JP2003024926A - 土壌浄化方法 - Google Patents

土壌浄化方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難透水性層等の汚染土壌中へ水性の浄化剤を
注入する必要性をなくし、土壌中の汚染物質を効率的か
つ速やかに無毒化する方法を提供する。 【解決手段】 有機塩素系化合物に汚染された土壌の難
透水性層よりも下方に存在する透水性層に鉄微粒子スラ
リーを注入し、該鉄微粒子スラリーから発生する水素ガ
スを難透水性層中に侵入させることを特徴とする土壌浄
化方法を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機塩素系化合物
等により汚染された土壌を浄化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】機械類の油類除去等の工業的な洗浄に
は、これまでトリクロロエチレン等の有機ハロゲン化物
が大量に使用されてきた。環境汚染の観点から、最近で
はこのような有機ハロゲン化物の使用が規制されるよう
になってきている。しかしながら、既に多量の有機ハロ
ゲン化物が使用されており、このためその土壌汚染ある
いは水質汚染も進んでいる。特に、トリクロロエチレン
等の有機塩素系化合物は、安定で微生物に分解され難
く、自然環境に投棄された有機塩素系化合物は、土壌を
汚染するだけでなく、最終的には河川や地下水を汚染
し、これが飲料水の原水となることがあり、問題とな
る。
【0003】このため、WO01/08825A1号公
報には、有機ハロゲン化物、6価クロム等の汚染物質に
より汚染された土壌に鉄微粒子スラリーを施し、汚染物
質を還元することにより無毒化、或いは無毒化後除去す
る直接的な土壌浄化方法が提案されている。この従来技
術による土壌浄化方法における反応機構は、鉄の酸化還
元反応によって起こると考えられ、鉄と水との反応によ
って発生する水素による反応(今村等、環境技術、12
6〜130頁、(2)、Vol.29、(2000)は
主たる反応ではなかった。
【0004】この方法では、鉄粒子と汚染物質とが直接
接触することにより土壌の浄化が行われるため、一般に
水性の鉄微粒子スラリーを汚染土壌中に直接注入する必
要がある。しかしながら、透水度10−5cm/sec
未満の難透水性地層における汚染が最も深刻であり、こ
の層には水性物質の注入が困難なため、実際の浄化効率
は極めて低いものである。
【0005】また、有機酸を水素除放剤として用い水素
を発生させる土壌洗浄方法が、化学工業日報社発行、中
村誠著、「土壌・地下水汚染に道対処するか」、189
〜190頁に記載されているが、この水素除放剤は微生
物による分解が必須であり、土壌浄化に長時間を要す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、難透水性層中に
水性の浄化剤を注入する必要性をなくし、難透水性層中
の汚染物質を効率的に無毒化することが可能な土壌浄化
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、有機塩素
系化合物等に汚染された土壌の難透水性層等を含む汚染
土壌を浄化する方法において、この汚染土壌よりも下層
の透水性層等の層に土壌浄化剤としての鉄微粒子スラリ
ーを注入し、鉄微粒子が発生する水素ガスを、鉄微粒子
スラリーを注入した層よりも上方に位置する汚染土壌、
特に難透水性層中に透過または侵入させることによる、
土壌浄化方法により本発明の上記課題が解決されること
を見出した。
【0008】上記本発明の土壌浄化方法によると、上述
のような透水度10−5cm/sec未満の難透水性層
に水性の土壌浄化剤としての鉄微粒子スラリーをあえて
直接注入する必要がなく、気体の水素分子が難透水性層
中に拡散するため、容易かつ効率的に難透水性層を浄化
することができる。
【0009】浄化すべき地層が、シルト層等の複数の難
透水性層と砂層等の複数の透水性層が交互に積層された
状態で存在する場合には、1層以上の透水性層に鉄微粒
子スラリーを注入すると、発生した水素ガスが、その上
方に存在する1層以上の難透水性層中に拡散され、浄化
作用が得られる。本発明の方法によると、上方の難透水
性層のみならず、鉄微粒子スラリーを施した層の少なく
とも1部、もしくはこれより上方に存在する透水性層も
同時に浄化され得ることは言うまでもない。
【0010】本発明では、鉄を微粒子としたため水素の
発生が卓越することと、難透水性層への浄化剤注入を可
能としたことによって初めて完成するものである。
【0011】また、有機系水素除放剤を土壌中へ注入す
ることも可能であるが、この除放剤では上述のように水
素の発生が緩慢で、本発明の浄化剤のような速やかな土
壌洗浄を行うことはできない。
【0012】更に、浄化対象の土壌とその直下における
複数の透水性層の多く、または全てに鉄粒子スラリーを
注入すると、水素ガスが直上の難透水性層にスムーズに
拡散するため、汚染物質である有機塩素系化合物の脱塩
素反応の反応速度が向上する。
【0013】また、本発明では上述の鉄微粒子スラリー
注入以前に、水素ガスと接触する汚染土壌に第一鉄塩、
亜硝酸塩等の脱酸素剤を注入することが好ましい。これ
により地中の酸素が除去され、地中における水素ガスの
爆発が回避され、安全対策が万全となる。
【0014】脱酸素剤の具体例としては硫酸第一鉄が挙
げられる。脱酸素剤は、通常、固形分に対して20%以
下、更に好ましくは10%以下の量で添加される。硫酸
第一鉄の添加量は20%を越えると凝集性が示され好ま
しくない。
【0015】また、本発明において発生した水素ガスが
地表に達した場合には、その拡散速度が早いため爆発限
界に達することはない。
【0016】更に、本発明で使用される鉄微粒子スラリ
ーにおける鉄微粒子の平均粒径は、10μm未満、特に
0.1〜6μmのであることが好ましく、これにより鉄
の表面積が大きく得られる。このように表面積の大きい
鉄微粒子が水性溶媒等に懸濁さたスラリーでは多量の水
素ガスが効率的に発生し、速やかな脱塩素反応が行わ
れ、汚染土壌に対する処理能力が増大するものである。
【0017】また、スラリーの固形分は20〜80質量
%、好ましくは20〜70質量%、特に好ましくは30
〜50質量%とされる。
【0018】本発明の土壌浄化方法は、浄化すべき土壌
に注入管を挿入し、この注入管に微粒子スラリーを注入
することにより容易に行われる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の土壌浄化方法における反
応機構は下式で示される。
【0020】
【化1】
【0021】すなわち、本発明の土壌浄化方法による
と、汚染土壌の下層に、鉄微粒子と水性溶媒とから主に
構成される鉄微粒子スラリーを注入する。この鉄微粒子
と水性溶媒とが反応し、鉄が酸化されることにより水素
ガスが発生し、この水素が、上方の汚染土壌中のトリク
ロロエチレン、ジクロロエチレン等の有機塩素系化合物
の塩素を置換し(脱塩素反応)、土壌の浄化、無毒化が
行われるものである。
【0022】本発明の土壌浄化方法は、汚染された土壌
に注入管を挿入し、この注入管に鉄微粒子スラリーを注
入することにより行われる。一般に、土壌の汚染は難透
水性層のシルト層に多く見られる。
【0023】例えば、図1に示されるような、シルト層
(S−1、S−2、S―3)と、砂層(G−1、G−
2、G−3、G−4)が交互に存在する汚染土壌1に対
して、本発明の土壌浄化方法を行う場合について説明す
る。本発明の一実施の形態により、浄化すべき土壌にボ
ーリングを行い、孔10を設ける。この孔10はそれぞ
れ、浄化対象のシルト層S−1、S−2、S−3の下方
に存在する砂層G−2、G−3、G−4に到達するよう
に設けられる。各孔10中に土壌浄化剤の注入管20を
それぞれ孔の下端まで導入する。注入管10は必要によ
り間隔を隔てて複数本、浄化すべき難透水性層(シルト
層)の直下または下方の透水性層(砂層等)に先端が到
達するように設けられる。この状態で、土壌浄化剤の鉄
微粒子スラリーが供給用注入管20に注入され、透水性
層中に施されることになる。鉄微粒子はスラリーを構成
する水等の溶媒中で酸化し、これにより水素ガスを発生
し、これが上方のシルト層中に拡散する。
【0024】ここで図示した全汚染土壌1を浄化する場
合、最下層の砂層G−4に対して任意の本数の注入管2
0を、任意間隔でもたらすと、その上方に存在する全て
または少なくとも近接する汚染層が浄化される。
【0025】一般に、汚染土壌には複数の難透水性層が
存在するので、図1に示したように、難透水性層直下の
透水性層G−2、G−3、G−4の全てに注入管20を
到達させて鉄微粒子スラリーを供給すると、各難透水性
層への水素ガス拡散が同時に開始されるため、浄化の程
度および浄化の速度共に優れた土壌浄化作用が得られ
る。また、シルト層と砂層等の積層状態、厚さ、汚染状
況等を考慮して、砂層のうちの任意の数の層、例えば砂
層G−2とG−4のみに注入管20をもたらす等、浄化
剤を注入する砂層を選択的に決定することも可能であ
る。それぞれの場合において、注入管10の数、間隔が
適宜設定される。
【0026】また、本発明は一般にシルト層の浄化のた
めに用いられるが、図中の砂層G−1のように、上方に
難透水性層を有さない透水性層のみに適用してもよく、
この場合には砂層G−1の浄化のみが行われる。
【0027】更に注入管に浄化液を注入する前に、注入
管から地下水を排出し、その後土壌浄化剤を注入しても
良い。
【0028】また、本発明では鉄微粒子素スラリーの注
入より前またはこれと同時に、水素ガスと接触する層に
脱酸素剤を注入することが好ましい。これにより地中に
おける酸素ガスが除去されるため、水素ガスが爆発を生
じる可能性を回避することができる。ここで用いられる
脱酸素剤の例には第一鉄塩、亜硝酸塩がある。本発明に
おいて発生した水素ガスが地表に達したとしても、その
量は微量であり、また拡散速度が早いため地上での爆発
が起こることはない。土壌に注入するスラリー中の鉄微
粒子の濃度は一般に0.1〜50質量%であり、1〜3
0質量%が好ましい。また注入量は、一般に土壌1m
当たり鉄微粒子1〜400kgであり、10〜200k
gが好ましい。
【0029】本発明の土壌浄化方法に使用されるスラリ
ーに含まれる鉄微粒子の平均粒径は10μm未満であ
り、0.1〜6μmが好ましく、特に0.1〜3μmが
好ましい。この様な微少粒径の鉄を用いることにより鉄
粒子表面積が大きくなり、従って水素の発生率が向上
し、土壌浄化効果向上につながる。
【0030】更に水素の発生を促進するために、塩酸、
硫酸、硝酸、弗酸等の酸、好ましくは塩酸を注入管に混
合して施しても、あるいは別のロッドから同時に注入し
てもよい。
【0031】また、上記スラリーの固形分は20〜80
質量%、好ましくは20〜70質量%、特に30〜50
質量%とされる。この固形分のうち、90質量%以上は
金属鉄及び鉄含有化合物とされ、全固形分に対する金属
鉄の割合は30質量%以上を占める。
【0032】このようなスラリーは、一般に製鋼用の酸
素吹転炉から、精錬中に発生する排ガス中の製鋼ダスト
を集塵(好ましくは湿式集塵)し、炭酸ガス等のガスを
除去することにより有効に得られる。通常、集塵後、上
記製鋼ダストをシックナーにより鉄粉スラッジのスラリ
ーとし、本発明の浄化方法に用いる。必要に応じ、得ら
れた製鋼ダストに更に特定用途(例、トナー用)向けの
高品位鉄粉を加えて、スラリーとすることもできる。鉄
微粒子スラリーの製造については、WO01/0882
5A1号公報に詳述されているため、参照されたい。
【0033】上記のように本発明の鉄微粒子は、その鉄
微粒子を製造するための特別な方法、装置を用いること
なく、鉄精錬の際の副産物を利用して得ることができ、
簡便で経済的である。また、スラリー状で得られるの
で、実際の浄化に使用される前に鉄粒子表面が酸化する
ことが防止され、従って輸送の際の酸化も防止できる。
尚、輸送中は、鉄粒子が沈殿固化しないように攪拌する
ことが好ましい。また、スラリー状であることにより、
土壌浄化剤を製造する際、他の材料との混合が容易であ
るという利点を有する。
【0034】微粒子の鉄粉は、表面積が大きく表面が不
働態化され易いため、本発明ではこれを防止するため親
水性バインダー及び/又は金属ハロゲン化物を併用する
ことが好ましい。
【0035】金属ハロゲン化物としては、NaCl、K
Cl、MgCl、CaCl等を挙げることができ、
特にNaClが好ましい。金属ハロゲン化物は、鉄の水
酸化物、酸化物を金属鉄に還元する働きがある。その使
用量は、鉄微粒子に対して0.5〜200質量%が一般
的で、0.5〜50質量%が好ましい。
【0036】親水性バインダーは、鉄微粒子の表面を覆
い、有機ハロゲン化物を還元作用を示すまでに酸化され
ないように保護する機能を有する。親水性バインダーの
例としては、スクロース等の二糖類、スクロース誘導体
(例、スクロース高級脂肪酸エステル)、グルコース等
の単糖類、アルギン酸、プルラン、PVA(ポリビニル
アルコール)、CMC(カルボキシルメチルセルロー
ス)、ポリアクリルアミド、グアガム、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性樹脂を挙げ
ることができる。プルランは水溶液にした際の粘度が低
いため、特に好ましく用いられる。更に、ヒドロキシエ
チルセルロース、スクロース、グルコース、PVAも好
ましい。親水性バインダーとして生分解性ポリマーを用
いると二次的な環境汚染に対して特に有効である。その
使用量は、鉄微粒子に対して0.01〜200質量%が
一般的で、0.01〜100質量%が好ましい。
【0037】このように本発明の土壌浄化剤は、上記鉄
微粒子スラリーに、必要に応じて酸化防止剤、金属ハロ
ゲン化物又は水溶性ポリマー、又は金属ハロゲン化物及
び親水性バインダーとを加えて、懸濁、あるいは分散さ
せて得られるものである。更に適宜水を加えて所望の濃
度にすることができる。また必要により分散時に界面活
性剤を使用することもできる。上記親水性バインダーの
代わりに生分解性ポリマー(例、生分解性ポリカプロラ
クトン)を用いると、上述のように二次的な環境汚染に
対して特に有効である。
【0038】上記水性懸濁液は、更に無機炭酸塩又は炭
酸塩系鉱物を含有していることが好ましい。これらの例
としては、炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、珊瑚化石石灰岩、石灰岩、ドロマイト
を挙げることができ、特に沈降性炭酸カルシウムが好ま
しい。本発明の土壌浄化剤は、その構成成分の鉄微粒子
が土壌内の土壌粒子の間隙に入り込むことがあり、この
鉄微粒子が地下水等に溶出する可能性も高くなる。この
ため、本発明では上記炭酸塩を用いて、溶出した鉄イオ
ンを固定し、これを防止することが好ましい。
【0039】本発明に用いられる水性懸濁液状の土壌浄
化剤は、前述のように、上記鉄微粒子スラリー、及び所
望により水溶性ポリマー、金属ハロゲン化物、及び親水
性バインダーを添加して、懸濁、あるいは分散させて得
られるものである。更に、分散剤として、ナフタレンス
ルホン酸系等の界面活性剤を使用しても良い。分散剤の
使用量は、鉄微粒子に対して0.01〜10質量%が一
般的であり、0.1〜5質量%とすると好ましい。
【0040】また、上記土壌浄化剤の注入は、鉄微粒子
の水性懸濁液の注入と、所望により使用される親水性バ
インダー等を含有する水性懸濁液の注入とに分けて行っ
ても良い。
【0041】以下、実施例により本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。
【0042】
【実施例】[実施例1] (a)鉄微粒子スラリー(土壌浄化剤)の製造 下記の製造条件で鉄微粒子スラリーを得た。
【0043】製造条件:OG(oxygen gas)ガス処理方式
を装備した上底吹き転炉にて製造 転炉の容量:350T/回(T:転炉内の鋼の質量に相
当し、容量で示される量) 投入銑鉄:溶銑比率70〜96% 酸素吹き込み量:吹錬時間20分程度 スラリー製造速度:250t/D(日) これにより得られた鉄微粒子スラリーの組成を表1に示
す。表1 スラリー 水分 湿粉 水分 SS 金属鉄 湿粉 金属鉄 (単位:T/D(日当たり生成量))(単位:T/M (月当たり生成量) フィルター プレス後 35 % 150 53 98 20 4200 546 スラリー70 70% 325 228 98 25 9100 683(製品) これに含まれる鉄微粒子の構成成分を表2に示す。表2 スラリー 金属鉄 FeO FeO 鉄総量 CaO SiO フィルター プレス後 18 − − 71 4.8 0.4 スラリー70 29 38 − 67 − −(製品) (単位:質量%) 上記フィルタープレス後のスラリーに含まれる鉄微粒子
の平均粒径は1.3μmであった。
【0044】このように調製された鉄微粒子スラリー
を、図2に記載のようにシルト層(A)〜(F)層と砂
層(a)〜(f)層が交互に積層されたトリクロロエチ
レンによる汚染土壌に施す。
【0045】浄化剤注入に先立ち、図2に記載の各深度
におけるシルト層(A)〜(F)層、砂層(a)〜
(f)層の土壌サンプルを採取し、トリクロロエチレン
の濃度を測定した。結果を図2に示す。
【0046】更に、注入管を各砂層(a)〜(f)に対
して挿入し、この注入管中を通して、予め(第一鉄塩ま
たは亜硝酸塩の具体例と量)を注入した。次いで、この
注入管から上記スラリーを5倍希釈したものを土壌1m
に対して0.2mずつ注入した。鉄微粒子スラリー
の注入から50日経過後に、再び各シルト層(A)〜
(F)、砂層(a)〜(f)の土壌サンプルを採取し、
トリクロロエチレン濃度を測定した。この結果を、図2
に併せて記載する。
【0047】図2より、本発明の土壌浄化方法による
と、汚染物質の濃度が顕著に低下することがわかる。更
に、特に汚染が激しく、直接浄化剤を注入していないシ
ルト層における汚染物質の濃度低下が大きく、本発明の
方法が環境修復に極めて有効であることがわかる。
【0048】[実施例2]表1の組成によるスラリー原
液に硫酸第一鉄7水塩1%を溶解させて得られた浄化液
を、図2に示した地層の深度5〜10mの砂層に、地層
1mあたり浄化液0.2mの量で注入した。注入
は、実施例において浄化液を注入した箇所の直近(未浄
化箇所)に行った。
【0049】注入50日後ボーリングしたところ、土壌
から溶出したトリクロロエチレン濃度は0.01mg/
リットル以下であった。
【0050】一般に汚染が激しく、かつ浄化の困難な難
透水性層が、本発明の方法により高土壌浄化効率で容易
に浄化可能とされたことは、環境保全の視点から特に重
要である。
【0051】本発明の方法は、上述のように質量の小さ
い水素ガスが上方に自由拡散することを利用しているた
め、従来行われた汚染土壌と土壌浄化剤のメカニカルな
混合等の複雑な処理が必要なく、施工の労力が著しく低
減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の土壌浄化方法を施工例を示す図であ
る。
【図2】 本発明の一実施の形態における、土壌浄化方
法を行う前後の土壌の汚染状況を比較するための図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 康典 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA41 AB06 AC07 CA34 CA50 CC11 CC12 DA03 DA10 DA11 DA20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機塩素系化合物に汚染された難透水性
    層を含む汚染土壌の、前記難透水性層よりも下方に存在
    する透水性層に鉄微粒子スラリーを注入し、該鉄微粒子
    スラリーから発生する水素ガスが前記難透水性層中に侵
    入するようにしたことを特徴とする土壌浄化方法。
  2. 【請求項2】 前記汚染土壌中に、前記難透水性層がそ
    れぞれ透水性層を介して複数層存在し、このうちの最下
    層の難透水性層よりも下方に存在する透水性層に前記鉄
    微粒子スラリーを注入することを特徴とする請求項1に
    記載の土壌浄化方法。
  3. 【請求項3】 複数の難透水性層のそれぞれ下方に存在
    する全ての透水性層に前記鉄粒子スラリーを注入するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の土壌浄化方法。
  4. 【請求項4】 前記鉄微粒子スラリーの注入時または注
    入前に、前記汚染土壌層に脱酸素剤を注入することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の土壌浄化方
    法。
  5. 【請求項5】 前記脱酸素剤として、第一鉄塩、亜硝酸
    塩、またはこれらの双方を用いることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の土壌浄化方法。
  6. 【請求項6】 前記鉄微粒子スラリーが、10μm未満
    の平均粒径を有する球状の鉄微粒子の水性分散液である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の土壌
    浄化方法。
  7. 【請求項7】 前記平均粒径が0.1〜6μmであるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の土壌浄化方法。
  8. 【請求項8】 前記有機塩素系化合物がトリクロロエチ
    レンまたはジクロロエチレンであることを特徴とする請
    求項1〜7のいずれかに記載の土壌浄化方法。
  9. 【請求項9】 前記鉄微粒子スラリーの固形分が20〜
    80質量%であることを特徴とする請求項1〜8のいず
    れかに記載の土壌浄化方法。
  10. 【請求項10】 浄化すべき土壌に予め注入管を挿入
    し、該注入管に前記鉄微粒子スラリーを注入することを
    特徴とする請求項1〜9に記載の土壌浄化方法。
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