JP2897028B2 - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体およびその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は磁気記録媒体およびその製造方法に関し、さ
らに詳しく言うと、電磁変換特性、走行性および走行耐
久性が向上していて高密度記録に適した磁気記録媒体、
およびこのような優れた特長を有する磁気記録媒体を容
易に効率良く得ることのできる製造方法に関する。
らに詳しく言うと、電磁変換特性、走行性および走行耐
久性が向上していて高密度記録に適した磁気記録媒体、
およびこのような優れた特長を有する磁気記録媒体を容
易に効率良く得ることのできる製造方法に関する。
[従来技術および発明が解決しようとする課題] 近年、たとえばオーディオ分野においてはDAT(デジ
タルオーディオテープレーコーダ)が登場し、VTR分野
においては、従来の1/2インチ幅規格に比較して幅の狭
い8mm幅規格が登場して広く普及しつつある等の事情か
ら、磁気記録媒体については高密度記録化への要請が高
まる一方であり、より高性能の磁気記録媒体、すなわち
電磁変換特性、走行性および走行耐久性の向上した磁気
記録媒体が望まれている。
タルオーディオテープレーコーダ)が登場し、VTR分野
においては、従来の1/2インチ幅規格に比較して幅の狭
い8mm幅規格が登場して広く普及しつつある等の事情か
ら、磁気記録媒体については高密度記録化への要請が高
まる一方であり、より高性能の磁気記録媒体、すなわち
電磁変換特性、走行性および走行耐久性の向上した磁気
記録媒体が望まれている。
この要請の下、磁気記録媒体の電磁変換特性、走行性
および走行耐久性の向上を図ることを目的として種々の
試みや提案がなされている。
および走行耐久性の向上を図ることを目的として種々の
試みや提案がなされている。
具体的には、磁性層を二層構成にして上層を柔軟にす
るとともに下層の硬度を高めることにより、磁気ヘッド
との密着性を高める技術が知られている。
るとともに下層の硬度を高めることにより、磁気ヘッド
との密着性を高める技術が知られている。
しかしながら、かかる構成の磁気記録媒体において
は、非磁性支持体と磁性層との密着性が充分ではないと
いう欠点があるとともに、走行性および走行耐久性に劣
り、また電磁変換特性の安定性にかけるという問題があ
る。
は、非磁性支持体と磁性層との密着性が充分ではないと
いう欠点があるとともに、走行性および走行耐久性に劣
り、また電磁変換特性の安定性にかけるという問題があ
る。
そこで、この問題を解決することを目的として、たと
えば、下層を柔軟にするとともに上層の硬度を高めた磁
気記録媒体が提案されている(特開昭57−78630号公
報、同63−103429号公報等参照)。
えば、下層を柔軟にするとともに上層の硬度を高めた磁
気記録媒体が提案されている(特開昭57−78630号公
報、同63−103429号公報等参照)。
しかしながら、かかる構成の磁気記録媒体において
は、下層の緩衝作用により奏される上層と磁気ヘッドと
の密着性向上の効果は、上層を柔軟にした前記の磁気記
録媒体に比較して充分なものとは言いがたく、かえって
上層の硬度が高いために層間の剥離が生じ易くなった
り、極端なドロップアウトの発生を招いたりするという
新たな問題がある。
は、下層の緩衝作用により奏される上層と磁気ヘッドと
の密着性向上の効果は、上層を柔軟にした前記の磁気記
録媒体に比較して充分なものとは言いがたく、かえって
上層の硬度が高いために層間の剥離が生じ易くなった
り、極端なドロップアウトの発生を招いたりするという
新たな問題がある。
また、下層が柔軟であると、下層の上に硬度の高い上
層を塗布する際に、下層と上層との界面荒れを招いて、
C/N比の極端な劣化を招くという問題もある。
層を塗布する際に、下層と上層との界面荒れを招いて、
C/N比の極端な劣化を招くという問題もある。
さらに、前記特開昭57−78630号公報においては、磁
性粉を磁性層の巾方向に配向させることにより、磁気記
録媒体の機械的強度の向上を図ることが可能であり、エ
ッジダメージの発生等を防止し得る旨の開示がなされて
いるが、磁性粉を磁性層の巾方向に配向させると、電磁
変換特性の劣化が著しいものになるという問題がある。
性粉を磁性層の巾方向に配向させることにより、磁気記
録媒体の機械的強度の向上を図ることが可能であり、エ
ッジダメージの発生等を防止し得る旨の開示がなされて
いるが、磁性粉を磁性層の巾方向に配向させると、電磁
変換特性の劣化が著しいものになるという問題がある。
本発明は、前記の事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、電磁変換特性、走行性および走行耐
久性が共に向上していて、高密度記録に適した磁気記録
媒体と、この磁気記録媒体を容易に効率良く得ることの
できる製造方法とを提供することにある。
久性が共に向上していて、高密度記録に適した磁気記録
媒体と、この磁気記録媒体を容易に効率良く得ることの
できる製造方法とを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記課題を解決するために、本発明者が鋭意検討を重
ねた結果、少なくとも二層の磁性層を有するとともに、
各磁性層のヤング率、各磁性層中に含有される強磁性微
粉末の針状比および各磁性層の角型比が特定の関係を満
たす磁気記録媒体は、電磁変換特性が向上しているとと
もに、層間の接着性に優れ、巾方向の弾性も向上してい
てエッジダメージの発生がなく、しかも磁気ヘッドとの
密着性に優れるとともに走行性および走行耐久性が向上
していること、およびこのような優れた特長を有する磁
気記録媒体は、特定の方法により、C/N比の極端な劣化
の原因になる磁性層の塗布時における界面荒れを発生さ
せないで、容易に効率良く得られることを見い出して、
本発明に到達した。
ねた結果、少なくとも二層の磁性層を有するとともに、
各磁性層のヤング率、各磁性層中に含有される強磁性微
粉末の針状比および各磁性層の角型比が特定の関係を満
たす磁気記録媒体は、電磁変換特性が向上しているとと
もに、層間の接着性に優れ、巾方向の弾性も向上してい
てエッジダメージの発生がなく、しかも磁気ヘッドとの
密着性に優れるとともに走行性および走行耐久性が向上
していること、およびこのような優れた特長を有する磁
気記録媒体は、特定の方法により、C/N比の極端な劣化
の原因になる磁性層の塗布時における界面荒れを発生さ
せないで、容易に効率良く得られることを見い出して、
本発明に到達した。
請求項1の発明の構成は、非磁性支持体上に、それぞ
れが強磁性微粉末と結合剤とを含有する第一磁性層およ
び第二磁性層を、この順に有するとともに、前記第一磁
性層のヤング率をE1、前記第一磁性層中の前記強磁性微
粉末の針状比をN1、前記第一磁性層における前記強磁性
微粉末の垂直方向成分の角型比をSqV1、前記第一磁性層
における前記強磁性微粉末の長手方向成分の角型比をS
qH1、前記第二磁性層のヤング率をE2、前記第二磁性層
中の前記強磁性微粉末の針状比をN2、前記第二磁性層に
おける前記強磁性微粉末の垂直方向成分の角型比をSqV2
および前記第二磁性層における前記強磁性微粉末の長手
方向成分の角型比をSqH2としたときに、それぞれが次の
関係; E1>E2、N1>N2、 SqV1<SqV2、SqH1>SqH2 を満たすことを特徴とする磁気記録媒体であり、 請求項2の発明の構成は、前記第一磁性層中の前記強
磁性微粉末の平均粒子径が0.30μmより大きく、かつ前
記第二磁性層中の前記強磁性微粉末の平均粒子径が0.30
μm以下である請求項1に記載の磁気記録媒体であり、 請求項3の発明の構成は、非磁性支持体上に、第一磁
性層形成成分を含有する第一磁性塗料を塗布した後、前
記非磁性支持体に沿った方向に配向処理を行ない、次い
で前記非磁性支持体上に塗布した前記第一磁性塗料が湿
潤状態にあるうちに、その上に、第二磁性層形成成分を
含有する第二磁性塗料を塗布し、その後、前記非磁性支
持体に対して垂直方向に配向処理を行なうことを特徴と
する請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法である。
れが強磁性微粉末と結合剤とを含有する第一磁性層およ
び第二磁性層を、この順に有するとともに、前記第一磁
性層のヤング率をE1、前記第一磁性層中の前記強磁性微
粉末の針状比をN1、前記第一磁性層における前記強磁性
微粉末の垂直方向成分の角型比をSqV1、前記第一磁性層
における前記強磁性微粉末の長手方向成分の角型比をS
qH1、前記第二磁性層のヤング率をE2、前記第二磁性層
中の前記強磁性微粉末の針状比をN2、前記第二磁性層に
おける前記強磁性微粉末の垂直方向成分の角型比をSqV2
および前記第二磁性層における前記強磁性微粉末の長手
方向成分の角型比をSqH2としたときに、それぞれが次の
関係; E1>E2、N1>N2、 SqV1<SqV2、SqH1>SqH2 を満たすことを特徴とする磁気記録媒体であり、 請求項2の発明の構成は、前記第一磁性層中の前記強
磁性微粉末の平均粒子径が0.30μmより大きく、かつ前
記第二磁性層中の前記強磁性微粉末の平均粒子径が0.30
μm以下である請求項1に記載の磁気記録媒体であり、 請求項3の発明の構成は、非磁性支持体上に、第一磁
性層形成成分を含有する第一磁性塗料を塗布した後、前
記非磁性支持体に沿った方向に配向処理を行ない、次い
で前記非磁性支持体上に塗布した前記第一磁性塗料が湿
潤状態にあるうちに、その上に、第二磁性層形成成分を
含有する第二磁性塗料を塗布し、その後、前記非磁性支
持体に対して垂直方向に配向処理を行なうことを特徴と
する請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法である。
本発明の磁気記録媒体およびその製造方法について、
以下に詳述する。
以下に詳述する。
−−磁気記録媒体−− 本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に磁性層を
有する。
有する。
−非磁性支持体− 非磁性支持体を形成する素材としては、たとえばポリ
エチレンテレフタレートおよびポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類、セルローストリアセテートおよびセル
ロースダイアセテート等のセルロース誘導体、並びにポ
リカーボネートなどのプラスチックを挙げることができ
る。さらにCu、Al、Znなどの金属、ガラス、いわゆるニ
ューセラミック(例えば窒化ホウ素、炭化ケイ素等)等
の各種セラミックなどをも使用することができる。
エチレンテレフタレートおよびポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類、セルローストリアセテートおよびセル
ロースダイアセテート等のセルロース誘導体、並びにポ
リカーボネートなどのプラスチックを挙げることができ
る。さらにCu、Al、Znなどの金属、ガラス、いわゆるニ
ューセラミック(例えば窒化ホウ素、炭化ケイ素等)等
の各種セラミックなどをも使用することができる。
非磁性支持体の形態については特に制限はなく、テー
プ状、シート状、カード状、ディスク状、ドラム状等い
ずれであってもよく、形態に応じて、また、必要に応じ
て種々の材料を選択して使用することができる。
プ状、シート状、カード状、ディスク状、ドラム状等い
ずれであってもよく、形態に応じて、また、必要に応じ
て種々の材料を選択して使用することができる。
これらの支持体の厚みはテープ状あるいはシート状の
場合には、通常、3〜100μm、好ましくは3〜50μm
である。また、ディスク状、カード状の場合には、通
常、30〜100μmである。さらにドラム状の場合には円
筒状とする等、使用するレコーダーに対応させた形態と
することができる。
場合には、通常、3〜100μm、好ましくは3〜50μm
である。また、ディスク状、カード状の場合には、通
常、30〜100μmである。さらにドラム状の場合には円
筒状とする等、使用するレコーダーに対応させた形態と
することができる。
非磁性支持体の磁性層が設けられていない面(裏面)
には、磁気記録媒体の走行性の向上、帯電防止および転
写防止などを目的として、バックコート層を設けてもよ
い。
には、磁気記録媒体の走行性の向上、帯電防止および転
写防止などを目的として、バックコート層を設けてもよ
い。
また、非磁性支持体の磁性層が設けられる面には、磁
性層と非磁性支持体との接着性の向上等を目的として、
中間層(例えば接着剤層)を設けることもできる。
性層と非磁性支持体との接着性の向上等を目的として、
中間層(例えば接着剤層)を設けることもできる。
−磁性層− 前記非磁性支持体上には、少なくとも第一磁性層およ
び第二磁性層からなる磁性層が、この順に設けられてい
る。
び第二磁性層からなる磁性層が、この順に設けられてい
る。
(第一磁性層) 第一磁性層は、強磁性微粉末を結合剤中に分散してな
る層である。
る層である。
前記強磁性微粉末としては、たとえばCo被着γ−Fe2O
3粉末、Co被着Fe3O4粉末、Co被着FeOX(4/3<x<3/2)
粉末、あるいはFe−Al金属粉末、Fe−Ni金属粉末、Fe−
Al−Ni金属粉末、Fe−Al−P金属粉末、Fe−Ni−Si−Al
金属粉末、Fe−Ni−Si−Al−Mn金属粉末、Ni−Co金属粉
末、Fe−Mn−Zn金属粉末、Fe−Ni−Zn金属粉末、Fe−Co
−Ni−Cr金属粉末、Fe−Co−Ni−P金属粉末、Co−Ni金
属粉末およびCo−P金属粉末等の強磁性金属粉末などが
挙げられる。
3粉末、Co被着Fe3O4粉末、Co被着FeOX(4/3<x<3/2)
粉末、あるいはFe−Al金属粉末、Fe−Ni金属粉末、Fe−
Al−Ni金属粉末、Fe−Al−P金属粉末、Fe−Ni−Si−Al
金属粉末、Fe−Ni−Si−Al−Mn金属粉末、Ni−Co金属粉
末、Fe−Mn−Zn金属粉末、Fe−Ni−Zn金属粉末、Fe−Co
−Ni−Cr金属粉末、Fe−Co−Ni−P金属粉末、Co−Ni金
属粉末およびCo−P金属粉末等の強磁性金属粉末などが
挙げられる。
これらの中でも、好ましいのはCo被着γ−Fe2O3粉末
である。
である。
いずれにせよ、本発明における磁性層の形成に好適に
用いることのできる強磁性微粉末の抗磁力(Hc)は、通
常、500エルステッド以上、好ましくは600エルステッド
以上である。
用いることのできる強磁性微粉末の抗磁力(Hc)は、通
常、500エルステッド以上、好ましくは600エルステッド
以上である。
第一磁性層に含有される前記強磁性微粉末の針状比
は、通常、9以上、好ましくは9〜12である。針状比が
9以上の強磁性微粉末を第一磁性層に用いることによ
り、従来の積層塗装で問題になっていた界面荒れを防止
することが可能であり、この界面荒れに伴なうC/N比の
極端な劣化を防止することができる。
は、通常、9以上、好ましくは9〜12である。針状比が
9以上の強磁性微粉末を第一磁性層に用いることによ
り、従来の積層塗装で問題になっていた界面荒れを防止
することが可能であり、この界面荒れに伴なうC/N比の
極端な劣化を防止することができる。
本発明においては、第一磁性層中に含有される前記強
磁性微粉末の平均粒子径が、通常、0.30μmを超えるこ
と、好ましくは0.32μm以上であることが望ましい。平
均粒子径が0.30μmを超える強磁性微粉末を用いること
により、第一磁性層における前記強磁性微粉末の詰め率
を高めることが可能になって特に再生出力の向上を図る
ことができるとともに、走行耐久性の向上をも図ること
ができる。
磁性微粉末の平均粒子径が、通常、0.30μmを超えるこ
と、好ましくは0.32μm以上であることが望ましい。平
均粒子径が0.30μmを超える強磁性微粉末を用いること
により、第一磁性層における前記強磁性微粉末の詰め率
を高めることが可能になって特に再生出力の向上を図る
ことができるとともに、走行耐久性の向上をも図ること
ができる。
第一磁性層に含有される前記強磁性微粉末のBET法に
よる比表面積は、通常、30m2/g以上、好ましくは35〜50
m2/gであることが望ましい。前記強磁性微粉末のBET法
による比表面積が前記の範囲であると、たとえばカラー
信号のような超波長側の信号の再生出力の向上を図るこ
とができる。
よる比表面積は、通常、30m2/g以上、好ましくは35〜50
m2/gであることが望ましい。前記強磁性微粉末のBET法
による比表面積が前記の範囲であると、たとえばカラー
信号のような超波長側の信号の再生出力の向上を図るこ
とができる。
前記結合剤としては、たとえば従来より磁気記録媒体
に用いられている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型
樹脂、電子線照射硬化型樹脂またはこれらの混合物など
を使用することができる。
に用いられている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型
樹脂、電子線照射硬化型樹脂またはこれらの混合物など
を使用することができる。
前記熱可塑性樹脂としては、たとえば塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア
ルコール共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステ
ル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−
エチレン共重合体、ウレタンエラストマー、ポリ弗化ビ
ニル、塩化ビニリデン−アクリロニトルリル共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアミド樹
脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロ
ースアセテートブチレート)、セルロースダイアセテー
ト、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネ
ート、ニトロセルロース等)、スチレンブタジエン共重
合体、ポリエステル樹脂、クロロビニルエーテルアクリ
ル酸エステル共重合体、アミノ樹脂および合成ゴム系の
熱可塑性樹脂などを挙げることができる。
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア
ルコール共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステ
ル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−
エチレン共重合体、ウレタンエラストマー、ポリ弗化ビ
ニル、塩化ビニリデン−アクリロニトルリル共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアミド樹
脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロ
ースアセテートブチレート)、セルロースダイアセテー
ト、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネ
ート、ニトロセルロース等)、スチレンブタジエン共重
合体、ポリエステル樹脂、クロロビニルエーテルアクリ
ル酸エステル共重合体、アミノ樹脂および合成ゴム系の
熱可塑性樹脂などを挙げることができる。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組
み合せて使用しても良い。
み合せて使用しても良い。
前記熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、たとえ
ばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型
樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリ
コーン樹脂、アクリル系反応樹脂、高分子量ポリエステ
ル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタク
リル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの混
合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの
混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコー
ル/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイソシ
アネートの混合物およびポリアミン樹脂などが挙げられ
る。
ばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型
樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリ
コーン樹脂、アクリル系反応樹脂、高分子量ポリエステ
ル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタク
リル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの混
合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの
混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコー
ル/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイソシ
アネートの混合物およびポリアミン樹脂などが挙げられ
る。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組
み合せて使用しても良い。
み合せて使用しても良い。
前記電子線照射硬化型樹脂としては、たとえば無水マ
レイン酸タイプ、ウレタンアクリルタイプ、エポキシア
クリルタイプ、ポリエステルアクリルタイプ、ポリエー
テルアクリルタイプ、ポリウレタンアクリルタイプ、ポ
リアミドアクリルタイプ等の不飽和プレポリマー;エー
テルアクリルタイプ、ウレタンアクリルタイプ、エポキ
シアクリルタイプ、燐酸エステルアクリルタイプ、アリ
ールタイプおよびハイドロカーボンタイプ等の多官能モ
ノマーなどが挙げられる。
レイン酸タイプ、ウレタンアクリルタイプ、エポキシア
クリルタイプ、ポリエステルアクリルタイプ、ポリエー
テルアクリルタイプ、ポリウレタンアクリルタイプ、ポ
リアミドアクリルタイプ等の不飽和プレポリマー;エー
テルアクリルタイプ、ウレタンアクリルタイプ、エポキ
シアクリルタイプ、燐酸エステルアクリルタイプ、アリ
ールタイプおよびハイドロカーボンタイプ等の多官能モ
ノマーなどが挙げられる。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組
み合せて使用しても良い。
み合せて使用しても良い。
本発明においては、前記の各種樹脂をそのまま使用し
て結合剤としても良いが、さらに、上記の各種樹脂と共
に硬化剤を用いて結合剤としても良い。
て結合剤としても良いが、さらに、上記の各種樹脂と共
に硬化剤を用いて結合剤としても良い。
前記硬化剤の好適例としては、たとえば、トリレンジ
イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
ヘキサンジイソシアネート等の2官能イソシアネート、
コロネートL(商品名;日本ポリウレタン工業(株)
製)、デスモジュールL(商品名;バイエル社製)等の
3官能イソシアネート、または両末端にイソシアネート
基を含有するウレタンプレポリマーなどの従来から硬化
剤として使用されているものや、また硬化剤として使用
可能であるポリイソシアネートであるものなどのポリイ
ソシアネート化合物を挙げることができる。
イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
ヘキサンジイソシアネート等の2官能イソシアネート、
コロネートL(商品名;日本ポリウレタン工業(株)
製)、デスモジュールL(商品名;バイエル社製)等の
3官能イソシアネート、または両末端にイソシアネート
基を含有するウレタンプレポリマーなどの従来から硬化
剤として使用されているものや、また硬化剤として使用
可能であるポリイソシアネートであるものなどのポリイ
ソシアネート化合物を挙げることができる。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組
み合せて使用しても良い。
み合せて使用しても良い。
前記硬化剤の使用量は、通常、全結合剤量の5〜80重
量部である。
量部である。
第一磁性層における前記強磁性微粉末と前記結合剤
(前記硬化剤を使用する場合には、硬化剤を含む)との
配合割合は、前記強磁性微粉末100重量部に対して、通
常、結合剤10〜50重量部、好ましくは15〜30重量部であ
る。結合剤の配合量が多すぎると、結果的に強磁性微粉
末の配合量が低くなり磁気記録媒体の記録密度が低下す
ることがあり、少なすぎると、第一磁性層の強度が低下
して磁気記録媒体の走行耐久性が減退することがある。
(前記硬化剤を使用する場合には、硬化剤を含む)との
配合割合は、前記強磁性微粉末100重量部に対して、通
常、結合剤10〜50重量部、好ましくは15〜30重量部であ
る。結合剤の配合量が多すぎると、結果的に強磁性微粉
末の配合量が低くなり磁気記録媒体の記録密度が低下す
ることがあり、少なすぎると、第一磁性層の強度が低下
して磁気記録媒体の走行耐久性が減退することがある。
第一磁性層中は、さらに、潤滑剤、研磨剤および帯電
防止剤等を含有していても良い。
防止剤等を含有していても良い。
前記潤滑剤としては、たとえばカーボンブラック、グ
ラファイト、カーボンブラックグラフトポリマー、二硫
化モリブデン、および二硫化タングステン等の固体潤滑
剤;シリコンオイル、変性シリコン化合物、脂肪酸エス
テルおよび炭素数12〜22の脂肪酸などが挙げられる。
ラファイト、カーボンブラックグラフトポリマー、二硫
化モリブデン、および二硫化タングステン等の固体潤滑
剤;シリコンオイル、変性シリコン化合物、脂肪酸エス
テルおよび炭素数12〜22の脂肪酸などが挙げられる。
これらの中でも、好ましいのはカーボンブラック、変
性シリコン化合物、脂肪酸および脂肪酸エステルであ
る。
性シリコン化合物、脂肪酸および脂肪酸エステルであ
る。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組
み合せて使用しても良い。
み合せて使用しても良い。
前記潤滑剤の使用量は前記強磁性微粉末100重量部に
対して、通常、0.05〜10重量部である。
対して、通常、0.05〜10重量部である。
前記研磨剤としては、たとえば酸化アルミニウム、酸
化チタン(TiO、TiO2)、酸化ケイ素(SiO、SiO2)、窒
化ケイ素、酸化クロムおよび炭化ホウ素の無機粉末並び
にベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン樹脂粉末および
フタロシアニン化合物粉末等の有機粉末が挙げられる。
化チタン(TiO、TiO2)、酸化ケイ素(SiO、SiO2)、窒
化ケイ素、酸化クロムおよび炭化ホウ素の無機粉末並び
にベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン樹脂粉末および
フタロシアニン化合物粉末等の有機粉末が挙げられる。
前記研磨剤の平均粒子径は、通常、0.1〜1.0μmの範
囲内にある。
囲内にある。
また、前記研磨剤の配合量は、前記強磁性微粉末100
重量部に対して、通常、0.5〜20重量部の範囲内にあ
る。
重量部に対して、通常、0.5〜20重量部の範囲内にあ
る。
前記帯電防止剤としては、たとえばカーボンブラッ
ク、グラファイト、酸化錫−酸化アンチモン系化合物、
酸化錫−酸化チタン−酸化アンチモン系化合物、カーボ
ンブラックグラフトポリマー等の導電性粉末;サポニン
などの天然界面活性剤;アルキレンオキサイド系、グリ
セリン系、グリシドール系等のノニオン界面活性剤;高
級アルキルアミン類、第4級ピリジン、その他の複素環
類、ホスホニウムおよびスルホニウム類等のカチオン界
面活性剤:カルボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステ
ル基、燐酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活
性剤:アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコ
ールの燐酸および燐酸エステル類等の両性界面活性剤な
どが挙げられる。
ク、グラファイト、酸化錫−酸化アンチモン系化合物、
酸化錫−酸化チタン−酸化アンチモン系化合物、カーボ
ンブラックグラフトポリマー等の導電性粉末;サポニン
などの天然界面活性剤;アルキレンオキサイド系、グリ
セリン系、グリシドール系等のノニオン界面活性剤;高
級アルキルアミン類、第4級ピリジン、その他の複素環
類、ホスホニウムおよびスルホニウム類等のカチオン界
面活性剤:カルボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステ
ル基、燐酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活
性剤:アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコ
ールの燐酸および燐酸エステル類等の両性界面活性剤な
どが挙げられる。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組
み合せて使用しても良い。
み合せて使用しても良い。
前記帯電防止剤の配合量は、前記強磁性微粉末100重
量部に対して、通常、0.5〜20重量部である。
量部に対して、通常、0.5〜20重量部である。
なお、前記潤滑剤、帯電防止剤等は、単独の作用のみ
を有するものではなく、例えば、一の化合物が潤滑剤お
よび帯電防止剤として作用する場合がある。
を有するものではなく、例えば、一の化合物が潤滑剤お
よび帯電防止剤として作用する場合がある。
以上の構成からなる第一磁性層のヤング率は、通常、
1,000kg/mm2以上、好ましくは1,200kg/mm2以上である。
このヤング率が1,000kg/mm2未満であると、本発明の磁
気記録媒体と磁気ヘッドとの密着性の低下を招いたり、
走行耐久性の低下を招いたりして、本発明の目的を達成
することができないことがある。
1,000kg/mm2以上、好ましくは1,200kg/mm2以上である。
このヤング率が1,000kg/mm2未満であると、本発明の磁
気記録媒体と磁気ヘッドとの密着性の低下を招いたり、
走行耐久性の低下を招いたりして、本発明の目的を達成
することができないことがある。
また、第一磁性層中に含有される前記強磁性微粉末の
垂直方向成分の角型比(残留磁化Br/飽和磁化Bm)は、
通常、0.17以下、好ましくは0.15以下である。この垂直
方向成分の角型比が0.17を超えると、第一磁性層上に、
後に詳述する第二磁性層を塗布した際に、界面荒れを招
き、C/N比の極端な劣化の原因になることがある。
垂直方向成分の角型比(残留磁化Br/飽和磁化Bm)は、
通常、0.17以下、好ましくは0.15以下である。この垂直
方向成分の角型比が0.17を超えると、第一磁性層上に、
後に詳述する第二磁性層を塗布した際に、界面荒れを招
き、C/N比の極端な劣化の原因になることがある。
さらに、第一磁性層中に含有される前記強磁性微粉末
の長手方向成分の角型比は、通常、0.79以上、好ましく
は0.80以上である。この長手方向成分の角型比が0.79未
満であると、界面の荒れを招き、電磁変換特性および走
行耐久性の低下を招くことがあり、特にC−C/N比が著
しく低下することがある。
の長手方向成分の角型比は、通常、0.79以上、好ましく
は0.80以上である。この長手方向成分の角型比が0.79未
満であると、界面の荒れを招き、電磁変換特性および走
行耐久性の低下を招くことがあり、特にC−C/N比が著
しく低下することがある。
以上の構成からなる第一磁性層の厚みは、通常、4μ
m以下、好ましくは3μm以下である。この厚みが4μ
mを超えると、第一磁性層の配向が低下してクロマ出力
が低下したり、後に詳述する第二磁性層との境界面が荒
れてノイズ成分が増加したりして電気特性の低下を招く
ことがある。
m以下、好ましくは3μm以下である。この厚みが4μ
mを超えると、第一磁性層の配向が低下してクロマ出力
が低下したり、後に詳述する第二磁性層との境界面が荒
れてノイズ成分が増加したりして電気特性の低下を招く
ことがある。
第一磁性層上には、直接にあるいは間接的に次に詳述
する第二磁性層が設けられる。
する第二磁性層が設けられる。
(第二磁性層) 第二磁性層は、前記第一磁性層と同様に強磁性微粉末
を結合剤中に分散してなる層である。
を結合剤中に分散してなる層である。
したがって、第二磁性層における強磁性微粉末、結合
剤およびその他の含有成分については、前記第一磁性層
において用いることのできるものを、いずれも同様に用
いることができる。
剤およびその他の含有成分については、前記第一磁性層
において用いることのできるものを、いずれも同様に用
いることができる。
ただし、第二磁性層は以下の点で前記第一磁性層とは
異なっている。
異なっている。
すなわち、第二磁性層において、前記強磁性粉末の針
状比は、通常、9未満、好ましくは5〜8である。この
針状比が9以上であると、記録信号中のノイズ成分が増
加して電磁変換特性の低下を招いたり、前記第一磁性層
上に第二磁性層を塗布する際に、前述の界面荒れを生じ
たりすることがある。
状比は、通常、9未満、好ましくは5〜8である。この
針状比が9以上であると、記録信号中のノイズ成分が増
加して電磁変換特性の低下を招いたり、前記第一磁性層
上に第二磁性層を塗布する際に、前述の界面荒れを生じ
たりすることがある。
また、本発明において、第二磁性層に含有される前記
強磁性微粉末の平均粒子径は、通常、0.30μm以下、好
ましくは0.28μm以下であることが望ましい。平均粒子
径が0.30μm以下である強磁性微粉末を用いることによ
り、磁気ヘッドとの密着性の向上を図ることができると
ともに、磁気記録媒体におけるエッジダメージの発生を
防止することができる。
強磁性微粉末の平均粒子径は、通常、0.30μm以下、好
ましくは0.28μm以下であることが望ましい。平均粒子
径が0.30μm以下である強磁性微粉末を用いることによ
り、磁気ヘッドとの密着性の向上を図ることができると
ともに、磁気記録媒体におけるエッジダメージの発生を
防止することができる。
第二磁性層に含有される前記強磁性微粉末のBET法に
よる比表面積は、通常、45m2/g以上、好ましくは45〜70
m2/gである。この比表面積を前記の範囲にすることによ
り、特に、たとえば映像信号のような短波長側の信号の
再生出力の向上を図ることができる。
よる比表面積は、通常、45m2/g以上、好ましくは45〜70
m2/gである。この比表面積を前記の範囲にすることによ
り、特に、たとえば映像信号のような短波長側の信号の
再生出力の向上を図ることができる。
第二磁性層のヤング率は、通常、1,200kg/mm2以下、
好ましくは1,000kg/mm2以下である。このヤング率が1,2
00kg/mm2を超えると、本発明の磁気記録媒体と磁気ヘッ
ドとの密着性の低下を招いたり、層間剥離を招いたりし
て、本発明の目的を達成することができないことがあ
る。
好ましくは1,000kg/mm2以下である。このヤング率が1,2
00kg/mm2を超えると、本発明の磁気記録媒体と磁気ヘッ
ドとの密着性の低下を招いたり、層間剥離を招いたりし
て、本発明の目的を達成することができないことがあ
る。
また、第二磁性層中に含有される前記強磁性微粉末の
垂直方向成分の角型比(残留磁化Br/飽和磁化Bm)は、
通常、0.15以上、好ましくは0.16以上である。この垂直
方向成分の角型比が0.15未満であると、磁気記録媒体に
おけるエッジダメージの発生を招いたり、電気特性の劣
化を招いたりすることがある。
垂直方向成分の角型比(残留磁化Br/飽和磁化Bm)は、
通常、0.15以上、好ましくは0.16以上である。この垂直
方向成分の角型比が0.15未満であると、磁気記録媒体に
おけるエッジダメージの発生を招いたり、電気特性の劣
化を招いたりすることがある。
さらに、第二磁性層中に含有される前記強磁性微粉末
の長手方向成分の角型比は、通常、0.75以下、好ましく
は0.70以下である。この長手方向成分の角型比が0.75を
超えると、本発明の磁気記録媒体と磁気ヘッドとの密着
性の低下を招いて、C/N特性の低下の原因となる。
の長手方向成分の角型比は、通常、0.75以下、好ましく
は0.70以下である。この長手方向成分の角型比が0.75を
超えると、本発明の磁気記録媒体と磁気ヘッドとの密着
性の低下を招いて、C/N特性の低下の原因となる。
以上の構成からなる第二磁性層の厚みは、通常、2μ
m以下、好ましくは1.5μm未満である。この厚みが2
μmを超えると、本発明の磁気記録媒体と磁気ヘッドと
の密着性が低下したり、また前記第一磁性層の所期の特
性が現れず電気特性の大幅な低下を招くことがある。
m以下、好ましくは1.5μm未満である。この厚みが2
μmを超えると、本発明の磁気記録媒体と磁気ヘッドと
の密着性が低下したり、また前記第一磁性層の所期の特
性が現れず電気特性の大幅な低下を招くことがある。
(第一磁性層と第二磁性層との関係) 本発明においては、前記第一磁性層と第二磁性層とが
以下の関係を満たすことが必要である。
以下の関係を満たすことが必要である。
すなわち、前記第一磁性層のヤング率をE1、前記第二
磁性層のヤング率をE2としたときに、前記E1およびE
2は、次の関係; E1>E2 を満たさなければならない。E1≦E2であると、本発明の
磁気記録媒体と磁気ヘッドとの密着性が低下したり、エ
ッジダメージの発生を招いたりすることがある。
磁性層のヤング率をE2としたときに、前記E1およびE
2は、次の関係; E1>E2 を満たさなければならない。E1≦E2であると、本発明の
磁気記録媒体と磁気ヘッドとの密着性が低下したり、エ
ッジダメージの発生を招いたりすることがある。
また、前記第一磁性層中の前記強磁性微粉末の針状比
をN1、前記第二磁性層中の前記強磁性微粉末の針状比を
N2としたときに、前記N1およびN2は、次の関係; N1>N2 を満たさなければならない。N1≦N2であると、第一磁性
層および第二磁性層それぞれの特性が所期の特性を有す
るに至らないので、電磁変換特性および走行耐久性双方
の低下を招くことがある。
をN1、前記第二磁性層中の前記強磁性微粉末の針状比を
N2としたときに、前記N1およびN2は、次の関係; N1>N2 を満たさなければならない。N1≦N2であると、第一磁性
層および第二磁性層それぞれの特性が所期の特性を有す
るに至らないので、電磁変換特性および走行耐久性双方
の低下を招くことがある。
さらに、前記第一磁性層における前記強磁性微粉末の
垂直方向成分の角型比をSqV1、前記第一磁性層における
前記強磁性微粉末の長手方向成分の角型比をSqH1、前記
第二磁性層における前記強磁性微粉末の垂直方向成分の
角型比をSqV2および前記第二磁性層における前記強磁性
微粉末の長手方向成分の角型比をSqH2としたときに、前
記SqV1、SqH1、SqV2およびSqH2は、それぞれ次の関係; SqV1<SqV2 SqH1>SqH2 を満たさなければならない。これらの角型比が前記の関
係を満たすことにより、電磁変換特性、走行性および走
行耐久性の向上を同時に図ることができる。
垂直方向成分の角型比をSqV1、前記第一磁性層における
前記強磁性微粉末の長手方向成分の角型比をSqH1、前記
第二磁性層における前記強磁性微粉末の垂直方向成分の
角型比をSqV2および前記第二磁性層における前記強磁性
微粉末の長手方向成分の角型比をSqH2としたときに、前
記SqV1、SqH1、SqV2およびSqH2は、それぞれ次の関係; SqV1<SqV2 SqH1>SqH2 を満たさなければならない。これらの角型比が前記の関
係を満たすことにより、電磁変換特性、走行性および走
行耐久性の向上を同時に図ることができる。
(その他) 以上の構成および関係を有する前記第一磁性層と前記
第二磁性層を有する磁性層の厚みは、通常、6μm以下
であり、好ましくは4μm以下である。磁性層の厚みが
6μmを超えると、本発明の目的が達成されないことが
ある。
第二磁性層を有する磁性層の厚みは、通常、6μm以下
であり、好ましくは4μm以下である。磁性層の厚みが
6μmを超えると、本発明の目的が達成されないことが
ある。
以上に詳述した請求項1または請求項2に記載の磁気
記録媒体は、次に詳述する請求項3に記載の製造方法に
より、C/N比の極端な劣化の原因になる磁性層の塗布時
における界面荒れを発生させないで、容易に効率良く得
ることができる。
記録媒体は、次に詳述する請求項3に記載の製造方法に
より、C/N比の極端な劣化の原因になる磁性層の塗布時
における界面荒れを発生させないで、容易に効率良く得
ることができる。
−−製造方法−− 本発明の製造方法においては、非磁性支持体上に、第
一磁性層形成成分を含有する第一磁性塗料を塗布した
後、前記非磁性支持体に沿った方向に配向処理を行な
い、次いで前記非磁性支持体上に塗布した前記第一磁性
塗料が湿潤状態にあるうちに、その上に、第二磁性層形
成成分を含有する第二磁性塗料を塗布し、その後、前記
非磁性支持体に対して垂直方向に配向処理を行なう。
一磁性層形成成分を含有する第一磁性塗料を塗布した
後、前記非磁性支持体に沿った方向に配向処理を行な
い、次いで前記非磁性支持体上に塗布した前記第一磁性
塗料が湿潤状態にあるうちに、その上に、第二磁性層形
成成分を含有する第二磁性塗料を塗布し、その後、前記
非磁性支持体に対して垂直方向に配向処理を行なう。
(磁性塗料の塗布) 前記第一磁性塗料および第二磁性塗料は、それぞれが
前記強磁性微粉末および結合剤を含有する第一磁性層形
成成分および第二磁性層形成成分を、それぞれ溶媒に混
練分散して調製することができる。
前記強磁性微粉末および結合剤を含有する第一磁性層形
成成分および第二磁性層形成成分を、それぞれ溶媒に混
練分散して調製することができる。
前記第一磁性層形成成分および第二磁性層形成成分の
混練・分散に使用する溶媒としては、たとえばアセト
ン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケ
トン(MIBK)およびシクロヘキサノン等のケトン系:メ
タノール、エタノール、プロパノールおよびブタノール
等のアルコール系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、乳酸エチル、酢酸プロピルおよびエチレングリコー
ルモノアセテート等のエステル系;ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、2−エトキシエタノール、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系;ベンゼン、
トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素;メチレン
クロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロ
ホルム、エチレンクロルヒドリンおよびジクロルベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素などを使用することができ
る。
混練・分散に使用する溶媒としては、たとえばアセト
ン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケ
トン(MIBK)およびシクロヘキサノン等のケトン系:メ
タノール、エタノール、プロパノールおよびブタノール
等のアルコール系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、乳酸エチル、酢酸プロピルおよびエチレングリコー
ルモノアセテート等のエステル系;ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、2−エトキシエタノール、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系;ベンゼン、
トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素;メチレン
クロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロ
ホルム、エチレンクロルヒドリンおよびジクロルベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素などを使用することができ
る。
混練分散にあたっては、各種の混練機を使用すること
ができる。この混練機としては、たとえば二本ロールミ
ル、三本ロールミル、ボウルミル、ペブルミル、サイド
グラインダー、Sqegvariアトライター、高速インペラー
分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパ
ーニーダー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分
散機などが挙げられる。
ができる。この混練機としては、たとえば二本ロールミ
ル、三本ロールミル、ボウルミル、ペブルミル、サイド
グラインダー、Sqegvariアトライター、高速インペラー
分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパ
ーニーダー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分
散機などが挙げられる。
なお、前記強磁性微粉末の混合分散には、分散剤を使
用することができる。
用することができる。
前記分散剤としては、たとえばレシチン、りん酸エス
テル、アミン化合物、アルキルサルフェート、脂肪酸ア
ミド、高級アルコール、ポリエチレンオキサイド、スル
ホコハク酸、スルホコハク酸エステル、公知の界面活性
剤等およびこれらの塩、陰性有機基(例えば−COOH、−
PO3H)重合体分散剤の塩などが挙げられる。
テル、アミン化合物、アルキルサルフェート、脂肪酸ア
ミド、高級アルコール、ポリエチレンオキサイド、スル
ホコハク酸、スルホコハク酸エステル、公知の界面活性
剤等およびこれらの塩、陰性有機基(例えば−COOH、−
PO3H)重合体分散剤の塩などが挙げられる。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組
み合せて使用しても良い。
み合せて使用しても良い。
前記分散剤の添加量は、前記強磁性微粉末100重量部
に対して、通常、1〜20重量部である。
に対して、通常、1〜20重量部である。
本発明の方法においては、このようにして調製した前
記第一磁性塗料を、たとえば公知の方法を採用して、前
記非磁性支持体上に塗布する。
記第一磁性塗料を、たとえば公知の方法を採用して、前
記非磁性支持体上に塗布する。
塗布方法としては、たとえばグラビアロールコーティ
ング、ワイヤーバーコーティング、ドクタープレードコ
ーティング、リバースロールコーティング、ディップコ
ーティング、エアーナイフコーティング、カレンダーコ
ーティング、押し出しコーティング、スキーズコーティ
ング、キスコーティングおよびファンティンコーティン
グなどが挙げられる。
ング、ワイヤーバーコーティング、ドクタープレードコ
ーティング、リバースロールコーティング、ディップコ
ーティング、エアーナイフコーティング、カレンダーコ
ーティング、押し出しコーティング、スキーズコーティ
ング、キスコーティングおよびファンティンコーティン
グなどが挙げられる。
本発明の方法においては、前記第一磁性塗料を塗布し
た後、後に詳述する磁場配向処理を行ない、次いで、第
一磁性層が湿潤状態にあるうちに、第一磁性層の上に第
二磁性塗料を塗布する。第一磁性層が湿潤状態にあるう
ちに、第一磁性層の上に第二磁性塗料を塗布することに
より、後に詳述する垂直方向の配向処理の効果を第二磁
性層のみならず第一磁性層にも有効に及ぼすことができ
る。
た後、後に詳述する磁場配向処理を行ない、次いで、第
一磁性層が湿潤状態にあるうちに、第一磁性層の上に第
二磁性塗料を塗布する。第一磁性層が湿潤状態にあるう
ちに、第一磁性層の上に第二磁性塗料を塗布することに
より、後に詳述する垂直方向の配向処理の効果を第二磁
性層のみならず第一磁性層にも有効に及ぼすことができ
る。
第二磁性塗料の塗布には、前記第一磁性塗料の塗布に
採用することのできる方法をいずれも採用することがで
きる。
採用することのできる方法をいずれも採用することがで
きる。
(配向処理) 本発明の方法においては、前記非磁性支持体の上に、
前記第一磁性塗料を塗布した後、前記非磁性支持体に沿
った方向に配向処理を行なう。
前記第一磁性塗料を塗布した後、前記非磁性支持体に沿
った方向に配向処理を行なう。
また、本発明の方法においては、前記非磁性支持体に
沿った方向に配向処理を行なった第一磁性塗料が湿潤状
態にあるうちに、第二磁性塗料を塗布し、その後、前記
非磁性支持体に対して垂直な方向に配向処理を行なう。
なお、前記非磁性支持体に対して垂直な方向に配向処理
を行なう前であって第二磁性塗料を塗布した後に、前記
非磁性支持体に沿った方向に配向処理を行なうことがで
きる。
沿った方向に配向処理を行なった第一磁性塗料が湿潤状
態にあるうちに、第二磁性塗料を塗布し、その後、前記
非磁性支持体に対して垂直な方向に配向処理を行なう。
なお、前記非磁性支持体に対して垂直な方向に配向処理
を行なう前であって第二磁性塗料を塗布した後に、前記
非磁性支持体に沿った方向に配向処理を行なうことがで
きる。
配向処理の手段としては、たとえば永久磁石、電磁石
等を用いた従来より公知の方法を採用することができ
る。
等を用いた従来より公知の方法を採用することができ
る。
ここで、本発明の製造方法において好適に使用するこ
とのできる装置の一例を第1図に示す。
とのできる装置の一例を第1図に示す。
第1図に示した装置は、第一磁性塗料用コーター1、
長手方向配向装置2、第二磁性塗料用コーター3、長手
方向配向装置2′および垂直方向配向装置4から構成さ
れる。さらに、長手方向配向装置2(2′)は、同極同
士(N極−N極、S極−S極)を対向させて配置した少
なくとも2個の永久磁石21(21′)、22(22′)を有す
るものであり、また、垂直方向配向装置4は、異極同士
(N極−S極)を対向させて配置した少なくとも2個の
永久磁石41、42を有するものである。
長手方向配向装置2、第二磁性塗料用コーター3、長手
方向配向装置2′および垂直方向配向装置4から構成さ
れる。さらに、長手方向配向装置2(2′)は、同極同
士(N極−N極、S極−S極)を対向させて配置した少
なくとも2個の永久磁石21(21′)、22(22′)を有す
るものであり、また、垂直方向配向装置4は、異極同士
(N極−S極)を対向させて配置した少なくとも2個の
永久磁石41、42を有するものである。
第1図に示した装置において、第1図中に矢印で示し
た方向に連続的に移動する非磁性支持体10の上には、先
ず、第一磁性塗料用コーター1から第一磁性塗料11が吐
出される。次いで、第一磁性塗料11が塗布された非磁性
支持体10が長手方向配向装置2を形成する永久磁石21お
よび22の間を通過することにより、非磁性支持体10に沿
った方向への配向処理がなされる。さらに、この第一磁
性塗料11の上には、第二磁性塗料用コーター3から第二
磁性塗料12が吐出される。このようにして第一磁性塗料
11および第二磁性塗料12が塗布された非磁性支持体10
が、長手方向配向装置2′を形成する永久磁石21′およ
び22′を通過することにより非磁性支持体10に沿った方
向への配向処理がなされ、次いで、この非磁性支持体10
が垂直方向配向装置4を形成する永久磁石41および42の
間を通過することにより、非磁性支持体10に対して垂直
方向への配向処理がなされる。したがって、たとえば第
1図に示した構成を有する装置によると、第一磁性塗料
および第二磁性塗料の塗布ならびに非磁性支持体の長手
方向に沿った方向への配向処理および非磁性支持体に対
して垂直方向への配向処理を容易に、かつ効率良く行な
うことができる。なお、配向装置の形成には、たとえば
第1図に示したように永久磁石を用いてもよいし、ある
いは第2図に示したように電磁石30を用いてもよい。た
だし、装置の小型化および簡略化を図るためには、永久
磁石を用いることが好ましい。
た方向に連続的に移動する非磁性支持体10の上には、先
ず、第一磁性塗料用コーター1から第一磁性塗料11が吐
出される。次いで、第一磁性塗料11が塗布された非磁性
支持体10が長手方向配向装置2を形成する永久磁石21お
よび22の間を通過することにより、非磁性支持体10に沿
った方向への配向処理がなされる。さらに、この第一磁
性塗料11の上には、第二磁性塗料用コーター3から第二
磁性塗料12が吐出される。このようにして第一磁性塗料
11および第二磁性塗料12が塗布された非磁性支持体10
が、長手方向配向装置2′を形成する永久磁石21′およ
び22′を通過することにより非磁性支持体10に沿った方
向への配向処理がなされ、次いで、この非磁性支持体10
が垂直方向配向装置4を形成する永久磁石41および42の
間を通過することにより、非磁性支持体10に対して垂直
方向への配向処理がなされる。したがって、たとえば第
1図に示した構成を有する装置によると、第一磁性塗料
および第二磁性塗料の塗布ならびに非磁性支持体の長手
方向に沿った方向への配向処理および非磁性支持体に対
して垂直方向への配向処理を容易に、かつ効率良く行な
うことができる。なお、配向装置の形成には、たとえば
第1図に示したように永久磁石を用いてもよいし、ある
いは第2図に示したように電磁石30を用いてもよい。た
だし、装置の小型化および簡略化を図るためには、永久
磁石を用いることが好ましい。
(その他) 本発明の方法においては、以上のようにして、第一磁
性塗料および第二磁性塗料の塗布ならびに所定の配向処
理を行なった後、通常はスーパーカレンダーロールなど
を用いて表面平滑化処理を行なう。
性塗料および第二磁性塗料の塗布ならびに所定の配向処
理を行なった後、通常はスーパーカレンダーロールなど
を用いて表面平滑化処理を行なう。
次いで、所望の形状に裁断することにより、磁気記録
媒体を得ることができる。
媒体を得ることができる。
本発明の方法により得られる磁気記録媒体は、たとえ
ば長尺状に裁断することにより、ビデオテープ、オーデ
ィオテープ等の磁気テープとして、あるいは円盤状に裁
断することにより、フロッピーディスク等として使用す
ることができる。さらに、通常の磁気記録媒体と同様
に、カード状、円筒状などの形態でも使用することがで
きる。
ば長尺状に裁断することにより、ビデオテープ、オーデ
ィオテープ等の磁気テープとして、あるいは円盤状に裁
断することにより、フロッピーディスク等として使用す
ることができる。さらに、通常の磁気記録媒体と同様
に、カード状、円筒状などの形態でも使用することがで
きる。
[実施例] 次に、本発明の実施例および比較例を示し、本発明に
ついてさらに具体的に説明する。
ついてさらに具体的に説明する。
(実施例1) 以下に示す組成の第一磁性層組成物および第二磁性層
組成物のそれぞれをボールミルを用いて充分に混練分散
した後、第一磁性層組成物にはポリイソシアネート化合
物11部、第二磁性層組成物にはポリイソシアネート化合
物6部をそれぞれ添加して磁性塗料を調製した。
組成物のそれぞれをボールミルを用いて充分に混練分散
した後、第一磁性層組成物にはポリイソシアネート化合
物11部、第二磁性層組成物にはポリイソシアネート化合
物6部をそれぞれ添加して磁性塗料を調製した。
第一磁性層組成物 Co被着γ−FeOX強磁性微粉末 100部 [Hc650e、針状比10、平均粒子径0.40μm] ポリ塩化ビニル系共重合体 12部 (スルホン酸カリウム含有) [日本ゼオン社製:「MR110」] ポリエステルポリウレタン樹脂 7部 [グッドリッチ社製:「エスタン5701」] ステアリン酸 1部 ステアリン酸ブチル 7部 α−アルミナ 2部 (平均粒径0.2μm) カーボンブラック 2部 (平均粒子径40mμ) メチルエチルケトン 300部 第二磁性層組成物 Co被着γ−FeOX強磁性微粉末 100部 [Hc650e、針状比2、平均粒子径0.30μm] ポリ塩化ビニル系共重合体 9部 (スルホン酸カリウム含有) [日本ゼオン社製:「MR110」] ポリエステルポリウレタン樹脂 15部 [グッドリッチ社製:「エスタン5701」] その他の成分の種類および配合量については第一磁性
層組成物と同じ。
層組成物と同じ。
得られた第一磁性塗料および第二磁性塗料を、第1図
に示した構成からなる装置を使用して、厚み14.5μmの
ポリエチレンテレフタレート非磁性支持体上に、先ず、
第一磁性塗料を塗布した後、非磁性支持体の長手方向に
沿って、磁束密度1,800ガウスの条件で配向処理を行な
い、次いで、第一磁性塗料が未乾燥の状態で第二磁性塗
料を塗布してから、非磁性支持体に対して垂直方向に磁
束密度1,800ガウスの条件で配向処理を行なった。
に示した構成からなる装置を使用して、厚み14.5μmの
ポリエチレンテレフタレート非磁性支持体上に、先ず、
第一磁性塗料を塗布した後、非磁性支持体の長手方向に
沿って、磁束密度1,800ガウスの条件で配向処理を行な
い、次いで、第一磁性塗料が未乾燥の状態で第二磁性塗
料を塗布してから、非磁性支持体に対して垂直方向に磁
束密度1,800ガウスの条件で配向処理を行なった。
次いで、乾燥を行なった後、スーパーカレンダー処理
を行って第一磁性層および第二磁性層を有する磁性層を
形成した。なお、第一磁性層の乾燥厚は2.0μm、第二
磁性層の乾燥厚は1.0μmであった。
を行って第一磁性層および第二磁性層を有する磁性層を
形成した。なお、第一磁性層の乾燥厚は2.0μm、第二
磁性層の乾燥厚は1.0μmであった。
第一磁性層および第二磁性層における強磁性微粉末の
針状比、平均粒子径および結合剤の配合割合を第1表に
示す。
針状比、平均粒子径および結合剤の配合割合を第1表に
示す。
次に、下記の組成からなるバックコート塗料組成物を
ボールミルで5時間分散処理してバックコート塗布液を
調製し、この塗布液を、上記の磁性層を有する支持体の
裏面に乾燥厚が0.5μmとなるように塗布乾燥してバッ
クコート層を形成し、広幅の磁気テープ用フィルムを作
製した。
ボールミルで5時間分散処理してバックコート塗布液を
調製し、この塗布液を、上記の磁性層を有する支持体の
裏面に乾燥厚が0.5μmとなるように塗布乾燥してバッ
クコート層を形成し、広幅の磁気テープ用フィルムを作
製した。
カーボンブラック 50部 ニトロセルロース 20部 ポリウレタン樹脂 20部 メチルエチルケトン 200部 トルエン 200部 得られた広幅の磁気テープ用フィルムをビデオ用テー
プにした。
プにした。
このビデオ用テープにつき、第一磁性層および第二磁
性層のヤング率、非磁性支持体の長手方向に沿った方向
の成分の角型比および非磁性支持体に対して垂直方向の
成分の角型比、ならびにY−C/N、C−C/N、ドロップア
ウト、エッジ折れおよびRFエンベロープの各項目につい
て評価を行なった。
性層のヤング率、非磁性支持体の長手方向に沿った方向
の成分の角型比および非磁性支持体に対して垂直方向の
成分の角型比、ならびにY−C/N、C−C/N、ドロップア
ウト、エッジ折れおよびRFエンベロープの各項目につい
て評価を行なった。
結果を第2表に示す。
なお、各項目の評価はそれぞれ次のようにして行なっ
た。
た。
ヤング率;粘弾性スペクトロメーター[東洋ボルドウィ
ン(株)製]を使用して、次の条件で磁気記録媒体の1
%伸びの応力を測定した。
ン(株)製]を使用して、次の条件で磁気記録媒体の1
%伸びの応力を測定した。
クロスヘッドスピード100mm/分 試料長200mm 長手方向成分の角型比および垂直方向成分の 角形比;測定磁場10Keの条件下に、VSMを使用して、
長手方向成分および垂直方向成分のそれぞれについて残
留磁束密度(Br)と飽和磁束密度(Bm)との比(Br/B
m)を求めた。
長手方向成分および垂直方向成分のそれぞれについて残
留磁束密度(Br)と飽和磁束密度(Bm)との比(Br/B
m)を求めた。
Y−C/N、C−C/N;横河ヒューレットパーカード社製332
5型ジェネレーターおよびタケダ理研社製スペクトルア
ナライザ(TR4101型)を使用して測定した。
5型ジェネレーターおよびタケダ理研社製スペクトルア
ナライザ(TR4101型)を使用して測定した。
なお、Y−C/Nは4.0MHz信号および8.0MHz信号を記録
し、C−C/Nは4.0MHz信号と0.6MHz信号とを重ねて記録
して、それぞれ再生出力を測定した。
し、C−C/Nは4.0MHz信号と0.6MHz信号とを重ねて記録
して、それぞれ再生出力を測定した。
ドロップアウト;温度40℃、湿度80%の条件下に、テー
プを400回走行させた後のドロップアウトをVTRドロップ
アウトカウンター(シバソク社製)を使用して測定し
た。
プを400回走行させた後のドロップアウトをVTRドロップ
アウトカウンター(シバソク社製)を使用して測定し
た。
エッジ折れ;温度40℃、湿度80%の条件下に、テープを
200回走行させた後のエッジ折れの発生の有無について
観察し、次の4段階に評価した。
200回走行させた後のエッジ折れの発生の有無について
観察し、次の4段階に評価した。
A:異常なし B:一部に小さい折れ発生 C:一部分に大きな折れ発生 D:広域にエッジ折れ発生 RFエンベロープ;ビデオデッキ[日本ビクター(株)
製;「S−7000」]でテープを走行させて、オシロスコ
ープにRFエンベロープを写し出し、そのオシロスコープ
画像を写真に撮ってエンベロープの最大値と最小値とを
読み取り、その比を求めた。
製;「S−7000」]でテープを走行させて、オシロスコ
ープにRFエンベロープを写し出し、そのオシロスコープ
画像を写真に撮ってエンベロープの最大値と最小値とを
読み取り、その比を求めた。
(実施例2〜4、比較例1〜2) 前記実施例1において、第一磁性層組成物および第二
磁性層組成物における強磁性微粉末を第1表に示したも
のに代えるとともに、結合剤の配合割合を第1表に示し
たように変えたたほかは、前記実施例1と同様にして磁
性層を形成した。
磁性層組成物における強磁性微粉末を第1表に示したも
のに代えるとともに、結合剤の配合割合を第1表に示し
たように変えたたほかは、前記実施例1と同様にして磁
性層を形成した。
次いで、前記実施例1と同様にしてビデオ用テープを
作成し、このビデオ用テープの特性について評価を行な
った。
作成し、このビデオ用テープの特性について評価を行な
った。
結果を第2表に示す。
(比較例3) 前記実施例1において、第一磁性塗料塗布後の配向方
向を非磁性支持体の長手方向に沿った方向から非磁性支
持体に対して垂直方向へ変えるとともに、第二磁性塗料
塗布後の配向方向を非磁性支持体に対して垂直方向から
非磁性支持体の長手方向に沿った方向へ変えたほかは、
前記実施例1と同様にして磁性層を形成した。
向を非磁性支持体の長手方向に沿った方向から非磁性支
持体に対して垂直方向へ変えるとともに、第二磁性塗料
塗布後の配向方向を非磁性支持体に対して垂直方向から
非磁性支持体の長手方向に沿った方向へ変えたほかは、
前記実施例1と同様にして磁性層を形成した。
次いで、前記実施例1と同様にしてビデオ用テープを
作成し、このビデオ用テープの特性について評価を行な
った。
作成し、このビデオ用テープの特性について評価を行な
った。
結果を第2表に示す。
(評価) 第2表から明らかなように、本発明の磁気記録媒体
は、比較例の磁気記録媒体に比較してC/N比が優れてい
て電磁変換特性が向上しているとともに、ドロップアウ
ト、エッジ折れおよびRFエンベロープの各項目において
同等以上であって走行耐久性が向上していることを確認
した。
は、比較例の磁気記録媒体に比較してC/N比が優れてい
て電磁変換特性が向上しているとともに、ドロップアウ
ト、エッジ折れおよびRFエンベロープの各項目において
同等以上であって走行耐久性が向上していることを確認
した。
[発明の効果] (1) 請求項1または請求項2の発明によると、少な
くとも二層の磁性層を有するとともに、各磁性層のヤン
グ率、各磁性層中に含有される強磁性微粉末の針状比お
よび各磁性層の角型比が特定の関係を満たすので、電磁
変換特性が向上しているとともに、層間の接着性に優
れ、巾方向の弾性も向上していてエッジダメージの発生
がなく、しかも磁気ヘッドとの密着性に優れるとともに
走行性および走行耐久性の向上した磁気記録媒体を提供
することができる。
くとも二層の磁性層を有するとともに、各磁性層のヤン
グ率、各磁性層中に含有される強磁性微粉末の針状比お
よび各磁性層の角型比が特定の関係を満たすので、電磁
変換特性が向上しているとともに、層間の接着性に優
れ、巾方向の弾性も向上していてエッジダメージの発生
がなく、しかも磁気ヘッドとの密着性に優れるとともに
走行性および走行耐久性の向上した磁気記録媒体を提供
することができる。
(2) そして請求項3の発明によると、このような優
れた特長を有する磁気記録媒体を、C/N比の極端な劣化
の原因である磁性層の塗布時における界面荒れを発生さ
せないで、容易に効率良く得ることができて工業的に有
用な磁気記録媒体の製造方法を提供することができる。
れた特長を有する磁気記録媒体を、C/N比の極端な劣化
の原因である磁性層の塗布時における界面荒れを発生さ
せないで、容易に効率良く得ることができて工業的に有
用な磁気記録媒体の製造方法を提供することができる。
第1図は請求項3の発明の方法において好適に使用する
ことのできる装置の構成例を示す説明図、第2図はその
装置における配向装置の他の構成例を示す説明図であ
る。
ことのできる装置の構成例を示す説明図、第2図はその
装置における配向装置の他の構成例を示す説明図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−128324(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】非磁性支持体上に、それぞれが強磁性微粉
末と結合剤とを含有する第一磁性層および第二磁性層
を、この順に有するとともに、前記第一磁性層のヤング
率をE1、前記第一磁性層中の前記強磁性微粉末の針状比
をN1、前記第一磁性層における前記強磁性微粉末の垂直
方向成分の角型比をSqV1、前記第一磁性層における前記
強磁性微粉末の長手方向成分の角型比をSqH1、前記第二
磁性層のヤング率をE2、前記第二磁性層中の前記強磁性
微粉末の針状比をN2、前記第二磁性層における前記強磁
性微粉末の垂直方向成分の角型比をSqV2および前記第二
磁性層における前記強磁性微粉末の長手方向成分の角型
比をSqH2としたときに、それぞれが次の関係; E1>E2、N1>N2、 SqV1<SqV2、SqH1>SqH2 を満たすことを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】前記第一磁性層中の前記強磁性微粉末の平
均粒子径が0.30μmより大きく、かつ前記第二磁性層中
の前記強磁性微粉末の平均粒子径が0.30μm以下である
請求項1に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】非磁性支持体上に、第一磁性層形成成分を
含有する第一磁性塗料を塗布した後、前記非磁性支持体
に沿った方向に配向処理を行ない、次いで前記非磁性支
持体上に塗布した前記第一磁性塗料が湿潤状態にあるう
ちに、その上に、第二磁性層形成成分を含有する第二磁
性塗料を塗布し、その後、前記非磁性支持体に対して垂
直方向に配向処理を行なうことを特徴とする請求項1に
記載の磁気記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1082580A JP2897028B2 (ja) | 1989-03-31 | 1989-03-31 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1082580A JP2897028B2 (ja) | 1989-03-31 | 1989-03-31 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02260229A JPH02260229A (ja) | 1990-10-23 |
JP2897028B2 true JP2897028B2 (ja) | 1999-05-31 |
Family
ID=13778418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1082580A Expired - Fee Related JP2897028B2 (ja) | 1989-03-31 | 1989-03-31 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2897028B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63281602A (ja) * | 1987-05-15 | 1988-11-18 | 株式会社資生堂 | 液状化粧料容器 |
-
1989
- 1989-03-31 JP JP1082580A patent/JP2897028B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02260229A (ja) | 1990-10-23 |
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Legal Events
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