JP2002159961A - 汚染土壌中に砂層を形成する方法及び汚染土壌の処理方法 - Google Patents

汚染土壌中に砂層を形成する方法及び汚染土壌の処理方法

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JP2002159961A
JP2002159961A JP2000361406A JP2000361406A JP2002159961A JP 2002159961 A JP2002159961 A JP 2002159961A JP 2000361406 A JP2000361406 A JP 2000361406A JP 2000361406 A JP2000361406 A JP 2000361406A JP 2002159961 A JP2002159961 A JP 2002159961A
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Masanori Hashimoto
正憲 橋本
Yoshihiko Suzuki
義彦 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホウ酸ナトリウムを用いることなく安全性の
高い薬剤を用いた砂混合スラリーにより、汚染土壌に空
隙率が高く透水性の高い砂層を形成する。形成した砂層
を通して汚染土壌を原位置にて浄化する。 【解決手段】 汚染土壌に水と砂を含むスラリーを注入
して、該汚染土壌中に砂層を形成する方法において、ア
ミノ多糖類のアシル化物、又は、アミノ多糖類にアシル
化剤を添加したものと、砂と、水とを含む砂混合スラリ
ーを用いる。このようにして形成した砂層を通じて酸化
剤溶液を注入することにより汚染土壌を処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機化合物、特に
有機塩素化合物等の有機ハロゲン化合物で汚染された土
壌を原位置で浄化するために、汚染土壌中に透水性の高
い砂層を形成する方法と、このような砂層を形成して汚
染土壌を原位置で浄化する汚染土壌の処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機ハロゲン化合物などで汚染された土
壌を原位置で浄化する方法として、汚染土壌に圧縮空気
又は高圧水を注入して土壌中に空隙(割れ目,frac
ture)を形成し、ここに蒸気、有機ハロゲン化合物
を分解する薬剤、或いは、有機ハロゲン化合物を分解す
る微生物又はその栄養分又は分解酵素(以下、これらを
「分解薬剤等」と称す場合がある。)を注入する方法
(フラクチュアリング)が知られている。
【0003】即ち、汚染土壌に有機ハロゲン化合物の分
解薬剤等を注入して汚染土壌を原位置で浄化しようとし
ても、汚染土壌が粘土質やシルト質等の透水性の低い土
壌の場合、汚染土壌中の汚染物質と分解薬剤等を十分に
接触させることが困難である。しかし、このような透水
性の低い土壌内に、上記フラクチュアリングを行って空
隙を形成することにより、実質上分解薬剤等の注入点を
多数設けたことと同じ効果が得られ、多数の注入孔を設
けることなく広い範囲にわたって分解薬剤等を低透水性
土壌中に円滑に注入することが可能となり、効率良く汚
染土壌を分解ないし除去することが可能となる。
【0004】また、このようなフラクチュアリングに当
たり、圧縮空気や高圧水の替わりに、グアーガム水溶液
にホウ酸ナトリウム、グアーガムを分解する酵素及び砂
を混合したスラリーを土壌中に注入して土壌中に砂層を
形成し、酵素によってグアーガムが分解した後、上記薬
剤等を注入する方法も知られている。
【0005】即ち、前述の分解薬剤等を汚染土壌に注入
する場合、分解薬剤等を断続的に注入することは、分解
薬剤等の使用量を低減する上で効率的な処理を行えると
いう利点があるが、フラクチュアリングに当たり、圧縮
空気や高圧水を注入する方法では、圧縮空気又は高圧水
或いはその後の分解薬剤等の注入を停止すると、汚染土
壌中に形成された空隙が消滅してしまう。これに対し
て、砂混合スラリーを注入する方法であれば、空隙率が
高く、透水性の高い砂層が形成されるため、砂混合スラ
リーやその後の分解薬剤等の注入を停止しても空隙が消
滅することはなく、従って分解薬剤等を断続的に注入す
ることが可能である。しかも砂層は連続して形成されて
いるので、砂層の上下に存在する汚染物質と分解薬剤等
とは極めて効率良く接触できるようになるため、効率良
く汚染土壌を処理することが可能となる。
【0006】USP5,032,042には、このよう
な砂混合スラリーを利用して、汚染土壌中に高圧水を注
入した後、上述のような砂混合スラリーを注入して砂層
を形成し、この砂層を通して生物学的ないし化学的に土
壌を処理する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の砂混合スラリー
を用いるフラクチュアリングにおいて、ホウ酸ナトリウ
ムはグアーガム水溶液をゲル化させて混合した砂が沈降
分離するのを防止するために、また、土壌中に砂混合ス
ラリーを注入した時、砂と水とが分離することなく砂を
空隙全体に行き渡らせるために使用されているが、ホウ
酸ナトリウムは有害で、地下水環境基準項目の一つであ
ることから、ホウ酸ナトリウムに替わる安全性の高いゲ
ル化薬剤の開発が望まれている。
【0008】本発明は上記従来の実情に鑑みてなされた
ものであって、ホウ酸ナトリウムを用いることなく、安
全性の高い薬剤を用いた砂混合スラリーにより、汚染土
壌に空隙率が高く透水性の高い砂層を形成する方法と、
この方法により形成した砂層を通して汚染土壌を原位置
にて浄化する汚染土壌の処理方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の汚染土壌中に砂
層を形成する方法は、汚染土壌に水と砂を含むスラリー
を注入して、該汚染土壌中に砂層を形成する方法におい
て、前記スラリーは、アミノ多糖類のアシル化物、又
は、アミノ多糖類にアシル化剤を添加したものと、砂
と、水とを含む混合物であることを特徴とする。
【0010】本発明の汚染土壌の処理方法は、この方法
で汚染土壌中に砂層を形成し、次いでその砂層を通じて
酸化剤溶液を注入することにより該汚染土壌を処理する
ことを特徴とする。
【0011】水又は酸水溶液にアミノ多糖類を溶解させ
ると共に砂を混合したスラリーに、アシル化剤を添加す
ると、アミノ多糖類がアシル化されて、スラリーが高粘
稠液状ないしゲル状となる。
【0012】このような高粘稠液状ないしゲル状の砂混
合スラリーであれば、砂と水との均一分散性が安定に維
持されるため、土壌中に高圧力で注入する場合でも、砂
と水との分離を有効に防止することができる。
【0013】このため、有害なホウ酸ナトリウムが不要
となり、安全性の高い砂混合スラリーを用いて、広い範
囲にわたって、容易かつ均一に空隙率が高く透水性の高
い砂層を形成することができ、この砂層を通して汚染土
壌を効率的に浄化をすることが可能となる。
【0014】即ち、粘土層土壌が有機ハロゲン化合物等
の有機塩素化合物で汚染されている場合、一般に、土壌
全体が均一に汚染されているよりむしろ粘土層の裂け
目、割れ目、砂礫が混じった部分など、有機塩素化合物
が入り込みやすい部分、換言すると、粘土層土壌として
は弱い部分が高濃度に汚染されていることが多いと考え
られる。そこで、砂混合スラリーを高圧で注入すると、
このような弱い部分に容易に割れ目が形成され、割れ目
に砂層を形成することができる。そして、形成した砂層
を通して酸化剤を注入することで、酸化剤と有機塩素化
合物とを効率良く接触させることが可能となり、効率的
な浄化を行える。
【0015】本発明の汚染土壌中に砂層を形成する方法
において、スラリーの注入に先立って高圧水を注入して
汚染土壌中に隙間を形成しておくことにより、より一層
効率的に砂層を形成することができる。また、砂混合ス
ラリー中にはアミノ多糖類の分解酵素を混合し、土壌へ
の注入後、酵素によりアミノ多糖類ないしアミノ多糖類
のアシル化物を分解させることが望ましい。
【0016】また、本発明の汚染土壌の処理方法におい
て、酸化剤としては過マンガン酸塩が好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0018】まず、本発明で用いる砂混合スラリーにつ
いて説明する。
【0019】本発明に係る砂混合スラリーは、アミノ多
糖類のアシル化物、又は、アミノ多糖類にアシル化剤を
添加したものと、砂と、水とを含む混合物である。
【0020】本発明で用いるアミノ多糖類とは、具体的
には、キトサンであり、例えば、蟹の外殻から得ること
ができる。即ち、例えば外殻からカルシウムとタンパク
質を取り除いた後(この段階でキチンが得られる)、高
温の濃厚アルカリ液中で脱アセチル化する方法でキトサ
ンを得ることができる。ただし、脱アセチル化率は10
0モル%とは限らず、通常75〜100モル%程度であ
る。脱アセチル化率は、コロイド滴定法あるいはNMR
スペクトルによって測定することができる。
【0021】キトサンは、高分子量のものほど好まし
い。これは、高分子量のものほど、低濃度溶解で高粘稠
液体とすることができるので、経済的であることによ
る。本発明では、通常分子量1万以上のキトサン、実用
的には分子量5万〜500万程度のキトサンが好適であ
る。この分子量は、光散乱法、固有粘度測定法、GPC
法(Gel Permeation Chromatography)によって測定す
ることができる。
【0022】アシル化剤としては、酸無水物、例えば、
無水酢酸が好適である。
【0023】砂としては特に制限はないが、注入効率の
点からは、10メッシュ篩(目開き1.7mm)通過〜
200メッシュ篩(目開き0.075mm)不通過の範
囲のものが好ましい。
【0024】本発明で用いる砂混合スラリーは、アミノ
多糖類のアシル化物、又は、アミノ多糖類にアシル化剤
を添加したものと砂と水とを含む混合物であるが、この
砂混合スラリーが汚染土壌に注入された後、アミノ多糖
類及びそのアシル化物が分解されて酸化剤溶液の注入に
好適な空隙を形成するように、更にアミノ多糖類の分解
酵素を含むことが好ましい。一般に、土壌中にはアミノ
多糖類及びそのアシル化物(キチン)の分解酵素が存在
するため、この分解酵素を砂混合スラリーに添加しない
場合でも、アミノ多糖類及びそのアシル化物は土壌中で
徐々に分解されるが、この分解酵素を砂混合スラリーに
予め混合しておくことにより、アミノ多糖類及びそのア
シル化物を早期に分解して酸化剤の注入時期を早めるこ
とができ、浄化に要する期間の短縮が図れ、好適であ
る。
【0025】この分解酵素としては特に限定されるもの
ではないが、キトサナーゼ、キチナーゼ、リゾチームな
どを用いることができる。
【0026】土壌に注入された後、このような分解酵素
によって分解されたキトサンないしキチンは、その後は
土壌ないし地下水中に存在する微生物によって完全に分
解されるため、土壌や地下水が汚染されることはない。
【0027】本発明で用いる砂混合スラリーは、必要に
応じて上記分解酵素を添加したキトサンの水溶液に所定
量のアシル化剤と砂とを混合することにより調製するこ
とができる。
【0028】この場合、キトサンは、そのままでも水溶
液とすることができるものもあるが、多くは酸を添加す
ることにより、水に溶解させることができるため、一般
に酸を添加してキトサン水溶液を調製する。この場合、
酸としては、酢酸、塩酸、硝酸、乳酸、グルコン酸、ア
ジピン酸などを用いることができる。酸の添加量は、キ
トサンに含まれるアミノ基と等当量以上、好ましくは
1.2〜2倍当量程度である。酸の添加量が多く、溶液
のpHが低くなる場合には、アルカリ又はアルカリ性塩
を添加してpHを弱酸性に調製しても良い。
【0029】このキトサンの溶解濃度は、分子量によっ
ても異なるが、一般に0.05〜8重量%程度である。
このキトサン濃度は、注入効率が良好でしかも十分に高
粘稠な砂混合スラリーとするために、一般的には、0.
2〜3重量%程度とするのが好ましい。
【0030】分解酵素を含むキトサン水溶液は所定量の
水に粉末のキトサンと酸と分解酵素とを添加混合するこ
とにより調製することができる。この溶液の調製には1
0〜60分程度を要する。
【0031】なお、分解酵素の添加量が過度に多いと、
キトサンが早期に分解してしまい、逆に過度に少ないと
十分に分解が進行し得ないことから、キトサンに対して
0.01〜5重量%とするのが好ましい。
【0032】このようにして調製した分解酵素を含むキ
トサン水溶液に次いで所定量のアシル化剤と砂とを添加
して1〜60分程度混合した後静置すると、高粘稠液状
ないしゲル状で砂の自然沈降の殆んどない砂混合スラリ
ーを得ることができる。
【0033】この砂混合スラリー中のアシル化剤の量が
少ないと、キトサンのゲル化により十分に高粘稠の砂混
合スラリーとすることができず、多いと粘性が高く注入
が困難となる恐れがあるため、アシル化剤はキトサンに
対して10〜50重量%程度添加するのが好適である。
【0034】なお、キトサンとアシル化剤との反応を速
やかに進行させるために、砂混合スラリーの調製にあた
っては、エチルアルコール、メチルアルコール等の低級
アルコールを添加しても良く、この場合、アルコールの
添加量は水に対して10〜100重量%程度とするのが
好適である。
【0035】また、砂混合スラリー中の砂の割合は、注
入時の流動性や注入後の砂層の形成効率等の面から、水
100重量部に対して30〜85重量部とするのが好ま
しい。
【0036】本発明の汚染土壌中に砂層を形成する方法
では、このような砂混合スラリーを、通常のフラクチュ
アリング技術に従って汚染土壌中に注入することによ
り、汚染土壌中に空隙率が高く、透水性の高い砂層を形
成することができる。しかして、形成された砂層に ・有機ハロゲン化合物等の汚染物質を気化させるための
蒸気又は高温の乾燥空気 ・有機ハロゲン化合物等の汚染物質を酸化分解するため
の酸化剤 ・有機ハロゲン化合物等の汚染物質を還元分解するため
の還元剤、 ・有機ハロゲン化合物等の汚染物質をレドックス反応に
より分解するための酸化剤及び還元剤 ・有機ハロゲン化合物等の汚染物質を分解する微生物、
或いはその栄養分、或いは分解酵素 ・有機ハロゲン化合物等の汚染物質を分解するその他の
薬剤 ・有機ハロゲン化合物等の汚染物質を還元、吸着して除
去するための鉄粉 等を連続的又は断続的に注入することにより、短時間で
効率的に汚染土壌を浄化することができる。
【0037】なお、本発明の汚染土壌中に砂層を形成す
る方法においては、砂混合スラリーを汚染土壌に注入し
て砂層を形成するに先立ち、圧縮空気又は高圧水、好ま
しくは高圧水を汚染土壌に注入して予め汚染土壌中に空
隙を形成しても良く、これにより、より一層空隙率が高
く透水性に優れた砂層を効率的に形成することが可能と
なる。
【0038】本発明の汚染土壌の処理方法は、このよう
にして形成した砂層を通じて酸化剤溶液を注入して汚染
土壌中の有機ハロゲン化合物等の汚染物質を酸化分解し
て浄化する方法である。
【0039】ここで、使用できる酸化剤溶液としては過
酸化水素、過マンガン酸塩水溶液、過硫酸塩水溶液、オ
ゾン水等が挙げられるが、有機ハロゲン化合物等の汚染
物質の分解効果の面からは過マンガン酸カリウム等の過
マンガン酸塩水溶液が好適である。酸化剤として過マン
ガン酸塩を用いた場合には、汚染土壌中のジクロロエチ
レン(DCE)、トリクロロエチレン(TCE)、テト
ラクロロエチレン(PCE)等の脂肪族有機塩素化合物
を二酸化炭素と塩化物イオンにまで効率的に分解するこ
とができる。
【0040】用いる酸化剤溶液の濃度は、汚染土壌の汚
染の程度や用いる酸化剤の種類や汚染土壌中への注入量
によっても異なるが、例えば、過マンガン酸カリウム等
の過マンガン酸塩水溶液を用いる場合、過マンガン酸カ
リウムではその濃度は0.2〜5重量%程度であること
が好ましく、過マンガン酸ナトリウムでは、その濃度は
0.2〜30重量%程度であることが好ましい。
【0041】本発明の方法は、より具体的には次のよう
にして実施される。
【0042】即ち、まず、汚染土壌に汚染物質が存在す
る深度まで井戸を掘り、この井戸に水の噴射口を有する
ロッドを、汚染のある深度まで挿入し、ロッドを回転さ
せながら高圧水を噴射して土壌に切れ目(隙間)を入れ
る。次に、前述の砂混合スラリーを圧入する。ここで高
圧水の噴射は必ずしも必要とされないが、砂混合スラリ
ーの注入に先立ち、高圧水を噴射して汚染土壌内に切れ
目を入れることで、そこがきっかけとなって砂混合スラ
リーが土壌を押し広げて注入されてゆくようになるた
め、効率的な注入を行える。この砂混合スラリーの注入
圧力は、0.1〜1.2MPa程度が適当である。これ
らの操作により、土質にもよるが注入位置から半径数メ
ートルに渡って砂層が形成される。そして、この砂層に
酸化剤溶液を注入する。酸化剤は砂層を通じて粘土層内
に浸透し、これまで透水性が低いために酸化剤溶液の注
入が困難であった粘土質又はシルト質土壌に対しても広
い範囲にわたって酸化剤溶液の注入が可能となる。
【0043】このような本発明の方法は、特に、DC
E,TCE,PCE等の有機ハロゲン化合物で汚染され
た土壌の浄化に有効であるが、浄化対象は何らこのよう
な汚染土壌に限定されるものではない。
【0044】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0045】なお、以下において、砂混合スラリーの砂
としては、22メッシュ篩(目開き0.71mm)通
過、30メッシュ篩(目開き0.50mm)不通過のも
のを用い、キトサン及び分解酵素としては、次のような
ものを用いた。 キトサンA:分子量10万、脱アセチル化率82モル% キトサンB:分子量 5万、脱アセチル化率84モル% キトサンC:分子量 1万、脱アセチル化率78モル% 分解酵素 :キトサナーゼ
【0046】実施例1〜8,比較例1,2 表1に示す配合及びpHの砂混合スラリーを調製して静
置し、60分後の砂の沈降具合をスラリー全体の砂の体
積割合(体積%)で調べ、結果を表1に示した。この体
積割合が大きく100%に近い程、砂混合スラリーの粘
稠度が高く、砂層の形成に有効である。
【0047】なお、実施例1〜8における砂混合スラリ
ーは、水にキトサンと酢酸とキトサナーゼを添加して3
0分混合し、次いで無水酢酸とエタノールと砂を添加し
て20分軽く混合することにより調製した。
【0048】比較例1〜3においては、一部の添加物を
添加しないこと以外は、この実施例の調製方法に準じて
砂混合スラリーを調整した。
【0049】
【表1】
【0050】表1より明らかなように、本発明では、ア
シル化剤である無水酢酸によりキトサンをゲル化させて
高粘稠のスラリーとすることができる。
【0051】実施例9 図1に示す場所に、実施例2で調製した砂混合スラリー
を用いて、TCE汚染土壌及び地下水の浄化試験を行っ
た。
【0052】試験現場は地下水位:地表から深さ2m、
砂礫層:地表から深さ5mまで、粘土層:地表から深さ
5〜8mの範囲であり、地下水、砂礫層及び粘土層が汚
染されていた。地下水、砂礫層のTCE汚染は、揚水曝
気処理又は真空抽出法で浄化されつつあるが、5年間浄
化したにもかかわらず、地下水を環境基準以下にするこ
とはできていない。原因はTCEが粘土層にまで達して
おり、徐々に地下水に溶出してくるためと考えられる。
【0053】そこで、粘土層の浄化を目的として、砂混
合スラリーの注入井戸を深さ6mに掘り、この注入井戸
に対して、図1に示す地点A〜Aで処理前、地点B
〜Bで処理後においておのおのの地点で深度5.
0,5.5,6.0,6.5,7.0mの土壌を採取し
てTCE溶出量を測定し、処理効果を調べることにし
た。
【0054】なお、図1において、採取地点A
,B〜Bは注入井戸Wから2.5m離れた円周
上に位置し、採取地点A〜A,B〜Bは注入井
戸Wから5.0m離れた円周上に位置する。
【0055】まず、処理前にTCE溶出量を調べたとこ
ろ、各地点A〜Aの40試料の平均は0.32mg
/L、最大値は0.97mg/Lであった。
【0056】その後、注入井戸Wから、砂混合スラリー
10mを0.3MPaの圧力でポンプにより注入した
後、キトサンを分解するために30日間放置した。
【0057】その後、過マンガン酸カリウム水溶液(3
重量%)15mを3回に分けて、30日に1回の間隔
で注入した(1回の注入に要する時間は4時間)。
【0058】過マンガン酸カリウム水溶液の注入終了後
3日経過後に、処理前と同様に各地点B〜Bで土壌
を採取し、TCE溶出量を測定したところ、40試料の
平均は0.012mg/L、最大値は0.026mg/
Lであり、環境基準以下とすることができた。
【0059】その後、試験現地区域の地下水を6ヶ月に
わたって、1回/月の頻度でモニタリングしたが、いず
れもTCEは環境基準以下であった。
【0060】この結果から、本発明に従って砂フラクチ
ュアを形成した後酸化剤溶液を注入することにより、汚
染土壌を効果的に浄化することができることがわかる。
【0061】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の汚染土壌中
に砂層を形成する方法によれば、ホウ酸ナトリウムを用
いることなく、安全性の高い薬剤を用いた砂混合スラリ
ーにより、汚染土壌に空隙率が高く透水性の高い砂層を
形成することができる。
【0062】また、本発明の汚染土壌の処理方法によれ
ば、このようにして形成された砂層を通して汚染土壌を
原位置にて効果的に浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例9の試験現場を示す平面図である。
【符号の説明】
W 注入井戸 A〜A,B〜B 土壌採取地点

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚染土壌に水と砂を含むスラリーを注入
    して、該汚染土壌中に砂層を形成する方法において、 前記スラリーは、 アミノ多糖類のアシル化物、又は、アミノ多糖類にアシ
    ル化剤を添加したものと、 砂と、 水とを含む混合物であることを特徴とする汚染土壌中に
    砂層を形成する方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記スラリーの注入
    に先立って、汚染土壌に高圧水を注入して汚染土壌中に
    隙間を形成することを特徴とする汚染土壌中に砂層を形
    成する方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記スラリー
    は、前記アミノ多糖類の分解酵素を含むことを特徴とす
    る汚染土壌中に砂層を形成する方法。
  4. 【請求項4】 汚染土壌に水と砂を含むスラリーを注入
    して、該汚染土壌中に砂層を形成し、次いでその砂層を
    通じて酸化剤溶液を注入することにより該汚染土壌を処
    理する方法において、 前記スラリーは、 アミノ多糖類のアシル化物、又は、アミノ多糖類にアシ
    ル化剤を添加したものと、 砂と、 水とを含む混合物であることを特徴とする汚染土壌の処
    理方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記酸化剤が過マン
    ガン酸塩であることを特徴とする汚染土壌の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109047322A (zh) * 2018-09-10 2018-12-21 缙云县智禾环保科技有限公司 一种土壤修复方法

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