JP2000229279A - 微生物の土壌内注入法 - Google Patents

微生物の土壌内注入法

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JP2000229279A
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昌徳 桜永
Tsunehiro Sugano
恒裕 菅野
Kazusane Tanaka
和實 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 土壌修復領域を限定し、その中で微生物の分
解活性を最大限まで高めるように制御し、また多様な地
層に対応しうる注入技術を確立し、汚染土壌の効率的な
修復を可能とする。 【解決手段】 微生物の土壌内注入に先だって、注入対
象領域の上部および/あるいは下部の土壌内に透水係数
を低下させる部材を注入することを特徴とする微生物の
土壌内注入法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素やハロゲ
ン化炭化水素等により汚染された土壌および地下水の修
復に関する。さらに詳しくは、汚染物質を分解する微生
物、その維持活性化のための物質等の土壌内への注入方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、芳香族炭化水素、パラフィン、ナ
フテン等の炭化水素、あるいはトリクロロエチレン、テ
トラクロロエチレン、テトラクロロエタン、ポリ塩化ビ
フェニル等の有機塩素化合物等による環境汚染が問題と
なっており、健康や生態系に与える影響が懸念されてい
る。そのため、汚染の拡大を防止するとともに、汚染さ
れた環境を修復していく技術の確立が強く望まれてい
る。
【0003】汚染物質により汚染された土壌から汚染物
質を取り除くことにより土壌を元の状態に復帰させる土
壌浄化法としては、種々の方法が知られ、また試みられ
ている。例えば、真空抽出法、天日乾燥法、曝気処理
法、酸化処理法等の物理・化学的な手法を中心に修復が
行われているが、汚染物質の種類・濃度による制約、コ
スト、操作性等の点から適用できない場合もある。これ
らの方法に加えて、近年になって汚染物質を分解する能
力を有する微生物(以下、分解微生物と略記)の作用を
利用して修復(以下、BRと略記)する方法も検討が進
んでいる。BRの代表的な方法は、汚染土壌中に棲息す
る分解微生物の繁殖を促進させて浄化を進める、いわゆ
る土着菌活性化法である[US4401569(Gro
undwater Technology Syste
ms,Inc)等]。BRは、従来の物理・化学的な手
法と比較すると、低エネルギーでの修復が可能となり、
設備も簡易で、さらに物理・化学的手法が困難な低濃度
汚染における修復も可能であるが、この方法の適用は汚
染土壌中に分解微生物が棲息する場合に限定される。ト
リクロロエチレン等の難分解性物質で汚染された土壌
は、分解微生物が汚染土壌中に棲息しないことも多く、
その場合には分解微生物を汚染土壌中に注入し、さらに
必要に応じて分解微生物に対する栄養素、酸素等を注入
することによりBRを進める、いわゆる外来菌導入法が
とられる。しかし、いずれのBRであっても物理・化学
的な手法に比べ修復に要する時間が長いため、より高濃
度の分解微生物、栄養素等を汚染土壌中に注入し分解を
促進させる手法が検討されている。また、広範囲な土壌
領域において微生物による分解活性を長時間にわたり高
く維持することは極めて困難である。むしろ、簡便な方
法で注入することにより土壌修復範囲を限定し、この範
囲における微生物の分解活性を制御するのが修復のコス
ト、期間および安全性を含めた総合的に効率の良い土壌
浄化方法となりうる。
【0004】浄化に必要な物質等の注入については、こ
れまでにもいくつかの開示がなされている。例えば、米
国特許US5133625では、伸長可能な注入パイプ
を用いて注入圧力、流速および温度を測定して注入圧力
を制御する方法が述べられている。この方法は、注入圧
力により微生物濃度や栄養素濃度等を制御して微生物の
分解活性を最適に維持させるものであり、主として微生
物による浄化工程の制御を目的としている。また、米国
特許US4442895およびUS5032042は、
注入井戸より土壌中へ気体や液体を注入して土壌のクラ
ッキング(土壌破砕)を行うことを提案しており、その
際に微生物浄化に必要な酸素や栄養素なども供給できる
ことが述べられている。しかし、この方法はできる限り
広い範囲をクラッキングすることを目的としており、修
復領域を限定することは意図されていない。一方、短時
間で効率的な微生物浄化を達成するには、高濃度汚染領
域を集中的に浄化する必要があり、このためには土壌微
生物の分解活性のみならず微生物や栄養素などの注入範
囲を限定して修復していくことが肝要である。米国特許
US5111883では、注入井戸と抽出井戸の相対位
置により土壌水平方向および垂直方向において所定の領
域に薬液を注入する方法が述べられている。これは、幾
何学的方法により土壌中の決められた位置へ薬液を注入
することを目的としており、微生物浄化においても修復
領域を限定する極めて有効な方法と考えられるが、装置
構成が複雑となる欠点を有している。
【0005】注入井戸から限定された領域に微生物ある
いは分解活性を維持するための物質を注入するには、注
入井戸から所定距離の土壌位置に不透水層を形成し、こ
れをバリア壁として注入領域を限定する方法が考えられ
る。従来このような不透水層を形成させる方法として
は、地中にプラスチックシートを敷いたり、アスファル
ト層を設ける方法、あるいはセメント、水ガラス、ウレ
タン、アクリルアミド、アクリル酸塩などの処理剤を土
壌中に注入する方法が知られている。しかし、プラスチ
ックシートの埋設やアスファルト層の形成には土壌の掘
り起こしと埋め戻しが必要である。特公平2−2666
2および5−27676では土壌中のイオンによって不
溶化する水溶性ポリマーを用いて土壌中の所定の位置に
不透水層を形成させる方法が述べられている。この方法
は不透水層をバリアとして物質移動を制御するものであ
り、土壌中への微生物や栄養素などの注入工程において
も、その注入領域を限定する技術となりうる。
【0006】このような手段により、注入井戸から限定
された領域に微生物や栄養素などを注入する技術は、土
壌の微生物浄化においても極めて有用性が高い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】汚染物質の分解能を有
する微生物により汚染土壌を修復するには、微生物を土
壌に注入し、あるいは微生物に対する栄養素、酸素、そ
の他の化学物質を土壌に注入することが不可欠である。
しかし、従来の注入技術は分解菌や栄養素などを注入要
素から注入する方法であり、多様な透水係数を有する不
均一な土壌においてはその注入範囲を限定することがで
きない。従って、土壌内における汚染物質の分布と比較
して微生物の分布が必ずしも一致しておらず、注入条件
によっては微生物分布範囲が過大あるいは過小となる。
また、土着菌や外来菌の活性化に関しては栄養素やイン
デューサーなどを微生物に直接供給する必要があるが、
微生物注入と同様、注入条件によってはその分布範囲が
最適とはならない。例えば、微生物や栄養素の分布範囲
が過大であれば、過剰分浄化処理のコスト高となる。さ
らに過剰な微生物や栄養素などは修復領域から地下水な
どを通して拡散し、2次汚染をもたらすことも考えられ
る。
【0008】微生物によって経済的かつ効率的に土壌浄
化を行うためには、土壌修復領域を限定し、その中で微
生物の分解活性を最大限まで高めるように制御すること
が望まれる。しかし、土壌は砂、粘土、シルト、あるい
は礫など多様な地層が混合しているため、これまでに報
告された注入技術で限定された領域へ簡便に微生物など
を注入する工夫はなされておらず、また多様な地層に対
応しうる注入技術を確立する必要がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、汚染土壌およ
び汚染地下水を分解微生物の作用を利用して汚染物質の
浄化修復を行う方法であって、汚染土壌の修復領域の上
部および/または下部に設けた注入手段により、修復領
域の上部および/または下部に部材を注入することによ
り、該領域の透水係数を予め低下させた後に、修復領域
に限定して分解微生物または分解微生物に対する栄養
素、インデューサー、その他の化学物質から選ばれた1
以上の物質(以下、注入物質という)を効率的に注入
し、修復領域に分解微生物または注入物質を分布させ修
復領域中の汚染物質を分解除去する修復方法を提供する
ものである。
【0010】すなわち、本発明は、(1)微生物の土壌
内注入に先だって、注入対象領域の上部および/あるい
は下部の土壌内に透水係数を低下させる部材を注入する
ことを特徴とする微生物の土壌内注入法、(2)前記透
水係数を低下させる部材が、粒子を懸濁した分散体から
なることを特徴とする、上記(1)に記載の方法、
(3)前記粒子は固体あるいはゲル体からなることを特
徴とする、上記(2)に記載の方法、(4)前記分散体
の分散媒体は水であることを特徴とする、上記(2)に
記載の方法、(5)前記透水係数を低下させる部材が、
土壌中で高粘性化または不溶化する液体であることを特
徴とする、上記(1)に記載の方法、(6)前記高粘性
化または不溶化がイオンにより開始されることを特徴と
する、上記(5)に記載の方法、である。
【0011】本発明により、汚染土壌の効率的な修復が
可能となった。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0013】図1は本発明の実施についてその態様を示
す概略図である。予めボーリング調査等の情報をもとに
設定した汚染土壌の修復領域9に、注入物質タンク1、
注入ポンプ2、流量計3、注入口6を有する注入パイプ
4、注入深度を設定するパッカー5等を有する注入手段
1〜6を通して、分解微生物および分解微生物の増殖・
活性維持に必要な炭素、リン、窒素等を含む栄養素、イ
ンデューサー、酸素その他の化学物質(タンク1内の注
入物質)を適宜注入する。注入条件は修復領域の物理・
化学的状況、汚染サイトの地形、気象状況、注入分解微
生物の特性、修復期間等に応じて調整し、好適な状態に
修復領域を維持する。
【0014】なお、注入管は図1に示したものに限定さ
れるものではなく、例えば、上部注入用の注入管、下部
注入用の注入管、および注入物質注入用の注入管3要素
を別々に設置しても構わない。土壌に微生物や栄養素な
どの溶液を圧力をかけて注入する場合、その注入範囲は
概ね土壌の透水係数によって決まるので、予め不透水層
を形成すればその部分への微生物剤の注入を制限するこ
とが可能である。なお、土壌の透水係数としては定水位
法あるいは変水位法によって求められた飽和透水係数、
Piezometer法、Tube法、Auger−h
ole法、あるいはDry Auger−hole法に
よって求められた現場透水係数、あるいは不飽和透水係
数を用いることができる。
【0015】注入井戸から懸濁粒子を注入して透水係数
の増大した部分を形成する場合、均一粒径の粒子あるい
は異なる粒径の粒子を用いることができる。粒径が等し
い粒子を懸濁させて注入する場合、注入処理を施す土壌
の透水係数によって最適な粒径を決める。通常、注入さ
れる粒子の粒径は1μm〜3mmの範囲から選択される
が、例えば透過係数が1×10-3cm/sの土壌では1
0μm〜1mm程度の粒子、望ましくは100μm程度
の粒子を用いる。さらに透水係数が小さな粒径土壌につ
いては、その平均的な空隙径も小さくなるので、より小
さな粒径の粒子を用いるのが効果的である。一方、土壌
は極めて不均一で空隙径の分布も幅広いため、粒径が異
なる粒子を同時にあるいは順次注入する方法も有効であ
る。すなわち、土壌中の大きな空隙を主に大きな粒子で
充填し、これにより生じた小さな空隙および土壌に元来
存在する小さな空隙をさらに小さな粒子で充填して、全
体として均一な透水係数の土壌を実現する。なお、この
ときに注入される粒子の粒径は1μm〜3mmの範囲で
あるが、例えば透水係数が1×10-3cm/sの土壌で
は粒径が10μm〜1mm程度に分布している粒子、望
ましくは粒径が100μm程度以下に分布した粒子を用
いる。さらに透水係数が小さな土壌については、その平
均的な空隙径も小さくなるので、より小さな粒径分布を
もつ粒子を用いるのが効果的である。また、イオンなど
によって高粘性化、不溶化により透水係数が減少するた
め、均一な透水係数の土壌を製作することができる。
【0016】注入する粒子としては、これまでに化学工
業、医薬品工業、食品工業あるいは排水処理システムな
どで用いられている様々な固体やゲル体が利用できる。
例えば、分粒した砂や土、多孔質ガラス、セラミック
ス、金属酸化物、活性炭、カオリナイト、ベントナイ
ト、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、アンスラサイ
ト、セメント等の粒子、デンプン、寒天、キチン、キト
サン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、ポリアクリ
ルミド、カラギーナン、アガロース、ゼラチン等のゲル
粒子、水ガラス、セルロース、グルタルアルデヒド、ポ
リアクリル酸、ポリウレタン、ポリエステル、ポリビニ
ルピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等の天然あ
るいは合成ポリマー等が用いられる。これらの粒子は適
当な粒径分布のものを選び、これを主に水やポリマー水
溶液に懸濁させて注入する。さらに、上記の粒子の混合
物やポリマー水溶液を調整し、これを注入することもで
きる。上記の工程により目的とする土壌層の上部および
/または下部の透水係数を増大させた後、微生物あるい
はその分解活性を維持するために必要な栄養素等を注入
することにより効率的に土壌修復を行うことができる。
すなわち、上下部に不透水処理した土壌に注入物質を注
入すると、注入総体積、注入時間、注入圧力、あるいは
注入流量などを調整することにより限定された領域に注
入することができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳説するが、こ
れらは本発明をなんら限定するものではない。
【0018】[実施例1] (試験槽)図2(a)にその断面図を示すように、表面
をライニング処理したコンクリート試験槽10a(縦×
横×深さ=1m×1.5m×2m)の下層(0.1m)
に砂礫層12を設け、その上にトリクロロエチレン10
ppmを有する細砂とシルトの混合土壌(混合比: 細
砂:シルト8:2)を充填し、モデルの汚染土壌層11
とした。土壌充填と同時に、図2(a)に示すように先
端注入部の横面4ヵ所が開口しその周囲をゴムスリーブ
で被覆した注入管3本13、14a、15を注入部が深
さ1.6、1.0、0.6mとなるようにして槽中心部
に建て込んだ。これらの注入管の表層側はバルブを介し
て送液ポンプに接続する。また同時に、先端をステンレ
スメッシュで被覆した内径1/16インチのステンレス
製の管2本16a、17aを、その先端が深さ1.0
m、槽の側壁から20cmの箇所に建て込み、土壌内の
気相サンプリング管とした。
【0019】透水係数を低下させる部材、ならびに分解
微生物や栄養素の注入は、これらの溶液成分の入った注
入槽から送液ポンプを介して直接注入管で行う。このと
き、注入流量は1〜10l/minの範囲で適宜選択し
て行った。
【0020】(上部・下部への部材注入)ポリアクリル
酸(平均分子量80000)50gとポリアクリルアミ
ド(平均分子量500000)10gを水10lに溶解
し、ポリマー水溶液を調整した。次に、溶液を攪拌しな
がら送液ポンプにより毎分1lの流量で注入管13およ
び15で圧送し、土壌中のアルカリ土類金属イオンおよ
びアルカリ金属イオンによりポリマー水溶液を高粘性化
・不溶化した。実験終了後、注入口周囲の土壌をサンプ
リングし、その透水係数を定水位法により求めた。その
結果透水係数(/cms-1)は、部材を注入していない
周辺部分では2.1〜7.1×10-3の範囲で平均5.
9×10-3となり、部材を注入した中心上部および中心
下部で1〜3.5×10-3の範囲で平均1.8×10-3
となった。これより、イオンにより高粘性化あるいは不
溶化するポリマーを土壌中に注入したことにより、土壌
槽上部および下部の透水係数を減少させたことが明らか
である。
【0021】(菌液の注入および測定)M9培地で培養
したトリクロロエチレンの分解菌であるPseudom
onas cepacia KK01(受託番号FER
M BP−4235)の菌液(菌濃度108個/ml)
にフェノールを添加し注入液とし、注入手段1により汚
染土壌層5へ5l/時間の注入速度で連続的に注入し
た。測定手段2で注入開始から24時間後より8時間ご
とに水をサンプリングし、トリクロロエチレンおよびK
K01の濃度を測定した。
【0022】なお、トリクロロエチレンは気相サンプリ
ング管を介して検知管(ガステック社製、132L)で
土壌内ガスのサンプリングによって測定し、図3に丸印
で示した。また、サンプリング管と同一円周上でステン
レス管をさし込み土壌サンプリングし、KK01株の菌
濃度を蛍光抗体法で標識後フローサイトメトリーにより
測定した結果、菌濃度は104cfu/g土壌以上であ
った。
【0023】[比較例1]図2(b)に示すように、比
較のために注入部が1.0のみを設置した試験槽10b
を準備し、実施例1のような実験を行った。ただし、こ
の比較例では、10bに模式的に示すように、試験槽上
下部に部材の注入は行わない。このときの、トリクロロ
エチレン濃度を実施例1と対比して□で図3に示す。ま
た、実施例1と同様にKK01株の菌濃度を測定したと
ころ、菌濃度は104cfu/g土壌以下であった。
【0024】[実施例2] (部材の注入)細砂を分粒し、平均粒径が約100μm
の粒子を選別した。次に、この粒子250gを水5lに
懸濁し、粒子が沈降しないように攪拌しながら送液ポン
プにより毎分1lの流量で圧送した。注入後、注入口周
囲の土壌をサンプリング(5点)し、その透水係数を定
水位法により求めた。
【0025】注入処理前後における土壌の漏水係数、そ
の平均値、および標準偏差を表1に示す。これより、粒
径が等しい粒子を懸濁した分散体を土壌中に注入するこ
とにより、幅広い分布をもつ土壌の透水係数を全体とし
て減少させ、かつ均一化(標準偏差を小さく)できるこ
とがわかった。
【0026】(菌液の注入および測定)コリネバクテリ
ウム・スピーシズJ1(生命工学工業技術研究所受託番
号:FERM BP−5102号)を培養し、108
ells/mlとなるまで増殖させ、これを注入微生物
とした。また、0.1%酵母エキス、0.2%乳酸ナト
リウム、および100ppmフェノールを含む溶液を調
整し、この溶液に酸素を通気させ溶液の酸素濃度を飽和
させて、注入物質とした。次に、注入微生物と注入物質
を体積比1:100で混合し、前処理を施したモデル汚
染土壌に注入管を通して毎分1lの流量で5分間注入
し、修復実験を行った。
【0027】実施例1と同様にして、土壌内ガスのサン
プリングによって測定し、図4に丸印で示した。また、
サンプリング管と同一円周上でステンレス管をさし込み
土壌サンプリングし、J1株の菌濃度を蛍光抗体法で標
識後フローサイトメトリーにより測定した結果、菌濃度
は104cfu/g土壌以上であった。
【0028】[比較例2]図2(b)に示すように、比
較のために注入部が1.0mのみを設置した試験槽10
bを準備し、実施例2のような実験を行った。ただし、
この比較例では、10bに模式的に示すように、試験槽
上下部に部材の注入は行わない。このときの、トリクロ
ロエチレン濃度を実施例2と対比して□で図4に示す。
また、実施例2と同様にJ1株の菌濃度を測定したとこ
ろ、菌濃度は104cfu/g土壌以下であった。
【0029】
【発明の効果】本発明によって、汚染土壌の修復に先だ
って、対象領域の上部および/あるいは下部の土壌内に
透水係数を低下させる部材を注入することによって、汚
染土壌の効率的な修復が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施についてその態様を示す概略図で
ある。
【図2】実施例及び比較例に於いて用いた試験槽の態様
を示す断面図で、 (a)は実施例用の、(b)は比較例
用のものである。
【図3】実施例1及び比較例1における経過時間とトリ
クロロエチレンの残存比の関係を示すグラフである。
【図4】実施例2及び比較例2における経過時間とトリ
クロロエチレンの残存比の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 注入物質タンク 2 注入ポンプ 3 流量計 4 注入パイプ 5 パッカー 6 注入口 7 上部の部材注入領域 8 下部の部材注入領域 9 修復領域 10a、10b 試験槽 11 モデルの汚染土壌層 12 砂礫層 13、14a、14b、15 注入管 16a、16b、17a、17b 管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 和實 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BA13 BA15 BB00 BB01 BC05 BD20 4D004 AA41 AB05 AB06 AC07 CA18 CB42 CC13 CC17 CC20 4D027 AC02 AC05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物の土壌内注入に先だって、注入対
    象領域の上部および/あるいは下部の土壌内に透水係数
    を低下させる部材を注入することを特徴とする微生物の
    土壌内注入法。
  2. 【請求項2】 前記透水係数を低下させる部材が、粒子
    を懸濁した分散体からなることを特徴とする、請求項1
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記粒子は固体あるいはゲル体からなる
    ことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記分散体の分散媒体は水であることを
    特徴とする、請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記透水係数を低下させる部材が、土壌
    中で高粘性化または不溶化する液体であることを特徴と
    する、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記高粘性化または不溶化がイオンによ
    り開始されることを特徴とする、請求項5に記載の方
    法。
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