JP4670029B2 - 土壌浄化方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機塩素系化合物等により汚染された土壌を浄化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
機械類の油類除去等の工業的な洗浄には、これまでトリクロロエチレン等の有機ハロゲン化物が大量に使用されてきた。環境汚染の観点から、最近ではこのような有機ハロゲン化物の使用が規制されるようになってきている。しかしながら、既に多量の有機ハロゲン化物が使用されており、このためその土壌汚染あるいは水質汚染も進んでいる。特に、トリクロロエチレン等の有機塩素系化合物は、安定で微生物に分解され難く、自然環境に投棄された有機塩素系化合物は、土壌を汚染するだけでなく、最終的には河川や地下水を汚染し、これが飲料水の原水となることがあり、問題となる。
【0003】
このため、WO01/08825A1号公報には、有機ハロゲン化物、6価クロム等の汚染物質により汚染された土壌に鉄微粒子スラリーを施し、汚染物質を還元することにより無毒化、或いは無毒化後除去する直接的な土壌浄化方法が提案されている。この従来技術による土壌浄化方法における反応機構は、鉄の酸化還元反応によって起こると考えられ、鉄と水との反応によって発生する水素による反応(今村等、環境技術、126〜130頁、(2)、Vol.29、(2000)は主たる反応ではなかった。
【0004】
この方法では、鉄粒子と汚染物質とが直接接触することにより土壌の浄化が行われるため、一般に水性の鉄微粒子スラリーを汚染土壌中に直接注入する必要がある。しかしながら、透水度10−5cm/sec未満の難透水性地層における汚染が最も深刻であり、この層には水性物質の注入が困難なため、実際の浄化効率は極めて低いものである。
【0005】
また、有機酸を水素除放剤として用い水素を発生させる土壌洗浄方法が、化学工業日報社発行、中村誠著、「土壌・地下水汚染に道対処するか」、189〜190頁に記載されているが、この水素除放剤は微生物による分解が必須であり、土壌浄化に長時間を要する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、難透水性層中に水性の浄化剤を注入する必要性をなくし、難透水性層中の汚染物質を効率的に無毒化することが可能な土壌浄化方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、有機塩素系化合物等に汚染された土壌の難透水性層等を含む汚染土壌を浄化する方法において、この汚染土壌よりも下層の透水性層等の層に土壌浄化剤としての0.1〜6μmの平均粒径を有する鉄微粒子スラリーを注入し、鉄微粒子が発生する水素ガスを、鉄微粒子スラリーを注入した層よりも上方に位置する汚染土壌、特に難透水性層中に透過または侵入させることによる、土壌浄化方法により本発明の上記課題が解決されることを見出した。
【0008】
上記本発明の土壌浄化方法によると、上述のような透水度10−5cm/sec未満の難透水性層に水性の土壌浄化剤としての鉄微粒子スラリーをあえて直接注入する必要がなく、気体の水素分子が難透水性層中に拡散するため、容易かつ効率的に難透水性層を浄化することができる。
【0009】
浄化すべき地層が、シルト層等の複数の難透水性層と砂層等の複数の透水性層が交互に積層された状態で存在する場合には、1層以上の透水性層に鉄微粒子スラリーを注入すると、発生した水素ガスが、その上方に存在する1層以上の難透水性層中に拡散され、浄化作用が得られる。本発明の方法によると、上方の難透水性層のみならず、鉄微粒子スラリーを施した層の少なくとも1部、もしくはこれより上方に存在する透水性層も同時に浄化され得ることは言うまでもない。
【0010】
本発明では、鉄を微粒子としたため水素の発生が卓越することと、難透水性層への浄化剤注入を可能としたことによって初めて完成するものである。
【0011】
また、有機系水素除放剤を土壌中へ注入することも可能であるが、この除放剤では上述のように水素の発生が緩慢で、本発明の浄化剤のような速やかな土壌洗浄を行うことはできない。
【0012】
更に、浄化対象の土壌とその直下における複数の透水性層の多く、または全てに鉄粒子スラリーを注入すると、水素ガスが直上の難透水性層にスムーズに拡散するため、汚染物質である有機塩素系化合物の脱塩素反応の反応速度が向上する。
【0013】
また、本発明では上述の鉄微粒子スラリー注入以前に、水素ガスと接触する汚染土壌に第一鉄塩、亜硝酸塩等の脱酸素剤を注入することが好ましい。これにより地中の酸素が除去され、地中における水素ガスの爆発が回避され、安全対策が万全となる。
【0014】
脱酸素剤の具体例としては硫酸第一鉄が挙げられる。脱酸素剤は、通常、固形分に対して20%以下、更に好ましくは10%以下の量で添加される。硫酸第一鉄の添加量は20%を越えると凝集性が示され好ましくない。
【0015】
また、本発明において発生した水素ガスが地表に達した場合には、その拡散速度が早いため爆発限界に達することはない。
【0016】
更に、本発明で使用される鉄微粒子スラリーにおける鉄微粒子の平均粒径は、前述の範囲の0.1〜6μmであり、これにより鉄の表面積が大きく得られる。このように表面積の大きい鉄微粒子が水性溶媒等に懸濁されたスラリーでは多量の水素ガスが効率的に発生し、速やかな脱塩素反応が行われ、汚染土壌に対する処理能力が増大するものである。
【0017】
また、スラリーの固形分は20〜80質量%、好ましくは20〜70質量%、特に好ましくは30〜50質量%とされる。
【0018】
本発明の土壌浄化方法は、浄化すべき土壌に注入管を挿入し、この注入管に微粒子スラリーを注入することにより容易に行われる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の土壌浄化方法における反応機構は下式で示される。
【0020】
【化1】
Figure 0004670029
【0021】
すなわち、本発明の土壌浄化方法によると、汚染土壌の下層に、鉄微粒子と水性溶媒とから主に構成される鉄微粒子スラリーを注入する。この鉄微粒子と水性溶媒とが反応し、鉄が酸化されることにより水素ガスが発生し、この水素が、上方の汚染土壌中のトリクロロエチレン、ジクロロエチレン等の有機塩素系化合物の塩素を置換し(脱塩素反応)、土壌の浄化、無毒化が行われるものである。
【0022】
本発明の土壌浄化方法は、汚染された土壌に注入管を挿入し、この注入管に鉄微粒子スラリーを注入することにより行われる。一般に、土壌の汚染は難透水性層のシルト層に多く見られる。
【0023】
例えば、図1に示されるような、シルト層(S−1、S−2、S―3)と、砂層(G−1、G−2、G−3、G−4)が交互に存在する汚染土壌1に対して、本発明の土壌浄化方法を行う場合について説明する。本発明の一実施の形態により、浄化すべき土壌にボーリングを行い、孔10を設ける。この孔10はそれぞれ、浄化対象のシルト層S−1、S−2、S−3の下方に存在する砂層G−2、G−3、G−4に到達するように設けられる。各孔10中に土壌浄化剤の注入管20をそれぞれ孔の下端まで導入する。注入管10は必要により間隔を隔てて複数本、浄化すべき難透水性層(シルト層)の直下または下方の透水性層(砂層等)に先端が到達するように設けられる。この状態で、土壌浄化剤の鉄微粒子スラリーが供給用注入管20に注入され、透水性層中に施されることになる。鉄微粒子はスラリーを構成する水等の溶媒中で酸化し、これにより水素ガスを発生し、これが上方のシルト層中に拡散する。
【0024】
ここで図示した全汚染土壌1を浄化する場合、最下層の砂層G−4に対して任意の本数の注入管20を、任意間隔でもたらすと、その上方に存在する全てまたは少なくとも近接する汚染層が浄化される。
【0025】
一般に、汚染土壌には複数の難透水性層が存在するので、図1に示したように、難透水性層直下の透水性層G−2、G−3、G−4の全てに注入管20を到達させて鉄微粒子スラリーを供給すると、各難透水性層への水素ガス拡散が同時に開始されるため、浄化の程度および浄化の速度共に優れた土壌浄化作用が得られる。また、シルト層と砂層等の積層状態、厚さ、汚染状況等を考慮して、砂層のうちの任意の数の層、例えば砂層G−2とG−4のみに注入管20をもたらす等、浄化剤を注入する砂層を選択的に決定することも可能である。それぞれの場合において、注入管10の数、間隔が適宜設定される。
【0026】
また、本発明は一般にシルト層の浄化のために用いられるが、図中の砂層G−1のように、上方に難透水性層を有さない透水性層のみに適用してもよく、この場合には砂層G−1の浄化のみが行われる。
【0027】
更に注入管に浄化液を注入する前に、注入管から地下水を排出し、その後土壌浄化剤を注入しても良い。
【0028】
また、本発明では鉄微粒子素スラリーの注入より前またはこれと同時に、水素ガスと接触する層に脱酸素剤を注入することが好ましい。これにより地中における酸素ガスが除去されるため、水素ガスが爆発を生じる可能性を回避することができる。ここで用いられる脱酸素剤の例には第一鉄塩、亜硝酸塩がある。本発明において発生した水素ガスが地表に達したとしても、その量は微量であり、また拡散速度が早いため地上での爆発が起こることはない。
土壌に注入するスラリー中の鉄微粒子の濃度は一般に0.1〜50質量%であり、1〜30質量%が好ましい。また注入量は、一般に土壌1m当たり鉄微粒子1〜400kgであり、10〜200kgが好ましい。
【0029】
本発明の土壌浄化方法に使用されるスラリーに含まれる鉄微粒子の平均粒径は10μm未満であり、0.1〜6μmが好ましく、特に0.1〜3μmが好ましい。この様な微少粒径の鉄を用いることにより鉄粒子表面積が大きくなり、従って水素の発生率が向上し、土壌浄化効果向上につながる。
【0030】
更に水素の発生を促進するために、塩酸、硫酸、硝酸、弗酸等の酸、好ましくは塩酸を注入管に混合して施しても、あるいは別のロッドから同時に注入してもよい。
【0031】
また、上記スラリーの固形分は20〜80質量%、好ましくは20〜70質量%、特に30〜50質量%とされる。この固形分のうち、90質量%以上は金属鉄及び鉄含有化合物とされ、全固形分に対する金属鉄の割合は30質量%以上を占める。
【0032】
このようなスラリーは、一般に製鋼用の酸素吹転炉から、精錬中に発生する排ガス中の製鋼ダストを集塵(好ましくは湿式集塵)し、炭酸ガス等のガスを除去することにより有効に得られる。
通常、集塵後、上記製鋼ダストをシックナーにより鉄粉スラッジのスラリーとし、本発明の浄化方法に用いる。必要に応じ、得られた製鋼ダストに更に特定用途(例、トナー用)向けの高品位鉄粉を加えて、スラリーとすることもできる。鉄微粒子スラリーの製造については、WO01/08825A1号公報に詳述されているため、参照されたい。
【0033】
上記のように本発明の鉄微粒子は、その鉄微粒子を製造するための特別な方法、装置を用いることなく、鉄精錬の際の副産物を利用して得ることができ、簡便で経済的である。また、スラリー状で得られるので、実際の浄化に使用される前に鉄粒子表面が酸化することが防止され、従って輸送の際の酸化も防止できる。尚、輸送中は、鉄粒子が沈殿固化しないように攪拌することが好ましい。また、スラリー状であることにより、土壌浄化剤を製造する際、他の材料との混合が容易であるという利点を有する。
【0034】
微粒子の鉄粉は、表面積が大きく表面が不働態化され易いため、本発明ではこれを防止するため親水性バインダー及び/又は金属ハロゲン化物を併用することが好ましい。
【0035】
金属ハロゲン化物としては、NaCl、KCl、MgCl、CaCl等を挙げることができ、特にNaClが好ましい。金属ハロゲン化物は、鉄の水酸化物、酸化物を金属鉄に還元する働きがある。その使用量は、鉄微粒子に対して0.5〜200質量%が一般的で、0.5〜50質量%が好ましい。
【0036】
親水性バインダーは、鉄微粒子の表面を覆い、有機ハロゲン化物を還元作用を示すまでに酸化されないように保護する機能を有する。親水性バインダーの例としては、スクロース等の二糖類、スクロース誘導体(例、スクロース高級脂肪酸エステル)、グルコース等の単糖類、アルギン酸、プルラン、PVA(ポリビニルアルコール)、CMC(カルボキシルメチルセルロース)、ポリアクリルアミド、グアガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性樹脂を挙げることができる。プルランは水溶液にした際の粘度が低いため、特に好ましく用いられる。更に、ヒドロキシエチルセルロース、スクロース、グルコース、PVAも好ましい。親水性バインダーとして生分解性ポリマーを用いると二次的な環境汚染に対して特に有効である。その使用量は、鉄微粒子に対して0.01〜200質量%が一般的で、0.01〜100質量%が好ましい。
【0037】
このように本発明の土壌浄化剤は、上記鉄微粒子スラリーに、必要に応じて酸化防止剤、金属ハロゲン化物又は水溶性ポリマー、又は金属ハロゲン化物及び親水性バインダーとを加えて、懸濁、あるいは分散させて得られるものである。更に適宜水を加えて所望の濃度にすることができる。また必要により分散時に界面活性剤を使用することもできる。上記親水性バインダーの代わりに生分解性ポリマー(例、生分解性ポリカプロラクトン)を用いると、上述のように二次的な環境汚染に対して特に有効である。
【0038】
上記水性懸濁液は、更に無機炭酸塩又は炭酸塩系鉱物を含有していることが好ましい。これらの例としては、炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珊瑚化石石灰岩、石灰岩、ドロマイトを挙げることができ、特に沈降性炭酸カルシウムが好ましい。本発明の土壌浄化剤は、その構成成分の鉄微粒子が土壌内の土壌粒子の間隙に入り込むことがあり、この鉄微粒子が地下水等に溶出する可能性も高くなる。このため、本発明では上記炭酸塩を用いて、溶出した鉄イオンを固定し、これを防止することが好ましい。
【0039】
本発明に用いられる水性懸濁液状の土壌浄化剤は、前述のように、上記鉄微粒子スラリー、及び所望により水溶性ポリマー、金属ハロゲン化物、及び親水性バインダーを添加して、懸濁、あるいは分散させて得られるものである。更に、分散剤として、ナフタレンスルホン酸系等の界面活性剤を使用しても良い。分散剤の使用量は、鉄微粒子に対して0.01〜10質量%が一般的であり、0.1〜5質量%とすると好ましい。
【0040】
また、上記土壌浄化剤の注入は、鉄微粒子の水性懸濁液の注入と、所望により使用される親水性バインダー等を含有する水性懸濁液の注入とに分けて行っても良い。
【0041】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0042】
【実施例】
[実施例1]
(a)鉄微粒子スラリー(土壌浄化剤)の製造
下記の製造条件で鉄微粒子スラリーを得た。
【0043】
製造条件:OG(oxygen gas)ガス処理方式を装備した上底吹き転炉にて製造
転炉の容量:350T/回
(T:転炉内の鋼の質量に相当し、容量で示される量)
投入銑鉄:溶銑比率70〜96%
酸素吹き込み量:吹錬時間20分程度
スラリー製造速度:250t/D(日)
これにより得られた鉄微粒子スラリーの組成を表1に示す。
Figure 0004670029
上記フィルタープレス後のスラリーに含まれる鉄微粒子の平均粒径は1.3μmであった。
【0044】
このように調製された鉄微粒子スラリーを、図2に記載のようにシルト層(A)〜(F)層と砂層(a)〜(f)層が交互に積層されたトリクロロエチレンによる汚染土壌に施す。
【0045】
浄化剤注入に先立ち、図2に記載の各深度におけるシルト層(A)〜(F)層、砂層(a)〜(f)層の土壌サンプルを採取し、トリクロロエチレンの濃度を測定した。結果を図2に示す。
【0046】
更に、注入管を各砂層(a)〜(f)に対して挿入し、この注入管中を通して、予め(第一鉄塩または亜硝酸塩の具体例と量)を注入した。次いで、この注入管から上記スラリーを5倍希釈したものを土壌1mに対して0.2mずつ注入した。鉄微粒子スラリーの注入から50日経過後に、再び各シルト層(A)〜(F)、砂層(a)〜(f)の土壌サンプルを採取し、トリクロロエチレン濃度を測定した。この結果を、図2に併せて記載する。
【0047】
図2より、本発明の土壌浄化方法によると、汚染物質の濃度が顕著に低下することがわかる。更に、特に汚染が激しく、直接浄化剤を注入していないシルト層における汚染物質の濃度低下が大きく、本発明の方法が環境修復に極めて有効であることがわかる。
【0048】
[実施例2]
表1の組成によるスラリー原液に硫酸第一鉄7水塩1%を溶解させて得られた浄化液を、図2に示した地層の深度5〜10mの砂層に、地層1mあたり浄化液0.2mの量で注入した。注入は、実施例において浄化液を注入した箇所の直近(未浄化箇所)に行った。
【0049】
注入50日後ボーリングしたところ、土壌から溶出したトリクロロエチレン濃度は0.01mg/リットル以下であった。
【0050】
一般に汚染が激しく、かつ浄化の困難な難透水性層が、本発明の方法により高土壌浄化効率で容易に浄化可能とされたことは、環境保全の視点から特に重要である。
【0051】
本発明の方法は、上述のように質量の小さい水素ガスが上方に自由拡散することを利用しているため、従来行われた汚染土壌と土壌浄化剤のメカニカルな混合等の複雑な処理が必要なく、施工の労力が著しく低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の土壌浄化方法を施工例を示す図である。
【図2】 本発明の一実施の形態における、土壌浄化方法を行う前後の土壌の汚染状況を比較するための図である。

Claims (9)

  1. 有機塩素系化合物に汚染された難透水性層を含む汚染土壌の、前記難透水性層よりも下方に存在する透水性層に0.1〜6μmの平均粒径を有する鉄微粒子スラリーを注入し、該鉄微粒子スラリーから発生する水素ガスが前記難透水性層中に侵入するようにしたことを特徴とする土壌浄化方法。
  2. 前記汚染土壌中に、前記難透水性層がそれぞれ透水性層を介して複数層存在し、このうちの最下層の難透水性層よりも下方に存在する透水性層に前記鉄微粒子スラリーを注入することを特徴とする請求項1に記載の土壌浄化方法。
  3. 複数の難透水性層のそれぞれ下方に存在する全ての透水性層に前記鉄粒子スラリーを注入することを特徴とする請求項2に記載の土壌浄化方法。
  4. 前記鉄微粒子スラリーの注入時または注入前に、前記汚染土壌層に脱酸素剤を注入することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の土壌浄化方法。
  5. 前記脱酸素剤として、第一鉄塩、亜硝酸塩、またはこれらの双方を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の土壌浄化方法。
  6. 前記鉄微粒子スラリーが、球状の鉄微粒子の水性分散液であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の土壌浄化方法。
  7. 前記有機塩素系化合物がトリクロロエチレンまたはジクロロエチレンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の土壌浄化方法。
  8. 前記鉄微粒子スラリーの固形分が20〜80質量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の土壌浄化方法。
  9. 浄化すべき土壌に予め注入管を挿入し、該注入管に前記鉄微粒子スラリーを注入することを特徴とする請求項1〜8に記載の土壌浄化方法。
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