JP5218853B2 - 汚染土壌浄化後における再汚染防止方法 - Google Patents

汚染土壌浄化後における再汚染防止方法 Download PDF

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Description

本発明は、汚染物質に汚染された土壌を一旦浄化した後に再汚染が起きるのを防止する方法に関するものである。
従来、揮発性有機化合物(VOC)等の汚染物質に汚染された土壌を浄化する方法として、フェントン薬液等を用いた薬剤注入法や地下水揚水法等のように、汚染された土壌を掘削・搬出することなく、汚染物質をその場(原位置)で浄化する原位置浄化方法が知られている。例えば上記のフェントン薬液を用いた浄化方法では、浄化対象区画の土壌中にフェントン薬液を注入し、フェントン反応によって生成したヒドロキシルラジカルによって土壌中の汚染物質を分解することで土壌を浄化する。そして、浄化対象区画の土壌に設置した観測井戸から検出される汚染物質の濃度が環境基準値以下になった時点で浄化を終了する(たとえば特許文献1を参照)。
特開2006−341195号公報
しかしながら、土壌中の汚染物質の濃度が環境基準値以下となったとしても、汚染物質が粘土層やシルト層などの粒子の細かい難透水層にまで及んでいると、汚染物質を完全に浄化することは非常に困難であり、汚染物質が難透水層に残存している可能性がある。そのため、一旦土壌を浄化しても、時間の経過とともに難透水層から透水層に汚染物質が流出することも懸念される。そして、汚染物質が透水層に流出すると、汚染物質の濃度が再び環境基準値以上になることが考えられる。
本発明は、上記の点に鑑み、汚染された土壌を一旦浄化した後に、再汚染が起きるのを防止する方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る汚染土壌浄化後における再汚染防止方法は、難透水層の上又は下に透水層が位置する土壌中の汚染物質を浄化した後再汚染を防止する汚染土壌浄化後における再汚染防止方法であって、前記難透水層及び透水層中の汚染物質の濃度が環境基準値以下となるまで前記土壌を浄化する第1工程と、前記第1工程の後、前記難透水層と透水層との間に、前記難透水層から流出する前記汚染物質を分解する汚染物質分解剤を含む汚染物質分解層あるいは前記難透水層から流出する前記汚染物質を吸着する汚染物質吸着剤を含む汚染物質吸着層を形成する第2工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る汚染土壌浄化後における再汚染防止方法は、上記請求項1の第2工程において、前記透水層に掘削孔を形成し、前記掘削孔から前記難透水層上に前記汚染物質分解剤を注入することにより前記汚染物質分解層を形成することを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る汚染土壌浄化後における再汚染防止方法は、上記請求項1の第2工程において、前記難透水層に掘削孔を形成し、前記掘削孔から前記難透水層下に前記汚染物質分解剤を注入することにより前記汚染物質分解層を形成することを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る汚染土壌浄化後における再汚染防止方法は、上記請求項1から3のいずれか一つにおいて、前記汚染物質が揮発性有機化合物であり、前記汚染物質分解剤として鉄粉又は過酸化硫酸塩を用いることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る汚染土壌浄化後における再汚染防止方法は、上記請求項1の第2工程において、前記透水層に掘削孔を形成し、前記掘削孔から前記難透水層上に前記汚染物質吸着剤を注入することにより前記汚染物質吸着層を形成することを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る汚染土壌浄化後における再汚染防止方法は、上記請求項1の第2工程において、前記難透水層に掘削孔を形成し、前記掘削孔から前記難透水層下に前記汚染物質吸着剤を注入することにより前記汚染物質吸着層を形成することを特徴とする。
また、本発明の請求項7に係る汚染土壌浄化後における再汚染防止方法は、上記請求項1,5,6のいずれか一つにおいて、前記汚染物質が揮発性有機化合物であり、前記汚染物質吸着剤として活性炭及び/又はゼオライトを用いることを特徴とする。
本発明の汚染土壌浄化後における再汚染防止方法によれば、汚染物質の濃度が環境基準値以下となるまで土壌を一旦浄化した後に、難透水層と透水層との間に汚染物質分解層あるいは汚染物質吸着層を形成するようにしたことで、難透水層に残存する汚染物質が汚染物質分解層あるいは汚染物質吸着層を通過する際に分解あるいは吸着されるため、難透水層に残存する汚染物質が透水層に流出することがなく、透水層の再汚染を確実に防止することが可能となる。
図1は、本実施の形態の第2工程で形成した汚染物質分解層又は汚染物質吸着層の作用を説明するための概念図である。 図2は、本実施の形態の第2工程で適用する注入装置の概略構成を示す図である。 図3は、図2に示した注入装置を用いて汚染物質分解剤又は汚染物質吸着剤を土壌に注入する手順を示す図である。 図4は、図3に示した手順を実施した後における難透水層と透水層の界面付近の一部を模式的に示した図である
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る汚染土壌浄化後における再汚染防止方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本実施の形態で浄化対象となる土壌は、難透水層の上に透水層が位置する地層構造を有し、難透水層と透水層が汚染物質で汚染された土壌である。ここで、難透水層とは不透水層の一種であり、帯水はするが地下水が流動し難い地層である。具体的には、透水係数が10-11〜10-9[cm/sec]程度の粘土層や、透水係数が10-9〜10-4[cm/sec]程度のシルト層などが相当する。また、透水層とは、難透水層と比べて水を通しやすい地層であり、透水係数がおよそ10-4以上[cm/sec]の砂礫層などが相当する。
また、土壌中に含まれる汚染物質とは、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、ベンゼン等の揮発性有機化合物(VOC:volatile organic compound)や、シアン化合物等である。以下では、汚染物質が揮発性有機化合物である場合について説明する。
本実施の形態に係る土壌の浄化方法では、まず第1工程において、浄化対象領域における難透水層及び透水層中の汚染物質の濃度が環境基準値以下となるまで土壌を浄化する。次いで、第2工程において、難透水層と透水層との間に後述する汚染物質分解層あるいは汚染物質吸着層を形成する。
図1の左図は、難透水層10と透水層20との間に汚染物質分解層30あるいは汚染物質吸着層30が形成された状態を概念的に示した図である。以下では、難透水層を「粘土・シルト層10」とよび、透水層を「砂礫層20」とよぶことにする。図1の左図に示すように、上述した第1及び第2工程が完了した時点において、粘土・シルト層10には環境基準値以下の汚染物質40が残存している。従来の浄化方法を行った場合、これらの汚染物質40は時間の経過とともに砂礫層20に流出する虞があったが、本実施の形態では、粘土・シルト層10と砂礫層20の界面に汚染物質分解層30あるいは汚染物質吸着層30を形成する。このため、汚染物質分解層30を形成した場合には、粘土・シルト層10に残存する汚染物質40は、図1の右図に示すように汚染物質分解層30を通過する際に汚染物質分解剤により分解される。また、汚染物質吸着層30を形成した場合には、粘土・シルト層10に残存する汚染物質40は、汚染物質吸着層30を通過する際に汚染物質吸着剤に吸着される。これにより、粘土・シルト層10に残存する汚染物質が砂礫層20に流出するのを防止している。以下、第1工程と第2工程についてさらに詳しく説明する。
まず、第1工程では、浄化対象領域における粘土・シルト層10及び砂礫層20中の汚染物質40の濃度が環境基準値以下となるまで土壌を浄化する。汚染物質の濃度が環境基準値以下となるまで浄化する方法としては、土壌中にフェントン等の酸化剤を注入して汚染物質を分解するフェントン法、汚染地下水を揚水し、汚染物質を分離して活性炭などに吸着させる地下水揚水法、土着微生物を利用したバイオ処理法等の公知の原位置浄化法を適用することができる。また、汚染土壌を掘削・搬出して非汚染土壌と入れ替える掘削搬出法を適用することも可能である。本実施の形態では、他の方法と比べて低コストかつ短期間で浄化処理が可能なフェントン法を用いる。フェントン法は、過酸化水素水と触媒である鉄イオンとからなるフェントン試薬を、注入管を用いて砂礫層20及び粘土・シルト層10に注入することにより、土壌中の揮発性有機化合物を分解する方法である。具体的には、フェントン試薬中の過酸化水素水と鉄イオンが反応することで生じるヒドロキシラジカルによって、土壌中の揮発性有機化合物の炭素−炭素結合や炭素−塩素結合などの化学結合を解離させて分解する。
また、環境基準とは、人の健康を保護し、及び、生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準として、環境基本法第16条で定められているものである。上述した各汚染物質の環境基準値は、0.01mg/l(テトラクロロエチレン)、0.03mg/l(トリクロロエチレン)、0.04mg/l(シス−1,2−ジクロロエチレン)、0.01mg/l(ベンゼン)と定められている。
上記の第1工程を行った段階で、粘土・シルト層10及び砂礫層20中の汚染物質の濃度は環境基準値以下まで低下する。しかしながら、上述したように、第1工程を行っただけでは、粘土・シルト層10に残存する汚染物質40が時間の経過とともに砂礫層20に流出し、砂礫層に流出した汚染物質40の濃度が再び環境基準値以上になることが懸念される。あるいは、粘土・シルト層10から砂礫層20に流出した汚染物質40が地下水とともに流動することで、汚染物質40が周辺領域に拡散することも懸念される。そこで、上記の事態を防止するために、以下に説明する第2工程を行う。
第2工程では、図1に示すように、浄化対象領域における粘土・シルト層10と砂礫層20の界面に汚染物質分解層30あるいは汚染物質吸着層30を形成する。
汚染物質分解層30は、汚染物質40を長期間に亘って分解することのできる層であり、粘土・シルト層10の上面上、すなわち砂礫層20の底部に、汚染物質分解剤を注入することで形成される。ここで、汚染物質分解剤とは、汚染物質40を還元することにより汚染物質を分解する還元剤、あるいは、汚染物質40を酸化することにより汚染物質を分解する酸化剤のいずれかを指す。
上記の還元剤としては鉄粉を用いることができる。鉄粉は、還元的脱塩素反応により上述した揮発性有機塩素化合物をエチレン・エタンなどの無害な炭化水素と塩化物イオンに分解する。また、酸化剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、あるいは、過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸塩等の無機塩を用いることができる。これらの酸化剤は、揮発性有機化合物を酸化分解することにより安定な物質にする。
汚染物質吸着層30は、汚染物質40を吸着する作用を有する層であり、粘土・シルト層10の上面上、すなわち砂礫層20の底部に、汚染物質吸着剤を注入することで形成される。ここで、汚染物質吸着剤とは、多数の細孔を有し汚染物質40の吸着能力を有する多孔性物質であり、具体的には活性炭、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ、シリカ等を挙げることができる。これらの中でも表面積が大きく、吸着性能に優れる活性炭やゼオライトを用いるのが好ましい。これらの汚染物質吸着剤は単独で用いてもよく、また、2種類以上を混合して用いてもよい。
次に、第2工程の一例として、汚染物質分解剤として還元剤である鉄粉を用い、鉄粉を水に分散させたスラリーを粘土・シルト層10と砂礫層20の界面に注入することにより汚染物質分解層30を形成する場合について説明する。以下では、鉄粉を水に分散させたスラリーを「鉄粉分散溶液」とよぶ。本実施の形態で用いる鉄粉の粒径は、粘土・シルト層10の粒子径よりも大きいものも含まれている。このため、粘土・シルト層10と砂礫層20の界面に注入された鉄粉は、粘土・シルト層10の上面に留まり、粘土・シルト層10と砂礫層20とを隔てる壁として機能する。
鉄粉分散溶液を粘土・シルト層10と砂礫層20の界面に注入する方法としては、注入管を用いた公知の注入工法を適用することができる。図2は、注入工法の一例として二重管ストレーナ工法を適用した場合の注入装置の概略構成を示す図であり、図3は、図2に示した注入装置を用いて鉄粉分散溶液を注入する手順を示す図である。
図2に例示される注入装置は、鉄粉と水とを混合攪拌する鉄粉分散溶液用ミキサー51と、瞬結剤A液を混合攪拌する瞬結剤A液用ミキサー52Aと、瞬結剤B液を混合攪拌する瞬結剤B液用ミキサー52Bと、外管53及び内管54とを有する二重管ロッド55とを備えている。ここで、瞬結剤とは、砂礫層20に鉄粉分散溶液を注入する際に鉄粉分散溶液が注入範囲外に拡散するのを防止し、鉄粉分散溶液の注入範囲を限定するための固化材料である。この瞬結剤は、例えば珪酸ナトリウムと水とからなる瞬結剤A液と、水ガラス系材料と水とからなる瞬結剤B液とを混合して砂礫層20中に注入される。
鉄粉分散溶液用ミキサー51と瞬結剤A液用ミキサー52Aは、注入ホース56を介して二重管ロッド55の外管53に連結されている。注入ホース56には切替弁56aが設けられ、この切替弁56aが切替えられることで、鉄粉分散溶液と瞬結剤A液のいずれか一方が送液ポンプ58によって外管53に送られる。また、瞬結剤B液用ミキサー52Bは、注入ホース57を介して二重管ロッド55の内管54に連結され、瞬結剤B液が送液ポンプ59によって内管53に送られる。なお、各注入ホース56,57には、ホース内を流通する各流量と送液時の圧力とを計測する流量計61,62が設けられている。
二重管ロッド55は、図示しないボーリングマシンに支持され、その先端部分には、土壌を掘削して注入孔63を形成するための図示しない刃部が取付けられている。また、二重管ロッド55の先端部分には、外管53を流通する流体を外部に吐出する吐出口と内管54を流通する流体を外部に吐出する吐出口(いずれも図示せず)が設けられている。
以下、図3を参照しながら、汚染物質分解層30を形成する手順について説明する。まず、図3の(1)に示すように、二重管ロッド55とこれを支持するボーリングマシンとを用いて、粘土・シルト層10に達する位置まで砂礫層20を掘削し、砂礫層20に掘削孔63を形成する。次いで、図3の(2)に示すように、削孔に使用した二重管ロッド55をそのまま注入管として用い、送液ポンプ58,59を駆動させ、瞬結剤A液を外管53に、瞬結剤B液を内管54に送り、吐出口から吐出させて土壌中で混合させる。図3の(2)に示すように、瞬結剤64の注入位置は、粘土・シルト層10の上面から所定の高さ上方となる位置である。次いで、切替弁56aを切替え、送液ポンプ58により鉄粉分散溶液65を外管53に送り、図3の(3)に示すように、瞬結剤64と粘土・シルト層10の上面との間に鉄粉分散溶液65を注入する。上記の(2),(3)を1ステップとし、このステップを図3の(4)に示すように所定の層厚になるまで繰り返す。
上記のステップ(1)〜(4)を、浄化対象領域全域に亘って実施する。注入間隔(隣接する注入孔63の間隔)は適宜設定すればよいが、本実施の形態では0.5〜2.0mの注入間隔で鉄粉分散溶液を注入する。注入間隔が広すぎる場合、汚染物質の分解効果が十分に得られない虞がある。一方、注入間隔が狭すぎる場合には、汚染物質分解層30中の鉄粉の密度が必要以上に高くなりコストアップの要因となる。
図4は、上記のステップ(1)〜(4)を浄化対象領域全域に亘って実施した後における、粘土・シルト層10と砂礫層20の界面付近の一部を模式的に示した図である。上記のステップを行うことで、図4に示すように、砂礫層20の底部が約1.5m〜2mの汚染物質分解層30が構築される。
上記の例では汚染物質分解層30を形成する場合について説明したが、汚染物質分解層30に替えて汚染物質吸着層30を形成する場合においても、上記と同様の方法を行う。すなわち、活性炭やゼオライト等の多孔性物質のいずれか一種類、あるいは、複数種類を水に分散させたスラリーを、図2に示した注入装置を用いて、図3に示す手順により粘土・シルト層10と砂礫層20の界面に注入することにより、汚染物質吸着層30を構築することができる。
以上説明したように、本実施の形態の汚染土壌浄化後における再汚染防止方法によれば、汚染物質40の濃度が環境基準値以下となるまで一旦土壌を浄化した後に、粘土・シルト層10と砂礫層20との間に還元剤又は酸化剤からなる汚染物質分解層30を形成するようにしたことで、粘土・シルト層10に残存する汚染物質40が汚染物質分解層30を通過する際に分解されるため、汚染物質が砂礫層20に流出することを防止することができる。その結果、従来のように、粘土・シルト層10から砂礫層20に流出してきた汚染物質40によって再び環境基準値以上になるといった事態を防止することができるとともに、汚染物質40が地下水とともに流動して周辺領域に拡散するといった事態を防止することができる。
また、本実施の形態の汚染土壌浄化後における再汚染防止方法によれば、上記第2工程において、砂礫層20に掘削孔63を形成し、この掘削孔63から粘土・シルト層10上に還元剤又は酸化剤を注入することにより汚染物質分解層30を形成するようにしたので、低コスト且つ簡易な方法で汚染物質分解層30を形成することができる。
さらに、本実施の形態の汚染土壌浄化後における再汚染防止方法によれば、揮発性有機化合物を分解する汚染物質分解剤(還元剤)として鉄粉を用いることで、汚染物質分解層30において長期に亘って汚染物質が分解されるため、砂礫層20への汚染物質の流出を確実に防止することができる。
なお、上記実施の形態では、揮発性有機化合物を分解する汚染物質分解剤として、還元剤である鉄粉を用いた例についてのみ説明したが、これに限定されるものではなく、酸化剤である過酸化硫酸塩を注入して汚染物質分解層30を形成した場合であっても、上記実施の形態と同様に長期に亘って汚染物質が分解され、砂礫層20への汚染物質の流出を確実に防止することができる。
また、本実施の形態の汚染土壌浄化後における再汚染防止方法によれば、汚染物質40の濃度が環境基準値以下となるまで一旦土壌を浄化した後に、粘土・シルト層10と砂礫層20との間に活性炭やゼオライト等の汚染物質吸着剤からなる汚染物質吸着層30を形成するようにしたことで、粘土・シルト層10に残存する汚染物質40が汚染物質吸着層30を通過する際に、上記汚染物質吸着剤に吸着されるため、汚染物質が砂礫層20に流出することを防止することができる。その結果、従来のように、粘土・シルト層10から砂礫層20に流出してきた汚染物質40によって再び環境基準値以上になるといった事態を防止することができるとともに、汚染物質40が地下水とともに流動して周辺領域に拡散するといった事態を防止することができる。
また、本実施の形態の汚染土壌浄化後における再汚染防止方法によれば、上記第2工程において、砂礫層20に掘削孔63を形成し、この掘削孔63から粘土・シルト層10上に活性炭やゼオライト等の汚染物質吸着剤を注入することにより汚染物質吸着層30を形成するようにしたので、低コスト且つ簡易な方法で汚染物質吸着層30を形成することができる。
なお、上記実施の形態では、難透水層(粘土・シルト層10)の上に透水層(砂礫層220)が位置する地層構造を有した土壌の再汚染を防止する方法について説明したが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、難透水層の下に透水層が位置する地層構造を有した土壌についても適用することができる。この場合も上記実施の形態と同様に、第1工程において難透水層及び透水層中の汚染物質の濃度が環境基準値以下となるまで土壌を浄化する。次いで、第2工程において、上述した二重管ロッド55を用いて難透水層に掘削孔を形成し、この掘削孔から、図3に示した方法を用いて難透水層下に上記の汚染物質分解剤あるいは汚染物質吸着剤を注入することにより、難透水層と透水層の界面に汚染物質分解層30あるいは汚染物質吸着層30を形成する。
10 粘土・シルト層
20 砂礫層
30 汚染物質分解層あるいは汚染物質吸着層
40 汚染物質
51 鉄粉分散溶液用ミキサー
52A 瞬結剤A液用ミキサー
52B 瞬結剤B液用ミキサー
53 外管
54 内管
55 二重管ロッド
56,57 注入ホース
58,59 送液ポンプ
61,62 流量計
63 掘削孔
64 瞬結剤
65 鉄粉分散溶液

Claims (7)

  1. 難透水層の上又は下に透水層が位置する土壌中の汚染物質を浄化した後再汚染を防止する汚染土壌浄化後における再汚染防止方法であって、
    前記難透水層及び透水層中の汚染物質の濃度が環境基準値以下となるまで前記土壌を浄化する第1工程と、
    前記第1工程の後、前記難透水層と透水層との間に、前記難透水層から流出する前記汚染物質を分解する汚染物質分解剤を含む汚染物質分解層あるいは前記難透水層から流出する前記汚染物質を吸着する汚染物質吸着剤を含む汚染物質吸着層を形成する第2工程と、
    を有することを特徴とする汚染土壌浄化後における再汚染防止方法。
  2. 前記第2工程において、前記透水層に掘削孔を形成し、前記掘削孔から前記難透水層上に前記汚染物質分解剤を注入することにより前記汚染物質分解層を形成することを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌浄化後における再汚染防止方法。
  3. 前記第2工程において、前記難透水層に掘削孔を形成し、前記掘削孔から前記難透水層下に前記汚染物質分解剤を注入することにより前記汚染物質分解層を形成することを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌浄化後における再汚染防止方法。
  4. 前記汚染物質が揮発性有機化合物であり、前記汚染物質分解剤として鉄粉又は過酸化硫酸塩を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の汚染土壌浄化後における再汚染防止方法。
  5. 前記第2工程において、前記透水層に掘削孔を形成し、前記掘削孔から前記難透水層上に前記汚染物質吸着剤を注入することにより前記汚染物質吸着層を形成することを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌浄化後における再汚染防止方法。
  6. 前記第2工程において、前記難透水層に掘削孔を形成し、前記掘削孔から前記難透水層下に前記汚染物質吸着剤を注入することにより前記汚染物質吸着層を形成することを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌浄化後における再汚染防止方法。
  7. 前記汚染物質が揮発性有機化合物であり、前記汚染物質吸着剤として活性炭及び/又はゼオライトを用いることを特徴とする請求項1,5,6のいずれか一つに記載の汚染土壌浄化後における再汚染防止方法。
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