JP2001226579A - 強化ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

強化ポリアミド樹脂組成物

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JP2001226579A
JP2001226579A JP2000041534A JP2000041534A JP2001226579A JP 2001226579 A JP2001226579 A JP 2001226579A JP 2000041534 A JP2000041534 A JP 2000041534A JP 2000041534 A JP2000041534 A JP 2000041534A JP 2001226579 A JP2001226579 A JP 2001226579A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車部品、電子電気部品、工業機械部品な
どの産業用材料に好適な、得られる成形体が、低ソリで
あり、かつ剛性、強度、ならびに耐不凍液性や耐振動疲
労性などの耐久性に優れる強化ポリアミド樹脂組成物の
提供。 【解決手段】 (A)ポリアミド、ならびに(B)フェ
ノール溶媒に不溶な有機物を含有するアパタイト型化合
物からなり、該有機物がアパタイト型化合物100重量
部に対し0.5〜100重量部であるポリアミド複合
体、あるいは該ポリアミド複合体に他の樹脂を混合して
なるポリアミド樹脂複合体に、(C)無機充填材を配合
してなる強化ポリアミド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強化ポリアミド樹脂組成
物に関し、更に詳しくは、その成形体が低そりであり、
かつ優れた機械的性質、耐久性を有する成形体を得るこ
とができる強化ポリアミド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、機械特性を始めとし
て、耐薬品性および成形加工性など優れた特性を有する
ため、従来より自動車部品、電子電気部品、工業機械部
品などの各種部品に広く利用されている。このポリアミ
ド樹脂の利用範囲をさらに拡大するために、例えば、特
開昭51−50960号公報、特開昭54−18854
号公報および特開昭59−168058号公報などで、
高剛性で特に高温時においても高い剛性を保持すること
ができるポリアミド樹脂にガラス繊維を配合した強化材
料が提案されている。
【0003】しかしながら、前記公報に記載の樹脂組成
物のようにガラス繊維のみを充填したものは、射出成形
により成形した場合に成形品のそりが大きく、寸法安定
性が低いという問題がある。そりや変形を減少させるこ
とを目的とし、例えば特公昭58−4737号公報およ
び特開昭51−7056号公報ポリアミド樹脂にガラス
繊維と粉末状無機物とを配合した材料が開示されてい
る。また、特許第2528164号公報では、ポリアミ
ド樹脂、層状珪酸塩および無機充填材からなるポリアミ
ド樹脂組成物が開示されている。しかしながら、本発明
者らの検討によれば、従来の技術においては、そりや変
形の改良効果が十分でないばかりか、剛性、強度などの
機械物性も十分でなく、また、耐不凍液性や振動疲労特
性などの耐久性も十分でなく、その応用が制限されてい
るというのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、得ら
れる成形体が、低ソリであり、かつ剛性、強度、ならび
に耐不凍液性や耐振動疲労性などの耐久性に優れる強化
ポリアミド樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂に特定
量のアパタイト型化合物を含有させた特定のポリアミド
樹脂複合体に、無機充填材を配合した強化ポリアミド樹
脂組成物により、上記課題を解決できることをを見出
し、本発明に至った。
【0006】すなわち本発明は、(1)(A)ポリアミ
ド、ならびに(B)フェノール溶媒に不溶な有機物を含
有するアパタイト型化合物からなり、該有機物がアパタ
イト型化合物100重量部に対し0.5〜100重量部
であるポリアミド複合体、あるいは該ポリアミド複合体
に他の樹脂を混合してなるポリアミド樹脂複合体に、
(C)無機充填材を配合してなる強化ポリアミド樹脂組
成物、(2)ポリアミド形成成分と、アパタイト型化合
物形成成分とを配合し、ポリアミドの重合反応およびア
パタイト型化合物の合成反応を進行させて得られるポリ
アミド複合体、あるいは該ポリアミド複合体に他の樹脂
を混合してなるポリアミド樹脂複合体に、無機充填材を
配合してなる強化ポリアミド樹脂組成物、
【0007】(3)アパタイト型化合物が、平均粒子径
にして0.001〜1μmであることを特徴とする上記
1あるいは2記載の強化ポリアミド樹脂組成物、(4)
アパタイト型化合物形成成分が、平均粒子径にして0.
001〜10μmであることを特徴とする上記2記載の
強化ポリアミド樹脂組成物、である。以下、本発明につ
いて詳細に説明する。
【0008】本発明は、ポリアミド樹脂とアパタイト型
化合物とからなるポリアミド樹脂複合体に無機充填材を
配合した強化ポリアミド樹脂組成物に係る。本発明にお
けるポリアミドは、主鎖中にアミド結合(−NHCO
−)を有する重合体でよい。
【0009】本発明において好ましく用いるポリアミド
は、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリテトラメ
チレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレ
ンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセ
バカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデ
カミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジ
パミド(ナイロン116)、ポリウンデカラクタム(ナ
イロン11)、
【0010】ポリドデカラクタム(ナイロン12)、ポ
リトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロ
ンTMHT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド
(ナイロン6I)、ポリノナンメチレンテレフタルアミ
ド(9T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(6
T)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンド
デカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メ
チル−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイ
ロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジ
パミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンヘ
キサヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T
(H))、およびこれらのうち少なくとも2種の異なっ
たポリアミド成分を含むポリアミド共重合体、およびこ
れらの混合物などである。
【0011】これらのポリアミドのうち、本発明課題を
達成するのにより好ましいポリアミドは、ポリカプロラ
クタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナ
イロン612)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド
(ナイロン6I)、およびこれらのうち少なくとも2種
の異なったポリアミド成分を含むポリアミド共重合体、
およびこれらの混合物などである。
【0012】更に、本発明においては、前記ポリアミド
と他の樹脂とを混合して得られるポリアミド樹脂も用い
ることができる。この場合のポリアミド樹脂中のポリア
ミドの含有量は、好ましくは50重量%以上、より好ま
しくは60重量%以上、最も好ましくは70重量%以上
である。ポリアミド樹脂中のポリアミドの含有量が50
重量%未満の場合には、本発明の改良効果が顕著でない
場合がある。ポリアミドに配合する他の樹脂としては、
熱可塑性樹脂やゴム成分を添加することができる。
【0013】他の熱可塑性樹脂は、例えばアタクチック
ポリスチレン、アイソタクチックポリスチレン、シンジ
オタクチックポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂など
のポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹
脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホンなどのポリエーテル系
樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシメチレン
などの縮合系樹脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エ
ステル、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチ
レンープロピレン共重合体などのポリオレフィン系樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの含ハロ
ゲンビニル化合物系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂などを挙げることができる。
【0014】ゴム成分は、ゴムやそれらの変性体を挙げ
ることができる。ゴムは、例えば天然ゴム、ポリブタジ
エン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ネオプレ
ン、ポリスルフィドゴム、チオコールゴム、アクリルゴ
ム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エビクロロヒドリ
ンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB
R)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(SEB)、
【0015】スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イ
ソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添加スチレ
ン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、スチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、
水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合体(SEPS)、
【0016】スチレン−ブタジエンランダム共重合体、
水素添加スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチ
レン−エチレン−プロピレンランダム共重合体、スチレ
ン−エチレン−ブチレンランダム共重合体、エチレン−
プロピレン共重合体(EPR)、エチレン−(1−ブテ
ン)共重合体、エチレン−(1−ヘキセン)共重合体、
エチレン−(1−オクテン)共重合体、
【0017】エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
(EPDM)、あるいはブタジエン−アクリロニトリル
−スチレン−コアシェルゴム(ABS)、メチルメタク
リレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(M
BS)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−
スチレン−コアシェルゴム(MAS)、オクチルアクリ
レート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(MA
BS)、
【0018】アルキルアクリレート−ブタジエン−アク
リロニトリル−スチレンコアシェルゴム(AABS)、
ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(SBR)、メ
チルメタクリレート−ブチルアクリレートシロキサンを
はじめとするシロキサン含有コアシェルゴムなどのコア
シェルタイプを挙げることができる。
【0019】また、ゴム変性体は、上記ゴムを、極性基
を有する変性剤により変性したものであり、例えば無水
マレイン酸変性SEBS、無水マレイン酸変性SEP
S、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合
体、無水マレイン酸変性エチレン−(1−ブテン)共重
合体、無水マレイン酸変性エチレン−(1−ヘキセン)
共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−(1−オクテ
ン)共重合体、無水マレイン酸変性EPDM、エポキシ
変性SEBS、エポキシ変性エチレン−プロピレン共重
合体、エポキシ変性エチレン−(1−ブテン)共重合
体、エポキシ変性エチレン−(1−ヘキセン)共重合
体、エポキシ変性エチレン−(1−オクテン)共重合体
などが好ましく用いられる。本発明では、ポリアミド
に、上記熱可塑性樹脂、ゴム成分を1種類配合して用い
ても良いし、2種類以上組み合わせて配合して用いても
良い。
【0020】前記ポリアミド形成成分(原料)として
は、重合可能なアミノ酸、重合可能なラクタム、あるい
は重合可能なジアミン・ジカルボン酸塩、および重合可
能な前記化合物のオリゴマーを挙げることができる。重
合可能なアミノ酸としては、例えば6−アミノカプロン
酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸、パラアミノメチル安息香酸をより具体的に挙げるこ
とができる。本発明では、これらの重合可能なアミノ酸
を1種で用いても良いし、2種類以上組み合わせて用い
ても良い。
【0021】重合可能なラクタムとしては、例えばブチ
ルラクタム、ピバロラクタム、カプロラクタム、カプリ
ルラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、
ドデカノラクタムなどをより具体的に挙げることができ
る。本発明では、これらの重合可能なラクタムを1種で
用いても良いし、2種類以上組み合わせて用いても良
い。
【0022】重合可能なジアミン・ジカルボン酸塩のジ
アミンとしては、例えばテトラメチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデ
カメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミ
ン、ノナンメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル
ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキ
サメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミ
ン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、メタキ
シリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、
【0023】1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキ
サン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデカ
ン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5,−ト
リメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘ
キシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、
アミノエチルピペラジンなどを挙げることができる。本
発明では、これらの重合可能なジアミンを1種で用いて
も良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0024】重合可能なジアミン・ジカルボン酸塩のジ
カルボン酸としては、例えばマロン酸、ジメチルマロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルア
ジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2
−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、
エイコジオン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチ
ルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、
ヘキサヒドロテレフタル酸、ジグリコール酸などを挙げ
ることができる。本発明では、これらの重合可能なジカ
ルボン酸は1種で用いても良いし、2種類以上組み合わ
せて用いても良い。
【0025】本発明のポリアミド形成成分(原料)に
は、さらに分子量調節あるいは耐熱水性向上のために公
知の末端封止剤を添加することができる。末端封止剤と
しては、モノカルボン酸またはモノアミンが好ましい。
その他、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネ
ート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアル
コール類などを挙げることができる。
【0026】末端封止剤として使用できるモノカルボン
酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、
吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデ
シル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン
酸、シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボ
ン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン
酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカル
ボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸など
を挙げることができる。本発明では、これらのモノカル
ボン酸を1種で用いても良いし、2種類以上組み合わせ
て用いても良い。
【0027】末端封止剤として使用するモノアミンとし
ては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えばメチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、
オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミンなどの脂肪族モノアミン、シクロヘキシル
アミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミ
ン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチ
ルアミンなどの芳香族モノアミンなどを挙げることがで
きる。本発明では、これらのモノアミンを1種で用いて
も良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0028】本発明のポリアミドの分子量は、成形性お
よび物性がより優れていることから、重量平均分子量
(Mw)にして、1万〜100万であることが好まし
く、更には2万〜50万、最も好ましくは3万〜20万
のものである。重量平均分子量は、例えば、溶媒として
ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用い、
分子量標準試料としてポリメタクリル酸メチル(PMM
A)を用いて、ゲルパーミッショクロマトグラフィー
(GPC)により求めることができる。本発明で好まし
く用いられるアパタイト型化合物は、下記一般式で示さ
れる。(A)10−z(HPO(PO6−z
(X)2−z・nHOここで、0≦z<2、0≦n≦
16であり、(A)は金属元素、またXは陰イオンまた
は陰イオン化合物であるが、成形性および物性の観点か
ら0≦z<1、0≦n≦4であることがより好ましい。
【0029】好ましい金属元素(A)としては、元素周
期律表の1A、2A、3A、4A、5A、6A、7A、
8、1B、2B、3B族元素およびスズ、鉛を挙げるこ
とができる。これら金属元素は1種であっても、2種以
上であってもかまわない。本発明においては、得られる
樹脂組成物の経済性、安全性および物性の点から、2A
族元素であるマグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、あるいはこれらの2種以上からなる混合
物であることが特に好ましい。
【0030】前記一般式中のXで示される陰イオンまた
は陰イオン化合物としては、水酸イオン(OH)、フ
ッ素イオン(F)、塩素イオン(Cl)などを挙げ
ることができる。これら陰イオン元素または陰イオン化
合物は1種であっても、2種以上であってもかまわな
い。また、本発明においては、前記一般式中のリン酸水
素イオン(HPO 2−)、リン酸イオン(P
3−)、あるいはXの一部が炭酸イオン(CO
2−)に置換した炭酸含有アパタイトであってもよい。
【0031】本発明においては、前記アパタイト型化合
物の中、金属元素(A)がカルシウムである水酸アパタ
イト(Xが水酸イオン)、フッ素化アパタイト(Xの一
部または全部がフッ素イオン)、塩素化アパタイト(X
の一部または全部が塩素イオン)、炭酸含有水酸アパタ
イト、炭酸含有フッ素化アパタイト、炭酸含有塩素化ア
パタイト、さらには、これらの混合物が最も好ましく用
いられる。かかるアパタイト型化合物形成成分(原料)
としては、リン酸系金属化合物や、リン酸系金属化合物
と非リン酸系金属化合物とからなる混合物などを挙げる
ことができるが、本発明では、リン酸系金属化合物と非
リン酸系金属化合物とからなる混合物であることがより
好ましい。本発明では、アパタイト型化合物形成成分の
リンに対する金属元素のモル比が0.9〜10.0であ
ればよく、より好ましくは1.2〜5.0、さらに好ま
しくは1.5〜2.0である。
【0032】前記リン酸系金属化合物のリン酸類として
は、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、メタ
リン酸、亜リン酸、次亜リン酸などを挙げることができ
る。より具体的には、リン酸系金属化合物としては、リ
ン酸一水素カルシウム(CaHPO・mHO、但し
0≦m≦2である。)、二リン酸二水素カルシウム(C
aH)、リン酸二水素カルシウム一水和物
(Ca(HPO ・HO)、二リン酸カルシウ
ム(α−およびβ−Ca)、リン酸三カルシ
ウム(α−およびβ−Ca(PO)、
【0033】リン酸四カルシウム(Ca(PO
O)、リン酸八カルシウム五水和物(Ca(PO
・5HO)、亜リン酸カルシウム一水和物(C
aHPO・HO)、次亜リン酸カルシウム(Ca
(HPO)、リン酸マグネシウム第二・三水和
物(MgHPO・3HO)、リン酸マグネシウム第
三・八水和物(Mg(PO・8HO)、リン
酸バリウム第二(BaHPO)などを挙げることがで
きる。
【0034】これらの中でも、本発明では経済性および
物性により優れる点から、リン酸とカルシウムの化合物
が好ましく用いられ、中でもリン酸一水素カルシウム
(CaHPO・mHO、但し0≦m≦2である。)
がより好ましく用いられ、特に無水リン酸一水素カルシ
ウム(CaHPO)とリン酸一水素カルシウム二水和
物(CaHPO・2HO)が最も好ましく用いられ
る。これらのリン系金属化合物は、1種であっても良い
し、2種以上の組み合わせであっても良い。
【0035】2種以上組み合わせる場合には、例えば、
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO・2H
O)と二リン酸二水素カルシウム(CaH
)とを用いるように、同種の金属元素を含有する
化合物の組み合わせや、リン酸一水素カルシウム二水和
物(CaHPO・2HO)とリン酸マグネシウム第
二・三水和物(MgHPO・3HO)とを用いるよ
うに、異種の金属元素を含有する化合物の組み合わせな
どが例示されるが、いずれでも差し支えない。
【0036】本発明におけるリン酸系金属化合物は、リ
ン酸一水素カルシウム(CaHPO ・mHO、但し
0≦m≦2である。)を例にとると、Phosphor
usand its Compounds,1(195
8)で記載されているVan WazerによるCaO
−HO−P系の状態図が示すように、水の存在
下、リン酸化合物とカルシウム化合物を混合することに
よる公知の方法で得ることができる。より具体的には、
例えば、20〜100℃の温度下、リン酸二水素カリウ
ム溶液に、リン酸アルカリ溶液および塩化カルシウム溶
液を滴下し反応させ合成する方法や、炭酸カルシウムま
たは水酸化カルシウムとリン酸水溶液を混合する方法な
どによれば良い。
【0037】ところで、本発明者らは、前記リン酸類の
かわりに、砒素(As)やバナジウム(V)からなる化
合物、すなわち砒酸類やバナジウム酸類を用いても、本
発明と同様な効果が得られるものと推察している。しか
しながら、本発明では、原料成分の安定性、形成成分の
入手容易性、安全性の点で優れることから、リン酸類を
用いることが最も好ましい。
【0038】本発明における非リン酸系金属化合物とし
ては、前記リン酸類以外で金属元素と化合物を形成する
ものであれば特に制限はなく、金属水酸化物(水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウ
ム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、
水酸化マンガンなど)、金属塩化物(塩化カルシウム、
塩化マグネシウム、
【0039】塩化ストロンチウム、塩化バリウム、塩化
リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アルミ
ニウム、塩化鉄、塩化マンガンなど)、金属フッ化物
(フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリ
ウム、フッ化ストロンチウム、フッ化リチウム、フッ化
ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アルミニウムな
ど)、金属臭化物(臭化カルシウムなど)、金属ヨウ化
物(ヨウ化カルシウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化銅な
ど)、金属炭化物(炭化カルシウムなど)、金属酸化物
(酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウ
ムなど)、
【0040】炭酸金属塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸リチ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アルミニウ
ムなど)、硫酸金属塩(硫酸カルシウムなど)、硝酸金
属塩(硝酸カルシウムなど)、ケイ酸金属塩(ケイ酸カ
ルシウム、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウムなど)など
の無機金属化合物や、金属元素とモノカルボン酸との化
合物(酢酸カルシウム、酢酸銅、安息香酸カルシウム、
ステアリン酸カルシウムなど)、金属元素とジカルボン
酸との化合物(しゅう酸カルシウム、酒石酸カルシウム
など)、金属元素とトリカルボン酸との化合物(クエン
酸カルシウムなど)などを挙げることができる。
【0041】本発明では、これらの非リン酸系金属化合
物は、1種であっても良いし、2種以上組み合わせても
良い。2種以上組み合わせる場合には、例えば水酸化カ
ルシウムと炭酸カルシウムとの混合物のように、同種の
金属元素を含有する化合物を組み合わせても良いし、例
えば、炭酸カルシウムと水酸化マグネシウムとの混合物
のように、異種の金属元素を含有する化合物を組み合わ
せても良い。本発明では、これら化合物の中でも、経済
性および物性がより優れていることから、金属水酸化
物、金属フッ化物、金属塩化物、炭酸金属塩、金属酸化
物、あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。特
に元素周期律表の2A族元素であるカルシウム、マグネ
シウム、ストロンチウム、バリウムの水酸化物、フッ化
物、塩化物、炭酸塩、あるいはこれらの混合物がより好
ましく、更にはカルシウムの水酸化物、フッ化物、塩化
物、炭酸塩、酸化物、あるいはこれらの混合物が好まし
く用いられ、その中でも水酸化カルシウム、炭酸カルシ
ウム、フッ化カルシウムが最も好ましく用いられる。
【0042】非リン酸系金属化合物の製造方法は特に制
限されるものでなく、例えば炭酸カルシウムの場合を例
にとると、天然材の粉砕品であっても、化学的に合成さ
れたものであってもかまわない。また、その結晶形態や
形状も特に制限されるものではなく、炭酸カルシウムの
場合を例にとると、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カル
シウム、コロイド炭酸カルシウム、アラゴナイト型炭酸
カルシウム、バテライト型炭酸カルシウム、針状型炭酸
カルシウムなど、あるいはこれらの混合品など、いずれ
を用いてもかまわない。
【0043】本発明のアパタイト型化合物形成成分であ
るリン酸系金属化合物や非リン酸系金属化合物は、好ま
しい平均粒子径が0.001〜10μm、より好ましく
は0.001〜5μm以下、さらに好ましくは0.00
1〜1μmである。平均粒子径の測定は、アパタイト型
化合物形成成分を純水あるいはアルコール類中に分散さ
せ、超音波処理を行った後、レーザ回折/散乱式粒度分
布装置で測定する方法によれば良い。
【0044】本発明のポリアミド複合体の製造方法は、
ポリアミド形成成分(原料)に、アパタイト型化合物形
成成分(原料)を配合し、次いでポリアミドの重合とア
パタイト型化合物の合成を行う方法を用いることが好ま
しい。ポリアミドの重合とアパタイト型化合物合成のよ
り好ましい方法は、ポリアミド形成成分とアパタイト型
化合物形成成分との配合物を加熱し、ポリアミド形成成
分をアパタイト型化合物形成成分の存在下に重合し、そ
の後アパタイト型化合物を合成する方法や、あるいはア
パタイト型化合物形成成分をポリアミド形成成分の存在
下に反応させ、その後ポリアミドを重合する方法であ
る。
【0045】更に好ましい方法は、前記両形成成分の配
合物を40〜300℃の温度下で、ポリアミドの重合反
応およびアパタイト型化合物の合成反応を進行させる方
法であり、最も好ましい方法は、前記両形成成分の配合
物を加圧下、40〜300℃の温度下で、ポリアミドの
重合反応およびアパタイト型化合物の合成反応を同時並
行的に進行させる方法である。
【0046】ポリアミド形成成分とアパタイト型化合物
の形成成分との配合方法としては、固体状のポリアミド
形成成分とアパタイト型化合物の形成成分を直接混合す
る方法、ポリアミド形成成分の水溶液とアパタイト型化
合物形成成分の水溶液や懸濁液とを配合する方法などの
いずれによっても良い。また、アパタイト型化合物の分
散性を向上させるために、必要に応じて、ポリアミド形
成成分やアパタイト型化合物形成成分に分散剤や錯化剤
などの化合物を添加しても良い。更には、アパタイト型
化合物形成成分の懸濁液、あるいはアパタイト型化合物
形成成分とポリアミド形成成分との混合液を、超音波に
よる処理を行ったり、ホモジナイザーによる処理を行っ
ても良い。
【0047】本発明では、前記分散剤の種類を、特に制
限するものではなく、公知の分散剤を用いることができ
る。例えば、「分散・凝集の解明と応用技術,1992
年」(北原文雄監修・株式会社テクノシステム発行)の
232〜237ページに記載されているようなアニオン
系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性
剤、非イオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤など
を用いることができる。これらの中でもアニオン系界面
活性剤、非イオン系界面活性剤を用いることが好まし
く、特に、価格および物性の観点から、クエン酸ナトリ
ウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アン
モニウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン−無水マレイン酸などのオレフィン−無水マレイン酸
共重合体、ショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖エ
ステル類などを用いることがより好ましい。
【0048】錯化剤としては、金属イオンと錯体を形成
する化合物であれば特に制限されることがなく、例え
ば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三
酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエー
テルジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ク
エン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、エ
チレンジアミンなどの脂肪族アミン、尿素などを用いる
ことができる。これらの中でも、価格および物性の観点
からクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、
エチレンジアミン(en)が特に好ましい。
【0049】前記ポリアミドの重合は、公知の方法を用
いることができる。例えば、11−アミノウンデカン酸
などの水に難溶な成分を形成成分とし、40〜300℃
で加熱し重縮合する方法、ε−カプロラクタムを形成成
分とし、その水溶液を必要に応じてモノカルボン酸など
の末端封鎖剤、あるいはε−アミノカプロン酸などの反
応促進剤を加えて、不活性ガスを流通させながら、40
〜300℃に加熱し重縮合するラクタム類の開環重縮合
法、ヘキサメチレンアジパミドなどのジアミン・ジカル
ボン酸を形成成分とし、その水溶液を40〜300℃の
温度下、加熱濃縮し、発生する水蒸気圧を常圧〜約1.
96Mpa(ゲージ圧)の間の圧力に保ち、最終的には
圧力を抜き常圧あるいは減圧し重縮合を行う熱溶融重縮
合法などを用いることができる。さらには、ジアミン・
ジカルボン酸固体塩や重縮合物の融点以下の温度で行う
固相重合法、ジカルボン酸ハライド成分とジアミン成分
とを溶液中で重縮合させる溶液法なども用いることがで
きる。
【0050】これらの方法は必要に応じて組合わせても
かまわない。また、重合形態としては、バッチ式でも連
続式でもかまわない。また、重合装置も特に制限される
ものではなく、公知の装置、例えば、オートクレーブ型
の反応器、タンブラー型反応器、ニーダーなどの押出機
型反応器などを用いることができる。ポリアミド樹脂複
合体の製造方法は、前記ポリアミド複合体と他の樹脂と
を、混合する方法であれば良く、ポリアミド複合体粉体
や該ペレットと他の樹脂粉体や該ペレットとをヘンシェ
ルミキサーやタンブラーなどでブレンドする方法や、ポ
リアミド複合体粉体や該ペレットと他の樹脂粉体や該ペ
レットとを、バンバリーミキサー、ミキシングロール、
単軸あるいは二軸の押出機などを用いて溶融混練する方
法などを用いれば良い。
【0051】本発明のアパタイト型化合物の確認は、例
えば、ポリアミド複合体、ポリアミド樹脂複合体、ある
いは強化ポリアミド樹脂組成物やその成形体を用いて、
広角X線回折、赤外吸収スペクトルなどで直接確認する
方法や、ポリアミドや配合した他の樹脂が可溶な溶媒
で、ポリアミドあるい配合した他の樹脂を溶出し、アパ
タイト型化合物成分を分離し、分離したアパタイト型化
合物の広角X線回折、赤外吸収スペクトルなどで確認す
る方法などによれば良い。
【0052】前記ポリアミドや他の樹脂が可溶な溶媒と
は、特に制限されるものではなく、公知の溶媒を用いる
ことができる。例えば、「POLYMERHANDBO
OKThirdEdition」(J.Brandru
pandE.H.Immergut監修/AWiley
−IntersciencePublication)
の第VII(SolventsandNon−solv
entsForPolymers)に記載されている溶
媒を用いれば良いが、本発明においては、ポリアミドを
溶解する溶媒としては、フェノール溶媒を用いるのが好
ましい。
【0053】また、ポリアミド樹脂がポリアミドとポリ
フェニレン系樹脂との混合物のような場合には、例え
ば、ポリフェニレン系樹脂の可溶溶媒として、クロロホ
ルム溶媒、ポリアミドの可溶溶媒としてフェノール溶媒
を用いれば良い。溶解操作は、具体的には、まず十分な
量のクロロホルム溶媒を用いてポリフェニレン系樹脂を
溶解し、その後ポリアミドを十分な量のフェノール溶媒
を用いて溶解するという多段の溶解操作を行えば良い。
【0054】本発明のアパタイト型化合物は、結晶性ア
パタイト型化合物であっても、非晶性アパタイト型化合
物であってもかまわないが、物性の観点から、結晶性ア
パタイト型化合物であることがより好ましい。アパタイ
ト型化合物が結晶性であることの確認は、具体的には、
X線の線源として、銅Kα(波長λ=0.1542n
m)を用いて、広角X線回折を測定し、回折角(2θ)
が25.5〜26.5度に(002)面ピークが存在
し、さらに回折角(2θ)が32.5〜33.5度に
(300)面ピークが存在することを確認すればよい。
本発明では、上記のように確認される結晶性アパタイト
型化合物であることが特に好ましい。
【0055】本発明のアパタイト型化合物の含有量は、
ポリアミド100重量部に対して0.5〜300重量部
であることが好ましく、より好ましくは1〜200重量
部、更には3〜100重量部、特に好ましくは5〜75
重量部である。アパタイト型化合物の含有量は、例え
ば、ポリアミド複合体を用いて、JISR3420に従
って強熱減量(Ig.loss)を測定し、その重量減
少量から求めることができる。
【0056】また、上記強熱減量と溶媒抽出、NMR、
あるいは赤外吸収スペクトルなどとを必要に応じて組み
合わせて、ポリアミド樹脂複合体、あるいは本発明の強
化ポリアミド樹脂組成物またはその成形品からでもアパ
タイト型化合物の含有量を求めることができる。アパタ
イト型化合物の含有量がポリミド100重量部に対し
て、0.5重量部未満の場合には、得られる成形体の機
械特性の改良効果が本発明の目的を達成し得る程に顕著
でなく、一方300重量部を越えた場合には、成形加工
がしにくくなるなどの問題が発生しやすい。
【0057】本発明のアパタイト型化合物のリンに対す
る金属元素の比は、モル比にして0.9〜10.0であ
ることが好ましく、より好ましくは1.2〜5.0、特
に好ましくは、1.3〜2.5である。この比が0.9
未満の場合には、押出や成形加工時に気泡の混入や発泡
が起こりやすくなり、得られる成形体の収率が低下する
懸念がある。また、この比が10.0を越えた場合に
は、靭性の低下が著しくなる恐れがある。
【0058】本発明のアパタイト型化合物が含有する有
機物は、アパタイト型化合物100重量部あたり、0.
5〜100重量部であることが必要である。より好まし
くは、1〜100重量部、更には3〜75重量部、特に
好ましくは4〜50重量部である。該有機物は、イオン
結合反応、吸着反応あるいはグラフト化反応などの物理
的、化学的相互作用によりアパタイト型化合物の内部や
表面に取り込まれている有機物であるため、たとえポリ
アミドが可溶なフェノール溶媒を用いて溶解操作を行っ
ても、溶媒中に溶解・溶出しないという性質を有しお
り、このことがアパタイト型化合物とマトリックスであ
るポリアミドとの固着、接着性を非常に向上させてい
る。該有機物の量が、アパタイト型化合物100重量部
あたり0.5重量部未満の場合には、得られる成形体の
靭性の低下が大きくなる恐れがある。また100重量部
を越えた場合には、成形加工性が低下する傾向にある。
【0059】本発明者らの検討によれば、本発明におけ
る前記有機物は、分離したアパタイト型化合物の熱分解
ガスクロマトグラフィーおよび熱分解成分のマススペク
ト(MS)、赤外吸収スペクトルの測定結果から、ポリ
アミド形成成分、ポリアミド、あるいはこれらの反応生
成物である。従って本発明の前記有機物は、特にマトリ
ックスであるポリアミドとの固着、接着性がより向上す
る点から、前記有機物の少なくとも一部がポリアミドで
あることが好ましい。また、前記有機物には、水が含有
されてもかまわない。
【0060】本発明の前記有機物の含有量は、具体的に
は、(i)アパタイト型化合物の分離操作、(ii)熱
減量率の測定、(iii)熱分解成分の測定による有機
物の定量、を行うことによって求めることができる。以
下に、詳細に説明する。 (i)アパタイト型化合物の分離操作:ポリアミド複合
体10gを秤量し、90重量%フェノール200mlと
混合し、40℃で2時間攪拌し、遠心分離器を用いて分
離操作を行い、上澄み溶媒を除去する。さらに200m
lのフェノールを加え、以後同様な溶解操作と遠心分離
器を用いた分離操作を4回繰り返し行う。
【0061】引き続き、99.5重量%エタノール20
0mlを加えて、23℃で2時間攪拌し、遠心分離器を
用いて分離操作を行い、上澄み溶媒を除去する。この操
作をさらに4回繰り返した後、減圧乾燥器中で乾燥し、
アパタイト型化合物を得る。なお、ポリアミド樹脂がポ
リアミドと他の樹脂との混合物の場合には、上記ポリア
ミド溶解操作前あるいはその後に、他の樹脂が可溶な溶
媒を用いて、混合したポリアミド以外の樹脂の溶解・分
離操作を行えば良い。
【0062】(ii)熱減量率(X(重量部/アパタイ
ト型化合物100重量部))の測定:得られたアパタイ
ト型化合物5〜15mgを秤量し、熱重量分析(TG
A)装置により、30℃から550℃まで99.9℃/
minで昇温後、550℃で1時間保持する。30℃に
おける初期重量(W)と、550℃で1時間保持した
後の最終重量(W)を用いて、下式に熱減量率Xを算
出できる。 熱減量率X(重量部/アパタイト型化合物100重量
部)=(W−W)×100/W
【0063】(iii)熱分解成分の測定による有機物
の定量:前記(i)により得られたアパタイト型化合物
を1〜10mg秤量し、熱分解ガスクロマトグラフィー
により、熱分解温度550℃、カラム温度50〜320
℃(昇温速度20℃/min)の条件下で測定する。得
られた熱分解ガスクロマトグラフィーのパイログラム
を、保持時間2min未満と2min以上に分けそのピ
ーク面積を算出する。2min以下の成分は二酸化炭素
などの低分子量成分であるため、この低分子量成分を全
体から差し引き、有機物の量とした。具体的には、それ
ぞれの面積Sa(2min未満)とSb(2min以
上)を算出し、前記(ii)の熱減量率Xを用いて、下
式にて有機物の量を算出する。有機物の量(重量部/ア
パタイト型化合物100重量部)=X・Sb/(Sa+
Sb)
【0064】本発明のアパタイト型化合物の平均粒子径
は、好ましくは0.001〜1μm、より好ましくは
0.001〜0.5μmである。本発明における平均粒
子径は、電子顕微鏡写真法により求めることができ、該
平均粒子径は次のようにして算出することができる。す
なわち、ポリアミド複合体、ポリアミド樹脂複合体、あ
るいは強化ポリアミド樹脂組成物や得られる成形体から
切り出した超薄切片の透過型電子顕微鏡(TEM:写真
倍率5万倍あるいは10万倍)を撮影し、アパタイト型
化合物の粒子径d、粒子数nを求め、次式により平
均粒子径を算出する。 平均粒子径=Σd・n/Σn この場合、粒子径が球状とみなせない場合には、その短
径と長径を測定し、両者の和の1/2を粒子径とする。
また、平均粒子径の算出には最低2000個の粒子径を
測定する。
【0065】本発明の無機充填材は、特に制限はない
が、好ましいものとしては、ガラス繊維、炭素繊維、ウ
ォラストナイト、タルク、マイカ、カオリン、硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム、アパタイト、リン酸ナトリウ
ム、蛍石、窒化珪素、チタン酸カリウム、二硫化モリブ
デンなどを挙げることができる。この中でも、物性、安
全、経済的な面から、ガラス繊維、炭素繊維、ウォラス
トナイト、タルク、マイカ、カオリン、窒化ホウ素、チ
タン酸カリウムが好ましく用いられる。
【0066】前記ガラス繊維や炭素繊維の中でも、数平
均繊維径は、3〜30μm、重量平均繊維長が100〜
750μmであり、重量平均繊維長数と平均繊維径との
アスペクト比(L/D)が10〜100のものが、高い
特性を発現するという観点から最も好ましく用いられ
る。また、ウォラストナイトは、数平均繊維径は、3〜
30μm、重量平均繊維長が10〜500μmであり、
前記アスペクト比(L/D)が3〜100のものが最も
好ましく用いられる。さらに、タルク、マイカ、カオリ
ン、窒化珪素、チタン酸カリウムは数平均繊維径が0.
1〜3μmのものが最も好ましく用いられる。
【0067】前記無機充填材は、特に表面処理したもの
が好ましく用いられる。表面処理としては、カップリン
グ剤やフィルム形成剤を用いて行うが、カップリング剤
としてはシラン系カップリング剤、チタン系カップリン
グ剤を挙げることができる。
【0068】シラン系カップリング剤としては、トリエ
トキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β
−(1,1−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、
【0069】N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
−トリス(2−メトキシ−エトキシ)シラン、N−メチ
ル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニ
ルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
トリアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイド
プロピルトリメトキシシラン、3−4,5ジヒドロイミ
ダゾールプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジ
シラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アミド、
N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレアなどを挙げる
ことができる。
【0070】この中でもγ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、β−(1,1−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシランなどのアミノシランお
よびエポキシシランが経済性に優れ、取り扱い易いた
め、好ましく用いられる。
【0071】チタン系カップリング剤は、イソプロピル
トリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリド
デシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルト
リス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テ
トライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタ
ネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイ
ト)チタネート、テトラ(1,1−ジアリルオキシメチ
ル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチ
タネート、
【0072】ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オ
キシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホ
スフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオ
クタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソ
ステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイ
ルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチ
ルホスフェート)チタネートイソプロピルトリクミルフ
ェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミドエチ
ル、アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキ
シアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレン
チタネートなどを挙げることができる。
【0073】フィルム形成剤としては、ウレタン系ポリ
マー、アクリル酸系ポリマー、無水マレイン酸とエチレ
ン、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソ
プレン、クロロプレン、2,3ジクロロブタジエン、
1,3−ペンタジエン、シクロオクタジエンなどの不飽
和単量体とのコポリマー、エポキシ系ポリマー、ポリエ
ステル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、ポリエーテ
ル系ポリマーなどの重合体を挙げることができる。この
中でも、経済性と性能が優れるという観点から、ウレタ
ン系ポリマー、アクリル酸系ポリマー、ブタジエン無水
マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリ
マー、スチレン無水マレイン酸コポリマー、およびこれ
らの混合物が特に好ましく用いられる。
【0074】このようなカップリング剤およびフィルム
形成剤を用いて、無機充填材の表面処理を行うには、公
知の方法によればよく、上記カップリング剤およびフィ
ルム形成剤の有機溶媒溶液あるいは懸濁液をいわゆるサ
イジング剤として表面に塗布するサイジング処理、ヘン
シェルミキサー、スーパーミキサー、レーディミキサ
ー、V型ブレンダーなどを用いて塗布する乾式混合、ス
プレーにより塗布するスプレー法、さらには、インテグ
ラルブレンド法、ドライコンセントレート法を挙げるこ
とができる。また、これらの方法を組合せた方法、例え
ばカップリング剤とフィルム形成剤の一部をサイジング
処理により塗布した後、残りのフィルム形成剤をスプレ
ーする方法なども挙げることができる。この中でも、経
済性に優れるという観点から、サイジング処理、乾式混
合、スプレー法およびこれらを組合せた方法が好ましく
用いられる。
【0075】本発明の強化ポリアミド樹脂組成物の製造
方法は、ポリアミド複合体、あるいはポリアミド樹脂複
合体と無機充填材とを混合する方法であればよく、特に
限定されるものではない。混合方法としては、例えば、
ポリアミド複合体、あるいはポリアミド樹脂複合体と無
機充填材とをヘンシュルなどを用いて混合し、溶融混練
機に供給し混練する方法や、単軸または2軸押出機で溶
融状態にしたポリアミド複合体、あるいはポリアミド樹
脂複合体にサイドフィダーから無機充填材を配合する方
法などが例示できる。特に好ましく用いられる方法は、
高い特性を発現するという点から、ポリアミド複合体、
あるいはポリアミド樹脂複合体と無機充填材の一部を混
合し、単軸または2軸押出機に供給し、さらに残りの無
機充填材を押出機の先端から供給する方法である。
【0076】ポリアミド複合体、あるいはポリアミド樹
脂複合体と無機充填材を混練する装置としては、特に制
限されるものではなく、公知の装置を用いることができ
る、例えば単軸あるいは2軸押出機、バンバリーミキサ
ーおよびミキシングロールなどの溶融混練機が好ましく
用いられる。無機充填材の数平均繊維径および重量平均
繊維長の測定は、成形品をギ酸などのポリアミド、ある
いはポリアミド樹脂が可溶な溶媒で溶解し、得られた不
溶成分の中から、例えば100本以上の無機充填材を任
意に選択し、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡などで観察
し、求めることができる。
【0077】本発明の無機充填材の配合量は、ポリアミ
ド100重量部に対して、0.5〜300重量部、好ま
しくは1〜200重量部、更には5〜150重量部、最
も好ましくは10〜150重量部である。配合量が、
0.5重量部未満の場合には、機械物性が本発明の目的
を達成するまでに向上せず好ましくなく、また300重
量部を越える場合には、成形性が低下する傾向にあるの
で好ましくない。本発明の強化ポリアミド樹脂組成物
は、マトリックスであるポリアミドあるいはポリアミド
樹脂に、アパタイト型化合物が均一にかつ微細に分散し
かつポリアミドとアパタイト型化合物との界面が極めて
良好に固着、接着したポリアミド複合体に無機充填材を
配合したものであり、得られる成形体は、従来のポリア
ミド製成形体と比較し、低ソリであり、かつ剛性、強
度、耐不凍液性などの耐久性に優れるという特徴を有す
る。従って、自動車部品、電子電気部品、工業機械部品
などの各種部品への応用が期待される。
【0078】各種部品としては、例えばバンパー、スポ
イラー、サイドカバー、フードルーバー、ホイールカバ
ー、ホイールキャップ、グリルエプロンカバーフレー
ム、ルーフレール、ルーフレッグ、ドアミラースティ、
ドアミラーカバー、ドアミラーブラケット、レインチャ
ンネル、ワイパーブレード、サンルーフデフレクター、
アウトドアの把手、フェンダー、テールランプなどの自
動車外装・外板部品、シリンダーヘッドカバー、ラジエ
ータタンク、タイミングベルトカバー、
【0079】コネクター、結束バンド、モーターファ
ン、ギア・カム、熱風機ハウジング、チューブ、ホー
ス、パワーステアリングオイルタンク、リザーバータン
ク、ブレーキオイルタンク、フューエルストレーナー、
エアークリナー、ペーパーキャスター、クーリングファ
ン、ファンシュラウド、オイルパン、エンジンマウン
ト、エアサスタンク、ガソリンタンク、アルコールタン
ク、フレオンタンク、フューエルチューブ、フューエル
ストレーナー、ブレーキオイルタンク、クラッチオイル
タンク、パワーステアリングタンク、クーラー用フレオ
ンチューブ、エアークリナー、インテクマニーホール
ド、サージタンクなどの自動車アンダーフード部品、
【0080】レジスターブレード、ウォッシャーレバ
ー、ウインドーレギュレーターハンドル、ウインドーレ
ギュレーターハンドルのノブ、パッシングライトレバ
ー、サンバイザーブラケット、サンバイザーアーム、シ
ートロック部品、アクセルペダルなどの得られる成形
体、ホイールリム、ホイールスポーク、サドル、サドル
ポスト、ハンドル、スタンド、荷台などの自転車などの
二輪車用部品、机の脚、椅子のの脚、座、キャビン、ワ
ゴンなどの家具用部品、パソコンハウジングなどのOA
機器分野用品、
【0081】スィッチ類、超小型スライドスイッチ、D
IPスイッチ、スイッチのハウジング、ランプソケッ
ト、結束バンド、コネクター、コネクターのハウジン
グ、コネクターのシェル、ICソケット類、コイルボビ
ン、ボビンカバー、リレー、リレーボックス、コンデン
サーケース、モーターの内部部品、小型モーターケー
ス、ダンシングプーリーなどの電子電気部品、
【0082】歯ブラシ用などのブラシ用ブリッスル、マ
ジックファスナー、タイヤコード、ベルト、人工芝生、
絨毯、自動車座席用シート、漁網、ロープ、ザイル、フ
ィルター用糸、ホース用補強糸、バルブハウジング、
釘、ねじ、ボルト、ボルトナット、スペーサー、インシ
ュレーター、ファスナー、バックル、ワイヤーグリッ
プ、アジャスターなどの床下部品、サッシ用クレセン
ト、トイレ便座用温水タンクなどの温水用各種容器、各
種シリンダー、洗濯機バランサー、スピーカーボック
ス、農薬用ボトル、飲料水用などの各種ボトルなどの工
業機械部品などが挙げられ、その他各種用途に有用であ
ることが期待できる。
【0083】本発明の強化ポリアミド樹脂組成物は、公
知の成形方法、例えばプレス成形、射出成形、ガスアシ
スト射出成形、溶着成形、押出成形、吹込成形、フィル
ム成形、中空成形、多層成形、溶融紡糸など、一般に知
られているプラスチック成形方法を用いても、良好に成
形加工ができる。本発明の強化ポリアミド樹脂組成物に
は、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で通常
のポリアミド樹脂に用いられる充填剤、例えば難燃剤、
顔料や着色剤、熱安定剤、種々の可塑剤、成形性改良
材、耐候性向上剤や帯電防止剤などの各種添加剤を含有
させることができる。
【0084】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により更に
詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、
以下の実施例に制限されるものではない。なお、以下の
実施例、比較例において記載した物性評価は、以下のよ
うに行った。 1.ポリアミド形成成分とアパタイト型化合物形成成分
の特性 (1−1)アパタイト型化合物形成成分の含有量(重量
%) ポリアミド形成成分とアパタイト型化合物形成成分の配
合量から算出した。 (1−2)アパタイト型化合物形成成分のリンに対する
金属元素のモル比 アパタイト型化合物形成成分中の金属元素およびリンを
定量し、モル比を算出した。
【0085】(a)金属元素の定量:以下、金属元素と
してカルシウムの場合につき説明するが、他の金属元素
についても同様にして求めることができる。アパタイト
型化合物形成成分0.5gを白金皿に秤量し、500℃
電気炉で炭化する。冷却後、塩酸5mlおよび純水5m
lを加えヒーター上で煮沸溶解する。再び冷却し、純水
を加え500mlとした。装置はThermoJarr
ellAsh製IRIS/IPを用いて、高周波誘導結
合プラズマ(ICP)発光分析により、波長317.9
33nmにて定量した。
【0086】(b)リンの定量:アパタイト型化合物形
成成分0.5gを秤量し濃硫酸を20ml加え、ヒータ
ー上で湿式分解した。冷却後、過酸化水素5mlを加
え、ヒーター上で加熱し、全量が2〜3mlになるまで
濃縮した。再び冷却し、純水で500mlとした。装置
はThermoJarrellAsh製IRIS/IP
を用いて、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析
により、波長213.618(nm)にて定量した。
【0087】2.強化ポリアミド樹脂組成物の特性 (2−1)ポリアミドの重量平均分子量(Mw) ポリアミド複合体を用いて、ゲルパーミッショクロマト
グラフィー(GPC)により求めた。装置は東ソー
(株)製HLC−8020、検出器は示差屈折計(R
I)、溶媒はヘキサフルオロイソプロパノール(HFI
P)、カラムは東ソー(株)製TSKgel−GMHH
R−Hを2本とG1000HHRを1本用いた。溶媒流
量は0.6ml/min、サンプル濃度は、1〜3(m
gサンプル)/1(ml溶媒)であり、フィルターでろ
過し、不溶分を除去し、測定試料とした。得られた溶出
曲線をもとに、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)換
算により、重量平均分子量(Mw)を算出した。
【0088】(2−2)アパタイト型化合物の含有量の
定量(重量/100重量部ポリアミド) ポリアミド複合体を100±20℃で8時間乾燥し冷却
する。該複合体を白金皿に1g秤量し、650±20℃
の電気炉で灰化し、冷却後、その重量を秤り、アパタイ
ト型化合物の含有量を定量した。 (2−3)アパタイト型化合物のリンに対する金属元素
のモル比 アパタイト型化合物の金属元素およびリンを定量し、モ
ル比を算出した。
【0089】(a)金属元素の定量:以下、金属元素と
してカルシウムの場合につき説明するが、他の金属元素
についても同様にして求めることができる。ポリアミド
複合体0.5gを白金皿に秤量し、500℃電気炉で炭
化する。冷却後、塩酸5mlおよび純水5mlを加えヒ
ーター上で煮沸溶解する。再び冷却し、純水を加え50
0mlとした。装置はThermoJarrellAs
h製IRIS/IPを用いて、高周波誘導結合プラズマ
(ICP)発光分析により、波長317.933nmに
て定量した。
【0090】(b)リンの定量:ポリアミド複合体0.
5gを秤量し濃硫酸を20ml加え、ヒーター上で湿式
分解した。冷却後、過酸化水素5mlを加え、ヒーター
上で加熱し、全量が2〜3mlになるまで濃縮した。再
び冷却し、純水で500mlとした。装置はTherm
oJarrellAsh製IRIS/IPを用いて、高
周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により、波長
213.618(nm)にて定量した。
【0091】(2−4)有機物量(重量部/アパタイト
型化合物100重量部) (a)アパタイト型化合物の分離操作:ポリアミド複合
体10gを秤量し、90重量%フェノール200mlと
混合し、40℃で2時間攪拌し、遠心分離器〔国産遠心
器(株)製H103RLH〕を用いて20000rpm
で1時間、分離操作を行い、上澄み溶媒を除去した。さ
らに200mlのフェノールを加え、以後同様な溶解操
作と遠心分離器を用いた分離操作を4回繰り返し行っ
た。引き続き、99.5重量%エタノール200mlを
加えて、23℃で2時間攪拌し、遠心分離器を用いて2
0000rpmで1時間、分離操作を行い、上澄み溶媒
を除去する。この操作をさらに4回繰り返した後、減圧
乾燥器中で80℃で12時間乾燥し、目的のアパタイト
型化合物を得た。
【0092】(b)分離したアパタイト型化合物の熱減
量率(X(重量部/アパタイト型化合物))測定:(2
−4)の(a)で得られたアパタイト型化合物10mg
を秤量し、熱重量分析(TGA)装置により熱減量率X
を求めた。装置は島津製作所製TGA−50、温度条件
としては、30℃から550℃まで99.9℃/min
で昇温後、550℃で1時間保持した。30℃における
初期重量(W)と、550℃で1時間保持した後の最
終重量(W)を用いて、下式により、有機物量を算出
した。 熱減量率X(重量部/アパタイト型化合物100重量
部)=(W−W)×100/W
【0093】(c)有機物の定量:(2−4)の(a)
で得たアパタイト型化合物を3mg秤量し、以下の条件
で熱分解クロマトグラフィー(GC)および熱分解GC
/MSのパイログラムを得た。 ・熱分解 装置:フロンティア社ダブルショットパイロライザーP
Y−2010D 熱分解温度:550℃
【0094】・ガスクロマトグラフィー(GC) 装置:HEWLETTPACKARD社製HP−589
0 カラム:J&W社製DURABONDDB−1 (0.25mmI.D.×30m、膜厚0.25μm) カラム温度:50℃→320℃(昇温速度20℃/mi
n) 注入口温度:320℃ 検出器温度:320℃
【0095】・マススペクトル(MS) 装置:JEOL社製AutoMSSystemII イオン化:EI(70V) 測定質量範囲:m/z=10〜400 温度:200℃ 得られた熱分解GCのパイログラムを、保持時間2mi
n未満と2min以上に分け、それぞれののピーク面積
Sa(2min未満)とSb(2min以上)を算出
し、(2−4)の(b)で求めた熱減量率Xを用いて、
下式にて有機物の量を算出した。 有機物の量(重量部/アパタイト型化合物100重量
部)=X・Sb/(Sa+Sb) また、マススペクトル(MS)から熱分解成分の同定を
行った。
【0096】(2−5)赤外吸収スペクトル (2−4)の(a)で得たアパタイト型化合物の赤外吸
収スペクトルを測定した。装置はPerkinElme
r社製1640、分解能は4cm−1で測定した。 (2−6)X線回折によるアパタイト型化合物の生成の
確認 (2−4)の(a)で得たアパタイト型化合物のX線回
折を測定した。測定条件は以下のとうりである。
【0097】X線:銅Kα 波数:0.1542nm 管電圧:40KV 管電流:200mA 走査速度:4deg./min 発散スリット:1deg. 散乱スリット:1deg. 受光スリット:0.15mm
【0098】3.成形品の作成および物性 成形品は、射出成形機を用いて作成した。装置は日精樹
脂(株)製PS40E、シリンダー温度280℃、金型
温度80℃に設定し、射出17秒、冷却20秒の射出成
形条件で、成形品を得た。 (3−1)曲げ弾性率および曲げ強度(Mpa) ASTMD790に準じて行った。 (3−2)引張強度(Mpa)および引張伸度(%) ASTMD638に準じて行った。 (3−3)ノッチ付きIzod衝撃強度(J/m) ASTMD256に準じて行った。
【0099】(3−4)荷重たわみ温度(℃) ASTMD648に準じて行った。荷重は1.82Mp
aで行った。 (3−5)そり量(mm) 厚み3mm、一辺130mmの金型を用いて射出成形し
た平板を水平面に置き、水平面との最大隙間間隔を測定
した。
【0100】(3−6)耐不凍液性 エチレングリコールが主成分である不凍液(トヨタ純正
ロングライフクーラント)の50%水溶液を140℃に
加熱した中に、試験片を250時間浸せきした後、引張
強度を測定した。 (3−7)疲労特性 疲労試験用成形品は、射出成形機(日精樹脂(株)製P
S40E)を用いて、シリンダー温度290℃、金型温
度80℃に設定し、射出17秒、冷却20秒の射出成形
条件で、ASTM D1822 TYPE S試験片を
成形した。
【0101】疲労試験は、23℃の温度下、振動疲労試
験機(オリエンテック製:VFA−1KVA)を用い
て、引張荷重制御、チャック間距離=20mm、周波数
=10Hz、応力モードは引張−引張モード、最大応力
=110Mpa、最小応力=5.4Mpaの条件下で測
定を行った。
【0102】
【製造例1】ポリアミド複合体(A)の製造:50重量
%のポリアミド形成成分(ヘキサメチレンジアミンとア
ジピン酸との等モル塩)の水溶液を30Kg作製した。
アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径1μm
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO・2H
O)の25重量%懸濁液を6Kg(リン酸一水素カル
シウム二水和物:純水=1.5Kg:4.5Kg)、お
よび平均粒子径1.5μm重質炭酸カルシウム(CaC
)の25重量%懸濁液を2.32Kg(炭酸カルシ
ウム:純水=0.58Kg:1.74Kg)用いた。
【0103】カルシウムとリンとのモル比は、1.67
と算出された。該ポリアミド形成成分の水溶液とアパタ
イト型化合物形成成分の懸濁液とを、撹拌装置を有し、
かつ下部に抜出しノズルを有する70リットルのオート
クレーブ中に仕込み、50℃の温度下、よく攪拌した。
十分窒素で置換した後、撹拌しながら温度を50℃から
約270℃まで昇温した。この際、オートクレーブ内の
圧力は、ゲージ圧にして約1.77Mpaになるが、圧
力が1.77Mpa以上にならないよう水を系外に除去
しながら加熱を約1時間続けた。
【0104】その後、約1時間をかけ、圧力を大気圧ま
で降圧し、更に約270℃、大気圧で約1時間保持した
後、撹拌を停止し、下部ノズルからストランド状にポリ
マーを排出し、水冷・カッティングを行い、ポリアミド
複合体(A)のペレットを得た。得られたポリアミド複
合体(A)を評価した結果、重量平均分子量(Mw)は
40000、アパタイト型化合物含有量は、ポリアミド
100重量部に対して、11.4重量部であった。リン
に対するカルシウムのモル比は1.67と算出された。
10万倍の透過型電顕観察結果から、アパタイト型化合
物の平均粒子径は85nmであった。
【0105】90%フェノール水溶液により、溶出・分
離操作を行い、得られたアパタイト型化合物を評価した
結果、広角X線回折により、結晶性アパタイト型化合物
の生成を確認できた。また該溶出・分離操作により得ら
れたアパタイト型化合物の有機物の量は5.5(重量部
/アパタイト100重量部)と算出された。また、熱分
解GC/マススペクトルの解析結果から、アパタイト型
化合物に残存する有機物の熱分解成分の1つとして、シ
クロペンタノンが確認された。さらに、赤外吸収スペク
トルの観察から、約1548cm−1に有機物の存在を
示すピークが確認された。
【0106】
【製造例2】ポリアミド複合体(B)の製造:50重量
%のポリアミド形成成分(ヘキサメチレンジアミン・ア
ジピン酸等モル塩1.2Kgとヘキメチレンジアミン・
イソフタル酸等モル塩0.3Kgとの混合物)の水溶液
を30Kg作製した。該ポリアミド形成成分を用いる以
外は、実施例1と同様にして行い、ポリアミド複合体
(B)のペレットを得た。
【0107】
【製造例3】ポリアミド66の製造:実施例1におい
て、アパタイト形成成分を配合せず、ポリアミド形成成
分のみを用いて重合を行い、ポリアミド66のペレット
を得た。
【0108】
【製造例4】ポリアミド複合体(C)の製造:層状珪酸
塩の一単位の厚みが平均的に95nmで、一辺の長さが
約0.1μmのモンモリロナイト100gを10リット
ルの水に分散し、これに51.2gの12−アミノドデ
カン酸と24mlの濃塩酸を加え、五分間撹拌した後、
ろ過した。更にこれを十分洗浄した後、真空乾燥し、1
2−アミノドデカン酸のアンモニウムイオンとモンモリ
ロナイトとの複合体を調整した。この操作を繰り返し、
約2Kgの12−アミノドデカン酸のアンモニウムイオ
ンとモンモリロナイトとの複合体を得た。50重量%の
ポリアミド形成成分(ヘキサメチレンジアミン・アジピ
ン酸等モル塩)の水溶液30Kgに、12−アミノドデ
カン酸のアンモニウムイオンとモンモリロナイトの複合
体1.5Kgとを、撹拌装置を有し、かつ下部に抜出し
ノズルを有する70リットルのオートクレーブ中に仕込
み、50℃の温度下、よく攪拌した。その後の操作は実
施例1と同様にして行い、ポリアミド複合体(C)のペ
レットを得た。
【0109】
【実施例1】ポリアミド複合体(A)中のポリアミド1
00重量部(ポリアミド複合体からアパタイト型化合物
の含有量を差し引いた重量を100重量部とした。)に
対して、ガラス繊維(A)(GF(A):繊維径10μ
m×長さ3mmのチョップドストランドをジアミノシラ
ンカップリング剤と、ウレタン系収束剤(イソホロンジ
イソシアネートとブタンジオールを主たる構成単位とす
るウレタン)、ならびにブタジエン−無水マレイン酸共
重合体の混合物で表面処理したガラス繊維)50重量部
とを混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM3
5)を用いて、290℃の条件下で溶融混練し、強化ポ
リアミド樹脂組成物を得た。評価結果を表1に示す。
【0110】
【実施例2】ポリアミド複合体(A)中のポリアミド1
00重量部(ポリアミド複合体からアパタイト型化合物
の含有量を差し引いた重量を100重量部とした。)に
対して、ガラス繊維(B)(GF(B):繊維径10μ
m×長さ3mmのチョップドストランドをジアミノシラ
ンカップリング剤、ブタジエン−無水マレイン酸共重合
体、およびアクリル酸とメタクリル酸共重合体(メタク
リル酸含有量:10mol%)の混合物で表面処理した
ガラス繊維)50重量部とを混合し、二軸押出機(東芝
機械(株)製TEM35)を用いて、290℃の条件下
で溶融混練し、強化ポリアミド樹脂組成物を得た。評価
結果を表1に示す。
【0111】
【実施例3】ポリアミド複合体(B)中のポリアミド1
00重量部(ポリアミド複合体からアパタイト型化合物
の含有量を差し引いた重量を100重量部とした。)に
対して、ガラス繊維(C)(GF(C):繊維径10μ
m×長さ3mmのチョップドストランドをジアミノシラ
ンカップリング剤、ウレタン系収束剤(イソホロンジイ
ソシアネートとブタンジオールを主たる構成単位とする
ウレタン)、無水マレイン酸−エチレン共重合体、なら
びに無水マレイン酸−スチレン共重合体の混合物で表面
処理したガラス繊維)50重量部とを混合し、二軸押出
機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、290℃
の条件下で溶融混練し、強化ポリアミド樹脂組成物を得
た。評価結果を表1に示す。
【0112】
【比較例1】製造例3で得たポリアミド100重量部に
対して、実施例1で用いたガラス繊維(A)50重量部
とを混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM3
5)を用いて、290℃の条件下で溶融混練し、強化ポ
リアミド樹脂組成物を得た。評価結果を表1に示す。
【0113】
【比較例2】ポリアミド複合体(C)中のポリアミド1
00重量部(ポリアミド複合体からアパタイト型化合物
の含有量を差し引いた重量を100重量部とした。)に
対して、ガラス繊維(A)50重量部とを混合し、二軸
押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、29
0℃の条件下で溶融混練し、強化ポリアミド樹脂組成物
を得た。評価結果を表1に示す。
【0114】
【実施例4】ポリアミド複合体(A)中のポリアミド1
00重量部(ポリアミド複合体からアパタイト型化合物
の含有量を差し引いた重量を100重量部とした。)に
対して、ガラス繊維(A)30重量部、ウオラストナイ
ト(巴工業(株)製NYGLOS5:ジアミノシランカ
ップリング剤表面処理、平均繊維径5μ、平均繊維長6
5μm)5重量部とを混合し、二軸押出機(東芝機械
(株)製TEM35)を用いて、290℃の条件下で溶
融混練し、強化ポリアミド樹脂組成物を得た。評価結果
を表2に示す。
【0115】
【実施例5】ポリアミド複合体(A)中のポリアミド1
00重量部(ポリアミド複合体からアパタイト型化合物
の含有量を差し引いた重量を100重量部とした。)に
対して、ガラス繊維(A)30重量部、窒化ホウ素(数
平均繊維径:1.0μm)5重量部とを混合し、二軸押
出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、290
℃の条件下で溶融混練し、強化ポリアミド樹脂組成物を
得た。評価結果を表2に示す。
【0116】
【表1】
【0117】
【表2】
【0118】
【発明の効果】本発明は、マトリックスであるポリアミ
ド中に均一にかつ微細に分散し、その界面においてポリ
アミドに極めて良好に固着、接着しているアパタイト型
化合物を含有するポリアミド複合体に無機充填材を配合
して成る強化ポリアミド樹脂組成物である。したがっ
て、得られる成形体は、従来のポリアミド製成形体に比
較し、低ソリであり、剛性、強度、ならびに耐久性に優
れるという特徴を有するため、自動車外装・外板部品、
自動車内装部品、自動車アンダーフード部品、二輪車用
部品、家具用部品、OA機器分野用品、電子電器用部
品、工業用部品など、各種用途に非常に有用であること
が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 7/18 C08K 7/18 Fターム(参考) 4J001 DA01 DB01 DC12 DC14 DC15 DC24 DD01 DD03 DD13 EA02 EA04 EA06 EA07 EA08 EB04 EB05 EB06 EB07 EB08 EB09 EB14 EB23 EB28 EB36 EB37 EB46 EB55 EC07 EC08 EC09 EC10 EC13 EC14 EC29 EC47 EC48 EE25C EE27C EE28C EE30C EE44C EE46C EE57C GB02 GB03 GB05 JA05 JA08 JB01 JB21 4J002 AC012 AC032 AC082 AC092 BB032 BB052 BB122 BB142 BB152 BB172 BB182 BC032 BC052 BC062 BD032 BD102 BG012 BG042 BG062 BN122 BN142 BN152 BN162 BP012 BP032 CB002 CF062 CF072 CG002 CH072 CK022 CL011 CL031 CN012 CN022 CN032 CP032 DA017 DD037 DE187 DE237 DG027 DG047 DH047 DH056 DJ007 DJ037 DJ047 DJ057 DL007 FA017 FB086 FB107 FB127 FB137 FB147 FB167 FD017 GG01 GK01 GM00 GN00 GQ00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアミド、ならびに(B)フェノ
    ール溶媒に不溶な有機物を含有するアパタイト型化合物
    からなり、該有機物がアパタイト型化合物100重量部
    に対し0.5〜100重量部であるポリアミド複合体、
    あるいは該ポリアミド複合体に他の樹脂を混合してなる
    ポリアミド樹脂複合体に、(C)無機充填材を配合して
    なる強化ポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】ポリアミド形成成分と、アパタイト型化合
    物形成成分とを配合し、ポリアミドの重合反応およびア
    パタイト型化合物の合成反応を進行させて得られるポリ
    アミド複合体、あるいは該ポリアミド複合体に他の樹脂
    を混合してなるポリアミド樹脂複合体に、無機充填材を
    配合してなる強化ポリアミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】アパタイト型化合物が、平均粒子径にして
    0.001〜1μmであることを特徴とする請求項1あ
    るいは2記載の強化ポリアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】アパタイト型化合物形成成分が、平均粒子
    径にして0.001〜10μmであることを特徴とする
    請求項2記載の強化ポリアミド樹脂組成物。
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