JP2002358628A - 磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法

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JP2002358628A
JP2002358628A JP2001162858A JP2001162858A JP2002358628A JP 2002358628 A JP2002358628 A JP 2002358628A JP 2001162858 A JP2001162858 A JP 2001162858A JP 2001162858 A JP2001162858 A JP 2001162858A JP 2002358628 A JP2002358628 A JP 2002358628A
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JP2001162858A
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Tomohiro Sato
智広 佐藤
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体の表面性の向上、走行耐久性、
出力の向上を図る。 【解決手段】 磁気記録媒体10の磁性層2形成面側と
は反対側の主面に形成されたバックコート層3に、ポリ
エーテル変性シリコーンオイルをバックコート層3の固
形成分に対して0.1〜3.0〔wt%〕含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体およ
び磁気記録媒体の製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】近年、オーディオ装置やビデオ装置、コ
ンピュータ装置等において用いられる長尺形状の磁気記
録媒体においては、デジタル記録等により情報量が増大
し、さらなる高密度記録化、短波長記録化が進められ、
磁気記録媒体の特性向上への要求が高まって来ている。
【0003】このような状況から、高密度記録化、高速
記録化を目的として、磁性層を形成する各種原材料の検
討がなされており、例えば、磁性層を磁性塗料を塗布す
ることによって形成するいわゆる塗布型の磁気記録媒体
においては、高い分散性を有する微細粒子磁性粉や、高
い分散能を有する結合剤等の研究がなされている。
【0004】また、高密度記録化、短波長記録化に対応
するため、結合剤等、非磁性成分を含有せずに真空蒸着
法等によって磁性層を形成するいわゆる金属薄膜型の磁
気記録媒体も実用化されている。
【0005】上述したような塗布型の磁気記録媒体およ
び金属薄膜型の磁気記録媒体においては、走行安定性の
向上や磁気テープ間の摩擦抵抗の低減化、あるいは帯電
防止等を図るために、磁性層形成面側とは反対側に主面
上にバックコート層が設けられている。
【0006】バックコート層は、通常、主としてカーボ
ンブラック等の無機顔料の固体粒子と、結合剤および潤
滑剤、その他の添加剤等から構成されている。
【0007】バックコート層形成用の潤滑剤としては、
例えば脂肪酸や脂肪酸エステル、シリコーンオイル等が
単独で、あるいはバックコート層の特性の向上を図るた
めに二種以上組み合わせて適用されている。例えばバッ
クコート層の摩擦抵抗の低減化効果に優れている脂肪酸
と、磁性層とバックコート層との層間粘着の低減化効果
に優れているシリコーンオイルとが、組み合わされて使
用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年においては、上述
したような塗布型の磁気記録媒体および金属薄膜型の磁
気記録媒体のいずれにおいても、電磁変換特性、走行安
定性、保存安定性、走行耐久性等を一層向上させること
が要求されてきている。
【0009】しかしながら、バックコート層形成用の潤
滑剤として上記脂肪酸を適用した場合には、バックコー
ト層と磁性層とが接触することによって脂肪酸成分が磁
性層に付着し、磁性層中の磁性成分の酸化を促進し、錆
の発生を招来することによって電磁変換特性が低下して
しまうという問題がある。
【0010】また、バックコート層形成用の潤滑剤とし
て、ジメチルシリコーンオイルやメチルフェニルオイル
等の、いわゆるストレートシリコーンオイルを適用した
場合には、一般に結合剤との相溶性が悪く、バックコー
ト層形成用の塗料の分散を阻害してしまうことから、バ
ックコート層形成時に塗りムラを生じたり、あるいは最
終的に得られるバックコート層の表面の粗度が大きくな
りすぎてしまい、磁気テープとして巻き取り保存する際
に、バックコート層と接触した磁性層の表面性を悪化さ
せ、電磁変換特性の劣化を招来するという問題がある。
【0011】上述したような問題を改善するため、バッ
クコート層形成用の潤滑剤に適用するシリコーンオイル
を、アルキル変性、アミノ変性、エポキシ変性、フェノ
ール変性、カルボキシ変性、メルカプト変性等の各種有
機変性とすることによって、結合剤との相溶性を高める
ことが検討されている。
【0012】しかしながら、このようなシリコーンオイ
ルは、結合剤によって固定化することが困難な性質を有
しているので、最終的に得られる磁気テープがカセット
リール等に巻かれた状態、すなわち磁性層とバックコー
ト層とが接触した状態で保存されると、バックコート層
中のシリコーンオイルが磁性層に転写するため、ドロッ
プアウトの増加や磁気ヘッドの目詰まり、さらには電磁
変換特性の劣化を招来するおそれがある。
【0013】そこで、本発明においては、バックコート
層の潤滑剤に着目してバックコート層の耐久性の向上を
図りつつ電磁変換特性、走行安定性、保存特性、走行耐
久性の各特性の向上を図った磁気記録媒体および磁気記
録媒体の製造方法を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、長尺形状の非磁性支持体の一主面上に、磁性層を有
し、この磁性層形成面側とは反対側の他の主面上に、少
なくとも無機固体粒子、結合剤が含有されてなるバック
コート層を有する構成であるものとし、バックコート層
には、下記〔化3〕に示されるポリエーテル変性シリコ
ーンオイルが、該バックコート層の固形成分に対して、
0.1〜3.0〔wt%〕含有されてなるものとする。
【化3】 (但し、〔化3〕中、Rは脂肪族炭化水素基、芳香族炭
化水素基、環状炭化水素基のいずれかであるものとし、
POAはポリエーテルを末端、あるいは側鎖に有し、末
端に−COH基を有するポリアルキレンオキシドである
ものとする。また、x,yは1〜100の整数であるも
のとする。)
【0015】本発明の磁気記録媒体の製造方法において
は、非磁性支持体の一主面上に、磁性層を形成する工程
と、少なくともカーボンブラック等の無機固体粒子、結
合剤が含有されてなる塗料を作製する工程と、この塗料
に、下記〔化4〕に示すポリエーテル変性シリコーンオ
イルを上記塗料中の、最終的にバックコート層を形成す
る固形成分に対し、0.1〜3.0〔wt%〕添加して
バックコート層形成用塗料を作製する工程と、このバッ
クコート層形成用塗料を、磁性層形成面側とは反対側の
主面上に塗布してバックコート層を形成する工程とを有
するものとし、バックコート層を形成する工程において
は、相対湿度を65%以上85%未満とする。
【化4】 (但し、〔化4〕中、Rは脂肪族炭化水素基、芳香族炭
化水素基、環状炭化水素基のいずれかであるものとし、
POAはポリエーテルを末端、あるいは側鎖に有し、末
端に−COH基を有するポリアルキレンオキシドである
ものとする。また、x,yは1〜100の整数であるも
のとする。)
【0016】本発明の磁気記録媒体によれば、バックコ
ート層に含有されるポリエーテル変性シリコーンオイル
について、特に上記〔化3〕に示されるものに特定した
ことによって、バックコート層の固形成分に対して、
0.1〜3.0〔wt%〕という、極めて微量であって
も効果的にバックコート層の表面性の向上、摩擦係数の
低減化、層間粘着の低減化が図られる。
【0017】本発明の磁気記録媒体の製造方法によれ
ば、上記〔化4〕に示されるポリエーテル変性シリコー
ンオイルを、バックコート層形成用塗料に、最終的にバ
ックコート層を形成する固形成分に対し、0.1〜3.
0〔wt%〕含有させ、バックコート層形成工程におい
て、相対湿度を65%以上85%未満に選定したことに
よって、バックコート層の最表面付近に上記ポリエーテ
ル変性シリコーンオイルを多く存在させることができる
ようになり、極めて微量であっても最終的に得られる磁
気記録媒体の摩擦係数の低減化、層間粘着の低減化が効
果的に図られる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体、お
よび磁気記録媒体の製造方法についての一実施の形態
を、図を参照して説明する。なお、本発明の磁気記録媒
体および磁気記録媒体の製造方法は、以下に示す例に限
定されるものではない。
【0019】図1に示す磁気記録媒体10は、非磁性支
持体1の一主面上に磁性層2が形成されてなり、磁性層
2形成面側とは反対側の主面には、バックコート層3が
形成されてなる構成を有する。
【0020】非磁性支持体1を構成する材料としては、
例えばポリエチレンテレフタレートのフィルムを適用す
ることができるが、本発明の磁気記録媒体は、公知の各
種の材料の適用が可能である。すなわち、ポリエチレン
ナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセ
テート、セルロースジアセテート、セルロースダイアセ
テート、セルロースアセテートブチレート等のセルロー
ス誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビ
ニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド、その他のプラスチック、紙、アルミニウム、
銅等の金属、アルミニウム合金、チタン合金等の軽合
金、セラミックス、単結晶シリコン等についても、同様
に適用することができる。
【0021】また、非磁性支持体1は、各種表面処理や
各種装飾を施してもよい。例えば、適宜微細な凹凸形状
を形成したり、表面に、コロナ放電処理や電子線照射処
理等の、前処理を施したりしてもよい。またカオリン等
の無機フィラーや有機フィラーを非磁性支持体表面に配
置することにより、表面の粗度を制御することもでき
る。
【0022】次に、非磁性支持体1上に形成する磁性層
2について説明する。本発明の磁気記録媒体10は、磁
性塗料を塗布することによって磁性層を形成する塗布型
の磁気記録媒体、および真空蒸着法によって磁性金属を
被着させて磁性層を形成する金属薄膜型の磁気記録媒体
のいずれにも適用できる。
【0023】塗布型の磁気記録媒体とする場合において
は、磁性層2は、磁性粉末、結合剤(バインダー)、硬
化剤、分散剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、有機溶剤
等を用いて、これらを従来公知の方法により、調整する
ことにより磁性塗料を作製し、この磁性塗料を非磁性支
持体1上に所定の厚さに塗布することによって形成され
る。
【0024】磁性粉末としては、例えば強磁性酸化鉄粒
子(γ−Fe2 3 、Fe3 4 等)、強磁性二酸化ク
ロム粒子、六角板状の六法晶フェライト粒子、強磁性金
属系粒子等、従来公知のものをいずれも適用できる。上
記磁性粉末には、例えば焼結防止や形状維持等の目的に
より、Al,Si,P,B等の軽金属元素を含有させて
きよい。また、強磁性粉末としては、上記材料うちの一
種類を選択しても良いし、二種類以上を併用してもよ
い。なお最終的に得られる磁気記録媒体を高密度記録化
するためには、比表面積の大きい粒子を選択することが
望ましい。
【0025】結合剤としては、例えば塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアル
コール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸
共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化
ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステ
ル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−
塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸−塩化ビニリデ
ン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合
体、ポリエステルポリウレタンなどのウレタン樹脂、フ
ェノキシ樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−ア
クリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリ
ル酸共重合体、ポリビニルブチラール、ニトロセルロー
ス等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合
体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、アセタール樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアル
デヒド樹脂、またはこれらの混合物などが挙げられる。
【0026】また、結合剤にはポリイソシアネート系硬
化剤を添加することによって、架橋が促進され、磁性層
の耐久性を向上させることができる。このような硬化剤
としては、トリレンジイソシアネート、トリフェニルメ
タントリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4
' −ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレン−
1,5−ジイソシアネート等のイソシアネート類、これ
らと多価アルコールとの反応物、イソシアネートの縮合
物(ポリイソシアネート)等を使用することができる。
【0027】結合剤の具体的な商品名としては、コロネ
ート−L、コロネート−HL、コロネート−2030
(以上、日本ポリウレタン社製商品名)、タケネートD
−200、タケネートD−202(以上、武田薬品社製
商品名)等が挙げられ、これらを単独、あるいは複数組
み合わせて用いることができる。
【0028】磁性塗料には、上述した強磁性粉末、結合
剤の他、添加剤として分散剤、研磨剤、帯電防止剤、防
錆剤等を適宜添加する。分散剤としては、脂肪酸(炭素
数10〜20程度)とその金属塩、そのエステル及び金
属石鹸、リン酸エステル、アミド系、シランカップリン
グ剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップ
リング剤等を適用することができる。研磨剤としては、
金属酸化物、金属硫化物、硫酸化物、炭酸化物、窒化
物、炭化物、コランダム、人工ダイヤモンド等の無機充
填剤等、公知のものを適用することができる。また、そ
の他帯電防止剤、防錆剤、抗菌(防黴)剤、磁性分散
液、磁性分散液等は、従来公知の材料をいずれも適用す
ることができる。
【0029】磁性塗料を調整するための溶剤としては、
例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、アルコ
ール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳
酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエステル等のエス
テル系溶剤、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサ
ン等のグリコールエーテル系溶剤、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチレンクロ
ライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホル
ム、エチレンクロロヒドリン、ジクロロベンゼン等の有
機塩素化合物系溶剤等が挙げられる。
【0030】上述した磁性粉末、結合剤、有機溶剤、そ
の他の添加剤により作製される磁性塗料の調整は、公知
の方法により行うことができるが、例えば、ロールミ
ル、ボールミル、サンドミル、ニーダー、エクストルー
ダー、ホモゲナイザー、および超音波分散機等を用いて
混練、調整する。
【0031】非磁性支持体1上に磁性塗料を塗布するに
際しては、グラビアコーター、ナイフコーター、ブレー
ドコーター、リバースロールコーター、ダイコーター等
の従来公知のものをいずれも適用することができる。
【0032】本発明の磁気記録媒体10を金属薄膜型の
磁気記録媒体とする場合には、磁性層2は、例えば真空
蒸着法によって形成することができる。この場合には、
公知の真空蒸着装置を用いて、例えば金属Coをターゲ
ットとし、これに電子ビームを照射して蒸発させて、非
磁性支持体1上に被着させることによって磁性層2を形
成することができる。
【0033】なお、本発明の磁気記録媒体10において
は、塗布型の磁気記録媒体、金属薄膜型の磁気記録媒体
のいずれにおいても、磁性層は単層としてもよく、複数
層積層させた構成であるものとしてもよい。
【0034】さらには、磁性層2と非磁性支持体1との
間にいわゆる下塗り層として中間層や各種機能を持たせ
た非磁性層を形成してもよい。また、磁性層2の表面に
は、潤滑剤や防錆剤等よりなるトップコート層を形成し
てもよい。
【0035】本発明の磁気記録媒体10においては、磁
性層3形成面とは反対側の主面に、バックコート層3が
形成されている。バックコート層3は、無機固体粒子、
結合剤(バインダー)、および分散剤、研磨剤、帯電防
止剤、防錆剤等の各種添加剤より形成されてなり、特に
本発明の磁気記録媒体においては、下記〔化5〕に示さ
れるポリエーテル変性シリコーンオイルが、バックコー
ト層3の固形成分に対して、0.1〜3.0〔wt%〕
含有されているものとする。
【0036】
【化5】 (但し、〔化5〕中、Rは脂肪族炭化水素基、芳香族炭
化水素基、環状炭化水素基のいずれかであるものとし、
POAはポリエーテルを末端、あるいは側鎖に有し、末
端に−COH基を有するポリアルキレンオキシドである
ものとする。また、x,yは1〜100の整数であるも
のとする。)
【0037】実用上、上記〔化5〕中、Rは数平均分子
量Mnが300以下の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水
素基、環状炭化水素基のいずれかであることが好適であ
る。また、上記〔化5〕中、POAは下記〔化6〕の示
すポリエチレンオキシドや、下記〔化7〕に示すポリプ
ロピレンオキシド等の、ポリエーテルを末端あるいは側
鎖に有し、末端に−COH基を有するポリアルキレンオ
キシドである。
【0038】
【化6】−(CH2 CH2 O)n
【化7】−(CH2 CH2 CH2 O)n − なお、〔化6〕および〔化7〕中のnは、1〜12であ
るものとする。
【0039】バックコート層3を構成する無機固体粒子
としては、帯電防止効果、潤滑効果が得られるものであ
れば、従来公知の材料を適宜使用することができる。例
えば、グラファイト、カーボンブラックカーボンブラッ
クグラフトポリマー、二硫化タングステン、二硫化モリ
ブデン、酸化チタン等が挙げられる。なお、バックコー
ト層3の形成に用いる上記無機固体粒子は、予め表面処
理を行って親油性としたものが好適である。このように
することによって、個々の粒子を効果的に独立分散させ
ることができる。
【0040】バックコート層3を構成する結合剤(バイ
ンダー)、分散剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤等の各
種添加剤、塗料調整用の有機溶剤については、従来磁気
記録媒体のバックコート層形成用塗料として用いられる
ものであれば、いずれも適用することができ、特に限定
されるものではない。
【0041】なお、本発明の磁気記録媒体10において
は、バックコート層3に、架橋剤としてポリイソシアネ
ート系硬化剤を含有させることが望ましい。これによ
り、結合剤樹脂の分子中の水酸基と、架橋剤の分子中の
イソシアネート基とを反応させて架橋構造を構成させる
ことができ、バックコート層3の耐久性の向上が図るこ
とができる。また、ポリイソシアネート系硬化剤をバッ
クコート層3に含有させることによって、空気中の水分
と反応させることができ、これによって上記〔化5〕に
示した化合物をバックコート層3の表面付近に集中して
存在させることができ潤滑効果が高められる。すなわち
微量で潤滑効果を発揮でき磁気記録媒体の走行耐久性お
よび走行安定性等の特性の向上に有効である。
【0042】バックコート層形成用塗料は、先ず、上記
無機固体粒子、結合剤、および分散剤、研磨剤、帯電防
止剤、防錆剤等の各種添加剤を混合し、有機溶剤によっ
て調整した塗料を作製し、この塗料に上記〔化5〕に示
すポリエーテル変性シリコーンオイルを添加することに
よって作製する。このとき、上記〔化5〕に示すポリエ
ーテル変性シリコーンオイルは、予め、最終的に有機溶
剤を発揮させた後のバックコート層の膜形成成分、すな
わちバックコート層形成用塗料中の有機溶剤の重量を除
いた成分の重量を測定しておき、この固形成分を100
〔wt%〕としたとき、これに対して0.1〜3.0
〔wt%〕添加するものとする。
【0043】また、バックコート層形成用塗料は、例え
ばロールミル、ボールミル、サンドミル、ニーダー、エ
クストルーダー、ホモゲナイザー、超音波分散機等、従
来公知の調整装置を用いて混練、分散して調整すること
ができる。
【0044】バックコート層3は、上述のようにして作
製したバックコート層形成用塗料を、例えばグラビアコ
ーター、ダイコーター等の従来公知の塗布装置を用い
て、非磁性支持体1上の磁性層2形成面側とは反対側の
主面に塗布することによって形成できる。
【0045】なお、バックコート層を形成する塗料の塗
布工程は、相対湿度を65%以上85%未満の環境下で
行うことが望ましい。バックコート層形成工程において
相対湿度を65%以上とすることにより、潤滑剤がより
効果的に発揮されバックコート層表面の摩擦係数の低減
化、および走行耐久性の向上が図られる。一方において
相対湿度が85%以上の環境下でバックコート層の成膜
工程を行うと、ポリエーテル変性シリコーンオイルの変
質を招来し、バックコート層の表面性の劣化し、バック
コート層と磁性層との接触による形状転写で磁性層の表
面性が悪化しRF出力が低下する。
【0046】本発明の磁気記録媒体10においては、バ
ックコート層3と非磁性支持体1との間に適宜中間層
(図示せず)を形成してもよい。中間層を形成すること
によって、例えば、非磁性支持体1上の表面性の制御を
行ったり、機械的な強度を向上させたり、各種機能を持
たせることもできる。
【0047】本発明の磁気記録媒体10の構成を有する
磁気テープは、先ず、長尺状の非磁性支持体1上に上述
したようにして作製したバックコート層形成用塗料を塗
布、乾燥させてバックコート層3を形成し、次に、バッ
クコート層形成面側とは反対側に主面に磁性層2を形成
し、磁場配向処理、乾燥処理、カレンダー処理を行った
後、所定幅に裁断することによって作製することができ
る。
【0048】本発明の磁気記録媒体10は、例えば、磁
気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)搭載したヘリカ
ルスキャン磁気記録システムや、磁気テープの長尺方向
にリニアに信号記録を行う磁気記録システムを用いて信
号の記録および再生を行うことができる。
【0049】以下に、具体的な〔実施例〕および〔比較
例〕の磁気記録媒体を挙げて説明するが、本発明の磁気
記録媒体は、以下に示す例に限定されるものではない。
【0050】〔実施例1〕非磁性支持体1として、厚さ
10〔μm〕のポリエチレンテレフタレートフィルムを
用意した。次に、以下に示す材料によりバックコート層
形成用塗料を作製した。 〔バックコート層形成用塗料材料〕 無機固体粒子:カーボンブラック :100〔重量部〕 (コロンビア社製RAVEN−1255) 結合剤 :ポリエステルポリウレタン樹脂 : 50〔重量部〕 結合剤 :ニトロセルロース樹脂 : 50〔重量部〕 有機溶剤:メチルエチルケトン :220〔重量部〕 :トルエン :220〔重量部〕 :シクロヘキサノン :220〔重量部〕 潤滑剤 :ポリエーテル変性シリコーンオイル :〔表1〕に示す。
【0051】先ず、無機固体粉末、結合剤、および有機
溶剤を上記配合比でボールミルを用いて混合して塗料を
作製した。この塗料に上記〔化5〕に示したポリエーテ
ル変性シリコーンオイルを、この塗料を上記非磁性支持
体1上に塗布する直前の段階で添加してバックコート層
形成用塗料を作製した。ポリエーテル変性シリコーンオ
イルの添加量は、この例においては、下記〔表1〕に示
すように0.1〔wt%〕とするが、これは最終的に得
られるバックコート層の固形成分量(すなわち有機溶剤
が揮発した後に膜を形成している成分)の重量を100
としたときの割合であるものとする。
【0052】次に、磁気記録媒体10を構成する磁性層
2を形成するために用いる磁性塗料を作製する。 〔磁性層用分散液組成〕 磁性粉末:Fe−Co系強磁性粉末 :100〔重量部〕 (比表面積52m2 /g) 結合剤 :ポリエステルポリウレタン樹脂 : 10〔重量部〕 (東洋紡社製 商品名UR−8200) 結合剤 :塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 : 10〔重量部〕 (日本ゼオン社製、商品名MR−110) 研磨剤 :アルミナ(平均粒径0.3μm) : 5〔重量部〕 帯電防止剤:カーボン(平均粒径0.15μm): 2〔重量部〕 潤滑剤 :ステアリン酸 : 1〔重量部〕 :ステアリン酸ブチル : 1〔重量部〕 有機溶剤:メチルエチルケトン :100〔重量部〕 :トルエン :100〔重量部〕 :シクロヘキサノン :100〔重量部〕
【0053】上記の材料を、サンドミルで分散、混練処
理を施し、磁性層用塗料を作製した。
【0054】上述のようにして作製したバックコート層
形成用塗料および磁性塗料に、硬化剤:コロネートL
(日本ポリウレタン社製)をそれぞれ4〔重量部〕添加
した後、上記非磁性支持体1である厚さ10〔μm〕の
ポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥後の厚さが
0.7〔μm〕となるようにバックコート層形成用塗料
を塗布し、乾燥させてバックコート層3を形成した。こ
の塗布工程および乾燥工程は、相対湿度を65〔%〕と
して行った。
【0055】次に、バックコート層3形成面とは反対側
の主面上に、乾燥後の厚さが2〔μm〕となるように磁
性塗料を塗布し、磁場配向、乾燥処理、およびカレンダ
ー処理を行った。その後、60〔℃〕の環境下で所定時
間、膜硬化を行い、磁性層2とバックコート層3を形成
して磁気記録媒体10を作製した。次に、8〔mm〕幅
に裁断して〔実施例1〕のサンプル磁気テープを作製し
た。
【0056】〔実施例2〕〜〔実施例10〕 バックコート層形成用塗料中のポリエーテル変性シリコ
ーンオイルの添加量、および、バックコート層の塗布、
乾燥工程における湿度環境を下記〔表1〕に示すように
変化させ、その他の条件は上記〔実施例1〕と同様にし
てサンプルの磁気テープを作製した。
【0057】〔比較例1〕ポリエーテル変性シリコーン
オイルを添加せずに作製したバックコート層形成用塗料
を用いて、相対湿度65〔%〕の環境下でバックコート
層の塗布および乾燥工程を行った。その他の条件は上記
〔実施例1〕と同様としてサンプルの磁気テープを作製
した。
【0058】〔比較例2〕ポリエーテル変性シリコーン
オイルの添加量を0.05〔wt%〕として作製したバ
ックコート層形成用塗料を用いて、相対湿度65〔%〕
の環境下でバックコート層の塗布および乾燥工程を行っ
た。その他の条件は上記〔実施例1〕と同様としてサン
プルの磁気テープを作製した。
【0059】〔比較例3〕ポリエーテル変性シリコーン
オイルの添加量を4〔wt%〕として作製したバックコ
ート層形成用塗料を用いて、相対湿度65〔%〕の環境
下でバックコート層の塗布および乾燥工程を行った。そ
の他の条件は上記〔実施例1〕と同様としてサンプルの
磁気テープを作製した。
【0060】〔比較例4〕ポリエーテル変性シリコーン
オイルの添加量を5〔wt%〕として作製したバックコ
ート層形成用塗料を用いて、相対湿度65〔%〕の環境
下でバックコート層の塗布および乾燥工程を行った。そ
の他の条件は上記〔実施例1〕と同様としてサンプルの
磁気テープを作製した。
【0061】〔比較例5〕ポリエーテル変性シリコーン
オイルの添加量を0.3〔wt%〕として作製したバッ
クコート層形成用塗料を用いて、相対湿度85〔%〕の
環境下でバックコート層の塗布および乾燥工程を行っ
た。その他の条件は上記〔実施例1〕と同様としてサン
プルの磁気テープを作製した。
【0062】〔比較例6〕ポリエーテル変性シリコーン
オイルの添加量を0.3〔wt%〕として作製したバッ
クコート層形成用塗料を用いて、相対湿度90〔%〕の
環境下でバックコート層の塗布および乾燥工程を行っ
た。その他の条件は上記〔実施例1〕と同様としてサン
プルの磁気テープを作製した。
【0063】上述のようにして作製した〔実施例1〕〜
〔実施例10〕および〔比較例1〕〜〔比較例6〕のサ
ンプル磁気テープについて、特性評価を行った。評価
は、バックコート層3の表面粗度Ra〔nm〕、バック
コート層の摩擦係数、バックコート層3の傷の発生の程
度、磁性層のRF出力値〔dB〕、バックコート層3と
磁性層2との層間粘着〔g〕のそれぞれについて行うこ
ととした。以下にそれぞれの測定方法を示す。
【0064】(バックコート層3の表面粗度Ra)磁気
テープの走行安定性を示す評価として、バックコート層
の表面粗度Raの測定を行った。測定に際しては、小坂
研究所株式会社製の表面粗度計(商品名SE−30H)
を適用し、倍率50000〔倍〕、測定長2〔mm〕、
カットオフ0.08〔mm〕として行った。なお、磁気
テープが実用上充分な走行安定性を得るためには、バッ
クコート層の表面粗度Raは20〔μm〕以下であるこ
とが望ましい。
【0065】(バックコート層の摩擦係数)磁気テープ
の走行耐久性を示す評価として、バックコート層の摩擦
係数の評価を行った。これはステンレスガイドピンに対
するバックコート層3の摩擦係数であるものとし、磁気
テープのシャトル回数が0〔パス〕のときと、200
〔パス〕のときのそれぞれにおいて測定した。なお、磁
気テープが実用上充分な走行耐久性を得るためには、バ
ックコート層の摩擦係数は、0.18以下であることが
望ましい。
【0066】(バックコート層の傷の発生の程度)磁気
テープの走行耐久性を示す評価として、上記摩擦係数測
定後、すなわち磁気テープのシャトル回数が200パス
のときの、バックコート層3の傷の発生の程度を目視に
より測定し、評価した。評価は、下記の基準によりA,
B,C,の3段階で行うものとした。 A:傷の発生が殆ど認められない状態 B:若干の傷が発生し実用的に磁気テープとして使用で
きない状態 C:大きな傷が発生しており実用的に磁気テープとして
使用できない状態
【0067】(磁性層のRF出力値)磁気テープの走行
安定性、走行耐久性を総合的に示す評価として、磁性層
のRF出力値の測定を行った。測定に際しては、ソニー
社製の8mmビデオデッキを用いて、6MHzでのRF
出力値を測定した。〔比較例1〕の磁気テープの測定値
を0〔dB〕として基準値とし、これとの相対出力値で
表した。
【0068】(層間粘着)上記サンプルの磁気テープを
一定張力で8mmカセットリールに巻き取り、温度60
℃、湿度90%の恒温槽中で30日間保存した。その
後、常温常湿の環境下で1日間放置した後、カセットリ
ールに巻かれた磁気テープを巻きほぐす最に必要な荷重
を測定した。なお、磁気テープとして実用的に有効であ
るためには、層間粘着は1〔g〕以下であることが望ま
しい。
【0069】〔実施例1〕〜〔実施例10〕および〔比
較例1〕〜〔比較例6〕の磁気テープの上記各評価結果
を下記〔表1〕に示す。
【0070】
【表1】
【0071】〔表1〕に示すように、バックコート層形
成用塗料中のポリエーテル変性シリコーンオイルの添加
量を0.1〜3.0〔wt%〕とした〔実施例1〕〜
〔実施例10〕の磁気テープにおいては、バックコート
層表面の粗度Raがいずれも20〔nm〕以下となり、
バックコート層の摩擦係数はシャトル回数が200パス
後においても0.18以下に低減化され、摩擦係数測定
後におけるバックコート層の表面の傷の発生の程度の評
価も良好であった。また、磁性層のRF出力値も実用上
充分に高く、走行安定性、走行耐久性がともに優れてい
ることがわかった。さらに、層間粘着もいずれも1
〔g〕以下に低減化されており、磁気テープとして充分
有効な機能を有していることがわかった。
【0072】なお、バックコート層形成用塗料の塗布お
よび乾燥工程において、湿度環境を65〔%〕未満とし
た〔実施例2〕および〔実施例3〕の磁気テープは、バ
ックコート層の摩擦係数がシャトル回数が200パス後
において、他の実施例の磁気テープと比較してやや高く
なった。また、摩擦係数測定後におけるバックコート層
の表面の傷の発生の程度が他の実施例の磁気テープと比
較してやや劣った評価となった。このことから、バック
コート層の膜形成工程において相対湿度を65%以上と
することにより、よりバックコート層の摩擦係数の低減
化、およびバックコート層の耐久性の向上が図られるこ
とがわかった。
【0073】バックコート層形成用塗料中にポリエーテ
ル変性シリコーンオイルを添加しなかった〔比較例1〕
のサンプル磁気テープにおいては、バックコート層の摩
擦係数がシャトル回数200パス後において大幅に上昇
した。また、摩擦係数測定後におけるバックコート層の
表面の傷の発生の程度が〔実施例〕の磁気テープに比較
して著しく劣った評価となり、層間粘着が高くなりすぎ
て測定不能となり、実用的に有効な磁気テープが得られ
なかった。
【0074】〔比較例2〕のサンプル磁気テープにおい
ては、バックコート層形成用塗料中に添加されているポ
リエーテル変性シリコーンオイルが0.05〔wt%〕
と極めて少量であるため、バックコート層の潤滑剤効果
が充分に得られず、バックコート層の摩擦係数がシャト
ル回数200パス後において大幅に上昇した。また、摩
擦係数測定後におけるバックコート層の表面の傷の発生
の程度が〔実施例〕の磁気テープに比較して著しく劣っ
た評価となり、層間粘着が著しく高く、実用的に有効な
磁気テープが得られなかった。
【0075】〔比較例3〕および〔比較例4〕のサンプ
ル磁気テープにおいては、バックコート形成用塗料中に
添加されているポリエーテル変性シリコーンオイルがそ
れぞれ4.0〔wt%〕、5.0〔wt%〕と極めて多
いため、磁気テープが巻装されてバックコート層3と磁
性層2とが積層された状態となると、バックコート層3
から磁性層2の表面にポリエーテル変性シリコーンオイ
ルが転写してしまい、これが磁性層2と磁気ヘッドとの
間にスペーシングが生じる原因となり、磁気テープのR
F出力の低下を招来した。
【0076】〔比較例5〕および〔比較例6〕のサンプ
ル磁気テープにおいては、湿度環境がそれぞれ85%、
90%と極めて高い状態でバックコート層3の膜形成工
程が行われているので、バックコート層3に添加されて
いるポリエーテルシリコーンオイルの変質を招来し表面
性が悪化し、磁気テープが巻装されてバックコート層3
と磁性層2とが積層された状態で磁性層2へ形状の転写
がなされて磁性層2の表面性をも劣化してしまいRF出
力が低下した。
【0077】上述したように、本発明の磁気記録媒体に
おいては、バックコート層に上記〔化5〕に示したポリ
エーテル変性シリコーンオイルがバックコート層の固形
成分に対して0.1〜3.0〔wt%〕含有されたもの
としたことにより、バックコート層表面性の向上が図ら
れ、バックコート層の摩擦係数が低減化され、かつバッ
クコート層の耐久性の向上が図られた。また、磁性層の
RF出力値も実用上充分に高く、走行安定性、走行耐久
性がともに優れている磁気記録媒体が得られた。
【0078】また、バックコート層の膜形成工程におい
て、特に湿度環境を65%以上85%未満の範囲とした
ことにより、バックコート層の潤滑剤の効果を向上させ
ることができ、摩擦係数の低減化が図られ、バックコー
ト層の走行耐久性が向上した。
【0079】
【発明の効果】本発明においては、磁気記録媒体の磁性
層形成面側とは反対側の主面に形成されたバックコート
層に、上記〔化5〕に示したポリエーテル変性シリコー
ンオイルがバックコート層の固形成分に対して0.1〜
3.0〔wt%〕含有したものとしたことにより、バッ
クコート層表面性の向上が図られ、バックコート層の摩
擦係数が低減化され、かつバックコート層の走行耐久性
の向上が図られた。
【0080】また、バックコート層の表面性が良好であ
ることから、結果的に磁性層の表面性の劣化が回避で
き、磁性層のRF出力値も実用上充分に高く、走行安定
性、走行耐久性がともに優れている磁気記録媒体が得ら
れた。
【0081】また、バックコート層の膜形成工程におい
て、特に湿度環境を65%以上85%未満の範囲とした
ことにより、バックコート層の潤滑剤の効果を向上させ
ることができ、摩擦係数の低減化が図られ、バックコー
ト層の走行耐久性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の一例の概略断面図を示
す。
【符号の説明】
1 非磁性支持体、2 磁性層、3 バックコート層、
10 磁気記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 BA021 CA021 CD021 CD081 CD091 CE071 CG001 CG161 DA011 DA031 DA111 DB001 DD001 DF061 DG001 DL152 HA026 JB18 KA03 KA07 KA20 NA11 PA18 PB11 PC08 5D006 CC01 CC02 CC03 FA02 FA05 5D112 AA08 BC05 CC01 CC18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺形状の非磁性支持体の一主面上に、
    磁性層を有し、 上記磁性層形成面側とは反対側の他の主面上に、少なく
    とも無機固体粒子および結合剤が含有されてなるバック
    コート層を有する磁気記録媒体であって、 上記バックコート層には、下記〔化1〕に示されるポリ
    エーテル変性シリコーンオイルが、該バックコート層の
    固形成分に対して、 0.1〜3.0〔wt%〕含有されてなることを特徴と
    する磁気記録媒体。 【化1】 (但し、〔化1〕中、Rは脂肪族炭化水素基、芳香族炭
    化水素基、環状炭化水素基のいずれかであるものとし、
    POAはポリエーテルを末端あるいは側鎖に有し、末端
    に−COH基を有するポリアルキレンオキシドであるも
    のとする。また、x,yは1〜100の整数であるもの
    とする。)
  2. 【請求項2】 上記バックコート層に、ポリイソシアネ
    ート系硬化剤が含有されてなることを特徴とする請求項
    1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 非磁性支持体の一主面上に磁性層を有
    し、他の一主面上にバックコート層を有する磁気記録媒
    体の製造方法であって、 少なくとも無機固体粒子および結合剤が含有されてなる
    塗料を作製する工程と、 上記塗料に、下記〔化2〕に示すポリエーテル変性シリ
    コーンオイルを、上記塗料中の、最終的にバックコート
    層を形成する固形成分に対し、0.1〜3.0〔wt
    %〕添加してバックコート層形成用塗料を作製する工程
    と、 上記バックコート層形成用塗料を、上記磁性層形成面側
    とは反対側の主面上に塗布し、乾燥させてバックコート
    層を形成する工程とを有し、 上記バックコート層を形成する工程においては、相対湿
    度を65%以上85%未満にすることを特徴とする磁気
    記録媒体の製造方法。 【化2】 (但し、〔化2〕中、Rは脂肪族炭化水素基、芳香族炭
    化水素基、環状炭化水素基のいずれかであるものとし、
    POAはポリエーテルを末端、あるいは側鎖に有し、末
    端に−COH基を有するポリアルキレンオキシドである
    ものとする。また、x,yは1〜100の整数であるも
    のとする。)
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