JP3389895B2 - バリヤー性ポリアミドタンク - Google Patents

バリヤー性ポリアミドタンク

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JP3389895B2 JP29754699A JP29754699A JP3389895B2 JP 3389895 B2 JP3389895 B2 JP 3389895B2 JP 29754699 A JP29754699 A JP 29754699A JP 29754699 A JP29754699 A JP 29754699A JP 3389895 B2 JP3389895 B2 JP 3389895B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バリヤー性ポリア
ミドタンクに関する。さらに詳しくはフレオン、水、ガ
ソリン等に対するバリヤー性が優れるうえに弾性率、強
度および伸度に優れるバリヤー性ポリアミドタンクに関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は耐熱性、機械的特性お
よび耐薬品性に優れることから自動車部品や電機部品を
はじめとし、様々な工業分野で利用されている。たとえ
ば、自動車用部品としてガソリンタンク、オイルタンク
および吸気排気系のパイプ等に用いられている。しかし
ながら水分、アルコールおよびガソリンなどのバリヤー
性は必ずしも十分なレベルにあるとは言えない。
【0003】たとえば、自動車のブレーキオイルタンク
やガソリンタンク用材料としてポリアミドを用いた場
合、貯蔵中にブレーキオイルやガソリンに水分が混入し
やすいという問題があった。また、ポリアミドの機械的
特性も必ずしも十分なレベルとはいえず、高温下や高湿
度下では剛性、強度が低下しやすいという問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フレ
オン、水、ガソリン等に対するバリヤー性が優れ、かつ
強度、伸度、剛性に優れるバリヤー性ポリアミドタンク
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアミドに、特定量
のアパタイト型化合物を含有させた特定のポリアミド樹
脂組成物を用いることにより度、剛性に優れるバリヤー
性ポリアミドタンクが得られることを見いだし、本発明
を完成させるに至った。
【0006】すなわち本発明は、 (1)ポリアミド50〜99.5重量%と、フェノール
溶媒に不溶な有機物を含有するリンに対する金属元素の
モル比が0.9〜10であるアパタイト型化合物0.5
〜50重量%からなり、該有機物がアパタイト型化合物
100重量部あたり0.5〜100重量部であることを
特徴とするバリヤー性ポリアミドタンク、 (2)ポリアミド形成成分50〜99.5重量%と、リ
ンに対する金属元素のモル比が0.9〜10であって、
かつポリアミドの重合条件下でアパタイト型化合物を形
成し得るアパタイト型化合物形成成分0.5〜50重量
%とを配合し、ポリアミドの重合反応およびアパタイト
型化合物の合成反応を進行させて得られるポリアミド樹
脂組成物を用いることを特徴とするバリヤー性ポリアミ
タンク
【0007】(3)有機物の少なくとも一部がポリアミ
ドであることを特徴とする上記1記載のバリヤー性ポリ
アミドタンク、 (4)ポリアミドの重量平均分子量が1〜100万であ
ることを特徴とする上記1または2記載のバリヤー性ポ
リアミドタンク、 (5)アパタイト型化合物の平均粒子径が1μm以下で
あることを特徴とする上記1または2記載のバリヤー性
ポリアミドタンク
【0008】(6)アパタイト型化合物が、広角X線
(CuKα:波長λ=1.542Å)散乱による回折角
(2θ)が25.5〜26.5度の(002)面ピーク
と、回折角(2θ)が32.5〜33.5度の(30
0)面ピークを持つ結晶性アパタイト型化合物であるこ
とを特徴とする上記1または2記載のバリヤー性ポリア
ミドタンク、 (7)アパタイト型化合物が下記一般式で示されること
を特徴とする上記1または2記載のバリヤー性ポリアミ
タンク、 (A)10-z(HPO4z(PO46-z(X)2-z・nH2O (上式において、0≦z<2、0≦n≦16であり、A
は金属元素、またXは陰イオンまたは陰イオン化合物で
ある。) (8)金属元素が元素周期律表の2A族元素の1種以上
であることを特徴とする上記1または2記載のバリヤー
性ポリアミドタンク
【0009】(9)金属元素がカルシウムであることを
特徴とする上記1または2記載のバリヤー性ポリアミド
タンク、 (10)ポリアミド形成成分が重合可能なアミノ酸、重
合可能なラクタム、重合可能なジアミン・ジカルボン酸
塩、あるいは重合可能な前記化合物のオリゴマー群から
選ばれる1種以上であることを特徴とする上記2記載の
バリヤー性ポリアミドタンク、 (11)アパタイト型化合物形成成分が、リン酸系金属
化合物またはリン酸系金属化合物と非リン酸系金属化合
物との混合物であることを特徴とする上記2記載のバリ
ヤー性ポリアミドタンク
【0010】(12)アパタイト型化合物形成成分の金
属元素が元素周期律表の2A族元素の1種以上であるこ
とを特徴とする上記11記載のバリヤー性ポリアミド
ンク、 (13)アパタイト型化合物形成成分の金属元素がカル
シウムであることを特徴とする上記11記載のバリヤー
性ポリアミドタンク、 (14)ポリアミドの重合反応およびアパタイト型化合
物の合成反応が、40〜300℃の温度下で行われるこ
とを特徴とする上記2記載のバリヤー性ポリアミドタン
、である。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明は、ポリアミドにアパタイト型化合物を含有させた
バリヤー性ポリアミドタンクに係る。本発明で用いるポ
リアミドは、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有
する重合体である。
【0012】本発明において好ましく用いるポリアミド
は、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリテトラメ
チレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレ
ンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセ
バカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデ
カミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジ
パミド(ナイロン116)、ポリウンデカラクタム(ナ
イロン11)、ポリドデカラクタム(ナイロン12)、
ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイ
ロンTMHT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド
(ナイロン6I)、
【0013】ポリノナンメチレンテレフタルアミド(9
T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(6T)、
ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミ
ド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−
アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジ
メチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド
(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンヘキサヒ
ドロテレフタルアミド(ナイロン11T(H))、およ
びこれらのうち少なくとも2種の異なったポリアミド成
分を含むポリアミド共重合体、およびこれらの混合物な
どである。
【0014】これらのポリアミドのうち、本発明課題を
達成するのにより好ましいポリアミドは、ポリカプロラ
クタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナ
イロン612)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド
(ナイロン6I)、およびこれらのうち少なくとも2種
の異なったポリアミド成分を含むポリアミド共重合体、
およびこれらの混合物などである。
【0015】前記ポリアミド形成成分(原料)として
は、重合可能なアミノ酸、重合可能なラクタム、あるい
は重合可能なジアミン・ジカルボン酸塩、および重合可
能な前記化合物のオリゴマーを挙げることができる。重
合可能なアミノ酸としては、例えば6−アミノカプロン
酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸、パラアミノメチル安息香酸をより具体的に挙げるこ
とができる。本発明では、これらの重合可能なアミノ酸
を1種で用いても良いし、2種類以上組み合わせて用い
ても良い。
【0016】重合可能なラクタムとしては、例えばブチ
ルラクタム、ピバロラクタム、カプロラクタム、カプリ
ルラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、
ドデカノラクタムなどをより具体的に挙げることができ
る。本発明では、これらの重合可能なラクタムを1種で
用いても良いし、2種類以上組み合わせて用いても良
い。
【0017】重合可能なジアミン・ジカルボン酸塩のジ
アミンとしては、例えばテトラメチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデ
カメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミ
ン、ノナンメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル
ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキ
サメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミ
ン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、メタキ
シリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−
ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,8−ビス
(アミノメチル)トリシクロデカン、1−アミノ−3−
アミノメチル−3,5,5,−トリメチルシクロヘキサ
ン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス
(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、
2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、
ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペ
ラジンなどを挙げることができる。本発明では、これら
の重合可能なジアミンを1種で用いても良いし、2種類
以上組み合わせて用いても良い。
【0018】重合可能なジアミン・ジカルボン酸塩のジ
カルボン酸としては、例えばマロン酸、ジメチルマロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルア
ジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2
−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、
エイコジオン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチ
ルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、
ヘキサヒドロテレフタル酸、ジグリコール酸などを挙げ
ることができる。本発明では、これらの重合可能なジカ
ルボン酸は1種で用いても良いし、2種類以上組み合わ
せて用いても良い。
【0019】本発明のポリアミド形成成分(原料)に
は、さらに分子量調節あるいは耐熱水性向上のために公
知の末端封止剤を添加することができる。末端封止剤と
しては、モノカルボン酸またはモノアミンが好ましい。
その他、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネ
ート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアル
コール類などを挙げることができる。
【0020】末端封止剤として使用できるモノカルボン
酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、
吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデ
シル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン
酸、シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボ
ン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン
酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカル
ボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸など
を挙げることができる。本発明では、これらのモノカル
ボン酸を1種で用いても良いし、2種類以上組み合わせ
て用いても良い。
【0021】末端封止剤として使用するモノアミンとし
ては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えばメチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、
オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミンなどの脂肪族モノアミン、シクロヘキシル
アミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミ
ン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチ
ルアミンなどの芳香族モノアミンなどを挙げることがで
きる。本発明では、これらのモノアミンを1種で用いて
も良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0022】本発明のポリアミドの分子量は、成形性お
よび物性がより優れていることから、重量平均分子量
(Mw)にして、1万〜100万であることが好まし
く、更には2万〜50万、最も好ましくは3万〜20万
のものである。重量平均分子量は、例えば、溶媒として
ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用い、
分子量標準試料としてポリメタクリル酸メチル(PMM
A)を用いて、ゲルパーミッショクロマトグラフィー
(GPC)により求めることができる。
【0023】本発明で好ましく用いられるアパタイト型
化合物は、下記一般式で示される。 (A)10-z(HPO4z(PO46-z(X)2-z・nH2
O ここで、0≦z<2、0≦n≦16であり、Aは金属元
素、またXは陰イオンまたは陰イオン化合物であるが、
成形性および物性の観点から0≦z<1、0≦n≦4で
あることがより好ましい。
【0024】好ましい金属元素(A)としては、元素周
期律表の1A、2A、3A、4A、5A、6A、7A、
8、1B、2B、3B族元素およびスズ、鉛を挙げるこ
とができる。これら金属元素は1種であっても、2種以
上であってもかまわない。本発明においては、得られる
樹脂組成物の経済性、安全性および物性の点から、2A
族元素であるマグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、あるいはこれらの2種以上からなる混合
物であることが特に好ましい。
【0025】前記一般式中のXで示される陰イオンまた
は陰イオン化合物としては、水酸イオン(OH-)、フ
ッ素イオン(F-)、塩素イオン(Cl-)などを挙げる
ことができる。これら陰イオン元素または陰イオン化合
物は1種であっても、2種以上であってもかまわない。
また、本発明においては、前記一般式中のリン酸水素イ
オン(HPO4 2-)、リン酸イオン(PO4 3-)、あるい
はXの一部が炭酸イオン(CO3 2-)に置換した炭酸含
有アパタイトであってもよい。
【0026】本発明においては、前記アパタイト型化合
物の中、金属元素(A)がカルシウムである水酸アパタ
イト(Xが水酸イオン)、フッ素化アパタイト(Xの一
部または全部がフッ素イオン)、塩素化アパタイト(X
の一部または全部が塩素イオン)、炭酸含有水酸アパタ
イト、炭酸含有フッ素化アパタイト、炭酸含有塩素化ア
パタイト、さらには、これらの混合物が最も好ましく用
いられる。
【0027】かかるアパタイト型化合物形成成分(原
料)としては、リン酸系金属化合物や、リン酸系金属化
合物と非リン酸系金属化合物とからなる混合物などを挙
げることができるが、本発明では、リン酸系金属化合物
と非リン酸系金属化合物とからなる混合物であることが
より好ましい。本発明では、アパタイト型化合物形成成
分のリンに対する金属元素のモル比が0.9〜10.0
であればよく、より好ましくは1.2〜5.0、さらに
好ましくは1.5〜2.0である。
【0028】前記リン酸系金属化合物のリン酸類として
は、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、メタ
リン酸、亜リン酸、次亜リン酸などを挙げることができ
る。より具体的には、リン酸系金属化合物としては、リ
ン酸一水素カルシウム(CaHPO4・mH2O、但し0
≦m≦2である。)、二リン酸二水素カルシウム(Ca
227)、リン酸二水素カルシウム一水和物(Ca
(H2PO42・H2O)、二リン酸カルシウム(α−お
よびβ−Ca227)、リン酸三カルシウム(α−お
よびβ−Ca3(PO42)、リン酸四カルシウム(C
4(PO42O)、リン酸八カルシウム五水和物(C
82(PO46・5H2O)、亜リン酸カルシウム一
水和物(CaHPO3・H2O)、次亜リン酸カルシウム
(Ca(H2PO22)、リン酸マグネシウム第二・三
水和物(MgHPO4・3H2O)、リン酸マグネシウム
第三・八水和物(Mg3(PO42・8H2O)、リン酸
バリウム第二(BaHPO4)などを挙げることができ
る。
【0029】これらの中でも、本発明では経済性および
物性により優れる点から、リン酸とカルシウムの化合物
が好ましく用いられ、中でもリン酸一水素カルシウム
(CaHPO4・mH2O、但し0≦m≦2である。)が
より好ましく用いられ、特に無水リン酸一水素カルシウ
ム(CaHPO4)とリン酸一水素カルシウム二水和物
(CaHPO4・2H2O)が最も好ましく用いられる。
【0030】これらのリン系金属化合物は、1種であっ
ても良いし、2種以上の組み合わせであっても良い。2
種以上組み合わせる場合には、例えば、リン酸一水素カ
ルシウム二水和物(CaHPO4・2H2O)と二リン酸
二水素カルシウム(CaH227)とを用いるよう
に、同種の金属元素を含有する化合物の組み合わせや、
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2
O)とリン酸マグネシウム第二・三水和物(MgHPO
4・3H2O)とを用いるように、異種の金属元素を含有
する化合物の組み合わせなどが例示されるが、いずれで
も差し支えない。
【0031】本発明におけるリン酸系金属化合物は、リ
ン酸一水素カルシウム(CaHPO 4・mH2O、但し0
≦m≦2である。)を例にとると、Phosphoru
sand its Compounds,1(195
8)で記載されているVanWazerによるCaO−
2O−P25系の状態図が示すように、水の存在下、
リン酸化合物とカルシウム化合物を混合することによる
公知の方法で得ることができる。より具体的には、例え
ば、20〜100℃の温度下、リン酸二水素カリウム溶
液に、リン酸アルカリ溶液および塩化カルシウム溶液を
滴下し反応させ合成する方法や、炭酸カルシウムまたは
水酸化カルシウムとリン酸水溶液を混合する方法などに
よれば良い。
【0032】ところで、本発明者らは、前記リン酸類の
かわりに、砒素(As)やバナジウム(V)からなる化
合物、すなわち砒酸類やバナジウム酸類を用いても、本
発明と同様な効果が得られるものと推察している。しか
しながら、本発明では、原料成分の安定性、形成成分の
入手容易性、安全性の点で優れることから、リン酸類を
用いることが最も好ましい。
【0033】本発明における非リン酸系金属化合物とし
ては、前記リン酸類以外で金属元素と化合物を形成する
ものであれば特に制限はなく、金属水酸化物(水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウ
ム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、
水酸化マンガンなど)、金属塩化物(塩化カルシウム、
塩化マグネシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウ
ム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩
化アルミニウム、塩化鉄、塩化マンガンなど)、
【0034】金属フッ化物(フッ化カルシウム、フッ化
マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウ
ム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウ
ム、フッ化アルミニウムなど)、金属臭化物(臭化カル
シウムなど)、金属ヨウ化物(ヨウ化カルシウム、ヨウ
化カリウム、ヨウ化銅など)、金属炭化物(炭化カルシ
ウムなど)、金属酸化物(酸化カルシウム、酸化マグネ
シウムなど)、炭酸金属塩(炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸リ
チウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アルミニ
ウムなど)、
【0035】硫酸金属塩(硫酸カルシウムなど)、硝酸
金属塩(硝酸カルシウムなど)、ケイ酸金属塩(ケイ酸
カルシウム、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウムなど)な
どの無機金属化合物や、金属元素とモノカルボン酸との
化合物(酢酸カルシウム、酢酸銅、安息香酸カルシウ
ム、ステアリン酸カルシウムなど)、金属元素とジカル
ボン酸との化合物(しゅう酸カルシウム、酒石酸カルシ
ウムなど)、金属元素とトリカルボン酸との化合物(ク
エン酸カルシウムなど)などを挙げることができる。
【0036】本発明では、これらの非リン酸系金属化合
物は、1種であっても良いし、2種以上組み合わせても
良い。2種以上組み合わせる場合には、例えば水酸化カ
ルシウムと炭酸カルシウムとの混合物のように、同種の
金属元素を含有する化合物を組み合わせても良いし、例
えば、炭酸カルシウムと水酸化マグネシウムとの混合物
のように、異種の金属元素を含有する化合物を組み合わ
せても良い。
【0037】本発明では、これら化合物の中でも、経済
性および物性がより優れていることから、金属水酸化
物、金属フッ化物、金属塩化物、炭酸金属塩、金属酸化
物、あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。特
に元素周期律表の2A族元素であるカルシウム、マグネ
シウム、ストロンチウム、バリウムの水酸化物、フッ化
物、塩化物、炭酸塩、あるいはこれらの混合物がより好
ましく、その中でもカルシウムの水酸化物、フッ化物、
塩化物、炭酸塩、酸化物、あるいはこれらの混合物が最
も好ましく用いられる。
【0038】本発明のアパタイト型化合物形成成分であ
るリン酸系金属化合物や非リン酸系金属化合物は、好ま
しい平均粒子径が100μm以下、より好ましくは50
μm以下、さらに好ましくは25μm以下である。平均
粒子径の測定は、アパタイト型化合物形成成分を純水あ
るいはアルコール類中に分散させ、レーザ回折/散乱式
粒度分布装置で測定する方法や、走査型電子顕微鏡(S
EM)による観察を用いて測定する方法によれば良い。
【0039】本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法
は、ポリアミド形成成分(原料)に、アパタイト型化合
物形成成分(原料)を配合し、次いでポリアミドの重合
とアパタイト型化合物の合成を行う方法であれば良い。
ポリアミドの重合とアパタイト型化合物の好ましい方法
は、ポリアミド形成成分とアパタイト型化合物形成成分
との配合物を加熱し、ポリアミド形成成分をアパタイト
型化合物形成成分の存在下に重合し、その後アパタイト
型化合物を合成する方法や、あるいはアパタイト型化合
物形成成分をポリアミド形成成分の存在下に反応させ、
その後ポリアミドを重合する方法である。
【0040】より好ましい方法は、前記両形成成分の配
合物を40〜300℃の温度下で、ポリアミドの重合反
応およびアパタイト型化合物の合成反応を進行させる方
法であり、最も好ましい方法は、前記両形成成分の配合
物を加圧下、40〜300℃の温度下で、ポリアミドの
重合反応およびアパタイト型化合物の合成反応を同時並
行的に進行させる方法である。
【0041】ポリアミド形成成分とアパタイト型化合物
の形成成分との配合方法としては、固体状のポリアミド
形成成分とアパタイト型化合物の形成成分を直接混合す
る方法、ポリアミド形成成分の水溶液とアパタイト型化
合物形成成分の水溶液や懸濁液とを配合する方法などの
いずれによっても良い。また、アパタイト型化合物の分
散性を向上させるために、必要に応じて、ポリアミド形
成成分やアパタイト型化合物形成成分に分散剤や錯化剤
などの化合物を添加しても良い。
【0042】本発明では、前記分散剤の種類を、特に制
限するものではなく、公知の分散剤を用いることができ
る。例えば、「分散・凝集の解明と応用技術,1992
年」(北原文雄監修・株式会社テクノシステム発行)の
232〜237ページに記載されているようなアニオン
系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性
剤、非イオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤など
を用いることができる。
【0043】これらの中でもアニオン系界面活性剤、非
イオン系界面活性剤を用いることが好ましく、特に、価
格および物性の観点から、クエン酸ナトリウム、ポリア
クリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレ
イン酸などのオレフィン−無水マレイン酸共重合体、シ
ョ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖エステル類など
を用いることがより好ましい。
【0044】錯化剤としては、金属イオンと錯体を形成
する化合物であれば特に制限されることがなく、例え
ば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三
酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエー
テルジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ク
エン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、エ
チレンジアミンなどの脂肪族アミン、尿素などを用いる
ことができる。これらの中でも、価格および物性の観点
からクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、
エチレンジアミン(en)が特に好ましい。
【0045】前記ポリアミドの重合は、公知の方法を用
いることができる。例えば、11−アミノウンデカン酸
などの水に難溶な成分を形成成分とし、40〜300℃
で加熱し重縮合する方法、ε−カプロラクタムを形成成
分とし、その水溶液を必要に応じてモノカルボン酸など
の末端封鎖剤、あるいはε−アミノカプロン酸などの反
応促進剤を加えて、不活性ガスを流通させながら、40
〜300℃に加熱し重縮合するラクタム類の開環重縮合
法、ヘキサメチレンアジパミド等のジアミン・ジカルボ
ン酸を形成成分とし、その水溶液を40〜300℃の温
度下、加熱濃縮し、発生する水蒸気圧を常圧〜20気圧
の間の圧力に保ち、最終的には圧力を抜き常圧あるいは
減圧し重縮合を行う熱溶融重縮合法などを用いることが
できる。
【0046】さらには、ジアミン・ジカルボン酸固体塩
や重縮合物の融点以下の温度で行う固相重合法、ジカル
ボン酸ハライド成分とジアミン成分とを溶液中で重縮合
させる溶液法なども用いることができる。これらの方法
は必要に応じて組合わせてもかまわない。また、重合形
態としては、バッチ式でも連続式でもかまわない。ま
た、重合装置も特に制限されるものではなく、公知の装
置、例えば、オートクレーブ型の反応器、タンブラー型
反応器、ニーダーなどの押出機型反応器などを用いるこ
とができる。
【0047】本発明のアパタイト型化合物の確認は、例
えば、ポリアミド樹脂組成物やバリヤー性ポリアミド成
形品を用いて、広角X線回折、赤外吸収スペクトルなど
で直接確認する方法や、ポリアミド樹脂組成物やバリヤ
ー性ポリアミド成形品をフェノールなどのポリアミドが
可溶な溶媒に浸しポリアミド樹脂を溶出・分離し、残っ
た成分を広角X線回折、赤外吸収スペクトルなどで確認
する方法などによれば良い。本発明のバリヤー性ポリア
ミドタンク中に含有されるアパタイト型化合物は、結晶
性アパタイト型化合物であっても、非晶性アパタイト型
化合物であってもかまわないが、物性の観点から、結晶
性アパタイト型化合物であることがより好ましい。
【0048】アパタイト型化合物が結晶性であること
は、ポリアミド樹脂組成物やバリヤー性ポリアミド成形
品などの広角X線回折を測定して確認することができ
る。また、ポリアミド樹脂組成物やバリヤー性ポリアミ
ド成形品などをフェノールなどのポリアミドが可溶な溶
媒に浸し、ポリアミド樹脂を溶出し、残った分離成分の
広角X線回折を測定して確認することもできる。より具
体的に説明すると、X線の線源として、銅Kα(波長λ
=1.542Å)を用いて、前記分離成分の広角X線回
折を測定し、回折角(2θ)が25.5〜26.5度に
(002)面ピークが存在し、さらに回折角(2θ)が
32.5〜33.5度に(300)面ピークが存在する
ことを確認すればよい。本発明では、上記のように確認
される結晶性アパタイト型化合物であることが特に好ま
しい。
【0049】本発明のアパタイト型化合物の含有量は、
0.5〜50重量%である必要があり、より好ましくは
2.5〜40重量%、特に好ましくは5〜30重量%で
ある。アパタイト型化合物の含有量は、例えば、ポリア
ミド樹脂組成物やバリヤー性ポリアミド成形品などをJ
IS R3420に従って強熱減量(Ig.loss)
を測定し、その重量減少量から求めることができる。具
体的には、ポリアミド樹脂組成物やバリヤー性ポリアミ
ド成形品を十分乾燥した後、白金皿に約1g秤量し、6
50±20℃の電気炉で灰化し、冷却後、その重量を秤
り、アパタイト型化合物の含有量を定量する。アパタイ
ト型化合物の含有量が0.5重量%未満の場合には、強
度、剛性の改良効果が本発明の目的を達成し得る程に顕
著でなく、一方50重量%を越えた場合には、伸度が低
下する恐れがある。
【0050】本発明のアパタイト型化合物のリンに対す
る金属元素の比は、モル比にして0.9〜10.0であ
ることが好ましく、より好ましくは1.2〜5.0、特
に好ましくは、1.3〜2.0である。金属元素の定量
は、金属元素としてカルシウムの場合について具体的に
説明すると、まずポリアミド樹脂組成物やバリヤー性ポ
リアミド成形品0.5gを白金皿に秤量し、電気炉を用
いて500℃で炭化する。
【0051】炭化物を冷却後、それに塩酸5mlおよび
純水5mlを加えヒーター上で煮沸溶解する。再びこれ
を冷却し、純水を加え500mlとし、この試料中のカ
ルシウムを高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析
(特性波長317.933nm)によって定量すればよ
い。他の金属元素については、特性波長を選択すること
により、同様な方法で定量できる。一方、リンの定量
は、ポリアミド樹脂組成物やバリヤー性ポリアミド成形
品0.5gを秤量し、これに濃硫酸を20ml加え、ヒ
ーター上で湿式分解し、冷却後、過酸化水素5mlを加
え、ヒーター上で加熱し、全量が2〜3mlになるまで
濃縮する。
【0052】これを再び冷却し、純水で500mlと
し、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析(特性
波長213.618nm)によって定量すればよい。こ
のようにして求めた定量結果をもとに、リンに対する金
属元素のモル比を算出することができる。この比が0.
9未満の場合には、押出や成形加工時に気泡の混入や発
泡が起こりやすくなり、バリヤー性ポリアミドタンク
収率が低下する懸念がある。また、この比が10.0を
越えた場合には、伸度の低下が著しくなる恐れがある。
【0053】本発明のポリアミド成形品は、アパタイト
型化合物を含有し、ポリアミドとアパタイト型化合物の
界面が極めて良好に固着、接着しているポリアミド樹脂
組成物からなるという特徴を持つ。アパタイト型化合物
の合成は、例えば水酸アパタイトを例にとると、一般的
には、水酸化カルシウムとリン酸などとを約PH8の水
溶液中で反応させる湿式法、リン酸一水素カルシウムな
どを約200℃、15気圧の高温高圧条件下で行う水熱
法などが用いられているが、このアパタイト型化合物の
合成条件はポリアミドの重合条件に、非常に似通ってい
る。
【0054】本発明者らは、この点に着目した。すなわ
ち本発明のポリアミド成形品に用いるポリアミド組成物
は、ポリアミドの形成成分とアパタイトの形成成分を混
合し、ポリアミドの重合する過程のいずれかの段階で、
アパタイト型化合物の合成も行い、得られたものであ
る。このようにすることで、重合されていくポリアミド
と合成されていくアパタイト型化合物との両者間に、イ
オン結合反応、吸着反応あるいはグラフト化反応などの
物理的、化学的相互作用が起こり、アパタイト型化合物
粒子の内部や表面部に、ポリアミド形成成分(原料)や
ポリアミド成分が取り込まれる。
【0055】これら反応生成物(有機物)を介して合成
されたアパタイト型化合物は、マトリックスであるポリ
アミド中に、均一かつ微細に分散し、またポリアミドと
アパタイト型化合物との界面は、驚くべきほど良好に固
着、接着する。このため、得られるポリアミドタンク
は、従来にない優れたガスバリヤー性を有すると同時
に、優れた剛性、強度および伸度を発揮するのである。
【0056】本発明のポリアミド樹脂組成物のマトリッ
クスであるポリアミドはフェノール溶媒に溶出するのに
対して、前記反応生成物(有機物)はフェノール溶媒に
溶出・溶解しないという性質を有する。すなわち、フェ
ノール溶媒で溶出・溶解させても、溶出・溶解せず、前
記有機物はアパタイト型化合物と共に残存する。本発明
では、アパタイト型化合物に残存する前記フェノール溶
媒に不溶な有機物は、アパタイト型化合物100重量部
あたり、0.5〜100重量部であることが必要であ
る。
【0057】より好ましくは、1〜100重量部、更に
は3〜100重量部、特に好ましくは4〜50重量部で
ある。前記有機物が、アパタイト型化合物100重量部
あたり0.5重量部未満の場合には、得られるバリヤー
性ポリアミド成形品の伸度の低下が大きくなる恐れがあ
る。また100重量部を越えた場合には、成形加工性が
劣ることになる懸念がある。
【0058】本発明の前記有機物は、ポリアミド形成成
分および/またはポリアミドがアパタイトと物理的、化
学的相互作用の結果、形成されるものであり、フェノー
ル溶媒に溶出し得ない性質を有するが、特にマトリック
スであるポリアミドとの固着、接着性がより向上する点
から、前記有機物の少なくとも一部はポリアミドである
ことが好ましい。また、前記有機物には、水が含有され
てもかまわない。
【0059】前記有機物は、分離したアパタイト型化合
物を、例えば熱分解ガスクロマトグラフィーおよび該熱
分解成分のマススペクトル(MS)を測定することによ
り確認できる。また、分離したアパタイト型化合物の赤
外吸収スペクトル、核磁気共鳴(NMR)によっても確
認することができる。本発明者らの検討によれば、本発
明における前記有機物は、熱分解ガスクロマトグラフィ
ーおよび該分解成分のマススペクト(MS)や赤外吸収
スペクトルの測定結果から、ポリアミド形成成分、ポリ
アミド、あるいはこれらの反応生成物である。
【0060】有機物の同定は、ポリアミド樹脂組成物あ
るいはバリヤー性ポリアミド成形品を90重量%フェノ
ール水溶液で溶出した後、分離したアパタイト型化合物
の熱分解成分の中に、ポリアミド形成成分やポリアミド
などの熱分解成分と一致する特徴的な成分の存在を確認
することにより行うことができる。
【0061】例えば、ポリアミド形成成分としてアジピ
ン酸・ヘキサメチレンジアミン塩を用いた場合を例にと
ると、得られたポリアミド樹脂組成物あるいはバリヤー
性ポリアミド成形品を90重量%フェノール水溶液で溶
出した後、分離したアパタイト型化合物の550℃の熱
分解成分に、シクロペンタノンを確認できれば、前記有
機物がアジピン酸を含有することを示し、またアジポニ
トリルを確認できれば、前記有機物がヘキサメチレンジ
アミンを含有することを示している。また、熱分解成分
にシクロペンタノンとアジポニトリルとを同時に確認で
きれば、前記有機物がポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン66)を含有することを示している。
【0062】本発明の前記有機物の量は、具体的には、
以下のような(a)アパタイト型化合物の分離操作、
(b)分離したアパタイト型化合物の熱減量率の測定、
(c)熱分解成分の測定による有機物の定量、を行うこ
とによって求めることができる。
【0063】(a)アパタイト型化合物の分離操作:ポ
リアミド樹脂組成物あるいはバリヤー性ポリアミド成形
品10gを秤量し、90重量%フェノール200mlと
混合し、40℃で2時間攪拌し、遠心分離器を用いて分
離操作を行い、上澄み溶媒を除去する。さらに200m
lのフェノールを加え、以後同様な溶解操作と遠心分離
器を用いた分離操作を4回繰り返し行う。引き続き、9
9.5重量%エタノール200mlを加えて、23℃で
2時間攪拌し、遠心分離器を用いて分離操作を行い、上
澄み溶媒を除去する。この操作をさらに4回繰り返した
後、減圧乾燥器中で乾燥し、アパタイト型化合物を得
る。
【0064】(b)分離したアパタイト型化合物の熱減
量率(X(重量部/アパタイト型化合物100重量
部))の測定:得られたアパタイト型化合物5〜15m
gを秤量し、熱重量分析(TGA)装置により、30℃
から550℃まで99.9℃/minで昇温後、550
℃で1時間保持する。30℃における初期重量(W0
と、550℃で1時間保持した後の最終重量(W1)を
用いて、下式に熱減量率Xを算出できる。 熱減量率X(重量部/アパタイト型化合物100重量
部)=(W0−W1)×100/W1
【0065】(c)熱分解成分の測定による有機物の定
量:前記(a)により得られたアパタイト型化合物を1
〜10mg秤量し、熱分解ガスクロマトグラフィーによ
り、熱分解温度550℃、カラム温度50〜320℃
(昇温速度20℃/min)の条件下で測定する。得ら
れた熱分解ガスクロマトグラフィーのパイログラムを、
保持時間2min未満と2min以上に分けそのピーク
面積を算出する。2min以下の成分は二酸化炭素など
の低分子量成分であるため、この低分子量成分を全体か
ら差し引き、有機物の量とした。具体的には、それぞれ
の面積Sa(2min未満)とSb(2min以上)を
算出し、前記(b)の熱減量率Xを用いて、下式にて有
機物の量を算出する。 有機物の量(重量部/アパタイト型化合物100重量
部)=X・Sb/(Sa+Sb)
【0066】本発明のアパタイト型化合物の平均粒子径
は、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.1μm
以下である。本発明における平均粒子径は、電子顕微鏡
写真法により求めることができ、該平均粒子径は次のよ
うにして算出することができる。すなわち、ポリアミド
樹脂組成物あるいはバリヤー性ポリアミド成形品から切
り出した超薄切片の透過型電子顕微鏡(TEM:写真倍
率2.5万倍)を撮影し、アパタイト型化合物の粒子径
i、粒子数niを求め、次式により平均粒子径を算出す
る。 平均粒子径=Σdi・ni/Σni この場合、粒子径が球状とみなせない場合には、その短
径と長径を測定し、両者の和の1/2を粒子径とする。
また、平均粒子径の算出には最低2000個の粒子径を
測定する。
【0067】本発明のバリヤー性ポリアミドタンク
は、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で通常
のポリアミドに用いられる充填剤、例えばガラス繊維や
炭素繊維などの無機繊維、マイカ、タルク、粘土鉱物、
アルミナ、シリカなどの無機フィラー、三酸化アンチモ
ン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸
亜鉛、すず酸亜鉛、ヒドロキシすず酸亜鉛、ポリリン酸
アンモニウム、シアヌル酸メラミン、サクシノグアナミ
ン、ポリリン酸メラミン、硫酸メラミン、フタル酸メラ
ミン、芳香族系ポリフォスフェート、複合ガラス粉末な
どの難燃剤、チタンホワイトなどの顔料や着色剤、亜リ
ン酸ソーダやヒンダードフェノールに代表される熱安定
剤、ステアリン酸やパラフィンワックスなどの滑剤、種
々の可塑剤、耐候性向上剤や帯電防止剤などの各種添加
剤をポリアミドタンク製造の任意の段階で加えることが
できる。
【0068】さらに必要に応じて、本発明の目的を損な
わない範囲で通常ポリアミドにブレンドされる熱可塑性
樹脂やエラストマー、例えばポリブタジエン、ブタジエ
ン−スチレン共重合体、アクリルゴム、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体、天然ゴムおよびこれらの無水マレイン酸などによる
酸変性物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレ
ン−フェニルマレイミド共重合体、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレ
ートなどのポリエステル樹脂、他のポリアミド樹脂、芳
香族ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、
ポリフェニレンスルフィド樹脂、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂などをポリアミドタンク製造の任意の段階で加
えても良い。またこれらの樹脂とポリアミドを混合する
場合、2種以上組み合わせて用いても良い。
【0069】これらの樹脂とポリアミドを混合する場
合、ポリアミドと非相溶性の組み合わせの場合には、相
溶化剤を配合することができる。このような相溶化剤と
しては、従来公知のものを広く使用することができる。
【0070】本発明のポリアミドタンクを得るために
、射出成形、ブロー成形、射出ブロー成形等の方法に
よって製造する。例えば、ポリアミドタンクを構成する
組成物ペレットを窒素雰囲気下100℃で24時間乾燥
した後、そのまま射出成形機にて成形する方法、射出成
形の際ガスを同時に充填するガスインジェクション射出
成形等の射出成形による方法があり、また、中空成形機
を用いて中空体を成形する方法等が例示できる。
【0071】このような方法により成形されるポリアミ
ドタンクとしては、例えば、便座用温水タンクなどの各
種温水タンクなどのような日用品、ガソリンタンク、ア
ルコールタンク、クラッチオイルタンク、フレオンタン
ク等の単層成形品や多層成形品を例示できる。
【0072】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を越え
ない限り、以下の実施例に制限されるものではない。な
お、以下の実施例、比較例において記載した物性評価
は、以下のように行った。
【0073】1.ポリアミド形成成分とアパタイト型化
合物形成成分の特性 (1−1)アパタイト型化合物形成成分の含有量(重量
%) ポリアミド形成成分とアパタイト型化合物形成成分の配
合量から算出した。 (1−2)アパタイト型化合物形成成分のリンに対する
金属元素のモル比 アパタイト型化合物形成成分の配合量とその分子量か
ら、リンに対する金属成分のモル比を算出した。
【0074】2.ポリアミド樹脂組成物の特性 (2−1)重量平均分子量(Mw) ゲルパーミッショクロマトグラフィー(GPC)により
求めた。装置は東ソー(株)製HLC−8020、検出
器は示差屈折計(RI)、溶媒はヘキサフルオロイソプ
ロパノール(HFIP)、カラムは東ソー(株)製TS
Kgel−GMHHR−Hを2本とG1000HHRを
1本用いた。溶媒流量は0.6ml/min、サンプル
濃度は、1〜3(mgサンプル)/1(ml溶媒)であ
り、フィルターでろ過し、不溶分を除去し、測定試料と
した。得られた溶出曲線をもとに、ポリメタクリル酸メ
チル(PMMA)換算により、重量平均分子量(Mw)
を算出した。
【0075】(2−2)アパタイト型化合物の含有量の
定量(重量%) ポリアミド樹脂組成物やバリヤー性ポリアミド成形品を
100±20℃で8時間乾燥し冷却する。組成物を白金
皿に1g秤量し、650±20℃の電気炉で灰化し、冷
却後、その重量を秤り、アパタイト型化合物の含有量を
定量した。
【0076】(2−3)リンに対する金属元素のモル比 (a)金属元素の定量:以下、金属元素としてカルシウ
ムの場合につき説明するが、他の金属元素についても同
様にして求めることができる。ポリアミド樹脂組成物や
バリヤー性ポリアミド成形品0.5gを白金皿に秤量
し、500℃電気炉で炭化する。冷却後、塩酸5mlお
よび純水5mlを加えヒーター上で煮沸溶解する。再び
冷却し、純水を加え500mlとした。装置はTher
mo JarrellAsh製IRIS/IPを用い
て、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析によ
り、波長317.933nmにて定量した。
【0077】(b)リンの定量:ポリアミド樹脂組成物
やバリヤー性ポリアミド成形品0.5gを秤量し濃硫酸
を20ml加え、ヒーター上で湿式分解した。冷却後、
過酸化水素5mlを加え、ヒーター上で加熱し、全量が
2〜3mlになるまで濃縮した。再び冷却し、純水で5
00mlとした。装置はThermo Jarrell
Ash製IRIS/IPを用いて、高周波誘導結合プラ
ズマ(ICP)発光分析により、波長213.618
(nm)にて定量した。
【0078】(2−4)有機物量(重量部/アパタイト
型化合物100重量部) (a)アパタイト型化合物の分離操作:ポリアミド樹脂
組成物やバリヤー性ポリアミド成形品10gを秤量し、
90重量%フェノール200mlと混合し、40℃で2
時間攪拌し、遠心分離器〔国産遠心器(株)製H103
RLH〕を用いて20000rpmで1時間、分離操作
を行い、上澄み溶媒を除去した。さらに200mlのフ
ェノールを加え、以後同様な溶解操作と遠心分離器を用
いた分離操作を4回繰り返し行った。引き続き、99.
5重量%エタノール200mlを加えて、23℃で2時
間攪拌し、遠心分離器を用いて20000rpmで1時
間、分離操作を行い、上澄み溶媒を除去する。この操作
をさらに4回繰り返した後、減圧乾燥器中で80℃で1
2時間乾燥し、目的のアパタイト型化合物を得た。
【0079】(b)分離したアパタイト型化合物の熱減
量率(X(重量部/アパタイト型化合物))測定:(2
−4)の(a)で得られたアパタイト型化合物10mg
を秤量し、熱重量分析(TGA)装置により熱減量率X
を求めた。装置は島津製作所製TGA−50、温度条件
としては、30℃から550℃まで99.9℃/min
で昇温後、550℃で1時間保持した。30℃における
初期重量(W0)と、550℃で1時間保持した後の最
終重量(W1)を用いて、下式により、有機物量を算出
した。 熱減量率X(重量部/アパタイト型化合物100重量
部)=(W0−W1)×100/W1
【0080】(c)有機物の定量:(2−4)の(a)
で得たアパタイト型化合物を3mg秤量し、以下の条件
で熱分解クロマトグラフィー(GC)および熱分解GC
/MSのパイログラムを得た。 ・熱分解 装置:フロンティア社ダブルショットパイロライザーP
Y−2010D 熱分解温度:550℃
【0081】・ガスクロマトグラフィー(GC) 装置:HEWLETT PACKARD社製HP−58
90 カラム:J&W社製DURABOND DB−1(0.
25mmI.D.×30m、膜厚0.25μm) カラム温度:50℃→320℃(昇温速度20℃/mi
n) 注入口温度:320℃ 検出器温度:320℃
【0082】・マススペクトル(MS) 装置:JEOL社製 AutoMS SystemII イオン化:EI(70V) 測定質量範囲:m/z=10〜400 温度:200℃
【0083】得られた熱分解GCのパイログラムを、保
持時間2min未満と2min以上に分け、それぞれの
のピーク面積Sa(2min未満)とSb(2min以
上)を算出し、(2−4)の(b)で求めた熱減量率X
を用いて、下式にて有機物の量を算出した。 有機物の量(重量部/アパタイト型化合物100重量
部)=X・Sb/(Sa+Sb) また、マススペクトル(MS)から熱分解成分の同定を
行った。
【0084】(2−5)赤外吸収スペクトル (2−4)の(a)で得たアパタイト型化合物の赤外吸
収スペクトルを測定した。装置はPerkin Elm
er社製 1640、分解能は4cm-1で測定した。
【0085】(2−6)X線回折によるアパタイト型化
合物の生成の確認 (2−4)の(a)で得たアパタイト型化合物のX線回
折を測定した。測定条件は以下のとうりである。 X線:銅Kα 波数:1.542Å 管電圧:40KV 管電流:200mA 走査速度:4deg./min 発散スリット:1deg. 散乱スリット:1deg. 受光スリット:0.15mm
【0086】3.射出成形品の作製および物性 成形品は、射出成形機を用いて作成した。装置は日精樹
脂(株)製PS40E、シリンダー温度280℃、金型
温度80℃に設定し、射出17秒、冷却20秒のサイク
ルで行った。 (3−1)曲げ弾性率および曲げ強度(MPa) ASTM D790に準じて行った。 (3−2)引張り強度(MPa)および引張伸度(%) ASTM D638に準じて行った。
【0087】4.バリヤー性の評価 (4−1)フレオンに対するバリヤー性 測定試料には得られた成形品を構成する組成物ペレット
を以下の条件で押出成形し、外径が1/2インチで、厚
みが1mmのチューブを使用した。 押出し成形条件 押出し成形機:(株)日本製鋼所 スクリュー径:30mm シリンダー設定温度:C1/C2/C3/ダイ=270
℃/280℃/280℃/280℃ 冷却条件:水溶式、水温15℃
【0088】次に前記チューブを300mmの長さに切
断し、これをブレードで補強した(フレオン注入後にチ
ューブが加圧となるため)。このチューブにフレオンR
−22(ダイキン工業(株)製、ダイフロン22)を充
満するまで注入し、密封した。なおこの注入は、−40
℃で行い常温に戻し、チューブに付着した水分をふき取
り、さらに100℃で24時間乾燥させて付着水分を除
去した後の重量を初期値とした。次にこのフレオン注入
チューブについて23℃で2時間および100℃で24
時間の合計26時間の乾燥操作を10日以上繰り返して
1日の平均的な単位面積当たりのフレオン透過量を測定
した。
【0089】(4−2)水分に対するバリヤー性 前記バリヤー性試験で用いたものと同じチューブに塩化
カルシウム(水分吸収剤)を充満するまで充填し、密封
した。次にこのチューブを40℃で相対湿度90%の雰
囲気に10日以上放置し、1日の平均的な単位面積当た
りの水分透過量を測定した。
【0090】(4−3)ガソリンに対するバリヤー性 前記(4−1)と同様の組成物ペレット、高密度ポリエ
チレン(Hizex8200;三井石油化学工業(株)
製)および接着剤(アドマー;三井石油化学工業(株)
製)を用い、Hizex8200(外装)・アドマー
(中間層)・成形品用材料(内装)=0.6mm厚/
0.2mm厚/0.1mm厚、から構成される直径60
mm、長さ200mmの内容積約500ccのボトルを
三層ブロー成形機により作成した。このボトルに250
ccのガソリンを注入し、密閉して60℃の雰囲気下に
12週間放置した。ボトル全体の重量減少から1日当た
りの平均的な単位面積当たりのガソリン透過量を測定し
た。
【0091】
【実施例】実施例1 ポリアミド形成成分として、1.5Kgのヘキサメチレ
ンジアミン・アジピン酸等モル固体塩を用いた。該固体
塩を50℃の純水1.5Kgに溶解し、水溶液として用
いた。アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径
10μmリン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO
4・2H2O)の25重量%懸濁液を600g(リン酸一
水素カルシウム二水和物:純水=150g:450
g)、および平均粒子径1.5μm重質炭酸カルシウム
(CaCO3)の25重量%懸濁液を232g(炭酸カ
ルシウム:純水=58g:174g)用いた。
【0092】該ポリアミド形成成分の水溶液とアパタイ
ト型化合物形成成分の懸濁液とを、5リットルのオート
クレーブ中に仕込み、50℃の温度下、よく攪拌した。
用いた成分の量から、アパタイト型化合物形成成分の含
有量は12.2重量%、リンに対する金属元素の比はモ
ル比にして1.67と算出される。十分窒素で置換した
後、温度を50℃から270℃まで昇温した。この際、
オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして1.77M
Paになるが、圧力が1.77MPa以上にならないよ
う水を系外に除去しながら加熱を1時間続けた。その後
加熱を止め、室温まで冷却し、オートクレーブを開け、
約1.5Kgのポリマーを取出し、粉砕機により粉砕
し、80℃の窒素気流中で24時間乾燥した。該粉砕ポ
リマーを用いて、評価用成形品を作製した。
【0093】該評価用成形品を用いて求めた重量平均分
子量(Mw)は36000であり、灰化による測定か
ら、アパタイト型化合物の含有量は10.2重量%であ
った。さらに高周波誘導結合プラズマ発光分析によるカ
ルシウムとリンの定量の結果、リンに対するカルシウム
のモル比は1.67と算出された。透過型顕微鏡の観察
結果から、アパタイト型化合物の平均粒子径は0.32
μmであった。90重量%フェノール水溶液を用いた溶
出・分離操作により得られたアパタイト型化合物の広角
X線回折の測定結果を図3に示す。この図からわかるよ
うに、結晶性アパタイト型化合物の生成を確認できる。
【0094】また該溶出・分離操作により得られたアパ
タイト型化合物は、熱重量分析による熱減量率Xが6.
38(重量部/アパタイト型化合物100重量部)、熱
分解ガスクロマトグラフィー(GC)によるSb/(S
a+Sb)=0.80となり、有機物の量は5.1(重
量部/アパタイト100重量部)と算出された。また、
熱分解GC/マススペクトルの解析結果から、アパタイ
ト型化合物に残存する有機物の熱分解成分の1つとし
て、シクロペンタノンが確認された。さらに、赤外吸収
スペクトルの観察から、比較例1には見られない154
8cm-1に有機物の存在を示すピークが確認された。と
ころで、この該赤外吸収スペクトルには、1416cm
-1と1455cm-1に炭酸含有アパタイト型化合物であ
ることを示すピークが同時に確認された。得られたポリ
アミド成形品の物性測定結果を表1に示す。
【0095】比較例1 旭化成工業社製レオナ1300(ナイロン66)を9K
gと、平均粒子径25μmの太平化学産業(株)製ヒド
ロキシアパタイト1Kgを配合し、二軸押出機(東芝機
械(株)社製TEM35)にて温度280℃にて溶融混
練し、ノズルからストランド状に取り出した混練物を水
冷、カッティングし、ポリアミド樹脂組成物を得た。該
ポリアミド樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして
ポリアミド成形品を作製した。該ポリアミド成形品を用
いて求めた重量平均分子量は36000であった。
【0096】灰化による測定結果から、アパタイト型化
合物の含有量は10.1重量%であった。高周波誘導結
合プラズマ発光分析によるリンとカルシウムを定量した
結果、リンに対するカルシウムのモル比は1.66と算
出された。透過型顕微鏡の観察結果から、アパタイト型
化合物の平均粒子径は3.2μmであった。90重量%
フェノールを用いた溶出・分離操作により、得られたア
パタイト型化合物の広角X線回折結果を図5に示す。該
アパタイト型化合物は、熱重量分析による熱減量率Xが
2.50(重量部/アパタイト型化合物100重量
部)、熱分解GC/MSによるSb/(Sa+Sb)=
0.06となり、有機物の量は0.15(重量部/アパ
タイト型化合物100重量部)と算出された。
【0097】熱分解GC/マススペクトルの解析結果か
ら、アパタイト型化合物に存在する有機物の熱分解成分
は、ポリアミド形成成分(ヘキサメチレンジアミンおよ
びアジピン酸)、ポリヘキサメチレンアジパミドの熱分
解成分と一致するものは確認できなかった。また、赤外
吸収スペクトルは、配合したアパタイト型化合物である
太平化学産業(株)製ヒドロキシアパタイトとほぼ同じ
スペクトルであり、有機物の存在を示すピークを確認す
ることができなかった。得られたポリアミド成形品の物
性測定結果を表1に示す。
【0098】参照例1 比較例1に用いた太平化学産業社製ヒドロキシアパタイ
ト(リンに対するカルシウムのモル比1.67)を、減
圧条件下、80℃で乾燥後、熱重量分析の測定の結果、
熱減量率Xは2.23(重量/アパタイト型化合物10
0重量部)であった。熱分解GCの2分以上のパイログ
ラムには、ピークは全く検出されず、Sb/(Sa+S
b)=0.0となり、有機物の量は0.0(重量部/ア
パタイト型化合物100重量部)と算出された。
【0099】実施例2 ポリアミド形成成分として、ヘキサメチレンジアミン・
アジピン酸等モル固体塩1.2Kgと、ヘキサメチレン
ジアミン・イソフタル酸等モル固体塩0.3Kgとを用
いた。該固体塩に純水1.5Kgに加え溶解し、水溶液
として用いた以外は、実施例1と同様にして行った。得
られたポリアミド成形品の物性測定結果を表1に示す。
【0100】実施例3 ポリアミド形成成分として、ヘキサメチレンジアミン・
ドデカン酸等モル固体塩1.5Kgを用いた。該固体塩
に純水1.5Kgに加え溶解し、水溶液として用いた以
外は、実施例1と同様にして粉砕ポリマーを得た。該粉
砕ポリマーを用いて、ポリアミド成形品を作製した。得
られたポリアミド成形品の物性測定結果を表1に示す。
【0101】実施例4 ポリアミド形成成分として、ヘキサメチレンジアミン・
アジピン酸等モル固体塩1.2Kgと、ε−カプロラク
タム0.3Kgとを用いた。該固体塩に純水1.5Kg
に加え溶解し、水溶液として用いた以外は、実施例1と
同様にして行った。得られたポリアミド成形品の物性測
定結果を表1に示す。
【0102】実施例5 ポリアミド形成成分として、ε−カプロラクタム2.0
Kgを用いた。純水1.0Kgに溶解し、水溶液として
用いた。アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子
径10μmリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量
%懸濁液を600g(リン酸一水素カルシウム二水和
物:純水=150g:450g)、および平均粒子径
1.5μm重質炭酸カルシウムの25重量%懸濁液を2
32g(炭酸カルシウム:純水=58g:174g)用
いた。該ポリアミド形成成分とアパタイト型化合物形成
成分とを、5リットルのオートクレーブ中に仕込み、8
0℃の温度下、よく攪拌した。
【0103】次いで温度を260℃に上昇させ、1.4
7MPaの加圧下で1時間撹拌した。その後放圧し、水
分をオートクレーブから除去しながら、常圧下、260
℃で2時間反応を行い、さらに400mmHgの減圧下
で1時間反応させた。反応終了後、底部ノズルから生成
物をストランド状に取り出し、水冷、カッティングを行
いペレットを得た。得られたペレットを80℃の窒素気
流中で24時間乾燥した。該ペレットを用いて、ポリア
ミド成形品を作製した。得られたポリアミド成形品の物
性測定結果を表1に示す。
【0104】実施例6 ポリアミド形成成分としてヘキサメチレンジアミン・ア
ジピン酸等モル固体塩3.0Kgを用いた。アパタイト
型化合物形成成分として平均粒子径10μmのリン酸一
水素カルシウム二水和物を200g用いた。ポリアミド
形成成分とアパタイト型化合物形成成分とをヘンシェル
ミキサーで良く攪拌し、5リットルのオートクレーブ中
に仕込んだ。アパタイト型化合物形成成分の含有量は
6.3(重量%)、リンに対する金属元素の比はモル比
にして1.00と算出される。十分窒素で置換した後、
圧力をゲージ圧にして0.49MPaに設定し、温度を
室温から190℃まで昇温し、その状態を2時間保っ
た。
【0105】この際オートクレーブ内の圧力は、ゲージ
圧にして1.47MPaになる。引き続き圧力を0.0
49MPaまで減圧し、温度を240℃に昇温し、その
状態を8時間保った。この一連の操作において、圧力を
0.049MPaに保つために、生成する水は分縮器に
より除去した。冷却後、オートクレーブを開け、ポリマ
ーを取出し粉砕した。粉砕したポリマーは、80℃の窒
素気流中で24時間乾燥した。その後、小型2軸押出機
(東洋精機(株)製ラボプラストミルME型)を用い
て、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数70r
pm、押出レート4Kg/hrの条件でペレットにし
た。
【0106】該ペレットを用いて実施例1と同様にして
ポリアミド成形品を作製した。得られたペレットは80
℃の窒素気流中で24時間乾燥した。得られたペレット
の重量平均分子量は210000であった。灰化による
測定結果から、アパタイト型化合物の含有量は5.2重
量%であった。高周波誘導結合プラズマ発光分析による
カルシウムとリンの定量の結果、リンに対するカルシウ
ムのモル比は1.01と算出された。透過型顕微鏡の観
察結果からアパタイト型化合物の平均粒子径は0.25
μmであった。90重量%のフェノール水溶液を用いた
溶出・分離操作により得られたアパタイト型化合物のX
線回折結果を図4に示す。この図からアパタイト型化合
物の生成を確認できる。
【0107】熱重量分析による熱減量率Xは5.67
(重量部/アパタイト100重量部)、熱分解GCによ
るSb/(Sa+Sb)が0.72となり、有機物の量
は4.1(重量部/アパタイト100重量部)と算出さ
れた。熱分解GC/マススペクトルの解析結果から、ア
パタイト型化合物の熱分解成分に、アジポニトリルが確
認された。また、赤外吸収スペクトルの観察から、16
50cm-1に有機物の存在を示すピークが確認された。
得られたポリアミド成形品の物性測定結果を表2に示
す。
【0108】実施例7 アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径10μ
mのリン酸一水素カルシウム二水和物100gを用いる
以外は、実施例6と同様にして行った。得られたポリア
ミド成形品の重量平均分子量は520000であった。
灰化による測定結果から、アパタイト型化合物の含有量
は2.5重量%であった。得られたポリアミド成形品の
物性測定結果を表2に示す。
【0109】比較例2 アパタイト型化合物形成成分として平均粒子径10μm
のリン酸一水素カルシウム二水和物10.5gを用いる
以外は、実施例6と同様にして行った。アパタイト型化
合物形成成分の含有量は0.35重量%、リンに対する
カルシウムのモル比は1.00と算出される。得られ
リアミド成形品の重量平均分子量は、70000であ
った。灰化による測定結果から、アパタイトの含有量は
0.21重量%であった。高周波誘導結合プラズマ発光
分析によるカルシウムとリンの定量の結果、リンに対す
るカルシウムのモル比は0.95と算出された。得られ
たバリヤー性ポリアミド成形品の物性測定結果を表2に
示す。
【0110】比較例3 ポリアミド樹脂として、それぞれナイロン6(宇部興産
(株)社製:SF1022)のみを用いて、ポリアミド
成形品を作製した。得られたポリアミド成形品の物性測
定結果を表2に示す。
【0111】参照例2 ヘキサメチレンジアミン・アジピン酸等モル固体塩1.
5Kgを純水1.5Kgに溶解した水溶液を3Kgの
み、すなわちポリアミド形成成分のみを、5リットルの
オートクレーブ中に仕込んだ。以後操作は実施例1と同
様な方法で行った。得られたポリアミド成形品の重量平
均分子量は35000であった。得られたポリアミド成
形品の物性測定結果を表2に示す。
【0112】実施例8 ポリアミド形成成分として、1.0Kgのヘキサメチレ
ンジアミン・アジピン酸等モル固体塩を用いた。該固体
塩を50℃の純水1.0Kgに溶解し、水溶液として用
いた。アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径
10μmリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%
懸濁液を1.0Kg(リン酸一水素カルシウム二水和
物:純水=250g:750g)、および平均粒子径
1.5μm重質炭酸カルシウムの25重量%懸濁液を3
87g(炭酸カルシウム:純水=97g:290g)用
いた。該ポリアミド形成成分とアパタイト型化合物形成
成分とを、5リットルのオートクレーブ中に仕込み、5
0℃の温度下、よく攪拌した。
【0113】アパタイト型化合物形成成分の含有量は2
5.8重量%、リンに対する金属元素の比はモル比にし
て1.67と算出される。十分窒素で置換した後、温度
を50℃から270℃まで昇温した。この際、オートク
レーブ内の圧力は、ゲージ圧にして1.77MPaにな
るが、圧力が1.77MPa以上にならないよう水を系
外に除去しながら加熱を1時間続けた。その後加熱を止
め、室温まで冷却し、オートクレーブを開け、ポリマー
を取り出し、粉砕機により粉砕し、80℃の窒素気流中
で24時間乾燥した。
【0114】得られたポリマーを用いて、実施例1と同
様にしてポリアミド成形品を作製した。ポリアミド成形
品の重量平均分子量は35000であった。灰化による
測定結果から、アパタイト型化合物の含有量は22.3
重量%であった。高周波誘導結合プラズマ発光分析によ
るカルシウムとリンの定量の結果、リンに対するカルシ
ウムのモル比は1.67と算出された。得られたポリア
ミド成形品の物性測定結果を表3に示す。
【0115】実施例9 ポリアミド形成成分として、750のヘキサメチレン
ジアミン・アジピン酸等モル固体塩を、50℃の純水7
50gに溶解した水溶液を用いた。アパタイト型化合物
形成成分として、平均粒子径10μmリン酸一水素カル
シウム二水和物の25重量%懸濁液を1.5Kg(リン
酸一水素カルシウム二水和物:純水=375g:112
5g)、および平均粒子径1.5μm重質炭酸カルシウ
ムの25重量%懸濁液を580g(炭酸カルシウム:純
水=145g:435g)用いた。
【0116】該ポリアミド形成成分とアパタイト型化合
物形成成分とを、5リットルのオートクレーブ中に仕込
み、50℃の温度下、よく攪拌した。アパタイト型化合
物形成成分の含有量は40.9重量%と算出される。以
後の操作は実施例8と同様にして行った。得られたポリ
アミド成形品の重量平均分子量は32000であった。
灰化による測定結果から、アパタイト型化合物の含有量
は39.1(重量%)であった。得られた成形品の物性
測定結果を表3に示す。
【0117】比較例4 ポリアミド形成成分として、400gのヘキサメチレン
ジアミン・アジピン酸等モル固体塩を、50℃の純水4
00gに溶解した水溶液を用いた。アパタイト型化合物
形成成分として、平均粒子径10μmリン酸一水素カル
シウム二水和物の25重量%懸濁液を2.0Kg(リン
酸一水素カルシウム二水和物:純水=500g:150
0g)、および平均粒子径1.5μm重質炭酸カルシウ
ムの25重量%懸濁液を772g(炭酸カルシウム:純
水=193g:579g)用いた。
【0118】該ポリアミド形成成分とアパタイト型化合
物形成成分とを、5リットルのオートクレーブ中に仕込
み、50℃の温度下、よく攪拌した。アパタイト型化合
物形成成分の含有量は63.4重量%と算出される。以
後の操作は実施例12と同様にして行った。オートクレ
ーブから取出し、粉砕・乾燥したポリマーの重量平均分
子量は14000であった。灰化による測定結果から、
アパタイト型化合物の含有量は61.2重量%であっ
た。該ポリマーを二軸押出機を用いて、ペレット化する
ことを試みたが、押出時のストランドが極めて不安定な
状態であり、ペレットとして得ることができなかった。
また成形品も得ることができなかった。
【0119】実施例10 ポリアミド形成成分として、1.5Kgのヘキサメチレ
ンジアミン・アジピン酸等モル固体塩を用いた。該固体
塩を50℃の純水1.5Kgに溶解し、水溶液としてを
用いた。アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子
径10μmリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量
%懸濁液を600g(リン酸一水素カルシウム二水和
物:純水=150g:450g)、および平均粒子径
1.5μm重質炭酸カルシウムの25重量%懸濁液を2
32g(炭酸カルシウム:純水=58g:174g)用
いた。該ポリアミド形成成分とアパタイト型化合物形成
成分とを、5リットルのオートクレーブ中に仕込み、さ
らに分子量調節剤として、酢酸(CH3COOH)4.
5gを添加し、50℃の温度下、よく攪拌した。
【0120】十分窒素で置換した後、温度を50℃から
270℃まで昇温した。この際、オートクレーブ内の圧
力は、ゲージ圧にして1.77MPaになるが、圧力が
1.77MPa以上にならないよう水を系外に除去しな
がら加熱を1時間続けた。その後、1時間かけ、圧力を
大気圧まで下げ、底部よりストランド状でポリマーを抜
き出し、水冷、カッティングし、ペレットにした。得ら
れたポリマーの重量平均分子量は12500であった。
このポリマーを10リットルのタンブラー型の反応器に
入れ、200℃の温度下、5リットル/minの窒素を
常時流通させながら8時間保持した。冷却後、ポリマ−
を取出した。得られたポリマーの重量平均分子量は42
000であった。該ポリマーを用いて、実施例1と同様
にしてポリアミド成形品を作製した。得られたポリアミ
ド成形品の物性測定結果を表4に示す。
【0121】実施例11 ポリアミド形成成分として、1.5Kgのヘキサメチレ
ンジアミン・アジピン酸等モル固体塩を用いた。該固体
塩を50℃の純水1.5Kgに溶解し、水溶液として用
いた。アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径
10μmリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%
懸濁液を600g(リン酸一水素カルシウム二水和物:
純水=150g:450g)、および平均粒子径1.5
μm重質炭酸カルシウムの25重量%懸濁液を232g
(炭酸カルシウム:純水=58g:174g)用いた。
該ポリアミド形成成分とアパタイト型化合物形成成分と
を、5リットルのオートクレーブ中に仕込み、さらに分
子量調節剤として、アジピン酸(COOH(CH24
OOH)9.7gを添加し、50℃の温度下、よく攪拌
した。十分窒素で置換した後、温度を50℃から270
℃まで昇温した。
【0122】この際、オートクレーブ内の圧力は、ゲー
ジ圧にして1.77MPaになるが、圧力が1.77M
Pa以上にならないよう水を系外に除去しながら加熱を
1時間続けた。その後、1時間かけ、圧力を大気圧まで
下げ、底部よりストランド状でポリマーを抜き出し、水
冷、カッティングし、ペレットにした。得られたポリマ
ーの重量平均分子は14500であった。ニーダー型反
応器(プラスチック工学研究所製、プラボーBT−30
−S2−60−L(L/D=60))を用いて、290
℃の温度下、4Kg/hrの吐出量で押出した。得られ
たポリマーの重量平均分子量は37000であった。該
ポリマーを用いて、実施例1と同様にしてポリアミド成
形品を作製した。得られたポリアミド成形品の物性測定
結果を表4に示す。
【0123】実施例12 分子量調節剤として、酢酸の代わりに、ステアリルアミ
ン(CH3(CH216CH2NH2)20gを用いる以外
は、実施例10と同様にして行った。得られたポリアミ
ド成形品の物性測定結果を表4に示す。
【0124】実施例13 分子量調節剤として、酢酸の代わりに、アニリン(C6
5NH2)14gを用いる以外は、実施例11と同様に
して行った。得られたポリアミド成形品の物性測定結果
を表4に示す。
【0125】実施例14 アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径10μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
を600g(リン酸一水素カルシウム二水和物:純水=
150g:450g)、および平均粒子径1.5μm重
質炭酸カルシウムの25重量%懸濁液を104g(炭酸
カルシウム:純水=26g:78g)用いる以外は実施
例1と同様にして行った。アパタイト型化合物形成成分
の含有量は10.4重量%、リンに対する金属元素の比
はモル比にして1.30と算出される。得られたポリア
ミド成形品の重量平均分子量は38000であり、灰化
による測定から、アパタイト型化合物の含有量は9.2
重量%であった。さらに高周波誘導結合プラズマ発光分
析によるカルシウムとリンの定量の結果、リンに対する
カルシウムのモル比は1.28と算出された。得られた
ポリアミド成形品の物性測定結果を表5に示す。
【0126】実施例15 アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径10μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
を469g(リン酸一水素カルシウム二水和物:純水=
117g:351g)、および平均粒子径1.5μm重
質炭酸カルシウムの25重量%懸濁液を232g(炭酸
カルシウム:純水=58g:174g)用いる以外は実
施例1と同様にして行った。アパタイト型化合物形成成
分の含有量は10.4重量%、リンに対する金属元素の
比はモル比にして1.85と算出される。得られたポリ
アミド成形品の重量平均分子量は32000であり、灰
化による測定から、アパタイト型化合物の含有量は9.
3重量%であった。さらに高周波誘導結合プラズマ発光
分析によるカルシウムとリンの定量の結果、リンに対す
るカルシウムのモル比は1.88と算出された。得られ
たポリアミド成形品の物性測定結果を表5に示す。
【0127】実施例16 アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径10μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
を100g(リン酸一水素カルシウム二水和物:純水=
25g:75g)、および平均粒子径1.5μm重質炭
酸カルシウムの25重量%懸濁液を232g(炭酸カル
シウム:純水=58g:174g)用いる以外は実施例
1と同様にして行った。アパタイト型化合物形成成分の
含有量は5.2重量%、リンに対する金属元素の比はモ
ル比にして5.0と算出される。得られたポリアミド成
形品の重量平均分子量は26000であり、灰化による
測定から、アパタイト型化合物の含有量は4.3重量%
であった。さらに高周波誘導結合プラズマ発光分析によ
るカルシウムとリンの定量の結果、リンに対するカルシ
ウムのモル比は5.2と算出された。得られたポリアミ
ド成形品の物性測定結果を表5に示す。
【0128】実施例17 アパタイト型形成成分として、平均粒子径1.0μm無
水リン酸一水素カルシウム(CaHPO4)の25重量
%懸濁液を600g(無水リン酸一水素カルシウム:純
水=150g:450g)、および平均粒子径10μm
水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の25重量%懸濁
液を216g(水酸化カルシウム:純水=54g:16
2g)用いた以外は実施例1と同様にして行った。得ら
れたポリアミド成形品の物性測定結果を表6に示す。
【0129】実施例18 アパタイト型形成成分として、平均粒子径10μmリン
酸三カルシウム(Ca 3(PO42)の25重量%懸濁
液を600g(リン酸三カルシウム:純水=150g:
450g)、および平均粒子径10μm水酸化カルシウ
ムの25重量%懸濁液を60g(水酸化カルシウム:純
水=12g:48g)用いた以外は実施例1と同様にし
て行った。得られたポリアミド成形品の物性測定結果を
表6に示す。
【0130】実施例19 アパタイト型形成成分として、平均粒子径10μm二リ
ン酸二水素カルシウム(CaH227)の25重量%
懸濁液を600g(二リン酸二水素カルシウム:純水=
150g:450g)、および平均粒子径10μm水酸
化カルシウムの25重量%懸濁液を400g(水酸化カ
ルシウム:純水=100g:300g)用いた以外は実
施例1と同様にして行った。得られたポリアミド成形品
の物性測定結果を表6に示す。
【0131】実施例20 アパタイト型形成成分として、平均粒子径10μmリン
酸二水素カルシウム一水和物(Ca(HPO42・H2
O)の25重量%懸濁液を300g(リン酸二水素カル
シウム一水和物:純水=75g:225g)、および平
均粒子径1.5μm重質炭酸カルシウムの25重量%懸
濁液を288g(炭酸カルシウム:純水=72g:21
6g)用いた以外は実施例1と同様にして行った。得ら
れたポリアミド成形品の物性測定結果を表6に示す。
【0132】実施例21 アパタイト型形成成分として、平均粒子径10μm二リ
ン酸カルシウム(Ca227)の25重量%懸濁液を
600g(二リン酸カルシウム:純水=150g:45
0g)、および平均粒子径1.5μm重質炭酸カルシウ
ムの25重量%懸濁液を320g(炭酸カルシウム:純
水=80g:240g)用いた以外は実施例1と同様に
して行った。得られたポリアミド成形品の物性測定結果
を表6に示す。
【0133】実施例22 アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径10μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
を600g(リン酸一水素カルシウム二水和物:純水=
150g:450g)、平均粒子径1.5μm重質炭酸
カルシウムの25重量%懸濁液を220g(炭酸カルシ
ウム:純水=55g:165g)、および平均粒径5.
0μmフッ化カルシウム(CaF2)の25重量%懸濁
液を10g(フッ化カルシウム:純水=2.5g:7.
5g)を用いた以外は実施例1と同様にして行った。得
られたポリアミド成形品の物性測定結果を表7に示す。
【0134】実施例23 アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径10μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
を600g(リン酸一水素カルシウム二水和物:純水=
150g:450g)、平均粒子径1.5μm重質炭酸
カルシウムの25重量%懸濁液を176g(炭酸カルシ
ウム:純水=44g:132g)、および平均粒径5.
0μmフッ化カルシウム(CaF2)の25重量%懸濁
液を44g(フッ化カルシウム:純水=11g:33
g)を用いた以外は実施例1と同様にして行った。得ら
れたポリアミド成形品の物性測定結果を表7に示す。
【0135】実施例24 アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径10μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
を600g(リン酸一水素カルシウム二水和物:純水=
150g:450g)、平均粒子径1.5μm重質炭酸
カルシウムの25重量%懸濁液を200g(炭酸カルシ
ウム:純水=50g:150g)、および平均粒径5.
0μm塩化カルシウム(CaCl2)の25重量%懸濁
液を36g(塩化カルシウム:純水=9g:27g)を
用いた以外は実施例1と同様にして行った。得られたポ
リアミド成形品の物性測定結果を表7に示す。
【0136】実施例25 アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径10μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
を600g(リン酸一水素カルシウム二水和物:純水=
150g:450g)、平均粒子径1.5μm重質炭酸
カルシウムの25重量%懸濁液を200g(炭酸カルシ
ウム:純水=50g:150g)、および平均粒径10
μm炭酸ストロンチウム(SrCO3)の25重量%懸
濁液を248g(炭酸ストロンチウム:純水=12g:
36g)を用いた以外は実施例1と同様にして行った。
得られたポリアミド成形品の物性測定結果を表7に示
す。
【0137】実施例26 アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径10μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
を600g(リン酸一水素カルシウム二水和物:純水=
150g:450g)、平均粒子径1.5μm重質炭酸
カルシウムの25重量%懸濁液を200g(炭酸カルシ
ウム:純水=50g:150g)、および平均粒径10
μm炭酸バリヤーウム(BaCO3)の25重量%懸濁
液を64g(炭酸バリヤーウム:純水=16g:48
g)を用いた以外は実施例1と同様にして行った。得ら
れたポリアミド成形品の物性測定結果を表7に示す。
【0138】実施例27 アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径10μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
を540g(リン酸一水素カルシウム二水和物:純水=
135g:405g)、平均粒子径5.0μmリン酸マ
グネシウム第二・三水和物(MgHPO4・3H2O)の
25重量%懸濁液を60g(リン酸マグネシウム第二・
三水和物:純水=15g:45g)、平均粒子径10μ
m重質水酸化カルシウムの25重量%懸濁液を172g
(水酸化カルシウム:純水=43g:129g)、を用
いた以外は実施例1と同様にして行った。得られたポリ
アミド成形品の物性測定結果を表7に示す。
【0139】実施例28 アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径10μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
を600g(リン酸一水素カルシウム二水和物:純水=
150g:450g)、平均粒子径10μm水酸化カル
シウムの25重量%懸濁液を160g(水酸化カルシウ
ム:純水=40g:120g)、および平均粒径10μ
m塩化鉄(II)四水和物(FeCl2・4H2O)の25
重量%懸濁液を32g(塩化鉄(II)四水和物:純水=
8g:24g)を用いた以外は実施例1と同様にして行
った。得られたポリアミド成形品の物性測定結果を表8
に示す。
【0140】実施例29 アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径10μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
を600g(リン酸一水素カルシウム二水和物:純水=
150g:450g)、平均粒子径10μm水酸化カル
シウムの25重量%懸濁液を160g(水酸化カルシウ
ム:純水=40g:120g)、および平均粒径10μ
m塩化鉄(III)六水和物(FeCl3・6H2O)の2
5重量%懸濁液を44g(塩化鉄(III)六水和物:純
水=11g:33g)を用いた以外は実施例1と同様に
して行った。得られたポリアミド成形品の物性測定結果
を表8に示す。
【0141】実施例30 アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径10μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
を600g(リン酸一水素カルシウム二水和物:純水=
150g:450g)、平均粒子径10μm水酸化カル
シウムの25重量%懸濁液を160g(水酸化カルシウ
ム:純水=40g:120g)、および平均粒径10μ
mヨウ化銅(CuI)の25重量%懸濁液を32g(ヨ
ウ化銅:純水=8g:24g)を用いた以外は実施例1
と同様にして行った。得られたポリアミド成形品の物性
測定結果を表8に示す。
【0142】実施例31 アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径25.
0μmリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸
濁液を600g(リン酸一水素カルシウム二水和物:純
水=150g:450g)、平均粒子径1.5μm重質
炭酸カルシウムの25重量%懸濁液を232g(炭酸カ
ルシウム:純水=58g:174g)を用いた以外は実
施例1と同様にして行った。ポリアミド成形品の透過型
顕微鏡の観察結果から、アパタイト型化合物の平均粒子
径は0.52μmであった。得られたポリアミド成形品
の物性測定結果を表9に示す。
【0143】実施例32 アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径75.
0μmリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸
濁液を600g(リン酸一水素カルシウム二水和物:純
水=150g:450g)、平均粒子径1.5μm重質
炭酸カルシウムの25重量%懸濁液を232g(炭酸カ
ルシウム:純水=58g:174g)を用いた以外は実
施例1と同様にして行った。ポリアミド成形品の透過型
顕微鏡の観察結果から、アパタイト型化合物の平均粒子
径は0.88μmであった。得られたポリアミド成形品
の物性測定結果を表9に示す。
【0144】実施例33 アパタイト型化合物形成成分である平均粒子径3.0μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
と、平均粒子径0.25μm重質炭酸カルシウムの25
重量%懸濁液を、それぞれ、40℃の温度下、超音波処
理を30分間行った以外は、実施例1と同様にして行っ
た。得られたポリアミド成形品の物性測定結果を表10
に示す。
【0145】実施例34 アパタイト型化合物形成成分である平均粒子径3.0μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
と、平均粒子径0.25μm重質炭酸カルシウムの25
重量%懸濁液を、それぞれ、60℃の温度下、ホモジナ
イダーによる処理を10分間行った以外は、実施例1と
同様にして行った。得られたポリアミド成形品の物性測
定結果を表10に示す。
【0146】実施例35 アパタイト型化合物形成成分である平均粒子径3.0μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
に分散剤としてポリアクリル酸アンモニウム塩(第一工
業製薬(株)製セラモD−134)6gを添加し、また
平均粒子径0.25μm重質炭酸カルシウムの25重量
%懸濁液にポリアクリル酸アンモニウム塩2.32gを
添加後、それぞれ、40℃の温度下、超音波処理を30
分間行った以外は、実施例1と同様にして行った。
【0147】得られたポリアミド成形品を90重量%の
フェノール水溶液を用いた溶出・分離操作により得られ
たアパタイト型化合物の熱重量分析による熱減量率Xは
12.7(重量部/アパタイト100重量部)、熱分解
GCによるSb/(Sa+Sb)が0.75となり、有
機物の量は9.5(重量部/アパタイト100重量部)
と算出された。熱分解GC/マススペクトルの解析結果
から、アパタイト型化合物の熱分解成分に、シクロペン
タノンとアジポニトリルの両熱分解成分が確認された。
また、赤外吸収スペクトルの観察から、1550cm-1
と1650cm -1に有機物の存在を示すピークが確認さ
れた。得られたポリアミド成形品の物性測定結果を表1
0に示す。
【0148】実施例36 アパタイト型化合物形成成分である平均粒子径3.0μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
に分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム塩(第一工業
製薬(株)製シャロールAN−103P)6gを添加
し、また平均粒子径0.25μm重質炭酸カルシウムの
25重量%懸濁液にポリアクリル酸ナトリウム塩2.3
2gを添加後、それぞれ、40℃の温度下、超音波処理
を30分間行った以外は、実施例1と同様にして行っ
た。得られたポリアミド成形品の物性測定結果を表10
に示す。
【0149】実施例37 アパタイト型化合物形成成分である平均粒子径3.0μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
に分散剤としてクエン酸ナトリウム塩(昭和化工(株)
製)1.2gを添加し、また平均粒子径0.25μm重
質炭酸カルシウムの25重量%懸濁液にクエン酸ナトリ
ウム塩0.46gを添加後、それぞれ、40℃の温度
下、超音波処理を30分間行った以外は、実施例1と同
様にして行った。得られたポリアミド成形品の物性測定
結果を表10に示す。
【0150】実施例38 アパタイト型化合物形成成分である平均粒子径3.0μ
mリン酸一水素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液
に分散剤としてショ糖ステアリン酸エステル(第一工業
製薬(株)DKエステル)6gを添加し、また平均粒子
径0.25μm重質炭酸カルシウムの25重量%懸濁液
にショ糖ステアリン酸エステル2.32gを添加後、そ
れぞれ、40℃の温度下、超音波処理を30分間行った
以外は、実施例1と同様にして行った。得られたポリア
ミド成形品の物性測定結果を表10に示す。
【0151】実施例39 ポリアミド形成成分として、1.5Kgのヘキサメチレ
ンジアミン・アジピン酸等モル固体塩を、50℃の純水
1.5Kgに溶解した水溶液を用いた。アパタイト型化
合物形成成分として、平均粒子径3.0μmリン酸一水
素カルシウム二水和物の25重量%懸濁液を600g
(リン酸一水素カルシウム二水和物:純水=150g:
450g)、および平均粒子径1.5μm重質炭酸カル
シウムの25重量%懸濁液を232g(炭酸カルシウ
ム:純水=58g:174g)用いた。該ポリアミド形
成成分とアパタイト型化合物形成成分とを、5リットル
のオートクレーブ中に仕込み、さらに錯化剤として、エ
チレンジアミン四酢酸(EDTA)を6g添加し、50
℃の温度下、よく撹拌した。以後の操作は実施例1と同
様にして行った。得られたポリアミド成形品の物性測定
結果を表11に示す。
【0152】実施例40 錯化剤として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)6
gの代わりに、エチレンジアミン(en)1.3gを用
いる以外は、実施例39と同様にして行った。得られた
ポリアミド成形品の物性測定結果を表11に示す。
【0153】
【表1】
【0154】
【表2】
【0155】
【表3】
【0156】
【表4】
【0157】
【表5】
【0158】
【表6】
【0159】
【表7】
【0160】
【表8】
【0161】
【表9】
【0162】
【表10】
【0163】
【表11】
【0164】
【発明の効果】本発明のポリアミドタンクは、マトリッ
クスであるポリアミド中に均一にかつ微細に極めて良好
に固着、接着しているアパタイト型化合物を含有する
リアミドからなるタンクであるために、フレオン、水お
よびガソリン等のバリヤー性を大きく改善した上に、剛
性、強度および伸度も優れている。このため、本発明で
得られるバリヤー性ポリアミドタンク、バリヤー性を
必要とする産業用タンクとして非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のポリアミド成形品から分離したアパ
タイト型化合物の広角X線回折測定結果である。
【図2】実施例6のポリアミド成形品から分離したアパ
タイト型化合物の広角X線回折測定結果である。
【図3】比較例1のポリアミド成形品から分離したアパ
タイト型化合物の広角X線回折測定結果である。
【図4】参照例1で用いた市販ヒドロキシアパタイトの
広角X線回折測定結果である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08G 69/04 C08G 69/04 (56)参考文献 特開2000−186201(JP,A) 特開2000−226514(JP,A) 特開2000−226515(JP,A) 特開2000−226512(JP,A) 特開2000−169604(JP,A) 特開 平2−123133(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 77/00 - 77/12 C08G 69/00 - 69/44

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド50〜99.5重量%と、フ
    ェノール溶媒に不溶な有機物を含有するリンに対する金
    属元素のモル比が0.9〜10であるアパタイト型化合
    物0.5〜50重量%からなり、該有機物がアパタイト
    型化合物100重量部あたり0.5〜100重量部であ
    ることを特徴とするバリヤー性ポリアミドタンク
  2. 【請求項2】 ポリアミド形成成分50〜99.5重量
    %と、リンに対する金属元素のモル比が0.9〜10で
    あって、かつポリアミドの重合条件下でアパタイト型化
    合物を形成し得るアパタイト型化合物形成成分0.5〜
    50重量%とを配合し、ポリアミドの重合反応およびア
    パタイト型化合物の合成反応を進行させて得られるポリ
    アミド樹脂組成物を用いることを特徴とするバリヤー性
    ポリアミドタンク
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