JPH11199771A - ポリアミド樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
ポリアミド樹脂組成物およびその製造方法Info
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- JPH11199771A JPH11199771A JP10011958A JP1195898A JPH11199771A JP H11199771 A JPH11199771 A JP H11199771A JP 10011958 A JP10011958 A JP 10011958A JP 1195898 A JP1195898 A JP 1195898A JP H11199771 A JPH11199771 A JP H11199771A
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Abstract
料として好適な剛性、強度および靱性のバランスに優れ
たポリアミド樹脂組成物の提供。 【解決手段】 ポリアミド50〜99.5重量%とアパ
タイト0.5〜50重量%からなり、アパタイト粒子の
界面の30%以上がポリアミドと接していることを特徴
とするポリアミド樹脂組成物、および、ポリアミド原料
50〜99.5重量%にアパタイト原料0.5〜50重
量%を配合し、ポリアミドの重合を行うことを特徴とす
るポリアミド樹脂組成物の製造方法。
Description
品、電気電子部品などの産業用材料として好適な強度、
剛性が高くかつ靱性に優れる、ポリアミドとアパタイト
とからなるポリアミド樹脂組成物およびその製造方法に
関するものである。
高める目的で種々の充填剤、例えばガラス繊維や炭素繊
維などの無機繊維あるいは炭酸カルシウム、雲母、タル
クなどの無機化合物やモンモリロナイト、膨潤性フッ素
雲母などの層状化合物を配合することが行われてきた
が、これらの手法は、強度や剛性を高める上では有効で
あるものの、ポリアミドと充填剤との親和性が低く、ポ
リアミド樹脂の特徴である靱性を著しく損なうという欠
点があった。
は、象牙に近い感触を持つ材料を目的として、ポリアミ
ド100重量部とアパタイト5〜300重量部とからな
るポリアミド樹脂組成物が開示されているが、この組成
物も、他の充填剤を添加した組成物と同様に、強度、剛
性は向上できるものの、ポリアミドとアパタイトの界面
との親和性が極めて低いため、靱性の低下、すなわち引
張伸度の低下が極めて大きく、産業用材料として用いる
ことは困難であった。
良する目的で種々の無機充填剤が開発されてきたが、従
来の技術では靱性、すなわち引張伸度の低下が著しく起
こり、現実的にはその応用には制限があり、満足できる
ものではなかった。従って、靱性の低下を引き起こすこ
となく、剛性および強度を向上せしめる無機充填剤を含
むポリアミド樹脂組成物の開発が期待されていた。
の従来技術の問題点を解決し、強度、剛性が高くかつ靱
性に優れるポリアミド樹脂組成物およびその製造方法を
提供することにある。
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアミド原料とアタ
イト原料を配合し、ポリアミドの重合とアパタイトの合
成を同時に行うことにより、生成するアパタイト粒子の
界面がポリアミドと極めて良好に接する組成物が得ら
れ、上記課題を解決できることを見いだし、本発明に至
った。
9.5重量%とアパタイト0.5〜50重量%からな
り、アパタイト粒子の界面の30%以上がポリアミドと
接していることを特徴とするポリアミド樹脂組成物、お
よび、ポリアミド原料50〜99.5重量%とアパタイ
ト原料0.5〜50重量%を配合し、ポリアミドの重合
を行うことを特徴とするポリアミド樹脂組成物の製造方
法に関するものである。
発明におけるポリアミドとは、主鎖中にアミド結合(−
NHCO−)を有する重合体を意味する。本発明に用い
るポリアミドとして好ましいものとしては、ポリカプロ
ラクタム(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミ
ド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナ
イロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイ
ロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイ
ロン116)、ポリウンデカラクタム(ナイロン1
1)、ポリドデカラクタム(ナイロン12)、ポリトリ
メチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTM
HT)、
イロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフ
タルアミド(6T/6I)、ポリビス(4−アミノシク
ロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM1
2)、ポリビス(3−メチル−アミノシクロヘキシル)
メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、
ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、
ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド
(ナイロン11T(H))およびこれらのうち少なくと
も2種の異なったポリアミド形成成分を含むポリアミド
共重合体およびこれらの混合物などがあげられる。
酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸とからな
る塩、およびこれら原料のオリゴマーがある。それらの
うちアミノ酸としては、例えば6−アミノカプロン酸、
11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、
パラアミノメチル安息香酸等がある。これらの重合可能
なアミノ酸は1種用いても良いし、2種類以上組み合わ
せて用いても良い。
ム、ピバロラクタム、カプロラクタム、カプリルラクタ
ム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、ドデカノ
ラクタムなどがあげられる。これらの重合可能なラクタ
ムは1種用いても良いし、2種類以上組み合わせて用い
ても良い。
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレン
ジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/
2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−
メチルノナメチレンジアミン、2,4−ジメチルオクタ
メチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシ
リレンジアミン、1,3−ビス(アミンメチル)シクロ
ヘキサン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデ
カン、
5,−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシ
クロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノ
シクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシ
クロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペ
ラジン、アミノエチルピペラジンなどを挙げることがで
きる。これらの重合可能なジアミンは1種用いても良い
し、2種類以上組み合わせて用いても良い。
ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピ
メリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエ
チルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン
酸、ドデカン二酸、エイコジオン酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレ
フタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフ
タル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ジグリ
コール酸などを挙げることができる。これらの重合可能
なジカルボン酸は1種用いても良いし、2種類以上組み
合わせて用いても良い。
上のために末端封止剤を添加することができる。末端封
止剤としては、モノカルボン酸またはモノアミンが好ま
しい。その他、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソ
シアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モ
ノアルコール類などを用いることができる。
酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、
吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデ
シル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン
酸、シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボ
ン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン
酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカル
ボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸、あ
るいはこれらの任意の混合物を挙げることができる。
ては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えばメチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、
オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミンなどの脂肪族モノアミン、シクロヘキシル
アミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミ
ン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチ
ルアミンなどの芳香族モノアミン、あるいはこれらの任
意の混合物を挙げることができる。本発明に用いられる
アパタイトとは、代表的な組成として、例えば
ト)、Ca10(PO4 )6 F2 (フッ素アパタイト)、
Ca10(PO4 )6 Cl2 (塩素アパタイト)及びそれ
ぞれの炭酸含有物などが挙げられるが厳密にこれらの化
学組成に一致している必要はない。この中でも経済性な
どから水酸アパタイトが最も好ましい。
原料としては、例えばリン酸一水素カルシウム(CaH
PO4 )、リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHP
O4・2H2 O)、二リン酸二水素カルシウム(CaH
2 P2 O7 )、リン酸二水素カルシウム一水和物(Ca
(H2 PO4 )2 ・H2 O)、二リン酸カルシウム(α
−およびβ−Ca2 P2 O7 )、リン酸三カルシウム
(α−およびβ−Ca3(PO4 )2 )、リン酸四カル
シウム(Ca4 (PO4 )2 O)、リン酸八カルシウム
五水和物(Ca8 H2 (PO4 )6 ・5H2 O)、亜リ
ン酸カルシウム一水和物(CaHPO3 ・H2 O)、次
亜リン酸カルシウム(Ca(H2 PO2 )2 )などが例
示される。
び炭酸含有アパタイトの原料としては、上記原料にそれ
ぞれフッ素イオン、塩素イオンおよび炭酸イオンを含有
する化合物を添加する。これら原料は、1種用いても良
いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
い易さの点から、リン酸一水素カルシウム、およびその
二水和物が最も好ましい。リン酸一水素カルシウムの合
成は、Phosphorus and its Com
pounds,1(1958)でVan Wazerに
より示されたCaO−H2 O−P2 O5 系の状態図から
わかるように、水の存在下、リン酸化合物とカルシウム
化合物を混合することにより得ることができる。例え
ば、リン酸二水素カリウム溶液に、リン酸アルカリ溶液
および塩化カルシウム溶液を滴下し、約100℃で反応
させ合成する方法や炭酸カルシウムや水酸化カルシウム
とリン酸水溶液を混合する方法などが例示できる。
法としては、例えば固体状のポリアミド原料とアパタイ
ト原料を直接混合する方法、ポリアミド原料水溶液とア
パタイト原料を配合する方法や、さらにはポリアミド原
料水溶液にアパタイト原料を形成する化合物、すなわち
リン酸化合物とカルシウム化合物を配合する方法などが
例示される。
公知の如何なる方法を用いることができる。例えば、1
1−アミノウンデカ酸などの水に難溶な成分を原料と
し、200〜290℃で加熱し重縮合する方法、ε−カ
プロラクタム水溶液を原料とし、必要に応じてモノカル
ボン酸などの末端封鎖剤、あるいはε−アミノカプロン
酸などの反応促進剤などを加えて、不活性ガスを流通さ
せながら、200〜290℃に加熱し重縮合するラクタ
ム類の開環重縮合法がある。
のジアミン成分とジカルボン酸成分との塩水溶液を原料
とし、200〜290℃に加熱濃縮し、発生する水蒸気
圧を10〜20気圧の間の適当な圧力に保ち、最終的に
は圧力を抜き常圧あるいは減圧し重縮合を行う熱溶融重
縮合法などが例示される。
分からなる固体塩や生成する重縮合物の融点以下の温度
で行う固相重合法、ジカルボン酸ハライド成分とジアミ
ン成分とを溶液中で重縮合させる溶液法なども用いられ
る。これらの方法は必要に応じて組合わせてもかまわな
い。また、重合形態としては、バッチ式でも連続式でも
かまわない。
水酸化カルシウムとリン酸などとを約PH8の水溶液中
で反応させる湿式法、リン酸一水素カルシウムなどを約
200℃、15気圧の高温高圧で行う水熱法など方法が
用いられており、このアパタイトの合成条件と上記ポリ
アミドの重合条件は、非常に似通っており、ポリアミド
を重合する条件で、同時にアパタイトの合成もできる。
そして、本発明の方法においては、詳細については明確
にはわからないものの、その重合過程において、両者の
相互作用が起こり、ポリアミドと驚くほど良好に接着す
る界面を持つアパタイト粒子が生成すると考えられる。
ば成形片の広角X線回折により確認することができる。
具体的には、2θで約25.9、31.7および32.
6(deg.)に観測される(002)、(211)お
よび(300)面に起因するピークの存在により、アパ
タイトの存在を確認することができる。
0.5〜50重量%、好ましくは1〜25重量%、さら
に好ましくは2〜10重量%である。アパタイトの含有
量は、例えば成形品などの広角X線回折により得られた
ポリアミドのピーク面積とアパタイトのピーク面積の比
から求めることができる。アパタイトの含有量が0.5
重量%未満の場合は、強度、剛性の向上が顕著でなく、
一方50重量%以上の場合は、靱性が著しく低下し、ま
た押出や成形加工が困難になるなどの問題が発生する。
%以上、好ましくは50%以上、ポリアミドと接してい
なければならない。アパタイト粒子の界面の観察は、例
えば成形品を液体窒素などにより冷却し割断し、エッチ
ィング、コーティング処理した後、SEM(走査型電子
顕微鏡)−EDX(エネルギー分散X線スペクトル)を
用いて行うことができる。
り、まず、P(リン)とCa(カルシウム)の存在状態
を測定し、アパタイト粒子の位置を確認する。次に、そ
のアパタイト粒子の中から最低でも10個を任意に選択
し、そのほぼ中心部分に電子線を固定しEDXを測定す
る。EDX測定により求まるポリアミドに由来のC(炭
素)と、アパタイト由来のP(リン)、Ca(カルシウ
ム)のKαの平均ピーク強度IC、IP、ICaをそれ
ぞれ求め、下記式
(%)=IC /(IC +IP +ICa)×100 により算出することができる。ポリアミドと接するアパ
タイト粒子界面の割合が30%以下の場合には、靱性が
著しく劣る。
て本発明の目的を損なわない範囲で通常のポリアミド樹
脂に用いられる充填剤、例えばガラス繊維や炭素繊維な
どの無機繊維、マイカ、タルク、粘土鉱物、アルミナ、
シリカなどの無機フィラー、三酸化アンチモン、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、シアヌル酸メラミ
ンなどの難燃剤、チタンホワイトなどの顔料や着色剤、
亜リン酸ソーダやヒンダードフェノールに代表される熱
安定剤、ステアリン酸やパラフィンワックスなどの滑
剤、種々の可塑剤、耐候性向上剤や帯電防止剤などの各
種添加剤を加えることができる。
じて、本発明の目的を損なわない範囲で通常ポリアミド
樹脂にブレンドされる熱可塑性樹脂やエラストマー、例
えばポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、
アクリルゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−プロピレン−ジエン共重合体、天然ゴム及びこれら
の無水マレイン酸などによる酸変性物、スチレン−無水
マレイン酸共重合体、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体、ポリエチレンテレフタレートやポリ
ブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、他の
ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリフェニ
レンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂などを加えても良い。
詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、
以下の実施例に制限されるものではない。なお、物性評
価は、以下の方法により行った。 (1)ギ酸相対粘度(RV) 90%ギ酸(10%水)にポリマー8.4重量%を溶解
し、25℃で測定した。
した。成形はシリンダー温度280℃、金型温度80℃
に設定し、射出17秒、冷却20秒のサイクルで行っ
た。射出成形品の測定方法は、以下のとおりである。
X(エネルギー分散X線スペクトル) 射出成形品を液体窒素中で約30分冷却し割断した。フ
ラットミリング装置にてその割断面をエッチング処理
し、さらにPt−Pdコーティングを施し、観察試料と
した。詳細な条件は、以下のとうりである。 ・エッチィング処理 装置:日立製作所社製 フラットミリング装置 加速電圧:2.5KV 電流:1.0mA 処理時間:10min 傾斜角度:60°
界面の割合(%) 分散するアパタイト粒子を10個任意に選択し、その粒
子のほぼ中央に電子線を固定し、(3)の条件で、ポリ
アミドに由来のC(炭素)とアパタイト由来のP(リ
ン)、Ca(カルシウム)のKαの平均ピーク強度
IC 、IP 、ICaをそれぞれ求め、次式〔ポリアミドと
接するアパタイト粒子界面の割合(%)=IC/(IC
+IP 、ICa)×100〕により算出した。
た。。広角X線の測定条件は、以下のとうりである。 X線:銅Kα 波長:1.542Å 管電圧:40KV 管電流:120mA 発散スリット:1/2deg. 散乱スリット:1/2deg. 受光スリット:0.3mm
cm2 〕 ASTM D790に準じて行った。 (7)引張り強度〔Kg/cm2 〕および引張伸度
〔%〕 ASTM D638に準じて行った。
2.0Kgとリン酸一水素カルシウム二水和物(CaH
PO4 ・2H2 O)50gをヘンシェルミキサーで良く
攪拌し、5Lのオートクレーブ中に仕込んだ。十分窒素
で置換した後、圧力をゲージ圧にして5Kg/cm2 に
設定し、温度を室温から190℃まで昇温し、その状態
を2時間保った。この際、オートクレーブ内の圧力は、
ゲージ圧にして15Kg/cm2 になる。引き続き圧力
を5Kg/cm2 まで減圧し、温度を240℃に昇温
し、その状態を4時間保った。
cm2 以上にならないように、圧力を調整し、また生成
する水は分縮器により除去した。冷却後、オートクレー
ブを開け、ポリマーを取出し粉砕した。粉砕したポリマ
ーは、80℃の窒素気流中で24時間乾燥した。その
後、小型2軸押出機(東洋精機社製ラボプラストミルM
E型)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー
回転数70rpm、レート4Kg/hrの条件でペレッ
トにした。得られたペレットは80℃の窒素気流中で2
4時間乾燥した。得られたペレットのギ酸相対粘度(R
V)は100であった。
の存在を確認した。図1にSEMの観察結果を示す。S
EM−EDX測定結果により、円筒状部分にカルシウム
とリンの存在を確認した。観察結果からわかるように、
生成したアパタイト粒子は、ポリアミドと極めて良好に
接する界面を持っていることがわかる。EDXから求ま
るC(炭素)、P(リン)、Ca(カルシウム)のKα
の平均ピーク強度はIC =2290、IP =310、I
Ca=240(カウント)であり、ポリアミドと接するア
パタイト粒子界面の割合(%)は81%と算出された。
評価結果を表1に示す。
2.0KgとClarkson Chemical社製
ヒドロキシアパタイト50gをヘンシェルミキサーで良
く攪拌し、5Lのオートクレーブ中に仕込んだ。以後の
操作は、実施例1と同様にして行った。得られたペレッ
トのギ酸相対粘度(RV)は60であった。成形片の広
角X線回折により、アパタイトの存在を確認した。図2
にSEMの観察結果を示す。
び円筒状部分にカルシウムとリンの存在を確認した。観
察結果からわかるように、添加したアパタイトは、ポリ
アミドとの接着性が良くないことがわかる。EDXから
求まるC(炭素)、P(リン)、Ca(カルシウム)の
Kαの平均ピーク強度はIC =600、IP =970、
ICa=900(カウント)であり、ポリアミドと接する
アパタイト粒子界面の割合(%)は24%と算出され
た。評価結果を表1に示す。
1.5Kg、純水1.5Kgとリン酸一水素カルシウム
二水和物(CaHPO4 ・2H2 O)80gを、5Lの
オートクレーブ中に仕込みよく攪拌した。十分窒素で置
換した後、温度を室温から220℃まで昇温した。この
際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして18K
g/cm2 になるが、圧力が18Kg/cm2 以上にな
らないよう水を系外に除去しながら加熱を1時間続け
た。その後加熱を止め、室温まで冷却し、オートクレー
ブを開け、約1.5Kgのポリマーを取出し、粉砕機に
より粉砕した。
トクレーブに仕込み、十分窒素で置換した後、圧力をゲ
ージ圧にして5Kg/cm2 に設定し、温度を室温から
240℃まで昇温し、その状態を4時間保った。この一
連の操作で、圧力が5Kg/cm2 以上にならないよう
に、圧力を調整し、また生成する水は分縮器により除去
した。冷却後、オートクレーブを開け、ポリマーを取出
し、80℃の窒素気流中で24時間乾燥した。得られた
ポリマーは、小型2軸押出機(東洋精機社製ラボプラス
トミルME型)を用いて、シリンダー温度280℃、ス
クリュー回転数70rpm、レート4Kg/hrの条件
でペレットにした。得られたペレットは80℃の窒素気
流中で24時間乾燥した。得られたペレットのギ酸相対
粘度(RV)は50であった。成形品の評価結果を表1
に示す。
1.5Kg、純水1.5Kgとリン酸一水素カルシウム
二水和物(CaHPO4 ・2H2 O)180gを、5L
のオートクレーブ中に仕込みよく攪拌した。十分窒素で
置換した後、温度を室温から220℃まで昇温した。こ
の際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして18
Kg/cm2 になるが、圧力が18Kg/cm2 以上に
ならないよう水を系外に除去しながら加熱を1時間続け
た。その後、圧力を大気圧にして、温度を室温から26
0℃まで昇温し、その状態を4時間保った。
器により除去した。冷却後、オートクレーブを開け、ポ
リマーを取出し、80℃の窒素気流中で24時間乾燥し
た。得られたポリマーは、小型2軸押出機(東洋精機社
製ラボプラストミルME型)を用いて、シリンダー温度
280℃、スクリュー回転数70rpm、レート4Kg
/hrの条件でペレットにした。得られたペレットは8
0℃の窒素気流中で24時間乾燥した。得られたペレッ
トのギ酸相対粘度(RV)は30であった。成形品の評
価結果を表1に示す。
とヒドロキシアパタイト40gをブレンドし、小型2軸
押出機(東洋精機社製ラボプラストミルME型)を用い
て、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数70r
pm、レート4Kg/hrの条件でペレットにした。得
られたペレットは80℃の窒素気流中で24時間乾燥し
た。得られたペレットのギ酸相対粘度(RV)は48で
あった。成形品の評価結果を表1に示す。
Kg、純水1Kgとリン酸一水素カルシウム二水和物
(CaHPO4 ・2H2 O)1.5Kgを、5Lのオー
トクレーブ中に仕込みよく攪拌した。その後の操作は、
実施例2と同様にして行った。得られたペレットのギ酸
相対粘度(RV)は10であった。成形品を得るために
成形を試みたが、成形できなかった。
2.0Kgとリン酸一水素カルシウム二水和物(CaH
PO4 ・2H2 O)5gをヘンシェルミキサーで良く攪
拌し、2.0Kgの純水を加え、5Lのオートクレーブ
中に仕込んだ。その後の操作は、実施例2と同様な方法
で行った。得られたペレットのギ酸相対粘度(RV)は
105であった。成形品の評価結果を表1に示す。
2.0Kgと純水2.0Kgを、5Lのオートクレーブ
中に仕込んだ。その後の操作は、実施例2と同様な方法
で行った。得られたペレットのギ酸相対粘度(RV)は
55であった。成形品の評価結果を表1に示す。
性、強度および靱性のバランスが良く改善されている。
従って、機械工業部品、電気電子部品などの産業用材料
に有効である。さらに、ポリアミド原料とアパタイト原
料を共存させ、両者を重合することにより、ポリアミド
と非常に親和性が強く、かつポリアミド中に微細に分散
したアパタイトとのポリアミド樹脂、すなわち剛性、強
度および靱性のバランスの改善効果の極めて大きいポリ
アミド樹脂を得ることができる。
M)写真である。
M)写真である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリアミド50〜99.5重量%とアパ
タイト0.5〜50重量%からなり、アパタイト粒子の
界面の30%以上がポリアミドと接していることを特徴
とするポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項2】 ポリアミド原料50〜99.5重量%と
アパタイト原料0.5〜50重量%を配合し、ポリアミ
ドの重合を行うことを特徴とするポリアミド樹脂組成物
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01195898A JP3309901B2 (ja) | 1998-01-07 | 1998-01-07 | ポリアミド樹脂組成物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01195898A JP3309901B2 (ja) | 1998-01-07 | 1998-01-07 | ポリアミド樹脂組成物およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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