JP2011227974A - 窒化鉄系磁性粉末、及びそれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Fe16N2相を主相とする窒化鉄を含有するコア部と、酸化鉄を含有する外層部とを有する粒状ないし楕円体状の窒化鉄系磁性粉末であって、前記酸化鉄を含有する外層部の厚みdが0.2〜5nm、前記酸化物が少なくともγ−Fe2O3とα−Fe2O3から構成されており、α−Fe2O3/γ−Fe2O3の比が0.1〜10%であることを特徴とする窒化鉄系磁性粉末(請求項1)、及び非磁性支持体と、前記非磁性支持体上に、少なくとも請求項1に記載の窒化鉄系磁性粉末及び結合剤を含有する磁性層とを有する磁気記録媒体(請求項2)は、GMRヘッド等の高感度ヘッドを有する磁気記録再生システムに適用した場合でも、高いSN比と優れた耐候性を両立する。
【選択図】図1
Description
こうして形成した酸化防止層の更に外側に、分散性向上の目的で有機物の被着処理を行っても良い。
[窒化鉄系磁性粉末の製造]
マグネタイト粉末10部を出発原料として、500部の水に超音波分散機を用いて30分間分散させた。分散液の温度を30℃に維持しながら、分散液に硝酸イットリウム及びアルミン酸ナトリウムを分散させた溶液を添加速度0.08g/hr・1gで添加し、さらにpH7〜8になるように水酸化ナトリウム水溶液を添加して、粉末表面にイットリウムの水酸化物とアルミニウムの水酸化物とを被着させた。このとき最終の磁性粉末において、Al/Fe及びY/Feの比率がそれぞれ20原子%及び2原子%になる当量分添加した。その後分散液を水洗、ろ過し、ろ過物を空気中110℃で乾燥して、イットリウムとアルミニウム被着マグネタイト粉末を得た。
窒化鉄系磁性粉末50個を高分解能分析透過電子顕微鏡により観察して、平均粒径を求めた。測定条件は、倍率10万倍、電子線加速電圧200kVとした。なお、粉末およびコア部が楕円体状などの異方性の形状を有する場合、それぞれの最長径を粒径とした。
窒化鉄系磁性粉末の単色光を用いたX線回折パターンを測定し、結晶相の主相を確認した。コア部の粒子径dnは、Fe16N2の(422)面からの回折ピークの半値幅を用いて、シェーラーの方法より算出した。
d=(平均粒子径−dn)/2
α−Fe2O3/γ−Fe2O3比率算出はメスバウアー分光を用いて行った。測定温度は77Kで、得られたスペクトルの内部磁界による−41.1MA/mのシフト分から、反強磁性オーダー成分をα−Fe2O3、フェリ磁性オーダー成分をγ−Fe2O3としてフィッティングを行い、相対強度からα−Fe2O3/γ−Fe2O3比率を算出した。
窒化鉄系磁性粉末の保磁力及び飽和磁化量σs(emu/g)を振動試料型磁力計(VSM)で測定した。測定条件は、最大印加磁場を2,030kA/m、磁場掃引速度を80kA/m/分とした。また60℃90%RHに1週間上記磁性粉を保存したのちの飽和磁化量σs’から、耐食性の指標としてΔσsを以下の式で算出した。
Δσs(%)=(σs−σs’)/σs
(磁性塗料の調製)
上記で製造した各窒化鉄系磁性粉末を用い、下記の表2に示す組成を有する磁性塗料成分(1)をニーダで混練した後、混練物をサンドミルを用いて分散処理を行い(滞留時間:60分)、得られた分散液に下記表3に示す組成を有する磁性塗料成分(2)を加え、撹拌し、ろ過して磁性塗料を調製した。
上記で製造した窒化鉄系磁性粉末 100部
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルメタクリレート共重合樹脂 12部
(含有−SO3Na基:0.7×10−4当量/g)
ポリエステルポリウレタン樹脂 7部
(含有−SO3Na基:1.0×10−4当量/g)
α−アルミナ(平均粒径:80nm) 10部
カーボンブラック(平均粒径:25nm) 1.5部
ミリスチン酸 1.5部
メチルエチルケトン 133部
トルエン 100部
ステアリン酸 1.5部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製の「コロネートL」)
5部
メチルエチルケトン 133部
トルエン 33部
下記表4の下塗り層塗料成分をニーダで混練した後、混練物をサンドミル(滞留時間:60分)で分散し、得られた分散液にポリイソシアネート6部を加え、撹拌し、ろ過して、下塗り層塗料を調製した。
酸化鉄粉末(平均粒径:55nm) 70部
α−アルミナ(平均粒径:80nm) 10部
カーボンブラック(平均粒径:25nm) 20部
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルメタクリレート共重合樹脂 10部
(含有−SO3Na基:0.7×10−4当量/g)
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
(含有−SO3Na基:1.0×10−4当量/g)
メチルエチルケトン 130部
トルエン 80部
シクロヘキサノン 65部
ミリスチン酸 1部
ステアリン酸ブチル 1.5部
下記表5のバックコート層塗料成分を、サンドミルで分散処理(滞留時間:45分)を行い、得られた分散液にポリイソシアネート8.5部を加え、撹拌し、ろ過して、バックコート層塗料を調製した。
カーボンブラック(平均粒径:25nm) 40.5部
カーボンブラック(平均粒径:370nm) 0.5部
硫酸バリウム 4部
ニトロセルロース 28部
ポリウレタン樹脂(−SO3Na基含有) 20部
メチルエチルケトン 100部
トルエン 100部
シクロヘキサノン 100部
まず、上記の下塗り層塗料を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの非磁性支持体上に、乾燥及びカレンダ処理後の厚さが1μmとなるように塗布して下塗り塗料膜を形成し、この下塗り塗料膜上に、さらに、乾燥及びカレンダ処理後の厚さが80nmとなるように上記の磁性塗料を塗布し、長手方向に配向処理を行いながら、乾燥し、下塗り層及び磁性層を形成した。
徐酸化時の水分付着量を2.5%に変更した以外は実施例1と同様にして磁性粉末、磁気テープを作成した。
徐酸化時の水分付着量を0.5%に変更した以外は実施例1と同様にして磁性粉末、磁気テープを作成した。
徐酸化時間を80分に変更した以外は実施例1と同様にして磁性粉末、磁気テープを作成した。
アルミニウムの添加量をAl/Feで11原子%に変更した以外は実施例4と同様にして磁性粉末、磁気テープを作成した。
アルミニウムの添加量をAl/Feで24原子%に変更した以外は実施例1と同様にして磁性粉末、磁気テープを作成した。
徐酸化時間を100分に変更した以外は実施例1と同様にして磁性粉末、磁気テープを作成した。
徐酸化時間を100分に変更した以外は実施例5と同様にして磁性粉末、磁気テープを作成した。
作成した窒化鉄系強磁性粉末に徐酸化処理をしなかったこと以外は実施例1と同様にして磁性粉末を作成した。このとき作成された磁性粉末は活性が強く取り扱いが困難で、評価/磁気テープ作成が出来なかった。
徐酸化時の水分付着量を5%に変更した以外は実施例4と同様にして磁性粉末、磁気テープを作成した。
徐酸化時の水分を付着させなかったこと以外は実施例4と同様にして磁性粉末、磁気テープを作成した。
電磁変換特性の評価には、記録ヘッドとしてMIG(Metal−In−Gap)ヘッド(トラック幅:12μm,ギャップ長:0.15μm,Bs:1.2T)と、再生ヘッドとしてスピンバルブタイプのGMRヘッド(トラック幅:2.5μm,SH−SH幅:0.15μm)とが装着されたドラムテスターを用いた。このドラムテスターの回転ドラムにバルク消磁機によりAC消磁した磁気テープを巻きつけ、3.0m/sの相対速度で磁気テープを走行させながら、スペクトルアナライザを使用して帯域0.05〜20MHzのブロードバンドSNRを測定した。なお比較例2のSNRを0.0dBとした相対値で評価した。
これに対して、比較例1および2では酸化時間が長いため酸化防止層が厚くなり、磁気テープのSNRが極端に劣化する。比較例3の磁性粉末は耐食性が極端に悪く、すぐに酸化してしまって磁気テープ作製に至れない。比較例4では酸化防止層中のα−Fe2O3/γ−Fe2O3比が0%になってしまって、耐食性が悪く実用に供することは出来ない。比較例5では酸化防止層中のα−Fe2O3/γ−Fe2O3比が11%になってしまって、耐食性が悪く実用に供することは出来ない。
Claims (2)
- Fe16N2相を主相とする窒化鉄を含有するコア部と、該コア部の外側に酸化鉄を含有する酸化防止層とを有する粒状ないし楕円体状の窒化鉄系磁性粉末であって、
前記酸化鉄を含有する酸化防止層の厚みdが0.2〜5nm、
前記酸化物が少なくともγ−Fe2O3とα−Fe2O3から構成されており、
前記γ−Fe2O3とα−Fe2O3の比α−Fe2O3/γ−Fe2O3が0.1〜10%であることを特徴とする窒化鉄系磁性粉末。 - 非磁性支持体と、前記非磁性支持体上に、少なくとも請求項1に記載の窒化鉄系磁性粉末及び結合剤を含有する磁性層とを有する磁気記録媒体。
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