JP2005131570A - 土壌浄化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、有機ハロゲン化合物で汚染された土壌または地下水の浄化において浄化の活性が高く、有害物質の含有量および溶出量が少ない土壌浄化剤を提供することを目的とする。
【解決手段】有機ハロゲン化合物で汚染された土壌又は地下水を浄化するための、鉄粉および/または酸化鉄粉を含んでなる土壌浄化剤であって、
鉄粉および/または酸化鉄粉の、カドミウム、鉛、ヒ素の含有量が、それぞれ150mg/kg以下、六価クロムの含有量が250mg/kg以下、水銀の含有量が15mg/kg以下、フッ素及びホウ素の含有量がそれぞれ4000mg/kg以下であり、
鉄粉および/または酸化鉄粉が、鉄5〜100重量%、ウスタイト(FeO)0〜95重量%、マグネタイト(Fe34)0〜95重量%を含有する粒子であり、
鉄粉および/または酸化鉄粉の平均一次粒子径が、0.05〜1μmである土壌浄化剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は土壌または地下水中に含まれる有機ハロゲン化合物を無害化するための土壌浄化剤に関する。
これまでにトリクロロエチレンなどの有機ハロゲン化合物は、半導体や金属加工製品の脱脂溶剤として使用されており、漏洩または投棄されたこれらの化合物による土壌や地下水の汚染が大きな社会問題となっている。
従来、これらの汚染に関する浄化方法としては、土壌ガス吸引法、土壌掘削法、地下水揚水法等が用いられてきた。土壌ガス吸引法は不飽和帯に存在する汚染物質を強制的に吸引する方法であり、ボーリングにより地盤中に吸引井戸を設置し、真空ポンプで吸引井戸内を減圧することにより気化した汚染物質を土壌ガスとして回収除去する方法である。
土壌掘削法は汚染土壌を掘削し、掘削した土壌に風力乾燥、加熱処理などを施して汚染物質の回収除去を行う方法である。地下水揚水法は土壌中に揚水井戸を設置し、汚染地下水を揚水して汚染物質を回収除去する方法である。
しかしながらこれらの方法には次のような問題点がある。土壌ガス吸引法においては、広範囲の土壌を対象とする場合、複数の吸引井戸や地上設備が必要となる。また、活性炭などの吸着剤に吸着させて土壌ガスから汚染物質を除去する場合、処理後の吸着剤が二次廃棄物となる。土壌掘削法の場合、掘削した土壌の熱処理などが高コストであることや、掘削除去した範囲の周囲に汚染物質が残存すると、汚染物質が拡散し、再度汚染される可能性がある。地下水揚水法の場合、汚染物質が飽和帯土壌に含まれるもので、かつ水に溶解する化合物でなければ回収除去することができない。また土壌ガス吸引法と同様に、広範囲の土壌を対象とする場合、複数の揚水井戸や地上設備が必要であり、除去方法によっては二次廃棄物が発生する。さらに地下水の揚水により地盤沈下を引き起こす可能性がある。
これに対し、汚染土壌を直接浄化する方法として鉄を使用した原位置浄化法が提案されている。しかし通常、鉄を使用した汚染土壌の浄化においては、汚染の浄化に比較的長時間を要するという課題があった。
そのような課題を解決するため、特許文献1には微細な粒径の鉄微粒子スラリーを使用した土壌浄化剤に関する技術が開示されている。これは10μm未満の平均粒径を有する球状の鉄微粒子に関するものであり、微細な球状の鉄粒子を使用することで土壌への速やかな浸透を可能としている。鉄微粒子としては、製鋼用の酸素吹転炉から精錬中に発生する排ガスを湿式集塵して得た製鋼ダストを利用しており、水スラリーの状態で使用されている。該発明の製鋼ダストは銑鉄などを原料として使用しているが、そのような製鋼ダストの主成分は鉄または酸化鉄である。しかし、希に製鋼原料としてスクラップ材などの廃材を使用することがあり、その場合、製鋼ダストに含有される鉄または酸化鉄以外の不純物の量が増加する。これらの不純物には有害なものもあり、含有量によっては土壌浄化剤として使用することができない。
土壌に含まれることに起因して健康被害を生じるおそれのある元素または化合物については、土壌汚染対策法の対象となる指定有害物質として政令で定められている。製鋼ダストを土壌浄化剤として使用するためには、指定有害物質の含有量および溶出量が基準値以下でなければならないのはもちろんのこと、できる限り少量であることが重要である。
特開2001−198567号公報
本発明は、有機ハロゲン化合物で汚染された土壌または地下水の浄化において浄化の活性が高く、有害物質の含有量および溶出量が少ない土壌浄化剤を提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意研究した結果、カドミウム、鉛、ヒ素、クロム、水銀および水銀化合物、フッ素、ホウ素など、各種有害物質の含有量および溶出量の少ない、微細な粒径の鉄粉および/または酸化鉄粉を含有した土壌浄化剤により上記課題を解決しうることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の土壌浄化剤に関する。
有機ハロゲン化合物で汚染された土壌又は地下水を浄化するための、鉄粉および/または酸化鉄粉を含んでなる土壌浄化剤であって、
鉄粉および/または酸化鉄粉の、カドミウム、鉛、ヒ素の含有量が、それぞれ150mg/kg以下、六価クロムの含有量が250mg/kg以下、水銀の含有量が15mg/kg以下、フッ素及びホウ素の含有量がそれぞれ4000mg/kg以下であり、
鉄粉および/または酸化鉄粉が、鉄5〜100重量%、ウスタイト(FeO)0〜95重量%、マグネタイト(Fe34)0〜95重量%を含有する粒子であり、
鉄粉および/または酸化鉄粉の平均一次粒子径が、0.05〜1μmである土壌浄化剤。
鉄粉および/または酸化鉄粉の、カドミウム、鉛、ヒ素の溶出量が、0.01mg/l以下、6価クロムの溶出量が0.05mg/l以下、水銀の溶出量が0.0005mg/l以下、フッ素の溶出量が0.8mg/l以下、ホウ素の溶出量が1mg/l以下である上記土壌浄化剤。
鉄粉および/または酸化鉄粉の形状が、球状又は不定形である上記土壌浄化剤。
鉄粉および/または酸化鉄粉が、水スラリーの状態である上記土壌浄化剤。
鉄粉および/または酸化鉄粉の水スラリーが、製鋼用の酸素吹転炉から精錬中に発生する排ガスを湿式集塵により集塵し、得られた製鋼ダストを粗粒分別後、シックナーにより沈降収集して得られたスラリーである上記土壌浄化剤。
本発明の土壌浄化剤は、カドミウム、鉛、ヒ素、クロム、水銀および水銀化合物、フッ素、ホウ素など、各種有害物質の含有量および溶出量が少ないため、土壌または地下水の浄化に使用しても二次汚染を発生することがない。また、微細な粒径の鉄粉および/または酸化鉄粉を使用することにより、従来の鉄粉を使用した土壌浄化剤と比較して浄化に要する時間を大幅に短縮することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の土壌浄化剤は、有機ハロゲン化合物で汚染された土壌または地下水を浄化するためのものである。浄化の対象となる有機ハロゲン化合物の例としてはテトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、cis−1,2−ジクロロエチレン、trans−1,2−ジクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、塩化ビニルなどの不飽和ハロゲン化炭化水素、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタンなどの飽和ハロゲン化炭化水素が挙げられる。ここに示した化合物は対象物質の一例であって、本発明は上記以外の脂肪族ハロゲン化炭化水素による汚染にも適用可能である。本発明の土壌浄化剤はこれらの有機ハロゲン化合物を脱ハロゲン化し、最終的にはハロゲン原子が全て水素原子に置換された、無害な炭化水素を生成する。
本発明で使用される、鉄粉および/または酸化鉄粉の製造方法は特に限定されるものではないが、通常の鉄粉のほか、電解鉄粉や還元鉄粉、あるいは製鋼用の酸素吹転炉から精錬中に発生する排ガスを湿式集塵により集塵した製鋼ダストなどを使用することができる。これらの鉄粉および/または酸化鉄粉は、粉体のまま使用しても良く、必要に応じて水スラリーなどの状態にして使用しても良い。
本発明の土壌浄化剤は鉄粉および/または酸化鉄粉を主成分とし、不純物として含有されるカドミウム、鉛、ヒ素の含有量がそれぞれ150mg/kg以下、六価クロムの含有量が250mg/kg以下、水銀の含有量が15mg/kg以下、フッ素及びホウ素の含有量がそれぞれ4000mg/kg以下であることを特徴とする。上記有害物質は、土壌汚染対策法の対象となる指定有害物質として政令で定められており、いずれも摂取した場合健康被害を生じる可能性のある物質である。上記含有量は同法で定められた土壌中の含有量基準であるが、本発明の土壌浄化剤は、有害物質含有量が上記のとおりであるため、汚染土壌または汚染地下水などの浄化に使用した場合、二次汚染を発生することがない。
本発明において提供される土壌浄化剤の使用方法は特に限定されないが、例えば、土壌浄化剤を、揚水して集めた汚染地下水や河川の水などと混合することにより汚染物質を浄化することができる。また、スラリー状として使用する場合、汚染された土壌に直接注入する方法においても使用可能である。
本発明の土壌浄化剤に使用される鉄粉および/または酸化鉄粉は、水スラリーの状態であることが好ましい。水スラリーは、鉄粉および/または酸化鉄粉を水に添加、混合して調製することができる。ここで使用する水の種類は特に限定されず、イオン交換水、蒸留水、水道水、井戸水など、特に不純物を多く含むものでない限り、あらゆる水を使用することができる。混合方法は特に限定されず、通常液体の混合に使用されるいずれの攪拌機を使用してもよい。また、必要に応じて、サンドミルなどの分散機により分散処理を施すことも可能である。鉄粉および/または酸化鉄粉が、それを製造する際、最終的にスラリー状として得られる場合は、これを乾燥せずにそのまま使用しても良い。これらのスラリーを調製する際、各種pH調整剤によりpHを調整してもよい。本発明の土壌浄化剤を汚染された土壌に直接注入する方法で使用する場合、土壌浄化剤はスラリー状であることが好ましく、以上のようにして調製したスラリー状の土壌浄化剤は、スラリー状であるため土壌へ直接注入することができ、かつ土壌への土壌浄化剤の浸透を可能とする。さらに鉄粉または酸化鉄粉以外の添加剤を添加する場合、それらの混合を容易に行うことが可能である。
本発明において、土壌浄化剤が鉄粉および/または酸化鉄粉の水スラリーである場合、不純物として含有されるカドミウム、鉛、ヒ素の溶出量が0.01mg/l以下、6価クロムの溶出量が0.05mg/l以下、水銀の溶出量が0.0005mg/l以下、フッ素の溶出量が0.8mg/l以下、ホウ素の溶出量が1mg/l以下であることが好ましい。上記溶出量は土壌汚染対策法で定められた土壌中の含有量基準であるが、本発明の土壌浄化剤は有害物質の溶出量が上記範囲であるため、汚染された土壌または地下水の浄化に使用した場合、有害物質が地下水に浸透して二次汚染を発生することがない。
本発明の鉄粉および/または酸化鉄粉は、鉄または鉄と酸化鉄の混合物を主成分とし、鉄を5〜100重量%、ウスタイト(FeO)を0〜95重量%、マグネタイト(Fe34)を0〜95重量%含有するのが好ましい。上記組成の範囲であれば、各成分の組成比は特に限定されない。また、通常鉄は水中の溶存酸素により酸化され、酸化鉄(III)(Fe23)や酸化水酸化鉄(FeO(OH))を生成するが、上記三成分の他にこれらの酸化物を含有しても差し支えない。
本発明の土壌浄化剤に含まれる、鉄粉および/または酸化鉄粉としては、様々な粒子径状のものを使用することができるが、球形または不定形のものであることが特に好ましい。このような形状であると、スラリー中での均一な分散が容易となり、スラリーの流動性が向上する。また、直接土壌に注入する方法で使用する場合、土壌中への浸透が容易となる。
本発明の土壌浄化剤に含まれる、鉄粉および/または酸化鉄粉の平均一次粒子径は、0.05〜1μmであることが特に好ましい。平均一次粒子径が0.05μm未満の場合、均一な状態に分散するのが困難である。仮に分散できたとしても、水素の発生に伴い鉄の溶解が急速に進行し、土壌浄化剤としての効果が低減する。一方、1μmより大きい場合、汚染物質の浄化に寄与できる鉄粉および/または酸化鉄粉の表面積が小さくなるため、浄化剤としての効果が低減する。また、直接土壌に注入する方法で浄化する場合、土壌中への迅速な浸透が困難となるため、浄化可能な土壌の範囲が狭くなり、結果として浄化剤としての効果が低減する。
本発明の鉄粉および/または酸化鉄粉のスラリーとしては、製鋼用の酸素吹転炉から精錬中に発生する排ガスを湿式集塵により集塵し、得られた製鋼ダストを粗粒分別後、シックナーにより沈降収集して得られるスラリーを使用することができる。この方法によれば、特別な工程を必要とせず、経済的かつ簡便に鉄粉および/または酸化鉄粉のスラリーを調製することができる。
上記の製鋼ダストを粗粒分別、沈降収集して得られる、鉄粉および/または酸化鉄粉スラリーの製造方法を、図1により説明する。尚、以下に示す製造方法は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
製鋼用の酸素吹転炉内に炭素、ケイ素、リン等の不純物を含有する銑鉄等の原料を投入し、攪拌しながら上部から酸素を急速に吹き込む。そうすることにより原料は酸素と反応し、炭素、ケイ素、リン等は酸化物に、銑鉄は綱となる。酸素を吹き込むことにより発生した微粒子の鉄粉または鉄の蒸気を含む排ガスは、ガス回収フードを通って湿式集塵により製鋼ダストとして集塵される。その際、CO等の気体はガス回収タンクに送られる。製鋼ダストのスラリーを粗粒分別し、粗いものは粗粒鉄粉として回収される。細かいものはシックナーで濃縮され、鉄粉および/または酸化鉄粉のスラリーを得ることができる。また、このスラリーをフィルタープレスなどの濾過装置により濾過して水と水溶性の不純物を除去し、濾別された鉄粉および/または酸化鉄粉を再度スラリーにして使用しても良い。その際、濾別された鉄粉および/または酸化鉄粉は、乾燥してから使用するか、あるいは濾別後の水含有ケーキをそのままスラリーにして使用することができる。
以上の製造方法で得られる、鉄粉および/または酸化鉄粉は、種々の酸化段階の酸化鉄を含むものであるが、主成分は鉄、ウスタイト(FeO)、マグネタイト(Fe34)である。通常はその他に、不純物として微量のニッケル、鉛、マンガン、亜鉛、銅、フッ素、ホウ素などが含有される。本発明においては、鉄および/または酸化鉄の含有率と有害物質の含有量が上記のとおりであれば、その他の元素が不純物として混入しても、差し支えない。このような不純物の溶出量を制御するには、いくつかの方法が考えられるが、鉄粉および/または酸化鉄粉が製鋼ダスト由来ものである場合は、製鋼原料を厳選し不純物の含有量の少ない原料を使用することが挙げられる。また、溶出量を抑えるために、土壌浄化剤に不純物と反応する化学吸着剤、不純物を取り込む多孔質・包接化合物などの物理吸着剤を添加することも効果的である。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下に記載する「底質調査方法」とは、「昭和63年9月8日付け環水管第127号」を示す。
[有害物質含有量の評価]
カドミウムの含有量は、「底質調査方法II.6」に準拠し、ICP発光分光分析法により測定した。水銀の含有量は、「底質調査方法II.5.1」に準拠し、還元気化原子吸光法により測定した。鉛の含有量は、「底質調査方法II.7」に準拠し、ICP発光分光分析法により測定した。ヒ素の含有量は、「底質調査方法II.13」に準拠し、水素化物発生原子吸光法により測定した。フッ素の含有量は、「JIS K 0102 34.1」に準拠し、ランタン−アリザリンコンプレキソン吸光光度法により測定した。ホウ素の含有量は、「JIS K 0102 47.3」に準拠し、ICP発光分光分析法により測定した。六価クロムの含有量は、「底質調査方法II.12.3」に準拠し、ジフェニルカルバジド吸光光度法により測定した。土壌浄化剤がスラリー状である場合は、スラリーを濾別、乾燥した後に測定し、スラリーの固形分からスラリー中の含有量に換算した。
[有害物質溶出量の評価]
「平成3年環境庁告示第46号付表」に従い、各有害物質の溶出量を測定するための検液を作成した。カドミウムの溶出量は、「JIS K 0102 55.2」に準拠し、電気加熱原子吸光法により測定した。水銀の溶出量は、「
環告第59号付表1」に準拠し、還元気化原子吸光法により測定した。鉛の溶出量は、「JIS K 0102 54.2」に準拠し、電気加熱原子吸光法により測定した。ヒ素の溶出量は、「JIS K 0102 61.2」に準拠し、水素化物発生原子吸光法により測定した。フッ素の溶出量は、「JIS K 0102 34.1」に準拠し、ランタン−アリザリンコンプレキソン吸光光度法により測定した。ホウ素の溶出量は、「JIS K 0102 47.3」に準拠し、ICP発光分光分析法により測定した。六価クロムの溶出量は、「JIS K 0102 65.2.1」に準拠し、ジフェニルカルバジド吸光光度法により測定した。
[平均一次粒子径および粒子形状の評価]
鉄粉および/または酸化鉄粉の平均一次粒子径および粒子形状を評価するにあたり、透過型電子顕微鏡(以下、TEMと記載)により5万倍の倍率で粒子を観察した。本発明においては、観察された粒子の輪郭に接する、最長間隔の二つの平行線を直角に結んだ距離を一次粒子径とした。また、無作為に選定した、一定視野範囲内における粒子の一次粒子径を平均して、平均一次粒子径とした。
[組成の評価]
鉄粉および/または酸化鉄粉の組成分析はX線回折法により行った。内部標準物質として塩化ナトリウムを使用し、鉄、マグネタイト、ウスタイトそれぞれのメインピーク面積から検量線を作成して鉄粉および/または酸化鉄粉に含まれる各成分を定量した。
[有機ハロゲン化合物とその分解生成物の定量]
有機ハロゲン化合物とその分解生成物の定量は、JIS K 0125に準じて、ヘッドスペース−ガスクロマトグラフ法により行った。ガスクロマトグラフとしては日本電子データム株式会社製のGC−8610を、カラムには同社製のキャピラリーカラムNBW−310SS30を、検出器としては水素炎イオン化検出器をそれぞれ使用した。浄化実験においては、一定時間毎にサンプリングしたヘッドスペースガスを分析し、検量線から基質の残存量を定量した。
[実施例1]
銑鉄を原料として使用している、製鋼用の酸素吹転炉から発生した排ガスを湿式集塵し、製鋼ダストのスラリーを得た。このスラリーに水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを12.0に調整した。さらに、これをイオン交換水により重量比で5倍に希釈し、土壌浄化剤を調製した。土壌浄化剤に含まれる製鋼ダストの割合は5重量%であった。TEM観察の結果、製鋼ダストの粒子形状は球形と不定形の混合物であり、平均一次粒子径は0.6μmであった。また、X線回折の結果、製鋼ダストの組成は、鉄を35重量%、ウスタイトを50重量%、マグネタイトを15重量%含むものであった。
土壌浄化剤A中の有害物質含有量および溶出量を測定した結果、表1のとおりであり、土壌浄化剤として問題なく使用できる範囲であった。
[比較例1]
銑鉄を主原料とし、副原料にスクラップ材を使用している、製鋼用の酸素吹転炉から発生した排ガスを湿式集塵し、製鋼ダストのスラリーを得た。このスラリーに水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを12.0に調整した。さらに、これをイオン交換水により重量比で5倍に希釈した。スラリーの固形分は5重量%であった。
このスラリー中の有害物質含有量および溶出量を測定した結果、表1のとおりであった。鉛の含有量および溶出量が許容値を超えており、二次汚染を発生するおそれがありため、土壌浄化剤として使用することはできない。
[比較例2]
銑鉄を主原料とし、副原料に蛍石を使用している製鋼用の酸素吹転炉から発生した排ガスを湿式集塵し、製鋼ダストのスラリーを得た。このスラリーに水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを12.0に調整した。さらに、これをイオン交換水により重量比で5倍に希釈した。スラリーの固形分は5重量%であった。
このスラリー中の有害物質含有量および溶出量を測定した結果、表1のとおりであった。フッ素の含有量および溶出量が許容値を超えており、二次汚染を発生するおそれがありため、土壌浄化剤として使用することはできない。
Figure 2005131570
[実施例2]
125mlのガラスバイアル瓶に、実施例1で調製した土壌浄化剤50gを添加し、(登録商標)コートしたブチルゴムセプタムとアルミシールにより密封した。次いでトリクロロエチレンをマイクロシリンジで0.5mg添加した。このガラスバイアル瓶を、25±2℃に管理した恒温室中で往復振盪することにより、トリクロロエチレンの浄化実験を行った。往復振盪には振幅25mmの往復式振盪器を使用し、200回/分の振盪速度で振盪した。
[比較例3]
市販のマグネタイト(平均一次粒子径0.5μm、不定形) 2.5gとイオン交換水 47.5gを混合し、土壌浄化剤を調製した。その他は実施例2と同様にして実験を行った。
[比較例4]
市販の鉄粉(平均一次粒子径20μm、板状) 2.5gとイオン交換水 47.5gを混合し、土壌浄化剤を調製した。その他は実施例1と同様にして実験を行った。
実施例2および比較例3〜比較例4において浄化実験した結果を表2に示す。浄化前と1週間振盪後のトリクロロエチレン濃度をそれぞれ示したが、両者の差が大きいほどトリクロロエチレンに対する浄化能が高いことを示す。
Figure 2005131570
製鋼ダストから得た鉄粉および/または酸化鉄粉のスラリーを製造するために使用する装置の一例を示したフローチャートである。

Claims (5)

  1. 有機ハロゲン化合物で汚染された土壌又は地下水を浄化するための、鉄粉および/または酸化鉄粉を含んでなる土壌浄化剤であって、
    鉄粉および/または酸化鉄粉の、カドミウム、鉛、ヒ素の含有量が、それぞれ150mg/kg以下、六価クロムの含有量が250mg/kg以下、水銀の含有量が15mg/kg以下、フッ素及びホウ素の含有量がそれぞれ4000mg/kg以下であり、
    鉄粉および/または酸化鉄粉が、鉄5〜100重量%、ウスタイト(FeO)0〜95重量%、マグネタイト(Fe34)0〜95重量%を含有する粒子であり、
    鉄粉および/または酸化鉄粉の平均一次粒子径が、0.05〜1μmである土壌浄化剤。
  2. 鉄粉および/または酸化鉄粉の、カドミウム、鉛、ヒ素の溶出量が、0.01mg/l以下、6価クロムの溶出量が0.05mg/l以下、水銀の溶出量が0.0005mg/l以下、フッ素の溶出量が0.8mg/l以下、ホウ素の溶出量が1mg/l以下である請求項1に記載の土壌浄化剤。
  3. 鉄粉および/または酸化鉄粉の形状が、球状又は不定形である請求項1または2記載の土壌浄化剤。
  4. 鉄粉および/または酸化鉄粉が、水スラリーの状態である請求項1〜3いずれかに記載の土壌浄化剤。
  5. 鉄粉および/または酸化鉄粉の水スラリーが、製鋼用の酸素吹転炉から精錬中に発生する排ガスを湿式集塵により集塵し、得られた製鋼ダストを粗粒分別後、シックナーにより沈降収集して得られたスラリーである請求項4に記載の土壌浄化剤。

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