JP2002028631A - 土壌及び/又は地下水の浄化方法 - Google Patents

土壌及び/又は地下水の浄化方法

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JP2002028631A JP2000213077A JP2000213077A JP2002028631A JP 2002028631 A JP2002028631 A JP 2002028631A JP 2000213077 A JP2000213077 A JP 2000213077A JP 2000213077 A JP2000213077 A JP 2000213077A JP 2002028631 A JP2002028631 A JP 2002028631A
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Tsutomu Koga
務 古賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建屋の下や深層に集中して存在している或い
は広範な領域に存在している汚染土壌や地下水であって
も、比較的安価に、かつ短期間で効率的に浄化すること
ができる土壌及び/又は地下水の浄化方法を提供する。 【解決手段】 有機ハロゲン化合物で汚染された土壌内
に鉄粉含有層を形成し、該鉄粉含有層と該土壌内を流れ
る地下水及び/又は土壌水分とを接触させることにより
土壌及び/又は地下水中の有機ハロゲン化合物を分解す
る土壌及び/又は地下水の浄化方法。土壌10内に横方
向にパイロットホール13を形成した後、このホール1
3内に鉄粉含有スラリーを充填することにより鉄粉含有
層14を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌及び/又は地
下水中に含まれるクロロエチレン類、クロロエタン類、
クロロメタン類(以下「有機塩素系化合物」と略す。)
等の有機ハロゲン化合物を効率的に分解して浄化する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】トリクロロエタンやトリクロロエチレン
等の有機塩素系化合物は、非常に優れた脱脂溶剤として
使用されてきたが、近年その発癌性が指摘され、環境へ
の放出が制限されている。しかし、有機塩素系化合物に
よる汚染は依然として解決されておらず、事故や人為的
ミスによって、これらが土壌中に浸透することによる土
壌や地下水の汚染が大きな社会問題となっている。
【0003】従来、土壌や地下水中の有機塩素系化合物
を分解する技術としては、汚染されている土壌や地下水
を土壌掘削や揚水ないし土壌ガス抽出等によっていった
ん回収し、その後、減圧や加熱によって目的物質を気化
又は分離し、これを活性炭に吸着させた後、高温で加熱
分解する方法や、紫外線照射による酸化分解等の方法が
ある。
【0004】また、原位置で土壌や地下水中の有機塩素
系化合物を分解する方法としては、次のような方法が提
案されている。
【0005】 汚染が存在する土壌中に特殊な嫌気性
微生物を注入し、有機塩素系化合物を生物分解する。 汚染土壌に鉄粉を混合し、有機塩素系化合物を還元
分解する(特開平10−071386号公報、同10−
263522号公報、同11−235577号公報)。
具体的には、汚染土壌に井戸を掘り、この井戸に圧縮空
気又は高圧水を注入して土壌中に井戸の内壁面から空隙
(割れ目,fracture)を形成し、ここに鉄粉を
吹き込むことにより鉄粉含有層を形成する。この鉄粉含
有層に土壌内を流れる地下水や土壌水分を接触させて土
壌中の有機塩素系化合物を分解する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の分解方法のうち、揚水や土壌ガス抽出では、浄化完
了までに要する時間が長いという問題があり、土壌掘削
では処理コストが非常に高く、建屋や作業スペース等か
ら場所的制限を強く受けるという問題がある。
【0007】一方、原位置での分解方法のうち、上記
の方法では、処理コストは安価であるが、注入した微生
物が環境に悪影響を及ぼす可能性がある。また、の方
法では、汚染土壌が深層に集中して存在している場合や
広い領域に存在している場合には処理コストが嵩み、ま
た、汚染土壌の上部に建屋が存在する場合のように、場
所的制限によって実施が困難であるという問題がある。
即ち、前記空隙は、井戸内壁面から略水平方向に放射状
に形成されるが、その先端が到達する距離は、土壌の土
質によっても異なるが、限度があり、一つの井戸から広
い範囲にわたって鉄粉吹き込み用の空隙を形成すること
は困難である。このため、鉄粉吹き込みのための井戸を
所定間隔で多数形成する必要があるが、深層の汚染土壌
の浄化のために、深い井戸を多数形成するにはコストが
嵩む。また、汚染が広い領域にわたる場合においても、
多数の井戸を形成することとなり、コストが嵩む。しか
も、建屋の直下の汚染土壌に対しては、その近傍に井戸
を形成しても、多くの場合、汚染領域に到達する空隙を
形成して鉄粉を送り込むことが困難である。
【0008】このように既存の浄化技術では、建屋の下
や深層に集中して存在している或いは広範な領域に存在
している有機塩素系化合物による土壌汚染に対して、比
較的安価に、しかも短期間で浄化を行うことは非常に困
難であった。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決し、建屋
の下や深層に集中して存在している或いは広範な領域に
存在している汚染土壌や地下水であっても、比較的安価
に、かつ短期間で効率的に浄化することができる土壌及
び/又は地下水の浄化方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の土壌及び/又は
地下水の浄化方法は、有機ハロゲン化合物で汚染された
土壌内に鉄粉含有層を形成し、該鉄粉含有層と該土壌内
を流れる地下水及び/又は土壌水分とを接触させること
により土壌及び/又は地下水中の有機ハロゲン化合物を
分解する土壌及び/又は地下水の浄化方法において、該
鉄粉含有層を、該土壌内に横方向にパイロットホールを
形成した後、該ホール内に鉄粉含有スラリーを充填する
ことにより形成することを特徴とする。
【0011】鉄粉は有機ハロゲン化合物をその表面に取
り込み、触媒として作用して有機塩素化合物を分解する
と共に、その還元作用で有機ハロゲン化合物を還元分解
する。本発明では、このような鉄粉を含む鉄粉含有層を
土壌内に形成する。この鉄粉含有層に、周辺の地下水や
土壌水分が浸透して通過する際に、土壌や地下水中の有
機ハロゲン化合物が鉄粉含有層で鉄粉により還元分解さ
れる。
【0012】本発明においては、水平ボーリング等によ
り土壌内に、所望の長さ及び径のパイロットホールを横
方向(一般的には水平方向)に形成し、このホール内に
鉄粉含有スラリーを充填して、このような有機ハロゲン
化合物の分解層としての鉄粉含有層を形成するため、広
い領域にわたる鉄粉含有層を容易に形成することができ
る。このため、井戸を多数掘設する必要はなく、また、
建屋の下部にパイロットホールが通過するように形成す
ることで、建屋下部の汚染土壌も容易に浄化することが
できる。
【0013】本発明においては、パイロットホールの端
部から鉄粉含有スラリーを注入し、リーマーにより土壌
と該スラリーとを混合することにより鉄粉含有層を形成
することが好ましい。
【0014】また、複数のパイロットホールを並設する
ことにより、広範な領域の汚染土壌や地下水をも容易に
浄化することが可能となる。
【0015】本発明において、有機ハロゲン化合物とし
ては、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジ
クロロエチレン、四塩化炭素、ジクロロメタン、ジクロ
ロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロペン、ポリ
塩化ビフェニル及びダイオキシン類よりなる群から選ば
れる1種又は2種以上の塩素化炭化水素が挙げられる
が、本発明の方法によれば、これらの有機ハロゲン化合
物に限らず、土壌や地下水中の有害重金属であるクロ
ム、銅、ニッケル、カドミウム、鉛等を鉄粉により還元
して無害化することもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0017】図1は本発明の実施の形態を示す模式的な
断面図である。
【0018】本発明においては、まず、浄化対象領域の
土壌にパイロットホールを形成する。このパイロットホ
ールの形成方法には、特に制限はなく、一般的な水平ボ
ーリングマシーンを用いて、常法に従って形成すること
ができる。
【0019】例えば、まず、図1に示す如く、汚染土壌
10のパイロットホールの発進側と到達側とに、それぞ
れ内部で人が作業できる程度の縦穴、即ち、発進孔11
と到達孔12とを掘設する。その後、水平ボーリング用
のマシーンを用いて発進孔11と到達孔12との間に、
目的深度のパイロットホール13を略水平方向に形成す
る。その後、このパイロットホール13内に鉄粉含有ス
ラリーを充填して鉄粉含有層14を形成する。
【0020】この鉄粉含有スラリーの充填方法としては
次のような方法を採用することができる。 パイロットホール13の到達孔12側から鉄粉含有
スラリーを充填すると共に、このパイロットホール13
の端部からリーマーを送り込んで回転させながら前進さ
せ、パイロットホール13周辺の土壌と鉄粉含有スラリ
ーとを混合する。必要に応じて、その後パイロットホー
ル13の発進孔11側からも同様にして鉄粉含有スラリ
ーを土壌と混合充填する。ここで用いるリーマーの直径
は一般的には大きい方が望ましいが、拡孔の際の抵抗を
考慮した場合、直径10〜50cm程度のものが好まし
い。一般に、リーマーは、パイロットホール内に前進さ
せるときよりも挿入側へ引き抜く際に大きな拡孔作用を
奏し、径の大きな鉄粉含有層を形成することができる。 パイロットホールに対して、地表面から所定の間隔
で縦穴を掘って注入管で鉄粉含有スラリーを流し込む。
【0021】上記,の方法のうち、特に、の方法
であれば、複数の縦穴の掘設を行う必要なく、効率的に
鉄粉含有スラリーの充填、混合を行って鉄粉含有層を容
易に形成することができる。
【0022】このようにして形成した鉄粉含有層14の
発進孔11と到達孔12に表出する端面部分14A,1
4Bは、外部からの水の侵入を防止するために、セメン
ト等で塞いでも良い。
【0023】このようにパイロットホールを形成して、
パイロットホール内に鉄粉含有スラリーを充填する方法
であれば、建屋15等の直下であっても容易に鉄粉含有
層14を形成することができる。
【0024】本発明においては、特に、このようなパイ
ロットホールを水平方向に複数本並行に形成し、複数の
柱状鉄粉含有層を汚染土壌中の同一平面に並設すること
により、広範な領域の土壌や地下水の浄化を行うことが
できる。
【0025】この場合、一つの鉄粉含有層の浄化作用の
及ぶ領域は、鉄粉含有層を形成した土壌の土質や鉄粉含
有層の径、水流の程度(流量、流速)等によっても異な
るが、一般的には、鉄粉含有層から0.5〜5.0m以
内の領域であるため、このように複数の鉄粉含有層を並
設する場合、隣接する鉄粉含有層同士の間隔は1.0〜
10m程度とすることにより、汚染領域を効果的に浄化
することができる。
【0026】なお、本発明において用いる鉄粉含有スラ
リーとしては次のようなものが好ましい。
【0027】即ち、形成される鉄粉含有層は、地下水や
土壌水分が浸透し易い、空隙率の高い高透水性の砂層で
あることが好ましい。従って、鉄粉を含有する砂層を形
成するために、本発明で用いる鉄粉含有スラリーは砂と
鉄粉とを含有するスラリーであることが好ましいが、パ
イロットホールへの注入の際に、水と砂及び鉄粉とが分
離することなく、均一な状態でパイロットホール内に鉄
粉含有スラリーが充填されるためには、このスラリーは
高粘稠な液体であることが好ましい。この高粘稠性を付
与するために、更に、鉄粉含有スラリーには、アルミニ
ウム塩、鉄塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩よりな
る群から選ばれる1種又は2種以上の水溶性金属塩と、
多糖類とを混合することが好ましく、これらの水溶性金
属塩を混合することにより、その水酸化物と多糖類の水
酸基との相互作用により、ゲル状の高粘稠液体とするこ
とができる。また、パイロットホールへの注入後、多糖
類が分解して空隙を形成するように、鉄粉含有スラリー
中には更に多糖類の分解酵素を含むことが好ましい。
【0028】鉄粉含有スラリー中に配合する水溶性金属
塩化合物のうち、アルミニウム塩としては、ミョウバ
ン、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム等を用い
ることができ、鉄塩としては硫酸第一鉄等の第一鉄塩や
塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄等の第二鉄塩を用いること
ができる。また、マグネシウム塩としては塩化マグネシ
ウム、硫酸マグネシウム等を用いることができ、カルシ
ウム塩としては塩化カルシウム、重炭酸カルシウム等を
用いることができる。
【0029】また、多糖類としては、グアーガム、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スター
チ、グルコマンナン、ヒドロキシエチルセルロース等の
多糖類或いはその誘導体を用いることができるが、高粘
稠スラリーとすることができ、しかも安価であることか
らグアーガムが好適である。
【0030】また、分解酵素としてはセルラーゼが好適
である。
【0031】砂としては特に制限はないが、注入効率の
点からは、10メッシュ篩(目開き1.7mm)通過〜
200メッシュ篩(目開き0.075mm)不通過の範
囲のものが好ましい。
【0032】鉄粉含有スラリー中の砂の割合は、注入時
の流動性や注入後の砂層の形成効率等の面から、水10
0重量部に対して30〜85重量部とするのが好まし
い。
【0033】また、鉄粉含有スラリー中の多糖類の割合
は水100重量部に対して0.2〜5重量部とするのが
好ましい。多糖類の割合がこの範囲よりも少ないとゲル
化により高粘稠のスラリーとすることができず、逆に多
いと粘性が高過ぎて注入が困難である。
【0034】前記水溶性金属塩化合物の添加率は、多糖
類の水酸基1当量に対して0.03〜1.5当量、特に
0.15〜1.0当量であることが好ましい。水溶性金
属塩化合物の添加率がこの範囲よりも少ないとゲル化に
より十分に高粘稠のスラリーとすることができず、この
範囲よりも多いとスラリーの砂の分離が速くなる。な
お、水溶性金属塩化合物としては、前述の化合物の2種
以上を用いることもでき、複数種類の水溶性金属塩化合
物を用いる場合は、合計の添加率が上記範囲内となるよ
うにするのが好ましい。
【0035】なお、水溶性金属塩化合物は、その水酸化
物を形成するpHに調整することにより、形成された水
酸化物と多糖類の水酸基との相互作用によりゲル状の高
粘稠スラリーとすることができる。従って、鉄粉含有ス
ラリーには水溶性金属塩化合物から水酸化物が形成され
るpHに調整するために、必要に応じてpH調整剤を添
加する。この水酸化物を形成するpH範囲は水溶性金属
塩化合物の種類によって異なり、例えば、アルミニウム
塩であれば、pH4〜9、好ましくはpH5〜8であ
り、鉄(II)塩であればpH9以上、鉄(III)塩であ
ればpH4以上、マグネシウム塩であればpH8〜1
1、カルシウム塩であればpH11以上である。このp
H調整のためのpH調整剤としては、NaOH、KO
H、NaHCO 、NaCO、CaHCO等を用
いることができる。なお、CaHCOをpH調整剤と
して用いる場合、CaHCOはゲル化薬剤であるた
め、調整するpHによってはその添加量を多糖類に対し
て、上記範囲内として調整する必要がある。
【0036】鉄粉含有スラリー中の分解酵素は過度に多
いと多糖類が早期に分解してしまい、逆に過度に少ない
と十分に分解し得ないことから、例えば、グアーガムと
セルラーゼとの組み合わせの場合、セルラーゼをグアー
ガムに対して1〜10重量%程度用いるのが好ましい。
【0037】また、鉄粉含有スラリー中の鉄粉の割合
は、過度に少ないと十分な浄化効果を得ることができ
ず、逆に過度に多くても有機ハロゲン化合物の分解効率
に大差はなく、コストが嵩むことから、水100重量部
に対して1〜5重量部とするのが好ましい。
【0038】本発明では、このような鉄粉含有スラリー
をパイロットホール中に充填すると共に、周辺の土壌と
混合して、砂を含む土壌固形分に対して0.1〜10重
量%程度の鉄粉を含有する鉄粉含有層を形成するのが浄
化効率及びコストの面で好適である。
【0039】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0040】実施例1 図2に示す場所にて本発明に従って、汚染土壌及び地下
水の浄化を行った。
【0041】図2は、実施場所の平面図(実際にはこの
領域は建屋下である。)であり、図中の記号は次のもの
を示す。 1,2,3:パイロットホールに鉄粉含有スラリーを充
填して形成した鉄粉含有層(深さ3m)。 MW−1,2:地下水のモニタリング井戸(深さ5m,
4〜5mスクリーン設置) GSB−1〜9:ボーリング地点(深さ3m,土壌採
取)
【0042】この場所の土壌及び地下水を事前に調査し
た結果は次の通りであった。 地下水位=地表から−3m 地下水流向=北西→南東 地下水流速=0.1m/日 土質=盛土層:地表から0〜−3m 粘土層:地表から−2〜−4m 中砂層(帯水層):地表から−4〜−5m シルト層:地表から−5〜―6m
【0043】また、深さ2〜4mの粘土層について、G
SB−1〜9の9地点で土壌を採取し、汚染物質を調査
したところ、テトラクロロエチレン(PCE)、トリク
ロロエチレン(TCE)、シス−1,2−ジクロロエチ
レン(c−DCE)で汚染されており、それぞれの溶出
量値(平均値)は0.45mg/L、1.23mg/
L、0.88mg/Lであった。また、2つモニタリン
グ井戸WM−1,2の地下水のPCE、TCE、c−D
CE濃度(平均値)は、それぞれ0.16mg/L、
1.03mg/L、1.13mg/Lであった。
【0044】なお、鉄粉含有スラリーとしては、水に、
砂、グアーガム、セルラーゼ、ミョウバン、鉄粉を下記
配合で混合し、NaOHでpH7に調整したゲル状の高
粘稠液体を用いた。 [鉄粉含有スラリー配合(重量部)] 水 :100 砂 :70 グアーガム:1 セルラーゼ:0.02 ミョウバン:2.9 鉄粉 :2.0
【0045】この場所において、図1に示す如く、以下
の手順で鉄粉含有層を形成した。 建屋外に到達孔及び発進孔を掘設し、水平ボーリン
グマシーン(UTILX社製「7400MFPU」)を
用いて、建屋下の粘土層を対象とした深度3mの位置
に、3m間隔で3本のパイロットホールを形成した。 到達孔側より直径10インチのリーマーを送り込
み、ボーリングマシーンの鉄管を軸として回転させつ
つ、鉄粉含有スラリーをクラウトポンプを用いてパイロ
ットホールに注入し、リーマーの回転で鉄粉含有スラリ
ーとパイロットホール周壁部分の土壌とを混合しつつ充
填した。 その後、発進孔側より再びリーマーを送り込み、上
記鉄粉と同様にして鉄粉含有スラリーの混合充填を行っ
た。
【0046】1つのパイロットホール当たりに充填した
鉄粉含有スラリーは100Lであり、直径約30cm,
長さ10mの領域に鉄粉が土壌固形分に対して約1.0
重量%の割合で混合された鉄粉含有層が形成された。
【0047】この鉄粉含有層を形成した後、1ヶ月後
に、2〜4mの粘土層(事前調査位置の近くで9地点を
ボーリング調査)及び地下水(2つのモニタリング井
戸)を調査した結果、地下水中のPCE,TCE,c−
DCE濃度(平均値)はそれぞれ0.005mg/L,
0.016mg/L,0.036mg/L、粘土層土壌
からのPCE,TCE,c−DCE溶出量値(平均値)
はそれぞれ0.004mg/L,0.012mg/L,
0.026mg/Lであり、土壌及び地下水が浄化され
たことが確認された。
【0048】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の土壌及び/
又は地下水の浄化方法によれば、建屋の下や深層に集中
して存在している或いは広範な領域に存在している汚染
土壌や地下水であっても、原位置にて比較的安価に、か
つ短期間で効率的に浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の土壌及び/又は地下水の浄化方法の実
施の形態を示す模式的な断面図である。
【図2】実施例1の浄化実施場所を示す平面図である。
【符号の説明】
1,2,3 鉄粉含有層 MW−1,2 地下水のモニタリング井戸 GSB−1〜9 ボーリング地点 10 汚染土壌 11 発進孔 12 到達孔 13 パイロットホール 14 鉄粉含有層 15 建屋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/70 Fターム(参考) 2E191 BA12 BA13 BA15 BB01 BC01 BD11 4D004 AA41 AC07 CA37 CC07 CC11 CC15 4D050 AA02 AB19 BA02 BC07 4G069 AA02 BA22A BA22B BB02A BB02B BB10A BB10B BC16B BC66A BC66B CA01 CA10 CA19 DA06 EA01X EA01Y

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ハロゲン化合物で汚染された土壌内
    に鉄粉含有層を形成し、該鉄粉含有層と該土壌内を流れ
    る地下水及び/又は土壌水分とを接触させることにより
    土壌及び/又は地下水中の有機ハロゲン化合物を分解す
    る土壌及び/又は地下水の浄化方法において、 該鉄粉含有層を、該土壌内に横方向にパイロットホール
    を形成した後、該ホール内に鉄粉含有スラリーを充填す
    ることにより形成することを特徴とする土壌及び/又は
    地下水の浄化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、パイロットホールの
    端部から鉄粉含有スラリーを注入し、リーマーにより土
    壌と該スラリーとを混合して前記鉄粉含有層を形成する
    ことを特徴とする土壌及び/又は地下水の浄化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、複数のパイロ
    ットホールを並設することを特徴とする土壌及び/又は
    地下水の浄化方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、該有機ハロゲン化合物が塩素化炭化水素であること
    を特徴とする土壌及び/又は地下水の浄化方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、該塩素化炭化水素が
    トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロ
    エチレン、四塩化炭素、ジクロロメタン、ジクロロエタ
    ン、トリクロロエタン、ジクロロプロペン、ポリ塩化ビ
    フェニル及びダイオキシン類よりなる群から選ばれる1
    種又は2種以上であることを特徴とする土壌及び/又は
    地下水の浄化方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項におい
    て、鉄粉含有スラリーが水溶性金属塩と砂及び多糖類を
    含む高粘稠スラリーであることを特徴とする土壌及び/
    又は地下水の浄化方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014113573A (ja) * 2012-12-12 2014-06-26 Ohbayashi Corp 有機塩素化合物で汚染された汚染土壌又は汚染地下水の浄化材、及び、浄化方法
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CN105817476A (zh) * 2016-03-24 2016-08-03 华南理工大学 一种土壤或沉积物中的多氯联苯的降解强化方法

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