JP2002050021A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2002050021A
JP2002050021A JP2000229607A JP2000229607A JP2002050021A JP 2002050021 A JP2002050021 A JP 2002050021A JP 2000229607 A JP2000229607 A JP 2000229607A JP 2000229607 A JP2000229607 A JP 2000229607A JP 2002050021 A JP2002050021 A JP 2002050021A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
recording medium
magnetic recording
magnetic layer
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000229607A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsunori Maejima
克紀 前嶋
Mari Fukumoto
真理 福元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2000229607A priority Critical patent/JP2002050021A/ja
Publication of JP2002050021A publication Critical patent/JP2002050021A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 磁性層の表面性を良好ならしめ、短波長化に
対応しつつかつ高出力、良好なC/N特性を実現する。 【解決手段】 磁性層2の表面の中心線平均粗さ(Ra
1 )を、3.0〜4.0nmとし、磁性層2の表面形状
をフーリエ変換して得られるパワースペクトラムの、波
長0.1μm以上1.0μm未満の範囲におけるパワー
の最大値をP1mとし、波長1.0μm以上10.0μm
未満の範囲におけるパワーの最大値をP2mとしたとき、
2m≦P1m×100.5 であるものとする。さらに、非磁
性支持体1の表面の中心線平均粗さ(Ra)を、2.
0〜3.0nmとし非磁性支持体1の表面形状をフーリ
エ変換して得られるパワースペクトラムの、波長0.1
μm以上1.0μm未満の範囲におけるパワーの最大値
を、P1bとし、波長1.0μm以上10.0μm未満
の範囲におけるパワーの最大値をP2bとしたとき、P
2b≦P1bであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に係
わる。
【0002】
【従来の技術】近年、オーディオ装置やビデオ装置、コ
ンピュータ装置等において用いられる磁気記録媒体にお
いては、デジタル記録等により情報量が増大しており、
さらなる高密度記録化、短波長記録化が進められてい
る。
【0003】このような状況から、磁気記録装置に供さ
れる高密度記録媒体では、短波長出力およびC/N特性
の向上を図るために、磁気特性を改善させることはもち
ろんのこと、記録再生信号を劣化させる要因であるスペ
ーシングロスやモジュレーションノイズを低減化させる
ために、磁性層を薄膜化させたり、磁性層表面を平滑化
させたりすることが行われている。
【0004】上記のように磁性層の薄膜化を図り、磁性
層表面を平滑化させたりするため、非磁性支持体上に薄
層の磁性層を形成した構成の磁気記録媒体が開発され、
商品化されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、下層非
記録層の表面、すなわち磁性層形成面が湿潤状態にある
間に、上層、すなわち磁性層を同時にあるいは逐次に塗
布して形成する、いわゆるWet on Wet塗布方
式によって薄層の磁性層を形成する場合には、下層非記
録層と磁性層との界面において乱れが生じて塗布欠陥が
生じるという問題が指摘されている。
【0006】塗布欠陥は、磁性層の膜面と垂直方向の膜
厚にむらを生じさせる。一般に磁性層の膜厚の変動はC
/N特性に大きく影響し、磁性層の膜厚のむらがある
と、ノイズが発生する原因となり、短波長出力およびC
/N特性の向上を図る際に磁性層を薄膜化させていく上
において問題となっていた。すなわち、良好なC/N特
性を得るためには、磁性層の膜厚を制御することが非常
に重要である。
【0007】そして、今後さらなる短波長記録化に対応
して、誘導型再生ヘッドより高感度な磁気抵抗効果型
(MR)再生ヘッドを搭載した記録再生システムを用い
ることが主流になると考えられ、さらなるモジュレーシ
ョンノイズの低減化を図ることが必要となってきてい
る。
【0008】そこで、本発明者らは、上述した点に鑑み
て鋭意研究を重ね、感度の高いMRヘッドを用いて信号
再生を行う場合に対応し、短波長出力およびC/N特性
の向上を図るべく、磁気記録媒体の磁性層の表面形状を
コントロールすることとした。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、非磁性支持体上の少なくとも一主面上に、磁性層を
有する磁気記録媒体であって、この磁性層の表面の形状
をコントロールしたものとする。すなわち、磁性層の表
面の中心線平均粗さ(Ra1 )が、3.0〔nm〕以上
4.0〔nm〕以下であるものとし、磁性層の表面形状
を、フーリエ変換して得られるパワースペクトラムの、
波長0.1〔μm〕以上1.0〔μm〕未満の範囲にお
けるパワーの最大値を、P1mとし、波長1.0〔μm〕
以上10.0〔μm〕未満の範囲におけるパワーの最大
値を、P2mとしたとき、 P2m≦P1m×100.5 の関係が成立するものとする。
【0010】本発明によれば、非磁性支持体上に単層で
磁性層を形成した磁気記録媒体においても、磁性層の表
面性を良好ならしめることができ、再生出力およびC/
N特性の向上が図られる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体は、非磁性
支持体上の少なくとも一主面上に、磁性層を有する磁気
記録媒体であって、この磁性層の表面の形状をコントロ
ールしたものとする。すなわち、磁性層の表面の中心線
平均粗さ(Ra1 )が、3.0〔nm〕以上4.0〔n
m〕以下であるものとし、磁性層の表面形状を、フーリ
エ変換して得られるパワースペクトラムの、波長0.1
〔μm〕以上1.0〔μm〕未満の範囲におけるパワー
の最大値を、P1mとし、波長1.0〔μm〕以上10.
0〔μm〕未満の範囲におけるパワーの最大値を、P2m
としたとき、 P2m≦P1m×100.5 の関係が成立するものとする。
【0012】以下、本発明の磁気記録媒体10につい
て、図1にその一例の概略構造を示し、磁気記録媒体に
ついて説明するが、本発明の磁気記録媒体は以下に示す
例に限定されるものではない。
【0013】図1に示す磁気記録媒体10は、非磁性支
持体1上に磁性層2を形成した構成の、いわゆる薄層型
の磁気記録媒体である。また、磁性層2形成面側とは反
対側の主面に、バックコート層3が形成されているもの
とする。なお、以下に示す本発明の磁気記録媒体10の
例においては、塗布型の磁気記録媒体について説明する
が、本発明の磁気記録媒体は、以下に示す例に限定され
るものではなく、蒸着型の磁気記録媒体であってもよ
い。
【0014】非磁性支持体1を構成する材料としては、
例えばポリエチレンテレフタレートのフィルムを適用す
ることができるが、本発明の磁気記録媒体は、公知の各
種の材料の適用が可能である。すなわち、ポリエチレン
ナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセ
テート、セルロースジアセテート、セルロースダイアセ
テート、セルロースアセテートブチレート等のセルロー
ス誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビ
ニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド、その他のプラスチック、紙、アルミニウム、
銅等の金属、アルミニウム合金、チタン合金等の軽合
金、セラミックス、単結晶シリコン等についても、同様
に適用することができる。
【0015】本発明の磁気記録媒体10を構成する非磁
性支持体1は、テープ形状の他、フィルム状、シート
状、ディスク状、カード状、ドラム状等各種形状のもの
をいずれも適用することができる。
【0016】次に、非磁性支持体1上に形成する磁性層
2について説明する。塗布型の磁気記録媒体において
は、磁性層2は、磁性粉末、結合剤(バインダー)、研
磨剤、帯電防止剤、防錆剤、硬化剤、有機溶剤等を用い
て、これらを従来公知の方法により、調整することによ
り磁性塗料を作製し、この磁性塗料を非磁性支持体1上
に所定の厚さに塗布することによって形成される。
【0017】結合剤としては、例えば塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアル
コール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸
共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化
ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステ
ル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−
塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸−塩化ビニリデ
ン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合
体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ
フッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポリ
ビニルブチラール、セルロース誘導体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、
メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド
樹脂、またはこれらの混合物などが挙げられる。特に、
柔軟性を付与するとされているポリウレタン樹脂、ポリ
エステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体
等と、剛性を付与するとされているセルロース誘導体、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が好ましい。これら
は、イソシアネート化合物を架橋剤としてより耐久性を
向上させたり、あるいは適当な極性基を導入したもので
あってもよい。
【0018】また、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、硬化
剤、有機溶剤等や、特に塗布型の磁気記録媒体において
用いられる磁性分散液、磁性分散液を調整するための溶
剤等は、従来公知の材料をいずれも適用することができ
る。磁性分散液を調整するための溶剤としては、例えば
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコール
モノエチルエステル等のエステル系溶剤、グリコールモ
ノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル
系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素系溶剤、メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリ
ン、ジクロロベンゼン等の有機塩素化合物系溶剤等が挙
げられる。
【0019】本発明の磁気記録媒体10の磁性層を形成
する磁性粉末は、強磁性酸化鉄粒子、強磁性二酸化クロ
ム、強磁性合金粉末、窒化鉄等を用いることができる。
塗布型の磁気記録媒体を作製する場合は、磁性塗料中の
磁性粉の平均長軸長は、0.06以上0.1〔μm〕以
下であるものとする。微細な針状粉の長軸長は、X線回
折法を適用して計測することができる。
【0020】上述した磁性粉末と、結合剤等により作製
される磁性塗料の調整は、公知の方法により行うことが
できるが、例えば、ロールミル、ボールミル、サンドミ
ル、トロンミル、高速ストーンミル、バスケットミル、
ディスパー、ホモミキサー、ニーダー、連続ニーダー、
エクストルーダー、ホモジナイザー、および超音波分散
機等を用いて、混練、調整する。磁気記録媒体10のC
/Nは、単位体積当たりの磁性粒子粉(磁化の最小単
位)に依存するので、微細な磁性粉末を高度に分散させ
た磁性塗料を用いて高密度充填する。
【0021】また、非磁性支持体層1の表面に微細な凹
凸形状を形成したり、表面に、コロナ放電処理や電子線
照射処理等の、前処理を施したりしてもよい。
【0022】非磁性支持体1上に、磁性塗料を塗布し、
磁性層2を形成する手法としては、エアードクターコー
ト、ブレードコート、ロッドコート、押し出しコート、
エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバ
ースロールコート、グラビアコート、トランスファーロ
ールコート、キャストコート等の従来公知の方法をいず
れも適用することができる。
【0023】図1に示す磁気記録媒体10においては、
非磁性支持体1の一主面に磁性層2を形成したものを示
したが、本発明の磁気記録媒体は、この例に限定される
ものではなく、非磁性支持体1の両主面に磁性層を形成
した構成とすることもできる。磁気記録媒体10は、感
度の高いMRヘッドを用いて信号再生を行う場合に対応
し、短波長出力およびC/N特性の向上を図るべく、厚
さを0.3〔μm〕以下に形成する。
【0024】本発明の磁気記録媒体10においては、特
に、磁性層2の表面の中心線平均粗さ(Ra1 )につい
て、3.0〔nm〕以上4.0〔nm〕以下に規定し
た。磁性層2の表面の中心線平均粗さ(Ra1 )は、例
えば、ディジタルインスツルメント社製、商品名:Na
no Scope IIIa/D−3000を使用して、磁
性層2の表面の所定の面積、例えば2500〔μm2
を測定することにより求めることができる。
【0025】また、本発明の磁気記録媒体10は、磁性
層2の表面形状をフーリエ変換して得られるパワースペ
クトラムの、波長0.1〔μm〕以上1.0〔μm〕未
満の範囲におけるパワーの最大値をP1mとし、波長1.
0〔μm〕以上10.0〔μm〕未満の範囲におけるパ
ワーの最大値を、P2mとしたとき、P2m≦P1m×10
0.5 であるものとする。磁性層2の表面形状をフーリエ
変換して得られるパワースペクトラムは、磁性層2の表
面粗さ曲線のフーリエ変換分析による各波長のパワース
ペクトラムをとった。
【0026】また、磁気記録媒体10を構成する磁性層
2の厚さを極めて薄く形成する場合には、磁性層2の表
面形状が、非磁性支持体1の磁性層2形成面の表面の形
状に依存し、その形状がそのまま反映するため、この非
磁性支持体1の表面形状に関しても、制御することが必
要である。すなわち、本発明の磁気記録媒体10を薄層
型の磁性層を有する磁気記録媒体とする場合には、非磁
性支持体1の表面の中心線平均粗さ(Ra2 )が2.0
〔nm〕以上3.0〔nm〕以下であり、非磁性支持体
1の表面形状を、フーリエ変換して得られるパワースペ
クトラムの、波長0.1〔μm〕以上1.0〔μm〕未
満の範囲におけるパワーの最大値を、P1bとし、波長
1.0〔μm〕以上10.0〔μm〕未満の範囲におけ
るパワーの最大値をP2bとしたとき、P2b≦P1bである
ものとする。
【0027】非磁性支持体1の表面の中心線平均粗さ
(Ra2 )も同様に、例えば、ディジタルインスツルメ
ント社製、商品名:Nano Scope IIIa/D−
3000を使用して、磁性層2の表面の所定の面積を測
定することにより求めることができる。また、非磁性支
持体1の表面形状をフーリエ変換して得られるパワース
ペクトラムは、非磁性支持体1の表面粗さ曲線のフーリ
エ変換分析による各波長のパワースペクトラムをとっ
た。
【0028】次に、本発明の磁気記録媒体10に好適な
磁気ヘッドおよびこの磁気ヘッドを備えた磁気記録シス
テムについて説明する。
【0029】本発明の磁気記録媒体10は、高感度の再
生ヘッドを用いた磁気記録システムに対して好適なもの
である。この場合、高感度の磁気ヘッドとしては、磁気
抵抗効果型のMRヘッド、GMRヘッド等が挙げられ
る。但し、これらに限定されるものではなく、高感度
で、充分なS/Nが得られるものであれば、薄膜インダ
クティブヘッドのような再生ヘッドでも有効である。
【0030】MR再生ヘッドとしては、MR素子をシー
ルドで挟み込んだシールド型のMRヘッド、高透磁率材
で挟み込んだヨーク型MRヘッド等がある。これらのヘ
ッドを固定したリニア記録システムに使用しても良い
し、ビデオシステムのような回転ドラムに搭載したヘリ
カルスキャン記録システムに応用しても良い。
【0031】以下、一例として、MR再生ヘッドを用い
たヘリカルスキャン磁気記録システムについて説明する
が、本発明の磁気記録媒体は、ヘリカルスキャン磁気記
録システムに限定されるものではなく、その他リニアタ
イプの磁気記録システムにも適用することができる。
【0032】この場合、MR再生ヘッドとしては、MR
素子をシールドで挟み込んだシールド型のMRヘッドを
用い、これを回転ドラムに搭載して、記録再生装置を構
成するものとする。
【0033】上記ヘリカルスキャン磁気記録システムの
磁気記録再生装置は、回転ドラムを用いて記録再生を行
うヘリカルスキャン方式の磁気記録再生装置であり、回
転ドラムに搭載された再生用磁気ヘッドとして、MRヘ
ッドを使用する。
【0034】この磁気記録再生装置に搭載される回転ド
ラム装置の一例について、図を参照して説明する。図2
は、回転ドラム装置11の概略斜視図を示し、図3は、
回転ドラム装置11を含む磁気記録媒体送り機構30の
概略平面図を示す。
【0035】図2に示すように、回転ドラム装置11
は、円筒状の固定ドラム12と、円筒状の回転ドラム1
3と、回転ドラム13を回転駆動するモータ14と、回
転ドラム13に搭載された一対のインダクティブ型磁気
ヘッド15a、15bと、回転ドラム13に搭載された
一対のMRヘッド16a,16bとを具備している。
【0036】上記固定ドラム12は、回転することなく
保持されるドラムである。この固定ドラム12の側面に
は、テープ状の磁気記録媒体17の走行方向に沿ってリ
ードガイド部18が形成されている。後述するように、
記録再生時に磁気記録媒体17は、このリードガイド部
18に沿って走行する。そして、この固定ドラム12と
中心軸が一致するように、回転ドラム13が配置されて
いる。
【0037】回転ドラム13は、磁気記録媒体17に対
する記録再生時に、モータ14によって所定の回転速度
で回転駆動されるドラムである。この回転ドラム13
は、固定ドラム12と略同径の円筒状に形成されてな
り、固定ドラム12と中心軸が一致するように配置され
ている。そして、この回転ドラム13の固定ドラム12
に対向する側には、一対のインダクティブ型磁気ヘッド
15a,15bおよび一対のMRヘッド16a,16b
が搭載されている。
【0038】インダクティブ型磁気ヘッド15a、15
bは、一対の磁気コアが磁気ギャップを介して接合され
るとともに、磁気コアにコイルが巻装されてなる記録用
磁気ヘッドであり、磁気記録媒体17に対して信号を記
録する際に使用される。そして、これらのインダクティ
ブ型磁気ヘッド15a,15bは、回転ドラム13の中
心に対して互いに成す角度が180°となり、それらの
磁気ギャップ部分が回転ドラム13の外周から突き出す
ように、回転ドラム13に搭載されている。なお、これ
らのインダクティブ型磁気ヘッド15a,15bは、磁
気記録媒体17に対してアジマス記録を行うように、ア
ジマス角が互いに逆となるように設定されている。
【0039】一方、MRヘッド16a,16bは、磁気
記録媒体17からの信号を検出する感磁素子としてMR
素子を備えた再生用磁気ヘッドであり、磁気記録媒体1
7から信号を再生する際に使用される。そして、これら
のMRヘッド16a,16bは、回転ドラム13の中心
に対して互いに成す角度が180°となり、磁気ギャッ
プ部分が回転ドラムの外周から突き出すように、回転ド
ラム13に搭載されている。なお、これらのMRヘッド
16a,16bは、磁気記録媒体17に対してアジマス
記録された信号を再生できるように、アジマス角が互い
に逆になるように設定されている。
【0040】そして、磁気記録再生装置は、このような
回転ドラム装置11に磁気記録媒体17を摺動させて、
磁気記録媒体17に対する信号の記録や、磁気記録媒体
17からの信号の再生を行う。
【0041】すなわち、記録再生時に磁気記録媒体17
は、図3に示すように、供給リール21からガイドロー
ラ22、23を経て、回転ドラム装置11に巻き付くよ
うに送られ、この回転ドラム装置11で記録再生がなさ
れる。そして、回転ドラム装置11で記録再生がなされ
た磁気記録媒体17は、ガイドローラ24、25、キャ
プスタン26、ガイドローラ27を経て、巻き取りロー
ル28へと送られる。すなわち、磁気記録媒体17は、
キャプスタンモータ29により回転駆動されるキャプス
タン26によって所定の張力および速度にて送られ、ガ
イドローラ27を経て巻き取りロール28に巻き取られ
る。
【0042】このとき、回転ドラム13は、図2中の矢
印Aに示すように、モータ14によって回転駆動され
る。一方、磁気記録媒体17は、固定ドラム12のリー
ルガイド部18に沿って、固定ドラム12および回転ド
ラム13に対して斜めに摺動するように送られる。すな
わち、磁気記録媒体17は、走行方向に沿って、図2中
の矢印Bに示すように、テープ入口側から固定ドラム1
2および回転ドラム13に摺接するようにリードガイド
部18に沿って送られ、その後、図2中矢印Cに示すよ
うに、テープ出口側へと送られる。
【0043】次に、上記回転ドラム装置11の内部構造
について、図4を参照して説明する。図4に示すよう
に、固定ドラム12および回転ドラム13の中心には、
回転軸31が挿通されている。なお、固定ドラム12、
回転ドラム13、および回転軸31は、導電材料からな
り、これらは電気的に導通しており、固定ドラム12が
接地されている。
【0044】そして、固定ドラム12のスリーブの内側
には、2つの軸受け32、33が設けられており、これ
により、固定ドラム12に対して回転軸31が回転可能
に支持されている。すなわち、回転軸31は、軸受け3
2、33により、固定ドラム12に対して回転可能に支
持されている。一方、回転ドラム13には、その内周部
にフランジ34が形成されており、このフランジ34が
回転軸31の上端部に固定されている。これにより、回
転ドラム13は、回転軸31の回転に伴って回転するよ
うになされている。
【0045】また、回転ドラム装置11の内部12と回
転ドラム13との間で信号の伝送を行うために、非接触
型の信号伝送装置であるロータリトランス35が配され
ている。このロータリトランス35は、固定ドラム12
に取り付けられたステータコア36と、回転ドラム13
に取り付けられたロータコア37とを有している。
【0046】ステータコア36及びロータコア37は、
フェライト等のような磁性材料が回転軸31を中心とす
る円環状に形成されてなる。また、ステータコア36に
は、一対のインダクティブ型磁気ヘッド15a、15b
に対応した一対の信号伝送用リング36a、36bと、
一対のMRヘッド16a,16bに対応した信号伝送用
リング36cと一対のMRヘッド16a,16bの駆動
に必要な電力を供給するための電力電送用リング36d
とが、同心円状に配置されている。同様に、ロータコア
37にも、一対のインダクティブ型磁気ヘッド15a、
15bに対応した一対の信号伝送用リング37a,37
bと、一対のMRヘッド16a,16bに対応した信号
伝送用リング37cと、一対のMRヘッド16a,16
bの駆動に必要な電力を供給するための電力電送用リン
グ37dとが、同心円状に配置されている。
【0047】これらのリング36a,36b,36c,
36d,37a,37b,37c,37dは、回転軸3
1を中心として円環状に巻回されたコイルからなり、ス
テータコア36の各リング36a,36b,36c,3
6dとロータコア37の各リング37a,37b,37
c,37dとがそれぞれ対向するように配されている。
そして、このロータトランス35は、ステータコア36
の各リング36a,36b,36c,36dとロータコ
ア37の各リング37a,37b,37c,37dとの
間で非接触にて信号や電力の伝送を行うようになってい
る。
【0048】また、回転ドラム装置11には、回転ドラ
ム13を回転摺動させるモータ14が取り付けられてい
る。このモータ14は、回転部分であるロータ38と、
固定部分であるステータ39とを有している。ロータ3
8は、回転軸31の下端部に取り付けられており、駆動
用マグネット40を備えている。一方、ステータ39
は、固定ドラム12の下端部に取り付けられており、駆
動用コイルを備えている。そして、駆動用コイル41に
電流を供給することにより、ロータ38に取り付けられ
ている回転軸31が回転し、それに伴って、回転軸31
が固定されている回転ドラム13が回転駆動されること
となる。
【0049】次に、以上のような回転ドラム装置11に
よる記録再生について、この回転ドラム装置11ならび
にその周辺回路についての回路構成の概略を示す図5を
参照して説明する。
【0050】上記回転ドラム装置11を用いて磁気記録
媒体17に信号を記録する際は、先ず、モータ14の駆
動用コイル41に電流が供給され、これより、回転ドラ
ム13が回転駆動される。そして、回転ドラム13が回
転している状態にて、図5に示すように、外部回路50
からの記録信号が記録用アンプ51に供給される。
【0051】記録用アンプ51は、外部回路50からの
記録信号を増幅し、一方のインダクティブ型磁気ヘッド
15aによって信号を記録するタイミングの時、当該イ
ンダクティブ型磁気ヘッド15aに対応したステータコ
ア36の信号伝送用リング36aに記録信号を供給し、
また、他方のインダクティブ型磁気ヘッド15bによっ
て信号を記録するタイミングの時、当該インダクティブ
型磁気ヘッド15bに対応したステータコア36の信号
伝送用リング36bに記録信号を供給する。
【0052】ここで、一対のインダクティブ型磁気ヘッ
ド15a、15bは、上述したように、回転ドラム13
の中心に対して互いに成す角度が180°となるように
配されているので、これらのインダクティブ型磁気ヘッ
ド15b,15bは、180°の位相差をもって交互に
記録することとなる。すなわち、記録用アンプ51は、
一方のインダクティブ型磁気ヘッド15aに記録信号を
供給するタイミングと、他方のインダクティブ型磁気ヘ
ッド15bに記録信号を供給するタイミングとを、18
0°の位相差をもって交互に切り換える。
【0053】そして、一方のインダクティブ型磁気ヘッ
ド15aに対応したステータコア36の信号伝送用リン
グ36aに供給された記録信号は、非接触にてロータコ
ア37の信号伝送用リング37aに伝送される。そし
て、ロータコア37の信号伝送用リング37aに伝送さ
れた記録信号は、インダクティブ型磁気ヘッド15aに
供給され、当該インダクティブ型磁気ヘッド15aによ
り、磁気記録媒体17に対して信号の記録がなされる。
【0054】同様に、他方のインダクティブ型磁気ヘッ
ド15bに対応したステータコア36に信号伝送用リン
グ36bに供給された記録信号は、非接触にてロータコ
ア37の信号伝送用リング37bに伝送される。そし
て、ロータコア37の信号伝送用リング37bに伝送さ
れた記録信号は、インダクティブ型磁気ヘッド15bに
供給され、当該インダクティブ型磁気ヘッド15bによ
り、磁気記録媒体17に対して信号の記録がなされる。
【0055】また、上記回転ドラム装置11を用いて、
磁気記録媒体17からの信号を再生する際は、先ず、モ
ータ14の駆動用コイルに電流が供給され、これによ
り、回転ドラム13が回転駆動される。そして、回転ド
ラム13が回転している状態にて、図5に示すように、
オシレータ52から高周波の電流がパワードライブ53
に供給される。
【0056】オシレータ52からの高周波の電流は、パ
ワードライブ53によって所定の交流電流に変換された
上で、ステータコア36の電力伝送用リング36dに供
給される。そして、ステータコア36の電力伝送用リン
グ36dに供給された交流電流は、非接触にてロータコ
ア37の電力伝送用リング37dに伝送される。そし
て、ロータコア37の電力伝送用リング37dに伝送さ
れた交流電流は、整流器54により整流されて直流電流
とされレギュレータ55に供給され、当該直流電流はレ
ギュレータ55により所定の電圧に設定される。
【0057】そして、レギュレータ55によって所定の
電圧に設定された電流は、一対のMRヘッド16a,1
6bにセンス電流として供給される。なお、一対のMR
ヘッド16a,16bには、当該MRヘッド16a,1
6bからの信号を検出する再生用アンプ56が接続され
ており、レギュレータ55からの電流は、この再生用ア
ンプ56にも供給される。
【0058】ここで、MRヘッド16a,16bは、外
部磁界の大きさによって抵抗値が変化するMR素子を備
えている。そして、MRヘッド16a,16bは磁気記
録媒体17から信号磁界によりMR素子の抵抗値が変化
し、これにより、センス電流に電圧変化が現れるように
なされている。
【0059】そして、再生用アンプ56は、この電圧変
化を検出し、当該電圧変化に応じた信号を再生信号とし
て出力する。なお、再生用アンプ56は、一方のMRヘ
ッド16aによって信号を再生するタイミングの時、当
該MRヘッド16aによって検出した信号を出力し、ま
た、他方のMRヘッド16bによって信号を再生するタ
イミングの時、MRヘッド16bによって検出した再生
信号を出力する。
【0060】ここで、一対のMRヘッド16a,16b
は、上述したように、回転ドラム13の中心に対して互
いに成す角度が180°となるように配されているの
で、これらのMRヘッド16a,16bは、180°の
位相差をもって交互に再生することとなる。すなわち、
再生用アンプ56は、一方のMRヘッド16aからの再
生信号を出力するタイミングと他方のMRヘッド16b
からの再生信号を出力するタイミングとを、180°の
位相差をもって交互に切り替える。
【0061】そして、再生用アンプ56から再生信号
は、ロータコア37の信号伝送用リード37cに供給さ
れ、この再生信号は、非接触にてステータコア36の信
号伝送用リング36cに伝送される。ステータコア36
の信号伝送用リング36cに伝送された再生信号は、再
生用アンプ57によって増幅された上で、補正回路58
に供給される。そして、再生信号は、補正回路58によ
り所定の補正処理が施された後、外部回路50へと出力
される。
【0062】なお、図5に示したような回路構成とした
場合、一対のインダクティブ型磁気ヘッド15a,15
b、一対のMRヘッド16a,16b、整流器54、レ
ギュレータ55及び再生用アンプ56は、回転ドラム1
3に搭載され、回転ドラム13と共に回転する。一方、
記録用アンプ51、オシレータ52、パワードライブ5
3、再生用アンプ57及び補正回路58については、回
転ドラム装置11の固定部分に配するか、或いは、回転
ドラム装置11とは別に構成された外部回路とする。
【0063】つぎに、上記回転ドラム13に搭載される
MRヘッド16a,16bについて、図6を参照して詳
細に説明する。なお、MRヘッド16aおよび16b
は、アジマス角が互いに逆になるように設定されている
他は、同一の構成を有している。そこで、以下の説明で
は、これらのMRヘッド16a,16bをまとめてMR
ヘッド16と呼称する。
【0064】MRヘッド16は、回転ドラム13に搭載
され、ヘリカルスキャン方式によって磁気記録媒体17
からの信号を磁気抵抗効果を利用して検出する再生専用
の磁気ヘッドである。一般にMRヘッドは、電磁誘導を
利用して記録再生を行うインダクティブ型磁気ヘッドよ
りも感度が高く再生出力が大きくなるので、高密度記録
に適している。したがって、再生用磁気ヘッドとしてM
Rヘッド16を用いることで、より高密度記録化を図る
ことができる。
【0065】そして、MRヘッド16は、図6に示すよ
うに、Ni−Zn多結晶フェライト等のような軟磁性材
料からなる一対の磁気シールド61、62と、絶縁体6
3を介して介して一対の磁気シールド61、62によっ
て挟持された略矩形状のMR素子部64とを備えてい
る。なお、MR素子部64の両端からは、一対の端子が
導出されており、これらの端子を介して、MR素子部6
4にセンス電流を供給できるようになされている。
【0066】MR素子部64は、磁気抵抗効果を有する
MR素子と、SAL(Soft AdjacentLayer) 膜と、MR
素子とSAL膜との間に配された絶縁体膜とが積層され
てなる。MR素子は、異方性磁気抵抗効果(AMR)に
より、外部磁界の大きさによって抵抗値が変化するNi
−Fe等のような軟磁性材料からなる。SAL膜は、い
わゆるSALバイアス方式により、MR素子にバイアス
磁界を印加するためのものであり、パーマロイ等のよう
に低保磁力で高透磁率の磁性材料からなる。絶縁体膜
は、MR素子とSAL膜との間を絶縁し、電子的な分流
損を防ぐためのものであり、Ta等のような絶縁材料か
らなる。
【0067】このMR素子部64は、略矩形状に形成さ
れてなり、一側面が磁気記録媒体摺動面65に露呈する
ように、一対の磁気シールド61、62によって絶縁体
63を介して支持されている。詳細には、このMR素子
部64は、短軸方向が磁気記録媒体摺動面65に対して
略垂直となり、長軸方向が磁気記録媒体の摺動方向に対
して略直交するように、一対の磁気シールド61、62
によって絶縁体63を介して挟持されている。
【0068】このMRヘッド16の磁気記録媒体摺動面
65は、当該磁気記録媒体摺動面65にMR素子部64
の一側面が露呈するように、磁気記録媒体17の摺動方
向に沿って円筒研磨されているとともに、磁気記録媒体
17の摺動方向に対して直交する方向に沿って円筒研磨
されている。これにより、このMRヘッド16は、MR
素子部64あるいはその近傍部分が最も突出するように
なされ、MR素子部64の磁気記録媒体17に対する当
たり特性を良好なものとすることができる。
【0069】そして、以上のようなMRヘッド16を用
いて、磁気記録媒体17からの信号を再生する際には、
図7に示すように、磁気記録媒体17をMR素子部64
に摺動させる。なお、図7中に示した矢印は、磁気記録
媒体17が磁化されている様子を模式的に示している。
【0070】そして、このように磁気記録媒体17をM
R素子部64に摺動させた状態で、MR素子部64の両
端に接続された端子64a、64bを介して、MR素子
部64にセンス電流を供給し、当該センス電流の電圧変
化を検出する。具体的には、MR素子部64の一端に接
続された端子64aから、所定の電圧Vcを印加すると
ともに、MR素子部64の他端に接続された端子64b
を、回転ドラム13に接続しておく。ここで、回転ドラ
ム13は、回転軸31を介して固定ドラム12に電気的
に導通しており、また、固定ドラム12は接地されてい
る。したがって、MR素子部64に接続された一方の端
子64bは、回転ドラム13、回転軸31及び固定ドラ
ム12を介して接地されている。
【0071】そして、磁気記録媒体17を摺動させた状
態で、MR素子部64にセンス電流を供給すると、磁気
記録媒体17からの磁界に応じて、MR素子部64に形
成されたMR素子の抵抗値が変化し、その結果、センス
電流に電圧変化が生じる。そこで、このセンス電流の電
圧変化を検出することにより、磁気記録媒体17からの
信号磁界が検出され、磁気記録媒体17に記録されてい
る信号が再生される。
【0072】なお、用いるMRヘッド16において、M
R素子部64に形成されるMR素子は、磁気抵抗効果を
示す素子であればよく、例えば、複数の薄膜を積層する
ことにより、より多くの磁気抵抗効果を得られるように
した、いわゆる巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)も
使用可能である。
【0073】また、MR素子にバイアス磁界を印加する
手法は、SALバイアス方式でなくてもよく、例えば永
久磁石バイアス方式、シャント電流バイアス方式、自己
バイアス方式、交換バイアス方式、バーバーポール方
式、分割素子方式、サーボバイアス方式等、種々の手法
が適用可能である。なお、巨大磁気抵抗効果並びに各種
のバイアス方式については、例えば丸善株式会社の「磁
気抵抗ヘッド基礎と応用林和彦訳」に詳細に記載されて
いる。
【0074】以下に、本発明の磁気記録媒体10につい
て、具体的に〔実施例〕および〔比較例〕の磁気記録媒
体を挙げて説明するが、本発明の磁気記録媒体は、以下
に示す例に限定されるものではない。
【0075】〔実施例1〕先ず、図1に示す磁気記録媒
体10を構成する磁性層2を形成するために用いる磁性
分散液組成物を調整した磁性層用分散液の組成について
以下に示す。 〔磁性層用分散液組成〕 強磁性粉末:鉄−コバルト合金系メタル磁性粉:100〔重量部〕 (強磁性粉末の平均長軸長は、0.10〔μm〕) 結合剤:ポリエステル系ポリウレタン樹脂 : 8〔重量部〕 (量平均分子量41200) 結合剤:塩化ビニル系共重合体 :10〔重量部〕 (平均重合度350) 無機粉末(研磨剤):α−アルミナ : 5〔重量部〕 (粒径200nm、比表面積/BET法11.1m2 /g) 潤滑剤:ステアリン酸 : 1〔重量部〕 ステアリン酸ブチル : 2〔重量部〕 溶剤 :メチルエチルケトン :20〔重量部〕 トルエン :20〔重量部〕 シクロヘキサノン :10〔重量部〕
【0076】上記の材料を、ニーダーで混練処理を施
し、さらにメチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキ
サノンで希釈した後、サンドミル分散し、磁性層用分散
液とした。そして、ポリイソシアネート(日本ポリウレ
タン製硬化剤「コロネートL」)を4〔重量部〕添加
し、攪拌後、これを非磁性支持体1上に、塗布し、厚さ
0.3〔μm〕の磁性層を形成した。
【0077】その後、磁場配向処理を行い、乾燥させて
巻き取りを行った。さらにカレンダー処理を施し、硬化
処理を行った。その後、下記に示す組成のバックコート
層用分散液にポリイソシアネート(日本ポリウレタン製
硬化剤「コロネートL」)を10〔重量部〕添加し、磁
性層2形成面側とは反対側の主面に、0.5〔μm〕の
厚さにバックコート層3を形成した。
【0078】 〔バックコート層用分散液組成〕 無機粉末:カーボンブラック :100〔重量部〕 (粒径40nm、DBP吸油量112.2ml/100g) 結合剤:ポリエステル系ポリウレタン樹脂 : 13〔重量部〕 (量平均分子量71200) 結合剤:フェノキシ樹脂(平均重合度100): 43〔重量部〕 結合剤:ニトロセルロース樹脂 : 10〔重量部〕 (平均重合度90) 溶剤 :メチルエチルケトン :500〔重量部〕 :トルエン :500〔重量部〕
【0079】上述のようにして作製した広幅のテープを
3.8〔mm〕にスリットしたものをサンプルの磁気記
録媒体10とした。
【0080】〔実施例1〕のサンプルの磁気記録媒体1
0の磁性層2表面の中心線平均粗さ(Ra1 )、非磁性
支持体1の中心線平均粗さ(Ra2 )、および磁性層表
面形状をフーリエ変換して得られるパワースペクトラム
の測定を行った。磁性層2表面の中心線平均粗さ(Ra
1 )、および非磁性支持体1の中心線平均粗さ(R
2 )は、ディジタルインスツルメント社製、商品名:
Nano Scope IIIa/D−3000を使用し
て、磁性層2および非磁性支持体1の表面の2500μ
2 の面積を測定することにより求めた。このとき、R
1 =3.4〔nm〕であり、Ra2 =2.0〔nm〕
であった。
【0081】〔実施例1〕の磁気記録媒体10の磁性層
2の表面形状をフーリエ変換して得られるパワースペク
トラムの、波長0.1〔μm〕以上1.0〔μm〕未満
の範囲におけるパワーの最大値をP1mとし、波長1.0
〔μm〕以上10.0〔μm〕未満の範囲におけるパワ
ーの最大値をP2mとすると、P1m×100.5 =0.73
であり、P2m=0.58であり、P2m≦P1m×100.5
の関係が成立した。
【0082】また、〔実施例1〕の磁気記録媒体10の
非磁性支持体1の表面形状をフーリエ変換して得られる
パワースペクトラムの、波長0.1〔μm〕以上1.0
〔μm〕未満の範囲におけるパワーの最大値をP1b
し、波長1.0〔μm〕以上10.0〔μm〕未満の範
囲におけるパワーの最大値をP2bとすると、P1b=0.
11であり、P2b=0.08、P2b≦P1bの関係が成立
した。
【0083】〔実施例2〕磁性層2の厚さを0.2〔μ
m〕とし、磁性層2を形成する際に用いた磁性粉の長軸
長を0.10〔μm〕とし、その他の条件は、上記〔実
施例1〕と同様にしてサンプルの磁気記録媒体10を作
製した。〔実施例2〕の磁気記録媒体10の磁性層2表
面の中心線平均粗さ(Ra1 )=3.9〔nm〕であ
り、非磁性支持体1の中心線平均粗さ(Ra2 )=2.
9〔nm〕であった。また、P1m×100.5 =0.8
7、P2m=0.77であり、P2m≦P1m×10 0.5 の関
係が成立した。一方、P1b=0.42、P2b=0.30
であり、P2b≦P1bの関係が成立した。
【0084】〔実施例3〕磁性層2の厚さを0.3〔μ
m〕とし、磁性層2を形成する際に用いた磁性粉の長軸
長を0.10〔μm〕とし、その他の条件は、上記〔実
施例1〕と同様にしてサンプルの磁気記録媒体10を作
製した。〔実施例3〕の磁気記録媒体10の磁性層2表
面の中心線平均粗さ(Ra1 )=3.6〔nm〕であ
り、非磁性支持体1の中心線平均粗さ(Ra2 )=2.
9〔nm〕であった。また、P1m×100.5 =0.7
9、P2m=0.61であり、P2m≦P1m×10 0.5 の関
係が成立した。一方、P1b=0.42、P2b=0.30
であり、P2b≦P1bの関係が成立した。
【0085】〔実施例4〕磁性層2の厚さを0.3〔μ
m〕とし、磁性層2を形成する際に用いた磁性粉の長軸
長を0.06〔μm〕とし、その他の条件は、上記〔実
施例1〕と同様にしてサンプルの磁気記録媒体10を作
製した。〔実施例4〕の磁気記録媒体10の磁性層2表
面の中心線平均粗さ(Ra1 )=3.1〔nm〕であ
り、非磁性支持体1の中心線平均粗さ(Ra2 )=2.
0〔nm〕であった。また、P1m×100.5 =0.5
8、P2m=0.35であり、P2m≦P1m×10 0.5 の関
係が成立した。一方、P1b=0.11、P2b=0.08
であり、P2b≦P1bの関係が成立した。
【0086】〔実施例5〕磁性層2の厚さを0.3〔μ
m〕とし、磁性層2を形成する際に用いた磁性粉の長軸
長を0.06〔μm〕とし、その他の条件は、上記〔実
施例1〕と同様にしてサンプルの磁気記録媒体10を作
製した。〔実施例5〕の磁気記録媒体10の磁性層2表
面の中心線平均粗さ(Ra1 )=3.9〔nm〕であ
り、非磁性支持体1の中心線平均粗さ(Ra2 )=3.
2〔nm〕であった。また、P1m×100.5 =0.8
6、P2m=0.78であり、P2m≦P1m×10 0.5 の関
係が成立した。一方、P1b=0.42、P2b=0.43
であり、P2b≦P1bの関係が成立しなかった。
【0087】〔比較例1〕磁性層2の厚さを0.3〔μ
m〕とし、磁性層2を形成する際に用いた磁性粉の長軸
長を0.10〔μm〕とし、その他の条件は、上記〔実
施例1〕と同様にしてサンプルの磁気記録媒体10を作
製した。〔比較例1〕の磁気記録媒体10の磁性層2表
面の中心線平均粗さ(Ra1 )=3.9〔nm〕であ
り、非磁性支持体1の中心線平均粗さ(Ra2 )=2.
9〔nm〕であった。また、P1m×100.5 =0.7
6、P2m=0.82であり、P2m≦P1m×10 0.5 の関
係が成立しなかった。一方、P1b=0.31、P2b
0.45であり、P2b≦P1bの関係が成立しなかった。
【0088】〔比較例2〕磁性層2の厚さを0.5〔μ
m〕とし、磁性層2を形成する際に用いた磁性粉の長軸
長を0.10〔μm〕とし、その他の条件は、上記〔実
施例1〕と同様にしてサンプルの磁気記録媒体10を作
製した。〔比較例2〕の磁気記録媒体10の磁性層2表
面の中心線平均粗さ(Ra1 )=3.2〔nm〕であ
り、非磁性支持体1の中心線平均粗さ(Ra2 )=2.
9〔nm〕であった。また、P1m×100.5 =0.8
4、P2m=0.92であり、P2m≦P1m×10 0.5 の関
係が成立しなかった。一方、P1b=0.42、P2b
0.30であり、P2b≦P1bの関係が成立した。
【0089】〔比較例3〕磁性層2の厚さを0.3〔μ
m〕とし、磁性層2を形成する際に用いた磁性粉の長軸
長を0.15〔μm〕とし、その他の条件は、上記〔実
施例1〕と同様にしてサンプルの磁気記録媒体10を作
製した。〔比較例3〕の磁気記録媒体10の磁性層2表
面の中心線平均粗さ(Ra1 )=6.2〔nm〕であ
り、非磁性支持体1の中心線平均粗さ(Ra2 )=4.
2〔nm〕であった。また、P1m×100.5 =1.5
3、P2m=2.23であり、P2m≦P1m×10 0.5 の関
係が成立しなかった。一方、P1b=0.86、P2b
0.82であり、P2b≦P1bの関係が成立した。
【0090】〔比較例4〕磁性層2の厚さを0.3〔μ
m〕とし、磁性層2を形成する際に用いた磁性粉の長軸
長を0.15〔μm〕とし、その他の条件は、上記〔実
施例1〕と同様にしてサンプルの磁気記録媒体10を作
製した。〔比較例4〕の磁気記録媒体10の磁性層2表
面の中心線平均粗さ(Ra1 )=6.7〔nm〕であ
り、非磁性支持体1の中心線平均粗さ(Ra2 )=4.
3〔nm〕であった。また、P1m×100.5 =1.8
5、P2m=2.70であり、P2m≦P1m×10 0.5 の関
係が成立しなかった。一方、P1b=0.62、P2b
0.94であり、P2b≦P1bの関係が成立しなかった。
【0091】〔比較例5〕磁性層2の厚さを0.3〔μ
m〕とし、磁性層2を形成する際に用いた磁性粉の長軸
長を0.15〔μm〕とし、その他の条件は、上記〔実
施例1〕と同様にしてサンプルの磁気記録媒体10を作
製した。〔比較例5〕の磁気記録媒体10の磁性層2表
面の中心線平均粗さ(Ra1 )=5.6〔nm〕であ
り、非磁性支持体1の中心線平均粗さ(Ra2 )=2.
0〔nm〕であった。また、P1m×100.5 =0.9
4、P2m=1.10であり、P2m≦P1m×10 0.5 の関
係が成立しなかった。一方、P1b=0.11、P2b
0.08であり、P2b≦P1bの関係が成立した。
【0092】〔比較例6〕磁性層2の厚さを0.3〔μ
m〕とし、磁性層2を形成する際に用いた磁性粉の長軸
長を0.06〔μm〕とし、その他の条件は、上記〔実
施例1〕と同様にしてサンプルの磁気記録媒体10を作
製した。〔比較例6〕の磁気記録媒体10の磁性層2表
面の中心線平均粗さ(Ra1 )=5.2〔nm〕であ
り、非磁性支持体1の中心線平均粗さ(Ra2 )=4.
2〔nm〕であった。また、P1m×100.5 =1.5
2、P2m=1.75であり、P2m≦P1m×10 0.5 の関
係が成立しなかった。一方、P1b=0.86、P2b
0.82であり、P2b≦P1bの関係が成立した。
【0093】〔比較例7〕磁性層2の厚さを0.3〔μ
m〕とし、磁性層2を形成する際に用いた磁性粉の長軸
長を0.06〔μm〕とし、その他の条件は、上記〔実
施例1〕と同様にしてサンプルの磁気記録媒体10を作
製した。〔比較例7〕の磁気記録媒体10の磁性層2表
面の中心線平均粗さ(Ra1 )=5.3〔nm〕であ
り、非磁性支持体1の中心線平均粗さ(Ra2 )=4.
3〔nm〕であった。また、P1m×100.5 =1.3
7、P2m=1.92であり、P2m≦P1m×10 0.5 の関
係が成立しなかった。一方、P1b=0.62、P2b
0.94であり、P2b≦P1bの関係が成立しなかった。
【0094】上記のような〔実施例1〕〜〔実施例5〕
および〔比較例1〕〜〔比較例7〕のサンプルの磁気記
録媒体10について、短波長出力、およびC/N特性に
ついての測定を行った。このとき、記録ヘッド(MI
G,ギャップ0.15〔μm〕)を取り付けたドラムテ
スターを用い、波長0.5〔μm〕の信号を記録後、再
生ヘッドとして積層アモルファスヘッドを用い、再生し
て測定を行った。また、出力および再生された信号から
±2〔MHz〕のところをノイズレベルとしてC/N特
性を測定した。ここで、出力およびC/N特性について
は、〔比較例1〕のサンプルの磁気記録媒体を基準と
し、これとの相対値として表した。測定結果を下記〔表
1〕に示す。
【0095】
【表1】
【0096】〔表1〕に示すように、磁気記録媒体10
の磁性層2表面の中心線平均粗さ(Ra1 )が、3.0
〜4.0〔nm〕であり、P2m≦P1m×100.5 が成立
した〔実施例1〕〜〔実施例5〕の磁気記録媒体につい
ては、高い出力が得られ、かつC/N特性も良好な結果
が得られた。
【0097】また、〔実施例2〕の磁気記録媒体10
は、磁性層の厚さを0.2〔μm〕と薄層化して作製し
たものであるが、非磁性支持体1の中心線平均粗さ(R
2 )が3.0〔nm〕未満であり、P2b≦P1bのの関
係が成立するので、非磁性支持体1の表面性が極めて良
好であり、その結果磁性層2を薄層化した場合において
も、磁性層表面性を良好ならしめることができた。この
ため、出力、およびC/N特性のいずれもが良好な結果
であった。
【0098】なお、〔実施例5〕の磁気記録媒体10の
非磁性支持体1の中心線平均粗さ(Ra2 )=3.2
〔nm〕であり、P1b=0.42、P2b=0.43であ
るので、Ra2 の値が3.0〔nm〕を越え、かつ、P
2b≦P1bの関係が成立しなかったが、磁性層2を0.3
〔μm〕の厚さに形成して磁性層2表面の中心線平均粗
さ(Ra1 )が、3.0〜4.0〔nm〕の範囲内にあ
り、かつ、P2m≦P1m×100.5 が成立したので、磁気
記録媒体10の表面性は充分に良好であり、出力および
C/N特性のいずれも良好な値が得られた。
【0099】一方において、〔表1〕に示すように、磁
気記録媒体10の磁性層2表面の中心線平均粗さ(Ra
1 )が、3.0〜4.0〔nm〕の範囲を越え、かつP
2m≦P1m×100.5 が成立しない〔比較例1〕〜〔比較
例7〕の磁気記録媒体については、磁気記録媒体10の
表面性が悪く、ノイズの上昇を招来し、実用的に充分な
C/N特性が得られなかった。
【0100】なお、〔比較例2〕および〔比較例5〕の
磁気記録媒体10は、非磁性支持体1の表面性は良好で
あるが、磁性層2の表面性が悪いため、ノイズの上昇を
招来し、実用的に充分なC/N特性が得られなかった。
【0101】次に、上記〔実施例4〕、〔比較例6〕、
および〔比較例6〕のサンプルの磁気記録媒体10につ
いて、短波長出力、およびC/N特性についての測定を
行った。このとき、磁気抵抗効果型(MR)ヘッドを用
い、波長0.5〔μm〕の信号を記録後、再生して測定
を行った。また、出力および再生された信号から±2
〔MHz〕のところをノイズレベルとしてC/N特性を
測定した。ここで、出力およびC/N特性については、
〔比較例6〕のサンプルの磁気記録媒体を基準とし、こ
れとの相対値として表した。測定結果を下記〔表2〕に
示す。
【0102】
【表2】
【0103】〔表2〕に示すように、磁気記録媒体10
の磁性層2の厚さが、0.3〔μm〕以下であり、磁性
層2の表面の中心線平均粗さ(Ra1 )が、3.0〜
4.0〔nm〕であり、P2m≦P1m×100.5 が成立し
た〔実施例4〕の磁気記録媒体については、磁気抵抗効
果型(MR)再生ヘッドを搭載するシステムを適用した
場合においても、高い出力が得られ、かつC/N特性も
良好な結果が得られた。
【0104】一方において、〔表2〕に示すように、磁
気記録媒体10の磁性層2表面の中心線平均粗さ(Ra
1 )が、3.0〜4.0〔nm〕の範囲を越え、かつP
2m≦P1m×100.5 が成立しない〔比較例6〕、〔比較
例7〕の磁気記録媒体については、磁気記録媒体10の
表面性が悪く、ノイズの上昇を招来し、実用的に充分な
C/N特性が得られなかった。
【0105】上述したように、磁性層2の表面の中心線
平均粗さ(Ra1 )を、3.0〜4.0〔nm〕である
ものとし、磁気記録媒体10の磁性層2の表面形状をフ
ーリエ変換して得られるパワースペクトラムの、波長
0.1〔μm〕以上1.0〔μm〕未満の範囲における
パワーの最大値をP1mとし、波長1.0〔μm〕以上1
0.0〔μm〕未満の範囲におけるパワーの最大値をP
2mとしたとき、P2m≦P 1m×100.5 であるものとした
場合には、高い出力が得られ、かつC/N特性も良好な
結果が得られた。
【0106】また、本発明においては、磁性層の厚さを
0.3〔μm〕以下としたことにより、短波長記録化に
対応することができ、かつ高密度記録化を図った磁気記
録媒体を得ることができた。
【0107】また、本発明においては、磁性層を薄層化
して作製した場合においても、非磁性支持体1の中心線
平均粗さ(Ra2 )を3.0〔nm〕未満とし、P2b
1bの関係が成立するようにしたことにより、非磁性支
持体1の表面性を極めて良好ならしめ、その結果磁性層
表面性を良好ならしめることができ、出力、およびC/
N特性のいずれもが良好な結果が得られた。
【0108】本発明においては、磁性粉の平均長軸長が
0.06〜0.1〔μm〕の微細な磁性粉末を用いたこ
とによって、高密度記録化を図った磁気記録媒体が得ら
れた。
【0109】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体10においては、
磁性層2の表面の中心線平均粗さ(Ra1 )を、3.0
〜4.0〔nm〕の範囲にあるものとし、磁性層2の表
面形状をフーリエ変換して得られるパワースペクトラム
の、波長0.1〔μm〕以上1.0〔μm〕未満の範囲
におけるパワーの最大値をP1mとし、波長1.0〔μ
m〕以上10.0〔μm〕未満の範囲におけるパワーの
最大値をP2mとしたとき、P2m≦P1m×100.5 である
ものとしたので、磁性層2の表面性を極めて良好にする
ことができ、その結果、高い出力が得られ、C/N特性
も良好にすることができた。
【0110】また、本発明においては、磁性層の厚さを
0.3〔μm〕以下としたことにより、短波長記録化に
充分対応することができ、かつ高密度記録化を図った磁
気記録媒体を得ることができた。
【0111】また、本発明においては、非磁性支持体1
の中心線平均粗さ(Ra2 )を3.0〔nm〕未満と
し、P2b≦P1bの関係が成立するようにしたことによ
り、非磁性支持体1の表面性を極めて良好ならしめ、そ
の結果磁性層表面性を良好ならしめることができ、磁性
層を薄層化して作製した場合においても、出力、および
C/N特性のいずれもが良好な結果が得られた。
【0112】本発明においては、磁性粉の平均長軸長が
0.06〜0.1〔μm〕の微細な磁性粉末を用いたこ
とによって、高密度記録化を図った磁気記録媒体が得ら
れた。
【0113】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の一例の概略構成図を示
す。
【図2】ヘリカルスキャン磁気記録方式の磁気記録再生
装置に搭載される回転ドラム装置の一構成例の概略斜視
図を示す。
【図3】回転ドラム装置を含む磁気記録媒体送り機構の
一例の概略構成図を示す。
【図4】回転ドラム装置の内部構造の概略断面図を示
す。
【図5】回転ドラム装置並びにその周辺回路について、
回路構成の概略図を示す。
【図6】回転ドラムに搭載されるMRヘッドの一例につ
いて、一部を切り欠いた概略斜視図を示す。
【図7】MRヘッドを用いて磁気記録媒体からの信号を
再生する様子の模式図を示す。
【符号の説明】
1 非磁性支持体、2 磁性層、3 バックコート層、
10 磁気記録媒体、11 回転ドラム装置、12 固
定ドラム、13 回転ドラム、14 モータ、15a
インダクティブ型磁気ヘッド、15b インダクティブ
型磁気ヘッド、16 MRヘッド、16a MRヘッ
ド、16b MRヘッド、17 磁気記録媒体、18
リードガイド部、21 供給リール、22〜25,27
ガイドローラ、26 キャプスタン、28 巻き取り
ロール、29 キャプスタンモータ、30 磁気記録媒
体送り機構、31 回転軸、32,33 軸受け、34
フランジ、35 ロータリトランス、36 ステータ
コア、37 ロータコア、38 ロータ、39 ステー
タ、40 マグネット、41 駆動用コイル、50外部
回路、51 記録用アンプ、52 オシレータ、53
パワードライブ、54 整流器、55 レギュレータ、
56 再生用アンプ、57 再生用アンプ、58 補正
回路、61 磁気シールド、62 磁気シールド、63
絶縁体、64 MR素子部、65 磁気記録媒体摺動

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上の少なくとも一主面上
    に、磁性層を有する磁気記録媒体であって、 上記磁性層の表面の中心線平均粗さ(Ra1 )が、3.
    0〔nm〕以上4.0〔nm〕以下であり、 上記磁性層の表面形状を、フーリエ変換して得られるパ
    ワースペクトラムの、波長0.1〔μm〕以上1.0
    〔μm〕未満の範囲におけるパワーの最大値を、P1m
    し、 波長1.0〔μm〕以上10.0〔μm〕未満の範囲に
    おけるパワーの最大値を、P2mとしたとき、 P2m≦P1m×100.5 であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記磁性層の厚さが、0.3〔μm〕以
    下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 上記非磁性支持体の表面の中心線平均粗
    さ(Ra2 )が、2.0〔nm〕以上3.0〔nm〕以
    下であり、 上記非磁性支持体の表面形状を、フーリエ変換して得ら
    れるパワースペクトラムの、波長0.1〔μm〕以上
    1.0〔μm〕未満の範囲におけるパワーの最大値を、
    1bとし、 波長1.0〔μm〕以上10.0〔μm〕未満の範囲に
    おけるパワーの最大値を、P2bとしたとき、 P2b≦P1b であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 上記非磁性支持体上に、磁性塗料を塗布
    することにより形成された磁性層を有する磁気記録媒体
    において、 上記磁性塗料中の磁性粉の平均長軸長が、0.06〔μ
    m〕以上0.1〔μm〕以下であることを特徴とする請
    求項1に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 磁気抵抗効果型の磁気ヘッドを有する磁
    気記録システムによって記録あるいは再生の少なくとも
    いずれかがなされることを特徴とする請求項1に記載の
    磁気記録媒体。
JP2000229607A 2000-07-28 2000-07-28 磁気記録媒体 Pending JP2002050021A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000229607A JP2002050021A (ja) 2000-07-28 2000-07-28 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000229607A JP2002050021A (ja) 2000-07-28 2000-07-28 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002050021A true JP2002050021A (ja) 2002-02-15

Family

ID=18722698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000229607A Pending JP2002050021A (ja) 2000-07-28 2000-07-28 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002050021A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005078010A1 (ja) * 2004-02-17 2005-08-25 Toray Industries, Inc. 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2009087421A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Hoya Corp 垂直磁気記録媒体用基板の検査方法、垂直磁気記録媒体用基板の製造方法、及び垂直磁気記録媒体の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005078010A1 (ja) * 2004-02-17 2005-08-25 Toray Industries, Inc. 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2009087421A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Hoya Corp 垂直磁気記録媒体用基板の検査方法、垂直磁気記録媒体用基板の製造方法、及び垂直磁気記録媒体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6649297B2 (ja) 磁気テープ装置および磁気再生方法
JP6684236B2 (ja) 磁気テープ装置および磁気再生方法
JP6684234B2 (ja) 磁気テープ装置および磁気再生方法
JP6694844B2 (ja) 磁気テープ装置、磁気再生方法およびヘッドトラッキングサーボ方法
JP6626031B2 (ja) 磁気テープ装置および磁気再生方法
JP6649298B2 (ja) 磁気テープ装置およびヘッドトラッキングサーボ方法
JP6632561B2 (ja) 磁気テープ装置および磁気再生方法
JP2018137010A (ja) 磁気テープ装置およびヘッドトラッキングサーボ方法
JP2018137012A (ja) 磁気テープ装置およびヘッドトラッキングサーボ方法
JP2018170053A (ja) 磁気テープ装置および磁気再生方法
JP2018170060A (ja) 磁気テープ装置および磁気再生方法
JP2018106779A (ja) 磁気テープ装置および磁気再生方法
JP2018106780A (ja) 磁気テープ装置および磁気再生方法
JP2018106778A (ja) 磁気テープ装置および磁気再生方法
JP2002008910A (ja) 磁性粉末及び磁気記録媒体
JP2002373414A (ja) 磁気記録媒体および磁性塗料
JP2002050021A (ja) 磁気記録媒体
JP2001093138A (ja) 磁気記録媒体
JP2002123926A (ja) 金属磁性粉末、金属磁性粉末の製造方法および磁気記録媒体
JP2001237115A (ja) 金属磁性粉末及び磁気記録媒体
JP2002056517A (ja) 磁気記録媒体
JP2002056521A (ja) 磁気記録媒体
JP2001102206A (ja) 金属磁性粉末及び磁気記録媒体並びにその製造方法
JP2001023145A (ja) 磁気記録媒体
JP2002025037A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20070221

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081021

A521 Written amendment

Effective date: 20081211

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090915