JP2001232344A - 汚染土壌中に砂層を形成する方法及び汚染土壌の処理方法 - Google Patents

汚染土壌中に砂層を形成する方法及び汚染土壌の処理方法

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Masanori Hashimoto
正憲 橋本
Kenichi Yabunaka
健一 薮中
Takeshi Nishimura
岳史 西村
Hiroshi Matsutani
浩 松谷
Yoshihiko Suzuki
義彦 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホウ酸ナトリウムを用いることなく安全性の
高い薬剤を用いた砂混合スラリーにより、汚染土壌に空
隙率が高く透水性の高い砂層を形成する。形成した砂層
を通して汚染土壌を原位置にて浄化する。 【解決手段】 汚染土壌に水と砂を含むスラリーを注入
して、該汚染土壌中に砂層を形成する方法において、ア
ルミニウム塩、鉄塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩
よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の水溶性金属
塩化合物と、多糖類と、砂と、水とを含む砂混合スラリ
ーを用いる。このようにして形成した砂層を通じて酸化
剤溶液を注入することにより汚染土壌を処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機化合物、特に
有機塩素化合物等の有機ハロゲン化合物で汚染された土
壌を原位置で浄化するために、汚染土壌中に透水性の高
い砂層を形成する方法と、このような砂層を形成して汚
染土壌を原位置で浄化する汚染土壌の処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機ハロゲン化合物などで汚染された土
壌を原位置で浄化する方法として、汚染土壌に圧縮空気
又は高圧水を注入して土壌中に空隙(割れ目,frac
ture)を形成し、ここに蒸気、有機ハロゲン化合物
を分解する薬剤、或いは、有機ハロゲン化合物を分解す
る微生物又はその栄養分又は分解酵素(以下、これらを
「分解薬剤等」と称す場合がある。)を注入する方法
(フラクチュアリング)が知られている。
【0003】即ち、汚染土壌に有機ハロゲン化合物の分
解薬剤等を注入して汚染土壌を原位置で浄化しようとし
ても、汚染土壌が粘土質やシルト質等の透水性の低い土
壌の場合、汚染土壌中の汚染物質と分解薬剤等を十分に
接触させることが困難である。しかし、このような透水
性の低い土壌内に、上記フラクチュアリングを行って空
隙を形成することにより、実質上分解薬剤等の注入点を
多数設けたことと同じ効果が得られ、多数の注入孔を設
けることなく広い範囲にわたって分解薬剤等を低透水性
土壌中に円滑に注入することが可能となり、効率良く汚
染土壌を分解ないし除去することが可能となる。
【0004】また、このようなフラクチュアリングに当
たり、圧縮空気や高圧水の替わりに、グアーガム水溶液
にホウ酸ナトリウム、グアーガムを分解する酵素及び砂
を混合したスラリーを土壌中に注入して土壌中に砂層を
形成し、酵素によってグアーガムが分解した後、上記薬
剤等を注入する方法も知られている。
【0005】即ち、前述の分解薬剤等を汚染土壌に注入
する場合、分解薬剤等を断続的に注入することは、分解
薬剤等の使用量を低減した上で効率的な処理を行えると
いう利点があるが、フラクチュアリングに当たり、圧縮
空気や高圧水を注入する方法では、圧縮空気又は高圧水
或いはその後の分解薬剤等の注入を停止すると、汚染土
壌中に形成された空隙が消滅してしまう。これに対し
て、砂混合スラリーを注入する方法であれば、空隙率が
高く、透水性の高い砂層が形成されるため、砂混合スラ
リーやその後の分解薬剤等の注入を停止しても空隙が消
滅することはなく、従って分解薬剤等を断続的に注入す
ることが可能である。しかも砂層は連続して形成されて
いるので、砂層の上下に存在する汚染物質と分解薬剤等
とは極めて効率良く接触できるようになるため、効率良
く汚染土壌を処理することが可能となる。
【0006】USP5,032,042には、このよう
な砂混合スラリーを利用して、汚染土壌中に高圧水を注
入した後、上述のような砂混合スラリーを注入して砂層
を形成し、この砂層を通して生物学的ないし化学的に土
壌を処理する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の砂混合スラリー
を用いるフラクチュアリングにおいて、ホウ酸ナトリウ
ムはグアーガム水溶液をゲル化させて混合した砂が沈降
分離するのを防止するために、また、土壌中に砂混合ス
ラリーを注入した時、砂と水とが分離することなく砂を
空隙全体に行き渡らせるために使用されているが、ホウ
酸ナトリウムは有害で、地下水環境基準項目の一つであ
ることから、ホウ酸ナトリウムに替わる安全性の高いゲ
ル化薬剤の開発が望まれている。
【0008】本発明は上記従来の実情に鑑みてなされた
ものであって、ホウ酸ナトリウムを用いることなく、安
全性の高い薬剤を用いた砂混合スラリーにより、汚染土
壌に空隙率が高く透水性の高い砂層を形成する方法と、
この方法により形成した砂層を通して汚染土壌を原位置
にて浄化する汚染土壌の処理方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の汚染土壌中に砂
層を形成する方法は、汚染土壌に水と砂を含むスラリー
を注入して、該汚染土壌中に砂層を形成する方法におい
て、前記スラリーは、アルミニウム塩、鉄塩、マグネシ
ウム塩及びカルシウム塩よりなる群から選ばれる1種又
は2種以上の水溶性金属塩化合物と、多糖類と、砂と、
水とを含む混合物であることを特徴とする。
【0010】本発明の汚染土壌の処理方法は、この方法
で汚染土壌中に砂層を形成し、次いでその砂層を通じて
酸化剤溶液を注入することにより該汚染土壌を処理する
ことを特徴とする。
【0011】上記水溶性金属塩化合物であれば、その水
酸化物と多糖類の水酸基との相互作用により、多糖類水
溶液をゲル状の高粘稠液体とすることができる。このた
め、有害なホウ酸ナトリウムが不要となり、安全性の高
い砂混合スラリーを用いて、空隙率が高く透水性の高い
砂層を形成することができる。
【0012】本発明の汚染土壌中に砂層を形成する方法
において、スラリーの注入に先立って高圧水を注入して
汚染土壌中に隙間を形成しておくことにより、より一層
効率的に砂層を形成することができる。また、多糖類と
してはグアーガムが好ましく、また砂混合スラリー中に
は多糖類の分解酵素を混合し、土壌への注入後、酵素に
より多糖類を分解させることが望ましい。
【0013】また、本発明の汚染土壌の処理方法におい
て、酸化剤としては過マンガン酸塩が好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0015】まず、本発明で用いる砂混合スラリーにつ
いて説明する。
【0016】本発明に係る砂混合スラリーは、アルミニ
ウム塩、鉄塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩よりな
る群から選ばれる1種又は2種以上の水溶性金属塩化合
物と、多糖類と、砂と、水とを含む混合物である。
【0017】水溶性金属塩化合物のうち、アルミニウム
塩としては、ミョウバン、硫酸アルミニウム、ポリ塩化
アルミニウム等を用いることができ、鉄塩としては硫酸
第一鉄等の第一鉄塩や塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄等の
第二鉄塩を用いることができる。また、マグネシウム塩
としては塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等を用い
ることができ、カルシウム塩としては塩化カルシウム、
重炭酸カルシウム等を用いることができる。
【0018】また、多糖類としては、グアーガム、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スター
チ、グルコマンナン、ヒドロキシエチルセルロース等の
多糖類或いはその誘導体を用いることができるが、高粘
稠スラリーとすることができ、しかも安価であることか
らグアーガムが好適である。
【0019】砂としては特に制限はないが、注入効率の
点からは、10メッシュ篩(目開き1.7mm)通過〜
200メッシュ篩(目開き0.075mm)不通過の範
囲のものが好ましい。
【0020】前記水溶性金属塩化合物の添加率は、多糖
類の水酸基1当量に対して0.03〜1.5当量、特に
0.15〜1.0当量であることが好ましい。水溶性金
属塩化合物の添加率がこの範囲よりも少ないとゲル化に
より十分に高粘稠の砂混合スラリーとすることができ
ず、この範囲よりも多いと砂混合スラリーの砂の分離が
速くなる。なお、水溶性金属塩化合物としては、前述の
化合物の2種以上を用いることもでき、複数種類の水溶
性金属塩化合物を用いる場合は、合計の添加率が上記範
囲内となるようにするのが好ましい。
【0021】なお、本発明において、水溶性金属塩化合
物は、その水酸化物を形成するpHに調整することによ
り、形成された水酸化物と多糖類の水酸基との相互作用
により砂混合スラリーをゲル状の高粘稠スラリーとする
ことができる。従って、本発明においては、水溶性金属
塩化合物から水酸化物が形成されるpHに調整するため
に、必要に応じてpH調整剤を添加する。この水酸化物
を形成するpH範囲は水溶性金属塩化合物の種類によっ
て異なり、例えば、アルミニウム塩であれば、pH4〜
9、好ましくはpH5〜8であり、鉄(II)塩であれば
pH9以上、鉄(III)塩であればpH4以上、マグネ
シウム塩であればpH8〜11、カルシウム塩であれば
pH11以上である。このpH調整のためのpH調整剤
としては、NaOH、KOH、NaHCO、Na
、CaHCO等を用いることができる。なお、C
aHCOをpH調整剤として用いる場合、CaHCO
はゲル化薬剤であるため、調整するpHによってはそ
の添加量を多糖類に対して、上記範囲内として調整する
必要がある。
【0022】本発明に係る砂混合スラリーは、汚染土壌
への注入後、多糖類が分解して空隙を形成するように、
更に多糖類の分解酵素を含むことが好ましく、この分解
酵素としてはセルラーゼが好適である。このような分解
酵素は過度に多いと多糖類が早期に分解してしまい、逆
に過度に少ないと十分に分解し得ないことから、例え
ば、グアーガムとセルラーゼとの組み合わせの場合、セ
ルラーゼをグアーガムに対して0.1〜10重量%程度
用いるのが好ましい。
【0023】なお、砂混合スラリー中の砂の割合は、注
入時の流動性や注入後の砂層の形成効率等の面から、水
100重量部に対して30〜85重量部とするのが好ま
しい。
【0024】また、砂混合スラリー中の多糖類の濃度は
0.2〜5重量%とするのが好ましい。多糖類の割合が
この範囲よりも少ないとゲル化により高粘稠のスラリー
とすることができず、逆に多いと粘性が高く注入するの
が困難となる。
【0025】このような砂混合スラリーは、必要成分を
水に添加して混合することにより調製することができる
が、好ましくは、多糖類、水溶性金属塩化合物、pH調
整剤及び分解酵素の一部を粉末のまま、或いは水溶液と
して砂の一部又は全部と混合し、この混合物に上記成分
の残部を含む水溶液を添加混合する方法が簡便である。
【0026】本発明の汚染土壌中に砂層を形成する方法
では、このような砂混合スラリーを、通常のフラクチュ
アリング技術に従って汚染土壌中に注入することによ
り、汚染土壌中に空隙率が高く、透水性の高い砂層を形
成することができる。しかして、形成された砂層に ・有機ハロゲン化合物等の汚染物質を気化させるための
蒸気 ・有機ハロゲン化合物等の汚染物質を酸化分解するため
の酸化剤 ・有機ハロゲン化合物等の汚染物質を還元分解するため
の還元剤、 ・有機ハロゲン化合物等の汚染物質をレドックス反応に
より分解するための酸化剤及び還元剤 ・有機ハロゲン化合物等の汚染物質を分解する微生物、
或いはその栄養分、或いは分解酵素 ・有機ハロゲン化合物等の汚染物質を分解するその他の
薬剤 ・有機ハロゲン化合物等の汚染物質を還元、吸着して除
去するための鉄粉 等を連続的又は断続的に注入することにより、短時間で
効率的に汚染土壌を浄化することができる。
【0027】なお、本発明の汚染土壌中に砂層を形成す
る方法においては、砂混合スラリーを汚染土壌に注入し
て砂層を形成するに先立ち、圧縮空気又は高圧水、好ま
しくは高圧水を汚染土壌に注入して予め汚染土壌中に空
隙を形成しても良く、これにより、より一層空隙率が高
く透水性に優れた砂層を効率的に形成することが可能と
なる。
【0028】本発明の汚染土壌の処理方法は、このよう
にして形成した砂層を通じて酸化剤溶液を注入して汚染
土壌中の有機ハロゲン化合物等の汚染物質を酸化分解し
て浄化する方法である。
【0029】ここで、使用できる酸化剤溶液としては過
酸化水素、過マンガン酸塩水溶液、過硫酸塩水溶液、オ
ゾン水等が挙げられるが、有機ハロゲン化合物等の汚染
物質の分解効果の面からは過マンガン酸カリウム等の過
マンガン酸塩水溶液が好適である。酸化剤として過マン
ガン酸塩を用いた場合には、汚染土壌中のジクロロエチ
レン(DCE)、トリクロロエチレン(TCE)、テト
ラクロロエチレン(PCE)等の脂肪族有機塩素化合物
を土壌中の他の有機物より優先的に酸化することによ
り、これらの物質を二酸化炭素と塩化物イオンにまで効
率的に分解することができる。
【0030】用いる酸化剤溶液の濃度は、汚染土壌の汚
染の程度や用いる酸化剤の種類や汚染土壌中への注入量
によっても異なるが、例えば、過マンガン酸カリウム等
の過マンガン酸塩水溶液を用いる場合、過マンガン酸カ
リウムではその濃度は0.2〜5重量%程度であること
が好ましく、過マンガン酸ナトリウムでは、その濃度は
1〜60重量%程度であることが好ましい。
【0031】本発明の方法は、より具体的には次のよう
にして実施される。
【0032】即ち、まず、汚染土壌に汚染物質が存在す
る深度まで井戸を掘り、この井戸に水の噴射口を有する
ロッドを、汚染のある深度まで挿入し、ロッドを回転さ
せながら高圧水を噴射して土壌に切れ目(隙間)を入れ
る。次に、前述の砂混合スラリーを圧入する。ここで高
圧水の噴射は必ずしも必要とされないが、砂混合スラリ
ーの注入に先立ち、高圧水を噴射して汚染土壌内に切れ
目を入れることで、そこがきっかけとなって砂混合スラ
リーが土壌を押し広げて注入されてゆくようになるた
め、効率的な注入を行える。この砂混合スラリーの注入
圧力は、1〜12kgf/cm程度が適当である。こ
れらの操作により、土質にもよるが注入位置から半径数
メートルに渡って砂層が形成される。そして、この砂層
に酸化剤溶液を注入する。酸化剤は砂層を通じて粘土層
内に浸透し、これまで透水性が低いために酸化剤溶液の
注入が困難であった粘土質又はシルト質土壌に対しても
広い範囲にわたって酸化剤溶液の注入が可能となる。
【0033】このような本発明の方法は、特に、DC
E,TCE,PCE等の有機ハロゲン化合物で汚染され
た土壌の浄化に有効であるが、浄化対象は何らこのよう
な汚染土壌に限定されるものではない。
【0034】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0035】なお、以下において、砂混合スラリーの砂
としては、22メッシュ篩(目開き0.71mm)通
過、30メッシュ篩(目開き0.50mm)不通過のも
のを用いた。
【0036】実施例1〜8、比較例1,2 表1に示す配合及びpHの砂混合スラリーを調製して
(ただし、実施例1〜8においては、スラリーのpH調
整のためにNaOHを添加した。)静置し、60分後の
砂の沈降具合をスラリー全体の砂の体積割合(体積%)
で調べ、結果を表1に示した。この体積割合が大きく1
00%に近い程、砂混合スラリーの粘稠度が高く、砂層
の形成に有効である。
【0037】
【表1】
【0038】表1より、本発明に係る水溶性金属塩化合
物により、グアーガムをゲル化させて高粘稠のスラリー
とすることができることがわかる。
【0039】実施例9 図1に示す場所に、実施例3で調製した砂混合スラリー
を注入して実試験を行った。
【0040】図1は、実施場所の平面図であり、図中の
記号は次のものを示す。
【0041】I:砂混合スラリーの注入井戸(深さ10
m) MW−1,2:地下水のモニタリング井戸(深さ10
m,6〜7mスクリーン設置) E3,E5,E7,E10,S3,WS8.5,W3,
WN8.5,N3,EN7.8:ボーリング地点(深さ
10m,土壌採取) この場所の土壌及び地下水を事前に調査した結果は次の
通りであった。 地下水位=地表から−5m 地下水流向=北西→南東 地下水流速=0.03m/日 粘土層=深さ7〜15m(この上部は砂礫層)
【0042】実施例3の砂混合スラリー2000L(砂
810kg)を、図1の井戸Iの深さ8mの地点から3
kgf/cmの圧力で30分間かけてポンプで注入し
た。
【0043】7日間経過後、KBr(0.01重量%)
水溶液2000kgを注入した後、注入井戸Iを中心に
その周囲10地点をボーリングし土壌(注入した砂の観
察)及び地下水(Br濃度測定)の調査を行った。
【0044】この調査の結果、井戸Iを中心に深さ6.
5〜8m、半径4m程度の範囲にフラクチュアが形成さ
れていると判断された。砂の注入量(810kg=45
0L)とフラクチュアの範囲(4×4×π×1.5=7
5.4m)を比べると、フラクチュアの範囲の方が圧
倒的に大きく、粘土層の弱い部分に砂混合スラリーが注
入され、不均一なフラクチュアが形成されていると考え
られた。
【0045】この結果から、汚染粘土層に本発明に係る
砂混合スラリーを注入すると、粘土層の比較的弱い部
分、即ち有機塩素化合物等の汚染物質が入り込み易いと
考えられる部分に良好な砂フラクチュアを形成させるこ
とが可能であることがわかる。
【0046】次に、10地点のボーリング土壌のうち、
深さ7〜8mの粘土層の土壌を採取し、汚染物質を調査
したところ、トリクロロエチレン(TCE)とシスジク
ロロエチレン(cis−DCE)で汚染されており、そ
れぞれの溶出量値(平均値)は0.52mg/L、0.
87mg/Lであった。
【0047】また、2箇所のモニタリング井戸の地下水
のTCE,cis−DCE濃度(平均値)は、それぞれ
1.24mg/L、1.41mg/Lであった。
【0048】そこで、フラクチュアを形成して10日経
過後から、過マンガン酸カリウム水溶液(3重量%)を
500L/日(4時間/日)で4日間、合計2000L
を注入井戸Iよりポンプで注入した。そして3日後に、
地下水(2箇所のモニタリング井戸)及び7〜8mの粘
土層(事前調査のモニタリング地点の近くで10地点を
ボーリング調査)を調査したところ、地下水のTCE,
cis−DCE濃度(平均値)はそれぞれ0.009m
g/L、0.011mg/Lに低減していた。また、粘
土層土壌からのTCE,cis−DCE溶出量値(平均
値)はそれぞれ0.012mg/L、0.026mg/
Lに低減していた。
【0049】この結果から、本発明に従って砂フラクチ
ュアを形成した後酸化剤溶液を注入することにより、汚
染土壌を効果的に浄化することができることがわかる。
【0050】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の汚染土壌中
に砂層を形成する方法によれば、ホウ酸ナトリウムを用
いることなく、安全性の高い薬剤を用いた砂混合スラリ
ーにより、汚染土壌に空隙率が高く透水性の高い砂層を
形成することができる。
【0051】また、本発明の汚染土壌の処理方法によれ
ば、このようにして形成された砂層を通して汚染土壌を
原位置にて効果的に浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例9の試験現場を示す平面図である。
【符号の説明】
I 砂混合スラリーの注入井戸 MW−1,2 地下水のモニタリング井戸 E3,E5,E7,E10,S3,WS8.5,W3,
WN8.5,N3,EN7.8 ボーリング地点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 岳史 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 (72)発明者 松谷 浩 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 (72)発明者 鈴木 義彦 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 2D040 AB01 AC00 AC04 BA01 CA09 CA10 CB03 CC05 4D004 AA41 AB06 AC07 CA20 CA35 CA36 CA37 CC02 CC03 CC07 CC11 CC12 CC15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚染土壌に水と砂を含むスラリーを注入
    して、該汚染土壌中に砂層を形成する方法において、 前記スラリーは、 アルミニウム塩、鉄塩、マグネシウム塩及びカルシウム
    塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の水溶性金
    属塩化合物と、 多糖類と、 砂と、 水と を含む混合物であることを特徴とする汚染土壌中に砂層
    を形成する方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記スラリーの注入
    に先立って、汚染土壌に高圧水を注入して汚染土壌中に
    隙間を形成することを特徴とする汚染土壌中に砂層を形
    成する方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記多糖類が
    グアーガムであることを特徴とする汚染土壌中に砂層を
    形成する方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、前記スラリーは、前記多糖類の分解酵素を含むこと
    を特徴とする汚染土壌中に砂層を形成する方法。
  5. 【請求項5】 汚染土壌に水と砂を含むスラリーを注入
    して、該汚染土壌中に砂層を形成し、次いでその砂層を
    通じて酸化剤溶液を注入することにより該汚染土壌を処
    理する方法において、 前記スラリーは、 アルミニウム塩、鉄塩、マグネシウム塩及びカルシウム
    塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の水溶性金
    属塩化合物と、 多糖類と、 砂と、 水とを含む混合物であることを特徴とする汚染土壌の処
    理方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記酸化剤が過マン
    ガン酸塩であることを特徴とする汚染土壌の処理方法。
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