JP2002373414A - 磁気記録媒体および磁性塗料 - Google Patents

磁気記録媒体および磁性塗料

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JP2002373414A
JP2002373414A JP2002019083A JP2002019083A JP2002373414A JP 2002373414 A JP2002373414 A JP 2002373414A JP 2002019083 A JP2002019083 A JP 2002019083A JP 2002019083 A JP2002019083 A JP 2002019083A JP 2002373414 A JP2002373414 A JP 2002373414A
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powder
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JP2002019083A
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Yuichi Sasaki
勇一 佐々木
Katsuko Watanabe
勝子 渡辺
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低ノイズで高密度記録特性に優れた磁気記録媒
体と、その製造に用いる磁性塗料を提供する。 【解決手段】非磁性支持体102と、前処理が施された
強磁性粉末を少なくとも有機溶媒および結合剤とともに
混練し、分散させた磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布
して形成された磁性層103とを有し、前処理は強磁性
粉末を強酸中に浸漬し表面を溶解させ、金属イオンがな
くなるまで水洗した後、中和してから、乾燥させること
なく分散補助剤(好適には水溶性シラン化合物)を加
え、強磁性粉末を抽出する処理を含む磁気記録媒体、お
よびその製造に用いる磁性塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗布型の高記録密度
の磁気記録媒体およびその製造に用いることができる磁
性塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】塗布型磁気記録媒体はオーディオ、ビデ
オ、データストレージ用の記録媒体として広く用いられ
てきた。近年の情報記録分野におけるハードウェアの急
速な進歩によって、記録媒体には更なる高密度化、大容
量化が要求されるようになっている。従来、電磁誘導を
動作原理とする磁気ヘッド(誘導型磁気ヘッド)が用い
られ普及している。しかしながら、更に高密度記録再生
領域でこれを使用するには限界が見え始めている。
【0003】誘導型磁気ヘッドで大きな再生出力を得る
ためには、再生ヘッドのコイル巻数を多くする必要があ
るが、コイル巻数を多くするとインダクタンスが増加す
る。これにより、高周波での抵抗が増加し、結果として
再生出力が低下する問題があった。
【0004】最近ではMR(磁気抵抗)を動作原理とす
る再生ヘッドが提案されている。MRヘッドによれば、
誘導型磁気ヘッドに比較して数倍の再生感度が得られ、
かつ誘導コイルを用いないため、インピーダンスノイズ
等の機器ノイズが大幅に低下する。
【0005】したがって、磁気記録媒体のノイズを下げ
ることで大きなS/N比を得ることが可能になってき
た。換言すれば、従来は機器ノイズに隠れていた磁気記
録媒体ノイズを小さくすれば、良好な記録再生が行え、
高密度記録特性が飛躍的に向上する。
【0006】低ノイズ媒体用の強磁性粉末の一つとし
て、六方晶フェライト粉末が挙げられる。これは、六方
晶フェライト粉末が従来の金属強磁性粉末に比べ結晶磁
気異方性エネルギーが大きいために、粒子サイズを微細
化することが可能であることによる。粒子径を微細化す
るとノイズが低減するため、六方晶フェライトは低ノイ
ズ媒体用材料として好適である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、六方晶
フェライト粉末は板面に対し垂直な方向(c軸)に磁化
容易軸が存在するため、板面同士が結合するスタッキン
グを起こしやすく、分散が困難であるという問題をも
つ。粒子サイズが微細化するにつれ、粉末を分散させる
のが、より困難となる。
【0008】六方晶フェライト粉末を含む従来の磁性塗
料は、特に前処理が施されていない粉末を用いて調製さ
れる。六方晶フェライト粉末のスタッキングを防止する
目的で、磁性塗料中に界面活性剤またはカップリング剤
が添加されるが、スタッキングを十分に抑制することは
出来ない。
【0009】六方晶フェライト粉末のスタッキングが顕
著である磁性塗料を用いて、磁気記録媒体の磁性層を形
成すると、磁性層の表面粗さが大きくなる。この場合、
粒子性のノイズや変調ノイズが大きく磁気記録媒体の電
磁変換特性は低い。
【0010】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、したがって本発明は、MRヘッドを組み合わ
せた記録再生システムに適し、低ノイズで高密度記録特
性に優れた磁気記録媒体を提供することを目的とする。
また、本発明は、低ノイズで高密度記録特性に優れた磁
気記録媒体の製造に用いることができる磁性塗料を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と、前処理
が施された強磁性粉末(好適には六方晶板状フェライト
粉末)を少なくとも有機溶媒および結合剤とともに混練
し、分散させた磁性塗料を、前記非磁性支持体上に塗布
して形成された磁性層とを有し、前記前処理は強磁性粉
末を強酸中に浸漬し表面を溶解させ、金属イオンがなく
なるまで水洗した後、中和してから、乾燥させることな
く分散補助剤を加え、前記強磁性粉末を抽出する処理を
含むことを特徴とする。
【0012】好適には、前記分散補助剤は水溶性シラン
化合物、界面活性剤または水溶性カップリング剤を含
む。前記補助剤として界面活性剤を用いる場合は、前記
前処理において、前記界面活性剤を前記強磁性粉末に吸
着させた後、前記強磁性粉末を抽出する前に、前記強磁
性粉末を洗浄し、乾燥させる処理を施してもよい。
【0013】これにより、磁性層中での強磁性粉末のス
タッキングが抑制され、強磁性粉末が均一に分散した磁
性層が得られる。したがって、磁気記録媒体の電磁変換
特性が向上する。また、微細化された強磁性粉末を用い
ることが可能となり、磁気記録媒体のノイズを低減でき
る。本発明の磁気記録媒体を例えばMRヘッドで再生し
た場合、大きなS/N比が得られる。
【0014】上記の目的を達成するため、本発明の磁性
塗料は、六方晶板状フェライト粉末を強酸中に浸漬し表
面を溶解させ、金属イオンがなくなるまで水洗した後、
中和してから、乾燥させることなく水溶性シラン化合物
を加え、前記六方晶板状フェライト粉末を抽出する前処
理が施された前記六方晶板状フェライト粉末を、少なく
とも有機溶媒および結合剤とともに混練し、分散させた
ことを特徴とする。
【0015】あるいは、本発明の磁性塗料は、六方晶板
状フェライト粉末を強酸中に浸漬し表面を溶解させ、金
属イオンがなくなるまで水洗した後、中和してから、乾
燥させることなく界面活性剤またはカップリング剤を加
えて前記六方晶板状フェライト粉末に吸着させ、前記六
方晶板状フェライト粉末を抽出する前処理が施された前
記六方晶板状フェライト粉末を、少なくとも有機溶媒お
よび結合剤とともに混練し、分散させたことを特徴とす
る。
【0016】これにより、磁性塗料中での六方晶板状フ
ェライト粉末のスタッキングが防止される。本発明の磁
性塗料によれば、電磁変換特性の高い磁性層を磁気記録
媒体に形成することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の磁気記録媒体お
よび磁性塗料の実施の形態について、図面を参照して説
明する。 (実施形態1)図1(a)は、本実施形態の磁気記録媒
体の一例を示す断面図である。図1(a)に示す磁気記
録媒体101は、非磁性支持体102の一方の面に単層
の磁性層103を有する。磁性層厚は0.5μm以下が好
ましい。非磁性支持体102の他方の面には、必要に応
じてバックコート層104が形成される。
【0018】図1(b)は、本実施形態の磁気記録媒体
の他の一例を示す断面図である。図1(b)に示す磁気
記録媒体111は、非磁性支持体102の一方の面に非
磁性層105を介して磁性層103を有する。磁性層厚
は図1(a)と同様に0.5μm以下であることが好まし
い。図1(a)の磁気記録媒体101と同様に、非磁性
支持体102の他方の面には、必要に応じてバックコー
ト層104が形成される。非磁性層105を設けること
により、磁性層103の表面がより平滑化され、磁性層
103の密着性も向上する。また、磁性層103の塗布
厚のコントロールも容易になり好ましい。0.5μm以下
の磁性層厚とする場合には図1(b)の方が好ましい。
【0019】本実施形態の磁気記録媒体は、強磁性粉末
として六方晶板状フェライト粉末が結合剤中に均一に分
散された磁性層を有する。六方晶フェライト粉末は、従
来の金属強磁性粉末に比較して結晶磁気異方性エネルギ
ーが大きいため、粒子径を微細化することが可能であ
る。強磁性粉末の粒子径を微細化すると、磁気記録媒体
のノイズは低減される。したがって、粒子径が微細化さ
れた六方晶板状フェライト粉末を用いることにより、低
ノイズの磁気記録媒体が得られる。
【0020】特に、MRヘッドを含む磁気記録システム
に本実施形態の磁気記録媒体を適用した場合には、大き
なS/N比が得られるため、高密度記録が可能となる。
本発明の磁気記録媒体に信号を記録するための記録ヘッ
ドは特に制限されないが、電磁誘導型の薄膜磁気ヘッ
ド、例えばMIG(metal in gap)ヘッド等が好適に用
いられる。
【0021】本実施形態の磁気記録媒体の磁性層は、六
方晶板状フェライト粉末を含む磁性塗料を塗布すること
により形成される。この磁性塗料は、以下のように調製
される。まず、強磁性粉末を強酸に浸漬することによっ
て、粉末表面を僅かに溶解させる。この際、強固な焼結
体や凝集体が溶解する。
【0022】強酸の濃度は0.001〜5Nとし、浸漬
時間はFeの溶解量が粉体重量に対し1%未満となるよ
うに調節する。ここで、六方晶板状フェライト粉末の溶
解量は例えば高周波プラズマ分光分析(ICP)によっ
て定量するため、元素の溶解量で示した。
【0023】強酸の濃度が0.001Nより低いとFe
を十分に溶解させるのが難しい。一方、強酸の濃度が5
Nを超えると、Feの溶解が速くなり過ぎ、均一な溶解
処理が難しくなる。また、浸漬時間の制御も難しくな
る。使用可能な強酸としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸
等が挙げられるが、他の酸を用いることもできる。
【0024】強磁性粉末を強酸に浸漬してから一定時間
が経過した後に、蒸留水またはイオン交換水で強磁性粉
末を十分に洗浄し、水溶液中のFeイオンを除去する。
洗浄はマグネットを用いたデカンテーションによるのが
好ましい。pHの上昇と共に粒子は分散して沈降しにく
くなる。この場合には、電解質を加えてイオン強度を高
くすることにより、粒子が凝集するため、粒子を容易に
沈降させることができる。
【0025】その後、アルカリを加えて中和した後、各
種カチオン、アニオンが除去されるまで十分に洗浄す
る。更に、水溶性のシラン化合物を添加する。シラン化
合物としては、シランカップリング剤を含む各種カップ
リング剤や、ポリオキシアルキレンエーテルが付加され
たアルコキシシラン等が挙げられる。例えば、ポリオキ
シエチレンアルキルトリメトキシシランや、カップリン
グ剤のA−187、A−174(日本ユニカー)等が挙
げられる。その後、粉体を抽出し乾燥させる。
【0026】抽出方法としては、エバポレーター等を用
いて水のみを除去するのが好ましい。これは、粉体とシ
ラン化合物の結合(または相互作用)が水中では弱く、
シラン化合物を水中で吸着させるのが困難なことによ
る。このような工程を経て得られた粉体を一般的な磁性
塗料の作製法に従い、分散処理する。粒子表面には有機
物による立体障害層が形成されているため、粒子間に働
く引力が弱められる。したがって、従来の方法で調製さ
れた磁性塗料に比較して、容易に粒子が分散する。
【0027】本実施形態で用いられる強磁性粉末として
はM型、W型、Y型、Z型のバリウムフェライト、スト
ロンチウムフェライト、カルシウムフェライト、鉛フェ
ライト等の六方晶系板状フェライトが挙げられる。これ
らに保磁力を制御する目的でCo−Ti、Co−Ti−
Zn、Co−Ti−Nb、Co−Ti−Zn−Nb、C
u−Zr、Ni−Ti等を添加したものも使用可能であ
る。強磁性粉末の保磁力は1800〜3500Oe程度
であることが好ましい。
【0028】本実施形態で用いられる強磁性粉末の比表
面積は20〜90m2/g、好適には30〜80m2/g
が望ましい。比表面積が上記範囲にある強磁性粉末は、
粒子径が十分に微細化されている。したがって、高密度
記録が可能となり、ノイズ特性に優れた磁気記録媒体を
得ることが可能である。
【0029】六方晶板状フェライト粉末の板径は0.0
1〜0.1μm、板厚は0.0005〜0.03μm程
度が好ましい。板径および板厚は、透過型電子顕微鏡写
真から無作為に選んだ100サンプル以上の平均値を採
用する。強磁性粉末の含水率は0.1〜3%とするのが
好ましい。
【0030】本実施形態において結合剤としては、従
来、磁気記録媒体用の結合剤として使用されている公知
の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂等が使用可
能であり、数平均分子量が5000〜100000のも
のが好ましい。
【0031】熱可塑性樹脂の例としては塩化ビニル、酢
酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニ
トリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリ
ル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−塩化ビ
ニリデン共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデ
ン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共
重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニル共重合体、
メタクリル酸エステル−エチレン共重合体、ポリ弗化ビ
ニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアミド樹
脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースダイアセテー
ト、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネ
ート、ニトロセルロース)、スチレンブタジエン共重合
体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹
脂、合成ゴム等が挙げられる。
【0032】また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂の例
としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン
硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹
脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアル
デヒド樹脂等が挙げられる。なお、これらの樹脂につい
ては改訂新版「プラスチックハンドブック」(朝倉書
店)に記載されている。
【0033】上記の結合剤に含まれる極性官能基として
は−SO3M、−OSO3M、−COOM、P=O(O
M)2(ここで、式中Mは水素原子あるいは、リチウ
ム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属であ
る。)、−NR12、−NR123 + -の末端基を有
する側鎖型のもの、>NR12 +-の主鎖型のものが挙
げられる(ここで、式中R1、R2、R3は、水素原子あ
るいは炭化水素基であり、X-は弗素、塩素、臭素、ヨ
ウ素等のハロゲン元素イオンあるいは無機・有機イオン
である。)。また、−OH、−SH、−CN、エポキシ
基等の極性官能基もある。
【0034】これらの極性官能基の量は、10-1〜10
-8mol/g、好ましくは10-2〜10-6mol/gで
ある。極性官能基がこれより少なすぎると、磁性粉末の
分散に対する効果が発現せず、一方、多すぎる場合は塗
料粘度の増大や強磁性粉末の分散低下などにつながる。
これら結合剤は、1種単独で用いられることが可能であ
るが、2種以上を併用することも可能である。
【0035】塗膜におけるこれらの結合剤は、上記強磁
性粉末100重量部に対して、1から200重量部、好
ましくは、10から50重量部である。本発明に用いる
ことができる結合剤の具体的な例としては、VAGH、
VYHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、
VYES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、
PKHH、PKHJ、PKHC、及びPKFE(ユニオ
ンカ−バイト社製)、MR110、MR100、MR1
12、MR555およびMR104(日本ゼオン(株)
製)、ニッポランN2301、N2302、およびN2
304(日本ポリウレタン工業(株)製)、バイロンU
R8200、UR8300、RV530、およびRV2
80(東洋紡(株)製)、ダイフェラミン4020、9
020、9022、及び7020(大日精化(株)
製)、サランF310、およびF210(旭化成(株)
製)等を挙げることができる。
【0036】本実施形態において磁性層に研磨剤を含有
させることができる。研磨剤としてはモース硬度7以上
の非磁性粉末が好ましく、例えば酸化アルミニウム、酸
化クロム(Cr23)、炭化珪素、ダイヤモンド、窒化
珪素、窒化チタン、チタンカーバイト、炭化チタン、酸
化チタン等が挙げられる。これらの粒子は強磁性粉末1
00重量部に対して、20重量部以下、好ましくは、1
0重量部以下がよい。比重は、2〜6、好ましくは3〜
5の範囲である。研磨剤のサイズは0.05〜0.8μ
mが好ましい。研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状
の何れでも良い。
【0037】本実施形態に用いることができる研磨剤粒
子の具体的な例としては、AKP−30、AKP−5
0、HIT−50、HIT−55、HIT−60、HI
T−82、HIT−100(住友化学工業(株)製)を
挙げることができる。なお、これら非磁性粉末は強磁性
粉末と共に混合し分散処理する手法にて用いても良く、
予め結合剤中に分散し塗料化した上で、主として強磁性
粉末と結合剤からなる磁性塗料に添加しても良い。
【0038】本実施形態では、上記結合剤を架橋硬化さ
せるポリイソシアネートを併用することが可能である。
このポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシア
ネート、アルキレンジイソシアネート、4,4’-ジフ
ェニルメタンジイソシアネート並びにこれらの付加体等
である。
【0039】これらのイソシアネート類の具体例として
は、コロネートL、コロネートHL、コロネ−ト203
0、及びコロネート2031(日本ポリウレタン工業
(株)製)、タケネートD−102、タケネートD−1
10N、タケネートD−200、タケネートD−202
(武田薬品工業(株)製)を挙げることができる。これ
らポリイソシアネートの上記結合剤への配合量は、上記
結合剤100重量部に対して、5から80重量部、好ま
しくは、10から60重量部である。
【0040】本実施形態においては、潤滑剤を磁性層に
含有させることが可能である。上記潤滑剤としては、黒
鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステンなどの微粉
末、炭素数10から22までの脂肪酸、並びに、これと
炭素数2から26までのアルコールからなる脂肪酸エス
テル、フルオロカーボン類、ジアルキルポリシロキサ
ン、フルオロアルキルポリシロキサンなどのシリコンオ
イル並びにこれらのオリゴマー等が挙げられる。図1
(b)に示すように、磁性層103の下層に非磁性層1
05を設けた場合には、これらの潤滑剤を、上層の磁性
層103にのみ添加することも可能であるし、上下両層
(磁性層103および非磁性層105)に添加する事も
可能である。
【0041】非磁性支持体としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等の
ポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン
類、セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト等のセルロース類、ビニル系樹脂、ポリアミド類、ポ
リイミド類、ポリカーボネート類に代表されるような高
分子材料が挙げられる。
【0042】上記非磁性層および磁性層の形成に際して
は、非磁性支持体と非磁性層または磁性層の間に密着性
を向上させるために下塗り層を設けても良い。この厚み
は0.01〜1μmであることが好ましく、さらに好ま
しくは0.03〜0.5μmである。この下塗り層の形
成に際しては、従来から磁気テープ、磁気記録ディスク
において用いられている公知の材料および方法を使用す
ることができる。
【0043】非磁性支持体の表面粗さは非接触型表面粗
さ計(ZYGO社製New View 5020)で測定した中心線
平均粗さRaで9nm以下、好ましくは5nm以下であ
る。さらに、これらの支持体には0.4μm以上の粗大
突起がないことが好ましい。支持体上に0.4μmを超
える粗大突起があると、磁性層あるいは非磁性層を塗布
してもその形状が表面に及び、走行耐久性の悪化やドロ
ップアウト等の原因となる。表面の粗さ形状は支持体に
添加されるフィラーの大きさと量によりコントロールさ
れる。これらのフィラーとしてはCa、Si、Tiなど
の酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機微粉末が
挙げられる。
【0044】上記非磁性支持体上に磁性層あるいは非磁
性層の塗膜を形成するには、塗料として塗布し、乾燥さ
せて形成する。この塗料化に用いられる溶剤は、例えば
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルア
ルコール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレン
グリコールアセテート等のエステル系溶媒、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、2-エトキシエタノール、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶
媒、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化
炭素、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭
化水素系溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は必ず
しも100%純粋である必要はなく、異性体、未反応
物、分解物、酸化物、水分等の不純成分が20%以下で
あれば含まれていてもかまわない。
【0045】上記塗料の作製は混練工程、分散工程およ
びこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程に
よって行われる。本実施形態において使用する強磁性粉
末、非磁性粉末、結合剤、潤滑剤、溶剤など全ての原料
は何れの工程の最初または途中で添加してもかまわな
い。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加
してもかまわない。分散および混練には、ロールミル、
ボールミル、サンドミル、ダイノミル、アジター、ニー
ダー、エクストルーダー、ホモジナイザー、超音波分散
機等、従来公知の装置が用いられる。
【0046】このようにして製造された塗料は、従来の
公知の塗布方式、例えばグラビア塗布、ロール塗布、ブ
レード塗布、ダイコーティング等の各種方式によって非
磁性支持体上に塗布される。非磁性層を有する重層の磁
気記録媒体においては、ダイコーターによる同時重層塗
布方式が好ましい。この場合、ダイコーターのリップ構
成は、2リップ方式、3リップ方式、4リップ方式等が
用いられる。本実施形態において、磁性層が未乾燥のう
ちに必要に応じて配向処理が行われる。配向はソレノイ
ドコイルによってなされるのが好ましい。
【0047】本実施形態において、塗膜の形成後にカレ
ンダー処理が行われる。このカレンダー処理には磁気記
録媒体において従来行われてきた公知の方法が適用され
る。すなわち、塗膜形成後の非磁性支持体を、加熱され
たロールの間を加圧しながら通すことにより、カレンダ
ー処理が行われる。ロールは金属ロールと通常、エポキ
シ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐
熱性のあるプラスチックロールの組み合わせが使用され
るが、金属ロールのみを用いることもできる。処理温度
は70℃〜120℃(好ましくは80℃〜110℃)で
ある。線圧力は通常、200〜450kg/cmであ
る。カレンダー処理機は、30m/分〜500m/分の
処理速度で、5〜10段のロールを備えたものが好まし
い。
【0048】カレンダー処理後は硬化工程、バック塗布
工程、スリット(裁断)工程、表面処理工程、カートリ
ッジ組み込み工程などが行われる。上記磁気記録媒体
は、MR再生ヘッドを用いた磁気記録システムの磁気テ
ープとして好適である。MR再生ヘッドとしては、MR
素子をシールドで挟み込んだシールド型のMRヘッドを
用い、これを回転ドラムに搭載して記録再生装置を構成
する。MR再生ヘッドを用いた磁気記録システムと本実
施形態の磁気記録媒体を組み合わせることにより、これ
までにない高密度記録システムを構築することができ
る。
【0049】以下に、MR再生ヘッドを用いたヘリカル
スキャン磁気記録システムの場合について例示するが、
本実施形態の効果はMR再生ヘッドを用いた全ての磁気
記録システムにおいて有効である。上記ヘリカルスキャ
ン磁気記録システムの磁気記録再生装置は、回転ドラム
を用いて記録再生を行うヘリカルスキャン方式の磁気記
録再生装置であり、回転ドラムに搭載された再生用磁気
ヘッドとして、MRヘッドを使用する。
【0050】この磁気記録再生装置に搭載される回転ド
ラム装置の一構成例を図2および図3に示す。なお、図
2は回転ドラム装置1の概略を示す斜視図であり、図3
は回転ドラム装置1を含む磁気テープ送り機構10の概
略を示す平面図である。図2に示すように、回転ドラム
装置1は、円筒状の固定ドラム2と、円筒状の回転ドラ
ム3と、回転ドラム3を回転駆動するモータ4と、回転
ドラム3に搭載された一対のインダクティブ型磁気ヘッ
ド5a、5bと、回転ドラム3に搭載された一対のMR
ヘッド6a、6bとを備える。
【0051】上記固定ドラム2は、回転することなく保
持されるドラムである。この固定ドラム2の側面には、
磁気テープ7の走行方向に沿ってリードガイド部8が形
成されている。後述するように、記録再生時に磁気テー
プ7は、このリードガイド部8に沿って走行する。そし
て、この固定ドラム2と中心軸が一致するように、固定
ドラム3が配されている。
【0052】回転ドラム3は、磁気テープ7に対する記
録再生時に、モータ4によって所定の回転速度で回転駆
動されるドラムである。この回転ドラム3は、固定ドラ
ム2と略同径の円筒状に形成されてなり、固定ドラム2
と中心軸が一致するように配されている。そして、この
回転ドラム3の固定ドラム2に対向する側には、一対の
インダクティブ型磁気ヘッド5a、5bおよび一対のM
Rヘッド6a、6bが搭載されている。
【0053】インダクティブ型磁気ヘッド5a、5b
は、一対の磁気コアが磁気ギャップを介して接合される
とともに、磁気コアにコイルが巻装されてなる記録用磁
気ヘッドであり、磁気テープ7に対して信号を記録する
際に使用される。そして、これらのインダクティブ型磁
気ヘッド5a、5bは、回転ドラム3の中心に対して互
いに成す角度が180°となり、それらの磁気ギャップ
部分が回転ドラム3の外周から突き出すように、回転ド
ラム3に搭載されている。なお、これらのインダクティ
ブ型磁気ヘッド5a、5bは、磁気テープ7に対してア
ジマス記録を行うように、アジマス角が互いに逆となる
ように設定されている。
【0054】一方、MRヘッド6a、6bは、磁気テー
プ7からの信号を検出する感磁素子としてMR素子を備
えた再生用磁気ヘッドであり、磁気テープ7から信号を
再生する際に使用される。そして、これらのMRヘッド
6a、6bは、回転ドラム3の中心に対して互いに成す
角度が180°となり、磁気ギャップ部分が回転ドラム
の外周から突き出すように、回転ドラム3に搭載されて
いる。なお、これらのMRヘッド6a、6bは、磁気テ
ープ7に対してアジマス記録された信号を再生できるよ
うに、アジマス角が互いに逆となるように設定されてい
る。
【0055】磁気記録再生装置は、このような回転ドラ
ム装置1に磁気テープ7を摺動させて、磁気テープ7に
対する信号の記録や、磁気テープ7からの信号の再生を
行う。図3に示すように、記録再生時に磁気テープ7
は、供給リール11からガイドローラ12、13を経
て、回転ドラム装置1に巻き付くように送られ、この回
転ドラム装置1で記録再生がなされる。
【0056】回転ドラム装置1で記録再生がなされた磁
気テープ7は、ガイドローラ14、15、キャプスタン
16、ガイドローラ17を経て、巻き取りロール18へ
と送られる。すなわち、磁気テープ7は、キャプスタン
モータ19により回転駆動されるキャプスタン16によ
って所定の張力および速度にて送られ、ガイドローラ1
7を経て巻き取りロール18に巻き取られる。
【0057】このとき、回転ドラム3は、図2中の矢印
Aに示すように、モータ4によって回転駆動される。一
方、磁気テープ7は、固定ドラム2のリールガイド部8
に沿って、固定ドラム2および回転ドラム3に対して斜
めに摺動するように送られる。すなわち、磁気テープ7
は、テープ走行方向に沿って、図2中の矢印Bに示すよ
うに、テープ入口側から固定ドラム2および回転ドラム
3に摺接するようにリードガイド部8に沿って送られ
る。その後、図2中の矢印Cに示すように、テープ出口
側へと送られる。
【0058】次に、上記の回転ドラム装置1の内部構造
について、図4を参照して説明する。図4に示すよう
に、固定ドラム2および回転ドラム3の中心には、回転
軸21が挿通されている。なお、固定ドラム2、回転ド
ラム3および回転軸21は導電材料からなり、これらは
電気的に導通しており、固定ドラム2が接地されてい
る。
【0059】固定ドラム2のスリーブの内側には、2つ
の軸受け22、23が設けられており、これにより、固
定ドラム2に対して回転軸21が回転可能に支持されて
いる。すなわち、回転軸21は、軸受け22、23によ
り、固定ドラム2に対して回転可能に支持されている。
一方、回転ドラム3には、その内周部にフランジ24が
形成されており、このフランジ24が回転軸21の上端
部に固定されている。これにより、回転ドラム3は、回
転軸21の回転に伴って回転するようになされている。
【0060】また、回転ドラム装置1の内部には、固定
ドラム2と回転ドラム3との間で信号の伝送を行うため
に、非接触型の信号伝送装置であるロータリトランス2
5が配されている。このロータリトランス25は、固定
ドラム2に取り付けられたステータコア26と、回転ド
ラム3に取り付けられたロータコア27とを有してい
る。
【0061】ステータコア26およびロータコア27
は、フェライト等のような磁性材料が回転軸21を中心
とする円環状に形成されてなる。また、ステータコア2
6には、一対のインダクティブ型磁気ヘッド5a、5b
に対応した一対の信号伝送用リング26a、26bと一
対のMRヘッド6a、6bに対応した信号伝送用リング
26cと一対のMRヘッド6a、6bの駆動に必要な電
力を供給するための電力電送用リング26dとが、同心
円状に配置されている。
【0062】同様に、ロータコア27にも、一対のイン
ダクティブ型磁気ヘッド5a、5bに対応した一対の信
号伝送用リング27a、27bと、一対のMRヘッド6
a、6bに対応した信号伝送用リング27cと、一対の
MRヘッド6a、6bの駆動に必要な電力を供給するた
めの電力電送用リング27dとが、同心円状に配置され
ている。
【0063】これらのリング26a、26b、26c、
26d、27a、27b、27c、27dは、回転軸2
1を中心として円環状に巻回されたコイルからなり、ス
テータコア26の各リング26a、26b、26c、2
6dとロータコア27の各リング27a、27b、27
c、27dとがそれぞれ対向するように配されている。
このロータトランス25は、ステータコア26の各リン
グ26a、26b、26c、26dとロータコア27の
各リング27a、27b、27c、27dとの間で、非
接触にて信号や電力の伝送を行うようになっている。
【0064】また、回転ドラム装置1には、回転ドラム
3を回転摺動させるモータ4が取り付けられている。こ
のモータ4は、回転部分であるロータ28と、固定部分
であるステータ29とを有している。ロータ28は、回
転軸21の下端部に取り付けられており、駆動用マグネ
ット30を備えている。
【0065】一方、ステータ29は、固定ドラム2の下
端部に取り付けられており、駆動用コイル31を備えて
いる。駆動用コイル31に電流を供給することにより、
ロータ28に取り付けられている回転軸21が回転し、
それに伴って、回転軸21に固定されている回転ドラム
3が回転駆動されることとなる。
【0066】次に、以上のような回転ドラム装置1によ
る記録再生について、この回転ドラム装置1ならびにそ
の周辺回路についての回路構成の概略を示す図5を参照
して説明する。回転ドラム装置1を用いて磁気テープ7
に信号を記録する際には、まず、モータ4の駆動用コイ
ル31に電流が供給され、これにより、回転ドラム3が
回転駆動される。回転ドラム3が回転している状態に
て、図5に示すように、外部回路40からの記録信号が
記録用アンプ41に供給される。
【0067】記録用アンプ41は、外部回路40からの
記録信号を増幅し、一方のインダクティブ型磁気ヘッド
5aによる信号の記録と同期して、インダクティブ型磁
気ヘッド5aに対応したステータコア26の信号伝送用
リング26aに記録信号を供給する。また、他方のイン
ダクティブ型磁気ヘッド5bによる信号の記録と同期し
て、インダクティブ型磁気ヘッド5bに対応したステー
タコア26の信号伝送用リング26bに記録信号を供給
する。
【0068】ここで、一対のインダクティブ型磁気ヘッ
ド5a、5bは、上述したように、回転ドラム3の中心
に対して互いに成す角度が180°となるように配され
ているため、これらのインダクティブ型磁気ヘッド5
a、5bは、180°の位相差を持って交互に記録する
こととなる。すなわち、記録用アンプ41は、一方のイ
ンダクティブ型磁気ヘッド5aに記録信号を供給するタ
イミングと、他方のインダクティブ型磁気ヘッド5bに
記録信号を供給するタイミングとを、180°の位相差
を持って交互に切り換える。
【0069】一方のインダクティブ型磁気ヘッド5aに
対応したステータコア26の信号伝送用リング26aに
供給された記録信号は、非接触にてロータコア27の信
号伝送用リング27aに伝送される。ロータコア27の
信号伝送用リング27aに伝送された記録信号は、イン
ダクティブ型磁気ヘッド5aに供給され、インダクティ
ブ型磁気ヘッド5aにより、磁気テープ7に対して信号
の記録がなされる。
【0070】同様に、他方のインダクティブ型磁気ヘッ
ド5bに対応したステータコア26の信号伝送用リング
26bに供給された記録信号は、非接触にてロータコア
27の信号伝送用リング27bに伝送される。ロータコ
ア27の信号伝送用リング27bに伝送された記録信号
は、インダクティブ型磁気ヘッド5bに供給され、イン
ダクティブ型磁気ヘッド5bにより、磁気テープ7に対
して信号の記録がなされる。
【0071】また、上記回転ドラム装置1を用いて磁気
テープ7からの信号を再生する際は、まず、モータ4の
駆動用コイル31に電流が供給され、これにより、回転
ドラム3が回転駆動される。そして、回転ドラム3が回
転している状態にて、図5に示すように、オシレータ4
2から高周波の電流がパワードライブ43に供給され
る。
【0072】オシレータ42からの高周波の電流は、パ
ワードライブ43によって所定の交流電流に変換された
上で、ステータコア26の電力伝送用リング26dに供
給される。ステータコア26の電力伝送用リング26d
に供給された交流電流は、非接触にてロータコア27の
電力伝送用リング27dに伝送される。ロータコア27
の電力伝送用リング27dに伝送された交流電流は、整
流器44により整流されて直流電流とされ、レギュレー
タ45に供給される。この直流電流はレギュレータ45
により所定の電圧に設定される。
【0073】レギュレータ45によって所定の電圧に設
定された電流は、一対のMRヘッド6a、6bにセンス
電流として供給される。なお、一対のMRヘッド6a、
6bには、MRヘッド6a、6bからの信号を検出する
再生用アンプ46が接続されている。レギュレータ45
からの電流は、この再生用アンプ46にも供給される。
【0074】ここで、MRヘッド6a、6bは、外部磁
界の大きさによって抵抗値が変化するMR素子を備えて
いる。MRヘッド6a、6bは磁気テープ7からの信号
磁界により、MR素子の抵抗値が変化し、これにより、
センス電流に電圧変化が現れるようになされている。
【0075】再生用アンプ46は、この電圧変化を検出
し、当該電圧変化に応じた信号を再生信号として出力す
る。なお、再生用アンプ46は、一方のMRヘッド6a
による信号の再生と同期して、MRヘッド6aによって
検出した信号を出力する。また、他方のMRヘッド6b
による信号の再生と同期して、MRヘッド6bによって
検出した再生信号を出力する。
【0076】ここで、一対のMRヘッド6a、6bは上
述したように、回転ドラム3の中心に対して互いに成す
角度が180°となるように配されているため、これら
のMRヘッド6a、6bは、180°の位相差を持って
交互に再生することとなる。すなわち、再生用アンプ4
6は、一方のMRヘッド6aからの再生信号を出力する
タイミングと他方のMRヘッド6bからの再生信号を出
力するタイミングとを、180°の位相差を持って交互
に切り替える。
【0077】再生用アンプ46から再生信号は、ロータ
コア27の信号伝送用リード27cに供給され、この再
生信号は、非接触にてステータコア26の信号伝送用リ
ング26cに伝送される。ステータコア26の信号伝送
用リング26cに伝送された再生信号は、再生用アンプ
47によって増幅された上で、補正回路48に供給され
る。そして、再生信号は、補正回路48により所定の補
正処理が施された後、外部回路40へと出力される。
【0078】なお、図5に示したような回路構成とした
場合、一対のインダクティブ型磁気ヘッド5a、5b、
一対のMRヘッド6a、6b、整流器44、レギュレー
タ45および再生用アンプ46は、回転ドラム3に搭載
され、回転ドラム3と共に回転する。一方、記録用アン
プ41、オシレータ42、パワードライブ43、再生用
アンプ47および補正回路48については、回転ドラム
装置1の固定部分に配するか、あるいは、回転ドラム装
置1とは別に構成された外部回路とする。
【0079】次に、上記の回転ドラム3に搭載されるM
Rヘッド6a、6bについて、図6を参照して詳細に説
明する。なお、MRヘッド6aおよびMRヘッド6b
は、アジマス角が互いに逆に成るように設定されている
他は、同一の構成を有している。そこで、以下の説明で
は、これらのMRヘッド6a、6bをまとめてMRヘッ
ド6と称する。
【0080】MRヘッド6は回転ドラム3に搭載され、
ヘリカルスキャン方式によって磁気テープ7からの信号
を、磁気抵抗効果を利用して検出する再生専用の磁気ヘ
ッドである。一般に、MRヘッドは、電磁誘導を利用し
て記録再生を行うインダクティブ型磁気ヘッドよりも感
度が高いため、高密度記録に適している。したがって、
再生用磁気ヘッドとしてMRヘッド6を用いることで、
より高密度記録化を図ることができる。
【0081】MRヘッド6は、図6に示すように、Ni
−Zn多結晶フェライト等のような軟磁性材料からなる
一対の磁気シールド51、52と、絶縁体53を介して
一対の磁気シールド51、52によって挟持された略矩
形状のMR素子部54とを備える。なお、MR素子54
の両端からは、一対の端子が導出されており、これらの
端子を介して、MR素子部54にセンス電流を供給でき
るようになされている。
【0082】MR素子部54は、磁気抵抗効果を有する
MR素子と、SAL(Soft Adjacent Layer)膜と、M
R素子とSAL膜との間に配された絶縁体膜とが積層さ
れてなる。MR素子は、異方性磁気抵抗効果(AMR)
により、外部磁界の大きさによって抵抗値が変化するN
i−Fe等のような軟磁性材料からなる。SAL膜は、
いわゆるSALバイアス方式により、MR素子にバイア
ス磁界を印加するためのものであり、パーマロイ等のよ
うに低保磁力で高透磁率の磁性材料からなる。絶縁体膜
は、MR素子とSAL膜との間を絶縁し、電子的な分流
損を防ぐためのものであり、Ta等のような絶縁材料か
らなる。
【0083】このMR素子部54は、略矩形状に形成さ
れてなり、一側面が磁気テープ摺動面55に露呈するよ
うに、一対の磁気シールド51、52によって絶縁体5
3を介して狭持されている。詳細には、このMR素子部
54は、短軸方向が磁気テープ摺動面55に対して略垂
直となり、長軸方向が磁気テープ摺動方向に対して略直
交するように、一対の磁気シールド51、52によって
絶縁体53を介して狭持されている。
【0084】MRヘッド6の磁気テープ摺動面55は、
当該磁気テープ摺動面55にMR素子部54の一側面が
露呈するように、磁気テープ7の摺動方向に沿って円筒
研磨されているとともに、磁気テープ7の摺動方向に対
して直交する方向に沿って円筒研磨されている。これに
より、MRヘッド6は、MR素子部54あるいはその近
傍部分が最も突出するようになっており、MR素子部5
4の磁気テープ7に対する当たり特性が良好となってい
る。
【0085】以上のようなMRヘッド6を用いて磁気テ
ープ7からの信号を再生する際は、図7に示すように、
磁気テープ7をMR素子部54に摺動させる。なお、図
7中の矢印は、磁気テープ7が磁化されている様子を模
式的に示している。このように磁気テープ7をMR素子
部54に摺動させた状態で、MR素子部54の両端に接
続された端子54a、54bを介して、MR素子部54
にセンス電流を供給し、当該センス電流の電圧変化を検
出する。
【0086】具体的には、MR素子部54の一端に接続
された端子54aから、所定の電圧Vcを印加するとと
もに、MR素子部54の他端に接続された端子54b
を、回転ドラム3に接続しておく。ここで、回転ドラム
3は回転軸21を介して固定ドラム2に電気的に導通し
ており、また、固定ドラム2は接地されている。したが
って、MR素子部54に接続された一方の端子54b
は、回転ドラム3、回転軸21および固定ドラム2を介
して接地されている。
【0087】そして、磁気テープ7を摺動させた状態で
MR素子部54にセンス電流を供給すると、磁気テープ
7からの磁界に応じて、MR素子部54に形成されたM
R素子の抵抗値が変化し、その結果、センス電流に電圧
変化が生じる。そこで、このセンス電流の電圧変化を検
出することにより、磁気テープ7からの信号磁界が検出
され、磁気テープ7に記録されている信号が再生され
る。
【0088】なお、用いるMRヘッド6において、MR
素子部54に形成されるMR素子は、磁気抵抗効果を示
す素子であれば良く、例えば、複数の薄膜を積層するこ
とにより、より多く磁気抵抗効果を得られるようにし
た、いわゆる巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)も使
用可能である。
【0089】また、MR素子にバイアス磁界を印加する
手法は、SALバイアス方式でなくてもよく、例えば、
永久磁石バイアス方式、シャント電流バイアス方式、自
己バイアス方式、交換バイアス方式、バーバーポール方
式、分割素子方式、サーボバイアス方式等、種々の手法
が適用可能である。なお、巨大磁気抵抗効果並びに各種
のバイアス方式については、例えば丸善株式会社の「磁
気抵抗ヘッド基礎と応用林和彦訳」に詳細に記載されて
いる。
【0090】(実施形態2)本実施形態2の磁気記録媒
体は、実施形態1と同様に、図1に示すような構成を有
し、非磁性支持体上の磁性層には、六方晶板状フェライ
トが結合剤中に分散されている。図1(b)に示すよう
に、磁性層103と非磁性支持体102との間に非磁性
層105が形成されていてもよい。非磁性層105を設
けることにより、磁性層103の表面がより平滑化さ
れ、磁性層103の密着性も向上する。
【0091】本実施形態の磁気記録媒体は、強磁性粉末
として六方晶板状フェライト粉末が結合剤中に均一に分
散された磁性層を有する。六方晶フェライト粉末は、従
来の金属強磁性粉末に比較して結晶磁気異方性エネルギ
ーが大きいため、粒子径を微細化することが可能であ
る。強磁性粉末の粒子径を微細化すると、磁気記録媒体
のノイズは低減される。したがって、粒子径が微細化さ
れた六方晶板状フェライト粉末を用いることにより、低
ノイズの磁気記録媒体が得られる。
【0092】本実施形態において、磁性層を形成するた
めの磁性塗料は、以下の方法で調製される。まず、磁性
塗料の作製工程の初期段階で、強磁性粉末を強酸中に浸
漬し、蒸留水またはイオン交換水で強磁性粉末を十分に
洗浄し、水溶液中のFeイオンを除去する。洗浄方法は
(実施形態1)に準じる。その後、アルカリを加えて中
和した後、各種カチオン、アニオンが除去されるまで十
分に洗浄する。溶液中に分散補助剤として界面活性剤ま
たは公知のカップリング剤を加え、強磁性粉末に吸着さ
せる。強磁性粉末を抽出し、有機溶媒および結合剤とと
もに混練、分散を施して磁性塗料が得られる。
【0093】強磁性粉末の抽出方法は(実施形態1)に
準じる。あるいは、分散補助剤を強磁性粉末に吸着させ
た後、強磁性粉末の洗浄、乾燥を行ってもよい。但し、
カップリング剤の場合は、強磁性粉末に吸着させた後、
洗浄を行うと脱落する。例えばオレイン酸ナトリウム等
の界面活性剤の場合は、強磁性粉末に吸着し易く、強磁
性粉末に吸着させた後に洗浄、ろ過、乾燥を行っても、
強磁性粉末を磁性塗料中で容易に分散させる効果が得ら
れる。
【0094】強磁性粉末を浸漬する強酸の濃度は0.0
01〜5Nが好ましい。強磁性粉末を強酸に浸漬する
と、粉体表面がわずかに溶解する。強酸の濃度が0.0
01Nより低いとFeを十分に溶解させるのが難しい。
一方、強酸の濃度が5Nを超えると、Feの溶解が速く
なり過ぎ、均一な溶解処理が難しくなる。また、浸漬時
間の制御も難しくなる。使用可能な強酸としては、例え
ば塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられるが、他の酸を用いる
こともできる。
【0095】分散補助剤として添加する界面活性剤はア
ニオン性、カチオン性、両性のいずれでもよいが、強磁
性粉末を含む水溶液に対し、溶解度が十分に高い界面活
性剤を選択する。界面活性剤としては、例えばドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウ
ム、オレイン酸ナトリウム、塩化ドデシルトリメチルア
ンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、
ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリ
ニウムベタイン等が挙げられる。
【0096】分散補助剤として添加するカップリング剤
はシランカップリング剤またはチタネート系カップリン
グ剤が好ましい。界面活性剤の場合と同様に、強磁性粉
末を含む水溶液に対し、溶解度が十分に高いカップリン
グ剤を選択する。カップリング剤としては、例えばA−
1100、A−187、A−1160(日本ユニカ
ー)、KR44(味の素)等が挙げられる。
【0097】界面活性剤を添加した場合と、カップリン
グ剤を添加した場合では、電磁変換特性を向上させる上
で同等の効果が得られることから、界面活性剤とカップ
リング剤のどちらを添加してもよい。通常の六方晶フェ
ライトは中性(pH6〜7)の等電点を示すが、例えば
Al処理された六方晶フェライトは塩基性表面となり、
Si処理された六方晶フェライトは酸性表面となる。し
たがって、六方晶フェライトの等電点を考慮して、界面
活性剤またはカップリング剤の選択を行ってもよい。
【0098】強磁性粉末に吸着し易い界面活性剤を吸着
させた後、強磁性粉末の洗浄を行う場合には、蒸留水を
用いて例えばデカンテーションを行う。その後、界面活
性剤が強磁性粉末の表面に吸着した状態のまま、強磁性
粉末を乾燥させる。
【0099】このような工程を経て得られた粉体を一般
的な磁性塗料の作製法に従い、分散処理する。粒子表面
には有機物による立体障害層が形成されているため、粒
子間に働く引力が弱められる。したがって、従来の方法
で調製された磁性塗料に比較して、容易に粒子が分散す
る。
【0100】本実施形態の磁性塗料には、実施形態1と
同様の強磁性粉末、結合剤および溶剤を用いることがで
きる。また、磁性塗料には実施形態1と同様の研磨剤、
硬化剤(ポリイソシアネート類)、潤滑剤等を添加でき
る。非磁性支持体も実施形態1と同様のものを用いるこ
とができ、磁性塗料あるいは非磁性塗料の塗布および乾
燥や、磁性層形成後のカレンダー処理等も、実施形態1
と同様に行うことができる。
【0101】本実施形態の磁気記録媒体は、実施形態1
の磁気記録媒体と同様に、MR再生ヘッドを用いた磁気
記録システムの磁気テープとして好適である。磁気記録
媒体に信号を記録するための記録ヘッドは特に制限され
ないが、電磁誘導型の薄膜磁気ヘッド、例えばMIGヘ
ッド等が好適に用いられる。
【0102】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例、比較例およ
び実験例について説明するが、本発明はこれらの例に限
定されない。実施例1〜6は実施形態1の実施例であ
り、実施例11〜実施例17は実施形態2の実施例であ
る。比較例1、2は実施形態1、2の比較例である。表
1はこれらの結果をまとめたものである。実験例1〜8
は実施形態2に関し、表2はこれらの結果をまとめたも
のである。
【0103】(実施例1)まず、バリウムフェライト粉
末を0.5N塩酸中に10wt%の含有量となるように
浸漬し、24時間攪拌処理を施した。その後、NaCl
を加えながら、蒸留水にて数回デカンテーションを行
い、1MのNaOHをpHが7となるように滴下した。
【0104】蒸留水で数回デカンテーションを行い、ポ
リオキシエチレンアルキルトリメトキシシランをバリウ
ムフェライト粉末に対し5wt%添加し、1時間攪拌し
た。そして、60℃に設定したオーブン中で水分を蒸発
させた後、100℃で30分間加熱処理をした。この処
理が施された粉末と研磨剤、結合剤、有機溶媒を所定量
混合し、エクストルーダーにより混練した後、残りの原
料を加えてサンドミルで分散処理を施し、磁性塗料を得
た。下層の非磁性層形成用の塗料(非磁性塗料)は通常
の混練、分散処理によって作製した。
【0105】磁性塗料および非磁性塗料の最終組成を以
下に示す。六方晶板状バリウムフェライト粉末として、
上記の塩酸およびシラン処理が施されたものを用いた。
磁性塗料の六方晶板状バリウムフェライト粉末は、保磁
力110kA/m、飽和磁化量58Am2/kg、板径
0.04μm、板厚0.01μmのものを用いた。ポリ
塩化ビニル樹脂として、極性官能基[−OSO3K]の
導入量6×10-2mmol/g、重合度250のものを
用いた。α−Al23として、平均粒径0.3μm、モ
ース硬度9のものを用いた。
【0106】非磁性塗料の針状α−Fe23 粉末は、
比表面積53m2 /g、長軸長0.15μm、針状比
7、等電点pH=8.1のものを用いた。非磁性塗料の
ポリ塩化ビニル樹脂は、磁性塗料のポリ塩化ビニル樹脂
と同種のものを用いた。ポリエステルポリウレタン樹脂
としては、極性官能基[−SO3Na]の導入量15×
10-2mmol/g、数平均分子量Mn=15000の
ものを用いた。
【0107】磁性塗料組成 強磁性粉末:六方晶板状バリウムフェライト 100重量部 結合剤:ポリ塩化ビニル樹脂 17重量部 研磨剤:α−Al23 5重量部 潤滑剤:ミリスチン酸 1重量部 ヘプチルステアレート 1重量部 溶剤:メチルエチルケトン 150重量部 シクロヘキサノン 150重量部
【0108】非磁性塗料組成 非磁性粉末:針状α−Fe23 100重量部 結合剤:ポリ塩化ビニル樹脂 10重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂 5重量部 潤滑剤:ミリスチン酸 1重量部 ヘプチルステアレート 1重量部 溶剤:メチルエチルケトン 150重量部 シクロヘキサノン 150重量部
【0109】磁性塗料および非磁性塗料にポリイソシア
ネート(コロネートL、日本ポリウレタン工業製)を3
重量部加え、これらの塗料を非磁性支持体上に塗布し
た。非磁性支持体としては、厚さ6μmのポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルムを用いた。磁性塗料
および非磁性塗料は、ダイコーターを用いた同時重層塗
布方式により塗布した。磁性層の厚さは0.2μm、非
磁性層の厚さは1.5μmとした。
【0110】非磁性支持体上に塗布された塗料が未乾燥
のうちに、10kOeの条件で配向処理を行った。乾燥
後、7段のカレンダーにて110℃、線圧力300kg
/cmの条件で平滑化処理を行い、75℃で24時間ア
ニール処理した後、磁性層の反対面に下記の組成のバッ
ク塗料を0.5μmの厚さとなるように塗布した。その
後、磁気記録媒体を8mm幅に裁断し、サンプルを得
た。
【0111】バック塗料組成 カーボンブラック(PRINTEX55) 100重量部 結合剤:ホ゜リエステルホ゜リウレタン(ニッホ゜ランN-2304) 100重量部 溶剤:メチルエチルケトン 500重量部 トルエン 500重量部
【0112】(実施例2)磁性層の形成において、磁場
配向を行わないこと以外は、実施例1と同様にした。実
施例1の塗料の組成および方法により8mm幅サンプル
テープを得た。
【0113】(実施例3)強磁性粉末を0.5N塩酸で
なく、0.5N硝酸に浸漬したこと以外は、実施例1と
同様にした。実施例1の塗料の組成および方法により8
mm幅サンプルテープを得た。
【0114】(実施例4)強磁性粉末を0.5N塩酸で
なく、0.5N硫酸に浸漬したこと以外は、実施例1と
同様にした。実施例1の塗料の組成および方法により8
mm幅サンプルテープを得た。
【0115】(実施例5)シラン化合物としてポリオキ
シエチレンアルキルトリメトキシシランを添加するかわ
りに、A−187を添加したこと以外は、実施例1と同
様にした。実施例1の塗料の組成および方法により8m
m幅サンプルテープを得た。
【0116】(実施例6)シラン化合物としてポリオキ
シエチレンアルキルトリメトキシシランを添加するかわ
りに、A−174を添加したこと以外は、実施例1と同
様にした。実施例1の塗料の組成および方法により8m
m幅サンプルテープを得た。
【0117】(実施例11)まず、バリウムフェライト
粉末を0.5N塩酸中に10wt%の含有量となるよう
に浸漬し、24時間攪拌処理を施した。その後、NaC
lを加えながら、蒸留水にて数回デカンテーションを行
い、1MのNaOHをpHが7となるように滴下した。
バリウムフェライト粉としては、保磁力110kA/
m、飽和磁化量58Am 2 /kg、板径0.04μm、
板厚0.01μmの六方晶板状バリウムフェライトを用
いた。
【0118】蒸留水で数回デカンテーションを行い、オ
レイン酸ナトリウムをバリウムフェライト粉末に対し5
wt%添加し、1時間攪拌した。攪拌後、蒸留水により
数回デカンテーションを行った。その後、60℃に設定
したオーブン中で水分を蒸発させた後、100℃で30
分間加熱処理をした。この処理が施された粉末と研磨
剤、結合剤、有機溶媒を所定量混合し、エクストルーダ
ーにより混練した後、残りの原料を加えてサンドミルで
分散処理を施し、磁性塗料を得た。
【0119】研磨剤としては、平均粒径0.3μm、モ
ース硬度9のα−Al23 を用いた。結合剤として
は、−OSO3 K基を6×10-2mmol/g含む、重
合度250のポリ塩化ビニル樹脂を用いた。有機溶媒と
しては、メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合
溶媒を用いた。
【0120】さらに、残りの原料を加えてサンドミルに
より分散処理を施した。残りの原料としては、具体的に
は潤滑剤が挙げられる。潤滑剤としては、ミリスチン酸
およびヘプチルステアレートを用いた。これにより、磁
性塗料が得られた。磁性塗料の最終組成は実施例1と同
様である。
【0121】非磁性層を形成するための塗料は、実施例
1と同様の組成の原料に通常の混練および分散処理を行
って調製した。非磁性塗料は非磁性粉末、研磨剤、結合
剤、有機溶媒および潤滑剤を含む。非磁性粉末としては
比表面積53m2 /g、長軸長0.15μm、針状比
7、pH8.1の針状α−Fe23 を用いた。
【0122】結合剤としては、−OSO3 K基を6×1
-2mmol/g含む、重合度250のポリ塩化ビニル
樹脂と、−SO3 Na基を15×10-2mmol/g含
む、数平均分子量Mn 15000のポリエステルポリウ
レタン樹脂を用いた。有機溶媒としては、メチルエチル
ケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒を用いた。潤滑剤
としては、ミリスチン酸およびヘプチルステアレートを
用いた。
【0123】上記の磁性塗料および非磁性塗料に、結合
剤の架橋硬化剤としてポリイソシアネート(コロネート
L、日本ポリウレタン工業製)を3重量部加え、これら
の塗料を非磁性支持体上に塗布した。非磁性支持体とし
ては、厚さ6μmのPETフィルムを用いた。磁性塗料
および非磁性塗料は、ダイコーターを用いた同時重層塗
布方式により塗布した。磁性層の厚さは0.2μm、非
磁性層の厚さは1.5μmとした。
【0124】塗布された塗料が未乾燥のうちに、10k
Oeの条件で配向処理を行った。乾燥後、7段のカレン
ダーを用いて110℃、線圧力300kg/cmの条件
で平滑化処理を行った。その後、75℃で24時間アニ
ール処理を行ってから、磁性層の反対面に実施例1と同
様の組成のバック塗料を0.5μmの厚さとなるように塗
布した。その後、磁気記録媒体を8mm幅に裁断し、サ
ンプルを得た。
【0125】(実施例12)磁性層の形成において、磁
場配向を行わないこと以外は、実施例11と同様にし
た。実施例11の塗料の組成および方法により8mm幅
サンプルテープを得た。
【0126】(実施例13)強磁性粉末を0.5N塩酸
でなく、0.5N硝酸に浸漬したこと以外は、実施例1
1と同様にした。実施例11の塗料の組成および方法に
より8mm幅サンプルテープを得た。
【0127】(実施例14)強磁性粉末を0.5N塩酸
でなく、0.5N硫酸に浸漬したこと以外は、実施例1
1と同様にした。実施例11の塗料の組成および方法に
より8mm幅サンプルテープを得た。
【0128】(実施例15)界面活性剤としてオレイン
酸ナトリウムを添加するかわりに、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウムをバリウムフェライト粉末に対し7
wt%添加したこと以外は、実施例11と同様にした。
実施例11の塗料の組成および方法により8mm幅サン
プルテープを得た。
【0129】(実施例16)界面活性剤としてオレイン
酸ナトリウムを添加するかわりに、塩化ドデシルトリメ
チルアンモニウムを添加したこと以外は、実施例11と
同様にした。実施例11の塗料の組成および方法により
8mm幅サンプルテープを得た。
【0130】(実施例17)界面活性剤としてオレイン
酸ナトリウムを添加するかわりに、チタネート系カップ
リング剤のKR−44を添加した。チタネート系カップ
リング剤をバリウムフェライト粉末に吸着させた後、洗
浄を行うとチタネート系カップリング剤が脱離する。そ
こで、KR−44をバリウムフェライト粉末に対し5w
t%添加し、1時間攪拌した後、蒸留水による洗浄を行
わずに、60℃で水分を蒸発させた後、100℃で30
分間加熱処理をした。それ以外は、実施例11と同様に
した。実施例11の塗料の組成および方法により8mm
幅サンプルテープを得た。
【0131】(比較例1)磁性層の形成において、バリ
ウムフェライト粉末に酸処理と、水溶性シラン化合物の
添加をいずれも行わなかったこと以外は、実施例1と同
様にした。また、分散補助剤としての界面活性剤または
カップリング剤も添加しなかった。実施例1の塗料の組
成および方法によって8mm幅サンプルテープを得た。
【0132】(比較例2)磁性層の形成において、バリ
ウムフェライト粉末に水溶性シラン化合物の添加を行わ
なかったこと以外は、実施例1と同様にした。また、分
散補助剤としての界面活性剤またはカップリング剤も添
加しなかった。実施例1の塗料の組成および方法によっ
て8mm幅サンプルテープを得た。
【0133】以上のようにして作製した各サンプルテー
プについて、電磁変換特性を測定した。8mmVTR改
造機を用いて、記録波長0.5mmにて信号を記録した
後に、シールド型MRヘッドにより再生出力、ノイズレ
ベル、エラーレートの測定を行った。エラーレートはシ
ンボルエラーレートを示す。
【0134】再生に用いたMRヘッド素子はFeNi−
AMR(異方性磁気抵抗効果素子)であり飽和磁化は8
00emu/cc、膜厚は40nm、シールド材はNi
Zn、シールド間距離は0.17mmである。また、ト
ラック幅は18μm、アジマス角は25度である。各サ
ンプルテープの表面性は、中心線平均粗さRaに基づい
て評価した。中心線平均粗さRaは、光干渉方式による
非接触型表面粗さ計(New View 5020、Zygo社製)を用
いて測定した。測定エリアは105×140μmとし
た。
【0135】測定された表面粗さおよびエラーレートを
表1にまとめた。表1において、エラーレートが10-5
オーダーのとき、良好な電磁変換特性とみなすことがで
きる。
【0136】
【表1】
【0137】表1に示すように、実施例1〜6、11〜
17では、いずれもエラーレートが10-5オーダーであ
り、比較例1および2に対して電磁変換特性が高い。表
面粗さについても、実施例1〜6、11〜17では比較
例1、2に対して改善されている。また、実施例1と実
施例11を比較すると、実施例1の方がより高い電磁変
換特性が得られている。したがって、エラーレートの低
減には実施形態2に比較して、実施形態1がより有利と
いえる。
【0138】(実験例1〜8)次に、上記の実施例11
の塩酸濃度を変化させたこと以外は、実施例11と同様
にして、実施例11の塗料の組成および方法により8m
m幅サンプルテープを得た。
【0139】塩酸濃度は0.0001N、0.001
N、0.01N、0.1N、0.5N、1N、5Nまた
は7Nとし、これらを表2に示すように実験例1〜8と
した。したがって、実験例5は実施例11と同一であ
る。塩酸への浸漬時間は、Feの溶解量がバリウムフェ
ライト粉末の重量に対して1%以下となるように、塩酸
濃度に応じて調節した。
【0140】
【表2】
【0141】表2に示すように、塩酸濃度が0.000
1Nの場合(実験例1)は、表面粗さRaが大きく、エ
ラーレートも高い。一方、塩酸濃度が5Nより大きい場
合(実験例8)は、バリウムフェライト粉末の溶解が速
く、Feの溶解量が短時間で粉末重量の5%に達する。
したがって、速やかに塩酸を中和する必要があり、浸漬
時間を制御しながら作業を行うことが難しい。以上のこ
とから、塩酸濃度は0.001〜5N程度が適当とみな
される。また、硝酸等の他の酸を用いる場合も、概ね上
記の範囲の濃度が適当である。
【0142】上記の各実施例、比較例および実験例から
わかるように、本発明の実施形態1および2の磁気記録
媒体によれば、磁性層中での強磁性粉末のスタッキング
が抑制され、磁性層の表面が平滑化される。これによ
り、高い電磁変換特性が得られる。本発明の実施形態の
磁気記録媒体を、MR再生ヘッドを含む磁気記録システ
ムに適用すれば、高密度記録特性を飛躍的に向上させる
ことができる。
【0143】本発明の磁気記録媒体および磁性塗料の実
施形態は、上記の説明に限定されない。例えば、磁性塗
料を調製する過程で添加するシラン化合物あるいは界面
活性剤、カップリング剤の添加量等は適宜変更すること
も可能である。また、非磁性層を形成せずに、磁性層を
二層構造とすることも可能である。その他、本発明の要
旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0144】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体によれば、媒体の
ノイズが低減され、高密度記録が可能となる。本発明の
磁性塗料によれば、強磁性粉末のスタッキングが防止さ
れ、強磁性粉末が均一に分散した磁性層を形成すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)および(b)は本発明の磁気記録媒
体の断面図である。
【図2】図2は本発明の磁気記録媒体が適用される磁気
記録システムの回転ドラム装置の斜視図である。
【図3】図3は本発明の磁気記録媒体が適用される磁気
記録システムの回転ドラム装置および磁気テープ送り機
構の概略図である。
【図4】図4は本発明の磁気記録媒体が適用される磁気
記録システムの回転ドラム装置の内部構造を示す図であ
る。
【図5】図5は本発明の磁気記録媒体が適用される磁気
記録システムの回転ドラム装置およびその周辺回路の回
路構成を示す概略図である。
【図6】図6は本発明の磁気記録媒体が適用される磁気
記録システムのMRヘッドを表す斜視図である。
【図7】図7は本発明の磁気記録媒体のMRヘッドによ
る再生を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…回転ドラム装置、2…固定ドラム、3…回転ドラ
ム、4…モータ、5a、5b…インダクティブ型磁気ヘ
ッド、6a、6b…MRヘッド、7…磁気テープ、8…
リードガイド部、10…磁気テープ送り機構、11…供
給リール、12、13、14、15…ガイドローラー、
16…キャプスタン、17…ガイドローラー、18…巻
き取りリール、19…キャプスタンモータ、21…回転
軸、22、23…軸受け、24…フランジ、25…ロー
タリトランス、26…ステータコア、26a〜26c、
27a〜27c…信号伝送用リング、26d、27d…
電力伝送用リング、27…ロータコア、28…ロータ、
29…ステータ、30…駆動用マグネット、31…駆動
用コイル、40…外部回路、41…記録用アンプ、42
…オシレータ、43…パワードライブ、44…整流器、
45…レギュレータ、46、47…再生用アンプ、48
…補正回路、51、52…磁気シールド、53…絶縁
体、54…MR素子部、54a、54b…端子、55…
磁気テープ摺動面、101、111…磁気記録媒体、1
02…非磁性支持体、103…磁性層、104…バック
コート層、105…非磁性層。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体と、 前処理が施された強磁性粉末を少なくとも有機溶媒およ
    び結合剤とともに混練し、分散させた磁性塗料を、前記
    非磁性支持体上に塗布して形成された磁性層とを有し、 前記前処理は強磁性粉末を強酸中に浸漬し表面を溶解さ
    せ、金属イオンがなくなるまで水洗した後、中和してか
    ら、乾燥させることなく分散補助剤を加え、前記強磁性
    粉末を抽出する処理を含む磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】前記強磁性粉末は六方晶板状フェライト粉
    末を含む請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】前記分散補助剤は水溶性シラン化合物を含
    む請求項2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】前記分散補助剤はアニオン性、カチオン性
    または両性の界面活性剤を含む請求項2記載の磁気記録
    媒体。
  5. 【請求項5】前記分散補助剤は、前記強磁性粉末に対し
    て親和性の高い基を有する水溶性カップリング剤を含む
    請求項2記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】前記分散補助剤はシランカップリング剤ま
    たはチタネート系カップリング剤を含む請求項5記載の
    磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】前記前処理は、前記分散補助剤を加えて前
    記強磁性粉末に吸着させた後、前記強磁性粉末を抽出す
    る前に、前記強磁性粉末を洗浄する処理をさらに含む請
    求項2記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】前記分散補助剤はアニオン性、カチオン性
    または両性の界面活性剤を含む請求項7記載の磁気記録
    媒体。
  9. 【請求項9】前記強酸の濃度は0.001〜5Nである
    請求項2記載の磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】外部磁界の大きさによって抵抗値が変化
    する素子と、前記抵抗値の変化を電圧変化として検出
    し、前記電圧変化に応じた再生信号を出力する増幅手段
    とを有する磁気抵抗効果型再生ヘッドを用いて、記録情
    報の再生が行われる請求項1記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】六方晶板状フェライト粉末を強酸中に浸
    漬し表面を溶解させ、金属イオンがなくなるまで水洗し
    た後、中和してから、乾燥させることなく水溶性シラン
    化合物を加え、前記六方晶板状フェライト粉末を抽出す
    る前処理が施された前記六方晶板状フェライト粉末を、
    少なくとも有機溶媒および結合剤とともに混練し、分散
    させた磁性塗料。
  12. 【請求項12】六方晶板状フェライト粉末を強酸中に浸
    漬し表面を溶解させ、金属イオンがなくなるまで水洗し
    た後、中和してから、乾燥させることなく界面活性剤ま
    たはカップリング剤を加えて前記六方晶板状フェライト
    粉末に吸着させ、前記六方晶板状フェライト粉末を抽出
    する前処理が施された前記六方晶板状フェライト粉末
    を、少なくとも有機溶媒および結合剤とともに混練し、
    分散させた磁性塗料。
  13. 【請求項13】前記前処理は前記界面活性剤を前記六方
    晶板状フェライト粉末に吸着させた後、前記六方晶板状
    フェライト粉末を抽出する前に、前記六方晶板状フェラ
    イト粉末を洗浄して乾燥させる処理をさらに含む請求項
    12記載の磁性塗料。
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