JP2008188478A - 汚染土壌の浄化方法及び浄化システム - Google Patents

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靖英 古川
Nobuyasu Okuda
信康 奥田
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孝昭 清水
Minoru Kawarada
稔 川原田
Toyohiko Fujita
豊彦 藤田
Satoshi Saito
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Abstract

【課題】工場などの既存構造物直下あるいはその周辺部において遮水壁を設けることができないような場所でも容易に施工することができ、揮発性有機塩素化合物、ダイオキシン、PCB類等で汚染された土壌や地下水を、バイオスティミュレーション法によって効率的に浄化する方法及び浄化システムを提供する。
【解決手段】汚染土壌の存在領域を確認する工程と、該汚染土壌の存在領域周辺に対して金属系還元剤18を注入し、該金属系還元剤により前記汚染土壌の周囲を区画する工程と、該区画された領域内にバイオスティミュレーション用薬剤46を注入し、バイオスティミュレーションにより汚染土壌の浄化を実施する工程と、を有することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
【選択図】図6

Description

本発明は、特に工場などの既存構造物直下やその周囲の汚染土壌をバイオスティミュレーション法によって効率的に浄化する方法に関する。
従来、地盤の透水性の低下や地盤強化を目的として、地中に薬剤を注入する場合がある。例えば、地盤改良用の薬剤として、水ガラスを始めとした止水材を、注入管を通して地盤中に注入する工法がある。
また、近年、環境汚染問題の解決策として、工場などから流出したトリクロロエチレン等の揮発性有機塩素化合物(VOC)、ダイオキシン、PCB類等で汚染された土壌や地下水を浄化するため、これらの汚染物質を除去し、土壌を修復するための種々の試みがなされている。
例えば、上記のような揮発性有機化合物等で汚染された土壌を浄化する方法として、汚染物質を鉄微粒子で還元することで無害の物質に変化させる方法が知られている。具体的には、汚染土壌に注入管を設け、鉄微粒子を主成分とするスラリーを供給する方法(特許文献1参照)、ボーリングにより穿孔した孔に圧縮空気とともに鉄粉を吹き込む方法(特許文献2参照)などが提案されている。
このように鉄微粒子や鉄粉を汚染領域に注入する方法は、汚染物質を原位置で処理することができ、注入した鉄微粒子等は周囲の環境に対する悪影響が少ないなどの利点がある。しかし、汚染部に鉄微粒子等を注入したときに汚染物質が周囲に拡散し易い、あるいは透水性の高い地盤の場合、1つの注入孔による浄化範囲が狭く、施工費が高いという問題がある。
また、汚染領域をシートパイル(鋼矢板)で囲って汚染水の流出を防いだ上、鉄粉が充填された鋼杭を汚染領域に打ち込む方法(特許文献3参照)、地中にH形の鋼矢板を打ち込んで地下壁を設け、矢板の間の空間に鉄粉等を付与する方法(特許文献4参照)なども提案されている。しかし、汚染領域に遮水壁等を設けるとなると、施工費が一層上昇するというだけでなく、地中に配管などがある場合に施工ができないという問題もある。
一方、汚染された土壌中に生息する微生物(分解菌)に有用な薬剤を注入し、その分解菌を活性化させることにより土壌の浄化の促進を図る、バイオスティミュレーションと呼ばれる工法がある(特許文献5参照)。
図8は、バイオスティミュレーション法の概要を示している。工場等の構造物50から流出した揮発性有機化合物等の汚染物質58は、構造物直下及び周辺部の土壌に拡散する。汚染された土壌は掘削して除去することができるが、汚染物質58の一部は地下水とともに周囲に拡散してしまう。そこで、汚染領域にボーリング孔54を設け、薬液タンク52からポリ乳酸エステル等のバイオスティミュレーション用薬剤をボーリング孔54に注入するとともに、下流側では揚水井戸56から地下水を汲み上げる。
バイオスティミュレーションによりVOCの分解を行う場合、ボーリング孔54から汚染領域に供給された薬剤は地下水によって土粒子間に浸透し、土中の好気性微生物によって分解され、土壌内が嫌気性雰囲気となる。これにより嫌気性微生物が活性化し、嫌気性微生物の働きによってVOCの脱塩素化が促進される。例えばテトラクロロエチレン(PCE)の場合、図9に示したように、トリクロロエチレン(TCE)、ジクロロエチレン(DCE)、エチレンへと順次脱塩素化され、最終的には水、二酸化炭素等の無害な物質に分解される。
バイオスティミュレーション法は、上記のようにボーリング孔54から供給した薬液を地下水によって汚染領域に浸透させ、既存の分解菌を活性化させて浄化を行うため、掘削する面積が小さく、環境への悪影響も少ないという利点がある。
しかしながら、バイオスティミュレーション用の薬剤は基本的に水に可溶で流失し易く、浄化対象外の土壌中にも拡散してしまうことや、溶存酸素や硝酸イオンに消費され易いという問題がある。また、汚染物質が存在する川上から薬液を浸透させるが、汚染領域全体の浄化に時間を要し、有害な塩化ビニルなどの中間代謝物が蓄積し易いことや、逆に地下水流により周辺に中間代謝物が拡散し易いといった問題もある。さらに、水が溜まっている層(飽和層)には薬剤が浸透するものの、水が溜まっていない層(不飽和層)には薬剤が行き渡らず、浄化効果が十分得られないといった問題もある。
浄化対象外の土壌中への薬剤の拡散を防止し、汚染箇所に薬剤を効率的に供給する方法として、汚染箇所の周囲に鋼矢板等を埋め込んで遮水壁を設ける方法が考えられる。しかしながら、施工費用が大幅に上昇するほか、特に工場などの周囲で地中に配管が設けられている場所では、鋼矢板を埋め込むことができない場合がある。さらに、鋼矢板を埋め込む際、鋼板とともに汚染物質が深部まで拡散するおそれもある。
特開2004−113976号公報 特開2002−200478号公報 特開2005−161124号公報 特開2002−79233号公報 特開2000−79000号公報
上記のような問題点に鑑み、本発明は、工場などの既存構造物直下あるいはその周辺部において遮水壁を設けることができないような場所でも容易に施工することができ、揮発性有機塩素化合物、ダイオキシン、PCB類等で汚染された土壌や地下水を、バイオスティミュレーション法によって効率的に浄化する方法及び浄化システムを提供することを目的とする。
本発明によれば、汚染土壌の存在領域を確認する工程と、該汚染土壌の存在領域周辺に対して金属系還元剤を注入し、該金属系還元剤により前記汚染土壌の周囲を区画する工程と、該区画された領域内にバイオスティミュレーション用薬剤を注入し、バイオスティミュレーションにより汚染土壌の浄化を実施する工程と、を有することを特徴とする汚染土壌の浄化方法が提供される。
本発明は、前記汚染土壌が、揮発性有機塩素化合物、硝酸性窒素、PCB、及びダイオキシン類の少なくともいずれか一種を含有する土壌である場合に好適に適用することができる。
より具体的には、前記揮発性有機塩素化合物が、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、及びトリクロロエチレンからなる群より選択される一種以上である場合、本発明は特に有効となる。
前記バイオスティミュレーションにより汚染土壌の浄化を実施する工程の後、前記金属系還元剤の少なくとも一部を除去する工程を有することもできる。
前記汚染土壌の存在領域を確認する工程は、ボーリング調査により現地土壌を採取し、採取した土壌中の汚染物質を分析する工程を含むことが好ましい。
また、前記金属系還元剤により汚染土壌の周囲を区画する工程が、前記汚染土壌の存在領域周辺に所定の間隔で金属系還元剤を注入することにより、汚染土壌の存在領域を周辺の非汚染土壌領域から区画する工程であることが好ましい。
前記金属系還元剤を注入することにより、該金属系還元剤の注入領域における透水性を、金属系還元剤の非注入領域に比較し、1/10以下に低下させることが好ましい。
前記バイオスティミュレーション用薬剤は、ポリ乳酸エステル、高脂肪酸エステル、炭素数4以下の有機酸、ビタミン類、不活性酵母、及び乳酸エステルの少なくともいずれか一種を主成分とする微生物分解促進剤を好適に使用することができる。
また、本発明では、汚染土壌を浄化するためのシステムであって、少なくとも、前記汚染土壌の存在領域周辺に対して金属系還元剤を注入することにより形成した囲いと、前記汚染土壌の存在領域内にバイオスティミュレーション用薬剤を注入するための孔を有することを特徴とする汚染土壌の浄化システムも提供される。
この場合、前記汚染土壌の存在領域内に揚水井戸をさらに有することが好ましい。
また、前記金属系還元剤が、鉄微粒子を含むものであることが好ましい。
本発明によれば、汚染土壌の存在領域周辺に金属系還元剤を注入して汚染土壌の周囲を区画した上でバイオスティミュレーションによる土壌の浄化を実施する。このような方法であれば、地中の配管などにより遮水壁を設けることができないような場所でも容易に施工することができ、また、金属系還元剤とバイオスティミュレーション用薬剤の相乗効果によって汚染物質を極めて効率的に分解することができる。
以下、本発明による汚染土壌の浄化方法を詳細に説明する。
本発明者らは、VOC等による汚染土壌に対するバイオスティミュレーション法の適用にあたり、施工が容易であり、しかも汚染領域に薬剤をより効率的に供給することができる方法を見出すべく、鋭意研究を行った。そして、地中に金属系還元剤を注入すると、注入領域において透水係数が顕著に低下することを知見した。
図10は、鉄微粒子の注入試験における透水係数の変化を示している。この図に見られるように、透水係数は、鉄微粒子を注入した直後、注入前の100分の1程度に低下している。
このような注入試験の結果などから、本発明者らは、金属系還元剤を汚染領域の周囲に注入して透水性を抑制した上で、汚染領域にバイオスティミュレーション用の薬剤を注入すれば、薬剤が浄化対象外の領域に流出することが抑制されるとともに、地下の水位が上昇して不飽和層にも薬剤が十分浸透し、また、汚染物質の一部がバイオスティミュレーションによって分解されずに拡散しても周囲の金属系還元剤によって確実に分解することができる、といった相乗効果が得られ、バイオスティミュレーションによる浄化能力を格段に向上させることができることを見出し、本発明の完成に至った。
図1は、本発明による汚染土壌の浄化方法の一例を示すフローチャートである。
まず、汚染土壌の存在領域を確認する(図1の工程(A))。汚染土壌の試料を採取する方法としては、土壌の掘削など公知の方法を任意に適用することができる。例えば、ボーリング調査により現地土壌を採取し、採取した土壌中の汚染物質を分析することが好ましい。具体的には、図2に示したように、工場等の既存構造物12の直下あるいはその周囲の土壌10において、浄化対象の汚染物質14が存在していると予想される箇所にボーリング孔16を設け、汚染土壌を採取する。ドリルなどによる掘削と、所定の深さにおける土壌サンプリングが可能であれば、いずれの装置を適用することができ、例えばジオプローブ(Geoprobe System社製)を用いることができる。
土壌汚染の調査のやり方については土壌汚染対策法に基づく調査を実施する。例えば、調査精度に応じて、1m、5m、10m、30mなど所定の間隔で試料を採取し、そこに含まれる汚染物質を分析することで汚染物質の種類や汚染領域をより正確に特定することができる。
また、汚染土壌の存在を確認する際、汚染領域に分解菌が存在していることも確認することが好ましい。前記したように、バイオスティミュレーション法は、土着の分解菌を活性化させることで浄化を促進させる方法であるため、汚染物質を分解する能力のある微生物(分解菌)がその場所に存在している必要がある。例えば、VOCを分解する微生物として、デハロコッコイデス菌が知られている。このような分解菌は土壌中に高い確率で存在しているが、対象となる汚染物質の分解菌が存在していない可能性もあるので、試料を採取した際、汚染物質の存在を確認するほか、それを分解する微生物の存在も確認することが好ましい。
汚染土壌の存在領域を確認した後、汚染土壌の存在領域周辺に対して金属系還元剤を注入し、該金属系還元剤により前記汚染土壌の周囲を区画する(図1の工程(B))。
例えば、図3に示されるように、汚染土壌の存在領域周辺に所定の間隔で金属系還元剤18を注入することで、該金属系還元剤の注入領域により、汚染土壌の存在領域を周辺の非汚染土壌領域から区画する。このように区画すれば施工が容易であり、また、後述するバイオスティミュレーション用薬剤を注入するための薬剤注入孔を多数設ける必要がなく、施工費を低く抑えることができる。なお、汚染領域が広大である場合は、例えば碁盤の目のように細かく区画し、それぞれの区画においてバイオスティミュレーション用薬剤を注入すれば、より短期間での浄化を図ることもできる。
注入する金属系還元剤18としては、例えば鉄、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、コバルト、ニッケル等、還元作用をもつ金属微粒子を好適に使用することができ、特にコストの面から鉄微粒子が好ましい。粒径は特に限定されないが、例えば、0.05〜1.0μmの鉄微粒子であれば、還元作用が高く、特に好適である。具体的には、ナノスケールα−Fe・Fe複合粒子(例えば、戸田工業株式会社製、RNIP(商品名))、金属系還元剤含有スラリー(例えば、東洋インキ製造株式会社製、CIスラリー(商品名))などを用いることができる。なお、特にダイオキシン、PCBなどの有機塩素化合物を分解させる必要がある場合には、希金属を含有した還元作用の高い金属系還元剤を注入してもよい。
金属系還元剤18の注入量は、金属系還元剤の種類、汚染領域の広さ、汚染の程度等によるが、金属系還元剤の非注入領域に比較し、1/10以下に低下させることが好ましい。金属系還元剤18の注入領域における透水性を、汚染物質で汚染されている領域の10分の1以下に低下させれば、汚染領域内の水位を確実に上昇させることができ、バイオスティミュレーション用薬剤を不飽和層にも十分浸透させることができる。具体的には、例えば金属系還元剤として鉄微粒子を用いる場合、地山1mあたり0.5〜20kgの鉄微粒子を注入することが好ましい。
金属系還元剤18を汚染土壌の存在領域周辺に注入する方法は、公知の方法を適用することができる。基本的には、土壌を掘削して金属系還元剤18を注入すればよく、例えば、二重管ストレーナ工法(単相式、複相式)、二重管ダブルパッカー工法、単管ロッド注入工法等によって容易に注入することができる。また、これらの工法であれば、短い間隔で金属系還元剤の注入を行うことができ、区画する形状に柔軟に対応することができる。また、深度によって止水用の薬剤(水ガラスやセメント系固化剤)を適用することができる。例えば、帯水層の深度には金属系還元剤を、その上下の層には水ガラスを適用することができる。
図4は、二重管ダブルパッカー工法により金属系還元剤(鉄微粒子)を注入する手順を示している。まず、泥水22掘りと同時にケーシング20建てこみを行なう(図4A)。削孔作業終了後、ケーシング20内にホース24を挿入し、ホース24とケーシング20の間の空隙に固化材を注入する(図4B)。固化材が硬化する前に注入用外管28を挿入し(図4C)、ケーシング20を引き抜く(図4D)。固化材が硬化した後、注入用内管30を挿入する(図4E)。そして、パッカー付吐出口32の位置を上方に移動させながら、スラリー状の金属系還元剤を繰り返し注入する(図4F)。このような工法によれば、土壌10内に鉄微粒子を容易に注入することができる。
汚染領域周辺部への金属系還元剤18の注入間隔(ピッチ)は、汚染領域の広さ等を考慮して適宜設定すればよいが、注入ピッチが広過ぎると金属系還元剤18による透水係数(透水速度)を低下させる効果が十分得られないおそれがある。例えば、1〜2mピッチで金属系還元剤18を注入すれば、土中の金属系還元剤18の密度が高く、透水性を十分低下させることができる。なお、金属系還元剤によって汚染土壌の周囲を区画する際、必ずしも隙間無く囲む必要はなく、例えば地中にインフラ用配管が設けられている場合にはその箇所への金属系還元剤の注入を避け、水ガラス等を適用してもよい。また一部分はシートパイルのような遮水壁で囲むことも可能である。
金属系還元剤18により汚染土壌の周囲を区画した後、区画された領域内にバイオスティミュレーション用薬剤を注入し、バイオスティミュレーションにより汚染土壌の浄化を実施する(図1の工程(C))。
例えば、図5に示したように、金属系還元剤18によって区画した領域内に、バイオスティミュレーション用薬剤を注入するための注入孔34と揚水井戸36を配置する。薬剤注入孔34と揚水井戸36の数、位置等は特に限定されないが、薬剤注入孔34と揚水井戸36との間に汚染領域が位置するように配置すれば、薬剤を汚染領域に確実に供給することができる。
図6は、上記のような手順で構築される本発明に係る汚染土壌の浄化システムにより、汚染物質が浄化される状況を概略的に示している。この浄化システム48は、汚染土壌の存在領域周辺に対して金属系還元剤18を注入することにより形成した囲いと、汚染土壌の存在領域内においてバイオスティミュレーション用薬剤を注入するための孔34と揚水井戸36を備えている。
地中には、飽和層42と不飽和層44のほか、水がほとんど透過しない層(難透水層)40が存在する。薬剤注入孔34からバイオスティミュレーション用薬剤46を水と一緒に注入するとともに、揚水井戸36から地下水を汲み揚げる。なお、薬剤注入孔34と揚水井戸36を連結させて薬剤と地下水を循環させてもよい。この時、地下浸透の観点から揚水してきた地下水は処理後にリチャージする必要がある。地下水の処理法式としては曝気処理と活性炭吸着を組合せた方式が一般的ではあるが、例えば特開2005−58893号公報に記載されているような脱気処理方式、すなわち汲み上げた地下水を減圧下で脱気し、必要に応じて嫌気性微生物を活性化させる薬剤を添加して地下に戻すことが望ましい。
薬剤46の注入と地下水の汲み上げにより、薬剤46は飽和層42に広がるが、金属系還元剤18が注入された部分で透水が抑制されるため、薬剤46は外部への流出が抑制される。また、金属系還元剤18による透水性の低下により、金属系還元剤18で区画された領域内では地下水位38が上昇し、不飽和層44において汚染物質14が存在する部分にも薬剤46を行き渡らせることができる。
また、金属系還元剤18の注入により、嫌気性微生物の増殖や活性を阻害するような物質(溶存酸素、硝酸イオン、硫酸イオン等)の外部からの流入も妨げられるため、薬剤46による作用が長期間にわたって持続する点でも有利となる。なお、金属系還元剤18の注入領域において透水性が低下する結果、金属系還元剤18で囲まれた汚染領域ではバイオスティミュレーションによる中間代謝物が蓄積し易くなるが、薬剤46の流出が抑制され、作用時間も長く稼げるため、汚染物質のほとんどを汚染領域内で分解させることができる。
すなわち、汚染領域内の飽和層42と不飽和層44の両方において薬剤46が十分浸透するとともに、薬剤46の作用を長時間維持することができる。従って、汚染領域内において分解菌の活性化を大いに促進させることができ、バイオスティミュレーションによる浄化を極めて効率よく発揮させることができる。
使用するバイオスティミュレーション用薬剤46は、対象となる汚染物質の種類等によるが、例えば、汚染物質が揮発性有機塩素化合物、硝酸性窒素、ダイオキシン、PCB等の場合は、ポリ乳酸エステル、高脂肪酸エステル、炭素数4以下の有機酸、ビタミン類、不活性酵母及び乳酸エステルの少なくともいずれか一種を主成分とする微生物分解促進剤を好適に用いることができる。あるいは、他の公知の嫌気性バイオスティミュレーション用薬剤を用いても良い。
より具体的には、水素徐放剤(例えば、商品名:HRC、リジェネシス社製)、固体水素供給体(例えば、商品名:アムテクリーン、松下エコシステムズ株式会社製)、水溶性微生物分解促進剤(例えば、商品名:EDC、エコサイクル株式会社製)を好適に使用することができる。
上記のような薬剤を用いれば、嫌気性微生物の分解作用を好適に活性化させることができ、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン等の揮発性有機塩素化合物のほか、硝酸性窒素、ダイオキシン、PCBなどの有機塩素化合物の分解をはかることができる。
バイオスティミュレーション用薬剤の注入量は、使用する薬剤の種類、汚染領域の広さ、汚染の程度等によるが、地山1mあたり0.1〜5kgの薬剤を注入し、地下水中のTOC濃度が20mg/L以上となるようにすることが好ましい。
なお、バイオスティミュレーション用薬剤を地中に注入すると、通常は酸性側に傾き、汚染領域の周囲に注入されている金属系還元剤18は、その種類によっては酸性中で浄化能力が低下するものがある。また、土壌内の酸性度が強くなると、バイオスティミュレーション法において汚染物質を分解する微生物の能力が低下するおそれもある。そこで、バイオスティミュレーション用薬剤を注入する際、必要に応じ、ナトリウム塩、カルシウム塩等の中和剤を添加あるいは追加してもよい。
また、例えば、高濃度の揮発性有機塩素化合物、硝酸性窒素、あるいは難分解性のダイオキシン、PCB等が存在する場合、汚染物質の一部はバイオスティミュレーション法によっては十分分解されないまま地中で徐々に拡散していくことも考えられる。しかし、本発明では、汚染領域の周囲に金属系還元剤18が注入されているので、汚染物質の一部がバイオスティミュレーション法によって分解されなくても、周囲に注入されている金属系還元剤18によって分解を促進することができる。
すなわち、本発明では、汚染領域の周囲に金属系還元剤18を注入することで、透水性が抑制され、汚染領域内でのバイオスティミュレーション法による浄化作用を格段に向上させるだけでなく、汚染物質の一部が分解されずに拡散しても、周囲に注入されている金属系還元剤18によって分解が促進されることとなる。このような方法によれば、汚染土壌を掘削して除去することが困難である場所や、配管などにより遮水壁を設けることができないような場所であっても、容易に施工することができ、しかも、金属系還元剤とバイオスティミュレーション用薬剤との相乗効果によって、原位置において汚染物質、特に揮発性有機塩素化合物、硝酸性窒素、PCB、ダイオキシン類を、短期間で、効率的に、かつ確実に分解して汚染土壌を浄化することができる。
一定期間、上記のようにしてバイオスティミュレーションにより汚染土壌の浄化を実施した後、例えば図7に示されるように、金属系還元剤18の少なくとも一部を除去してもよい(図1の工程(D))。
汚染物質の分解の程度を確認するには、土壌の濃度を直接測定する方法と地下水濃度から間接的に測定する方法がある。
土壌の濃度を直接測定する場合、まず、浄化を行った土壌10においてボーリングを行い、工程(A)と同様に土壌を採取する。採取した土壌を用いて溶出試験あるいは抽出を行い、汚染物質の濃度をGC−MS等で計測する。そして、溶出量が基準値以下であるかどうかによって汚染物質の分解の程度を確認することができる。
地下水中の濃度から間接的に測定する場合は、汚染領域の周辺部においてモニタリング用の井戸を予め設けておき、井戸の地下水中の汚染物質の濃度を定期的に測定する。そして、例えば、地下水中の汚染物質の濃度が環境基準値以下の状態が2年以上続いた場合には汚染物質の分解が完了したものと判断することができる。
なお、上記のように土壌の濃度を直接測定する方法と、地下水濃度から間接的に測定する方法の両方を行えば、汚染物質が分解され、浄化が達成したことをより確実に判断することができる。
そして、汚染土壌の浄化が完了した後、金属系還元剤18が周囲の環境に悪影響を与えないようであればそのまま放置してもよいが、環境への影響等を考慮し、必要に応じて金属系還元剤18の一部あるいは全部を除去してもよい。金属系還元剤18を除去する方法は特に限定されず、金属系還元剤18が注入されている部分を掘削した後、清浄な土壌で埋め戻せばよい。
以上、本発明について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では、工場等の既存構造物の直下又はその周辺における汚染土壌を浄化する場合について説明したが、浄化を行う場所は限定されず、例えば、VOCなどの汚染物質が扱われていた工場や倉庫等の建屋の跡地、廃棄物処理場などにも本発明を好適に適用することができる。
特に、地下の配管などによって遮水壁を設けることができないような場所でも、本発明を適用することができ、しかも、金属系還元剤の注入によって遮水壁を設けた場合と同等に地下水位を上昇させることができるため、バイオスティミュレーション法により極めて効果的に汚染土壌を浄化することができる。
本発明による汚染土壌の浄化方法の工程の一例を示すフローチャートである。 汚染土壌の存在領域を確認する方法を示す概略図である。 汚染領域の周囲に金属系還元剤を注入した状態を示す概略図である。 二重管ダブルパッカー工法により金属系還元剤(鉄微粒子)を注入する手順を示す図である。 バイオスティミュレーション用薬剤を注入するための注入孔と揚水井戸の配置の一例を示す概略図である。 本発明に係る汚染土壌の浄化システムの一例を示す概略図である。 浄化後、金属系還元剤の一部を引き抜いた状態を示す概略図である。 従来のバイオスティミュレーション法により汚染土壌の浄化を行う方法の一例を示す概略図である。 バイオスティミュレーション法による脱塩素化の流れを示す図である。 金属系還元剤(鉄微粒子)の注入前後の透水係数を示す図である。
符号の説明
10 土壌
12 既存構造物(工場等)
14 汚染物質
16 ボーリング孔
18 金属系還元剤
34 薬剤注入孔
36 揚水井戸
46 バイオスティミュレーション用薬剤
48 汚染土壌の浄化システム

Claims (11)

  1. 汚染土壌の存在領域を確認する工程と、該汚染土壌の存在領域周辺に対して金属系還元剤を注入し、該金属系還元剤により前記汚染土壌の周囲を区画する工程と、該区画された領域内にバイオスティミュレーション用薬剤を注入し、バイオスティミュレーションにより汚染土壌の浄化を実施する工程と、を有することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  2. 前記汚染土壌が、揮発性有機塩素化合物、硝酸性窒素、PCB、及びダイオキシン類の少なくともいずれか一種を含有する土壌であることを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の浄化方法。
  3. 前記揮発性有機塩素化合物が、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、及びトリクロロエチレンからなる群より選択される一種以上であることを特徴とする請求項2に記載の汚染土壌の浄化方法。
  4. 前記バイオスティミュレーションにより汚染土壌の浄化を実施する工程の後、前記金属系還元剤の少なくとも一部を除去する工程を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の汚染土壌の浄化方法。
  5. 前記汚染土壌の存在領域を確認する工程が、ボーリング調査により現地土壌を採取し、採取した土壌中の汚染物質を分析する工程を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の汚染土壌の浄化方法。
  6. 前記金属系還元剤により汚染土壌の周囲を区画する工程が、前記汚染土壌の存在領域周辺に所定の間隔で金属系還元剤を注入することにより、汚染土壌の存在領域を周辺の非汚染土壌領域から区画する工程であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の汚染土壌の浄化方法。
  7. 前記金属系還元剤を注入することにより、該金属系還元剤の注入領域における透水性を、金属系還元剤の非注入領域に比較し、1/10以下に低下させることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の汚染土壌の浄化方法。
  8. 前記バイオスティミュレーション用薬剤が、ポリ乳酸エステル、高脂肪酸エステル、炭素数4以下の有機酸、ビタミン類、不活性酵母及び乳酸エステルの少なくともいずれか一種を主成分とする微生物分解促進剤であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の汚染土壌の浄化方法。
  9. 汚染土壌を浄化するためのシステムであって、少なくとも、前記汚染土壌の存在領域周辺に対して金属系還元剤を注入することにより形成した囲いと、前記汚染土壌の存在領域内にバイオスティミュレーション用薬剤を注入するための孔を有することを特徴とする汚染土壌の浄化システム。
  10. 前記汚染土壌の存在領域内に揚水井戸をさらに有することを特徴とする請求項9に記載の汚染土壌の浄化システム。
  11. 前記金属系還元剤が、鉄微粒子を含むものであることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の汚染土壌の浄化システム。
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