JP2005111311A - 土壌浄化剤及び土壌浄化方法 - Google Patents

土壌浄化剤及び土壌浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複雑な工程や装置を必要とせず、安価かつ簡便に製造することができ、有機ハロゲン化合物で汚染された土壌及び地下水の浄化において、従来の鉄を使用した浄化方法と比較して無害化に要する時間を大幅に短縮し、さらに原位置で簡便に汚染物質を無害化することができる土壌浄化剤及びそれを使用した浄化方法を提供することを目的とする。
【解決手段】有機ハロゲン化合物で汚染された土壌又は地下水を浄化するための土壌浄化剤であって、鉄粉および/または酸化鉄粉およびpHの緩衝作用を有する化合物を含有することを特徴とする土壌浄化剤。有機ハロゲン化合物で汚染された土壌又は地下水を浄化するための土壌浄化剤であって、鉄粉および/または酸化鉄粉を含む主剤とpHの緩衝作用を有する化合物を含む添加剤とからなることを特徴とする土壌浄化剤。
【選択図】 図2

Description

本発明は土壌または地下水中に含まれる有機ハロゲン化合物を無害化するための土壌浄化剤及びそれを使用した土壌浄化方法に関する。
これまでにトリクロロエチレンなどの有機ハロゲン化合物は、半導体や金属加工製品の脱脂溶剤として使用されており、漏洩または投棄されたこれらの化合物による土壌や地下水の汚染が大きな社会問題となっている。
従来、これらの汚染に関する浄化方法としては、土壌ガス吸引法、土壌掘削法、地下水揚水法等が用いられてきた。土壌ガス吸引法は不飽和帯に存在する汚染物質を強制的に吸引する方法であり、ボーリングにより地盤中に吸引井戸を設置し、真空ポンプで吸引井戸内を減圧することにより気化した汚染物質を土壌ガスとして回収除去する方法である。
土壌掘削法は汚染土壌を掘削し、掘削した土壌に風力乾燥、加熱処理などを施して汚染物質の回収除去を行う方法である。地下水揚水法は土壌中に揚水井戸を設置し、汚染地下水を揚水して汚染物質を回収除去する方法である。
しかしながらこれらの方法には次のような問題点がある。土壌ガス吸引法においては、広範囲の土壌を対象とする場合、複数の吸引井戸や地上設備が必要となる。また、活性炭などの吸着剤に吸着させて土壌ガスから汚染物質を除去する場合、処理後の吸着剤が二次廃棄物となる。土壌掘削法の場合、掘削した土壌の熱処理などが高コストであることや、掘削除去した範囲の周囲に汚染物質が残存すると、汚染物質が拡散し、再度汚染される可能性がある。地下水揚水法の場合、汚染物質が飽和帯土壌に含まれるもので、かつ水に溶解する化合物でなければ回収除去することができない。また土壌ガス吸引法と同様に、広範囲の土壌を対象とする場合、複数の揚水井戸や地上設備が必要であり、除去方法によっては二次廃棄物が発生する。さらに地下水の揚水により地盤沈下を引き起こす可能性がある。
これに対し、汚染土壌を直接浄化する方法として鉄を使用した原位置浄化法が提案されている。しかし通常、鉄粉を単独で使用した場合、汚染の浄化に比較的長時間を要するという課題があった。
そのような課題を解決するために、特許文献1や特許文献2などに各種鉄粉を改良する技術が開示されている。このうち特許文献1は、表面がニッケル、銅、コバルト、モリブデンなどの金属と鉄酸化被膜で被覆された鉄粉に関するものであり、特許文献2は大粒径鉄粉の表面に小粒径鉄粉を焼結した比表面積の大きい鉄粉に関するものである。これらの鉄粉はいずれも、それぞれ独自の方法で製造する必要があり、特別な装置を必要とするためコストの点で不利である。
鉄を使用した土壌または地下水の原位置浄化方法としては、特許文献3や特許文献4が開示されている。これらはいずれも安価な鉄粉を利用して地下水中の有機塩素化合物を浄化する方法である。これらのうち、特許文献3の浄化方法は、地下水路内に鉄粉層を形成し、それを通過する汚染水を浄化する方法であるため、汚染された土壌を直接浄化する目的に適用できない。また、特許文献4の浄化方法は、地下に圧縮空気を吹き込み地盤の弱い部分にフラクチャーを発生させ、フラクチャーに鉄粉を吹き込んで鉄粉分散層を形成し、この部分を通過した汚染水を浄化するものであるが、フラクチャーが発生する部位が不特定であるため、汚染度の高い部位への浄化剤の選択的な注入が困難である。
特開2002−161263号公報 特開2002−167602号公報 特開平8−257570号公報 特開平10−71386号公報
本発明は、複雑な工程や装置を必要とせず、安価かつ簡便に製造することができ、有機ハロゲン化合物で汚染された土壌及び地下水の浄化において、従来の鉄を使用した浄化方法と比較して無害化に要する時間を大幅に短縮し、さらに原位置で簡便に汚染物質を無害化することができる土壌浄化剤及びそれを使用した浄化方法を提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意研究した結果、鉄粉および/または酸化鉄粉並びにpHの緩衝作用を有する化合物を含んだ土壌浄化剤により上記課題を解決しうることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の土壌浄化剤及び土壌浄化方法からなる。(1)有機ハロゲン化合物で汚染された土壌又は地下水を浄化するための土壌浄化剤であって、鉄粉および/または酸化鉄粉およびpHの緩衝作用を有する化合物を含有することを特徴とする土壌浄化剤。(2)有機ハロゲン化合物で汚染された土壌又は地下水を浄化するための土壌浄化剤であって、鉄粉および/または酸化鉄粉を含む主剤とpHの緩衝作用を有する化合物を含む添加剤とからなることを特徴とする土壌浄化剤。(3)鉄粉および/または酸化鉄粉が水スラリーの状態である(1)または(2)のいずれかに記載の土壌浄化剤。(4)pHの緩衝作用を有する化合物のpH緩衝領域が4〜10である(1)〜(3)のいずれかに記載の土壌浄化剤。(5)pHの緩衝作用を有する化合物が、鉄粉および/または酸化鉄粉に対して0.1重量%以上含有されてなる(1)〜(4)のいずれかに記載の土壌浄化剤。(6)鉄粉および/または酸化鉄粉が、鉄5〜100重量%、ウスタイト(FeO)0〜95重量%、マグネタイト(Fe3O4)0〜95重量%を含有する(1)〜(5)のいずれかに記載の土壌浄化剤。(7)鉄粉および/または酸化鉄粉の形状が球状又は不定形である(1)〜(6)のいずれかに記載の土壌浄化剤。(8)鉄粉および/または酸化鉄粉の平均一次粒子径が0.05〜1μmである(1)〜(7)のいずれかに記載の土壌浄化剤。(9)鉄粉および/または酸化鉄粉の水スラリーが、製鋼用の酸素吹転炉から精錬中に発生する排ガスを湿式集塵により集塵し、得られた製鋼ダストを粗粒分別後、シックナーにより沈降収集して得られたスラリーである(3)〜(8)のいずれかに記載の土壌浄化剤。(10)有機ハロゲン化合物で汚染された土壌又は地下水に、pHが緩衝された鉄粉および/または酸化鉄粉スラリーを作用させることを特徴とする土壌浄化方法。
本発明の、鉄粉および/または酸化鉄粉とpHの緩衝作用を有する化合物を含んだ土壌浄化剤は、複雑な装置や工程を必要とせず簡便に製造することができ、各種有機ハロゲン化合物の浄化において、pHの緩衝作用を有する化合物を添加しない場合と比較して浄化に要する時間を大幅に短縮することができる。また、汚染土壌に直接作用させることにより、複雑な工程を必要とせず、原位置での浄化を可能とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。以降の説明においては、「pHの緩衝作用を有する化合物」を「pH緩衝剤」と略して記載する。
本発明の土壌浄化剤は、有機ハロゲン化合物で汚染された土壌または地下水を浄化するためのものである。浄化の対象となる有機ハロゲン化合物の例としてはテトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、cis−1,2−ジクロロエチレン、trans−1,2−ジクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、塩化ビニルなどの不飽和ハロゲン化炭化水素、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタンなどの飽和ハロゲン化炭化水素が挙げられる。ここに示した化合物は対象物質の一例であって、本発明は上記以外の脂肪族ハロゲン化炭化水素による汚染にも適用可能である。本発明の土壌浄化剤はこれらの有機ハロゲン化合物を脱ハロゲン化し、最終的にはハロゲン原子が全て水素原子に置換された、無害な炭化水素を生成する。
本発明で使用される、鉄粉および/または酸化鉄粉の製造方法は特に限定されるものではないが、通常の鉄粉のほか、電解鉄粉や還元鉄粉、あるいは製鋼用の酸素吹転炉から精錬中に発生する排ガスを湿式集塵により集塵した製鋼ダストなどを使用することができる。これらの鉄粉および/または酸化鉄粉は、粉体のまま使用しても良く、必要に応じて水スラリーなどの状態にして使用しても良い。
本発明の土壌浄化剤は、鉄粉および/または酸化鉄粉並びにpH緩衝剤を含むものである。pH緩衝剤を含有することにより、含有しない場合と比較して汚染物質の浄化に要する時間が大幅に短縮される。
本発明において提供される土壌浄化剤の使用方法は特に限定されないが、例えば、土壌浄化剤を、揚水して集めた汚染地下水や河川の水などと混合することにより汚染物質を浄化することができる。また、スラリー状として使用する場合、汚染された土壌に直接注入する方法においても使用可能である。
本発明の土壌浄化剤に使用される鉄粉および/または酸化鉄粉は、水スラリーの状態であることが好ましい。水スラリーは、鉄粉および/または酸化鉄粉を水に添加、混合して調製することができる。ここで使用する水の種類は特に限定されず、イオン交換水、蒸留水、水道水、井戸水など、特に不純物を多く含むものでない限り、あらゆる水を使用することができる。混合方法は特に限定されず、通常液体の混合に使用されるいずれの攪拌機を使用してもよい。また、必要に応じて、サンドミルなどの分散機により分散処理を施すことも可能である。鉄粉および/または酸化鉄粉が、それを製造する際、最終的にスラリー状として得られる場合は、これを乾燥せずにそのまま使用しても良い。これらのスラリーを調製する際、各種pH調整剤によりpHを調整してもよい。本発明の土壌浄化剤を汚染された土壌に直接注入する方法で使用する場合、土壌浄化剤はスラリー状であることが好ましく、以上のようにして調製したスラリー状の土壌浄化剤は、スラリー状であるため土壌へ直接注入することができ、かつ土壌への土壌浄化剤の浸透を可能とする。さらに鉄粉および/または酸化鉄粉以外の添加剤を添加する場合、それらの混合を容易に行うことが可能である。
本発明において、鉄粉および/または酸化鉄粉をスラリー状として使用する場合、鉄粉および/または酸化鉄粉の濃度は、スラリー中の0.5〜60重量%であることが好ましい。さらに好ましい濃度は3〜30重量%である。0.5重量%未満の場合、汚染地下水または汚染土壌の浄化に必要な量の鉄粉および/または酸化鉄粉を添加するために、極めて大量のスラリーを使用しなければならず、効率が悪い。また、汚染された土壌に直接注入する方法で使用する場合、大量のスラリーを注入すると、注入後に地盤がゆるむ可能性があり、安全上の問題も発生する。一方、60重量%よりも高濃度である場合、スラリーの流動性が著しく低下し、均一な混合が困難になる。また、汚染された土壌に直接注入する方法で使用する場合、土壌への迅速な浸透が困難となるため、好ましくない。
本発明の土壌浄化剤に含まれるpH緩衝剤は、pHが4〜10の範囲で緩衝作用を有する化合物であることが好ましい。そのような化合物であればいかなるものでも使用することができるが、その例としては、ギ酸とギ酸ナトリウムの混合物、酢酸と酢酸ナトリウムの混合物、乳酸と乳酸ナトリウムの混合物、フェニル酢酸とフェニル酢酸ナトリウムの混合物、マレイン酸とトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)の混合物、マレイン酸とトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)及び水酸化ナトリウムの混合物、マレイン酸と水酸化ナトリウムの混合物、マレイン酸のモノナトリウム塩と水酸化ナトリウムの混合物、マレイン酸のモノナトリウム塩とマレイン酸二ナトリウムの混合物、コハク酸と四ホウ酸ナトリウムの混合物、コハク酸と水酸化ナトリウムの混合物、3,3−ジメチルグルタル酸と水酸化ナトリウムの混合物、3,3−ジメチルグルタル酸と水酸化ナトリウム及び塩化ナトリウムの混合物、酒石酸と酒石酸ナトリウムの混合物、酒石酸と水酸化ナトリウムの混合物、trans−アコニット酸と水酸化ナトリウムの混合物、クエン酸とリン酸水素二ナトリウムの混合物、クエン酸と水酸化ナトリウムの混合物、クエン酸とクエン酸三ナトリウムの混合物、クエン酸とリン酸二水素カリウム及びホウ酸及びジエチルバルビツール酸及び水酸化ナトリウムの混合物、クエン酸ナトリウムと塩酸の混合物、クエン酸二水素カリウムと水酸化ナトリウムの混合物、クエン酸二水素カリウムと四ホウ酸ナトリウムの混合物、p−フェノールスルホン酸カリウムと水酸化ナトリウムの混合物、フタル酸水素カリウム、フタル酸水素カリウムと水酸化ナトリウムの混合物、グリシン、グリシンと塩酸の混合物、グリシンと水酸化ナトリウムの混合物、グリシンと塩化ナトリウム及び塩酸の混合物、グリシンと塩化ナトリウム及び水酸化ナトリウムの混合物、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)と水酸化ナトリウムの混合物、N,N−ジメチルグリシンナトリウム塩と塩酸の混合物、ジエチルバルビツール酸ナトリウムと酢酸ナトリウム及び塩酸の混合物、ジエチルバルビツール酸ナトリウムと塩酸の混合物、ピペラジン二塩酸塩とグリシルグリシン及び水酸化ナトリウムの混合物、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)と水酸化ナトリウム及び塩化ナトリウムの混合物、リン酸二水素カリウムと水酸化ナトリウムの混合物、リン酸二水素カリウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物、リン酸二水素ナトリウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物、リン酸二水素カリウムと四ホウ酸ナトリウムの混合物、ピロリン酸ナトリウムと塩酸の混合物、ホウ酸と塩化カリウム及び水酸化ナトリウムの混合物、ホウ酸とクエン酸及びリン酸三ナトリウムの混合物、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウムと塩酸の混合物、四ホウ酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合物、四ホウ酸ナトリウムと炭酸ナトリウムの混合物、アンモニアと塩化アンモニウムの混合物、イミダゾールと塩酸の混合物、2,4,6−トリメチルピリジンと塩酸の混合物、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)と塩酸の混合物、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールと塩酸の混合物、ジエタノールアミンと塩酸の混合物、トリエタノールアミン塩酸塩、トリエタノールアミン塩酸塩と水酸化ナトリウムの混合物、N−エチルモルホリンと塩酸の混合物、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの混合物、炭酸水素ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合物、炭酸水素ナトリウムなどを挙げることができる。複数の化合物を使用する場合、スラリーのpHが4〜10の範囲であれば、化合物の混合比は特に限定されない。これらのpH緩衝剤を添加することにより、未添加の場合と比較して汚染物質の浄化に要する時間を大幅に短縮することができる。
これらのpH緩衝剤は、結晶または粉末の状態で使用しても良く、また、あらかじめ水に溶解したものを使用しても良い。例えば揚水して集めた汚染水を浄化する場合、汚染水に鉄粉および/または酸化鉄粉とpH緩衝剤またはその水溶液を添加して浄化を行うことができる。また、鉄粉および/または酸化鉄粉をスラリーとして使用する場合、pH緩衝剤をあらかじめスラリー中に添加して使用してもよい。添加後はスラリーを均一に混合して一定濃度とする。混合方法は特に限定されず、通常液体の混合に用いる様々な撹拌方法により行うことができる。このように、あらかじめスラリー中に溶解して使用する場合、pH緩衝剤は、土壌浄化剤を汚染源に対して使用する直前に、鉄粉および/または酸化鉄粉のスラリーに添加するのが好ましい。添加してから長期間放置すると、鉄の酸化が進行するため、土壌浄化剤としての効果が低減する。
また、土壌浄化剤を直接土壌に注入して使用する場合、pH緩衝剤未添加の鉄粉および/または酸化鉄粉のスラリーを土壌に注入した後、同じ注入管からpH緩衝剤の水溶液を注入し、土壌中に浸透する際に鉄粉および/または酸化鉄粉と接触させる方法で使用してもよい。
本発明において、pH緩衝剤の濃度は、使用する鉄粉および/または酸化鉄粉の量によっても異なるが、鉄粉および/または酸化鉄粉に対して0.1重量%〜1000重量%の範囲であることが好ましい。さらに好ましい濃度は鉄粉および/または酸化鉄粉に対して0.3重量%〜200重量%である。添加量が0.1重量%未満の場合、汚染物質の浄化を促進する作用が低減する。また、1000重量%以上添加しても、0.1重量%〜1000重量%の濃度範囲で添加した場合と比較して、大幅な浄化促進効果はないため、不経済である。
また、本発明において、鉄粉および/または酸化鉄粉を水スラリーの状態として使用する場合、pH緩衝剤の使用量は、鉄粉および/または酸化鉄粉の濃度や使用するpH緩衝剤の溶解度によっても異なるが、スラリー中の0.1重量%〜30重量%であることが好ましい。さらに好ましい使用量はスラリー中の0.3重量%〜10重量%である。
本発明の鉄粉および/または酸化鉄粉は、鉄または鉄と酸化鉄の混合物を主成分とし、鉄を5〜100重量%、ウスタイト(FeO)を0〜95重量%、マグネタイト(Fe3O4)を0〜95重量%含有するのが好ましい。上記組成の範囲であれば、各成分の組成比は特に限定されない。鉄粉および/または酸化鉄粉として製鋼用の酸素吹転炉から精錬中に発生する排ガスを湿式集塵により集塵した製鋼ダストを使用する場合、通常は不純物として少量のニッケル、鉛、マンガン、亜鉛、銅、フッ素、ホウ素などが含有される。本発明においては、鉄および酸化鉄の含有率が上記の範囲であれば、その他の元素が不純物として混入しても差し支えない。また、通常鉄は水中の溶存酸素により酸化され、酸化鉄(III)(Fe2O3)や酸化水酸化鉄(FeO(OH))を生成するが、上記三成分の他にこれらの酸化物を含有しても差し支えない。
本発明の土壌浄化剤に含まれる、鉄粉および/または酸化鉄粉としては、様々な粒子径状のものを使用することができるが、球形または不定形のものであることが特に好ましい。このような形状であると、スラリー中での均一な分散が容易となり、スラリーの流動性が向上する。また、直接土壌に注入する方法で使用する場合、土壌中への浸透が容易となる。
本発明の土壌浄化剤に含まれる、鉄粉および/または酸化鉄粉の平均一次粒子径は、0.05〜1μmであることが特に好ましい。平均一次粒子径が0.05μm未満の場合、均一な状態に分散するのが困難である。仮に分散できたとしても、水素の発生に伴い鉄の溶解が急速に進行し、土壌浄化剤としての効果が低減する。一方、1μmより大きい場合、汚染物質の浄化に寄与できる鉄粉および/または酸化鉄粉の表面積が小さくなるため、浄化剤としての効果が低減する。また、直接土壌に注入する方法で使用する場合、土壌中への迅速な浸透が困難となるため、浄化可能な土壌の範囲が狭くなり、結果として浄化剤としての効果が低減する。
本発明の鉄粉および/または酸化鉄粉のスラリーとしては、製鋼用の酸素吹転炉から精錬中に発生する排ガスを湿式集塵により集塵し、得られた製鋼ダストを粗粒分別後、シックナーにより沈降収集して得られるスラリーを使用することができる。この方法によれば、特別な工程を必要とせず、経済的かつ簡便に鉄粉および/または酸化鉄粉のスラリーを調製することができる。
上記の製鋼ダストを粗粒分別、沈降収集して得られる、鉄粉および/または酸化鉄粉スラリーの製造方法を、図1により説明する。尚、以下に示す製造方法は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
製鋼用の酸素吹転炉内に炭素、ケイ素、リン等の不純物を含有する銑鉄等の原料を投入し、攪拌しながら上部から酸素を急速に吹き込む。そうすることにより原料は酸素と反応し、炭素、ケイ素、リン等は酸化物に、銑鉄は綱となる。酸素を吹き込むことにより発生した微粒子の鉄粉または鉄の蒸気を含む排ガスは、ガス回収フードを通って湿式集塵により製鋼ダストとして集塵される。その際、CO等の気体はガス回収タンクに送られる。製鋼ダストのスラリーを粗粒分別し、粗いものは粗粒鉄粉として回収される。細かいものはシックナーで濃縮され、鉄粉および/または酸化鉄粉のスラリーを得ることができる。また、このスラリーをフィルタープレスなどの濾過装置により濾過して水と水溶性の不純物を除去し、濾別された鉄粉および/または酸化鉄粉を再度スラリーにして使用しても良い。その際、濾別された鉄粉および/または酸化鉄粉は、乾燥してから使用するか、あるいは濾別後の水含有ケーキをそのままスラリーにして使用することができる。
以上の製造方法で得られる、鉄粉および/または酸化鉄粉は、種々の酸化段階の酸化鉄を含むものであるが、主成分は鉄、ウスタイト(FeO)、マグネタイト(Fe3O4)である。
本発明の土壌浄化剤は、地下水揚水法などで集めた汚染水や、河川の水などの処理にも適用することができるが、土壌浄化剤を土壌または地下水に注入する方法に対して特に好ましく適用することができる。この方法であれば、複雑な処理工程や設備を必要とせず、汚染源を直接簡便に浄化することが可能である。
土壌浄化剤を土壌または地下水に注入する土壌浄化方法としては、有機ハロゲン化合物で汚染された土壌に注入管を挿入し、土壌浄化剤をその注入管に注入する方法を挙げることができる。
この方法を実施するにあたり、有機ハロゲン化合物で汚染された土壌の表面に、ボーリングにより注入管を挿入する。注入管は必要により間隔を隔てて複数設けることができる。土壌浄化剤を注入管に注入することにより、汚染土壌内に鉄粉および/または酸化鉄粉のスラリーが浸透し、有機ハロゲン化合物を浄化する。土壌浄化剤の注入に先立って、注入管から地下水を排出し、その後土壌浄化剤を注入しても良い。あるいは、地下水に直接土壌浄化剤を注入しても良い。注入液が土壌表面からあふれ出ないように土壌表面を不透水性シート(例、ベントナイトシート)で覆っても良い。あるいは土壌内にシートを埋め込んでも良い。
上記、土壌浄化剤を直接注入する汚染土壌の浄化方法について、図2に具体例を示し説明する。尚、以下の方法は一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。
汚染土壌の周囲を、地下の不透水性地盤11に至る不通気層12で遮断し、その内側の土壌中に注入管9、必要により通気性柱状部2及び水平通気層4を設置する。注入管9から地下水を排水し、その後土壌浄化剤を注入する。これらの上を不通気性のシート6で覆い、その周縁部を不通気層の外側において糊材を混入した埋め戻し土砂からなる不通気層7によって遮断する。上記水平通気層4内には、通気性材3を透過しない大きさの多数の孔を有する吸気管5が埋設されている。
この方法で土壌の浄化を行う際、土壌浄化剤スラリーの注入量は、鉄粉および/または酸化鉄粉の含有率により異なるが、土壌1立方メートルあたり、鉄粉および/または酸化鉄粉の1〜400kgを含む量のスラリーであることが好ましく、さらに好ましくは10〜200kgを含む量のスラリーである。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
鉄粉および/または酸化鉄粉の平均一次粒子径及び粒子形状を評価するにあたり、透過型電子顕微鏡(以下、TEMと記載)により5万倍の倍率で粒子を観察した。本発明においては、観察された粒子の輪郭に接する、最長間隔の二つの平行線を直角に結んだ距離を一次粒子径とした。また、無作為に選定した、一定視野範囲内における粒子の一次粒子径を平均して、平均一次粒子径とした。
鉄粉および/または酸化鉄粉の組成分析はX線回折法により行った。内部標準物質として塩化ナトリウムを使用し、鉄、マグネタイト、ウスタイトそれぞれのメインピーク面積から検量線を作成して鉄粉および/または酸化鉄粉に含まれる各成分を定量した。
有機ハロゲン化合物とその分解生成物の定量は、JIS K 0125に準じて、ヘッドスペース−ガスクロマトグラフ法により行った。ガスクロマトグラフとしては日本電子データム株式会社製のGC−8610を、カラムには同社製のキャピラリーカラムNBW−310SS30を、検出器としては水素炎イオン化検出器をそれぞれ使用した。浄化実験においては、一定時間毎にサンプリングしたヘッドスペースガスを分析し、検量線から基質の残存量を定量した。
[実施例1]
製鋼ダストのスラリーに水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを12.0に調整して鉄粉および/または酸化鉄粉Aのスラリーを得た。スラリー中に含まれる鉄粉および/または酸化鉄粉Aの割合は25重量%であった。TEM観察の結果、鉄粉および/または酸化鉄粉Aの粒子形状は球形と不定形の混合物であり、平均一次粒子径は0.4μmであった。また、X線回折の結果、鉄粉および/または酸化鉄粉Aの組成は、鉄を35重量%、ウスタイトを50重量%、マグネタイトを15重量%含むものであった。
125mlのガラスバイアル瓶に、鉄粉および/または酸化鉄粉Aのスラリーを10g、イオン交換水を50g、酢酸ナトリウムを0.25g、酢酸を0.18g秤量し、均一に混合して土壌浄化剤を調製した(土壌浄化剤1)。土壌浄化剤のpHは7.4であった。ガラスバイアル瓶を、テフロン(登録商標)コートしたブチルゴムセプタムとアルミシールにより密封し、トリクロロエチレンをマイクロシリンジで0.5mg添加した。このガラスバイアル瓶を、25±2℃に管理した恒温室中で往復振盪することにより、トリクロロエチレンの浄化実験を行った。往復振盪には振幅25mmの往復式振盪器を使用し、200回/分の振盪速度で振盪した。
[比較例1]
鉄粉および/または酸化鉄粉Aのスラリー 10gとイオン交換水 50gを混合して土壌浄化剤を調製し、その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。土壌浄化剤のpHは11.0であった。
[比較例2]
鉄粉および/または酸化鉄粉Aのスラリー 10gとイオン交換水 50g、酢酸ナトリウム 0.0012g、酢酸 0.0009gを混合して土壌浄化剤を調製し、その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。土壌浄化剤のpHは10.8であった。
[比較例3]
鉄粉および/または酸化鉄粉Aのスラリー 10gとイオン交換水 50g、酢酸ナトリウム 17.3g、酢酸 12.7gを混合して土壌浄化剤を調製し、その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。土壌浄化剤のpHは5.0であった。
[実施例2]
鉄粉および/または酸化鉄粉Aのスラリー 10gとイオン交換水 50g、コハク酸 0.35g、水酸化ナトリウム 0.12gを混合して土壌浄化剤を調製し、その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。土壌浄化剤のpHは7.6であった。
[実施例3]
鉄粉および/または酸化鉄粉Aのスラリー 10gとイオン交換水 50g、クエン酸一水和物 0.32g、クエン酸三ナトリウム二水和物 0.44gを混合して土壌浄化剤を調製し、その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。土壌浄化剤のpHは7.2であった。
[実施例4]
鉄粉および/または酸化鉄粉Aのスラリー 10gとイオン交換水 50g、フタル酸水素カリウム 0.61gを混合して土壌浄化剤を調製し、その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。土壌浄化剤のpHは7.4であった。
[実施例5]
鉄粉および/または酸化鉄粉Aのスラリー 10gとイオン交換水 50g、グリシン 0.23gを混合して土壌浄化剤を調製し、その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。土壌浄化剤のpHは6.7であった。
[実施例6]
鉄粉および/または酸化鉄粉Aのスラリー 10gとイオン交換水 50g、リン酸二水素カリウム 0.41g、リン酸水素二ナトリウム12水和物 1.1gを混合して土壌浄化剤を調製し、その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。土壌浄化剤のpHは7.2であった。
[実施例7]
鉄粉および/または酸化鉄粉Aのスラリー 10gとイオン交換水 50g、四ホウ酸ナトリウム十水和物 0.56gを混合して土壌浄化剤を調製し、その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。土壌浄化剤のpHは9.2であった。
[実施例8]
鉄粉および/または酸化鉄粉Aのスラリー 10gとイオン交換水 50g、トリエタノールアミン塩酸塩 0.56gを混合して土壌浄化剤を調製し、その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。土壌浄化剤のpHは8.7であった。
[実施例9]
鉄粉および/または酸化鉄粉Aのスラリー 10gとイオン交換水 50g、炭酸水素ナトリウム 0.25gを混合して土壌浄化剤を調製し、その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。土壌浄化剤のpHは9.0であった。
[実施例10]
α―酸化鉄(III)を水素還元して得た、鉄粉および/または酸化鉄粉をイオン交換水中に添加し、撹拌混合してスラリーとした。これに水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを12.0に調整して鉄粉および/または酸化鉄粉Bのスラリーを得た。スラリー中に含まれる鉄粉および/または酸化鉄粉Bの割合は25重量%であった。TEM観察の結果、鉄粉および/または酸化鉄粉Bの粒子形状は不定形であり、平均一次粒子径は0.1μmであった。また、X線回折の結果、鉄粉および/または酸化鉄粉Bの組成は、鉄を70重量%、マグネタイトを30重量%含むものであった。
鉄粉および/または酸化鉄粉Bのスラリー 10gとイオン交換水 50g、酢酸ナトリウム 0.25g、酢酸 0.18gを混合して土壌浄化剤を調製した(土壌浄化剤2)。その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。土壌浄化剤のpHは7.4であった。
[実施例11]
市販の鉄粉(平均一次粒子径20μm、純度99.9%)をイオン交換水中に添加、撹拌混合して鉄粉Aのスラリーとした。スラリー中に含まれる鉄粉の割合は25重量%であった。
鉄粉Aのスラリー 10gとイオン交換水 50g、酢酸ナトリウム 0.25g、酢酸 0.18gを混合して土壌浄化剤を調製した(土壌浄化剤3)。その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。土壌浄化剤のpHは4.5であった。
[実施例12]
市販の鉄粉(平均一次粒子径70μm、純度99.9%)をイオン交換水中に添加、撹拌混合して鉄粉Bのスラリーとした。スラリー中に含まれる鉄粉の割合は25重量%であった。
鉄粉Bのスラリー 10gとイオン交換水 50g、酢酸ナトリウム 0.25g、酢酸 0.18gを混合して土壌浄化剤を調製した(土壌浄化剤4)。その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。土壌浄化剤のpHは4.5であった。
[比較例4]
鉄粉Aのスラリー 10gとイオン交換水 50gを混合して土壌浄化剤を調製した(土壌浄化剤5)。その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。土壌浄化剤のpHは7.5であった。
実施例1〜実施例12および比較例1〜比較例4において浄化実験した結果を表1に示す。浄化前と24時間後のトリクロロエチレン濃度をそれぞれ示したが、両者の差が大きいほどトリクロロエチレンに対する浄化能が高いことを示す。また、24時間経過する前に浄化が完了した場合は、検出下限(0.1mg/kg)未満まで浄化されるのに要した時間を示した。
Figure 2005111311
[実施例13]
トリクロロエチレンのかわりにテトラクロロエチレンを使用し、その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。
[実施例14]
トリクロロエチレンのかわりにcis−1,2−ジクロロエチレンを使用し、その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。
[実施例15]
トリクロロエチレンのかわりに1,1,2−トリクロロエタンを使用し、その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。
[実施例16]
トリクロロエチレンのかわりに四塩化炭素を使用し、その他は実施例1と同様にして浄化実験を行った。
以上の実施例13〜実施例16において浄化実験した結果を表2に示す。
Figure 2005111311
[実施例17]
トリクロロエチレンで汚染された土壌2000立方メートル(表面積400平方メートル)に、2m間隔で注入管を121本設置した。また、観測井を四カ所に設置した。注入管に実施例1において使用した土壌浄化剤(土壌浄化剤1)を注入し、土壌の浄化を行った。注入する際、全注入管の合計注入量を一時間あたり40立方メートルとし、二時間注入した。
土壌浄化剤を注入してから二週間放置後、四カ所の観測井から地下水をサンプリングし、トリクロロエチレン濃度を測定した。
[実施例18]
土壌浄化剤として実施例10において使用したもの(土壌浄化剤2)を使用し、その他は実施例17と同様にして土壌浄化を行った。
[実施例19]
土壌浄化剤として実施例11において使用したもの(土壌浄化剤3)を使用し、その他は実施例17と同様にして土壌浄化を行った。
[実施例20]
土壌浄化剤として実施例12において使用したもの(土壌浄化剤4)を使用し、その他は実施例17と同様にして土壌浄化を行った。
[比較例5]
土壌浄化剤として比較例4において使用したもの(土壌浄化剤5)を使用し、その他は実施例17と同様にして土壌浄化を行った。
実施例17〜実施例20及び比較例5において土壌浄化を行った結果を表3に示す。
Figure 2005111311
製鋼ダストから得た鉄粉および/または酸化鉄粉のスラリーを製造するために使用する装置の一例を示したフローチャートである。 土壌浄化剤を直接土壌に注入する土壌浄化方法の具体例を示した図である。
符号の説明

2 通気性柱状部
3 通気性材
4 水平通気層
5 吸気管
6 不通気性のシート
9 注入管
11 地下の不透水性地盤
12 不通気層

Claims (10)

  1. 有機ハロゲン化合物で汚染された土壌又は地下水を浄化するための土壌浄化剤であって、鉄粉および/または酸化鉄粉およびpHの緩衝作用を有する化合物を含有することを特徴とする土壌浄化剤。
  2. 有機ハロゲン化合物で汚染された土壌又は地下水を浄化するための土壌浄化剤であって、鉄粉および/または酸化鉄粉を含む主剤とpHの緩衝作用を有する化合物を含む添加剤とからなることを特徴とする土壌浄化剤。
  3. 鉄粉および/または酸化鉄粉が水スラリーの状態である請求項1または2のいずれかに記載の土壌浄化剤。
  4. pHの緩衝作用を有する化合物のpH緩衝領域が4〜10である、請求項1〜3のいずれかに記載の土壌浄化剤。
  5. pHの緩衝作用を有する化合物が、鉄粉および/または酸化鉄粉に対して0.1重量%以上含有されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の土壌浄化剤。
  6. 鉄粉および/または酸化鉄粉が、鉄5〜100重量%、ウスタイト(FeO)0〜95重量%、マグネタイト(Fe3O4)0〜95重量%を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の土壌浄化剤。
  7. 鉄粉および/または酸化鉄粉の形状が球状又は不定形である請求項1〜6のいずれかに記載の土壌浄化剤。
  8. 鉄粉および/または酸化鉄粉の平均一次粒子径が0.05〜1μmである請求項1〜7のいずれかに記載の土壌浄化剤。
  9. 鉄粉および/または酸化鉄粉の水スラリーが、製鋼用の酸素吹転炉から精錬中に発生する排ガスを湿式集塵により集塵し、得られた製鋼ダストを粗粒分別後、シックナーにより沈降収集して得られたスラリーである請求項3〜8のいずれかに記載の土壌浄化剤。
  10. 有機ハロゲン化合物で汚染された土壌又は地下水に、pHが緩衝された鉄粉および/または酸化鉄粉スラリーを作用させることを特徴とする土壌浄化方法。
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