JP4342222B2 - 六価クロムで汚染された土壌及び/又は地下水の原位置浄化方法 - Google Patents

六価クロムで汚染された土壌及び/又は地下水の原位置浄化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、六価クロムにより汚染された土壌又は地下水を無害化する汚染土壌及び/又は地下水の原位置浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、クロム鉱を、ソーダ灰、石灰石と共にばい焼し、染料や酸化剤となる重クロム酸ソーダを製造した場合、有害な六価クロムを含むクローム鉱滓が副生する。このような有害な鉱滓は、以前は処理することなく埋め立て地に投棄されていた。このような投棄された鉱滓は、土壌を汚染するだけでなく、最終的には河川や地下水を汚染し、これが飲料水の原水となることがあり、問題となる。
【0003】
またこのような重クロム酸ソーダを製造する工場が移転した後の、その跡地利用の際土壌汚染が表面化することも屡々ある。
【0004】
六価クロムで汚染された土壌は、従来から硫酸第一鉄又は塩化鉄(一般に粉末状で)を加えて撹拌することにより六価クロムを三価クロムに還元することにより無害化処理が行われている。前記埋め立て地に投棄された六価クロムを処理する方法としては、例えば特開昭52−49977号公報には、六価クロムを含むクローム鉱滓が投棄されたその埋め立て地に、アルカリ性でも還元作用を示す硫酸第一鉄等の還元剤と、中和剤を混合したセメント系の固結剤とを、別々に高圧で噴射し、これらを良好に混合すると共に、六価クロムを無害な三価クロムに還元し、且つ固結させて、以後クロムの溶出を完全に防止する方法が記載されている。
【0005】
また、六価クロムで汚染された地下水についても、通常、その地下水を地上に揚水し、そして揚水された汚染水を、地上プラントで硫酸第一鉄等と混合し、沈殿除去される。
【0006】
従って、これまで上記のようなセメント系の固結剤を用いないで、六価クロムで汚染された土壌の浄化処理を行う場合も、掘削して、硫酸第一鉄等を粉末又は溶液で添加し撹拌することにより主として行われており、汚染土壌をそれを撹拌することなく直接浄化処理を行う、簡易で効率的な原位置浄化処理は行われていない。
【0007】
【特許文献1】
特開昭52−49977号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、六価クロムで汚染された土壌及び/又は地下水を、掘削或いは撹拌することなく、効率よく原位置で浄化処理する方法を提供することにある。
【0009】
上記目的を実現するために、本発明者等は、原位置での浄化処理について種々検討を行った。即ち、硫酸第一鉄水溶液を、一般的な注入工法、例えば単管ロッド法、ダブルパッカー法により、六価クロムで汚染された土壌に注入し、その注入の様子を観察した。単管ロッド法では、硫酸第一鉄水溶液の注入自体が困難で、ほとんど地上に吹き上がる傾向にあった。また、ダブルバッカー法では、注入圧が大きいため、注入された硫酸第一鉄水溶液が土壌、特に地盤中を均一に拡散せずに、地盤中で硫酸第一鉄水溶液と六価クロムとが反応してフロックを形成することから、透水性が悪化し、未浄化の部分が残るとの問題があることが明らかとなった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記六価クロム汚染土壌の効率の良い原位置浄化方法を実現するために、鋭意検討を重ねたところ、本発明に到達したものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、六価クロムで汚染された土壌及び/又は地下水に、六価クロムを還元可能な薬剤を含む水溶液を、超多点注入工法により直接注入する工程を含む六価クロムで汚染された土壌の原位置浄化方法であって、
上記薬剤を含む水溶液として、硫酸第一鉄又は塩化第一鉄の0.5〜20質量%水溶液を用い、
上記超多点注入工法に用いられる注入管には、吐出口の数が垂直方向に0.3〜1.5m間隔で10〜100個設けられており、且つ該注入管は吐出口と同数の異なる長さの注入細管の束であり、そして
該注入管が、水平方向平面において、1〜5m間隔で設けられていることを特徴とする原位置浄化方法にある。
【0012】
本発明で用いられる上記超多点注入工法は、構造物の基板となる地盤の改良や、砂質土壌の液状化防止等に使用されている(例、特開平11−81296号公報、特開2000−45259号公報、特開2002−363967号公報参照)。この方法は、グラウドや超微粒子セメント等の溶液を低圧で浸透注入することができ、再注入が容易であり、さらに同時に多数の箇所から注入が可能であることから、本発明者等が六価クロムで汚染された土壌又は地下水の浄化に適しているのではないかと考え、検討を行ったところ、本発明に到達したものである。
【0013】
上記本発明の浄化方法において、六価クロムを還元可能な薬剤を含む水溶液が、2価の鉄イオンを含む水溶液であることが好ましい。一般に浄化効率が良好である。2価の鉄イオンを含む水溶液が、硫酸第一鉄又は塩化第一鉄の水溶液であることが好ましい。これらの濃度は一般に0.5〜30質量%、特に5〜20質量%の水溶液であることが好ましい。
【0014】
超多点注入工法で使用される注入するための注入管は、水平方向平面において、1〜5m間隔、特に2〜3m間隔で設けられていることが好ましい。また、注入するための注入管は、垂直方向に0.3〜1.5m間隔で吐出口を有することが好ましい。また各注入管に設けられる吐出口の数は、一般に1〜100個、好ましくは10〜100個、特に好ましくは10〜60個である。
【0015】
上記注入管に設けられた吐出口からの薬剤を含む水溶液の注入を、隣接する吐出口が交互となるように吐出することにより行われることが好ましい。また各吐出口からの注入量は、0.1〜4L(リットル)/分、特に0.2〜1L/分が好ましい。また注入圧1.0〜3.0kg/cmが好ましい。
【0016】
上記注入管は吐出口と同数の異なる長さの注入細管の束であることが好ましい。さらに注入管が、芯管とその周囲に設けられた吐出口と同数の異なる長さの注入細管から成ることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の浄化方法は、六価クロムで汚染された土壌及び/又は地下水を掘削或いは撹拌することなく原位置で直接浄化しようとするものであり、汚染された土壌に、六価クロムを還元可能な薬剤を含む水溶液を超多点注入工法により直接注入することにより、基本的に行われる。
【0018】
本発明の浄化方法は、例えば以下のように行うことができる。
【0019】
図1には、本発明の浄化方法を実施するために使用される超多点注入装置の一例が示されている。
【0020】
本発明の浄化方法は、例えば、図1に示すように、吐出口4を多数有する注入管1が、六価クロムで汚染された土壌(例、砂質土)15に挿入され、この注入管1に、六価クロムを還元可能な薬剤を含む水溶液が送り込まれ、吐出口4から土壌内に注入されることにより行われる。
【0021】
そして、上記注入管1の土壌内への設置及び薬剤溶液の給送、注入は、圧送通路16を介し、それぞれ検知箱8に収められた圧力検知器と流量検知器により圧送通路の各々の圧力、流量、検知がなされ、検知管8における各圧力、流量のデータは電気信号でコントローラー10に送られて注入管を構成する各注入細管3の注入が管理された状態で行われる。
【0022】
これらの注入細管3は特開平11−21296号公報に開示されている様に、多連装重連のユニットポンプ12にも接続されて六価クロムを還元可能な薬剤を含む水溶液用タンク13内の薬剤溶液14を、圧送通路16を介して圧送して所定の地盤15中に挿入された各注入管1の注入細管3の各長さ方向に位置をずらして設けた吐出口4から当該土壌15中に均一に薬剤溶液14を低圧浸透して一挙に広大なエリアの地盤15中に立体的に注入することができるようにされている。
【0023】
本発明で使用される注入管としては、例えば図1に示すように注入細管を多数束ねたものを挙げることできる。図2に示すような、芯管2と注入細管3とからなるものでも良く、多数の吐出口を有し、低圧で薬剤溶液を吐出することができ、その吐出量等を制御できるものであればよい。
【0024】
図2の注入管1は、その中央には金属製又は硬質合成樹脂製の芯管2と、この芯管2の周囲に図2に示す様に、所定数の注入細管3が所定のバンド、或いは、接着剤等を介して全周囲に環設されている。
【0025】
上記注入管1は吐出口と同数の注入細管3の束であることが好ましい。例えば、図1に示すように、端に最も長い注入細管を配置し、これに平行に徐々に長さの短い注入細管を配置したものか、或いは中心に最も長い注入細管を配置し、その周囲に徐々に長さの短い注入細管を配置したものが好ましい。注入細管の寸法は、直径は、0.6〜0.8cmが好ましく、長さは一般に1〜80m、1〜50mが好ましい。
【0026】
汚染土壌に対して、上記超多点注入工法で使用される注入管1が、後述する事前調査の結果を基に、必要な本数設置し、浄化処理が行われる。
【0027】
上記注入管1は、水平方向平面において、1〜5m間隔、特に2〜3m間隔で設けられることが好ましい。また、注入管1は、垂直方向に0.3〜1.5m間隔で吐出口4を有することが好ましい。注入管1は、一般に、注入細管よりなるものであり、注入細管には吐出口は1個のみ有するので、吐出口の数だけ注入細管が必要となる。
【0028】
また各注入管に設けられる吐出口の数(一般に注入細管の数)は、一般に1〜100個、好ましくは10〜100個、特に好ましくは10〜60個である。上記注入管に設けられた吐出口は、薬剤溶液が均一に注入できるよう適宜設定される。例えば中心に最も長い注入管を設置し、その周囲に徐々に長さの短い注入細管を放置し、吐出口が束の外側にあるようにされていることが好ましい。また各吐出口からの注入量は、0.1〜4L(リットル)/分、特に0.2〜1L/分が好ましい。また注入圧1.0〜3.0kg/cmが好ましい。
【0029】
注入管の配置を決定するために事前調査が行われる。そのための調査孔としては、例えば図3に示すように、六価クロムで汚染された土壌mに設けられた注入口(注入管の位置)から、例えば半径(r)1m、2m、3mの位置に、例えば、土壌の汚染を確認するための調査孔(AB2,AC2,BC2)、地下水汚染を確認するための調査孔(A1,A2,A3、C1,C2,C3)、地下水汚染を確認するための調査孔および土壌の汚染を確認するための調査孔(他の全ての記号、B1,B2,B3・・・)を設置する。そして、これにより汚染の程度の事前調査を行い、注入管の配置(本数、間隔等)を決定する。この配置すべき位置に図1に示すような注入管(一般に複数)を設け、六価クロムを還元可能な薬剤を含む水溶液を六価クロム汚染地域に超多点注入工法により直接注入して、浄化処理が行われる。
【0030】
超多点注入工法による薬剤溶液の注入方法としては、例えば高さ方向で1個おきの吐出口から同時に交互に薬剤溶液を吐出し、またこれを各注入口についても同様に行う方法;或いは高さ方向でいくつかのグループに分けられた吐出口から同時に分けられたグループの数だけ交互に薬剤溶液を吐出し、またこれを各注入口についても同様に行う方法等を挙げることができる。
【0031】
本発明で使用される六価クロムを還元可能な薬剤を含む水溶液は、2価の鉄イオンを含む水溶液(例、硫酸第一鉄の水溶液)であり、水溶液を低圧で浸透注入する超多点注入工法を利用して、効率よく注入できることは驚くべきことである。土壌浄化に超多点注入工法を利用することにより、同時に複数箇所から超低圧で注入し、各箇所の注入圧力、注入量を経時的に管理することができ信頼性の高い浸透注入が可能となったことは画期的であると言える。即ち、本発明の方法により、六価クロムで汚染された土壌(地盤、砂質層等)に、薬剤溶液が均等、均一に注入することができ、六価クロムの還元処理を効率よく行うことができる。
【0032】
本発明の方法に使用される六価クロムを還元可能な薬剤を含む水溶液としては、2価の鉄イオンを含む水溶液が好ましい。このような2価の鉄イオンを含む水溶液は、一般に硫酸第一鉄又は塩化第一鉄の水溶液である。
【0033】
2価の鉄イオンを含む水溶液は、硫酸第一鉄(無水塩として)又は塩化第一鉄として0.5〜20質量%、特に5〜20質量%の水溶液であることが好ましい。
【0034】
本発明で使用される硫酸第一鉄としては、硫酸第一鉄の1水塩、4水塩、5水塩、7水塩が一般的で、特に硫酸第一鉄の7水塩が好ましい。六価クロムとの反応を円滑に行うことができる。
【0035】
本発明の六価クロムを還元可能な薬剤を含む水溶液は、所望により金属ハロゲン化物又は金属ハロゲン化物及び親水性樹脂を添加して、混合することにより得られるものでもよい。その際混合に用いる水としては、還元性電解水(pH=7〜13が好ましい)を用いることが好ましい。また前述の酸化防止剤を前記範囲内にてさらに使用しても良い。
【0036】
前記金属ハロゲン化物は、NaCl、KCl、MgCl、CaCl等を挙げることができ、特にNaClが好ましい。
【0037】
前記親水性樹脂の例としては、スクロース等の二糖類、スクロース誘導体(例、スクロース高級脂肪酸エステル)、グルコース等の単糖類、アルギン酸;プルラン、PVA(ポリビニルアルコール)、CMC(カルボキシルメチルセルロース)、ポリアクリルアミド、グアガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性樹脂を挙げることができる。プルラン(水溶液にした際の粘度が低く特に好ましい)、ヒドロキシエチルセルロース、スクロース、グルコース、PVAが好ましい。親水性樹脂として生分解性ポリマーを用いると二次的な環境汚染に対して特に有効である。
【0038】
さらに前記無機炭酸塩又は炭酸塩系鉱物の例としては、炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珊瑚化石石灰岩、石灰岩、ドロマイトを挙げることができ、特に沈降性炭酸カルシウムが好ましい。
【0039】
また酸化防止剤として、好ましくはアスコルビン酸を、例えば0.1〜0.5質量%(全体に対して)使用しても良い。
【0040】
本発明は、以上のように六価クロムで汚染された土壌に薬剤溶液を注入管より吐出する方法について述べてきたが、他の汚染源で汚染された土壌に浄化剤としての薬剤溶液を吐出する場合にも同様に利用することができ、例えば有機ハロゲン化物で汚染した土壌に、炭酸水を吐出する際にも本発明の方法を利用することができる。
【0041】
【実施例】
[実施例1]
(1)事前調査
六価クロムで汚染された土壌に、図3で示すように、注入口及び調査孔を設置した。即ち、六価クロムで汚染された土壌に設けられた注入口(注入管の位置)から半径(r)1m、2m、3mの位置に、土壌の汚染を確認するための調査孔(AB2,AC2,BC2)、地下水汚染を確認するための調査孔(A1,A2,A3、C1,C2,C3)、地下水汚染を確認するための調査孔および土壌の汚染を確認するための調査孔(他の全ての記号、B1,B2・・・・)を設置した。
【0042】
尚、土壌の汚染を確認するための調査孔(AB2,AC2,BC2)は、下記の125m注入に達した後設置し、調査を行った。
【0043】
(2)浄化実験(注入)
注入口として、注入細管を15本束ねたもので、深さ7.5mから21.5mまで1.0mおきに吐出口が位置するように配置したものを使用した。深度7.5m、10.5m、13.5m、16.5m、19.5mのグループ、深度8.5m、11.5m、14.5m、17.5m、20.5mのグループ及び深度9.5m、12.5m、15.5m、18.5m、21.5mのグループの3つのグループに分け、この順で交互に注入を行った。
【0044】
1)上記の注入方法で、8月27日から、硫酸第一鉄0.6質量%水溶液を注入し、8/28までに10.5m注入、9/9までに70.5m注入、9/13までに85m注入した。
【0045】
2)9/24まで11日間放置し、9/25より、濃度を上げた硫酸第一鉄5質量%水溶液を注入し、9/27までに、1)の8/27からの合計注入量で95m注入、10/1までに105m注入、10/8までに115m注入、10/19までに125m注入、10/26までに135m注入した。
【0046】
上記注入試験において、硫酸第一鉄0.6質量%水溶液で85m注入し、11日間放置した後、再注入を行った。この再注入は濃度を上げた5質量%水溶液で行ったが、最後までフロック等の影響もなく注入することができた。
【0047】
3)上記注入による地下水の六価クロム汚染状況の各地点における変化を表1に示す。データの数値はCr6+の濃度(mg/L)を示す。Cr6+の濃度は公定法に従い求めた。
【0048】
【表1】
Figure 0004342222
【0049】
また上記地下水の六価クロム汚染状況(5質量%水溶液注入時における)の1m、2m、3mの各地点におけるCr6+の濃度の平均値を示すグラフを図4に示す。
【0050】
[上記試験及びその結果(表1及び図4)の考察]
硫酸第一鉄0.6質量%水溶液で85m(硫酸第一鉄510kg)注入した時点では、地下水のCr6+の濃度は減少しているが、環境基準値(0.05mg/L)以下にはなっていない。これは硫酸第一鉄の絶対量が足りなかったためと考えられるので、再注入は濃度を上げた5質量%水溶液で行った。その結果、10m(硫酸第一鉄500kg)注入した段階で2mの範囲まで基準値以下にすることができた。
【0051】
一方、浸透範囲についても、5質量%水溶液を10m注入した段階で2mの範囲まで浸透していると言える。
【0052】
4)上記注入による土壌における六価クロム汚染状況の各地点の変化を表2に示す。データの数値はCr6+の濃度(mg/L)を示す。
【0053】
【表2】
Figure 0004342222
【0054】
注入試験を行った土壌は、表2に示すように、深度7m〜10mが透水係数3.0×10−6>の粘土層、深度10m〜15mが透水係数2.2×10−4の砂質層、深度15m〜17mが透水係数3.0×10−6>のシルト層、そして深度17m〜22mが透水係数2.9×10−3の砂質層であった。注入試験は、前記のように深度7.5m〜21.5mにおいて行った。
【0055】
[上記試験及びその結果(表2)の考察]
注入試験において、5質量%水溶液を40m注入した段階で調査ボーリングを行い(AB2、AC2、BC2)調査した結果、表2に示したように、深さ14mより深い深度において、2mの範囲まで浄化されていると言える(14m以下では、初期値のCr6+の濃度が0のところが多いが、通常注入により上部の汚染が広がるので、注入後にCr6+の濃度が0となることは浄化されていることを意味すると考えられる)。
【0056】
また、14mより深い深度の砂質層においては、半径2mまでは環境基準値以下になっているが、半径3mにおいては、ほとんど濃度の低下は認められなかった。粘土層については、上記に比べてやや劣った浄化効果が得られた。
【0057】
【発明の効果】
本発明の方法を用いることにより、六価クロムで汚染された土壌及び/又は地下水を、掘削或いは撹拌することなく、効率よく原位置で浄化処理を行うことができる。即ち、本発明の方法は、硫酸第一鉄水溶液等の薬剤溶液を土壌中に超多点注入工法により注入することによって、薬剤溶液を土壌中に均一に拡散させることができ、これにより土壌中でフロックの形成等の影響もなく六価クロムと硫酸第一鉄水溶液との反応を可能にし、汚染土壌を浄化することができる。
【0058】
また本発明の方法は、再注入が容易であり、さらに同時に多数の箇所から注入が可能であることから、六価クロムで汚染された広範囲の土壌又は地下水の浄化に好適である。さらに、煩雑な掘削作業、撹拌作業が必要なく、簡便に六価クロム汚染土壌を効率よく浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の浄化方法を実施するために使用される超多点注入装置の一例である。
【図2】図2は、別の注入管の例である。
【図3】図3は、六価クロムで汚染された土壌mに設けられた注入口、土壌、地下水の汚染を確認するための調査孔の配置の一例を示す図である。
【図4】図4は、実施例における硫酸第一鉄5質量%水溶液により浄化処理した地下水の六価クロム汚染状況の1m、2m、3mの各地点におけるCr6+の濃度の平均値を示すグラフである。
【符号の説明】
1 注入管
2 芯管
3 注入細管
4 吐出口
8 検知箱
10 コントローラー
12 ユニットポンプ
13 薬剤を含む水溶液用タンク
14 薬剤溶液
15 汚染された土壌
16 圧送通路

Claims (3)

  1. 六価クロムで汚染された土壌及び/又は地下水に、六価クロムを還元可能な薬剤を含む水溶液を、超多点注入工法により直接注入する工程を含む六価クロムで汚染された土壌の原位置浄化方法であって、
    上記薬剤を含む水溶液として、硫酸第一鉄又は塩化第一鉄の0.5〜20質量%水溶液を用い、
    上記超多点注入工法に用いられる注入管は、吐出口と同数の異なる長さの注入細管の束からなり、且つその吐出口の数が垂直方向に0.3〜1.5m間隔で10〜100個設けられており、そして
    該注入管が、水平方向平面において、1〜5m間隔で設けられていることを特徴とする原位置浄化方法。
  2. 注入管が、芯管とその周囲に設けられた吐出口と同数の異なる長さの注入細管からなる請求項1に記載の浄化方法。
  3. 注入管に設けられた吐出口からの薬剤を含む水溶液の注入を、隣接する吐出口が交互となるようにに吐出することにより行う請求項1又は2に記載の浄化方法。
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