JP2002293925A - ポリアミド樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物の製造方法

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JP2002293925A
JP2002293925A JP2001099694A JP2001099694A JP2002293925A JP 2002293925 A JP2002293925 A JP 2002293925A JP 2001099694 A JP2001099694 A JP 2001099694A JP 2001099694 A JP2001099694 A JP 2001099694A JP 2002293925 A JP2002293925 A JP 2002293925A
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calcium
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resin composition
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JP2001099694A
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Kenya Sonobe
健矢 園部
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度、剛性、耐熱性が高く、靱性に優れると
共に、寸法特性及びリワーク性に優れたポリアミド樹脂
組成物の製造方法及びこの方法により得られたポリアミ
ド樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)フッ素を含まないカルシウム化合
物、有機リン化合物、及び/又はリン酸カルシウム化合
物と、(B)フッ素を含まない、カルシウム以外の金属
化合物と、(C)フッ素化合物とからなるアパタイト型
化合物原料、及びポリアミド原料を配合し、ポリアミド
の重合を行うことからなるポリアミド樹脂組成物の製造
方法及びこの方法により得られたポリアミド樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、さまざまな機械工
業部品、電気電子部品などの産業用材料として好適な強
度及び剛性が高く、かつ、靱性に優れた、ポリアミドと
アパタイト型化合物とからなるポリアミド樹脂組成物の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、樹脂材料の特性を改良あるい
は向上させることを目的として、樹脂に無機充填剤を配
合することは広く行われている。例えば、ガラス繊維や
炭素繊維などの無機繊維状充填材、タルク、カオリン、
マイカ、炭酸カルシウム、ウォラストナイトなどの無機
物粒子、あるいは雲母、モンモリロナイト、膨潤性フッ
素雲母などの層状化合物などの各種無機充填材を樹脂に
配合する方法が提案され、また、これらの材料のいくつ
かは、包装・容器などの汎用的消費分野や、自動車分
野、電気・電子分野、機械・工業分野、事務機器分野、
航空・宇宙分野などの各種部品などに用いられている。
【0003】しかしながら、これらの従来技術による
と、ガラス繊維や炭素繊維など、無機繊維状充填材を用
いた場合には、製品の比重が増加したり、製品の表面外
観や表面平滑性が低下したり、製品の靱性が低下したり
する、という問題があった。また、押出、成形時などに
押出機や成形機のシリンダー、スクリュー、金型などの
摩耗が生じたり、近年の環境ニーズの高まりにより要求
されているリサイクル、リワークによって無機繊維状充
填剤が破損し、そのために強度など物性が大きき低下し
て再使用できない、などの問題があった。こうした問題
点を改良するために、例えば、樹脂にタルク、カオリ
ン、マイカ、炭酸カルシウム、ウォラストナイトなどの
無機物粒子、あるいは雲母、モンモリロナイト、膨潤性
フッ素雲母などの層状化合物を配合する方法が提案され
ているが、強度、剛性及び耐熱性の向上が十分でなく、
表面外観や靱性の低下が著しく起こる、などの問題点が
あった。
【0004】そこで本発明者は、上記問題点を解決すべ
く、特開2000−63665号公報において、アパタ
イト型化合物原料とポリアミド原料を混合し、アパタイ
ト型化合物の合成を行うと同時にポリアミドの重合を行
うポリアミド樹脂組成物の製造方法を提案した。これに
より、包装・容器などの汎用的消費分野や、機械・工業
分野、事務機器分野などの各種部品などの用途に耐えう
る強度及び剛性を有するポリアミド樹脂組成物を提供す
ることができた。
【0005】しかしながら、例えば、自動車分野の用途
には、未だ強度及び剛性が十分でなかったり、さらに、
高い寸法安定性を必要とする用途には、さらなる高強度
化、高剛性化及び良好な寸法安定性をもつポリアミド樹
脂が期待されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決しうる、強度、剛性及び耐熱性が高く、
靱性に優れ、また表面外観、リワーク性、さらには寸法
特性にも優れた、樹脂と針状アパタイトとからなる樹脂
組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、特定のアパタイト型化合
物原料とポリアミド原料とを配合し、ポリアミドの重合
を行うことにより上記課題が解決できることを見出し、
本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、下
記の通りである。 (1)(A)フッ素を含まないカルシウム化合物、有機
リン化合物、及び/又はリン酸カルシウム化合物と、
(B)フッ素を含まない、カルシウム以外の金属化合物
と、(C)フッ素化合物とからなるアパタイト型化合物
原料、及びポリアミド原料を配合し、ポリアミドの重合
を行うことを特徴とするポリアミド樹脂組成物の製造方
法。 (2)アパタイト型化合物原料0.5〜99.5質量%
とポリアミド原料99.5〜0.5質量%とを配合し、
アパタイト型化合物の合成を行うと同時に、ポリアミド
の重合を行うことを特徴とする(1)に記載のポリアミ
ド樹脂組成物の製造方法。 (3)アパタイト型化合物原料(B)の金属元素が、S
r,Ba,Pb,Zn,Cd,Mg,Fe,Mn,N
i,Cu,Hg,Al,Y,Ce,Nd,La,Dy及
びEuから選ばれた少なくとも1種であることを特徴と
する(1)又は(2)に記載のポリアミド樹脂組成物の
製造方法。
【0008】(4)アパタイト型化合物原料において、
リンに対する、カルシウムとカルシウム以外の金属
(X)の合計のモル比(Ca+X)/Pが1.15〜
2.00であることを特徴とする(1)〜(3)のいず
れかに記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。 (5)アパタイト型化合物原料において、カルシウム以
外の金属(X)に対するカルシウムのモル比Ca/Xが
1.00〜1000であることを特徴とする(1)〜
(4)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物の製造
方法。 (6)アパタイト型化合物原料において、フッ素に対す
る、カルシウムとカルシウム以外の金属(X)の合計の
モル比(Ca+X)/Fが0.10〜1000であるこ
とを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のポリ
アミド樹脂組成物の製造方法。 (7)(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法によ
って製造された、リンに対する、カルシウムとカルシウ
ム以外の金属(X)の合計のモル比(Ca+X)/Pが
1.15〜2.00であり、質量平均繊維径が100n
m以下、かつ、平均アスペクト比が5以上である針状ア
パタイト型化合物及びポリアミド樹脂からなるポリアミ
ド樹脂組成物。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のポリアミドとは、主鎖中にアミド結合
(−NHCO−)を有する重合体である。本発明のポリ
アミドとして好ましいものは、ポリカプロラクタム(ナ
イロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン
46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6
6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン61
0)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン61
2)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン11
6)、ポリウンデカラクタム(ナイロン11)、ポリド
デカラクタム(ナイロン12)、ポリトリメチルヘキサ
メチレンテレフタルアミド(ナイロンTMHT)、ポリ
ヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポ
リノナンメチレンテレフタルアミド(9T)、ポリヘキ
サメチレンテレフタルアミド(6T)、ポリビス(4−
アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンP
ACM12)、ポリビス(3−メチル−アミノシクロヘ
キシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM
12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMX
D6)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタル
アミド(ナイロン11T(H))、これらのうち少なく
とも2種の異なったポリアミド形成成分を含むポリアミ
ド共重合体、及びこれら重合体の混合物などである。
【0010】ポリアミドの原料としては、アミノ酸、ラ
クタム、及びジアミンとジカルボン酸とからなる塩及び
そのオリゴマーを挙げることができる。アミノ酸として
は、例えば、6−アミノカプロン酸、11−アミノウン
デカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル
安息香酸などを挙げることができる。本発明では、これ
らの重合可能なアミノ酸を1種用いてもよいし、2種類
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0011】ラクタムとしては、例えば、ブチルラクタ
ム、ピバロラクタム、カプロラクタム、カプリルラクタ
ム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、ドデカノ
ラクタムなどを挙げることができる。本発明では、これ
らの重合可能なラクタムを1種用いてもよいし、2種類
以上を組み合わせて用いてもよい。ジアミンとしては、
例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジア
ミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナンメチ
レンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン
ジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,4−ジメ
チルオクタメチレンジアミン、メタキシリレンジアミ
ン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミンメ
チル)シクロヘキサン、3,8−ビス(アミノメチル)
トリシクロデカン、1−アミノ−3−アミノメチル−
3,5,5,−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−
アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4
−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−
アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピ
ル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどを挙げる
ことができる。本発明では、これらの重合可能なジアミ
ンを1種用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用
いてもよい。
【0012】ジカルボン酸としては、例えば、マロン
酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、
ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジ
エチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン
酸、ドデカン二酸、エイコジオン酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレ
フタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフ
タル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ジグリ
コール酸などを挙げることができる。本発明では、これ
らの重合可能なジカルボン酸を1種用いてもよいし、2
種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】本発明のポリアミドの原料には、さらに分
子量調節や耐熱水性向上のために末端封止剤を添加する
ことができる。末端封止剤としては、モノカルボン酸又
はモノアミンが好ましい。その他、無水フタル酸などの
酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、
モノエステル類、モノアルコール類などを挙げることが
できる。
【0014】末端封止剤として使用できるモノカルボン
酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ト
リデシル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボ
ン酸、シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカル
ボン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボ
ン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカ
ルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸な
どを挙げることができる。本発明では、これらのモノカ
ルボン酸を1種用いてもよいし、2種類以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0015】末端封止剤として使用するモノアミンとし
ては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えば、メチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、
オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミンなどの脂肪族モノアミン、シクロヘキシル
アミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミ
ン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチ
ルアミンなどの芳香族モノアミンなどを挙げることがで
きる。本発明では、これらのモノアミンを1種用いても
よいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】本発明により得られるポリアミド樹脂組成
物中のアパタイト型化合物は、一般に、下記式で示され
るものである。 (Ca、X)10-z(HPO4z(PO46-z(Y)2-z
・nH2O 式中、0≦z<1、0≦n≦16であり、(X)はカル
シウム以外の金属元素、(Y)は陰イオン又は陰イオン
化合物である。また、0≦z<0.5、0≦n≦4であ
ることがより好ましい。Xとしては、元素周期律表の
1、2(カルシウムを除く)、3、4、5、6、7、
8、11、12、13族元素及びこれらの少なくとも一
種とスズ、鉛などとの混合物などが挙げられる。
【0017】この中でも、本発明においては、高強度、
高剛性、良好な外観、優れた寸法安定性を有するポリア
ミド樹脂を得る、といった観点から、カルシウム以外の
金属元素としては、2族元素であるマグネシウム、スト
ロンチウム、バリウム、銅、鉄、又はこれらの2種以上
からなる混合物であることが特に好ましい。金属元素中
のカルシウムの割合は70mol%以上、好ましくは8
0mol%以上である。上記範囲を外れた場合には、得
られる樹脂の外観が悪くなる傾向がある。
【0018】一般式中の(Y)で示される陰イオン又は
陰イオン化合物としては、水酸イオン(OH-)、フッ
素イオン(F-)、塩素イオン(Cl-)などを挙げるこ
とができる。これら陰イオン元素又は陰イオン化合物は
1種であっても、2種以上であってもよいが、Yの一部
にはフッ素イオンが含まれる。また、前記式中のリン酸
水素イオン(HPO4 2-)、リン酸イオン(PO4 3-)、
又は(Y)の一部が炭酸イオン(CO3 2-)に置換した
炭酸含有アパタイトであってもよい。
【0019】本発明においては、アパタイト型化合物の
中、カルシウムとカルシウム以外の金属元素を含有した
水酸アパタイト((Y)が水酸イオン)、フッ素化アパ
タイト((Y)の一部又は全部がフッ素イオン)、塩素
化アパタイト((Y)の一部又は全部が塩素イオン)、
炭酸含有水酸アパタイト、炭酸含有フッ素化アパタイ
ト、炭酸含有塩素化アパタイト、さらには、これらの混
合物が最も好ましく用いられる。
【0020】この場合、リンに対する、カルシウムとカ
ルシウム以外の金属(X)とのモル比(Ca+X)/P
は、好ましくは1.15〜2.00、より好ましくは
1.30〜1.80、最も好ましくは1.45〜1.7
0である。金属とリンとのモル比は、高周波誘導結合プ
ラズマ(ICP)発光分析を用いて、前記原料液の場合
と同様にして求めることができる。(Ca+X)/Pが
上記範囲を外れると、得られるポリアミド樹脂が着色し
たり、ポリアミド樹脂の強度、剛性が十分でない傾向に
ある。
【0021】本発明において、アパタイト型化合物原料
として用いられる(A)カルシウム化合物は、フッ素を
含まないカルシウム化合物であり、水溶性カルシウム化
合物や難溶性カルシウム化合物など、特に限定されるも
のではない。水溶性カルシウム化合物としては、例え
ば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、蟻酸カルシウ
ム、酢酸カルシウム、エチレンジアミン四酢酸カルシウ
ム錯体、シクロヘキサンジアミン四酢酸カルシウム錯
体、グリコールエーテルジアミン四酢酸カルシウム錯
体、ジエチレントリアミン五酢酸カルシウムなどのカル
シウム錯体化合物、フマル酸カルシウム、酒石酸カルシ
ウム、リンゴ酸カルシウム、こはく酸カルシウム等の有
機カルシウム化合物、あるいはこれらの混合物を挙げる
ことができる。
【0022】難溶性カルシウム化合物としては、例え
ば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、又はこれらの
混合物を挙げることができる。これらの中でも、コスト
の面やポリアミド樹脂の重合が十分に進む、といった観
点から、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カル
シウム及び硝酸カルシウムが好ましく、さらに高強度、
高剛性のポリアミド樹脂を得る観点から、炭酸カルシウ
ム、水酸化カルシウムがより好ましい。これらは一種類
を用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いても
よい。
【0023】カルシウム化合物の製造方法は特に制限さ
れるものでなく、例えば、炭酸カルシウムの場合を例に
とると、天然材の粉砕品であっても、化学的に合成され
たものであってもよい。また、その結晶形態や形状も特
に制限されるものではなく、炭酸カルシウムの場合を例
にとると、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、
コロイド炭酸カルシウム、アラゴナイト型炭酸カルシウ
ム、バテライト型炭酸カルシウム、針状型炭酸カルシウ
ムなど、あるいはこれらの混合品など、いずれを用いて
もよい。
【0024】本発明において、ポリアミド型化合物原料
として用いられる(A)の有機リン化合物は、特に限定
されるものではないが、例えば、リン酸、亜リン酸、次
亜リン酸と、それらのアンモニウム塩、リン酸エステル
化合物類、次亜リン酸エステル化合物類を用いることが
できる。好ましいリン酸エステル化合物は、下記一般式
で示される。 (RO)nPO(OH)3-n 式中、nは1、2又は3、Rはアルキル基、フェニル
基、又はそれらの基の一部が炭化水素基などで置換され
た置換基アルキル基であることが好ましい。前記一般式
内の(RO)基は、同じでも異なっていてもよい。前記
のRとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブ
チル基、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル
基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ラウリル基、ト
リデシル基、ステアリル基、オレイル基などの脂肪族
基、フェニル基、ビフェニル基などの芳香族基、あるい
はヒドロキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、t
−ブチル基、ノニル基、メトキシ基、エトキシ基などの
置換基を有する芳香族基などを挙げることができる。
【0025】この中でも、より好ましいものとしては、
具体的には、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リ
ン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリオク
チル、リン酸トリブトキシエチル、リン酸トリス(2−
エチルヘキシル)、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェ
ニルクレシル、リン酸トリクレシル、リン酸ビフェニ
ル、リン酸トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)、リン酸トリス(1,5−ジ−t−ブチルフェニ
ル)、リン酸トリス(ジメチルフェニル)、リン酸トリ
ス(イソプロピルフェニル)、リン酸オクチルジフェニ
ルなど、あるいはこれらの混合物を挙げることができ
る。最も好ましいものとしては、リン酸トリメチル、リ
ン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチ
ル又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0026】好ましい亜リン酸エステル化合物は、下記
一般式で示される。 (RO)nP(OH)3-n 式中、nは1、2又は3、Rはアルキル基、フェニル
基、又はそれらの基の一部が炭化水素基などで置換され
た置換基アルキル基を表す。前記一般式内の(RO)基
は、同じでも異なっていてもよい。Rとしては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチ
ル、n−ヘキシル、n−オクチル基、2−エチルヘキシ
ル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリ
ル基、オレイル基などの脂肪族基、フェニル基、ビフェ
ニル基などの芳香族基、あるいはヒドロキシ基、メチル
基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、ノニル基、
メトキシ基、エトキシ基などの置換基を有する芳香族基
などを挙げることができる。
【0027】この中でも、より好ましいものとしては、
具体的には、亜リン酸エチル、亜リン酸ジエチル、亜リ
ン酸ジプロピル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジフェニ
ル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン
酸トリプロピル、亜リン酸トリブチル、亜リン酸トリオ
クチル、亜リン酸トリブトキシエチル、亜リン酸トリス
(2−エチルヘキシル)、亜リン酸トリフェニル、亜リ
ン酸ジフェニルクレシル、亜リン酸トリクレシル、亜リ
ン酸ビフェニル、亜リン酸トリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)、亜リン酸トリス(1,5−ジ−t−ブ
チルフェニル)、亜リン酸トリス(ジメチルフェニ
ル)、亜リン酸トリス(イソプロピルフェニル)、亜リ
ン酸オクチルジフェニルなど、又はこれらの混合物を挙
げることができる。
【0028】本発明においては、リン酸エステル又は亜
リン酸エステルは、1種を用いてもよいし、2種以上、
例えば、リン酸トリエチルと亜リン酸トリフェニルを混
合して用いてもよい。これら有機リン化合物のなかで
も、コストの面から好ましくはリン酸とそのアンモニウ
ム塩やリン酸エステル類であり、さらに高強度、高剛
性、良好な寸法安定を有するポリアミド樹脂を得る観点
から、リン酸、リン酸トリエチル及びリン酸トリメチル
が好ましく、より好ましくはリン酸である。これらは一
種類を用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0029】本発明において、ポリアミド型化合物原料
として用いられる(A)のリン酸カルシウム化合物とし
ては、例えば、リン酸一水素カルシウム(CaHPO4
・mH2O、但し0≦m≦2である。)、二リン酸二水
素カルシウム(CaH227)、リン酸二水素カルシ
ウム一水和物(Ca(H2PO42・H2O)、二リン酸
カルシウム(α−及びβ−Ca227)、リン酸三カ
ルシウム(α−及びβ−Ca3(PO42)、リン酸四
カルシウム(Ca4(PO42O)、リン酸八カルシウ
ム五水和物(Ca82(PO46・5H2O)、亜リン
酸カルシウム一水和物(CaHPO3・H2O)、次亜リ
ン酸カルシウム(Ca(H2PO22)や、これらの混
合物などを挙げることができる。
【0030】なかでも、高強度、高剛性、優れた寸法安
定性を有するポリアミド樹脂を得る上で、リン酸一水素
カルシウム(CaHPO4・mH2O、但し0≦m≦2で
ある。)、リン酸三カルシウム(α−及びβ−Ca
3(PO42)、リン酸八カルシウム五水和物(Ca8
2(PO46・5H2O)が好ましく、より好ましくはリ
ン酸一水素カルシウム(CaHPO4・mH2O、但し0
≦m≦2である。)、リン酸八カルシウム五水和物(C
82(PO46・5H2O)である。これらは一種類
を用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いても
よい。
【0031】本発明では、アパタイト型化合物原料
(A)として、前記のカルシウム化合物と有機リン化合
物との組み合わせ、カルシウム化合物とリン酸カルシウ
ム化合物との組み合わせ、有機リン化合物とリン酸カル
シウム化合物との組み合わせ、カルシウム化合物、有機
リン化合物及びリン酸カルシウム化合物の組み合わせ、
さらにリン酸カルシウム単独など、任意に選択して使用
することができる。
【0032】なかでも、安価で入手でき、かつ、高強
度、高剛性、優れた外観、良好な寸法安定性を有するポ
リアミド樹脂を得る上で、好ましくは、炭酸カルシウ
ム、水酸化カルシウムから選ばれた少なくとも一種と、
リン酸、リン酸エステル類、リン酸一水素カルシウム、
リン酸三カルシウム及びリン酸八カルシウム五水和物か
ら選ばれた少なくとも一種との組み合わせであり、さら
に好ましくは炭酸カルシウムと、リン酸一水素カルシウ
ム、リン酸三カルシウム及びリン酸八カルシウム五水和
物から選ばれた少なくとも一種との組み合わせ、最も好
ましくは炭酸カルシウムと、リン酸一水素カルシウム、
リン酸三カルシウム及びリン酸八カルシウム五水和物か
ら選ばれた少なくとも一種との組み合わせである。
【0033】本発明において、アパタイト型化合物原料
として用いられる(B)カルシウム以外の金属化合物
は、フッ素化合物を除いた、カルシウム以外の金属化合
物であれば特に限定されないが、好ましくは、Sr,B
a,Pb,Zn,Cd,Mg,Fe,Mn,Ni,C
u,Hg,Al,Y,Ce,Nd,La,Dy,Euの
元素を含む化合物をあげることができる。
【0034】例えば、金属水酸化物(水酸化マグネシウ
ム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化ア
ルミニウムなど)、金属塩化物(塩化マグネシウム、塩
化ストロンチウム、塩化バリウム、塩化アルミニウムな
ど)、金属臭化物(臭化アルミニウム、臭化コバルト、
臭化ストロンチウムなど)、金属ヨウ化物(ヨウ化鉛、
ヨウ化バリウムなど)、金属酸化物(酸化マグネシウム
(軽質や重質など)、酸化アルミニウム、酸化カドニウ
ム、酸化タリウム、など)、金属アルコキシド(アルミ
ニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、マ
グネシウムエトキシドなど)、炭酸金属塩(炭酸マグネ
シウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸アル
ミニウムなど)、硫酸金属塩(硫酸ニッケル、硫酸マグ
ネシウム、硫酸マンガンなど)、硝酸金属塩(硝酸アル
ミニウム、硝酸カドニウム、硝酸ストロンチウムな
ど)、過塩素酸金属塩(過塩素酸マグネシウム、過塩素
酸バリウムなど)、ケイ酸金属塩(ケイ酸アルミニウ
ム、ケイ酸マグネシウムなど)などの無機金属化合物
や、金属元素とモノカルボン酸との化合物(酢酸銅、酢
酸鉛、安息香酸マンガン、ステアリン酸アルミニウム、
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウムな
ど)、金属元素とジカルボン酸との化合物(シュウ酸バ
リウム、シュウ酸マグネシウム、シュウ酸ユウロピウ
ム、シュウ酸ランタンなど)、金属元素とトリカルボン
酸との化合物(クエン酸マグネシウム、クエン酸銅2.
5水和物など)、金属元素とリン酸の化合物(リン酸水
素バリウム第二、リン酸銅、リン酸鉄、リン酸マンガ
ン、リン酸マグネシウム第二及び第三、オルトリン酸ア
ルミニウム、二リン酸銅四水和物)などを挙げることが
できる。
【0035】これら原料は、1種を用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上組み合わ
せる場合には、例えば、水酸化マグネシウムと炭酸マグ
ネシウムとの混合物のように、同種の金属元素を含有す
る化合物を組み合わせてもよいし、例えば、炭酸マグネ
シウムと水酸化アルミニウムとの混合物のように、異種
の金属元素を含有する化合物を組み合わせてもよい。本
発明においては、高分子量のポリアミド樹脂を得る上
で、金属水酸化物、金属塩化物、炭酸金属塩及び金属と
リン酸の化合物又はこれらの混合物が好ましく用いられ
る。さらに、高強度、高剛性、良好な寸法安定性を有す
るポリアミド樹脂を得る上で、亜鉛、マグネシウム、
鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、鉄の水酸化物、塩化
物、炭酸塩、及びリン酸との化合物又はこれらの混合物
が好ましく、その中でも、マグネシウム、鉄、銅の水酸
化物、塩化物、炭酸塩、及びリン酸との化合物又はこれ
らの混合物がより好ましく、最も好ましくは、マグネシ
ウム、鉄、銅のリン酸との化合物である。
【0036】本発明において、アパタイト型化合物原料
として用いられる(C)フッ素化合物としては、フッ素
を含有する化合物で有れば特に限定されないが、好まし
くは、フッ化水素やフッ化カルシウム、フッ化アルミニ
ウム、フッ化マグネシウム、フッ化アンモニウム、フッ
化バリウムなどの金属のフッ化物や、ヘキサフルオロケ
イ酸、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、ヘキサフルオ
ロケイ酸マグネシウム六水和物などのフルオロケイ酸塩
類及びこれらの混合物などをあげることができる。これ
らのなかでも高分子量のポリアミド樹脂を得る上で、フ
ッ化カルシウム、フッ化マグネシウムなどの金属のフッ
化物が好ましい。これらは一種類を用いてもよいし、二
種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】本発明のアパタイト型化合物原料である
(A)フッ素を含まないカルシウム化合物、有機リン化
合物、及び/又はリン酸カルシウム化合物、(B)フッ
素を含まない、カルシウム以外の金属化合物、及び
(C)フッ素化合物は、平均粒径100μm以下が好ま
しく、50μm以下がより好ましく、25μm以下が最
も好ましい。上記の範囲をはずれると、得られるポリア
ミド樹脂の外観が損なわれたり、靱性の低下を引き起こ
すことがある。平均粒径の測定は、純水中に分散させた
原料をレーザ回折/散乱式粒度分布装置などを用いて導
出する方法を用いることができる。
【0038】本発明のアパタイト型化合物原料(A)及
び(B)における、リンに対する、カルシウムとカルシ
ウム以外の金属(X)のモル比、すなわち、(Ca+
X)/Pは特に限定されないが、高強度、高剛性、良好
な寸法安定性を有するポリアミド樹脂を得る上で、(C
a+X)/Pが1.15〜2.00の範囲になるように
配合するのが好ましく、1.30〜1.80の範囲がよ
り好ましく、1.45〜1.70の範囲が最も好まし
い。カルシウム以外の金属(X)に対するカルシウムの
モル比、すなわち、Ca/Xは特に限定されないが、高
強度、高剛性、良好な寸法安定性を有するポリアミド樹
脂を得る上で、Ca/Xが1.00〜1000の範囲に
なるように配合することが好ましく、3.00〜500
の範囲がより好ましく、5.00〜100の範囲が最も
好ましい。
【0039】本発明のアパタイト型化合物原料(A)、
(B)及び(C)における、フッ素に対する、カルシウ
ム及びカルシウム以外の金属(X)のモル比(Ca+
X)/Fは特に限定されないが、高強度、高剛性、良好
な寸法安定性を有するポリアミド樹脂を得る上で、(C
a+X)/Fが、0.10〜1000の範囲になるよう
に配合することが好ましく、0.50〜500の範囲が
より好ましく、1.00〜100の範囲が最も好まし
い。
【0040】本発明のアパタイト型化合物原料とポリア
ミド原料の配合割合としては、好ましくは、アパタイト
型化合物原料0.5〜99.5質量%とポリアミド原料
99.5〜0.5質量%である。アパタイト型化合物原
料の配合量が0.5質量%未満の場合は、得られるポリ
アミド樹脂組成物の剛性、強度の向上が顕著でなく、9
9.5質量%を越えた場合には、押出や成形加工が困難
になるなどの問題が発生する。
【0041】本発明のポリアミド樹脂組成物を製造する
には、先ず、ポリアミド原料とアパタイト型化合物の原
料を配合し、次いで、ポリアミドの重合を行うのが好ま
しい方法である。ポリアミド原料とアパタイト型化合物
の原料の配合方法としては、固体状のポリアミド原料と
アパタイト型化合物の原料を直接混合する方法、ポリア
ミド原料の水溶液とアパタイト型化合物の原料の水溶液
や懸濁液を配合する方法などのいずれによってもよい。
【0042】本発明において、ポリアミドの重合方法は
特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例
えば、11−アミノウンデカン酸などの水に難溶な成分
を原料とし、200〜290℃で加熱し重縮合する方
法、ε−カプロラクタム水溶液を原料とし、必要に応じ
てモノカルボン酸などの末端封鎖剤、あるいはε−アミ
ノカプロン酸などの反応促進剤を加えて、不活性ガスを
流通させながら、200〜290℃に加熱し重縮合する
ラクタム類の開環重縮合法、ヘキサメチレンアジパミド
水溶液などのジアミン成分とジカルボン酸成分との塩水
溶液を原料とし、200〜290℃に加熱濃縮し、発生
する水蒸気圧を10〜20気圧の間の適当な圧力に保
ち、最終的には圧力を抜き、常圧あるいは減圧し重縮合
を行う熱溶融重縮合法などを用いることができる。
【0043】さらには、ジアミン成分とジカルボン酸成
分からなる固体塩や重縮合物の融点以下の温度で行う固
相重合法、ジカルボン酸ハライド成分とジアミン成分と
を溶液中で重縮合させる溶液法なども用いることができ
る。これらの方法は必要に応じて組合わせてもよい。重
合形態としては、バッチ式でも連続式でもよい。重合装
置も特に制限されるものではなく、公知の装置、例え
ば、オートクレーブ型の反応器、タンブラー型反応器、
ニーダーなどの押出機型反応器などを用いることができ
る。
【0044】本発明の製造方法により得られるポリアミ
ド樹脂組成物は、ポリアミドとアパタイト型化合物とか
らなり、ポリアミドとアパタイト型化合物の界面が極め
て良好に固着、接着している、という特徴を持つ。アパ
タイト型化合物の合成は、例えば、水酸アパタイトを例
にとると、一般的には、水酸化カルシウムとリン酸など
とを約PH8の水溶液中で反応させる湿式法、リン酸一
水素カルシウムなどを約200℃、15気圧の高温高圧
条件下で行う水熱法などが用いられているが、このアパ
タイト型化合物の合成条件はポリアミドの重合条件に、
非常に似通っている。本発明は、この点に着目して完成
された点に最大の特徴がある。
【0045】すなわち、本発明は、ポリアミドの重合過
程のいずれかの段階で、アパタイト型化合物の合成も行
うものである。本発明においては、特に、ポリアミドの
重合及びアパタイト型化合物の合成をほぼ同時に行うの
が好ましく、このようにすることで、重合されていくポ
リアミドと合成されていくアパタイト型化合物との両者
間に、物理的、化学的相互作用が起こり、アパタイト型
化合物粒子の分散が良好となり、またその界面も形成さ
れる。
【0046】本発明の製造方法により得られるポリアミ
ド樹脂組成物中のポリアミドの分子量は、成形性及び物
性の点から、数平均分子量(Mn)にして、1万〜10
0万が好ましく、2万〜20万の範囲のものがより好ま
しい。数平均分子量の測定は、例えば、溶媒としてヘキ
サフルオロイソプロパノール(HFIP)、分子量標準
試料としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)を用
い、ゲルパーミッショクロマトグラフィー(GPC)に
より求めることができる。
【0047】本発明の製造方法により得られるポリアミ
ド樹脂組成物中のアパタイト型化合物の生成の確認は、
例えば、ペレットや成形品などを用いて広角X線回折な
どで直接確認する方法や、ペレットや成形品などをフェ
ノールなどのポリアミドが可溶な溶媒に浸しポリアミド
樹脂を除去し、残った成分を広角X線回折、赤外吸収ス
ペクトルなどで確認する方法などによればよい。広角X
線回折の場合には、金属元素がカルシウムである水酸ア
パタイトを例にとると、2θで約25.9、31.7及
び32.6(度)に観測される(002)、(211)
及び(300)面に起因するピークの存在により、アパ
タイトの生成を確認することができる。
【0048】ポリアミド樹脂組成物中のアパタイト型化
合物の含有率は、0.5〜99.5質量%が好ましく、
1.0〜80質量%がより好ましく、2.0〜50.0
質量%が最も好ましい。アパタイト型化合物の含有率
は、例えば、ペレットや成形品などをJISR3420
に従って強熱減量(Ig.loss)を測定し、その質
量減少量から求めることができる。具体的には、ポリア
ミド樹脂組成物を十分乾燥した後、白金皿に約1g秤量
し、650±20℃の電気炉で灰化し、冷却後、その質
量を秤し、アパタイト型化合物の含有率を定量する。
【0049】アパタイト型化合物における、リンに対す
る金属元素のモル比は、好ましくは1.15〜2.0
0、より好ましくは1.30〜1.80、最も好ましく
は1.45〜1.70である。金属元素の定量を、金属
元素としてカルシウムを例にして説明する。先ず、ポリ
アミド樹脂組成物0.5gを白金皿に秤量し、500℃
電気炉で炭化する。冷却後、塩酸5ml及び純水5ml
を加えヒーター上で煮沸溶解する。再び冷却し、純水を
加え500mlとし、高周波誘導結合プラズマ(IC
P)発光分析により、波長317.933nmにて定量
する。他の金属元素については、特性波長を選択するこ
とにより、同様な方法で定量できる。
【0050】リンの定量は、ポリアミド樹脂組成物0.
5gを秤量し濃硫酸を20ml加え、ヒーター上で湿式
分解し、冷却後、過酸化水素5mlを加え、ヒーター上
で加熱し、全量が2〜3mlになるまで濃縮する。再び
冷却し、純水で500mlとし、高周波誘導結合プラズ
マ(ICP)発光分析により、波長213.618(n
m)にて定量する。このようにして求めた定量結果をも
とに金属元素とリンとのモル比を算出することができ
る。
【0051】本発明のポリアミド樹脂中のアパタイト型
化合物粒子は、質量平均繊維径が好ましくは100nm
以下、かつ、質量平均繊維長と質量平均繊維径の比であ
る平均アスペクト比が好ましくは5以上、より好ましく
は7以上、最も好ましくは10以上である。前記質量平
均繊維長、質量平均繊維径、及び平均アスペクト比は、
単位体積中に繊維長Li、繊維径Diのアパタイト粒子
がNi個存在するとき、 質量平均繊維長L=ΣLi2Ni/ΣLiNi 質量平均繊維径D=ΣDi2Ni/ΣDiNi 平均アスペクト比L/D=(ΣLi2Ni/ΣLiN
i)/(ΣDi2Ni/ΣDiNi) と定義することができる。
【0052】これらの値を求めるには、得られたポリア
ミド樹脂の成形品の薄片をミクロトームなどによって切
り出し、アパタイト粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)
(写真倍率5.0万倍)により観察して最低100個の
粒子を任意に選択し、各粒子について、最も長い軸の長
さを繊維長L、最も長い軸に直交する軸の長さを繊維径
Dとし、各粒子のLとDを測定する。その後、これらの
値から質量平均繊維径及び平均アスペクト比を上記の計
算式に従って求めることができる。
【0053】本発明の製造方法で得られるポリアミド樹
脂組成物には、必要に応じて本発明の目的を損なわない
範囲で、通常、ポリアミド樹脂に用いられる充填剤、例
えば、ガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維、マイカ、
タルク、粘土鉱物、アルミナ、シリカなどの無機フィラ
ー、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、ホウ酸亜鉛、すず酸亜鉛、ヒドロキシすず
酸亜鉛、ポリリン酸アンモニウム、シアヌル酸メラミ
ン、サクシノグアナミン、ポリリン酸メラミン、硫酸メ
ラミン、フタル酸メラミン、芳香族系ポリフォスフェー
ト、複合ガラス粉末などの難燃剤、チタンホワイトなど
の顔料や着色剤、亜リン酸ソーダやヒンダードフェノー
ルに代表される熱安定剤、ステアリン酸やパラフィンワ
ックスなどの滑剤、種々の可塑剤、耐候性向上剤や帯電
防止剤などの各種添加剤を加えることができる。
【0054】さらに必要に応じて、本発明の目的を損な
わない範囲で、通常、ポリアミド樹脂にブレンドされる
熱可塑性樹脂やエラストマー、例えば、ポリブタジエ
ン、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリルゴム、エ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−
ジエン共重合体、天然ゴム及びこれらの無水マレイン酸
などによる酸変性物、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、スチレン−フェニルマレイミド共重合体、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ブタジエン−アクリロニトリル
共重合体、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレン
テレフタレートなどのポリエステル樹脂、他のポリアミ
ド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエー
テル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂などを加えてもよい。
【0055】以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例により制限されるもの
ではない。本発明で用いる物性は、以下の方法により評
価する。 1.ポリアミドとアパタイト型化合物原料の特性 (1−1)アパタイト型化合物原料の含有率(質量%) ポリアミド原料とアパタイト型化合物原料の配合量から
算出する。 (1−2)アパタイト型化合物原料の金属元素とリンと
のモル比 アパタイト型化合物原料の配合量とその分子量から、金
属元素とリンとのモル比を算出する。
【0056】2.得られたポリアミド樹脂組成物の特性 (2−1)数平均分子量(Mn) ゲルパーミッショクロマトグラフィー(GPC)により
求める。装置には東ソー(株)製HLC−8020、検
出器には示差屈折計(RI)、溶媒にはヘキサフルオロ
イソプロパノール(HFIP)、カラムには東ソー
(株)製TSKgel(登録商標)−GMHHR−Hを
2本とG1000HHRを1本用いる。溶媒流量は0.
6ml/min、サンプル濃度は、1〜3(mgサンプ
ル)/1(ml溶媒)とし、フィルターで濾過し、不溶
分を除去し、測定試料とする。得られた溶出曲線をもと
に、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)換算により、
数平均分子量を算出する。 (2−2)アパタイト型化合物の含有率の定量(質量
%) ポリアミド樹脂組成物を100±20℃で8時間乾燥し
冷却する。組成物を白金皿に1g秤量し、650±20
℃の電気炉で灰化し、冷却後、その質量を秤り、アパタ
イト型化合物の含有量を定量する。
【0057】(2−3)金属元素とリンとのモル比 (a)金属元素の定量:以下、金属元素としてカルシウ
ムの場合につき説明するが、他の金属元素についても同
様にして求めることができる。ポリアミド樹脂組成物
0.5gを白金皿に秤量し、500℃電気炉で炭化す
る。冷却後、塩酸5ml及び純水5mlを加えヒーター
上で煮沸溶解する。再び冷却し、純水を加え500ml
とした。装置はThermoJarrellAsh製I
RIS/IPを用いて、高周波誘導結合プラズマ(IC
P)発光分析により、波長317.933nmにて定量
する。 (b)リンの定量:ポリアミド樹脂組成物0.5gを秤
量し濃硫酸を20ml加え、ヒーター上で湿式分解す
る。冷却後、過酸化水素5mlを加え、ヒーター上で加
熱し、全量が2〜3mlになるまで濃縮する。再び冷却
し、純水で500mlとする。装置はThermoJa
rrellAsh製IRIS/IPを用いて、高周波誘
導結合プラズマ(ICP)発光分析により、波長21
3.618(nm)にて定量する。
【0058】(2−4)X線回折によるアパタイト型化
合物の生成の確認 (a)アパタイト型化合物の分離操作:ポリアミド樹脂
組成物10gを秤量し、90%フェノール200mlと
混合し、40℃で2時間攪拌し、遠心分離器〔国産
(株)製H103N〕を用いて3500rpmで1時
間、分離操作を行い、上澄み溶媒を除去する。さらに2
00mlのフェノールを加え、以後同様な溶解操作と遠
心分離器を用いた分離操作を4回繰り返す。引き続き、
99.5%エタノール200mlを加えて、23℃で2
時間攪拌し、遠心分離器を用いて3500rpmで1時
間、分離操作を行い、上澄み溶媒を除去する。この操作
をさらに4回繰り返した後、減圧乾燥器中で80℃で1
2時間乾燥し、目的のアパタイト型化合物を得る。 (b)アパタイト型化合物の同定
【0059】(2−4)の(a)で得たアパタイト型化
合物のX線回折を測定する。測定条件は以下のとおりで
ある。 X線:銅Kα 波数:1.542Å 管電圧:40KV 管電流:200mA 走査速度:4deg./min 発散スリット:1deg. 散乱スリット:1deg. 受光スリット:0.15mm (2−5)射出成形品の作成 成形品は、射出成形機を用いて作成した。装置は日精樹
脂(株)製PS40E、シリンダー温度280℃、金型
温度80℃に設定し、射出17秒、冷却20秒のサイク
ルで行う。
【0060】(2−6)アパタイト型化合物の質量平均
繊維径、平均アスペクト比の測定 成形品を用いて、Reichert−Nissei製ク
ライオミクロトームを用いて約50nmの超薄切片を作
成する。透過型電子顕微鏡(TEM)観察は、日立製作
所(株)製HF−2000用いて、5.0万倍の明視野
像を撮影し、100個の粒子を任意に選択する。各粒子
について、最も長い軸の長さを繊維長L、最も長い軸に
直交する軸の長さを繊維径Dとして、各粒子のLとDを
測定し、アパタイトの質量平均繊維径及び平均アスペク
ト比を求める。 (2−7)曲げ弾性率(Gpa) ASTM D790に準じて行う。 (2−8)引張り強度(Mpa)及び引張り伸度(%) ASTM D638に準じて行う。 (2−9)ノッチ付きIzod衝撃強度 ASTM D256に準じて行う。 (2−10)荷重たわみ温度(℃) ASTM D648に準じて行う。
【0061】(2−11)線膨張係数 Perkin−Elmer社製TMA−7を用いて、
5.00℃/minの昇温速度で測定し、−23〜80
℃の温度範囲で測定する。 (2−12)リワーク性 成形品(初期成形品)を粉砕機により粉砕し、得られた
粉砕品を用いて成形を行う。この操作を更に4回繰り返
し、最終的に得られた成形品(リワーク品)の引張り強
度を測定し、 (リワーク品の引張強度)/(初期成形品の引張強度) の引張強度保持率で比較する。
【0062】
【実施例1】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kg、リン酸一水素
カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2O)85.6
0g、リン酸マグネシウム第二三水和物(MgHPO4
・3H2O)7.35g、純水200gに懸濁させた炭
酸カルシウム(CaCO3)10.80g及びフッ化カ
ルシウム(CaF2)5.60gを、5Lのオートクレ
ーブ中に仕込みよく攪拌した。充分に窒素で置換した
後、温度を室温から220℃まで昇温した。この際、オ
ートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして18Kg/c
2になるが、圧力が18Kg/cm2以上にならないよ
う水を系外に除去しながら加熱を1時間続けた。その
後、内温が270度に達した時点で水を系外に除去しな
がら1時間かけて大気圧まで圧力を下げ、その後加熱を
止め、系を密封してから室温まで冷却した。オートクレ
ーブを開け、約1.5Kgのポリマーを取出し、粉砕機
により粉砕した。こうして得られたポリアミド樹脂組成
物は、粉砕品、射出成形品として評価した。評価結果を
表1及び2に示す。
【0063】
【実施例2】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kg、リン酸一水素
カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2O)171.
2g、リン酸マグネシウム第二三水和物(MgHPO4
・3H2O)14.7g、純水200gに懸濁させた炭
酸カルシウム(CaCO3)21.6g及びフッ化カル
シウム(CaF2)11.2gを、5Lのオートクレー
ブ中に仕込みよく攪拌した。以後の操作は実施例1と同
様に行った。評価結果を表1及び2に示す。
【0064】
【実施例3】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kg、リン酸一水素
カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2O)84.8
g、リン酸マグネシウム第二三水和物(MgHPO4
3H2O)8.37g、純水200gに懸濁させた炭酸
カルシウム(CaCO3)18.90g及びフッ化カル
シウム(CaF2)6.32gを、5Lのオートクレー
ブ中に仕込みよく攪拌した。以後の操作は実施例1と同
様に行った。評価結果を表1及び2に示す。
【0065】
【実施例4】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kg、リン酸一水素
カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2O)90.0
g、リン酸マグネシウム第二三水和物(MgHPO4
3H2O)3.05g、純水200gに懸濁させた炭酸
カルシウム(CaCO3)10.70g及びフッ化カル
シウム(CaF2)5.61gを、5Lのオートクレー
ブ中に仕込みよく攪拌した。以後の操作は実施例1と同
様に行った。評価結果を表1及び2に示す。
【0066】
【比較例1】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kg、リン酸一水素
カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2O)75.0
g及び純水200gに懸濁させた炭酸カルシウム(Ca
CO3)29.0gを、5Lのオートクレーブ中に仕込
みよく攪拌した。以後の操作は実施例1と同様に行っ
た。評価結果を表3及び4に示す。
【0067】
【比較例2】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kg、リン酸一水素
カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2O)74.9
g及び純水200gに懸濁させた炭酸カルシウム(Ca
CO3)14.5gを、5Lのオートクレーブ中に仕込
みよく攪拌した。以後の操作は実施例1と同様に行っ
た。評価結果を表3及び4に示す。
【0068】
【比較例3】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kg、リン酸一水素
カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2O)74.9
g、純水200gに懸濁させた炭酸カルシウム(CaC
3)7.26g及びフッ化カルシウム(CaF2)5.
66gを、5Lのオートクレーブ中に仕込みよく攪拌し
た。以後の操作は実施例1と同様に行った。評価結果を
表3及び4に示す。
【0069】
【比較例4】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kg、リン酸一水素
カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2O)85.6
g、リン酸マグネシウム第二三水和物(MgHPO4
3H2O)7.3g及び純水200gに懸濁させた炭酸
カルシウム(CaCO3)18.0gを、5Lのオート
クレーブ中に仕込みよく攪拌した。以後の操作は実施例
1と同様に行った。評価結果を表3及び4に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【発明の効果】本発明の方法により得られたポリアミド
樹脂組成物を用いて得られる成形体は、強度、剛性、耐
熱性が高く、靱性に優れ、また寸法特性、表面外観及び
リワーク性に優れるため、包装・容器などの汎用的消費
分野や、自動車分野、電気・電子分野、機械・工業分
野、事務機器分野、航空・宇宙分野などの各種部品など
への応用が期待される。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J001 DA01 DB01 DB02 DC12 DC14 DD01 DD03 DD05 DD08 DD13 EA04 EA05 EA06 EA07 EA08 EA15 EA16 EA17 EA28 EB05 EB06 EB07 EB08 EB09 EB36 EB37 EB46 EC07 EC08 EC09 EC14 EC29 EC47 EC48 EE01E EE04E EE06E EE09E EE16E EE76E GA03 GA12 JA01 JB21 JB23 4J002 CL011 CL031 CL051 DH046 FA076

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)フッ素を含まないカルシウム化合
    物、有機リン化合物、及び/又はリン酸カルシウム化合
    物と、(B)フッ素を含まない、カルシウム以外の金属
    化合物と、(C)フッ素化合物とからなるアパタイト型
    化合物原料、及びポリアミド原料を配合し、ポリアミド
    の重合を行うことを特徴とするポリアミド樹脂組成物の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 アパタイト型化合物原料0.5〜99.
    5質量%とポリアミド原料99.5〜0.5質量%とを
    配合し、アパタイト型化合物の合成を行うと同時に、ポ
    リアミドの重合を行うことを特徴とする請求項1記載の
    ポリアミド樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 アパタイト型化合物原料(B)の金属元
    素が、Sr,Ba,Pb,Zn,Cd,Mg,Fe,M
    n,Ni,Cu,Hg,Al,Y,Ce,Nd,La,
    Dy及びEuから選ばれた少なくとも1種であることを
    特徴とする請求項1又は2記載のポリアミド樹脂組成物
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 アパタイト型化合物原料において、リン
    に対する、カルシウムとカルシウム以外の金属(X)の
    合計のモル比(Ca+X)/Pが1.15〜2.00で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 アパタイト型化合物原料において、カル
    シウム以外の金属(X)に対するカルシウムのモル比C
    a/Xが1.00〜1000であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成
    物の製造方法。
  6. 【請求項6】 アパタイト型化合物原料において、フッ
    素に対する、カルシウムとカルシウム以外の金属(X)
    の合計のモル比(Ca+X)/Fが0.10〜1000
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に
    記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製
    造方法によって製造された、リンに対する、カルシウム
    とカルシウム以外の金属(X)の合計のモル比(Ca+
    X)/Pが1.15〜2.00であり、質量平均繊維径
    が100nm以下、かつ、平均アスペクト比が5以上で
    ある針状アパタイト型化合物及びポリアミド樹脂からな
    るポリアミド樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004075716A (ja) * 2002-08-09 2004-03-11 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリアミド樹脂組成物
JP2004075715A (ja) * 2002-08-09 2004-03-11 Asahi Kasei Chemicals Corp アパタイト強化ポリアミド樹脂組成物
JP2010106121A (ja) * 2008-10-29 2010-05-13 Bridgestone Corp 光硬化性組成物の硬化物の製造方法
JP2012116937A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Toyota Central R&D Labs Inc ポリアミド系複合材料の製造方法

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