JP2000076642A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JP2000076642A
JP2000076642A JP10246410A JP24641098A JP2000076642A JP 2000076642 A JP2000076642 A JP 2000076642A JP 10246410 A JP10246410 A JP 10246410A JP 24641098 A JP24641098 A JP 24641098A JP 2000076642 A JP2000076642 A JP 2000076642A
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JP10246410A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Matsuzawa
伸行 松澤
Noriyuki Kishii
典之 岸井
Takeshi Kobayashi
健 小林
Takahiro Kamei
隆広 亀井
Kenichi Kurihara
研一 栗原
Hiroshi Iwamoto
岩本  浩
Tadashi Osue
匡 尾末
Yoshiteru Kabaya
美輝 蒲谷
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩耗による特性劣化を引き起こすことなく確
実に焼き付き物の発生を抑制し得る磁気記録再生装置を
提供する。 【解決手段】 磁気抵抗効果型再生ヘッドあるいは誘導
型薄膜磁気ヘッドを備えたヘリカルスキャン方式の磁気
記録再生装置において、ピリジン骨格を有し2座以上の
配位座を有する化合物を含有する焼き付き防止剤が保持
されている磁気記録媒体、又はクリーニングテープを走
行させる。ピリジン骨格を有し2座以上の配位座を有す
る化合物は、金属原子との錯形成能に優れ、ヘッド表面
に生成した金属酸化物は錯塩となり、ヘッド表面から容
易に離脱し、ヘッド表面には残留しなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリカルスキャン
方式の磁気記録再生装置に関するものであり、特に、記
録ヘッド、再生ヘッドの長寿命化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の分野、特にハードディスクの
バックアップ用のデータカートリッジやデジタルビデオ
レコーダー等においては、一層の高容量記録化に伴う長
時間記録化が要求されている。この長時間記録化は、従
来、テープの厚さを薄くすることによりテープの長さを
増加させる、或いはカセットシェルの変更等によりテー
プの長さを増加させることで対応してきた。
【0003】上記データカートリッジにおいては、一般
にヘリカルスキャン方式による記録再生が適用されてい
る。ところが、ヘリカルスキャン方式では、磁性層表面
と磁気ヘッドが高速で摺動するために、磁気テープ走行
時に磁気ヘッド表面は高温となり、磁気ヘッドの表面に
焼き付き物が生成しやすくなる傾向がある。そして、長
時間記録化に伴い、摺動時間を長く、或いはスキャンス
ピードを速くすると、より磁気ヘッドの表面上に焼き付
き物を生成しやすくなる。
【0004】特に、高温低湿のような環境下では磁気テ
ープの研磨力が減少するため、トライボロジカルに生成
した金属酸化物等が焼き付きを起こしたとき、この焼き
付き物等が研磨されずに磁気ヘッド表面に蓄積されてし
まう。そして、この蓄積された焼き付き物等によって磁
気テープと磁気ヘッド間に隙間(スペーシング)が生
じ、所定の信号出力が得られなくなるという問題が発生
する。
【0005】近年、電磁変換特性を向上させ、スペーシ
ングロスを減少させるために、スーパーカレンダー処理
等によりテープ表面性を向上させることが行われてお
り、磁気テープと磁気ヘッドとの摩擦は一層高くなる傾
向にある。しかし、この傾向は、上述した磁気ヘッド表
面への焼き付き物の生成を促進するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、磁気ヘッドへ
の焼き付き物を発生させないために、アスコルビン酸誘
導体のような還元剤を酸化防止剤として磁気テープに添
加する試みがなされたり、摩擦を低減させるために、磁
気テープに保持させる潤滑剤の量を多くする試みがなさ
れている。しかしながら、磁気テープに酸化防止剤や潤
滑剤を保持させても、一旦生成された焼き付き物を除去
することはできない。
【0007】一方、一旦生成した焼き付き物を除去する
ため、物理的に磁気ヘッドを研磨するクリーニングテー
プを用いたり、磁気ヘッドを逐次研磨するクリーニング
ロールメカニズムをシステム内に取り付ける方法も検討
されている。
【0008】しかしながら、このような物理的方法によ
り磁気ヘッドを研磨する方法の場合、研磨する際に研磨
力を高めすぎると、必要以上に磁気ヘッドを研磨し、特
性を劣化させるという問題がある。
【0009】特に、薄膜技術によって形成される金属薄
膜を主な構成要素とする磁気抵抗効果型再生ヘッドや誘
導型薄膜磁気ヘッドは、摩耗によりその特性が著しく劣
化し易いという傾向にある。したがって、物理的な研磨
による焼き付き防止の適用は非常に困難であり、例えば
通常のクリーニングテープをそのまま使用することはで
きない。
【0010】本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、磁気抵抗効果型再生ヘッドや誘導型
薄膜磁気ヘッドにおいて、摩耗による特性劣化を引き起
こすことなく確実に焼き付き物の発生を抑制し得る焼き
付き物発生防止方法を提供し、これにより、スペーシン
グロスによる出力低下が少なく、エラーレートの上昇も
少ない磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究の結果、特定の有機化合物
が焼き付き物生成の抑制に大きな効果を示すことを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、磁気抵抗効果型再生
ヘッド及び/又は誘導型薄膜磁気ヘッドを備えたヘリカ
ルスキャン方式の磁気記録再生装置において、ピリジン
骨格を有し2座以上の配位座を有する化合物を含有する
焼き付き防止剤が保持されている磁気記録媒体及び/又
はクリーニングテープが走行されることを特徴とするも
のである。
【0013】ピリジン骨格を有し2座以上の配位座を有
する化合物は、金属原子との錯形成能に優れ、係る化合
物を含有する焼き付き防止剤が保持されている磁気記録
媒体やクリーニングテープと磁気抵抗効果型再生ヘッ
ド、誘導型薄膜磁気ヘッドが高速で摺動した場合、ヘッ
ド表面に生成した金属酸化物と前記化合物の間で錯形成
反応が起こる。その結果、前記酸化物は、ヘッド表面か
ら容易に離脱する錯塩となり、ヘッド表面には残留しな
くなる。したがって、焼き付き物が蓄積することによる
スペーシングロス、及びこれに伴う出力の低下が抑えら
れ、さらにはエラーレートも低く抑えられる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録再生装置
の実施の形態について説明する。
【0015】本発明の磁気記録再生装置は、ヘリカルス
キャン方式の記録再生装置であり、磁気抵抗効果型再生
ヘッド(MR再生ヘッド)や誘導型薄膜磁気ヘッドを搭
載するものである。
【0016】例えば、MR再生ヘッドとして、MR素子
をシールドで挟み込んだシールド型のMRヘッドを用
い、これを回転ドラムに搭載して記録再生装置を構成す
る。
【0017】上記ヘリカルスキャン磁気記録システムの
磁気記録再生装置は、回転ドラムを用いて記録再生を行
うヘリカルスキャン方式の磁気記録再生装置であり、回
転ドラムに搭載された再生用磁気ヘッドとして、MRヘ
ッドを使用する。
【0018】この磁気記録再生装置に搭載される回転ド
ラム装置の一構成例を図1及び図2に示す。なお、図1
は回転ドラム装置1の概略を示す斜視図であり、図2は
回転ドラム装置1を含む磁気テープ送り機構10の概略
を示す平面図である。
【0019】図1に示すように、回転ドラム装置1は、
円筒状の固定ドラム2と、円筒状の回転ドラム3と、回
転ドラム3を回転駆動するモータ4と、回転ドラム3に
搭載された一対のインダクティブ型(誘導型)磁気ヘッ
ド5a,5bと、回転ドラム3に搭載された一対のMR
ヘッド6a,6bとを備える。
【0020】上記固定ドラム2は、回転することなく保
持されるドラムである。この固定ドラム2の側面には、
磁気テープ7の走行方向に沿ってリードガイド部8が形
成されている。後述するように、記録再生時に磁気テー
プ7は、このリードガイド部8に沿って走行する。そし
て、この固定ドラム2と中心軸が一致するように、回転
ドラム3が配されている。
【0021】回転ドラム3は、磁気テープ7に対する記
録再生時に、モータ4によって所定の回転速度で回転駆
動されるドラムである。この回転ドラム3は、固定ドラ
ム2と略同径の円筒状に形成されてなり、固定ドラム2
と中心軸が一致するように配されている。そして、この
回転ドラム3の固定ドラム2に対向する側には、一対の
インダクティブ型磁気ヘッド5a,5b及び一対のMR
ヘッド6a,6bが搭載されている。
【0022】インダクティブ型磁気ヘッド5a,5b
は、一対の磁気コアが磁気ギャップを介して接合される
とともに、磁気コアにコイルが巻装されてなる記録用磁
気ヘッドであり、磁気テープ7に対して信号を記録する
際に使用される。そして、これらのインダクティブ型磁
気ヘッド5a,5bは、回転ドラム3の中心に対して互
いに成す角度が180°となり、それらの磁気ギャップ
部分が回転ドラム3の外周から突き出すように、回転ド
ラム3に搭載されている。なお、これらのインダクティ
ブ型磁気ヘッド5a,5bは、磁気テープ7に対してア
ジマス記録を行うように、アジマス角が互いに逆となる
ように設定されている。
【0023】このインダクティブ型磁気ヘッド5a,5
bとしては、上記のいわゆるバルク型の磁気ヘッドばか
りでなく、薄膜形成技術を用いて上層コア、下層コアが
所定の磁気ギャップをもって成膜され、同様に薄膜形成
技術によりスパイラル状の巻線が形成されてなる誘導型
の薄膜磁気ヘッドであってもよい。
【0024】薄膜磁気ヘッドは、一軸異方性を利用して
高透磁率を得る磁気ヘッドとして高密度化に好適である
が、先のMRヘッドと同様、磁性層と高速で摺動するた
め焼き付き物が生成し易く、研磨により摩耗し易い。
【0025】したがって、かかる誘導型薄膜磁気ヘッド
を搭載する磁気記録再生装置も本発明の対象であり、さ
らには、例えばMR再生ヘッドと誘導型薄膜磁気ヘッド
とを積層形成した複合型磁気ヘッド等を搭載する磁気記
録再生装置も本発明の対象である。
【0026】一方、MRヘッド6a,6bは、磁気テー
プ7からの信号を検出する感磁素子としてMR素子を備
えた再生用磁気ヘッドであり、磁気テープ7から信号を
再生する際に使用される。そして、これらのMRヘッド
6a,6bは、回転ドラム3の中心に対して互いに成す
角度が180°となり、磁気ギャップ部分が回転ドラム
の外周から突き出すように、回転ドラム3に搭載されて
いる。なお、これらのMRヘッド6a,6bは、磁気テ
ープ7に対してアジマス記録された信号を再生できるよ
うに、アジマス角が互いに逆となるように設定されてい
る。
【0027】そして、磁気記録再生装置は、このような
回転ドラム装置1に磁気テープ7を摺動させて、磁気テ
ープ7に対する信号の記録や、磁気テープ7からの信号
の再生を行う。
【0028】すなわち、記録再生時に磁気テープ7は、
図2に示すように、供給リール11からガイドローラ1
2,13を経て、回転ドラム装置1に巻き付くように送
られ、この回転ドラム装置1で記録再生がなされる。そ
して、回転ドラム装置1で記録再生がなされた磁気テー
プ7は、ガイドローラ14,15、キャプスタン16、
ガイドローラ17を経て、巻き取りロール18へと送ら
れる。すなわち、磁気テープ7は、キャプスタンモータ
19により回転駆動されるキャプスタン16によって所
定の張力及び速度にて送られ、ガイドローラ17を経て
巻き取りロール18に巻き取られる。
【0029】このとき、回転ドラム3は、図1中の矢印
Aに示すように、モータ4によって回転駆動される。一
方、磁気テープ7は、固定ドラム2のリードガイド部8
に沿って、固定ドラム2及び回転ドラム3に対して斜め
に摺動するように送られる。すなわち、磁気テープ7
は、テープ走行方向に沿って、図1中矢印Bに示すよう
にテープ入口側から固定ドラム2及び回転ドラム3に摺
接するようにリードガイド部8に沿って送られ、その
後、図1中矢印Cに示すようにテープ出口側へと送られ
る。
【0030】次に、上記回転ドラム装置1の内部構造に
ついて、図3を参照して説明する。
【0031】図3に示すように、固定ドラム2及び回転
ドラム3の中心には、回転軸21が挿通されている。な
お、固定ドラム2、回転ドラム3及び回転軸21は導電
材料からなり、これらは電気的に導通しており、固定ド
ラム2が接地されている。
【0032】そして、固定ドラム2のスリーブの内側に
は、2つの軸受け22,23が設けられており、これに
より、固定ドラム2に対して回転軸21が回転可能に支
持されている。すなわち、回転軸21は、軸受け22,
23により、固定ドラム2に対して回転可能に支持され
ている。一方、回転ドラム3には、その内周部にフラン
ジ24が形成されており、このフランジ24が回転軸2
1の上端部に固定されている。これにより、回転ドラム
3は、回転軸21の回転に伴って回転するようになされ
ている。
【0033】また、回転ドラム装置1の内部には、固定
ドラム2と回転ドラム3との間で信号の伝送を行うため
に、非接触型の信号伝送装置であるロータリトランス2
5が配されている。このロータリトランス25は、固定
ドラム2に取り付けられたステータコア26と、回転ド
ラム3に取り付けられたロータコア27とを有してい
る。
【0034】ステータコア26及びロータコア27は、
フェライト等のような磁性材料が、回転軸21を中心と
する円環状に形成されてなる。また、ステータコア26
には、一対のインダクティブ型磁気ヘッド5a,5bに
対応した一対の信号伝送用リング26a,26bと、一
対のMRヘッド6a,6bに対応した信号伝送用リング
26cと、一対のMRヘッド6a,6bの駆動に必要な
電力を供給するための電力伝送用リング26dとが、同
心円状に配置されている。同様に、ロータコア27に
も、一対のインダクティブ型磁気ヘッド5a,5bに対
応した一対の信号伝送用リング27a,27bと、一対
のMRヘッド6a,6bに対応した信号伝送用リング2
7cと、一対のMRヘッド6a,6bの駆動に必要な電
力を供給するための電力伝送用リング27dとが、同心
円状に配置されている。
【0035】これらのリング26a,26b,26c,
26d,27a,27b,27c,27dは、回転軸2
1を中心として円環状に巻回されたコイルからなり、ス
テータコア26の各リング26a,26b,26c,2
6dと、ロータコア27の各リング27a,27b,2
7c,27dとがそれぞれ対向するように配されてい
る。そして、このロータリトランス25は、ステータコ
ア26の各リング26a,26b,26c,26dと、
ロータコア27の各リング27a,27b,27c,2
7dとの間で、非接触にて信号や電力の伝送を行うよう
になっている。
【0036】また、回転ドラム装置1には、回転ドラム
3を回転駆動させるモータ4が取り付けられている。こ
のモータ4は、回転部分であるロータ28と、固定部分
であるステータ29とを有している。ロータ28は、回
転軸21の下端部に取り付けられており、駆動用マグネ
ット30を備えている。一方、ステータ29は、固定ド
ラム2の下端部に取り付けられており、駆動用コイル3
1を備えている。そして、駆動用コイル31に電流を供
給することにより、ロータ28が回転駆動される。これ
により、ロータ28に取り付けられている回転軸21が
回転し、それに伴って、回転軸21に固定されている回
転ドラム3が回転駆動されることとなる。
【0037】次に、以上のような回転ドラム装置1によ
る記録再生について、この回転ドラム装置1並びにその
周辺回路についての回路構成の概略を示す図4を参照し
て説明する。
【0038】上記回転ドラム装置1を用いて磁気テープ
7に信号を記録する際は、先ず、モータ4の駆動用コイ
ル31に電流が供給され、これにより、回転ドラム3が
回転駆動される。そして、回転ドラム3が回転している
状態にて、図4に示すように、外部回路40からの記録
信号が記録用アンプ41に供給される。
【0039】記録用アンプ41は、外部回路40からの
記録信号を増幅し、一方のインダクティブ型磁気ヘッド
5aによって信号を記録するタイミングの時、当該イン
ダクティブ型磁気ヘッド5aに対応したステータコア2
6の信号伝送用リング26aに記録信号を供給し、ま
た、他方のインダクティブ型磁気ヘッド5bによって信
号を記録するタイミングの時、当該インダクティブ型磁
気ヘッド5bに対応したステータコア26の信号伝送用
リング26bに記録信号を供給する。
【0040】ここで、一対のインダクティブ型磁気ヘッ
ド5a,5bは、上述したように、回転ドラム3の中心
に対して互いに成す角度が180°となるように配され
ているので、これらのインダクティブ型磁気ヘッド5
a,5bは、180°の位相差を持って交互に記録する
こととなる。すなわち、記録用アンプ41は、一方のイ
ンダクティブ型磁気ヘッド5aに記録信号を供給するタ
イミングと、他方のインダクティブ型磁気ヘッド5bに
記録信号を供給するタイミングとを、180°の位相差
を持って交互に切り換える。
【0041】そして、一方のインダクティブ型磁気ヘッ
ド5aに対応したステータコア26の信号伝送用リング
26aに供給された記録信号は、非接触にてロータコア
27の信号伝送用リング27aに伝送される。そして、
ロータコア27の信号伝送用リング27aに伝送された
記録信号は、インダクティブ型磁気ヘッド5aに供給さ
れ、当該インダクティブ型磁気ヘッド5aにより、磁気
テープ7に対して信号の記録がなされる。
【0042】同様に、他方のインダクティブ型磁気ヘッ
ド5bに対応したステータコア26の信号伝送用リング
26bに供給された記録信号は、非接触にてロータコア
27の信号伝送用リング27bに伝送される。そして、
ロータコア27の信号伝送用リング27bに伝送された
記録信号は、インダクティブ型磁気ヘッド5bに供給さ
れ、当該インダクティブ型磁気ヘッド5bにより、磁気
テープ7に対して信号の記録がなされる。
【0043】また、上記回転ドラム装置1を用いて磁気
テープ7からの信号を再生する際は、先ず、モータ4の
駆動用コイル31に電流が供給され、これにより、回転
ドラム3が回転駆動される。そして、回転ドラム3が回
転している状態にて、図4に示すように、オシレータ4
2から高周波の電流がパワードライブ43に供給され
る。
【0044】オシレータ42からの高周波の電流は、パ
ワードライブ43によって所定の交流電流に変換された
上で、ステータコア26の電力伝送用リング26dに供
給される。そして、ステータコア26の電力伝送用リン
グ26dに供給された交流電流は、非接触にてロータコ
ア27の電力伝送用リング27dに伝送される。そし
て、ロータコア27の電力伝送用リング27dに伝送さ
れた交流電流は、整流器44により整流されて直流電流
とされレギュレータ45に供給され、当該直流電流はレ
ギュレータ45により所定の電圧に設定される。
【0045】そして、レギュレータ45によって所定の
電圧に設定された電流は、一対のMRヘッド6a,6b
にセンス電流として供給される。なお、一対のMRヘッ
ド6a,6bには、当該MRヘッド6a,6bからの信
号を検出する再生用アンプ46が接続されており、レギ
ュレータ45からの電流は、この再生用アンプ46にも
供給される。
【0046】ここで、MRヘッド6a,6bは、外部磁
界の大きさによって抵抗値が変化するMR素子を備えて
いる。そして、MRヘッド6a,6bは、磁気テープ7
からの信号磁界により、MR素子の抵抗値が変化し、こ
れにより、センス電流に電圧変化が現れるようになされ
ている。
【0047】そして、再生用アンプ46は、この電圧変
化を検出し、当該電圧変化に応じた信号を再生信号とし
て出力する。なお、再生用アンプ46は、一方のMRヘ
ッド6aによって信号を再生するタイミングの時、当該
MRヘッド6aによって検出した再生信号を出力し、ま
た、他方のMRヘッド6bによって信号を再生するタイ
ミングの時、当該MRヘッド6bによって検出した再生
信号を出力する。
【0048】ここで、一対のMRヘッド6a,6bは、
上述したように、回転ドラム3の中心に対して互いに成
す角度が180°となるように配されているので、これ
らのMRヘッド6a,6bは、180°の位相差を持っ
て交互に再生することとなる。すなわち、再生用アンプ
46は、一方のMRヘッド6aからの再生信号を出力す
るタイミングと、他方のMRヘッド6bからの再生信号
を出力するタイミングとを、180°の位相差を持って
交互に切り換える。
【0049】そして、再生用アンプ46からの再生信号
は、ロータコア27の信号伝送用リング27cに供給さ
れ、この再生信号は、非接触にてステータコア26の信
号伝送用リング26cに伝送される。ステータコア26
の信号伝送用リング26cに伝送された再生信号は、再
生用アンプ47によって増幅された上で、補正回路48
に供給される。そして、再生信号は、補正回路48によ
り所定の補正処理が施された後、外部回路40へと出力
される。
【0050】なお、図4に示したような回路構成とした
場合、一対のインダクティブ型磁気ヘッド5a,5b、
一対のMRヘッド6a,6b、整流器44、レギュレー
タ45及び再生用アンプ46は、回転ドラム3に搭載さ
れ、回転ドラム3と共に回転する。一方、記録用アンプ
41、オシレータ42、パワードライブ43、再生用ア
ンプ47及び補正回路48については、回転ドラム装置
1の固定部分に配するか、或いは、回転ドラム装置1と
は別に構成された外部回路とする。
【0051】次に、上記回転ドラム3に搭載されるMR
ヘッド6a,6bについて、図5を参照して詳細に説明
する。なお、MRヘッド6a及びMRヘッド6bは、ア
ジマス角が互いに逆となるように設定されている他は、
同一の構成を有している。そこで、以下の説明では、こ
れらのMRヘッド6a,6bをまとめてMRヘッド6と
称する。
【0052】MRヘッド6は、回転ドラム3に搭載さ
れ、ヘリカルスキャン方式によって磁気テープ7からの
信号を、磁気抵抗効果を利用して検出する再生専用の磁
気ヘッドである。一般に、MRヘッドは、電磁誘導を利
用して記録再生を行うインダクティブ型磁気ヘッドより
も感度が高く再生出力が大きいので、高密度記録に適し
ている。したがって、再生用磁気ヘッドとしてMRヘッ
ド6を用いることで、より高密度記録化を図ることがで
きる。
【0053】そして、このMRヘッド6は、図5に示す
ように、Ni−Zn多結晶フェライト等のような軟磁性
材料からなる一対の磁気シールド51,52と、絶縁体
53を介して一対の磁気シールド51,52によって挟
持された略矩形状のMR素子部54とを備える。なお、
MR素子部54の両端からは、一対の端子が導出されて
おり、これらの端子を介して、MR素子部54にセンス
電流を供給できるようになされている。
【0054】MR素子部54は、磁気抵抗効果を有する
MR素子と、SAL(Soft Adjacent Layer)膜と、M
R素子とSAL膜との間に配された絶縁体膜とが積層さ
れてなる。MR素子は、異方性磁気抵抗効果(AMR)
により、外部磁界の大きさによって抵抗値が変化するN
i−Fe等のような軟磁性材料からなる。SAL膜は、
いわゆるSALバイアス方式により、MR素子にバイア
ス磁界を印加するためのものであり、パーマロイ等のよ
うに低保磁力で高透磁率の磁性材料からなる。絶縁体膜
は、MR素子とSAL膜との間を絶縁し、電気的な分流
損を防ぐためのものであり、Ta等のような絶縁材料か
らなる。
【0055】このMR素子部54は、略矩形状に形成さ
れてなり、一側面が磁気テープ摺動面55に露呈するよ
うに、一対の磁気シールド51,52によって絶縁体5
3を介して挟持されている。詳細には、このMR素子部
54は、短軸方向が磁気テープ摺動面55に対して略垂
直となり、長軸方向が磁気テープ摺動方向に対して略直
交するように、一対の磁気シールド51,52によって
絶縁体53を介して挟持されている。
【0056】このMRヘッド6の磁気テープ摺動面55
は、当該磁気テープ摺動面55にMR素子部54の一側
面が露呈するように、磁気テープ7の摺動方向に沿って
円筒研磨されているとともに、磁気テープ7の摺動方向
に対して直交する方向に沿って円筒研磨されている。こ
れにより、このMRヘッド6は、MR素子部54或いは
その近傍部分が最も突出するようになされている。この
ように、MR素子部54或いはその近傍部分が最も突出
するようにすることにより、MR素子部54の磁気テー
プ7に対する当たり特性を良好なものとすることができ
る。
【0057】そして、以上のようなMRヘッド6を用い
て磁気テープ7からの信号を再生する際は、図6に示す
ように、磁気テープ7をMR素子部54に摺動させる。
なお、図6中の矢印は、磁気テープ7が磁化されている
様子を模式的に示している。
【0058】そして、このように磁気テープ7をMR素
子部54に摺動させた状態で、MR素子部54の両端に
接続された端子54a,54bを介して、MR素子部5
4にセンス電流を供給し、当該センス電流の電圧変化を
検出する。具体的には、MR素子部54の一端に接続さ
れた端子54aから、所定の電圧Vcを印加するととも
に、MR素子部54の他端に接続された端子54bを、
回転ドラム3に接続しておく。ここで、回転ドラム3は
回転軸21を介して固定ドラム2に電気的に導通してお
り、また、固定ドラム2は接地されている。したがっ
て、MR素子部54に接続された一方の端子54bは、
回転ドラム3、回転軸21及び固定ドラム2を介して接
地されている。
【0059】そして、磁気テープ7を摺動させた状態で
MR素子部54にセンス電流を供給すると、磁気テープ
7からの磁界に応じて、MR素子部54に形成されたM
R素子の抵抗値が変化し、その結果、センス電流に電圧
変化が生じる。そこで、このセンス電流の電圧変化を検
出することにより、磁気テープ7からの信号磁界が検出
され、磁気テープ7に記録されている信号が再生され
る。
【0060】なお、用いるMRヘッド6において、MR
素子部54に形成されるMR素子は、磁気抵抗効果を示
す素子であれば良く、例えば、複数の薄膜を積層するこ
とにより、より大きな磁気抵抗効果を得られるようにし
た、いわゆる巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)も使
用可能である。また、MR素子にバイアス磁界を印加す
る手法は、必ずしもSALバイアス方式でなくてもよ
く、例えば、永久磁石バイアス方式、シャント電流バイ
アス方式、自己バイアス方式、交換バイアス方式、バー
バーポール方式、分割素子方式、サーボバイアス方式
等、種々の手法が適用可能である。なお、巨大磁気抵抗
効果並びに各種バイアス方式については、例えば、丸善
株式会社発行の「磁気抵抗ヘッド−基礎と応用 林和彦
訳」に詳細に記載されている。
【0061】本発明に係る磁気記録再生装置において用
いられる磁気記録媒体は、非磁性支持体上に少なくとも
磁性層が形成されてなるものであり、ピリジン骨格を有
し2座以上の配位座を有する化合物(配位子)を含有す
る焼き付き防止剤が保持されていることを特徴とするも
のである。
【0062】ここで用いられる配位子としては、例えば
下記の化9〜化16に示す化合物を挙げることができ
る。
【0063】
【化9】
【0064】
【化10】
【0065】
【化11】
【0066】
【化12】
【0067】
【化13】
【0068】
【化14】
【0069】
【化15】
【0070】
【化16】
【0071】焼き付き防止剤に含まれる配位子として
は、上述したように様々な種類のものがあるが、これら
は単独で使用されても、複数の種類のものが組み合わせ
て用いられても構わない。また、配位子は、塗布型の磁
性層あるいはバックコート層に内添させた場合には、結
合剤に化学的に結合したかたちで存在していてもよい。
【0072】磁気記録媒体の構成は特に限定されず、い
わゆる塗布型の磁性層を有するものであっても、蒸着型
の磁性層を有するものであってもよい。前者、即ち、磁
性層が磁性粉末と結合剤とを主体とする磁性塗料が塗布
されてなるものである場合、前記配位子は、該磁性層表
面に塗布されてもよいし、該磁性層中に内添されてもよ
い。
【0073】なお、配位子を磁性層表面に塗布する場
合、その塗布量としては、磁性層1m2 当たり10mg
〜10gであることが好ましい。また、配位子を磁性層
中に内添させる場合、その添加量としては、磁性粉末1
00重量部に対して0.3〜20重量部であることが好
ましい。配位子の塗布量あるいは添加量が上述の範囲よ
り少ないと、磁気ヘッドの焼き付きを抑える効果が不十
分となる。また、上述の範囲より多いと、磁気記録媒体
の走行性が劣化したり、磁性粉末の分散性が低下し、良
好な電磁変換特性が得られなくなる。
【0074】また、このうち塗布型の磁性層に配位子を
内添させる場合は、配位子の磁性粉末への吸着を防止す
る目的で、カルボン酸を併用するとよい。すなわち、配
位子は、金属原子との錯形成能を有することから、磁性
層内に含有される磁性粉末にも配位、吸着する。配位子
が、磁性粉末に配位、吸着した場合、磁気ヘッドに付着
した金属酸化物との錯形成反応に寄与できなくなること
から、当該配位子の金属酸化物の除去効果が損なわれ
る。
【0075】ここで、カルボン酸を共存させると、これ
らの化合物は、磁性粉末表面に吸着し易いため、配位子
が磁性粉末に配位、吸着するのを妨げる。したがって、
配位子が、磁気ヘッドの金属酸化物との錯形成に有効に
寄与するようになる。
【0076】上記カルボン酸としては、pKaが6以下
であればよく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酢酸、吉草
酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン
酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシ
ル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、
ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキ
ン酸、ペヘン酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸、クロトン
酸、イソクロトン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エ
ライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、プラシジン酸、
ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等
の不飽和脂肪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼラ
イン酸、セパシン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸、マレ
イン酸、フマル酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸、フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボ
ン酸、クエン酸のようなトリカルボン酸が挙げられる。
特に、オレイン酸、ミリスチン酸は潤滑効果をも発揮す
ることから実用的である。なお、これらカルボン酸は、
1種類を単独で使用しても複数種を組み合わせて用いて
も差し支えない。
【0077】このカルボン酸の磁性層への内添量は、磁
性粉末100重量部に対して1〜30重量部であること
が好ましい。
【0078】なお、これらカルボン酸は、焼き付き防止
剤を塗布型の磁性層に内添する場合に限らず、塗布型の
磁性層あるいは蒸着型の磁性層の表面に焼き付き防止剤
を塗布する場合に併用しても差し支えない。但し、磁性
粉末への配位子の吸着は、配位子を磁性層に内添した場
合に最も問題になることから、このような内添に当たっ
て併用するのが効果的である。
【0079】一方、磁気記録媒体がいわゆる蒸着型の磁
性層を有するものである場合、即ち、磁性層が金属磁性
薄膜である場合、この磁性層上にカーボン膜が形成さ
れ、このカーボン膜表面に、焼き付き防止剤が塗布され
て好適である。この場合の焼き付き防止剤の塗布量は、
上述した塗布型の磁性層に対する塗布量と同様であれば
よい。
【0080】このようにカーボン膜表面に焼き付き防止
剤が塗布される場合、この焼き付き防止剤に上述した配
位子とともに、(RO)3P=O、(RS)3P、(R
O)3P、(RO)3(H)P=O(但し、Rは水素、ハ
ロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボニ
ル基、アミノ基、アミド基、スルホン酸基、及びそれら
で置換されたアルキル基、アリール基、複素芳香族から
選ばれる。R同士は同じ置換基であっても異なる置換基
であってもよい。)等のリンを含む化合物を含有させて
もよい。なお、このようなリンを含む化合物を塗布型の
磁性層に保持させてもよいが、蒸着型の磁性層表面に塗
布する方が現実的である。
【0081】また、上述したように焼き付き防止剤を磁
性層に保持させた上にさらに、あるいは、焼き付き防止
剤を磁性層に保持させる代わりに、非磁性支持体の磁性
層形成面とは反対側の面に形成されたバックコート層に
焼き付き防止剤を保持させてもよい。この場合も、焼き
付き防止剤は、該バックコート層表面に塗布されてもよ
いし、該バックコート層中に内添されてもよい。通常、
磁気テープは巻回されてカセットに収納されて使用され
るため、バックコート層に上述した焼き付き防止剤が保
持されると、この焼き付き防止剤は磁気ヘッドとの摺動
面側に転写される。したがって、バックコート層側に焼
き付き防止剤を保持させても、磁性層側に焼き付き防止
剤を保持させた場合と同様の効果が得られる。なお、焼
き付き防止剤を保持させる量も、磁性層に塗布あるいは
内添させる量と同様であればよい。
【0082】ところで、上記磁気記録媒体における非磁
性支持体や磁性層等を構成するその他の材料は、従来公
知のものがいずれも使用可能であり、特に限定されな
い。
【0083】例示するならば、非磁性支持体としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロ
ースジアセテート等のセルロース類、ビニル系樹脂、ポ
リイミド類、ポリアミド類、ポリカーボネート類、ポリ
フェニレンサルファイド等に代表されるような高分子材
料よりなるフィルムを用いて好適である。なお、このよ
うな非磁性支持体の厚みとしては、1.0〜100μ
m、好ましくは2.0〜70μmとして好適である。
【0084】また、磁気記録媒体が塗布型の磁性層を有
する場合、該磁性層は磁性粉末と結合剤とを主体とする
磁性塗料が塗布されることによって形成されるが、この
磁性粉末としては、γ−Fe23 ,Fe34 ,γ−
Fe23 とFe34 とのベルトライド化合物、Co
含有γ−Fe23 、Co含有Fe34 、Coを含有
するγ−Fe23 とFe34 とのベルトライド化合
物、CrO2 に1種またはそれ以上の金属元素、たとえ
ばTe,Sb,Fe,Biなどを含有させた酸化物が挙
げられる。
【0085】さらに、Fe,Co,Niなどの金属、F
e−Co,Fe−Ni,Fe−Co−Ni,Fe−Co
−B,Fe−Co−Cr−B,Mn−Bi,Mn−A
l,Fe−Co−V,Fe−Al,Fe−Ni−Al,
Fe−Al−P,Fe−Ni−Si−Al,Fe−Ni
−Si−Al−Mn,Fe−Mn−Zn,Fe−Ni−
Zn,Co−Ni,Co−P,Fe−Co−Ni−C
r,Fe−Co−Ni−Pなどの合金、炭化鉄、窒化鉄
などの強磁性金属粉末等が挙げられる。
【0086】このような強磁性金属粉末は、上述のよう
な金属元素の酸化物、含水酸化物、無機塩、有機酸塩等
を還元性気体により気相中還元する方法や、湿式還元す
る方法により得ることができる。なお、強磁性金属粉末
の生成においては、還元時の焼結防止または形状維持等
の目的でAl,Si,P,B等の軽金属元素を適当量添
加するようにしても良い。
【0087】また、還元後には、有機溶剤を含浸させ乾
燥させる方法、有機溶剤に浸漬させ酸化性ガスを吹き込
み乾燥させる方法、有機溶剤を用いず分圧を調整した酸
化性ガスを吹き込む方法により、表面に薄い酸化膜を形
成して、酸化安定性を付与する。表面に形成される酸化
膜は、上述の金属あるいは合金の構成元素のみならず、
Al,Si,Ca,Mg,Sr,Ba,B,S,Ti,
Zn,Na,Zr,K,Y,La,Ce,Pr,Nd,
Sm,Gd,Ge,Sn,Ga等を含有していてもよ
い。
【0088】さらに、磁性粉末としては、以上のような
酸化物や強磁性金属粉末の他、六方晶系板状フェライト
も使用可能である。この六方晶系板状フェライトとして
は、M型,W型,Y型,Z型のバリウムフェライト、ス
トロンチウムフェライト、カルシウムフェライト、鉛フ
ェライト等が挙げられ、これらに保磁力を制御する目的
で、Co−Ti,Co−Ti−Zn,Co−Ti−N
b,Co−Ti−Zn−Nb,Cu−Zr,Ni−Ti
等を添加したものも使用可能である。
【0089】なお、これらの磁性粉末は1種類を単独で
用いても複数種を組み合わせて用いても差し支えない。
【0090】これら磁性粉末のサイズは次のようになさ
れているのが望ましい。
【0091】まず、比表面積は、30〜80m2/gで
あるのが好ましく、40〜70m2/gであるのがより
好ましい。比表面積がこの範囲にある磁性粉末は、粒子
が非常に微細であり、このような微細な磁性粉末を用い
ることで高密度記録が可能となり、ノイズが低減する。
【0092】また、特に磁性粉末が針状粒子である場合
には、長軸長が0.05〜0.50μm、軸比が2〜1
5であることが好ましい。長軸長が0.05μm未満で
あると、磁性粉末の塗料への分散が困難となり、長軸長
が0.50μmを越えると、ノイズが増大する恐れがあ
る。また、軸比が2未満であると、磁性粉末の配向性が
低下し、出力の低下を招来する。逆に、軸比が15を越
えると、短波長信号出力が低下する。
【0093】一方、磁性粉末が板状フェライトの場合に
は、板径が0.01〜0.5μm、板厚が0.001〜
0.2μmであるのが好ましい。
【0094】なお、以上に示した磁性粉末の長軸長、軸
比、板径及び板厚は、透過型電子顕微鏡写真から無作為
に100サンプル以上を選択し、その平均値を算出した
ものである。
【0095】磁性層に含有させる結合剤は、従来より磁
気記録媒体用の結合剤として使用される公知の熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂等が使用可能であり、
数平均分子量が5000〜100000のものが好まし
い。
【0096】熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルアルコール、マレ
イン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロ
ニトリル、メタアクリロニトリル、スチレン、メチルス
チレン、ブタジエン、エチレン、ビニルアセタール、ビ
ニルブチラール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン等
を構成単位として含む重合体あるいは共重合体が挙げら
れる。具体的には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−ア
クリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリ
ロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル
−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニト
リル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル
共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合
体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、
メタクリル酸エステル−塩化ビニル共重合体、メタクリ
ル酸エステル−エチレン共重合体、塩化ビニリデン−ア
クリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体、ポリビニルブチラール,スチレンブタジエ
ン共重合体等が挙げられる。この他、ポリフッ化ビニ
ル、ポリアミド樹脂、さらにはセルロースアセテートブ
チレート,セルロースダイアセテート,セルローストリ
アセテート,セルロースプロピオネート,ニトロセルロ
ース等のセルロース誘導体、ポリウレタン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アミノ樹脂、合成ゴム等が挙げられる。
【0097】また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂の例
としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン
硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹
脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアル
デヒド樹脂等が挙げられる。
【0098】また、これら全ての結合剤には、顔料成分
の分散性を向上させる目的で極性官能基が導入されてい
ても良い。
【0099】極性官能基としては、−SO3M,−OS
3M,−COOM,P=O(OM)2(但し、Mは水素
原子あるいはリチウム、カリウム、ナトリウム等のアル
カリ金属を表す。)等が挙げられる。また、−NR
12,−NR123+-の末端基を有する側鎖型アミ
ン、あるいは>NR12+-で表される主鎖型アミン
(但し、R1,R2,R3は、水素原子あるいは炭化水素
基を表し、X-はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロ
ゲン元素イオン、無機イオン,有機イオンを表す。)で
あっても良い。さらに、極性官能基としては−OH、−
SH、−CN、エポキシ基等が挙げられる。これら極性
官能基の結合剤に含有される量は、10-8〜10-1mo
l/gであるのが好ましく、10-6〜10-2mol/g
であるのがより好ましい。
【0100】磁性層には以上のような結合剤が用いられ
るが、これら結合剤は1種単独で用いても良く、2種類
以上を組み合わせて使用しても差し支えない。
【0101】上述したような磁性粉末や結合剤は溶媒中
に分散されて磁性塗料とされるが、この溶媒としては、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸
エチル、エチレングリコールアセテート等のエステル系
溶剤、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2−エ
トキシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素系溶剤、メチレンクロライド、エチレン
クロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素系溶媒あるいは水等が挙げら
れる。
【0102】なお、磁性塗料中には必要に応じて潤滑
剤、研磨剤、硬化剤、分散剤、帯電防止剤、防錆剤等が
加えられてもよい。これらの分散剤、潤滑剤、帯電防止
剤及び防錆剤としては、従来公知の材料がいずれも使用
可能であり、何ら限定されるものではない。
【0103】潤滑剤としては、黒鉛、二硫化モリブデ
ン、二硫化タングステン等の固体潤滑剤の他、炭素数1
0〜40のアルキル鎖を有するモノカルボン酸、これら
カルボン酸の電解質、これらカルボン酸と炭素数10〜
40のアルコールとのモノエステル、これらカルボン酸
と多価アルコールとの多価エステル、あるいは上述のア
ルキル鎖を有するアミド、アミン、アルコール等を用い
て好適である。また、シリコンオイル、パラフィンオイ
ル、上述した化合物のフッ素化物、さらにはテルペン系
化合物ならびにこれらのオリゴマー等を用いてもよい。
【0104】研磨剤としては、酸化アルミニウム(α,
β,γ)、炭化珪素、酸化クロム、酸化鉄、コランダ
ム、ダイヤモンド、窒化珪素、炭化チタン、酸化チタン
(ルチル,アナターゼ)、ガーネット、エメリー、窒化
ホウ素等が挙げられる。なお、これら研磨剤は、モース
硬度が4以上、好ましくは5以上であるのが良く、比重
が2〜6、好ましくは3〜5の範囲であるのが良い。ま
た、平均粒径は、0.5μm以下、好ましくは0.3μ
m以下が良い。なお、この平均粒径は、透過型電磁顕微
鏡写真から無作為に100サンプル以上を選択し、その
平均値を算出したものである。これら研磨剤の添加量
は、磁性粉末100重量部に対して20重量部以下、好
ましくは10重量部以下がよい。
【0105】また、帯電防止剤としては、カーボンブラ
ックを用いて好適であり、これを添加することにより塗
膜強度を向上させることもできる。
【0106】さらに、分散剤としては、各種界面活性剤
あるいは各種カップリング剤が使用できる。
【0107】硬化剤としては、トルエンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート等のアルキレンジイソシアネート、
キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等の2官能イソシアネ
ート化合物、あるいは、これらジイソシアネートの重合
体や多価アルコールとの反応物が挙げられる。これら硬
化剤の添加量は、結合剤100重量部に対して5〜80
重量部とするのが好ましく、10〜50重量部とするの
がより好ましい。
【0108】磁性塗料を調製するには、以上のような材
料を混練工程、混合工程、分散工程によって塗料化す
る。分散装置及び混練装置には、ロールミル、ボールミ
ル、サンドミル、アジター、ニーダー、エクストルーダ
ー、ホモジナイザー、超音波分散機等が用いられる。
【0109】そして、このようにして調製された磁性塗
料を、非磁性支持体上に吹き付ける、あるいはロール塗
布する等の任意の方法で塗布し、乾燥することで磁性層
は形成される。なお、この後、カレンダー装置に導き、
磁性層に表面平滑化処理を施しても良い。
【0110】ここで、磁性層は、乾燥時の厚さが0.1
〜50μm、好ましくは1.0〜30μmとされる。ま
た、結合剤と磁性粉末との混合比は、結合剤1重量部に
対して、磁性粉末1〜10重量部、好ましくは3〜9重
量部とされる。結合剤の量が多すぎる場合には、磁性層
での磁性粉末の占める割合が相対的に小さくなり、出力
が低下する。また、ドライブ上で磁気ヘッドや各種摺動
部材に対して繰り返し摺動したときに、磁性層に塑性流
動が生じ易く、媒体の走行耐久性が低下する。結合剤の
量が少なすぎる場合には、磁性層が脆くなり、媒体の走
行耐久性が低下する。
【0111】なお、このような塗布型の磁性層を設ける
場合、当該磁性層と非磁性支持体との間に、磁性層の平
滑化を図る目的で、非磁性粉末を結合剤中に分散させた
非磁性層(下層)を設けるようにしても良い。非磁性支
持体上に直接磁性層を設けた場合、特に磁性層の厚さが
薄い場合には、非磁性支持体の表面粗さが磁性層表面に
現れ易く、磁性層の表面平滑化が困難になる。非磁性支
持体と磁性層の間に非磁性層を設けると、非磁性支持体
と磁性層の間に厚さが稼がれるので、非磁性支持体の表
面粗さが磁性層表面に現れ難くなり、磁性層が平滑な表
面で形成できるようになる。
【0112】非磁性層に用いる結合剤としては、磁性層
で例示したものがいずれも使用可能である。
【0113】また、非磁性粉末としては、たとえばα−
Fe23等の非磁性酸化鉄、ゲータイト、ルチル型酸化
チタン、アナターゼ型酸化チタン、酸化錫、酸化タング
ステン、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウ
ム、チタンカーバイト、BN、α−アルミナ、β−アル
ミナ,γ−アルミナ,硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
二硫化モリブデン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸バリ
ウム等が挙げられる。これら非磁性粉末には、目的に応
じて適当量の不純物がドープされていてもよく、分散性
の改良、導電性の付与、色調の改善等の目的でAl,S
i,Ti,Sn,Sb,Zr等の化合物で表面処理され
ていても構わない。また、これら非磁性粉末は、1種類
を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いるよ
うにしても構わない。なお、これら非磁性粉末の比表面
積は、30〜80m2/g、さらには40〜70m2/g
であるのがより好ましい。
【0114】非磁性層には、これら非磁性粉末の他、必
要に応じてゴム用ファーネス、熱分解カーボン、カラー
用ブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック
が含まれていても良い。カーボンブラックの比表面積は
100〜400m2/gであるのが好ましく、DBP吸
油量は20〜200ml/100gであるのが好まし
い。
【0115】なお、カーボンブラックやその他の非磁性
粉末について比表面積を設定するのは、非磁性層を平滑
な表面で形成し、これによって磁性層が平滑な表面で形
成されるようにするためである。カーボンブラックやそ
の他の非磁性粉末において、比表面積が上述の範囲にあ
るということは微粒子であることを意味しており、これ
により非磁性層、ひいては磁性層が平滑な表面で形成さ
れる。そして、磁性層の表面が粗くなることにより、変
調ノイズやスペーシングロスが抑えられ、高い電磁変換
特性が得られるようになる。
【0116】一方、磁気記録媒体が蒸着型の磁性層、即
ち金属磁性薄膜よりなる磁性層を有する場合、該金属磁
性薄膜は、強磁性金属材料を、メッキやスパッタリン
グ、真空蒸着、イオンプレーティング法等の手法により
非磁性支持体上に連続的に被着させることによって形成
すればよい。
【0117】上記真空蒸着法は、1×10-2〜1×10
-6Paの真空下で強磁性金属材料を抵抗加熱、高周波加
熱、電子ビーム加熱等により蒸発させ、非磁性支持体上
に蒸発金属(強磁性金属材料)を沈着させるものであ
り、一般に高い抗磁力を得るために支持体に対して上記
強磁性金属材料を斜めに蒸着する斜方蒸着が用いられ
る。さらに、より高い抗磁力を得るために酸素雰囲気中
で上記蒸着を行うものも含まれる。
【0118】上記イオンプレーティング法も真空蒸着法
の一種であり、1×10-1〜1×10-2Paの不活性ガ
ス雰囲気中でDCグロー放電、RFグロー放電を起こし
て、放電中で上記強磁性金属材料を蒸発させるというも
のである。
【0119】上記スパッタリング法は、1×10〜1×
10-1Paのアルゴンガスを主成分とする雰囲気中でグ
ロー放電を起こし、生じたアルゴンガスイオンでターゲ
ット表面の原子をたたき出すというものであり、グロー
放電の方法により直流2極、3極スパッタ法や、高周波
スパッタ法、またはマグネトロン放電を利用したマグネ
トロンスパッタ法等がある。このスパッタリング法によ
る場合は、CrやW、V等の下地膜を形成しておいても
よい。
【0120】この金属磁性薄膜としては、Fe、Co、
Ni等の金属やCo−Ni系合金、Co−Pt系合金、
Co−Pt−Ni系合金、Fe−Co系合金、Fe−N
i系合金、Fe−Co−Ni系合金、Fe−Ni−B系
合金 Fe−Co−B系合金、Fe−Co−Ni−B系
合金等からなる面内磁化記録タイプのものや、Co−C
r系合金等からなる垂直磁化記録タイプのものが例示さ
れる。
【0121】このような手法により形成される金属磁性
薄膜の膜厚は、0.01μm〜1μmであるのが好まし
い。
【0122】このような金属磁性薄膜上にはカーボン膜
等の保護膜が形成される。なお、このカーボン膜は、グ
ラファイト状、タイヤモンド状、アモルファス状のいず
れであってもよい。また、このカーボン膜の成膜方法と
しては、スパッタリング法が一般的であるが、CVD法
等、いずれの方法を適用してもよい。カーボン膜の膜厚
としては、2〜100nmであることが望ましく、特に
5〜30nmであって好適である。
【0123】上記保護膜の材料としては、カーボンの
他、通常の金属磁性薄膜用の保護膜として使用されるも
のであれば如何なるものも使用可能であり、例示するな
らば、CrO2 やAl23、BN、Co酸化物、Mg
O、SiO2、Si34、SiNx、SiC、SiNx
SiO2、ZrO2、TiO2、TiC等が挙げられる。
これらの単層膜であってもよいし、多層膜あるいは複合
膜であってもよい。
【0124】また、上記磁気記録媒体においては、非磁
性支持体の磁性層が形成されている側の面とは反対側の
面にバックコート層が設けられていてもよい。このバッ
クコート層は、先に磁性塗料で例示した結合剤に導電性
を付与するためのカーボン系微粉末や表面粗度をコント
ロールするための無機顔料が分散されてなる層であり、
媒体の走行性を改善するとともに帯電防止,転写防止等
の目的で設けられる。
【0125】なお、このバックコート層に内添させる粉
末としては、カーボンブラックの他には、ベンゾグアナ
ミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、エポキシ系樹脂
粉末、ポリエチレンテレフタレート粉末、フタロシアニ
ン系顔料粉末、酸化チタン粉末、酸化珪素粉末、二硫化
モリブデン粉末、二硫化タングステン粉末、含水酸化鉄
粉末、珪酸マグネシウム粉末、炭酸カルシウム粉末、珪
酸アルミニウム粉末、硫酸バリウム粉末、クレー粉末等
が使用できる。
【0126】これら粉末の一次平均粒径は、0.001
μm〜1.0μmとされて好適である。小さすぎると、
塗料中での分散性が悪く、バックコート層表面を粗面化
しすぎる虞れがあり、大きすぎると、バックコート層表
面に固い大きな凹凸が形成され、磁気テープが捲かれた
ときに磁性層にこの凹凸が転写されてしまう。また、こ
のような粉末は、樹脂結合剤100重量部に対して25
〜150重量部添加されて好適である。粉末の含有量が
少なすぎると、バックコート層表面の粗面化効果が不十
分となり、逆に含有量が多すぎると、バックコート層の
塗膜の機械的性質が弱くなる。
【0127】また、上記磁気記録媒体の代わりに、ある
いは上記磁気記録媒体と併用して、上記配位子を含有す
るクリーニングテープを用いることも可能である。
【0128】すなわち、ここで用いるクリーニングテー
プは、支持体上にピリジン骨格を有し2座以上の配位座
を有する化合物(配位子)が保持されて構成される。
【0129】用いられる配位子としては、先に磁気記録
媒体の焼き付き防止剤として例示した配位子がいずれも
使用可能である。
【0130】また、この場合にも、これら配位子には先
に例示した各種置換基が導入される。これら配位子は、
1種類を単独で用いても、複数種を組み合わせて用いて
も構わない。
【0131】以上のような配位子は金属原子と錯形成能
を有するため、これを保持させたクリーニングテープを
磁気ヘッド(MR再生ヘッドや誘導型薄膜磁気ヘッド)
表面に対して摺動させると、当該配位子が磁気ヘッド表
面に生成した金属酸化物と錯形成反応を生じて錯体とな
る。この錯体は、磁気ヘッド表面から容易に脱離し、取
り除かれることになる。
【0132】配位子を保持させる支持体としては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリイミド
等よりなる高分子フィルムが用いられる。この高分子フ
ィルムの厚みは、1.0〜200μmであるのが好まし
く、2.0〜100μmであるのがより好ましい。
【0133】この他、支持体としては、これらの高分子
等よりなる繊維同士を接合した、いわゆる不織布を用い
るようにしても良い。
【0134】支持体に配位子を保持させるには、配位子
を溶剤に溶解してクリーニング塗料を調製し、このクリ
ーニング塗料を支持体上に塗布する。
【0135】支持体が高分子フィルムの場合には、この
高分子フィルム表面に上記クリーニング塗料が薄い被膜
となって保持される。また、支持体が不織布の場合に
は、この不織布にクリーニング塗料が含浸されたかたち
で保持される。
【0136】なお、溶剤としては、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロ
パノール等のアルコール系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の方香族炭化水素系溶剤あるいは水等が
挙げられる。
【0137】また、支持体表面に、結合剤よりなる層を
形成しておき、この層の表面にクリーニング塗料を塗布
するようにしても構わない。なお、この層には、帯電防
止や塗膜強度向上のためにカーボンブラック等の粉末成
分を添加しても良い。
【0138】クリーニング塗料を塗布する場合、配位子
の塗布量は1m2当たりで10mg〜10gであるのが
望ましい。配位子の量がこの範囲よりも少ない場合に
は、磁気ヘッド上に付着した焼き付き物を除去する効果
が不足する。また、配位子の量がこの範囲よりも多い場
合には、配位子が磁気ヘッド表面に付着してしまい、テ
ープの走行を阻害するようになる。
【0139】なお、クリーニング塗料は、予め支持体に
保持させておいても良いが、クリーニングの直前に支持
体に塗布するようにしても構わない。
【0140】また、クリーニング塗料に結合剤を混合
し、この結合剤によって配位子を支持体に結着させても
良い。この場合、配位子は、ある程度の厚みをもった結
合剤の層に内添されたかたちで保持される。なお、この
層にも、帯電防止や塗膜強度向上のために、カーボンブ
ラック等の粉末成分を添加しても良い。
【0141】結合剤としては、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン
酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、
メタクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニト
リル、メタアクリロニトリル、スチレン、メチルスチレ
ン、ブタジエン、エチレン、ビニルアセタール、ビニル
ブチラール、メチルスチレン、ブタジエン、エチレン、
ビニルアセタール、ビニルブチラール、ビニルエーテ
ル、ビニルピロリドン等を構成単位として含む重合体あ
るいは共重合体が挙げられる。さらに、ニトロセルロー
ス、セルロースアセテート等のセルロース系樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
キシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂等が
挙げられる。
【0142】これら結合剤の量は、配位子1重量部に対
して10重量部以下であるのが好ましく、5重量部以下
であるのが好ましい。また、層の厚さは、乾燥厚で50
μm以下、さらには30μm以下であるのが好ましい。
【0143】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的な実験
結果に基づいて説明するが、本発明がこの実施例に限定
されるものでないことは言うまでもない。
【0144】実験例1 ここでは、いわゆる塗布型の磁性層に、ピリジン骨格を
有し2座以上の配位座を有する化合物(配位子)を含有
する焼き付き防止剤を保持させて、磁気テープを作製
し、この磁気テープを用いた記録再生を行った。
【0145】具体的には、先ず、下記の組成物を用意
し、 針状金属鉄磁性粒子 (比表面積53.9cm2/g、保磁力1580Oe、飽和磁化120emu/g) 100重量部 熱可塑性ポリウレタン樹脂(平均分子量20000) 10重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10重量部 カーボン(平均粒径150nm) 5重量部 α−アルミナ(平均粒径200nm、5重量部オリーブ油) 3重量部 カルボン酸(オレイン酸) 6重量部 配位子化合物 5重量部 混合溶剤 (メチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン/トルエン=2:1:1) 220重量部 潤滑剤[CH3(CH24OCO(CH216CH3] 1重量部 この組成物をボールミルにて48時間混合してから、ポ
リイソシアネートよりなる硬化剤を3.5重量部添加し
て、さらに30分間混合した。
【0146】そして、このようにして得られた磁性塗料
を7μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に
乾燥後の厚みが2μmとなるように塗布した。その後、
乾燥、カレンダー処理を行い、硬化促進のため60℃の
オーブンに20時間放置することにより磁性層を形成し
た。
【0147】さらに、これを8mm幅に裁断してサンプ
ルテープを完成させた。
【0148】ここで用いた配位子化合物は、2,2−ビ
ピリジル(サンプル1)、1,10−フェナントロリン
(サンプル2)、2−アミノピリジン(サンプル3)、
8−ヒドロキシキノリン(サンプル4)、3−(2−ピ
リジル)−1,2,4−トリアジン(サンプル5)、2
−(2−ピリジル)−1,3,5−トリアジン(サンプ
ル6)、2−(2−ピリジル)−イミダゾール(サンプ
ル7)、2−(2−ピリジル)−オキサゾール(サンプ
ル8)である。すなわち、ここで作製したサンプルは、
全部で8種類である。
【0149】これらのサンプルテープを、再生ヘッドに
磁気抵抗効果型ヘッドを使用した磁気記録再生装置に装
着し、記録再生評価を行った。
【0150】また、配位子化合物を添加しないこと以外
は上記各サンプルテープと同じ条件でサンプルテープ
(サンプル9)を完成させ、比較例として記録再生評価
を行った。
【0151】回転磁気ヘッド装置は、固定ドラムと回転
ドラム、モータを有しており、回転ドラムに180°の
位相差をもってMR再生ヘッドと記録ヘッドが取り付け
られている。
【0152】回転ドラムはモータの作動により回転し、
これに伴ってMR再生ヘッド、記録ヘッドも回転する。
【0153】サンプルテープは、固定ドラムにほぼ18
0°分密着し、MR再生ヘッドと記録ヘッドはサンプル
テープに対してヘリカルスキャン方式で接触する。この
とき、サンプルテープは、固定ドラムのリードガイド部
に沿って斜めに走行する。
【0154】記録再生評価は、初期に1分間記録し、そ
の再生出力を0dBとし、さらに20分間記録し、その
後20分間の再生を10回繰り返した後の再生出力が初
期の再生出力に対してどのくらいレベルダウンが生ずる
かについて検討した。
【0155】結果を表1に示す。
【0156】
【表1】
【0157】表1から、配位子化合物を使用すること
で、レベルダウンを大きく抑制することが可能であるこ
とがわかる。
【0158】実験例2 ここでは、いわゆる蒸着型の磁性層上のカーボン膜の表
面に、上述の配位子を含有する焼き付き防止剤を塗布し
て、サンプルテープを作製した。
【0159】具体的には、先ず、7μm厚のポリエチレ
ンテレフタレートフィルムに、電子ビーム加熱を利用し
た斜方蒸着法によりCoを被着させ、膜厚180nmの
金属磁性薄膜を形成した。
【0160】金属磁性薄膜の蒸着に際しては、酸素ガス
導入口より非磁性支持体の表面近傍に酸素ガスを供給
し、磁気特性、耐久性、耐候性の向上を図った。
【0161】次いで、金属磁性薄膜表面に、スパッタリ
ング法によりカーボン保護膜を成膜した。
【0162】スパッタリングに際しては、マグネトロン
スパッタ装置を用いた。なお、このカーボン保護膜は、
スペーシングロスを少ないものとし、且つ金属磁性薄膜
の摩耗防止の効果が得られるよう、その厚さを約8nm
とした。
【0163】次に、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムの金属磁性薄膜が形成された面とは反対側の面に、カ
ーボン及びポリウレタン樹脂よりなる厚さ0.5μmの
バックコート層を形成した。
【0164】最後に、下記の組成の混合物をヘキサン溶
媒に溶解したものを上記カーボン保護膜の表面に潤滑剤
の塗布量が5mg/m2 となるように塗布した。このと
きの配位子化合物の塗布量は15mg/m2 、カルボン
酸の塗布量は2.5mg/m2 であった。
【0165】 潤滑剤[CH3(CH24OCO(CH216CH3] 100重量部 配位子化合物 300重量部 カルボン酸(オレイン酸) 50重量部 得られた磁気記録媒体を8mm幅に裁断してサンプルテ
ープとした。
【0166】なお、ここで用いた配位子化合物は、2,
2−ビピリジル(サンプル10)、1,10−フェナン
トロリン(サンプル11)、2−アミノピリジン(サン
プル12)、8−ヒドロキシキノリン(サンプル1
3)、3−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアジン
(サンプル14)、2−(2−ピリジル)−1,3,5
−トリアジン(サンプル15)、2−(2−ピリジル)
−イミダゾール(サンプル16)、2−(2−ピリジ
ル)−オキサゾール(サンプル17)の8種類である。
【0167】これらのサンプルテープを、実験例1と同
様、再生ヘッドに磁気抵抗効果型ヘッドを使用した磁気
記録再生装置に装着し、記録再生評価を行った。
【0168】また、配位子化合物を添加しないこと以外
は上記各サンプルテープと同じ条件でサンプルテープ
(サンプル18)を完成させ、比較例として記録再生評
価を行った。
【0169】結果を表2に示す。
【0170】
【表2】
【0171】表2より、蒸着型の磁気記録媒体において
も、配位子化合物を使用することで、レベルダウンを大
きく抑制することが可能であることがわかる。
【0172】比較例であるサンプル9やサンプル18を
用いた場合、レベルダウンが大きいため、通常用いられ
るクリーニングテープを1分間走行させたところ、MR
再生ヘッドがショートしてしまい、出力は測定不能とな
った。したがって、配位子化合物を添加しない磁気記録
媒体を用いる磁気記録装置では、一度レベルダウン量が
大きくなったMR再生ヘッドを初期の状態に回復させる
ことは困難であり、配位子化合物を添加した磁気記録媒
体を用いることは、MR再生ヘッドの長寿命化に有用で
あることがわかる。
【0173】実験例3 実験例1と同様のサンプルテープを用い、誘導型薄膜磁
気ヘッドを搭載した磁気記録再生装置において、記録再
生評価を行った。
【0174】記録再生評価は、初期に1分間記録し、そ
の再生出力を0dBとし、20分間の記録及び20分間
の再生を交互に10回繰り返した後の再生出力が初期の
再生出力に対してどのくらいレベルダウンするかについ
て検討した。結果を表3に示す。
【0175】
【表3】
【0176】実験例4 実験例2と同様のサンプルテープを用い、誘導型薄膜磁
気ヘッドを搭載した磁気記録再生装置において、記録再
生評価を行った。記録再生評価の方法は、実験例3と同
様である。結果を表4に示す。
【0177】
【表4】
【0178】これらの実験例から、誘導型薄膜磁気ヘッ
ドを搭載した磁気記録再生装置においても、配位子化合
物の使用が有効であることがわかる。
【0179】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、ヘリカルスキャン方式の磁気記録再生装置
において、回転磁気ヘッド装置に搭載される磁気抵抗効
果型再生ヘッドや誘導型薄膜磁気ヘッドの焼き付き物の
発生を抑制することができ、しかも研磨による摩耗も抑
制することができる。
【0180】したがって、スペーシングロスによる出力
低下が少なく、エラーレートの上昇も少ない磁気記録再
生装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘリカルスキャン磁気記録方式の磁気記録再生
装置に搭載される回転ドラム装置の一構成例について、
その概略を示す斜視図である。
【図2】上記回転ドラム装置を含む磁気テープ送り機構
の一構成例について、その概略を示す平面図である。
【図3】上記回転ドラム装置の内部構造を示す断面図で
ある。
【図4】上記回転ドラム装置並びにその周辺回路につい
て、回路構成の概略を示す図である。
【図5】上記回転ドラムに搭載されるMRヘッドの一例
について、一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図6】MRヘッドを用いて磁気テープからの信号を再
生する様子を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 回転ドラム装置、 2 固定ドラム、 3 回転ド
ラム、 4 モータ、5a,5b インダクティブ型磁
気ヘッド、 6(6a,6b) MR再生ヘッド、 7
磁気テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 健 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 亀井 隆広 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 栗原 研一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 岩本 浩 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 尾末 匡 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 蒲谷 美輝 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4J038 EA011 JB28 JB36 NA22 PB11 5D006 AA01 DA00 FA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果型再生ヘッド及び/又は誘
    導型薄膜磁気ヘッドを備えたヘリカルスキャン方式の磁
    気記録再生装置において、 ピリジン骨格を有し2座以上の配位座を有する化合物を
    含有する焼き付き防止剤が保持されている磁気記録媒体
    及び/又はクリーニングテープが走行されることを特徴
    とする磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】 上記ピリジン骨格を有し2座以上の配位
    座を有する化合物が下記の化1で示されるビピリジン誘
    導体であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録再
    生装置。 【化1】
  3. 【請求項3】 上記ピリジン骨格を有し2座以上の配位
    座を有する化合物が下記の化2で示されるフェナントロ
    リン誘導体であることを特徴とする請求項1記載の磁気
    記録再生装置。 【化2】
  4. 【請求項4】 上記ピリジン骨格を有し2座以上の配位
    座を有する化合物が下記の化3で示される2−置換ピリ
    ジン誘導体であることを特徴とする請求項1記載の磁気
    記録再生装置。 【化3】
  5. 【請求項5】 上記ピリジン骨格を有し2座以上の配位
    座を有する化合物が下記の化4で示されるキノリン誘導
    体であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録再生
    装置。 【化4】
  6. 【請求項6】 上記ピリジン骨格を有し2座以上の配位
    座を有する化合物が下記の化5で示される化合物である
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録再生装置。 【化5】
  7. 【請求項7】 上記ピリジン骨格を有し2座以上の配位
    座を有する化合物が下記の化6で示される化合物である
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録再生装置。 【化6】
  8. 【請求項8】 上記ピリジン骨格を有し2座以上の配位
    座を有する化合物が下記の化7で示される化合物である
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録再生装置。 【化7】
  9. 【請求項9】 上記ピリジン骨格を有し2座以上の配位
    座を有する化合物が下記の化8で示される化合物である
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録再生装置。 【化8】
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