JP4530824B2 - 土壌浄化剤並びに土壌浄化方法 - Google Patents

土壌浄化剤並びに土壌浄化方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機ハロゲン化物、6価クロム等により汚染された土壌から該汚染物質を除去するために使用される鉄微粒子スラリーを含む土壌浄化剤、並びに汚染された土壌を浄化する方法に関する。
機械類の油類除去等の工業的な洗浄には、これまでトリクロロエチレン等の有機ハロゲン化物が大量に使用されてきた。環境汚染の観点から、最近ではこのような有機ハロゲン化物の使用が規制されるようになってきている。しかしながら、既に多量の有機ハロゲン化物が使用されており、このためその土壌汚染あるいは水質汚染も進んでいる。即ち、トリクロロエチレン等の有機ハロゲン化物は、安定で微生物に分解され難く、自然環境に投棄された有機ハロゲン化物は、土壌を汚染するだけでなく、最終的には河川や地下水を汚染し、これが飲料水の原水となることがあり、問題となる。またこのような自然環境の汚染は、メッキ工場等の工場跡地に残された6価クロムによっても同様に起こっていることは知られている。
上記有機ハロゲン化物等の揮発性の有機化合物で汚染された土壌を浄化する方法としては、土壌ガス吸引法、地下水揚水法、土壌掘削法等が知られている。土壌ガス吸引法は、不飽和帯に存在する対象物質を強制的に吸引するものであり、ボーリングにより地盤中に吸引用井戸を設置し、真空ポンプによって吸引用井戸内を減圧にし、気化した有機化合物を吸引井戸内に集め、地下に導いて土壌ガス中の有機化合物を活性炭に吸着させるなどの方法によって処理するものである。上記有機化合物による汚染が帯水層にまで及んでいる場合には、吸引用井戸内に水中ポンプを設置し、土壌ガスと同時に揚水して処理する方法が採用される。
地下揚水法は、土壌中に揚水井戸を設置し、汚染地下水を揚水して処理する方法である。さらに、土壌掘削法は、汚染土壌を掘削し、掘削した土壌を風力乾燥、加熱処理を施して有機化合物の除去回収を行う方法である。
上記のような集められた汚染水、あるいは地下水等の汚染水を浄化する方法としては、例えば特許文献1に、汚染水中の溶存酸素を除去した後、汚染水を鉄等の金属表面に接触させ、汚染水中に含まれる有機ハロゲン化物を還元除去する方法が開示されている。このような鉄の還元作用を利用した汚染水の浄化方法は、特許文献2〜6等にも記載されている。これらの方法はいずれも汚染水を、鉄を含む層、フィルター等の一定部分を通過させて処理を行う方法である。
しかしながら、これらの方法は、土壌を直接浄化する方法ではなく、上記土壌ガス吸引法、地下水揚水法等により集められた汚染水、あるいは河川、地下水等の汚染水を浄化する方法であり、対象は極めて大量であり、処理は長期間を要する場合が多い。また処理工程が複雑となる場合が多いのも欠点である。このため、汚染源である土壌を直接簡便に浄化する方法が求められている。
また、前記6価クロムで汚染された土壌については、硫酸第1鉄等の還元剤で浄化する方法が知られているが、クロム鉱滓のように3価及び6価クロムの塊状で存在する場合には、硫酸第1鉄では還元作用を示す時間が短いため、十分な還元を行うことができない。従って、長期に亘って還元作用を示す浄化剤の出現が望まれている。
特許公報第2636171号 特開平3−106496号公報 特開平3−30895号公報 特表平6−501521号公報 特開平8−257570号公報 特開平10−263522号公報
本発明の目的は、有機ハロゲン化物、6価クロム等の汚染物質により汚染された土壌から、直接、効率よくこの汚染物質を還元することにより無毒化、或いは無毒化後除去することができる鉄微粒子スラリーを含む土壌浄化剤、及びこの土壌浄化剤を用いる浄化方法を提供することにある。
従来の有機ハロゲン化物で汚染された土壌を浄化する方法は、汚染土壌から汚染水を集め、これを浄化処理するか、土壌そのものを集め浄化処理するものであり、汚染土壌自体を直接、簡便に浄化する方法ではない。
本発明者等は、有機ハロゲン化物を還元分解する作用(いわゆる脱ハロゲン化作用)を示す鉄に注目し、これを利用して、上記簡便な浄化方法を開発するため研究を重ねてきた。しかしながら、従来の浄化方法に用いられてきた鉄微粒子は、平均粒径が数十μmと比較的大きく、またその形状も不定形であるため、例えば直接その水分散液を土壌に付与しても、充分に浸透し難いとの問題があることを見出した。このような知見を基に更に研究を重ね、微粒化されて、鉄の表面積が大きく、その形が球状の鉄微粒子が上記問題を解決するのに有効であることを見出し、本発明に到達したものである。このように、鉄粒子を微粒することにより、鉄の表面積を大きくして汚染物質の処理能力を増大させ、また微粒化に加え、粒子の形を球状にすることにより土壌内への鉄の迅速な浸透を可能にすることができる。前述のように、従来浄化に用いられてきた鉄微粒子は平均粒径が数十μmであるのに対して、本発明の鉄微粒子は10μm未満であり、2倍以上(場合によっては10倍以上)の浄化能力を有し、更にその形状が球状であり、従来の不定形のものに比べて、土壌内への浸透性においても遙かに優れている。
またこのような鉄微粒子の還元作用は還元され得る汚染物質、特に6価クロムに対して有効であることも見出した。
従って、前記の目的は、製鋼用の酸素吹転炉から精錬中に発生する排ガスから得られ且つ10μm未満(好ましくは0.1〜6μm)の平均粒径を有する球状の鉄微粒子が水中に分散されてなる鉄微粒子スラリー、及び酸化防止剤としてアスコルビン酸を含む水性懸濁液からなり、且つ固形分が30〜50質量%である土壌浄化剤により解決することができる。このような極小さい粒径にすることにより大幅な洗浄力の向上を図ることができる。酸化防止剤を含むことにより鉄が酸化されないように維持することができる。
また、前記目的は、上記の土壌浄化剤を汚染された土壌に浸透させることからなる、汚染土壌から汚染物質(例、有機ハロゲン化物、6価クロム等、特に有機ハロゲン化物)を無毒化、或いは無毒化、除去する方法により達成することができる。好ましくは、土壌浄化剤の浸透を、土壌浄化剤を土壌表面の略全面に散布することにより行う方法;汚染された土壌に、上記の土壌浄化剤を供給するための注入管を挿入し、該土壌浄化剤をその注入管に注入することからなる方法を挙げることができる。
本発明で使用される鉄微粒子スラリーは、平均粒径が10μm未満であり、且つその形状が球状である鉄微粒子を含有することを特徴としている。このスラリーを含む水性懸濁液からなる本発明の土壌浄化剤は、汚染土壌から汚染物質を還元等により無毒化、或いは無毒化後除去するために有用である。
本発明の浄化の対象となる汚染源として、有機ハロゲン化物、6価クロム、シアン化物を挙げることができ、有機ハロゲン化物、6価クロムが適当であり、特に有機ハロゲン化物適当である。有機ハロゲン化物の例としては、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジクロロジフルオロエタン等を挙げることができる。これらの有機ハロゲン化物は、鉄の脱ハロゲン化作用(還元作用)により、ハロゲンを失って対応する炭化水素となり、土壌より除去されると考えられる。有機ハロゲン化物としては、有機塩化物(有機塩素置換化合物)に特に有効である。また、6価クロムは、長期間に亘る有効な鉄の還元作用により、効率良く3価クロムに還元することができ、その後必要により土壌より除去することができる。さらに、シアン化物(シアンイオン)は、鉄イオンと錯体を形成して無毒化される。
本発明の土壌浄化剤に使用されるスラリーに含まれる鉄微粒子は、極めて微粒子であり、このため直接汚染土壌に付与した場合、土壌内に迅速に浸透する。鉄微粒子の平均粒径は10μm未満であり、0.1〜6μmが好ましく、特に0.1〜3μmが好ましい。このような超微粒子の鉄粉を用いることにより大幅な洗浄力の向上が図れる。また、鉄微粒子はこのように超微粒子である上、その形状が球であることから、汚染土壌に付与した際、極めて迅速に土壌内に浸透し、浄化作用を示す。
また、上記スラリーの固形分は20〜70質量%(特に30〜50質量%)が好ましい。更にスラリーは、酸化防止剤を含むことが好ましい。これにより鉄が酸化されないように維持することができる。固形分中、90質量%以上は金属鉄及び鉄含有化合物である。固形分中、金属鉄が30質量%以上占める。
このようなスラリーは、一般に製鋼用の酸素吹転炉から、精錬中に発生する排ガス中の製鋼ダストを集塵(好ましくは湿式集塵)し、炭酸ガス等のガスを除去することにより得られる製鋼ダストからなるスラリーを有利に利用することができる。通常、集塵後、上記製鋼ダストをシックナーにより鉄粉スラッジのスラリーとされたものである。所望により、得られた製鋼ダストにさらに特定用途(例、トナー用)向けの高品位鉄粉を加えて、スラリーとすることもできる。
上記鉄微粒子スラリーの製造方法の一例を、図1を参照しながら説明する。
製鋼用の酸素吹転炉内において、C、Si、P等の不純物を含有する銑鉄等が投入され、攪拌されながら、酸素が上部から急速に吹き込まれる。この状態で不純物含有銑鉄と酸素との間で反応が起こり、C、Si、P等は酸化物となり、銑鉄は綱となる。この間における、酸素を吹き込むことにより発生する微粒子の鉄粉を含む排ガスは、ガス回収フードを通って、湿式集塵で集められる。湿式集塵では、CO等の気体はガス回収タンクに送られる。排ガスを集塵して得た製鋼ダストは、スラリー状であり、このスラリーは粗粒分別(60μmで)され、粗いものは粗粒鉄粉として回収され、そして細かいものは、シックナーで濃縮化され、最終的にフィルタープレスにより微粒子のみに選別されて、細粒鉄粉(即ち、鉄微粒子スラリー)を得ることができる。
こうして得られる鉄微粒子は、種々の酸化段階の酸化鉄も含むものであるが、このような酸化鉄もガス燃焼状態で捕捉されたダストでは還元状態にあるため、浄化作用に繋がる還元作用を示すと考えられる。従って、金属鉄が30質量%以上占めなくても、上記の鉄微粒子は高い還元作用を示すことができる場合が多い。
前記粗粒鉄粉中の97質量%Feの粒度の例は下記の通り。
Figure 0004530824
前記細粒鉄粉の組成例は下記の通り。
Figure 0004530824
前記細粒鉄粉の成分の範囲は下記の通り。
Figure 0004530824
上記のように本発明の鉄微粒子は、その鉄微粒子を製造するための特別な方法、装置を用いることなく、鉄精錬の際の副産物を利用して得ることができ、簡便で経済的である。また、スラリー状で得られるので、鉄粒子表面の酸化を防止でき、従って輸送の際の酸化も防止できる。尚、輸送中は、鉄粒子が沈殿固化しないように攪拌することが好ましい。また鉄粒子表面の酸化を防止するために、酸化防止剤をスラリーに添加することが好ましい。酸化防止剤としては、有機酸(例、アスコルビン酸(ビタミンC)、クエン酸、リンゴ酸、特にアスコルビン酸)及びこれらの塩を挙げることができ、その添加量は、鉄微粒子に対して0.01〜10質量%が一般的で、0.1〜3質量%が好ましい。更に、スラリー状であるため、土壌浄化剤を製造する際、他の材料との混合が容易との利点がある。
上記鉄微粒子スラリーを含む本発明の土壌浄化剤は、さらに鉄以外の金属でも、還元作用を有する金属であるMn、Mg、Zn、Al、Ti等を併用することができる。これらの金属も。その平均粒径はできるだけ小さいことが好ましい。
微粒子の鉄粉は、表面積が大きく表面に酸化(不働態化)され易いため、本発明ではこれを防止するため親水性バインダー及び/又は金属ハロゲン化物を併用することが好ましい。
金属ハロゲン化物は、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2等を挙げることができ、特にNaClが好ましい。金属ハロゲン化物は、鉄の水酸化物、酸化物を金属鉄に還元する働きがある。その使用量は、鉄微粒子に対して0.5〜200質量%が一般的で、0.5〜50質量%が好ましい。
親水性バインダーは、鉄微粒子の表面を覆い、有機ハロゲン化物を還元作用を示すまでに酸化されないように保護する機能を有する。親水性バインダーの例としては、スクロース等の二糖類、スクロース誘導体(例、スクロース高級脂肪酸エステル)、グルコース等の単糖類、アルギン酸;プルラン、PVA(ポリビニルアルコール)、CMC(カルボキシルメチルセルロース)、ポリアクリルアミド、グアガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性樹脂を挙げることができる。プルラン(水溶液にした際の粘度が低く特に好ましい)、ヒドロキシエチルセルロース、スクロース、グルコース、PVAが好ましい。親水性バインダーとして生分解性ポリマーを用いると二次的な環境汚染に対して特に有効である。その使用量は、鉄微粒子に対して0.01〜200質量%が一般的で、0.01〜100質量%が好ましい。
本発明の土壌浄化剤は、上記鉄微粒子スラリーに、所望により酸化防止剤、金属ハロゲン化物又は水溶性ポリマー、又は金属ハロゲン化物及び親水性バインダーとを加えて、懸濁、あるいは分散させて得られるものである。更に適宜水を加えて所望の濃度にすることができる。また必要により分散時に界面活性剤を使用することもできる。上記親水性バインダーの代わりに生分解性ポリマー(例、生分解性ポリカプロラクトン)を用いると二次的な環境汚染に対して特に有効である。
上記水性懸濁液の土壌浄化剤は、さらに還元剤として金属硫酸塩(特に硫酸第一鉄)を含有することが好ましい。これは空気中の酸素と反応するため、金属鉄微粒子の表面の酸化を防ぐことができる。
上記水性懸濁液は、さらに無機炭酸塩又は炭酸塩系鉱物を含有していることが好ましい。これらの例としては、炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珊瑚化石石灰岩、石灰岩、ドロマイトを挙げることができ、特に沈降性炭酸カルシウムが好ましい。本発明の土壌浄化剤は微粒子の鉄を使用しているため、土壌内の土壌粒子の間隙に注入することが可能である。しかしながら、微粒子にすることにより地下水等に溶出する可能性も高くなることから、本発明では上記炭酸塩を用いて、溶出した鉄イオンを固定し、これを防止することが好ましい。
本発明の水性懸濁液の土壌浄化剤は、前述のように、上記鉄微粒子スラリー、及び所望により水溶性ポリマー、金属ハロゲン化物又は金属ハロゲン化物及び親水性バインダーを添加して、懸濁、あるいは分散させて得られるものである。その際分散に用いる水としては、鉄の酸化を極力抑制する観点から、還元性電解水(pH=7〜12が好ましい)を用いることが好ましい。分散剤として、ナフタレンスルホン酸系等の界面活性剤を使用しても良い。分散剤の使用量は、鉄微粒子に対して0.01〜10質量%が一般的で、0.1〜5質量%が好ましい。また前述の酸化防止剤を前記範囲内にてさらに使用しても良い。
土壌浄化剤を用いる本発明の汚染土壌の浄化方法は、有機ハロゲン化物で汚染された土壌(地盤)に上記土壌浄化剤を浸透するように付与することにより行われる。好ましくは、土壌浄化剤の浸透を、土壌浄化剤を散布することにより行う方法(1);あるいは有機ハロゲン化物で汚染された土壌に、上記の土壌浄化剤を供給するための注入管を挿入し、該土壌浄化剤をその注入管に注入することからなる方法(2)を挙げることができる。
上記方法(2)は、例えば下記のように行うことができる。
有機ハロゲン化物で汚染された表面にボーリングにより土壌浄化剤を供給するための注入管を設ける。注入管は必要により間隔を隔てて複数設けることができる。土壌浄化剤を供給用注入管に注入する。これにより、汚染土壌内に鉄微粒子等が浸透し、有機ハロゲン化物と徐々に接触し、有機ハロゲン化物を分解除去する。注入管で注入する前に、注入管から地下水を排出し、その後土壌浄化剤を注入しても良い。注入液が土壌表面からあふれ出ないように土壌表面に不透水性シート(例、ベントナイトシート)で覆っても良い。あるいは土壌内にシートを埋め込んでも良い。
上記浄化方法を例えば下記のように行っても良い。即ち、図2に示すように、汚染土壌の周囲を、地下の不透水性地盤11に至る不通気層12で遮断し、その内側の土壌中に注入管9、必要により通気性柱状部2及び水平通気層4を設置し、これらの上に不通気性のシート6で覆い、その周縁部を不通気層の外側で糊材を混入させた埋め戻し土砂からなる不通気層7によって遮断することができる。上記水平通気層4内には、通気性材3を透過しない大きさの孔の多数からなる多孔管である吸気管5が埋設されている。
そして、浄化処理は、例えば、注水管を通して排水し、注入管から本発明の洗浄剤を注入し、必要により減圧して、洗浄剤の拡散と、鉄による還元作用により発生する物質を除去することができる。
上記の方法のように、有機ハロゲン化物で汚染された土壌の表面を、不通気性のシートで覆うこと(一般に、シートの覆いは浄化剤注入後に設置される)が好ましく、必要により通気性柱状部(上記発生物質の除去に有用)を設けることができる。
有機ハロゲン化物以外の汚染物質で汚染された土壌も、上記と同様に行うことができる。また、汚染された土壌(特に6価クロムで汚染された土壌)を、土壌掘削法により掘削土壌を反応槽等に投入して本発明の土壌浄化剤で処理することもでき、そして、処理したクロム化合物等を除去することも有利な場合がある。
土壌に注入する土壌浄化剤中の鉄微粒子の濃度は一般に0.1〜50質量%であり、1〜30質量%が好ましい。また注入量は、一般に土壌1m3当たり鉄微粒子1〜400kgであり、10〜200kgが好ましい。
また、上記土壌浄化剤の注入は、鉄微粒子の水性懸濁液の注入、及び所望により使用される親水性バインダー等を含有する水性懸濁液の注入を分けて行っても良い。
[実施例1]
(a)鉄微粒子スラリー含有水性懸濁液(土壌浄化剤)
前記図1に示す方法を用いて、下記の製造条件で鉄微粒子スラリーを得た。
製造条件:OG(oxygen gas)ガス処理方式を装備した上底吹き転炉にて製造
転炉の容量:350T/回
(T:転炉内の鋼の質量に相当し、容量で示される量)
投入銑鉄:溶銑比率70〜96%
酸素吹き込み量:吹錬時間20分程度
スラリー製造速度:250t/D(日)
上記方法により下記の細粒鉄粉スラリー得た。その組成は下記の通り。
Figure 0004530824
前記細粒鉄粉の成分は下記の通り。
Figure 0004530824
上記フィルタープレス後のスラリーに含まれる鉄微粒子は、電子顕微鏡(20000倍)による観察により球状であることを確認した。またその粒度分布は図3に示す如くであった。平均粒径は1.3μmであった。
上記鉄微粒子の粒度分布は、下記の条件で測定した。
測定器:SKレーザ・ミクロン・サイザー7000S
分散媒:0.2%NaHMP
分散条件:超音波(U.S.WAVE) 5分
図3の各粒径の体積分率及びその組成を表1及び表2に示す。
Figure 0004530824
上記フィルタープレス後のスラリー(固形分65質量%)を攪拌槽で還元性電解水を加えることにより30質量%とし、さらにアスコルビン酸0.1質量%、を加え、攪拌して鉄微粒子スラリーの土壌浄化剤を得た。
次いで、上記土壌浄化剤(a)を連続的にビーズミル(分散用装置)に導入し、分散後HClを後述するpHメータでpH4になるように添加し、ラインミキサで混合し、混合後pHメータでpHを測定し(これにより前記HClの添加量の調節を行う)、その後NaOHを後述するpHメータでpH7になるように添加し、更に20質量%の硝酸第1鉄及びアスコルビン酸0.1質量%を含む水分散液(前記土壌浄化剤(a)と同量で)を加え、ラインミキサで混合し、混合後pHメータでpHを測定し、分散液を得た。この分散液は連続的に製造し、得られた分散液を、トリクロロエチレンで汚染された土壌に連続的に注入した。
汚染土壌は、地面から深さ30cmの砕石の層があり、そこから深さ2mまでがシルトの層、さらに30mまでが粘土の層である土壌で、分散液の注入のため地面の上に床スラブを敷いた。床スラブには左右に3mおきに5個ずつ、合計25個の孔(直径10cm)をあけ、そこから分散液の注入を行った。注入量は4m3/時間で、48時間行った。
この結果、土壌中の5カ所(ランダムに設定)のトリクロロエチレンの濃度が、注入1ヶ月後に下記のように変化した。
シルト層(注入前→1ヶ月後(単位:ppm)):
1)1.85→0.0005未満、2)0.01→0.0005未満、
3)3.22→0.0005未満、4)1.97→0.0005未満、
5)0.08→0.0005未満。
粘土層(注入前→1ヶ月後(単位:ppm)):
1)5.06→0.0005未満、2)1.03→0.0005未満、
3)3.08→0.0005未満、4)1.53→0.0005未満、
5)2.93→0.0005未満。
また、上記土壌中の5カ所のうち注入口から最も遠い位置が水平距離5m、深さ2mで、この位置でも浄化剤が有効に作用していたことから、本発明の浄化剤は土壌に対して良好な浸透性を有することが分かる。
図1は、本発明の鉄微粒子スラリーの製造方法の実施形態の例を示すフローチャートである。 図2は、本発明の浄化方法の実施形態の例を示す断面図である。 図3は、実施例1で得られた鉄微粒子スラリーの粒度分布を示すグラフである。
符号の説明
2 通気性柱状部
3 通気性材3
4 水平通気層
5 吸気管
6 不通気性のシート
9 注入管
11 地下の不透水性地盤
12不通気層

Claims (14)

  1. 汚染された土壌を浄化するための土壌浄化剤であって、製鋼用の酸素吹転炉から精錬中に発生する排ガスから得られ且つ10μm未満の平均粒径を有する球状の鉄微粒子が水中に分散されてなる鉄微粒子スラリー、及び酸化防止剤としてアスコルビン酸を含む水性懸濁液からなり、且つ固形分が30〜50質量%である土壌浄化剤。
  2. 前記平均粒径が0.1〜6μmである請求項1に記載の土壌浄化剤。
  3. 前記水性懸濁液が、更に親水性バインダーを含む請求項1又は2に記載の土壌浄化剤。
  4. 前記水性懸濁液が、さらに金属ハロゲン化物を含有している請求項1〜3のいずれかに記載の土壌浄化剤。
  5. 前記水性懸濁液が、さらに還元剤として金属硫酸塩を含有している請求項1〜4のいずれかに記載の土壌浄化剤。
  6. 前記水性懸濁液が、さらに無機炭酸塩又は炭酸塩系鉱物を含有している請求項1〜5のいずれかに記載の土壌浄化剤。
  7. 前記汚染された土壌の汚染物質が、有機ハロゲン化物及び/または6価クロムである請求項1〜6のいずれかに記載の土壌浄化剤。
  8. 前記汚染された土壌の汚染物質が、有機ハロゲン化物である請求項1〜7のいずれかに記載の土壌浄化剤。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の土壌浄化剤を、汚染された土壌に浸透させることからなる土壌浄化方法。
  10. 前記土壌浄化剤の浸透を、土壌浄化剤を土壌表面の全面に散布することにより行う請求項9に記載の土壌浄化方法。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の土壌浄化剤を供給するための注入管を挿入し、該土壌浄化剤をその注入管に注入することからなる土壌浄化方法。
  12. 前記汚染土壌の表面を、更にシートで覆う請求項11に記載の土壌浄化方法。
  13. 前記汚染された土壌の汚染物質が、有機ハロゲン化物及び/または6価クロムである請求項9〜12のいずれかに記載の土壌浄化方法。
  14. 前記汚染された土壌の汚染物質が、有機ハロゲン化物である請求項9〜13のいずれかに記載の土壌浄化方法。
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