JP3363615B2 - 汚染土壌の浄化修復方法 - Google Patents

汚染土壌の浄化修復方法

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JP3363615B2 JP24821894A JP24821894A JP3363615B2 JP 3363615 B2 JP3363615 B2 JP 3363615B2 JP 24821894 A JP24821894 A JP 24821894A JP 24821894 A JP24821894 A JP 24821894A JP 3363615 B2 JP3363615 B2 JP 3363615B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は汚染土壌と汚染地下水の
浄化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業革命以後の急速な科学技術の進歩に
伴い、衣食住をはじめ移動や通信手段など多岐に亘って
人類は恵まれた生活環境を享受してきた。その一方で、
化石燃料の排ガスや人工的な化学原料・化成品などによ
って、気水陸圏におよぶ地球レベルの自然環境を少しず
つ蝕んできた。なかでも、陸圏は人類の生活の場である
ため最も汚染の影響を受けやすく気水陸圏において水が
循環していることを考えると、陸圏の環境汚染は地球レ
ベルへと拡大していく深刻な問題である。これまでによ
く知られた土壌(陸圏)の汚染物質としては、ガソリン
などの炭化水素、PCBなどのハロゲン化炭化水素、ダ
イオキシンなどの催奇性を有する農薬、あるいは放射性
化合物などが挙げられる。なかでもトリクロロエチレン
やテトラクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素は精
密部品の洗浄やドライクリーニングなどにおいて大量に
使用され、その漏洩によって土壌や地下水の汚染が進行
しつつある。さらに、これらハロゲン化炭化水素の発が
ん性が指摘され、生物界に極めて重大な影響を及ぼすこ
とが明らかになったため、ハロゲン化炭化水素による土
壌や地下水の汚染は早急に解決すべき課題となってい
る。
【0003】ハロゲン化炭化水素で汚染された土壌の浄
化方法としては、汚染土壌を掘り起して加熱処理する方
法、汚染土壌において真空抽出する方法、あるいは汚染
物質を分解する能力を有する微生物を利用する方法など
が挙げられる。加熱処理法ではほとんど完全に土壌から
汚染物質を取り除くことが可能であるが、土壌掘削が必
要であるから建造物の下の浄化処理は困難であり、また
掘削・加熱処理に要する費用が比較的高額であるため広
範囲な汚染土壌の浄化にも適用困難である。真空抽出法
は安価で簡便な浄化方法であるが、数ppm以下のハロ
ゲン化炭化水素の除去は現在のところ困難であり、主に
高濃度汚染の浄化に有効である。微生物による浄化方法
は汚染土壌を掘削する必要がないため建造物下の浄化が
可能であり、分解活性の高い微生物を利用することによ
り低濃度のハロゲン化炭化水素を短時間で浄化できる特
徴を有しているので、環境に優しい浄化方法として現在
注目されている。
【0004】従来、土壌汚染の微生物による浄化は、土
壌に元来生息する土着菌を利用する方法と土壌に生息し
ない外来菌を利用する方法に分けられる。前者の場合
は、分解活性を高めるための栄養素、インデューサ、酸
素、あるいはその他の化学物質を土壌に注入し、浄化を
行う。また、後者の場合は、外来菌を土壌に注入すると
ともに、分解活性を高めるための注入工程を行う。アメ
リカ特許5133625では伸長可能な注入パイプを用
いて注入圧力、流速および温度を測定して注入圧力を制
御する方法が述べられている。この方法は、注入圧力に
より微生物濃度や栄養素濃度などを制御して微生物の分
解活性を最適に維持させるものであり、微生物浄化の制
御を目的としている。またアメリカ特許4442895
および5032042は、注入井より土壌中へ気体や液
体を加圧注入して土壌のクラッキング(土壌破壊)を行
うものであり、その際に微生物浄化に必要な酸素や栄養
素なども供給できることが述べられている。しかしなが
ら、この方法はできる限り広い範囲をクラッキングする
ことを目的としており、限定された領域のクラッキング
や酸素などの供給は意図されていない。一方、短時間で
効率的な微生物浄化を達成するには、高濃度汚染領域を
集中的に浄化する必要があり、このためには土壌微生物
の分解活性のみならず微生物や栄養素などの注入範囲を
限定し修復していくことが肝要である。アメリカ特許5
111883では、注入井と抽出井の相対位置により土
壌水平方向および垂直方向において所定の領域に薬液を
注入する方法が述べられている。これは、幾何学的方法
により土壌中の決められた位置へ薬液を注入することを
目的としており、微生物浄化においても修復領域を限定
する極めて有効な方法と考えられるが、装置構成が複雑
となる欠点を有している。微生物を利用した汚染土壌の
浄化方法においては、やみくもに広範囲な土壌領域にお
いて、微生物による分解活性を長時間にわたって高く維
持することは現在の微生物制御技術では不可能である。
したがって、簡便な方法で土壌修復範囲を限定し、この
範囲における微生物の分解活性を制御するのが修復費
用、修復期間および安全性を含めた総合的に効率のよい
土壌浄化方法となり得る。すなわち、微生物や栄養素な
どの注入圧力や注入時間および注入量により注入範囲
(土壌修復範囲)を制御する技術は土壌の微生物浄化に
おいて極めて有用性が高い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】汚染物質の分解能を有
する微生物により汚染土壌を修復するには、微生物を土
壌に注入し、あるいは微生物に対する栄養素、インデュ
ーサ、酸素、その他の化学物質を土壌に注入することが
不可欠である。しかし、従来の注入技術は分解菌や栄養
素などを注入要素から圧入する方法であり、多様な土壌
において注入圧のみを制御しても注入範囲を限定するこ
とができない。したがって、土壌内における汚染物質の
分布と比較して微生物の分布が必ずしも一致しておら
ず、注入圧力によっては微生物分布範囲が過大あるいは
過小となる。また、土着菌や外来菌の活性化においては
栄養素やインデューサなどを微生物に直接供給する必要
があるが、微生物注入と同様、注入圧力によってはその
分布範囲が最適とはならない。例えば、微生物や栄養素
の分布範囲が過大であれば、過剰分は浄化処理のコスト
高となる。さらに過剰な微生物や栄養素などは修復領域
から地下水などを通して拡散し、2次汚染をもたらすこ
とも考えられる。また、分布範囲が過小であれば汚染土
壌領域を十分に浄化することができず、再浄化処理のた
めの費用と時間が必要になる。
【0006】微生物によって経済的かつ効率的に土壌浄
化を行うためには、土壌修復領域を限定し、そのなかで
微生物の分解活性を最大限にまで高めるように制御する
ことが望まれる。しかし、土壌は砂、粘土、シルト、あ
るいは瓦礫など多様な地層が複雑に混合しているため、
これまでに報告された注入技術で注入範囲を限定するこ
とは困難であり、多様な地層に対応できる注入技術を確
立する必要がある。土壌の物理的性質は密度、含水率あ
るいは透水係数などで代表されるが、注入過程は土壌中
の透過性つまり透水係数に強く依存すると考えられるの
で、透水係数に応じて注入工程を制御することにより土
壌修復領域を限定することが可能と考えられる。すなわ
ち、土壌の透水係数により注入圧力、注入時間、あるい
は注入量を変化させることにより注入範囲を限定するこ
とができ、これにより浄化費用および浄化時間において
効率的でかつ2次汚染のない安全性に優れた微生物によ
る浄化方法を提供できる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、注入要素から
土壌中への微生物や栄養素の注入において、土壌の透水
係数に応じて注入圧力、注入時間、あるいは注入量によ
りその分布範囲が制御できることを見出したことに基づ
く。
【0008】以下、本発明について詳述する。
【0009】まず、土壌に微生物や栄養素などを含んだ
溶液を圧力をかけて注入する場合、その注入範囲は概ね
土壌の透水係数と注入圧力、注入時間、あるいは注入量
によって決まる。したがって、あらかじめ修復土壌の透
水係数を測定し、この透水係数と所望される注入範囲に
基づき注入圧力、注入時間、あるいは注入量を決定す
る。なお、土壌の透水係数としては定水位法あるいは変
水位法によって求められた飽和透水係数、Piezom
eter法、Tube法、Auger−hole法、あ
るいはDry Auger−hole法によって求めら
れた現場透水係数、あるいは不飽和透水係数を用いるこ
とができる。また、一般に土壌は地層を形成しているた
め、水平方向の透水係数と比較して垂直(深さ)方向の
透水係数が大きく異なる場合がある。したがって、透水
係数と注入範囲により決定される注入圧力、注入時間、
あるいは注入量は注入深さによりさらに細かく規定する
ことができる。
【0010】注入圧力と注入時間はそれぞれ独立したパ
ラメータであるから、土壌の透水係数と注入範囲から一
義的に注入条件を決定することはできない。したがっ
て、あらかじめ透水係数が異なる種々の土壌において、
注入圧力、注入時間、あるいは注入量と注入範囲との関
係を求めておく必要がある。注入工程においてはこの相
関関係に基づき土壌の透水係数に応じて、 a.注入圧力一定の条件下で注入時間あるいは注入量を
変化させて注入範囲を限定する方法、 b.注入時間一定の条件下で注入圧力あるいは注入量を
変化させて注入範囲を限定する方法、 c.単位時間当りの注入量一定の条件下で注入時間を変
化させて注入範囲を限定する方法、 d.注入圧力を注入時間とともに変化させて、最終注入
圧力あるいは最終注入時間により注入範囲を限定する方
法、が考えられる。また、以上のような静的な注入方法
に加えて、高い圧力で加圧した溶液を短時間にパルス状
で注入する方法がある。この方法では瞬間的に溶液を注
入するので、強く土壌破壊(クラッキング)が起こる。
したがって、粘土やシルトなど透水性の低い土壌におけ
る注入に適している。注入工程においては土壌の透水性
に応じて、 e.注入圧力を一定として、圧力パルス時間を変化させ
て注入範囲を限定する方法、 f.注入パルス時間を一定として、注入圧力を変化させ
て注入範囲を限定する方法、 g.上記のパルス状注入を繰り返す方法、が挙げられ
る。より確実に注入範囲を限定するには、汚染修復土壌
において予備注入を行い、その結果に基づいて注入条件
を決定すればよい。具体的には、 h.静的あるいはパルス的な予備注入を行い、このとき
の注入量と土壌の透水係数により最適な注入圧力と注入
時間あるいは注入パルス時間を決定し、これにより注入
範囲を限定する方法、である。また、パルス状で所定の
領域まで注入し、クラッキングによりできたチャネルを
利用して、さらに静的に注入することもできる。すなわ
ち、 i.土壌の透水係数と注入範囲により決定された注入圧
力と圧力パルス時間で溶液をパルス状に注入したのち
に、さらに透水係数で規定された注入圧力、注入時間、
あるいは注入量で静的に注入を行い、注入範囲を限定す
る方法、である。パルス状でのみ注入する方法では、ク
ラッキングによりチャネルが多数生成し、このため土壌
中で不均一な分布を生じやすいが、この方法によればさ
らに均一な分布状態を得ることができる。また、最も確
実に注入範囲を限定するには、注入溶液に含まれている
成分の土壌中の濃度をモニタしながら注入条件を制御す
る方法が望まれる。すなわち、 j.注入範囲だけ離れた土壌位置において注入微生物あ
るいは注入物質のうちの少なくとも1つの濃度を測定
し、この濃度に基づいて注入圧力、注入時間、あるいは
注入量を変化させて注入範囲を制御する方法、あるい
は、 k.2カ所以上の土壌位置において注入微生物あるいは
注入物質のうちの少なくとも1つ以上の濃度を測定し、
この濃度に基づいて注入圧力、注入時間、あるいは注入
量を変化させて注入範囲を制御する方法、が挙げられ
る。又、土壌の汚染物資を分解する能力(以下分解活性
指数)をモニタし、その値に基づき、注入条件を制御す
ることによっても、適切な注入が可能である。すなわ
ち、 l.注入範囲だけ離れた土壌位置において土壌の分解活
性指数を測定し、この値に基づいて注入圧力、注入時間
あるいは注入量を変化させて注入範囲を制御する方法、
であり、分解活性指数としては、たとえば注入微生物の
汚染物資分解により生ずる中間生成物の濃度、注入微生
物が発現する汚染物資の分解に係わる酵素の濃度あるい
は土壌の一部をサンプリングし、その土壌サンプルに汚
染物資を必要に応じて添加し、その減少挙動から算出さ
れる指数などがある。
【0011】以下に、実施例をもって本発明を説明する
が、これらは本発明の範囲を何ら限定するものではな
い。
【0012】
【実施例】
(実施例1)注入圧力を一定にしたときの水平方向にお
ける注入時間と注入距離の関係 (1)5m四方のコンクリート容器内にモデル試験土壌
として細砂を満たした。容器の表面中央に掘削孔を設
け、外径50mmの注入管の先端が表土から2.5mの
深さになるように挿入した。次に、掘削孔と注入管の間
を細砂と水ガラスを混合した粘結性材料でシールした。
なお、注入管の反対側は地上部分でバルブを介して送液
ポンプに接続されており、タンク内の注入溶液はこの送
液ポンプにより注入口へ圧送できるようになっている。
注入溶液には、酸素で飽和させた脱イオン水を用いた。
【0013】(2)注入管を中心として半径20cm毎
の同心円上に相対する4カ所の位置において(図1)、
2.5mの深さに溶存酸素センサを設置した。この溶存
酸素センサにより溶液の注入時における土壌内各位置の
酸素濃度を測定し、これより4つの水平方向における注
入距離を求め、これらを平均して注入距離とした。注入
口から注入圧力を0.5kg/cm2 として溶液を一定
時間注入し、そのときの注入距離を求めた。次に土壌を
約10時間静置し、注入した過剰な酸素が揮散あるいは
土壌内に生息する土着菌によって十分消費され土壌中の
酸素濃度が注入前の濃度レベルに戻ったことを確認し
た。さらに、土壌が自重圧により圧縮されて、注入前の
圧密度に戻ったことを確認した。そののち、注入圧力を
0.5kg/cm2 として注入時間のみを変化させて再
度注入実験を行い、この操作を繰り返して注入時間と注
入距離の関係を求めた。なお、定水位法によって求めた
細砂の飽和透水係数は1×10-4cm/sであった。
【0014】(3)別の5m四方のコンクリート容器内
にモデル試験土壌としてシルト混じりの細砂を満たし、
上記と同様な実験を行った。なお、シルト混じりの細砂
の飽和透水係数は5×10-5cm/sであった。得られ
た結果を図2に示す。 (実施例2)注入時間を一定にしたときの水平方向にお
ける注入圧力と注入距離の関係 (1)実施例1と同様の実験装置において、注入時間を
2分間として、注入圧力と注入距離との関係を求めた。
また、飽和透水係数が異なる土壌についても注入圧力と
注入距離の関係を求めた。得られた結果を図3に示す。 (実施例3)注入圧力を注入時間とともに増加させたと
きの最終注入時間と注入距離の関係 (1)実施例1と同様の実験装置において、注入圧力を
注入時間とともに増加させ(0.1kg/min.)、
最終注入時間と注入距離の関係を求めた。また、飽和透
水係数が異なる土壌についても最終注入時間と注入距離
の関係を求めた。得られた結果を図4に示す。 (実施例4)注入圧力を一定にしたときの圧力パルス時
間と注入距離の関係 (1)実施例1と同様の実験装置において、注入圧力を
5kg/cm2 として、圧力パルス時間と注入距離との
関係を求めた。また、飽和透水係数が異なる土壌につい
ても圧力パルス時間と注入距離の関係を求めた。得られ
た結果を図5に示す。 (実施例5)圧力パルス時間を一定としたときの注入圧
力と注入距離の関係 (1)実施例1と同様の実験装置において、圧力パルス
時間を10秒間として、注入圧力と注入距離との関係を
求めた。また、飽和透水係数が異なる土壌についても注
入圧力と注入距離の関係を求めた。得られた結果を図6
に示す。 (実施例6)予備注入によって最適な注入圧力と注入時
間あるいは圧力パルス時間を決定する方法。
【0015】(1)実施例1と同様の実験装置におい
て、注入時間(t)あるいは注入圧力(p)を変化させ
て、そのときの注入量(V)および注入範囲(L)を測
定した。また、飽和透水係数(k)が異なる土壌につい
ても同様な実験を行った。その結果、L=A・V、およ
びV=B・k・p・tなる関係が得られた(A,Bは定
数)。したがって、予備注入における注入圧力、注入時
間、および注入量より所定の注入範囲に対する注入時間
あるいは注入圧力を決定できることを明らかにした。 (2)実施例1と同様の実験装置において、圧力パルス
時間(Δt)あるいは注入圧力(p)を変化させて、そ
のときの注入量(V)および注入範囲(L)を測定し
た。また、飽和透水係数(k)が異なる土壌についても
同様な実験を行った。その結果、L=C・V、およびV
=D・k・p・Δtなる関係が得られた(C,Dは定
数)。したがって、予備注入における注入圧力、圧力パ
ルス時間、あるいは注入量より所定の注入範囲に対する
圧力パルス時間あるいは注入圧力を決定できることを明
らかにした。 (実施例7)コリネバクテリウム・スピーシズJ1(生
命工学工業技術研究所受託番号:FERMP−1433
2号)を培養し、108cell/mlとなるまで増殖
させ、これを注入微生物とした。また、0.1%酵母エ
キス、0.2%乳酸ナトリウム、及び100ppmフェ
ノールを含む溶液を調製し、この溶液に酸素ガスを通気
させ溶液の酸素濃度を飽和させて、注入物資とした。次
に、モデル試験土壌(透水係数 1×10-4cm/s)
の上部からトリクロロエチレン水溶液を散布し、トリク
ロロエチレンの濃度が約10ppm/g土壌となるよう
なモデル汚染土壌を作製した。注入微生物と注入物資を
体積比1:1000で混合し、これを実施例1に説明の
方法で5分間モデル汚染土壌に注入し、修復実験を行っ
た。その結果、3日後には注入範囲における土壌中のト
リクロロエチレン濃度は約3ppmまで減少した。一
方、注入範囲外における土壌中のトリクロロエチレン濃
度は約10ppmとほとんど変化せず、注入範囲のみが
効率的に浄化されることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶存酸素センサ設置位置を示す図。
【図2】実施例1における注入時間と注入距離の関係を
示す図。
【図3】実施例2における注入時間と注入距離の関係を
示す図。
【図4】実施例3における注入時間と注入距離の関係を
示す図。
【図5】実施例4における注入時間と注入距離の関係を
示す図。
【図6】実施例5における注入時間と注入距離の関係を
示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 和實 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−226230(JP,A) 米国特許5133625(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09C 1/00 - 1/10 A62D 3/00 C02F 3/00 C02F 11/02

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化炭化水素で汚染された土壌を
    微生物の浄化作用により修復する方法であって、a.前記土壌の透水係数を測定する工程と、 b. 汚染土壌領域に汚染物質を分解することで土壌を修復
    するための微生物を注入するための注入管を設ける工程
    と、 c. 前記注入管より、微生物を注入し、汚染土壌領域に微
    生物を分布させる工程と、 d. 前記注入管より、前記微生物に対する栄養素、インデ
    ューサ、酸素から選ばれた1つ以上の物質を注入し、汚
    染土壌領域に前記物質を分布させる工程とを含み、前記透水係数 に応じて、前記注入する微生物および前記
    注入する物質の注入圧力、注入時間、あるいは注入量を
    設定することにより修復すべき土壌に前記微生物および
    前記物質を分布させる範囲を限定することを特徴とする
    修復方法。
  2. 【請求項2】 前記注入圧力を一定として、前記土壌の
    透水係数に応じて前記注入時間あるいは前記注入量を変
    化させて前記微生物および前記物質を分布させる範囲
    限定する請求項1に記載の修復方法。
  3. 【請求項3】 前記注入時間を一定として、前記土壌の
    透水係数に応じて前記注入圧力あるいは前記注入量を変
    化させて前記微生物および前記物質を分布させる範囲
    限定する請求項1に記載の修復方法。
  4. 【請求項4】 単位時間当たりの前記注入量を一定とし
    て、前記土壌の透水係数に応じて前記注入時間を変化さ
    せて前記微生物および前記物質を分布させる範囲限定
    する請求項1に記載の修復方法。
  5. 【請求項5】 前記注入圧力を前記注入時間とともに変
    化させ、前記土壌の透水係数に応じて最終注入圧力ある
    いは最終注入時間を決定し、これにより前記微生物およ
    び前記物質を分布させる範囲限定する請求項1に記載
    修復方法。
  6. 【請求項6】 2kg/cm2以上の高い注入圧力で前記
    生物および前記物質をパルス状に注入し、注入圧力を一
    定として、前記土壌の透水係数に応じて圧力パルス時間
    を変化させて前記微生物および前記物質を分布させる範
    限定する 請求項1に記載の修復方法。
  7. 【請求項7】 2kg/cm2以上の高い注入圧力で前記
    生物および前記物質をパルス状に注入し、圧力パルス時
    間を一定として、前記土壌の透水係数に応じて注入圧力
    を変化させて前記微生物および前記物質を分布させる範
    限定する請求項1に記載の修復方法。
  8. 【請求項8】 所定の注入圧力と圧力パルス時間で前記
    微生物および前記物質をパルス状に注入したのち、一定
    時間後にパルス状の注入を繰り返して行う請求項6また
    は7に記載の修復方法。
  9. 【請求項9】 所定の注入圧力と注入時間で予備注入を
    行い、このときの注入量から最適な注入圧力、注入時
    間、圧力パルス時間、あるいは注入量を決定し、これに
    より前記微生物および前記物質を分布させる範囲限定
    する請求項1〜8のいずれかに記載の修復方法。
  10. 【請求項10】 所定の注入圧力と圧力パルス時間でパ
    ルス状に予備注入を行い、このときの注入量から最適な
    注入圧力、注入時間、圧力パルス時間、あるいは注入量
    を決定し、これにより前記微生物および前記物質を分布
    させる範囲限定する請求項1〜8のいずれかに記載の
    修復方法。
  11. 【請求項11】 最適な注入圧力と圧力パルス時間でパ
    ルス状に注入したのち、さらに注入圧力、注入時間ある
    いは注入量を設定することにより前記微生物および前記
    物質を分布させる範囲限定する請求項1に記載の修復
    方法。
  12. 【請求項12】 前記注入管から所定の分布範囲だけ離
    れた土壌位置において前記微生物あるいは前記物質のう
    ちの少なくとも1つの濃度を測定する工程を含み、この
    濃度に基づき注入圧力、注入時間および注入量を変化さ
    前記微生物および前記物質を分布させる範囲限定す
    る請求項1に記載の修復方法。
  13. 【請求項13】 汚染土壌領域の2つ以上の土壌位置に
    おいて前記微生物あるいは前記物質のうちの少なくとも
    1つの濃度を測定する工程を含み、この濃度の経時変化
    に基づき注入圧力、注入時間あるいは注入量を変化させ
    前記微生物および前記物質を分布させる範囲限定する
    請求項1に記載の修復方法。
  14. 【請求項14】 前記注入管から所定の分布範囲だけ離
    れた土壌位置における土壌の分解活性指数を測定する工
    程を含み、この値に基づき前記微生物あるいは前記物質
    のうちの少なくとも1つの注入圧力、注入時間あるいは
    注入量を変化させ前記微生物および前記物質を分布させ
    る範囲限定する請求項1に記載の修復方法。
  15. 【請求項15】 土壌の分解活性指数が、前記微生物の
    汚染物質分解により生ずる中間生成物の濃度である請求
    項14に記載の修復方法。
  16. 【請求項16】 土壌の分解活性指数が、前記微生物が
    発現する汚染物質の分解に係わる酵素の濃度である請求
    項14に記載の修復方法。
  17. 【請求項17】 土壌の分解活性指数が、汚染土壌の一
    部をサンプリングし、その土壌サンプルに所定量の汚染
    物質を添加したときの減少挙動から算出したものである
    請求項14に記載の修復方法。
JP24821894A 1994-10-14 1994-10-14 汚染土壌の浄化修復方法 Expired - Fee Related JP3363615B2 (ja)

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