.5×10-5以下であっても相関係数R2が0.9
8以上でない場合には、高温酸化反応を未反応核生成物
層内拡散律速モデルで進行させることができないため、
出力劣化が著しくなっている。このことから、高温酸化
反応が未反応核生成物層内拡散律速モデルで進行する金
属磁性粉末は、耐久性に優れたものであることが判る。
に、未反応核生成物層内拡散律速モデルの相関係数R2
が0.98以上であっても速度定数kが3.5×10-5
以下でない場合には、酸化反応の進行度が速く、その結
果、出力劣化が著しくなっている。このことから、高温
酸化反応が未反応核生成物層内拡散律速モデルで進行
し、且つ、酸化反応の進行度が遅くい金属磁性粉末は、
耐久性に優れたものであることが判る。
うに、相関係数R2が0.98以上であり、速度定数k
が3.5×10-5以下であっても、飽和磁化や長軸長が
所定の範囲から外れる場合には、出力劣化は低く抑えら
れるものの、インダクティブ再生ヘッドにおけるSN比
が悪いことが判る。このことから、金属磁性粉末の飽和
磁化を80〜150Am2/kgとするとともに、金属
磁性粉末の長軸長を0.01〜0.2μmとし且つX線
結晶粒径(Dx)を5〜25nmとすることが好ましい
ことがわかる。
1、2から、Coの添加量と相関係数R2及び速度定数
kとの関係を図8に示す。図8から判るように、Co添
加量が増大するのに伴って、速度定数kを小さくするこ
とができるとともに相関係数R 2を1に近づけることが
できる。このことから、Feに対するCoの添加量を調
節することによって、相関係数R2及び速度定数kを制
御できることが明らかになった。
から、酸化被膜の割合と相関係数R2及び速度定数kと
の関係を図9に示す。図9から判るように、酸化被膜の
割合が増大するのに伴って、速度定数kを小さくするこ
とができるとともに相関係数R2を1に近づけることが
できる。このことから、例えば、徐酸化工程の処理時間
等を調節して酸化被膜の厚みを調節することによって、
相関係数R2及び速度定数kを制御できることが明らか
になった。
明に係る金属磁性粉末は、中心部及び酸化被膜を酸化さ
せた際の酸化反応機構が未反応核生成物層内拡散律速モ
デルに従い、その速度係数が所定の値以下である場合に
優れた耐酸化性を示すこととなる。
磁性粉末を酸化させた際の酸化反応機構が未反応核生成
物層内拡散律速モデルに従い、その速度係数を所定の値
以下である場合に出力劣化が低く抑えられたものとな
る。したがって、磁気記録媒体は、この金属磁性粉末を
使用することによって、磁気ヘッド等に対して焼き付き
等を発生させることなく、長期間に亘って優れた磁気特
性を示すものとなる。
る。
再生装置に搭載される回転ドラム装置の一構成例につい
て、その概略を示す斜視図である。
の一構成例について、その概略を示す平面図である。
ある。
て、回路構成の概略を示す図である。
一例について、一部を切り欠いて示す斜視図である。
を再生する様子を模式的に示す図である。
関係を示す特性図である。
との関係を示す特性図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 Feを主体とする中心部の外郭に酸化被
膜が形成されてなる金属磁性粉末において、 上記中心部及び上記酸化被膜を酸化させた際の酸化反応
機構が未反応核生成物層内拡散律速モデルであって、そ
の速度係数が3.5×10-5[sec-1]以下であること
を特徴とする金属磁性粉末。 - 【請求項2】 上記未反応核生成物層内拡散律速モデル
における相関係数R2が0.98以上であることを特徴
とする請求項1記載の金属磁性粉末。 - 【請求項3】 飽和磁化量(σS)が80Am2/kg以
上、150Am2/kg以下であることを特徴とする請
求項1記載の金属磁性粉末。 - 【請求項4】 平均長軸長が0.01μm以上、0.2
μm以下であり、X線結晶粒径(Dx)が5nm以上、
25nm以下であることを特徴とする請求項1記載の金
属磁性粉末。 - 【請求項5】 非磁性支持体と、Feを主体とする中心
部の外郭に酸化被膜が形成されてなる金属磁性粉末を含
有する磁性層とを有する磁気記録媒体において、 上記磁性層に含有される金属磁性粉末は、上記中心部及
び上記酸化被膜を酸化させた際の酸化反応機構が未反応
核生成物層内拡散律速モデルであって、その速度係数が
3.5×10-5[sec-1]以下であることを特徴とする
磁気記録媒体。 - 【請求項6】 上記未反応核生成物層内拡散律速モデル
における相関係数R2が0.98以上であることを特徴
とする請求項5記載の磁気記録媒体。 - 【請求項7】 飽和磁化量(σS)が80Am2/kg以
上、150Am2/kg以下であることを特徴とする請
求項5記載の磁気記録媒体。 - 【請求項8】 平均長軸長が0.01μm以上、0.2
μm以下であり、X線結晶粒径(Dx)が5nm以上、
25nm以下であることを特徴とする請求項5記載の磁
気記録媒体。 - 【請求項9】 磁気抵抗効果型再生ヘッドを用いた磁気
記録システムに用いられることを特徴とする請求項5記
載の磁気記録媒体。 - 【請求項10】 上記磁気記録システムは、ヘリカルス
キャン磁気記録システムであることを特徴とする請求項
9記載の磁気記録媒体。
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