JP2019169226A - 磁気テープおよび磁気テープ装置 - Google Patents

磁気テープおよび磁気テープ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】総厚を薄くし、かつ磁性層の表面平滑性を高めた磁気テープにおいて、サーボシステムにおける信号欠陥の発生頻度を低減すること。【解決手段】非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気テープであって、磁気テープ総厚は5.30μm以下であり、上記磁性層はサーボパターンを有し、上記磁性層の表面において測定される中心線平均表面粗さRaは1.8nm以下であり、かつ上記磁性層の表面ゼータ電位の等電点は5.5以上である磁気テープ。この磁気テープを含む磁気テープ装置。【選択図】なし

Description

本発明は、磁気テープおよび磁気テープ装置に関する。
磁気記録媒体にはテープ状のものとディスク状のものがあり、データバックアップ、アーカイブ等のデータストレージ用途には、テープ状の磁気記録媒体、即ち磁気テープ(以下、単に「テープ」とも記載する。)が主に用いられている。磁気テープへの情報の記録は、通常、磁気テープのデータバンドに磁気信号を記録することにより行われる。これによりデータバンドにデータトラックが形成される。
近年の情報量の莫大な増大に伴い、磁気テープには記録容量を高めること(高容量化)が求められている。この高容量化のための手段としては、データトラックの幅を狭くすることにより、磁気テープの幅方向に、より多くのデータトラックを配置して記録密度を高めることが挙げられる。
しかしデータトラックの幅を狭くすると、磁気テープを磁気テープ装置(一般に、「ドライブ」と呼ばれる。)内で走行させて情報の記録および/または再生を行う際、磁気テープの位置変動によって、磁気ヘッドがデータトラックに正確に追従することが困難となり、記録および/または再生時にエラーを起こし易くなってしまう。そこで、かかるエラーの発生を抑制するための手段として、近年、サーボ信号を利用するヘッドトラッキングサーボを用いたシステム(以下、「サーボシステム」と記載する。)が提案され、実用化されている(例えば特許文献1参照)。
米国特許第5689384号
サーボシステムの中で、磁気サーボ方式のサーボシステムでは、サーボ信号(サーボパターン)を磁気テープの磁性層に形成し、このサーボパターンを磁気的に読み取ってヘッドトラッキングを行う。より詳しくは、次の通りである。
まずサーボヘッドにより、磁性層に形成されているサーボパターンを読み取る(即ち、サーボ信号を再生する)。サーボパターンを読み取ることにより得られた値に応じて、磁気テープ装置内で磁気ヘッドの位置を制御する。これにより、情報の記録および/または再生のために磁気テープ装置内で磁気テープを搬送する際、磁気テープの位置が変動しても、磁気ヘッドがデータトラックに追従する精度を高めることができる。例えば、磁気テープを磁気テープ装置内で搬送して情報の記録および/または再生を行う際、磁気テープの位置が磁気ヘッドに対して幅方向に変動しても、ヘッドトラッキングサーボを行うことにより、磁気テープ装置内で磁気テープの幅方向における磁気ヘッドの位置を制御することができる。こうして、磁気テープ装置において磁気テープに正確に情報を記録すること、および/または、磁気テープに記録されている情報を正確に再生すること、が可能となる。
ところで、磁気テープは、通常、磁気テープカートリッジに収容されて流通され、使用される。磁気テープカートリッジの1巻あたりの記録容量を高めるためには、磁気テープカートリッジ1巻に収容される磁気テープ全長を長くすることが望ましい。このためには、磁気テープの総厚を薄くすること(以下、「薄型化」とも記載する。)が求められる。
また、近年、磁気テープには、磁性層の表面平滑性を高めることが求められている。磁性層の表面平滑性を高めることは、電磁変換特性の向上につながるためである。
以上の点に鑑み本発明者は、総厚を薄くし、かつ磁性層の表面平滑性を高めた磁気テープを、サーボシステムに適用することを検討した。しかるに、かかる検討の中で、磁気テープの総厚を薄くし、かつ磁性層の表面平滑性を高めると、サーボシステムにおいてサーボ信号再生時に信号欠陥の発生頻度が増加するという、従来知られていなかった現象が生じることが明らかとなった。かかる信号欠陥の一例としては、サーマルアスペリティと呼ばれる信号欠陥が挙げられる。サーマルアスペリティは、磁気抵抗効果型(magnetoresistive;MR)素子を搭載したMRヘッドを備えたシステムにおいて、MR素子に局所的な温度変化が発生することによってMR素子の抵抗値が変動することに起因して生じる再生波形の変動である。サーボ信号再生時に信号欠陥が発生すると、発生箇所ではヘッドトラッキングを行うことが困難になってしまう。したがって、サーボシステムを用いて、磁気テープへ情報をより正確に記録し、および/または、磁気テープに記録されている情報をより正確に再生するためには、サーボ信号再生時の信号欠陥の発生頻度を低減することが求められる。
そこで本発明の目的は、総厚を薄くし、かつ磁性層の表面平滑性を高めた磁気テープにおいて、サーボシステムにおける信号欠陥の発生頻度を低減することにある。
本発明の一態様は、
非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気テープであって、
磁気テープ総厚は5.30μm以下であり、
上記磁性層はサーボパターンを有し、
上記磁性層の表面において測定される中心線平均表面粗さRa(以下、「磁性層表面粗さRa」とも記載する。)は、1.8nm以下であり、かつ
上記磁性層の表面ゼータ電位の等電点は、5.5以上である、磁気テープ、
に関する。
一態様では、上記記等電点は、5.5以上7.0以下であることができる。
一態様では、上記結合剤は、酸性基を含む結合剤であることができる。
一態様では、上記酸性基は、スルホン酸基およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の酸性基を含むことができる。
一態様では、上記磁性層の表面において測定される中心線平均表面粗さRaは、1.2nm以上1.8nm以下であることができる。
一態様では、上記磁気テープ総厚は、3.00μm以上5.30μm以下であることができる。
一態様では、上記磁気テープは、上記非磁性支持体と上記磁性層との間に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有することができる。
一態様では、上記磁気テープは、上記非磁性支持体の上記磁性層を有する表面側とは反対の表面側に、非磁性粉末および結合剤を含むバックコート層を有することができる。
本発明の更なる態様は、上記磁気テープと、磁気ヘッドと、サーボヘッドと、を含む磁気テープ装置に関する。
本明細書には、ヘッドとして、「サーボライトヘッド」、「サーボヘッド」、および「磁気ヘッド」が記載されている。サーボライトヘッド(servo write head)とは、サーボ信号の記録(即ち、サーボパターンの形成)を行うヘッドである。サーボヘッドとは、サーボ信号の再生(即ち、サーボパターンの読み取り)を行うヘッドであり、磁気ヘッドとは、情報の記録および/または再生を行うヘッドである。
本発明の一態様によれば、薄型化され、かつ表面平滑性が高い磁性層にサーボパターンを有する磁気テープであって、サーボシステムにおけるサーボ信号再生時の信号欠陥の発生頻度が低減された磁気テープ、ならびに、この磁気テープへ磁気信号を記録および/または再生する磁気テープ装置を提供することができる。
データバンドおよびサーボバンドの配置例を示す。 LTO(Linear−Tape−Open) Ultriumフォーマットテープのサーボパターン配置例を示す。
[磁気テープ]
本発明の一態様にかかる磁気テープは、非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気テープであって、磁気テープ総厚は5.30μm以下であり、上記磁性層はサーボパターンを有し、上記磁性層の表面において測定される中心線平均表面粗さRaは1.8nm以下であり、かつ上記磁性層の表面ゼータ電位の等電点は5.5以上である。
以下、上記磁気テープについて、更に詳細に説明する。以下の記載には、本発明者の推察が含まれる。かかる推察によって本発明は限定されるものではない。また、以下では、図面に基づき例示的に説明することがある。ただし、例示される態様に本発明は限定されるものではない。
<磁性層>
(磁性層表面粗さRa)
上記磁気テープの磁性層表面において測定される中心線平均表面粗さRa(磁性層表面粗さRa)は、1.8nm以下である。磁性層表面粗さRaが1.8nm以下であり、かつ総厚が5.30μm以下である磁気テープは、何ら対策を施さなければ、サーボシステムにおいて、サーボ信号再生時に信号欠陥の発生頻度が増加してしまう。これに対し、磁性層の表面ゼータ電位の等電点が5.5以上である上記磁気テープは、磁性層表面粗さRaが1.8nm以下であり、かつ総厚が5.30μm以下であるにもかかわらず、サーボ信号再生時に信号欠陥の発生を抑制することができる。この点に関する本発明者の推察は、後述する。また、磁性層表面粗さRaが1.8nm以下である上記磁気テープは、優れた電磁変換特性を示すことができる。電磁変換特性の更なる向上の観点からは、磁性層表面粗さRaは、1.7nm以下であることが好ましく、1.6nm以下であることがより好ましい。また、磁性層表面粗さRaは、例えば1.2nm以上または1.3nm以上であることができる。ただし電磁変換特性向上の観点からは磁性層表面粗さRaが低いほど好ましいため、上記例示した値を下回ってもよい。なお本発明および本明細書において、磁気テープの「磁性層(の)表面」とは、磁気テープの磁性層側表面と同義である。
本発明および本明細書における磁気テープの磁性層の表面において測定される中心線平均表面粗さRaは、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)により磁性層表面の面積40μm×40μmの領域において測定される値とする。測定条件の一例としては、下記の測定条件を挙げることができる。後述の実施例に示す磁性層表面粗さRaは、下記測定条件下での測定によって求めた値である。
AFM(Veeco社製Nanoscope4)をタッピングモードで用いて磁気テープの磁性層の表面の面積40μm×40μmの領域を測定する。探針としてはBRUKER社製RTESP−300を使用し、スキャン速度(探針移動速度)は40μm/秒、分解能は512pixel×512pixelとする。
磁性層表面粗さRaは、公知の方法により制御することができる。例えば、磁性層に含まれる各種粉末(例えば、強磁性粉末、任意に含まれ得る非磁性粉末等)のサイズ、磁気テープの製造条件等により磁性層表面粗さRaは変わり得る。したがって、これらを調整することにより、磁性層表面粗さRaが1.8nm以下の磁気テープを得ることができる。
(サーボパターン)
上記磁気テープは、磁性層にサーボパターンを有する。磁性層へのサーボパターンの形成は、サーボライトヘッドにより、磁性層の特定の位置を磁化することにより行われる。ヘッドトラッキングサーボを可能とするためのサーボパターンの形状および磁性層における配置は公知である、上記磁気テープの磁性層が有するサーボパターンについては、公知技術を適用することができる。例えば、ヘッドトラッキングサーボの方式としては、タイミングベースサーボ方式と振幅ベースサーボ方式が知られている。上記磁気テープの磁性層が有するサーボパターンは、いずれの方式のヘッドトラッキングサーボを可能とするサーボパターンでもよい。また、タイミングベースサーボ方式でのヘッドトラッキングサーボを可能とするサーボパターンと振幅ベースサーボ方式でのヘッドトラッキングサーボを可能とするサーボパターンとが磁性層に形成されていてもよい。
以下に、ヘッドトラッキングサーボの具体的態様の1つとして、タイミングベースサーボ方式のヘッドトラッキングサーボについて記載する。ただし本発明におけるヘッドトラッキングサーボは、下記具体的態様に限定されるものではない。
タイミングベースサーボ方式のヘッドトラッキングサーボ(以下、「タイミングベースサーボ」と記載する。)では、二種以上の異なる形状の複数のサーボパターンを磁性層に形成し、サーボヘッドが、異なる形状の2つのサーボパターンを読み取った時間間隔と、同種の形状の2つのサーボパターンを読み取った時間間隔と、によりサーボヘッドの位置を認識する。こうして認識されたサーボヘッドの位置に基づき、磁気テープの幅方向における磁気ヘッドの位置が制御される。ここで位置制御が行われる磁気ヘッドは、一態様では磁気テープに記録された情報を再生する磁気ヘッド(再生ヘッド)であり、他の一態様では磁気テープに情報を記録する磁気ヘッド(記録ヘッド)である。
図1に、データバンドおよびサーボバンドの配置例を示す。図1中、磁気テープ1の磁性層には、複数のサーボバンド10が、ガイドバンド12に挟まれて配置されている。2本のサーボバンドに挟まれた複数の領域11が、データバンドである。サーボパターンは、磁化領域であって、サーボライトヘッドにより磁性層の特定の領域を磁化することによって形成される。サーボライトヘッドにより磁化する領域(サーボパターンを形成する位置)は規格により定められている。例えば、業界標準規格であるLTO Ultriumフォーマットテープには、磁気テープ製造時に、図2に示すようにテープ幅方向に対して傾斜した複数のサーボパターンが、サーボバンド上に形成される。詳しくは、図2中、サーボバンド10上のサーボフレームSFは、サーボサブフレーム1(SSF1)およびサーボサブフレーム2(SSF2)から構成される。サーボサブフレーム1は、Aバースト(図2中、符号A)およびBバースト(図2中、符号B)から構成される。AバーストはサーボパターンA1〜A5から構成され、BバーストはサーボパターンB1〜B5から構成される。一方、サーボサブフレーム2は、Cバースト(図2中、符号C)およびDバースト(図2中、符号D)から構成される。CバーストはサーボパターンC1〜C4から構成され、DバーストはサーボパターンD1〜D4から構成される。このような18本のサーボパターンが5本と4本のセットで、5、5、4、4、の配列でサブフレームに配置され、サーボフレームを識別するために用いられる。図2には、説明のために1つのサーボフレームを示した。ただし、実際には、タイミングベースサーボ方式のヘッドトラッキングサーボが行われる磁気テープの磁性層では、各サーボバンドに、複数のサーボフレームが走行方向に配置されている。図2中、矢印は走行方向を示している。例えば、LTO Ultriumフォーマットテープは、通常、磁性層の各サーボバンドに、テープ長1mあたり5000以上のサーボフレームを有する。サーボヘッドは、磁気テープ装置内で搬送される磁気テープの磁性層表面と接触し摺動しながら、複数のサーボフレームにおいて順次サーボパターンの読み取りを行う。
タイミングベースサーボ方式のヘッドトラッキングサーボでは、異なる形状の2つのサーボパターンをサーボヘッドが読み取った(サーボ信号を再生した)時間間隔と、同種の形状の2つのサーボパターンを読み取った時間間隔と、によりサーボヘッドの位置を認識する。時間間隔は、通常、サーボ信号の再生波形のピークの時間間隔として求められる。例えば、図2に示す態様では、AバーストのサーボパターンとCバーストのサーボパターンが同種の形状のサーボパターンであり、BバーストのサーボパターンとDバーストのサーボパターンが同種の形状のサーボパターンである。AバーストのサーボパターンおよびCバーストのサーボパターンは、BバーストのサーボパターンおよびDバーストのサーボパターンとは形状が異なるサーボパターンである。異なる形状の2つのサーボパターンをサーボヘッドが読み取った時間間隔とは、例えば、Aバーストのいずれかのサーボパターンを読み取った時間とBバーストのいずれかのサーボパターンを読み取った時間との間隔である。同種の形状の2つのサーボパターンをサーボヘッドが読み取った時間間隔とは、例えば、Aバーストのいずれかのサーボパターンを読み取った時間とCバーストのいずれかのサーボパターンを読み取った時間との間隔である。タイミングベースサーボ方式のヘッドトラッキングサーボは、上記の時間間隔が設定値からずれた場合、時間間隔のズレは磁気テープの幅方向の位置変動に起因して発生することを前提とするシステムである。設定値とは、磁気テープが幅方向で位置変動を起こさずに走行する場合の時間間隔である。タイミングベースサーボシステムでは、求められた時間間隔の設定値からのズレの程度に応じて、磁気ヘッドを幅方向に移動させる。詳しくは、時間間隔の設定値からのズレが大きいほど、磁気ヘッドを幅方向に大きく移動させる。この点は、図1および図2に示す態様に限定されずタイミングベースサーボシステム全般に当てはまる。
例えばタイミングベースサーボシステムを用いる磁気テープ装置において、サーボ信号再生時に信号欠陥が発生すると、欠陥が発生した箇所(サーボフレーム)では時間間隔の測定結果を得ることが困難になる。その結果、磁気テープを走行させて磁気ヘッドによって磁気信号(情報)の記録または再生を行う際に磁気ヘッドを幅方向に移動させてヘッドの位置決めを行うことが部分的に困難になってしまう。タイミングベースサーボシステムに限らず、サーボシステムを用いる磁気テープ装置においてサーボ信号再生時に信号欠陥が発生することは、磁気テープを走行させて磁気ヘッドによって磁気信号(情報)の記録または再生を行う際に磁気ヘッドを移動させてヘッドの位置決めを行うことを部分的に困難にしてしまう。
以上の点に関し、本発明者の検討の中で、総厚が5.30μm以下であり、かつ磁性層表面粗さRaが1.8nm以下である磁気テープでは、サーボ信号再生時に信号欠陥が顕著に発生することが判明した。本発明者は、サーボ信号再生時の信号欠陥の発生原因としては、サーボヘッドと磁性層表面との円滑な摺動が妨げられること(以下、「摺動性の低下」と記載する。)が挙げられると考えている。総厚が5.30μm以下であり、かつ磁性層表面粗さRaが1.8nm以下である磁気テープは、従来の磁気テープとは、サーボヘッドと磁性層表面との接触状態が異なることが、摺動性低下の原因ではないかと本発明者は推察している。ただし推察に過ぎない。
これに対し本発明者の鋭意検討の結果、そのようなサーボ信号再生時の信号欠陥の発生は、磁性層の表面ゼータ電位の等電点を5.5以上とすることにより抑制できることが明らかとなった。この点に関する本発明者の推察は、後述する。
(磁性層の表面ゼータ電位の等電点)
上記磁気テープにおいて、磁性層の表面ゼータ電位の等電点は、5.5以上である。本発明および本明細書において、磁性層の表面ゼータ電位の等電点とは、流動電位法(流動電流法とも呼ばれる。)により測定される磁性層の表面ゼータ電位がゼロになるときのpHの値をいう。測定対象の磁気テープからサンプルを切り出し、表面ゼータ電位を求める対象表面である磁性層表面が電解液と接するようにサンプルを測定セル内に配置する。表面ゼータ電位は、測定セルに圧力を変化させて電解液を流し、各圧力での流動電位を測定した後、以下の算出式より求められる。
圧力は、0〜400000Pa(0〜400mbar)の範囲で変化させる。電解液を測定セルに流して流動電位を測定して表面ゼータ電位を算出することを、pHの異なる電解液(pH9から約0.5刻みでpH3まで)を用いて行う。測定点は、pH9の測定点から始まりpH3の13点目の測定点までの合計13点となる。こうして各pHの測定点について、表面ゼータ電位が求められる。pHが下がるにしたがい表面ゼータ電位の値は小さくなるため、pHが9から3まで下がる中で、表面ゼータ電位の極性が変化(プラスの値からマイナスの値に変化)する2つの測定点が現れる場合がある。そのような2つの測定点が現れた場合には、それら2つの測定点の表面ゼータ電位とpHの関係を示す直線(一次関数)を用いて、表面ゼータ電位がゼロにおけるpHを内挿により求める。一方、pHが9から3まで下がる中で求められる表面ゼータ電位がすべてプラスの値の場合には、最終の測定点である13点目の測定点(pH3)および12点目の測定点の表面ゼータ電位とpHの関係を示す直線(一次関数)を用いて、表面ゼータ電位がゼロにおけるpHを外挿により求める。他方、pHが9から3まで下がる中で求められる表面ゼータ電位がすべてマイナスの値の場合には、最初の測定点である1点目の測定点(pH9)および12点目の測定点の表面ゼータ電位とpHの関係を示す直線(一次関数)を用いて、表面ゼータ電位がゼロにおけるpHを外挿により求める。こうして、流動電位法により測定される磁性層の表面ゼータ電位がゼロになるときのpHの値が求められる。
以上の測定は、同じ磁気テープ(測定対象の磁気テープ)から切り出した異なるサンプルを用いて室温で合計3回行い、各サンプルについて表面ゼータ電位がゼロになるときのpHを求める。電解液の粘度および比誘電率としては、室温での測定値を用いる。室温は、20〜27℃の範囲とする。こうして求められた3つのpHの算術平均を、測定対象の磁気テープの磁性層の表面ゼータ電位の等電点とする。また、pH9の電解液は、1mmol/LのKCl水溶液を、0.1mol/LのKOH水溶液を用いてpH9に調整したものを用いる。その他のpHの電解液は、こうして調整したpH9の電解液を、0.1mol/LのHCl水溶液を用いてpH調整したものを用いる。
上記方法によって測定される表面ゼータ電位の等電点は、磁性層の表面について求められる等電点である。本発明者は鋭意検討を重ねた結果、磁性層の表面ゼータ電位の等電点を5.5以上とすることにより、総厚が5.30μm以下であり、かつ磁性層表面粗さRaが1.8nm以下である磁気テープにおけるサーボ信号再生時の信号欠陥の発生を抑制できることを新たに見出した。本発明者は、磁性層の表面ゼータ電位の等電点が中性付近〜塩基性のpH領域にある磁気テープは、磁性層表面とサーボヘッドとが電気化学的に反応し難く、このことがサーボヘッドと磁性層表面との摺動性の低下を抑制することに寄与するのではないかと推察している。たたし推察に過ぎない。したがって、上記推察に本発明は何ら限定されない。
磁性層の表面ゼータ電位の等電点は、詳細を後述するように、磁性層形成のために使用される成分の種類、磁性層の形成工程等によって制御することができる。制御の容易性等の観点からは、磁性層の表面ゼータ電位の等電点は、7.0以下であることが好ましく、6.7以下であることがより好ましく、6.5以下であることが更に好ましい。また、磁性層の表面ゼータ電位の等電点は、5.5以上であり、5.7以上であることが好ましく、6.0以上であることがより好ましい。
次に、磁性層の詳細について、更に説明する。
(強磁性粉末)
磁性層に含まれる強磁性粉末としては、各種磁気記録媒体の磁性層において通常用いられる強磁性粉末を使用することができる。強磁性粉末として平均粒子サイズの小さいものを使用することは、磁気記録媒体の記録密度向上の観点から好ましい。この点から、強磁性粉末としては、平均粒子サイズが50nm以下の強磁性粉末を用いることが好ましい。一方、磁化の安定性の観点からは、強磁性粉末の平均粒子サイズは5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。
強磁性粉末の好ましい具体例としては、強磁性六方晶フェライト粉末を挙げることができる。強磁性六方晶フェライト粉末は、強磁性六方晶バリウムフェライト粉末、強磁性六方晶ストロンチウムフェライト粉末等であることができる。強磁性六方晶フェライト粉末の平均粒子サイズは、記録密度向上と磁化の安定性の観点から、10nm以上50nm以下であることが好ましく、20nm以上50nm以下であることがより好ましい。強磁性六方晶フェライト粉末の詳細については、例えば、特開2011−225417号公報の段落0012〜0030、特開2011−216149号公報の段落0134〜0136、および特開2012−204726号公報の段落0013〜0030を参照できる。
強磁性粉末の好ましい具体例としては、強磁性金属粉末を挙げることもできる。強磁性金属粉末の平均粒子サイズは、記録密度向上と磁化の安定性の観点から、10nm以上50nm以下であることが好ましく、20nm以上50nm以下であることがより好ましい。強磁性金属粉末の詳細については、例えば特開2011−216149号公報の段落0137〜0141および特開2005−251351号公報の段落0009〜0023を参照できる。
強磁性粉末の好ましい具体例としては、ε−酸化鉄粉末を挙げることもできる。ε−酸化鉄粉末の製造方法としては、ゲータイト(goethite)から作製する方法、逆ミセル法等が知られている。上記製造方法は、いずれも公知である。また、Feの一部がGa、Co、Ti、Al、Rh等の置換原子によって置換されたε−酸化鉄粉末を製造する方法については、例えば、J. Jpn. Soc. Powder Metallurgy Vol. 61 Supplement, No. S1, pp. S280−S284、J. Mater. Chem. C, 2013, 1, pp.5200−5206等を参照できる。ただし、上記磁性層において強磁性粉末として使用可能なε−酸化鉄粉末の製造方法は限定されない。
本発明および本明細書において、特記しない限り、強磁性粉末等の各種粉末の平均粒子サイズは、透過型電子顕微鏡を用いて、以下の方法により測定される値とする。
粉末を、透過型電子顕微鏡を用いて撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントして粉末を構成する粒子の写真を得る。得られた粒子の写真から目的の粒子を選びデジタイザーで粒子の輪郭をトレースし粒子(一次粒子)のサイズを測定する。一次粒子とは、凝集のない独立した粒子をいう。
以上の測定を、無作為に抽出した500個の粒子について行う。こうして得られた500個の粒子の粒子サイズの算術平均を、粉末の平均粒子サイズとする。上記透過型電子顕微鏡としては、例えば日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を用いることができる。また、粒子サイズの測定は、公知の画像解析ソフト、例えばカールツァイス製画像解析ソフトKS−400を用いて行うことができる。後述の実施例に示す平均粒子サイズは、特記しない限り、透過型電子顕微鏡として日立製透過型電子顕微鏡H−9000型、画像解析ソフトとしてカールツァイス製画像解析ソフトKS−400を用いて測定された値である。本発明および本明細書において、粉末とは、複数の粒子の集合を意味する。例えば、強磁性粉末とは、複数の強磁性粒子の集合を意味する。また、複数の粒子の集合とは、集合を構成する粒子が直接接触している態様に限定されず、後述する結合剤、添加剤等が、粒子同士の間に介在している態様も包含される。粒子との語が、粉末を表すために用いられることもある。
粒子サイズ測定のために磁気記録媒体から試料粉末を採取する方法としては、例えば特開2011−048878号公報の段落0015に記載の方法を採用することができる。
本発明および本明細書において、特記しない限り、粉末を構成する粒子のサイズ(粒子サイズ)は、上記の粒子写真において観察される粒子の形状が、
(1)針状、紡錘状、柱状(ただし、高さが底面の最大長径より大きい)等の場合は、粒子を構成する長軸の長さ、即ち長軸長で表され、
(2)板状または柱状(ただし、厚みまたは高さが板面または底面の最大長径より小さい)の場合は、その板面または底面の最大長径で表され、
(3)球形、多面体状、不特定形等であって、かつ形状から粒子を構成する長軸を特定できない場合は、円相当径で表される。円相当径とは、円投影法で求められるものを言う。
また、粉末の平均針状比は、上記測定において粒子の短軸の長さ、即ち短軸長を測定し、各粒子の(長軸長/短軸長)の値を求め、上記500個の粒子について得た値の算術平均を指す。ここで、特記しない限り、短軸長とは、上記粒子サイズの定義で(1)の場合は、粒子を構成する短軸の長さを、同じく(2)の場合は、厚みまたは高さを各々指し、(3)の場合は、長軸と短軸の区別がないから、(長軸長/短軸長)は、便宜上1とみなす。
そして、特記しない限り、粒子の形状が特定の場合、例えば、上記粒子サイズの定義(1)の場合、平均粒子サイズは平均長軸長であり、同定義(2)の場合、平均粒子サイズは平均板径である。同定義(3)の場合、平均粒子サイズは、平均直径(平均粒径、平均粒子径ともいう)である。
磁性層における強磁性粉末の含有量(充填率)は、好ましくは50〜90質量%の範囲であり、より好ましくは60〜90質量%の範囲である。磁性層の強磁性粉末以外の成分は、少なくとも結合剤であり、任意に一種以上の更なる添加剤が含まれ得る。磁性層において強磁性粉末の充填率が高いことは、記録密度向上の観点から好ましい。
(結合剤、硬化剤)
上記磁気記録媒体は塗布型磁気記録媒体であって、磁性層に結合剤を含む。結合剤とは、一種以上の樹脂である。結合剤としては、塗布型磁気記録媒体の結合剤として通常使用される各種樹脂を用いることができる。例えば、結合剤としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等を共重合したアクリル樹脂、ニトロセルロース等のセルロース樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルキラール樹脂等から選ばれる樹脂を単独で用いるか、または複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいものはポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、および塩化ビニル樹脂である。これらの樹脂は、ホモポリマーでもよく、コポリマー(共重合体)でもよい。これらの樹脂は、後述する非磁性層および/またはバックコート層においても結合剤として使用することができる。
以上の結合剤については、特開2010−24113号公報の段落0028〜0031を参照できる。結合剤として使用される樹脂の平均分子量は、重量平均分子量として、例えば10,000以上200,000以下であることができる。本発明および本明細書における重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、下記測定条件により測定された値をポリスチレン換算して求められる値である。後述の実施例に示す結合剤の重量平均分子量は、下記測定条件によって測定された値をポリスチレン換算して求めた値である。
GPC装置:HLC−8120(東ソー社製)
カラム:TSK gel Multipore HXL−M(東ソー社製、7.8mmID(Inner Diameter)×30.0cm)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
一態様では、結合剤として、酸性基を含む結合剤を用いることができる。本発明および本明細書における酸性基とは、水中または水を含む溶媒(水性溶媒)中でHを放出してアニオンに解離可能な基およびその塩の形態を包含する意味で用いるものとする。酸性基の具体例としては、例えば、スルホン酸基、硫酸基、カルボキシ基、リン酸基、それらの塩の形態等を挙げることができる。例えば、スルホン酸基(−SOH)の塩の形態とは、−SOMで表され、Mが水中または水性溶媒中でカチオンになり得る原子(例えばアルカリ金属原子等)を表す基を意味する。この点は、上記の各種の基の塩の形態についても同様である。酸性基を含む結合剤の一例としては、例えば、スルホン酸基およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の酸性基を含む樹脂(例えばポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂等)を挙げることができる。ただし、磁性層に含まれる樹脂は、これらの樹脂に限定されるものではない。また、酸性基を含む結合剤において、酸性基含有量は、例えば0.03〜0.50meq/gの範囲であることができる。なおeqは当量( equivalent)であり、SI単位に換算不可の単位である。樹脂に含まれる酸性基等の各種官能基の含有量は、官能基の種類に応じて公知の方法で求めることができる。結合剤は、磁性層形成用組成物中に、強磁性粉末100.0質量部に対して、例えば1.0〜30.0質量部の量で使用することができる。
磁性層の表面ゼータ電位の等電点の制御に関して、本発明者は、磁性層の表層部分における酸性成分の存在量を低減するように磁性層を形成することは、上記等電点の値を大きくすることに寄与すると推察している。また、磁性層の表層部分における塩基性成分の存在量を高めることも、上記等電点の値を大きくすることに寄与すると本発明者は推察している。酸性成分とは、水中または水性溶媒中でHを放出してアニオンに解離可能な成分およびその塩の形態を包含する意味で用いるものとする。塩基性成分とは、水中または水性溶媒中でOHを放出してカチオンに解離可能な成分およびその塩の形態を包含する意味で用いるものとする。例えば、酸性成分を使用する場合、まず酸性成分を磁性層形成用組成物の塗布層の表層部分に偏在させる処理を行った後に、この表層部分の酸性成分量を低減する処理を行うことは、磁性層の表面ゼータ電位の等電点の値を大きくして5.5以上に制御することにつながると考えられる。例えば、磁性層形成用組成物を非磁性支持体上に直接または非磁性層を介して塗布する工程において、交流磁場を印加して交流磁場中で塗布を行うことは、磁性層形成用組成物の塗布層の表層部に酸性成分を偏在させることにつながると本発明者は考えている。更に、その後にバーニッシュ(burnish)処理を行うことは、偏在させた酸性成分の少なくとも一部を除去することに寄与すると本発明者は推察している。バーニッシュ処理は、部材(例えば研磨テープ、または研削用ブレード、研削用ホイール等の研削具)により処理対象の表面を擦る処理である。バーニッシュ処理を含む磁性層形成工程について、詳細は後述する。酸性成分としては、例えば酸性基を含む結合剤を挙げることができる。
また、結合剤として使用可能な樹脂とともに硬化剤を使用することもできる。硬化剤は、一態様では加熱により硬化反応(架橋反応)が進行する化合物である熱硬化性化合物であることができ、他の一態様では光照射により硬化反応(架橋反応)が進行する光硬化性化合物であることができる。硬化剤は、磁性層形成工程の中で硬化反応が進行することにより、少なくとも一部は、結合剤等の他の成分と反応(架橋)した状態で磁性層に含まれ得る。この点は、他の層を形成するために用いられる組成物が硬化剤を含む場合に、この組成物を用いて形成される層についても同様である。好ましい硬化剤は、熱硬化性化合物であり、ポリイソシアネートが好適である。ポリイソシアネートの詳細については、特開2011−216149号公報の段落0124〜0125を参照できる。硬化剤は、磁性層形成用組成物中に、結合剤100.0質量部に対して例えば0〜80.0質量部、磁性層の強度向上の観点からは好ましくは50.0〜80.0質量部の量で使用することができる。
(添加剤)
磁性層には、強磁性粉末および結合剤が含まれ、必要に応じて一種以上の添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、一例として、上記の硬化剤が挙げられる。また、磁性層に含まれる添加剤としては、非磁性粉末(例えば無機粉末、カーボンブラック等)、潤滑剤、分散剤、分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤等を挙げることができる。また、非磁性粉末としては、研磨剤として機能することができる非磁性粉末、磁性層表面に適度に突出する突起を形成する突起形成剤として機能することができる非磁性粉末(例えば非磁性コロイド粒子等)等が挙げられる。なお後述の実施例に示すコロイダルシリカ(シリカコロイド粒子)の平均粒子サイズは、特開2011−048878号公報の段落0015に平均粒径の測定方法として記載されている方法により求められた値である。添加剤は、所望の性質に応じて市販品を適宜選択して、または公知の方法で製造して、任意の量で使用することができる。研磨剤を含む磁性層に使用され得る添加剤の一例としては、特開2013−131285号公報の段落0012〜0022に記載の分散剤を、研磨剤の分散性を向上するための分散剤として挙げることができる。例えば、潤滑剤については、特開2016−126817号公報の段落0030〜0033、0035および0036を参照できる。非磁性層に潤滑剤が含まれていてもよい。非磁性層に含まれ得る潤滑剤については、特開2016−126817号公報の段落0030、0031、0034、0035および0036を参照できる。分散剤については、特開2012−133837号公報の段落0061および0071を参照できる。分散剤は、非磁性層に含まれていてもよい。非磁性層に含まれ得る分散剤については、特開2012−133837号公報の段落0061を参照できる。
以上説明した磁性層は、非磁性支持体表面上に直接、または非磁性層を介して間接的に、設けることができる。
<非磁性層>
次に非磁性層について説明する。上記磁気テープは、非磁性支持体上に直接磁性層を有していてもよく、非磁性支持体と磁性層との間に非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有していてもよい。非磁性層に使用される非磁性粉末は、無機物質の粉末でも有機物質の粉末でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等が挙げられる。これらの非磁性粉末は、市販品として入手可能であり、公知の方法で製造することもできる。その詳細については、特開2011−216149号公報の段落0146〜0150を参照できる。非磁性層に使用可能なカーボンブラックについては、特開2010−24113号公報の段落0040〜0041も参照できる。非磁性層における非磁性粉末の含有量(充填率)は、好ましくは50〜90質量%の範囲であり、より好ましくは60〜90質量%の範囲である。
非磁性層の結合剤、添加剤等のその他詳細は、非磁性層に関する公知技術が適用できる。また、例えば、結合剤の種類および含有量、添加剤の種類および含有量等に関しては、磁性層に関する公知技術も適用できる。
本発明および本明細書において、非磁性層には、非磁性粉末とともに、例えば不純物として、または意図的に、少量の強磁性粉末を含む実質的に非磁性な層も包含されるものとする。ここで実質的に非磁性な層とは、この層の残留磁束密度が10mT以下であるか、保磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であるか、または、残留磁束密度が10mT以下であり、かつ保磁力が7.96kA/m(100Oe)以下である層をいうものとする。非磁性層は、残留磁束密度および保磁力を持たないことが好ましい。
<非磁性支持体>
次に、非磁性支持体について説明する。非磁性支持体(以下、単に「支持体」とも記載する。)としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。これらの支持体には、あらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、加熱処理等を行ってもよい。
<バックコート層>
上記磁気テープは、非磁性支持体の磁性層を有する表面とは反対の表面側に、非磁性粉末および結合剤を含むバックコート層を有することもできる。バックコート層には、カーボンブラックおよび無機粉末のいずれか一方または両方が含有されていることが好ましい。バックコート層に含まれる結合剤、任意に含まれ得る各種添加剤については、バックコート層に関する公知技術を適用することができ、磁性層および/または非磁性層の処方に関する公知技術を適用することもできる。例えば、特開2006−331625号公報の段落0018〜0020および米国特許第7029774号明細書の第4欄65行目〜第5欄38行目の記載を、バックコート層について参照できる。
<磁気テープ総厚>
上記磁気テープの総厚は、5.30μm以下である。総厚が薄いこと(薄型化)は、磁気テープカートリッジの1巻あたりの記録容量を高めるうえで好ましい。上記磁気テープの総厚は、例えば5.20μm以下、5.10μm以下、または5.00μm以下であってもよい。また、上記磁気テープの総厚は、例えば、磁気テープの取り扱いの容易性(ハンドリング性)等の観点からは、1.00μm以上であることが好ましく、2.00μm以上であることがより好ましく、3.00μm以上であることが更に好ましく、4.00μm以上であることが一層好ましい。
<非磁性支持体および各層の厚み>
非磁性支持体の厚みは、好ましくは3.00〜4.50μmである。磁性層の厚みは、近年求められている高密度記録化の観点からは0.15μm以下であることが好ましく、0.10μm以下であることがより好ましい。磁性層の厚みは、0.01〜0.10μmの範囲であることが更に好ましい。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。2層以上に分離する場合の磁性層の厚みとは、これらの層の合計厚みとする。
非磁性層の厚みは、例えば0.10〜1.50μmであり、0.10〜1.00μmであることが好ましい。
バックコート層の厚みは、0.90μm以下であることが好ましく、0.10〜0.70μmの範囲であることが更に好ましい。
磁気テープの各層および非磁性支持体の厚みは、公知の膜厚測定法により求めることができる。一例として、例えば、磁気テープの厚み方向の断面を、イオンビーム、ミクロトーム等の公知の手法により露出させた後、露出した断面において走査型電子顕微鏡によって断面観察を行う。断面観察において任意の1箇所において求められた厚み、または無作為に抽出した2箇所以上の複数箇所、例えば2箇所、において求められた厚みの算術平均として、各種厚みを求めることができる。または、各層の厚みは、製造条件から算出される設計厚みとして求めてもよい。
<製造方法>
(サーボパターンが形成される磁気テープの製造)
磁性層、ならびに任意に設けられる非磁性層およびバックコート層を形成するための組成物は、先に説明した各種成分とともに、通常、溶媒を含む。溶媒としては、塗布型磁気記録媒体を製造するために一般に使用される各種有機溶媒を用いることができる。各層形成用組成物における溶媒量は特に限定されるものではなく、通常の塗布型磁気記録媒体の各層形成用組成物と同様にすることができる。各層を形成するための組成物を調製する工程は、通常、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程を含む。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる全ての原料は、どの工程の最初または途中で添加してもよい。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもよい。
各層形成用組成物を調製するためには、公知技術を用いることができる。混練工程では、オープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダ等の強い混練力をもつニーダを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については、特開平1−106338号公報および特開平1−79274号公報に記載されている。また、各層形成用組成物を分散させるためには、分散メディアとして、ガラスビーズおよびその他の分散ビーズからなる群から選ばれる一種以上の分散ビーズを用いることができる。このような分散ビーズとしては、高比重の分散ビーズであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、およびスチールビーズが好適である。これら分散ビーズの粒径(ビーズ径)および充填率は最適化して用いることができる。分散機は公知のものを使用することができる。各層形成用組成物を、塗布工程に付す前に公知の方法によってろ過してもよい。ろ過は、例えばフィルタろ過によって行うことができる。ろ過に用いるフィルタとしては、例えば孔径0.01〜3μmのフィルタ(例えばガラス繊維製フィルタ、ポリプロピレン製フィルタ等)を用いることができる。
磁性層は、磁性層形成用組成物を、非磁性支持体表面上に直接塗布して乾燥させるか、または非磁性層形成用組成物と逐次もしくは同時に重層塗布して乾燥させることにより形成することができる。各層形成のための塗布の詳細については、特開2010−231843号公報の段落0066を参照できる。また、磁性層形成用組成物の塗布を交流磁場中で行うことは、磁性層の表面ゼータ電位の等電点を5.5以上に制御することに寄与し得る。これは、交流磁場が印加されることにより、磁性層形成用組成物の塗布層の表層部分に酸性成分(例えば酸性基を含む結合剤)が偏在しやすくなるため、この塗布層を乾燥させることにより、表層部分に酸性成分が偏在した磁性層が得られるからではないかと本発明者は推察している。更に、その後にバーニッシュ処理を行うことは、偏在させた酸性成分の少なくとも一部を除去して磁性層の表面ゼータ電位の等電点を5.5以上に制御することに寄与すると本発明者は推察している。ただし以上は推察に過ぎない。交流磁場の印加は、磁性層形成用組成物の塗布層の表面に対して垂直に交流磁場が印加されるように、塗布装置に磁石を配置して行うことができる。交流磁場の磁場強度は、例えば0.05〜3.00T程度とすることができる。ただし、この範囲に限定されるものではない。なお本発明および本明細書における「垂直」とは、必ずしも厳密な意味の垂直のみを意味するものではなく、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。誤差の範囲とは、例えば、厳密な垂直±10°未満の範囲を意味することができる。
バーニッシュ処理は、部材(例えば研磨テープ、または研削用ブレード、研削用ホイール等の研削具)により処理対象の表面を擦る処理であり、塗布型磁気記録媒体製造のために公知のバーニッシュ処理と同様に行うことができる。バーニッシュ処理は、好ましくは、研磨テープによって処理対象の塗布層表面を擦る(研磨する)こと、研削具によって処理対象の塗布層表面を擦る(研削する)ことの一方または両方を行うことにより、実施することができる。研磨テープとしては、市販品を用いてもよく、公知の方法で作製した研磨テープを用いてもよい。また、研削具としては、固定式ブレード、ダイヤモンドホイール、回転式ブレード等の公知の研削用ブレード、研削用ホイール等を用いることができる。また、研磨テープおよび/または研削具によって擦られた塗布層表面をワイピング材によって拭き取るワイピング(wiping)処理を行ってもよい。好ましい研磨テープ、研削具、バーニッシュ処理およびワイピング処理の詳細については、特開平6−52544号公報の段落0034〜0048、図1および同公報の実施例を参照できる。バーニッシュ処理を強化するほど、交流磁場中で塗布を行うことにより磁性層形成用組成物の塗布層の表層部分に偏在させた酸性成分を多く除去することができると考えられる。バーニッシュ処理は、研磨テープに含まれる研磨剤として高硬度な研磨剤を用いるほど強化することができ、研磨テープ中の研磨剤量を増やすほど強化することができる。また、研削具として高硬度な研削具を用いるほどバーニッシュ処理を強化することができる。バーニッシュ処理条件に関しては、処理対象の塗布層表面と部材(例えば研磨テープまたは研削具)との摺動速度を速くするほど、バーニッシュ処理を強化することができる。上記摺動速度は、部材を移動させる速度および処理対象の磁気テープを移動させる速度の一方または両方を速くすることにより、速くすることができる。なお、理由は明らかではないものの、磁性層形成用組成物の塗布層中の酸性基を含む結合剤の量が多いほど、バーニッシュ処理後に磁性層の表面ゼータ電位の等電点が高くなる傾向が見られる場合もある。
磁性層形成用組成物が硬化剤を含む場合、磁性層形成のための工程のいずれかの段階において硬化処理を施すことが好ましい。バーニッシュ処理は、少なくとも、硬化処理の前に行うことが好ましい。硬化処理後に更にバーニッシュ処理を行ってもよい。磁性層形成用組成物の塗布層の表層部分から酸性成分を除去する除去効率を高めるうえで、硬化処理前にバーニッシュ処理を行うことは好ましいと本発明者は考えている。硬化処理は、磁性層形成用組成物に含まれる硬化剤の種類に応じて、加熱処理、光照射等の処理によって行うことができる。硬化処理条件は特に限定されるものではなく、磁性層形成用組成物の処方、硬化剤の種類、塗布層の厚み等に応じて適宜設定すればよい。例えば、硬化剤としてポリイソシアネートを含む磁性層形成用組成物を用いて塗布層を形成した場合には、硬化処理は加熱処理であることが好ましい。なお磁性層形成用組成物の塗布層以外の層に硬化剤が含まれる場合、その層の硬化反応も併せて進行させることもできる。または別途、硬化処理を行うこともできる。
好ましくは上記硬化処理の前に、表面平滑化処理を行うことができる。表面平滑化処理は、磁性層表面および/またはバックコート層表面の平滑性を高めるために行われる処理であり、カレンダ処理によって行うことが好ましい。カレンダ処理の詳細については、例えば特開2010−231843号公報の段落0026を参照できる。
サーボパターンが形成される磁気テープの製造のためのその他の各種工程については、公知技術を適用できる。各種工程については、例えば特開2010−231843号公報の段落0067〜0070を参照できる。
(サーボパターンの形成)
上記磁気テープは、磁性層にサーボパターンを有する。サーボパターンについて、詳細は先に記載した通りである。例えば、タイミングベースサーボパターンが形成された領域(サーボバンド)および2本のサーボバンドに挟まれた領域(データバンド)の配置例が、図1に示されている。タイミングベースサーボパターンの配置例は、図2に示されている。ただし、各図面に示す配置例は例示であって、磁気テープ装置(ドライブ)の方式に応じた配置でサーボパターン、サーボバンドおよびデータバンドを配置すればよい。また、タイミングベースサーボパターンの形状および配置については、例えば、米国特許第5689384号のFIG.4、FIG.5、FIG.6、FIG.9、FIG.17、FIG.20等に例示された配置例等の公知技術を適用することができる。
サーボパターンは、磁性層の特定の領域をサーボライターに搭載されたサーボライトヘッドにより磁化することによって形成することができる。タイミングベースサーボシステムでは、例えば、磁気テープの長手方向に連続的に複数配置された、互いに非平行な一対のサーボパターン(「サーボストライプ」とも呼ばれる。)がサーボ素子によって読み取られることにより、サーボ信号が得られる。
一態様では、特開2004−318983号公報に示されているように、各サーボバンドには、サーボバンドの番号を示す情報(「サーボバンドID(identification)」または「UDIM(Unique DataBand Identification Method)情報」とも呼ばれる。)が埋め込まれている。このサーボバンドIDは、サーボバンド中に複数ある一対のサーボパターンのうちの特定のものを、その位置が磁気テープの長手方向に相対的に変位するように、ずらすことによって記録されている。具体的には、複数ある一対のサーボパターンのうちの特定のもののずらし方を、サーボバンド毎に変えている。これにより、記録されたサーボバンドIDはサーボバンド毎にユニークなものとなるため、一つのサーボバンドをサーボ素子で読み取るだけで、そのサーボバンドを一意に(uniquely)特定することができる。
なお、サーボバンドを一意に特定する方法には、ECMA(European Computer Manufacturers Association)―319に示されているようなスタッガード方式を用いたものもある。このスタッガード方式では、磁気テープの長手方向に連続的に複数配置された、互いに非平行な一対のサーボパターン(サーボストライプ)の群を、サーボバンド毎に磁気テープの長手方向にずらすように記録する。隣接するサーボバンド間における、このずらし方の組み合わせは、磁気テープ全体においてユニークなものとされているため、2つのサーボ素子によりサーボパターンを読み取る際に、サーボバンドを一意に特定することも可能となっている。
また、各サーボバンドには、ECMA―319に示されている通り、通常、磁気テープの長手方向の位置を示す情報(「LPOS(Longitudinal Position)情報」とも呼ばれる。)も埋め込まれている。このLPOS情報も、UDIM情報と同様に、一対のサーボパターンの位置を、磁気テープの長手方向にずらすことによって記録されている。ただし、UDIM情報とは異なり、このLPOS情報では、各サーボバンドに同じ信号が記録されている。
上記のUDIM情報およびLPOS情報とは異なる他の情報を、サーボバンドに埋め込むことも可能である。この場合、埋め込まれる情報は、UDIM情報のようにサーボバンド毎に異なるものであってもよいし、LPOS情報のようにすべてのサーボバンドに共通のものであってもよい。
また、サーボバンドに情報を埋め込む方法としては、上記以外の方法を採用することも可能である。例えば、一対のサーボパターンの群の中から、所定の対を間引くことによって、所定のコードを記録するようにしてもよい。
サーボライトヘッドは、上記一対のサーボパターンに対応した一対のギャップを、サーボバンドの数だけ有する。通常、各一対のギャップには、それぞれコアとコイルが接続されており、コイルに電流パルスを供給することによって、コアに発生した磁界が、一対のギャップに漏れ磁界を生じさせることができる。サーボパターンの形成の際には、サーボライトヘッド上に磁気テープを走行させながら電流パルスを入力することによって、一対のギャップに対応した磁気パターンを磁気テープに転写させて、サーボパターンを形成することができる。 各ギャップの幅は、形成されるサーボパターンの密度に応じて適宜設定することができる。各ギャップの幅は、例えば、1μm以下、1〜10μm、10μm以上等に設定可能である。
磁気テープにサーボパターンを形成する前には、磁気テープに対して、通常、消磁(イレース)処理が施される。このイレース処理は、直流磁石または交流磁石を用いて、磁気テープに一様な磁界を加えることによって行うことができる。イレース処理には、DC(Direct Current)イレースとAC(Alternating Current)イレースとがある。ACイレースは、磁気テープに印加する磁界の方向を反転させながら、その磁界の強度を徐々に下げることによって行われる。一方、DCイレースは、磁気テープに一方向の磁界を加えることによって行われる。DCイレースには、更に2つの方法がある。第一の方法は、磁気テープの長手方向に沿って一方向の磁界を加える、水平DCイレースである。第二の方法は、磁気テープの厚み方向に沿って一方向の磁界を加える、垂直DCイレースである。イレース処理は、磁気テープ全体に対して行ってもよいし、磁気テープのサーボバンド毎に行ってもよい。
形成されるサーボパターンの磁界の向きは、イレースの向きに応じて決まる。例えば、磁気テープに水平DCイレースが施されている場合、サーボパターンの形成は、磁界の向きがイレースの向きと反対になるように行われる。これにより、サーボパターンが読み取られて得られるサーボ信号の出力を、大きくすることができる。なお、特開2012−53940号公報に示されている通り、垂直DCイレースされた磁気テープに、上記ギャップを用いたパターンの転写を行った場合、形成されたサーボパターンが読み取られて得られるサーボ信号は、単極パルス形状となる。一方、水平DCイレースされた磁気テープに、上記ギャップを用いたパターンの転写を行った場合、形成されたサーボパターンが読み取られて得られるサーボ信号は、双極パルス形状となる。
磁気テープは、通常、磁気テープカートリッジに収容され、磁気テープカートリッジが磁気テープ装置に装着される。磁気テープカートリッジでは、一般に、カートリッジ本体内部に磁気テープがリールに巻き取られた状態で収容されている。リールは、カートリッジ本体内部に回転可能に備えられている。磁気テープカートリッジとしては、カートリッジ本体内部にリールを1つ具備する単リール型の磁気テープカートリッジおよびカートリッジ本体内部にリールを2つ具備する双リール型の磁気テープカートリッジが広く用いられている。単リール型の磁気テープカートリッジは、磁気テープへの情報(磁気信号)の記録および/または再生のために磁気テープ装置(ドライブ)に装着されると、磁気テープカートリッジから磁気テープが引き出されてドライブ側のリールに巻き取られる。磁気テープカートリッジから巻き取りリールまでの磁気テープ搬送経路には、磁気ヘッドが配置されている。磁気テープカートリッジ側のリール(供給リール)とドライブ側のリール(巻き取りリール)との間で、磁気テープの送り出しと巻き取りが行われる。この間、磁気ヘッドと磁気テープの磁性層表面とが接触し摺動することにより、磁気信号の記録および/または再生が行われる。これに対し、双リール型の磁気テープカートリッジは、供給リールと巻き取りリールの両リールが、磁気テープカートリッジ内部に具備されている。本発明の一態様にかかる磁気テープは、単リール型および双リール型のいずれの磁気テープカートリッジに収容されてもよい。磁気テープカートリッジの構成は公知である。
以上説明した本発明の一態様にかかる磁気テープは、総厚が5.30μm以下に薄型化された磁気テープであり、磁性層表面粗さRaが1.8nm以下の高い表面平滑性を有し、かつサーボシステムにおいてサーボ信号再生時に信号欠陥の発生を抑制することができる。
[磁気テープ装置]
本発明の一態様は、上記磁気テープと、磁気ヘッドと、サーボヘッドと、を含む磁気テープ装置に関する。
上記磁気テープ装置に搭載される磁気テープの詳細は、先に記載した通りである。かかる磁気テープは、サーボパターンを有する。したがって、磁気ヘッドによりデータバンド上に磁気信号を記録してデータトラックを形成し、および/または、記録された信号を再生する際、サーボヘッドによりサーボパターンを読み取りながら読み取られたサーボパターンに基づきヘッドトラッキングを行うことによって、磁気ヘッドをデータトラックに高精度に追従させることができる。
上記磁気テープ装置に搭載される磁気ヘッドとしては、磁気テープへの磁気信号の記録および/または再生を行うことが可能な公知の磁気ヘッドを用いることができる。記録ヘッドと再生ヘッドは、1つの磁気ヘッドであってもよく分離した磁気ヘッドであってもよい。サーボヘッドとしては、上記磁気テープのタイミングベースサーボパターンを読み取り可能な公知のサーボヘッドを用いることができる。サーボヘッドは、上記磁気テープ装置に少なくとも1つ含まれ、2つ以上含まれてもよい。また、磁気信号を記録するための素子および/または再生するための素子を含む磁気ヘッドに、サーボパターン読み取り素子が含まれていてもよい。即ち、磁気ヘッドとサーボヘッドとが単一のヘッドであってもよい。
タイミングベースサーボ方式のヘッドトラッキングサーボの詳細については、例えば、米国特許第5689384号、米国特許第6542325号、および米国特許第7876521号に記載の技術をはじめとする公知技術を適用することができる。また、振幅ベースサーボ方式のヘッドトラッキングサーボの詳細については、例えば、米国特許第5426543号および米国特許第5898533号をはじめとする公知技術を適用することができる。
市販の磁気テープ装置には、通常、規格に応じた磁気ヘッドおよびサーボヘッドが備えられている。また、市販の磁気テープ装置には、通常、規格に応じたサーボシステムにおけるヘッドトラッキングを可能にするためのサーボ制御機構が備えられている。本発明の一態様にかかる磁気テープ装置は、例えば、市販の磁気テープ装置に本発明の一態様にかかる磁気テープを組み込むことにより構成することができる。
以下に、本発明を実施例に基づき説明する。ただし本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。特記しない限り、以下に記載の「部」および「%」は質量基準である。
以下に記載の「結合剤A」は、SONa基含有ポリウレタン樹脂(重量平均分子量:70,000、SONa基:0.20meq/g)である。
以下に記載の「結合剤B」は、カネカ社製塩化ビニル共重合体(商品名:MR110、SOK基含有塩化ビニル共重合体、SOK基:0.07meq/g)である。
[磁気テープの作製]
<実施例1>
(1)アルミナ分散物の調製
アルファ化率約65%、BET(Brunauer−Emmett−Teller)比表面積20m/gのアルミナ粉末(住友化学社製HIT−80)100.0部に対し、2,3−ジヒドロキシナフタレン(東京化成社製)を3.0部、SONa基含有ポリエステルポリウレタン樹脂(東洋紡社製UR−4800(SONa基:0.08meq/g))の32%溶液(溶媒はメチルエチルケトンとトルエンの混合溶媒)を31.3部、溶媒としてメチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1(質量比)の混合溶媒570.0部を混合し、ジルコニアビーズの存在下で、ペイントシェーカーにより5時間分散させた。分散後、メッシュにより分散液とビーズとを分け、アルミナ分散物を得た。
(2)磁性層形成用組成物処方
(磁性液)
強磁性粉末 100.0部
平均粒子サイズ(平均板径)21nmの強磁性六方晶バリウムフェライト粉末
結合剤(表1参照) 表1参照
シクロヘキサノン 150.0部
メチルエチルケトン 150.0部
(研磨剤液)
上記(1)で調製したアルミナ分散物 6.0部
(シリカゾル(突起形成剤液))
コロイダルシリカ(平均粒子サイズ:120nm) 2.0部
メチルエチルケトン 1.4部
(その他成分)
ステアリン酸 2.0部
ステアリン酸アミド 0.2部
ブチルステアレート 2.0部
ポリイソシアネート(東ソー社製コロネート(登録商標)) 2.5部
(仕上げ添加溶媒)
シクロヘキサノン 200.0部
メチルエチルケトン 200.0部
(3)非磁性層形成用組成物処方
非磁性無機粉末:α−酸化鉄 100.0部
平均粒子サイズ(平均長軸長):0.15μm
平均針状比:7
BET比表面積:52m/g
カーボンブラック 20.0部
平均粒子サイズ:20nm
結合剤A 18.0部
ステアリン酸 2.0部
ステアリン酸アミド 0.2部
ブチルステアレート 2.0部
シクロヘキサノン 300.0部
メチルエチルケトン 300.0部
(4)バックコート層形成用組成物処方
非磁性無機粉末:α−酸化鉄 80.0部
平均粒子サイズ(平均長軸長):0.15μm
平均針状比:7
BET比表面積:52m/g
カーボンブラック 20.0部
平均粒子サイズ:20nm
塩化ビニル共重合体 13.0部
スルホン酸塩基含有ポリウレタン樹脂 6.0部
フェニルホスホン酸 3.0部
メチルエチルケトン 155.0部
ポリイソシアネート 5.0部
シクロヘキサノン 355.0部
(5)各層形成用組成物の調製
磁性層形成用組成物を、以下の方法により調製した。
上記磁性液を、各成分をバッチ式縦型サンドミルを用いて24時間分散(ビーズ分散)することにより調製した。分散ビーズとしては、ビーズ径0.5mmのジルコニアビーズを使用した。
上記サンドミルを用いて、調製した磁性液、上記研磨剤液、ならびに他の成分(シリカゾル、その他成分および仕上げ添加溶媒)を混合し5分間ビーズ分散した後、バッチ型超音波装置(20kHz、300W)で0.5分間処理(超音波分散)を行った。その後、0.5μmの孔径を有するフィルタを用いてろ過を行い磁性層形成用組成物を調製した。
非磁性層形成用組成物を、以下の方法により調製した。
潤滑剤(ステアリン酸、ステアリン酸アミドおよびブチルステアレート)、シクロヘキサノンおよびメチルエチルケトンを除いた各成分を、バッチ式縦型サンドミルを用いて24時間分散して分散液を得た。分散ビーズとしては、ビーズ径0.5mmのジルコニアビーズを使用した。その後、得られた分散液に残りの成分を添加し、ディゾルバーで攪拌した。こうして得られた分散液を0.5μmの孔径を有するフィルタを用いてろ過し非磁性層形成用組成物を調製した。
バックコート層形成用組成物を、以下の方法により調製した。
ポリイソシアネートおよびシクロヘキサノンを除いた各成分をオープンニーダにより混練および希釈した後、横型ビーズミル分散機により、ビーズ径1mmのジルコニアビーズを用い、ビーズ充填率80体積%およびローター先端周速10m/秒で、1パス滞留時間を2分とし、12パスの分散処理を行った。その後、得られた分散液に残りの成分を添加し、ディゾルバーで攪拌した。こうして得られた分散液を1μmの孔径を有するフィルタを用いてろ過しバックコート層形成用組成物を調製した。
(6)磁気テープの作製方法
表1に示す厚みのポリエチレンナフタレート製支持体の表面上に、乾燥後の厚みが表1に示す厚みになるように上記(5)で調製した非磁性層形成用組成物を塗布および乾燥させて非磁性層を形成した。
次いで、交流磁場印加用の磁石を配置した塗布装置において、非磁性層の表面上に乾燥後の厚みが表1に示す厚みになるように上記(5)で調製した磁性層形成用組成物を、交流磁場(磁場強度:0.15T)を印加しながら塗布して塗布層を形成した。交流磁場の印加は、塗布層の表面に対して垂直に交流磁場が印加されるように行った。その後、磁性層形成用組成物の塗布層が湿潤(未乾燥)状態にあるうちに、磁場強度0.30Tの直流磁場を塗布層の表面に対し垂直方向に印加して垂直配向処理を行った。その後、乾燥させて磁性層を形成した。
その後、上記ポリエチレンナフタレート製支持体の非磁性層および磁性層を形成した表面とは反対側の表面上に、乾燥後の厚みが表1に示す厚みになるように上記(5)で調製したバックコート層形成用組成物を塗布および乾燥させてバックコート層を形成した。
こうして得られた磁気テープを1/2インチ(0.0127メートル)幅にスリットした後、磁性層形成用組成物の塗布層表面のバーニッシュ処理およびワイピング処理を行った。バーニッシュ処理およびワイピング処理は、特開平6−52544号公報の図1に記載の構成の処理装置において、研磨テープとして市販の研磨テープ(富士フイルム社製商品名MA22000、研磨剤:ダイヤモンド/Cr/ベンガラ)を使用し、研削用ブレードとして市販のサファイヤブレード(京セラ社製、幅5mm、長さ35mm、先端角度60度)を使用し、ワイピング材として市販のワイピング材(クラレ社製商品名WRP736)を使用して行った。処理条件は、特開平6−52544号公報の実施例12における処理条件を採用した。
上記バーニッシュ処理およびワイピング処理後、金属ロールのみから構成されるカレンダロールで、速度80m/分、線圧300kg/cm(294kN/m)、表1に示すカレンダ温度(カレンダロールの表面温度)にてカレンダ処理(表面平滑化処理)を行った。
その後、雰囲気温度70℃の環境で36時間加熱処理(硬化処理)を行った後、市販のサーボライターによって磁性層にサーボパターン(タイミングベースサーボパターン)を形成した。
以上により、実施例1の磁気テープを得た。
<実施例2〜6、比較例1〜8、参考例1〜4>
表1に示すように各種条件を変更した点以外、実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
表1中、塗布中の交流磁場印加の欄およびバーニッシュ処理の欄に「あり」と記載されている実施例2〜6では、実施例1と同様の方法により磁性層形成用組成物の塗布工程以降の工程を実施した。即ち、実施例1と同じく磁性層形成用組成物の塗布中に交流磁場の印加を行い、かつ磁性層形成用組成物の塗布層に対してバーニッシュ処理およびワイピング処理を行った。
これに対し、バーニッシュ処理の欄に「なし」と記載されている比較例7では、磁性層形成用組成物の塗布層に対してバーニッシュ処理およびワイピング処理を行わなかった点以外、実施例1と同様の方法により磁性層形成用組成物の塗布工程以降の工程を実施した。
塗布中の交流磁場印加の欄に「なし」と記載されている比較例8では、交流磁場の印加を行わない点以外は実施例1と同様の方法により磁性層形成用組成物の塗布工程以降の工程を実施した。
塗布中の交流磁場印加の欄およびバーニッシュ処理の欄に「なし」と記載されている比較例1〜6および参考例1〜4では、交流磁場の印加を行わず、かつ磁性層形成用組成物の塗布層に対してバーニッシュ処理およびワイピング処理を行わなかった点以外、実施例1と同様の方法により磁性層形成用組成物の塗布工程以降の工程を実施した。
実施例、比較例および参考例の各磁気テープの各層厚みおよび非磁性支持体の厚みを以下の方法により求め、表1に記載の厚みであることを確認した。
磁気テープの厚み方向の断面を、イオンビームにより露出させた後、露出した断面において走査型電子顕微鏡によって断面観察を行った。断面観察において無作為に抽出した2箇所において求められた厚みの算術平均として、各種厚みを求めた。
[磁気テープの評価]
(1)磁性層の表面ゼータ電位の等電点
実施例、比較例および参考例の各磁気テープから等電点測定用のサンプルを6つ切り出し、1回の測定において2つのサンプルを測定セル内に配置した。測定セル内では、測定セルの上下のサンプル台(それぞれサンプル設置面のサイズは1cm×2cm)に両面テープでサンプル設置面とサンプルのバックコート層表面とを貼り合わせた。これにより、測定セル内に電解液を流すと、サンプルの磁性層表面が電解液と接触するため、磁性層の表面ゼータ電位を測定することができる。各測定においてサンプルを2つ用いて、合計3回測定を行い、磁性層の表面ゼータ電位の等電点を求めた。得られた3つの値の算術平均を、各磁気テープの磁性層の表面ゼータ電位の等電点として、表1に示す。表面ゼータ電位測定装置としては、Anton Paar社製SurPASSを使用した。測定条件は、以下の通りとした。等電点を求める方法のその他詳細は、先に記載した通りである。
測定セル:可変ギャップセル (20mm×10mm)
測定モード:Streaming Current
ギャップ:約200μm
測定温度:室温
Ramp Target Pressure/Time:400000Pa(400mbar)/60秒
電解液:1mmol/LのKCl水溶液(pH9に調整)
pH調整液:0.1mol/LのHCl水溶液または0.1mol/LのKOH水溶液
測定pH:pH9→pH3(約0.5刻みで合計13測定点で測定)
(2)磁性層の表面において測定される中心線平均表面粗さRa
原子間力顕微鏡(AFM、Veeco社製Nanoscope4)をタッピングモードで用いて、磁気テープの磁性層表面において測定面積40μm×40μmの範囲を測定し、中心線平均表面粗さRaを求めた。探針としてはBRUKER社製RTESP−300を使用し、スキャン速度(探針移動速度)は40μm/秒、分解能は512pixel×512pixelとした。
(3)サーボ信号再生時の信号欠陥(サーマルアスペリティ)発生頻度
上記サーボパターンが形成された磁気テープをサーボ試験機に取り付けた。このサーボ試験機において上記磁気テープを走行させ、走行している磁気テープの磁性層表面とMR素子を搭載したサーボヘッドとを接触させ摺動させることにより、上記サーボヘッドによってサーボパターンの読み取り(サーボ信号の再生)を行った。再生によって得られたサーボ信号の再生波形の中で、正常なバースト信号ではなく、かつノイズレベルの出力の平均値を100%として200%以上の出力を示している部分をサーマルアスペリティと判定して、サーマルアスペリティの発生回数をカウントした。カウントされたサーマルアスペリティの発生回数を、磁気テープ全長で除した値(回数/m)を、サーマルアスペリティ発生頻度とした。
以上の結果を、表1(表1−1〜表1−4)に示す。
参考例1〜4と比較例1〜8との対比により、磁気テープ総厚が5.30μm超の場合(参考例1および2)、ならびに磁性層表面粗さRaが1.8nm超の場合(参考例3および4)と比べ、磁気テープ総厚が5.30μm以下であり、かつ磁性層表面粗さRaが1.8nm以下の場合には、サーボ信号再生時に信号欠陥の発生頻度が顕著に増加することが確認された(比較例1〜6)。
これに対し実施例1〜6の磁気テープは、総厚が5.30μm以下であり、かつ磁性層表面粗さRaが1.8nm以下であるものの、比較例1〜8の磁気テープと比べてサーボ信号再生時に信号欠陥の発生頻度が大きく低減された。
本発明の一態様は、高密度記録用磁気テープの技術分野において有用である。

Claims (9)

  1. 非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気テープであって、
    磁気テープ総厚は5.30μm以下であり、
    前記磁性層はサーボパターンを有し、
    前記磁性層の表面において測定される中心線平均表面粗さRaは、1.8nm以下であり、かつ
    前記磁性層の表面ゼータ電位の等電点は、5.5以上である、磁気テープ。
  2. 前記等電点は5.5以上7.0以下である、請求項1に記載の磁気テープ。
  3. 前記結合剤は、酸性基を含む結合剤である、請求項1または2に記載の磁気テープ。
  4. 前記酸性基は、スルホン酸基およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の酸性基を含む、請求項3に記載の磁気テープ。
  5. 前記磁性層の表面において測定される中心線平均表面粗さRaは、1.2nm以上1.8nm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気テープ。
  6. 磁気テープ総厚は3.00μm以上5.30μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気テープ。
  7. 前記非磁性支持体と前記磁性層との間に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気テープ。
  8. 前記非磁性支持体の前記磁性層を有する表面側とは反対の表面側に、非磁性粉末および結合剤を含むバックコート層を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気テープ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気テープと、磁気ヘッドと、サーボヘッドと、を含む磁気テープ装置。
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