JP2001234064A - 熱可塑性樹脂から成る組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂から成る組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車部品、電子電気部品、工業機械部品な
どの産業用材料として好適な、剛性、強度、耐衝撃性、
耐熱性、吸水時の剛性や寸法安定性などに優れる優れる
樹脂組成物の提供。 【解決手段】 (A)ポリアミド、ならびに(B)フェ
ノールに不溶な有機物を含有するアパタイト型化合物か
らなり、該有機物がアパタイト型化合物100重量部に
対し0.5〜100重量部であるポリアミド複合体、あ
るいは該ポリアミド複合体に他の樹脂を混合してなるポ
リアミド樹脂複合体に、(C)ポリエステル系樹脂を配
合してなる樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形加工性に優れ、か
つ得られる成形体が剛性、強度、耐衝撃性、耐熱性、吸
水時の剛性や寸法安定性などに優れる熱可塑性樹脂組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にポリアミド樹脂は、成形性、耐衝
撃性、耐摩耗性、耐薬品性などが優れているが、吸水時
に剛性が低下したり、寸法変化を起こすという欠点があ
る。これらの欠点を改良を目的として、耐熱性や耐水性
に優れるポリエステル系樹脂とポリアミド樹脂を配合し
た組成物が、従来より、多数提案されている。例えば、
特公昭51−54658号公報などでは、ポリアミドと
ポリエステルの樹脂組成物が開示されている。また、特
開昭48−56742号公報、同56−34754号公
報では、ポリアミド、ポリエステルからなる樹脂に、強
化材や充填剤を添加し、分散性を改良した樹脂組成物が
開示されている。さらに、特開平3−215557号公
報には、ポリアミドとポリエステルと層状珪酸塩からな
る樹脂組成物が開示されている。
【0003】しかしながら、本発明者らの検討によれ
ば、従来のポリアミドとポリエステル系樹脂を必須成分
とする樹脂組成物においては、成形性、剛性、耐熱性、
耐衝撃性、吸水時の剛性や寸法安定性などの全ての特性
が十分に満足できるものは開発されていないのが現状で
あり、かかる問題を解消しうる樹脂材料の開発が非常に
期待されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、得ら
れる成形体が剛性、強度、耐衝撃性、耐熱性、吸水時の
剛性や寸法安定性などに優れる熱可塑性樹脂組成物を提
供することである
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂、ポリ
エステル系樹脂、および特定のアパタイト型化合物から
なる熱可塑性樹脂組成物により、上記課題を解決できる
ことをを見出し、本発明に至った。すなわち本発明は、
【0006】(1)(A)ポリアミド、ならびに(B)
フェノール溶媒に不溶な有機物を含有するアパタイト型
化合物からなり、該有機物がアパタイト型化合物100
重量部に対し0.5〜100重量部であるポリアミド複
合体、あるいは該ポリアミド複合体に他の樹脂を混合し
てなるポリアミド樹脂複合体に、(C)ポリエステル系
樹脂を配合してなる熱可塑性樹脂組成物、
【0007】(2)ポリアミド形成成分と、アパタイト
型化合物形成成分とを配合し、ポリアミドの重合反応お
よびアパタイト型化合物の合成反応を進行させて得られ
るポリアミド複合体、あるいは該ポリアミド複合体に他
の樹脂を混合してなるポリアミド樹脂複合体に、ポリエ
ステル系樹脂を配合してなることを特徴とする熱可塑性
樹脂組成物、
【0008】(3)アパタイト型化合物が、平均粒子径
にして0.001〜1μmであることを特徴とする上記
1あるいは2記載の熱可塑性樹脂組成物、(4)アパタ
イト型化合物形成成分が、平均粒子径にして0.001
〜10μmであることを特徴とする上記2記載の熱可塑
性樹脂組成物、である。以下、本発明について詳細に説
明する。
【0009】本発明は、ポリアミド樹脂、ポリエステル
系樹脂およびアパタイト型化合物とからなる熱可塑性樹
脂組成物に係る。本発明におけるポリアミドは、主鎖中
にアミド結合(−NHCO−)を有する重合体でよい。
【0010】本発明において好ましく用いるポリアミド
は、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリテトラメ
チレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレ
ンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセ
バカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデ
カミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジ
パミド(ナイロン116)、ポリウンデカラクタム(ナ
イロン11)、
【0011】ポリドデカラクタム(ナイロン12)、ポ
リトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロ
ンTMHT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド
(ナイロン6I)、ポリノナンメチレンテレフタルアミ
ド(9T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(6
T)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンド
デカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メ
チル−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイ
ロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジ
パミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンヘ
キサヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T
(H))、およびこれらのうち少なくとも2種の異なっ
たポリアミド成分を含むポリアミド共重合体、およびこ
れらの混合物などである。
【0012】これらのポリアミドのうち、本発明課題を
達成するのにより好ましいポリアミドは、ポリカプロラ
クタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナ
イロン612)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド
(ナイロン6I)、およびこれらのうち少なくとも2種
の異なったポリアミド成分を含むポリアミド共重合体、
およびこれらの混合物などである。
【0013】更に、本発明においては、前記ポリアミド
と他の樹脂とを混合して得られるポリアミド樹脂も用い
ることができる。この場合のポリアミド樹脂中のポリア
ミドの含有量は、好ましくは50重量%以上、より好ま
しくは60重量%以上、最も好ましくは70重量%以上
である。ポリアミド樹脂中のポリアミドの含有量が50
重量%未満の場合には、本発明の改良効果が顕著でない
場合がある。ポリアミドに配合する他の樹脂としては、
ポリアミド、ポリエステル系樹脂以外の熱可塑性樹脂を
あげることができる。
【0014】他の熱可塑性樹脂は、例えばアタクチック
ポリスチレン、アイソタクチックポリスチレン、シンジ
オタクチックポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂など
のポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹
脂、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホンなどのポリエーテル系樹脂、ポリフェニレ
ンスルフィド、ポリオキシメチレンなどの縮合系樹脂、
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメチル
メタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブテン、エチレンープロピレン共
重合体などのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデンなどの含ハロゲンビニル化合物系樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることが
できる。
【0015】前記ポリアミド形成成分(原料)として
は、重合可能なアミノ酸、重合可能なラクタム、あるい
は重合可能なジアミン・ジカルボン酸塩、および重合可
能な前記化合物のオリゴマーを挙げることができる。重
合可能なアミノ酸としては、例えば6−アミノカプロン
酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸、パラアミノメチル安息香酸をより具体的に挙げるこ
とができる。本発明では、これらの重合可能なアミノ酸
を1種で用いても良いし、2種類以上組み合わせて用い
ても良い。
【0016】重合可能なラクタムとしては、例えばブチ
ルラクタム、ピバロラクタム、カプロラクタム、カプリ
ルラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、
ドデカノラクタムなどをより具体的に挙げることができ
る。本発明では、これらの重合可能なラクタムを1種で
用いても良いし、2種類以上組み合わせて用いても良
い。
【0017】重合可能なジアミン・ジカルボン酸塩のジ
アミンとしては、例えばテトラメチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデ
カメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミ
ン、ノナンメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル
ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキ
サメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミ
ン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、メタキ
シリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、
【0018】1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキ
サン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデカ
ン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5,−ト
リメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘ
キシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、
アミノエチルピペラジンなどを挙げることができる。本
発明では、これらの重合可能なジアミンを1種で用いて
も良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0019】重合可能なジアミン・ジカルボン酸塩のジ
カルボン酸としては、例えばマロン酸、ジメチルマロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルア
ジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2
−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、
エイコジオン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチ
ルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、
ヘキサヒドロテレフタル酸、ジグリコール酸などを挙げ
ることができる。本発明では、これらの重合可能なジカ
ルボン酸は1種で用いても良いし、2種類以上組み合わ
せて用いても良い。
【0020】本発明のポリアミド形成成分(原料)に
は、さらに分子量調節あるいは耐熱水性向上のために公
知の末端封止剤を添加することができる。末端封止剤と
しては、モノカルボン酸またはモノアミンが好ましい。
その他、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネ
ート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアル
コール類などを挙げることができる。
【0021】末端封止剤として使用できるモノカルボン
酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、
吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデ
シル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン
酸、シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボ
ン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン
酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカル
ボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸など
を挙げることができる。本発明では、これらのモノカル
ボン酸を1種で用いても良いし、2種類以上組み合わせ
て用いても良い。
【0022】末端封止剤として使用するモノアミンとし
ては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えばメチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、
オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミンなどの脂肪族モノアミン、シクロヘキシル
アミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミ
ン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチ
ルアミンなどの芳香族モノアミンなどを挙げることがで
きる。本発明では、これらのモノアミンを1種で用いて
も良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0023】本発明のポリアミドの分子量は、成形性お
よび物性がより優れていることから、重量平均分子量
(Mw)にして、1万〜100万であることが好まし
く、更には2万〜50万、最も好ましくは3万〜20万
のものである。重量平均分子量は、例えば、溶媒として
ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用い、
分子量標準試料としてポリメタクリル酸メチル(PMM
A)を用いて、ゲルパーミッショクロマトグラフィー
(GPC)により求めることができる。
【0024】本発明で好ましく用いられるポリエステル
系樹脂は、(a)芳香族ポリエステル樹脂、(b)ポリ
エステル系熱可塑性エラストマー、(c)ポリアリレー
ト樹脂、(d)液晶ポリエステルから選ばれるすくなく
とも1つの樹脂である。以下、詳細に説明する。本発明
で好ましく用いられる芳香族ポリエステル樹脂(a)
は、芳香環を重合体の連鎖単位に有する熱可塑性のポリ
エステルであり、通常芳香族ジカルボン酸(あるいはそ
のエステル形成性誘導体)とジオール(あるいはそのエ
ステル形成性誘導体)とを主成分とする縮合反応により
得られる重合体ないしは共重合体であり、融点が180
〜330℃程度のものが好ましい。
【0025】前記芳香族ジカルボン酸は、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレ
ンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,3’−ジフェ
ニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、
4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’
−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−
ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、
2,5−アントラセンジカルボン酸、4,4”−p−タ
ーフェニレンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボ
ン酸などを挙げることができ、なかでも好ましいものと
しては、テレフタル酸など、あるいはこれらの混合物を
挙げることができる。なお20モル%以下程度の少量で
あれば、これらの芳香族ジカルボン酸とともにアジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸など
の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸な
どの脂環式ジカルボン酸を一種以上混合してもよい。
【0026】前記ジオール成分は、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式
ジオールおよびこれらの混合物を挙げることができる。
なお、少量であれば、分子量400〜6000程度の長
鎖ジオール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−
1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコールなど、あるいはこれらの混合物を共重合させて
も良い。
【0027】芳香族ポリエステル樹脂(a)の具体例と
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘ
キシレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフ
タレンジカルボキシレート、ポリブチレン−2,6−ナ
フタレンジカルボキシレート、ポリエチレン−1,2−
ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレ
ートなどの芳香族ポリエステルや、
【0028】ポリエチレンイソフタレート/テレフタレ
ート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレー
トなどの芳香族ポリエステル共重合体が好ましいものと
して挙げることができる。中でも、得られる樹脂組成物
の機械的性質、成形性の点からポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンテレフタレートが最も好ましいもの
として挙げることができる。
【0029】前記ポリブチレンテレフタレートは、0.
5W/V%のo−クロロフェノール溶液中で25℃にお
いて測定した固有粘度が、0.50〜2.0程度が好ま
しく、また、ポリエチレンテレフタレートの場合は上記
と同条件で測定した固有粘度が0.25〜1.75程度
のものが好ましい。本発明で好ましく用いられるポリエ
ステル系熱可塑性エラストマー(b)は、特に限定はし
ないが、芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、
ポリ(アルキレンオキシド)グリコールおよび/または
脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとする150℃
以上の融点を有するものであり、例えばポリエーテルエ
ステルブロック共重合体、ポリエステル・エステルブロ
ック共重合体、ポリエーテルエステル・エステル共重合
体など、あるいはこれらの混合物を挙げることができ
る。
【0030】ポリエステル系熱可塑性エラストマー中の
芳香族ポリエステルハードセグメント対ソフトセグメン
トの占める割合は、重量比で95/5〜10/90、特
に90/10〜30/70であることが好ましい。な
お、融点の測定は、JIS K7121に準じ、熱示差
分析法(DSC)で、5〜15mgのサンプルを用い
て、昇温速度20℃/minで得られた融解曲線のピー
ク温度から求めることができる。なお、ピーク温度が複
数の場合には、最も高いピーク温度をもって融点とす
る。
【0031】前記ハードセグメントを構成する芳香族ポ
リエステルとは、通常60モル%程度以上がテレフタル
酸成分であるジカルボン酸成分とジオール成分を縮重合
して得られる重合体であることが好ましい。テレフタル
酸以外のジカルボン酸成分およびジオール成分として
は、前記芳香族ポリエステル樹脂(a)において挙げた
ものを好ましく使用でき、具体的には、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレ
ン(テレフタレート/イソフタレート)など、あるいは
これらの混合物を挙げることができる。
【0032】前記ソフトセグメントを構成するポリ(ア
ルキレンオキシド)グリコールおよび脂肪族ポリエステ
ルは、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリ
(1,2−および1,3−プロピレンオキシド)グリコ
ール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エ
チレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、エチ
レンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体、ポリエ
チレンアジペート、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリエ
チレンセバケート、ポリブチレンセバケートなど、ある
いはこれらの混合物を挙げることができる。
【0033】ポリエステル系熱可塑性エラストマー
(b)の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート
・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールブロック
共重合体、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレー
ト・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールブロッ
ク共重合体、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(テト
ラメチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポ
リブチレンテレフタレート/イソフタレート・ポリ(テ
トラメチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、
ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレー
ト・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールブロッ
ク共重合体、ポリエチレンテレフタレ−ト・ポリ(プロ
ピレンオキシド/エチレンオキシド)グリコ−ルブロッ
ク共重合体、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(プロ
ピレンオキシド/エチレンオキシド)グリコールブロッ
ク共重合体、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレ
ート・ポリ(プロピレンオキシド/エチレンオキシド)
グリコールブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレ
ート/デカンジカルボキシレート・ポリ(プロピレンオ
キシド/エチレンオキシド)グリコールブロック共重合
体、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(エチレンオキ
シド)グリコールブロック共重合体、ポリエチレンテレ
フタレート・ポリ(エチレンオキシド)グリコールブロ
ック共重合体、ポリブチレンテレフタレート・ポリエチ
レンアジペートブロック共重合体、ポリブチレンテレフ
タレート・ポリブチレンアジペートブロック共重合体、
ポリブチレンテレフタレート・ポリブチレンセバケート
ブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレート・ポリ
−ε−カプロラクトンブロック共重合体などを挙げるこ
とができる。
【0034】本発明で好ましく用いられるポリアリレー
ト樹脂(c)は、特に限定はしないが、二官能フェノー
ル化合物と芳香族ジカルボン酸を高温溶融状態で反応さ
せる溶融重合法、脱酸剤としてのアミン存在下、二官能
フェノール化合物と芳香族ジカルボン酸ジクロライドを
有機溶媒中で反応させる溶液重合法、二官能フェノール
化合物と芳香族ジカルボン酸ジクロライドとを互いに相
溶しない2種の溶媒に溶解したのち、アルカリ存在下で
2液を混合撹拌して、その界面で重縮合反応を行わせる
界面重合法などにより製造することにより得られるもの
である。前記二官能フェノール系化合物は、下記一般式
(1)で示される。
【0035】
【化1】 ここで、R1およびR2は水素原子または炭素数1〜10
のアルキル基またはハロゲンである。また、mおよびn
は置換基数を表し0〜4の整数である。上記(1)式に
おいて、Arは、
【0036】
【化2】 である。ここで、R3、R4、R5、およびR6は水素原子
または炭素数1〜10のアルキル基もしくはフェニル基
であり、R3とR4が結合し環を形成していても良い。ま
たR1、R2、R3、R4、R5およびR6は同じでも異なっ
ていても良い。
【0037】前記二官能フェノール系化合物は、具体的
には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
【0038】1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t-
ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−ブロモフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1、1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジ
ヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテル、
4,4’−ジヒドロキシフェニルスルフィド、
【0039】4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメ
チルジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’ジメチルジフェニルスルホンなど、あるい
はこれらの混合物を挙げることがげきる。中でも、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、すなわ
ちビスフェノールA、あるいは1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサンがより好ましいものと
してあげることができる。
【0040】前記芳香族ジカルボン酸としては、特に限
定はしないが、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、
ナフタレンジカルボン酸など、あるいはこれらの混合
物、ならびにこれら芳香族ジカルボン酸のアルキル置換
同族体、ハロゲン化物など、あるいはこれらの混合物を
あげることができる。本発明においては、ポリアリレー
ト樹脂は、その分子量が数平均分子量にして、5000
〜10万程度のものが、成形性、物性という点からより
好ましく用いられる。
【0041】本発明で好ましく用いられるアパタイト型
化合物は、下記一般式で示される。 (A)10-z(HPO4z(PO46-z(X)2-z・nH2
O ここで、0≦z<2、0≦n≦16であり、(A)は金
属元素、またXは陰イオンまたは陰イオン化合物である
が、成形性および物性の観点から0≦z<1、0≦n≦
4であることがより好ましい。
【0042】好ましい金属元素(A)としては、元素周
期律表の1A、2A、3A、4A、5A、6A、7A、
8、1B、2B、3B族元素およびスズ、鉛を挙げるこ
とができる。これら金属元素は1種であっても、2種以
上であってもかまわない。本発明においては、得られる
樹脂組成物の経済性、安全性および物性の点から、2A
族元素であるマグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、あるいはこれらの2種以上からなる混合
物であることが特に好ましい。
【0043】前記一般式中のXで示される陰イオンまた
は陰イオン化合物としては、水酸イオン(OH-)、フ
ッ素イオン(F-)、塩素イオン(Cl-)などを挙げる
ことができる。これら陰イオン元素または陰イオン化合
物は1種であっても、2種以上であってもかまわない。
また、本発明においては、前記一般式中のリン酸水素イ
オン(HPO4 2-)、リン酸イオン(PO4 3-)、あるい
はXの一部が炭酸イオン(CO3 2-)に置換した炭酸含
有アパタイトであってもよい。
【0044】本発明においては、前記アパタイト型化合
物の中、金属元素(A)がカルシウムである水酸アパタ
イト(Xが水酸イオン)、フッ素化アパタイト(Xの一
部または全部がフッ素イオン)、塩素化アパタイト(X
の一部または全部が塩素イオン)、炭酸含有水酸アパタ
イト、炭酸含有フッ素化アパタイト、炭酸含有塩素化ア
パタイト、さらには、これらの混合物が最も好ましく用
いられる。
【0045】かかるアパタイト型化合物形成成分(原
料)としては、リン酸系金属化合物や、リン酸系金属化
合物と非リン酸系金属化合物とからなる混合物などを挙
げることができるが、本発明では、リン酸系金属化合物
と非リン酸系金属化合物とからなる混合物であることが
より好ましい。本発明では、アパタイト型化合物形成成
分のリンに対する金属元素のモル比が0.9〜10.0
であればよく、より好ましくは1.2〜5.0、さらに
好ましくは1.5〜2.0である。
【0046】前記リン酸系金属化合物のリン酸類として
は、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、メタ
リン酸、亜リン酸、次亜リン酸などを挙げることができ
る。より具体的には、リン酸系金属化合物としては、リ
ン酸一水素カルシウム(CaHPO4・mH2O、但し0
≦m≦2である。)、二リン酸二水素カルシウム(Ca
227)、リン酸二水素カルシウム一水和物(Ca
(H2PO42・H2O)、二リン酸カルシウム(α−お
よびβ−Ca227)、リン酸三カルシウム(α−お
よびβ−Ca3(PO42)、
【0047】リン酸四カルシウム(Ca4(PO4
2O)、リン酸八カルシウム五水和物(Ca82(P
46・5H2O)、亜リン酸カルシウム一水和物(C
aHPO3・H2O)、次亜リン酸カルシウム(Ca(H
2PO22)、リン酸マグネシウム第二・三水和物(M
gHPO4・3H2O)、リン酸マグネシウム第三・八水
和物(Mg3(PO42・8H2O)、リン酸バリウム第
二(BaHPO4)などを挙げることができる。
【0048】これらの中でも、本発明では経済性および
物性により優れる点から、リン酸とカルシウムの化合物
が好ましく用いられ、中でもリン酸一水素カルシウム
(CaHPO4・mH2O、但し0≦m≦2である。)が
より好ましく用いられ、特に無水リン酸一水素カルシウ
ム(CaHPO4)とリン酸一水素カルシウム二水和物
(CaHPO4・2H2O)が最も好ましく用いられる。
これらのリン系金属化合物は、1種であっても良いし、
2種以上の組み合わせであっても良い。
【0049】2種以上組み合わせる場合には、例えば、
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2
O)と二リン酸二水素カルシウム(CaH227)と
を用いるように、同種の金属元素を含有する化合物の組
み合わせや、リン酸一水素カルシウム二水和物(CaH
PO4・2H2O)とリン酸マグネシウム第二・三水和物
(MgHPO4・3H2O)とを用いるように、異種の金
属元素を含有する化合物の組み合わせなどが例示される
が、いずれでも差し支えない。
【0050】本発明におけるリン酸系金属化合物は、リ
ン酸一水素カルシウム(CaHPO 4・mH2O、但し0
≦m≦2である。)を例にとると、Phosphoru
sand its Compounds,1(195
8)で記載されているVanWazerによるCaO−
2O−P25系の状態図が示すように、水の存在下、
リン酸化合物とカルシウム化合物を混合することによる
公知の方法で得ることができる。より具体的には、例え
ば、20〜100℃の温度下、リン酸二水素カリウム溶
液に、リン酸アルカリ溶液および塩化カルシウム溶液を
滴下し反応させ合成する方法や、炭酸カルシウムまたは
水酸化カルシウムとリン酸水溶液を混合する方法などに
よれば良い。
【0051】ところで、本発明者らは、前記リン酸類の
かわりに、砒素(As)やバナジウム(V)からなる化
合物、すなわち砒酸類やバナジウム酸類を用いても、本
発明と同様な効果が得られるものと推察している。しか
しながら、本発明では、原料成分の安定性、形成成分の
入手容易性、安全性の点で優れることから、リン酸類を
用いることが最も好ましい。
【0052】本発明における非リン酸系金属化合物とし
ては、前記リン酸類以外で金属元素と化合物を形成する
ものであれば特に制限はなく、金属水酸化物(水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウ
ム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、
水酸化マンガンなど)、金属塩化物(塩化カルシウム、
塩化マグネシウム、
【0053】塩化ストロンチウム、塩化バリウム、塩化
リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アルミ
ニウム、塩化鉄、塩化マンガンなど)、金属フッ化物
(フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリ
ウム、フッ化ストロンチウム、フッ化リチウム、フッ化
ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アルミニウムな
ど)、金属臭化物(臭化カルシウムなど)、金属ヨウ化
物(ヨウ化カルシウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化銅な
ど)、金属炭化物(炭化カルシウムなど)、金属酸化物
(酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウ
ムなど)、
【0054】炭酸金属塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸リチ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アルミニウ
ムなど)、硫酸金属塩(硫酸カルシウムなど)、硝酸金
属塩(硝酸カルシウムなど)、ケイ酸金属塩(ケイ酸カ
ルシウム、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウムなど)など
の無機金属化合物や、金属元素とモノカルボン酸との化
合物(酢酸カルシウム、酢酸銅、安息香酸カルシウム、
ステアリン酸カルシウムなど)、金属元素とジカルボン
酸との化合物(しゅう酸カルシウム、酒石酸カルシウム
など)、金属元素とトリカルボン酸との化合物(クエン
酸カルシウムなど)などを挙げることができる。
【0055】本発明では、これらの非リン酸系金属化合
物は、1種であっても良いし、2種以上組み合わせても
良い。2種以上組み合わせる場合には、例えば水酸化カ
ルシウムと炭酸カルシウムとの混合物のように、同種の
金属元素を含有する化合物を組み合わせても良いし、例
えば、炭酸カルシウムと水酸化マグネシウムとの混合物
のように、異種の金属元素を含有する化合物を組み合わ
せても良い。
【0056】本発明では、これら化合物の中でも、経済
性および物性がより優れていることから、金属水酸化
物、金属フッ化物、金属塩化物、炭酸金属塩、金属酸化
物、あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。特
に元素周期律表の2A族元素であるカルシウム、マグネ
シウム、ストロンチウム、バリウムの水酸化物、フッ化
物、塩化物、炭酸塩、あるいはこれらの混合物がより好
ましく、更にはカルシウムの水酸化物、フッ化物、塩化
物、炭酸塩、酸化物、あるいはこれらの混合物が好まし
く用いられ、その中でも水酸化カルシウム、炭酸カルシ
ウム、フッ化カルシウムが最も好ましく用いられる。
【0057】非リン酸系金属化合物の製造方法は特に制
限されるものでなく、例えば炭酸カルシウムの場合を例
にとると、天然材の粉砕品であっても、化学的に合成さ
れたものであってもかまわない。また、その結晶形態や
形状も特に制限されるものではなく、炭酸カルシウムの
場合を例にとると、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カル
シウム、コロイド炭酸カルシウム、アラゴナイト型炭酸
カルシウム、バテライト型炭酸カルシウム、針状型炭酸
カルシウムなど、あるいはこれらの混合品など、いずれ
を用いてもかまわない。
【0058】本発明のアパタイト型化合物形成成分であ
るリン酸系金属化合物や非リン酸系金属化合物は、好ま
しい平均粒子径が0.001〜10μm、より好ましく
は0.001〜5μm以下、さらに好ましくは0.00
1〜1μmである。平均粒子径の測定は、アパタイト型
化合物形成成分を純水あるいはアルコール類中に分散さ
せ、超音波処理を行った後、レーザ回折/散乱式粒度分
布装置で測定する方法によれば良い。
【0059】本発明のポリアミド複合体の製造方法は、
ポリアミド形成成分(原料)に、アパタイト型化合物形
成成分(原料)を配合し、次いでポリアミドの重合とア
パタイト型化合物の合成を行う方法を用いることが好ま
しい。ポリアミドの重合とアパタイト型化合物合成のよ
り好ましい方法は、ポリアミド形成成分とアパタイト型
化合物形成成分との配合物を加熱し、ポリアミド形成成
分をアパタイト型化合物形成成分の存在下に重合し、そ
の後アパタイト型化合物を合成する方法や、あるいはア
パタイト型化合物形成成分をポリアミド形成成分の存在
下に反応させ、その後ポリアミドを重合する方法であ
る。
【0060】更に好ましい方法は、前記両形成成分の配
合物を40〜300℃の温度下で、ポリアミドの重合反
応およびアパタイト型化合物の合成反応を進行させる方
法であり、最も好ましい方法は、前記両形成成分の配合
物を加圧下、40〜300℃の温度下で、ポリアミドの
重合反応およびアパタイト型化合物の合成反応を同時並
行的に進行させる方法である。
【0061】ポリアミド形成成分とアパタイト型化合物
の形成成分との配合方法としては、固体状のポリアミド
形成成分とアパタイト型化合物の形成成分を直接混合す
る方法、ポリアミド形成成分の水溶液とアパタイト型化
合物形成成分の水溶液や懸濁液とを配合する方法などの
いずれによっても良い。また、アパタイト型化合物の分
散性を向上させるために、必要に応じて、ポリアミド形
成成分やアパタイト型化合物形成成分に分散剤や錯化剤
などの化合物を添加しても良い。更には、アパタイト型
化合物形成成分の懸濁液、あるいはアパタイト型化合物
形成成分とポリアミド形成成分との混合液を、超音波に
よる処理を行ったり、ホモジナイザーによる処理を行っ
ても良い。
【0062】本発明では、前記分散剤の種類を、特に制
限するものではなく、公知の分散剤を用いることができ
る。例えば、「分散・凝集の解明と応用技術,1992
年」(北原文雄監修・株式会社テクノシステム発行)の
232〜237ページに記載されているようなアニオン
系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性
剤、非イオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤など
を用いることができる。これらの中でもアニオン系界面
活性剤、非イオン系界面活性剤を用いることが好まし
く、特に、価格および物性の観点から、クエン酸ナトリ
ウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アン
モニウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン−無水マレイン酸などのオレフィン−無水マレイン酸
共重合体、ショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖エ
ステル類などを用いることがより好ましい。
【0063】錯化剤としては、金属イオンと錯体を形成
する化合物であれば特に制限されることがなく、例え
ば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三
酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエー
テルジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ク
エン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、エ
チレンジアミンなどの脂肪族アミン、尿素などを用いる
ことができる。これらの中でも、価格および物性の観点
からクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、
エチレンジアミン(en)が特に好ましい。
【0064】前記ポリアミドの重合は、公知の方法を用
いることができる。例えば、11−アミノウンデカン酸
などの水に難溶な成分を形成成分とし、40〜300℃
で加熱し重縮合する方法、ε−カプロラクタムを形成成
分とし、その水溶液を必要に応じてモノカルボン酸など
の末端封鎖剤、あるいはε−アミノカプロン酸などの反
応促進剤を加えて、不活性ガスを流通させながら、40
〜300℃に加熱し重縮合するラクタム類の開環重縮合
法、ヘキサメチレンアジパミドなどのジアミン・ジカル
ボン酸を形成成分とし、その水溶液を40〜300℃の
温度下、加熱濃縮し、発生する水蒸気圧を常圧〜約1.
96Mpa(ゲージ圧)の間の圧力に保ち、最終的には
圧力を抜き常圧あるいは減圧し重縮合を行う熱溶融重縮
合法などを用いることができる。さらには、ジアミン・
ジカルボン酸固体塩や重縮合物の融点以下の温度で行う
固相重合法、ジカルボン酸ハライド成分とジアミン成分
とを溶液中で重縮合させる溶液法なども用いることがで
きる。
【0065】これらの方法は必要に応じて組合わせても
かまわない。また、重合形態としては、バッチ式でも連
続式でもかまわない。また、重合装置も特に制限される
ものではなく、公知の装置、例えば、オートクレーブ型
の反応器、タンブラー型反応器、ニーダーなどの押出機
型反応器などを用いることができる。ポリアミド樹脂複
合体の製造方法は、前記ポリアミド複合体と他の樹脂と
を、混合する方法であれば良く、ポリアミド複合体粉体
や該ペレットと他の樹脂粉体や該ペレットとをヘンシェ
ルミキサーやタンブラーなどでブレンドする方法や、ポ
リアミド複合体粉体や該ペレットと他の樹脂粉体や該ペ
レットとを、バンバリーミキサー、ミキシングロール、
単軸あるいは二軸の押出機などを用いて溶融混練する方
法などを用いれば良い。
【0066】本発明のアパタイト型化合物の確認は、例
えば、ポリアミド複合体、ポリアミド樹脂複合体、ある
いは樹脂組成物やその成形体を用いて、広角X線回折、
赤外吸収スペクトルなどで直接確認する方法や、ポリア
ミドや配合した他の樹脂が可溶な溶媒で、ポリアミドあ
るい配合した他の樹脂を溶出し、アパタイト型化合物成
分を分離し、分離したアパタイト型化合物の広角X線回
折、赤外吸収スペクトルなどで確認する方法などによれ
ば良い。
【0067】前記ポリアミドや他の樹脂が可溶な溶媒と
は、特に制限されるものではなく、公知の溶媒を用いる
ことができる。例えば、「POLYMERHANDBO
OKThirdEdition」(J.Brandru
pandE.H.Immergut監修/AWiley
−IntersciencePublication)
の第VII(SolventsandNon−solv
entsForPolymers)に記載されている溶
媒を用いれば良いが、本発明においては、ポリアミドお
よびポリエステル系樹脂を溶解する溶媒としては、フェ
ノール溶媒を用いるのが好ましい。
【0068】本発明のアパタイト型化合物は、結晶性ア
パタイト型化合物であっても、非晶性アパタイト型化合
物であってもかまわないが、物性の観点から、結晶性ア
パタイト型化合物であることがより好ましい。アパタイ
ト型化合物が結晶性であることの確認は、具体的には、
X線の線源として、銅Kα(波長λ=0.1542n
m)を用いて、広角X線回折を測定し、回折角(2θ)
が25.5〜26.5度に(002)面ピークが存在
し、さらに回折角(2θ)が32.5〜33.5度に
(300)面ピークが存在することを確認すればよい。
本発明では、上記のように確認される結晶性アパタイト
型化合物であることが特に好ましい。
【0069】本発明のアパタイト型化合物の含有量は、
ポリアミド100重量部に対して0.5〜300重量部
であることが好ましく、より好ましくは1〜200重量
部、更には3〜100重量部、特に好ましくは5〜75
重量部である。アパタイト型化合物の含有量は、例え
ば、ポリアミド複合体を用いて、JISR3420に従
って強熱減量(Ig.loss)を測定し、その重量減
少量から求めることができる。また、上記強熱減量と溶
媒抽出、NMR、あるいは赤外吸収スペクトルなどとを
必要に応じて組み合わせて、ポリアミド樹脂複合体、あ
るいは本発明の熱可塑性樹脂組成物またはその成形品か
らでもアパタイト型化合物の含有量を求めることができ
る。アパタイト型化合物の含有量がポリミド100重量
部に対して、0.5重量部未満の場合には、得られる成
形体の機械特性の改良効果が本発明の目的を達成し得る
程に顕著でなく、一方300重量部を越えた場合には、
靭性が低下する恐れや成形加工がしにくくなるなどの問
題が発生しやすい。
【0070】本発明のアパタイト型化合物のリンに対す
る金属元素の比は、モル比にして0.9〜10.0であ
ることが好ましく、より好ましくは1.2〜5.0、特
に好ましくは、1.3〜2.5である。この比が0.9
未満の場合には、押出や成形加工時に気泡の混入や発泡
が起こりやすくなり、得られる成形体の収率が低下する
懸念がある。また、この比が10.0を越えた場合に
は、靭性の低下が著しくなる恐れがある。
【0071】本発明のアパタイト型化合物が含有する有
機物は、アパタイト型化合物100重量部あたり、0.
5〜100重量部であることが必要である。より好まし
くは、1〜100重量部、更には3〜75重量部、特に
好ましくは4〜50重量部である。該有機物は、イオン
結合反応、吸着反応あるいはグラフト化反応などの物理
的、化学的相互作用によりアパタイト型化合物の内部や
表面に取り込まれている有機物であるため、たとえポリ
アミドが可溶なフェノール溶媒を用いて溶解操作を行っ
ても、溶媒中に溶解・溶出しないという性質を有しお
り、このことがアパタイト型化合物とマトリックスであ
るポリアミドとの固着、接着性を非常に向上させてい
る。該有機物の量が、アパタイト型化合物100重量部
あたり0.5重量部未満の場合には、得られる成形体の
靭性の低下が大きくなる恐れがある。また100重量部
を越えた場合には、成形加工性が低下する傾向にある。
【0072】本発明者らの検討によれば、本発明におけ
る前記有機物は、分離したアパタイト型化合物の熱分解
ガスクロマトグラフィーおよび熱分解成分のマススペク
ト(MS)、赤外吸収スペクトルの測定結果から、ポリ
アミド形成成分、ポリアミド、あるいはこれらの反応生
成物である。従って本発明の前記有機物は、特にマトリ
ックスであるポリアミドとの固着、接着性がより向上す
る点から、前記有機物の少なくとも一部がポリアミドで
あることが好ましい。また、前記有機物には、水が含有
されてもかまわない。
【0073】本発明の前記有機物の含有量は、具体的に
は、(i)アパタイト型化合物の分離操作、(ii)熱
減量率の測定、(iii)熱分解成分の測定による有機
物の定量、を行うことによって求めることができる。以
下に、詳細に説明する。
【0074】(i)アパタイト型化合物の分離操作:ポ
リアミド複合体、ポリアミド樹脂複合体、樹脂組成物あ
るいはその成形品10gを秤量し、90重量%フェノー
ル200mlと混合し、40℃で2時間攪拌し、遠心分
離器を用いて分離操作を行い、上澄み溶媒を除去する。
さらに200mlのフェノールを加え、以後同様な溶解
操作と遠心分離器を用いた分離操作を4回繰り返し行
う。引き続き、99.5重量%エタノール200mlを
加えて、23℃で2時間攪拌し、遠心分離器を用いて分
離操作を行い、上澄み溶媒を除去する。この操作をさら
に4回繰り返した後、減圧乾燥器中で乾燥し、アパタイ
ト型化合物を得る。なお、ポリアミド以外の樹脂成分の
溶解操作は、上記ポリアミド溶解操作前あるいはその後
に、他の樹脂が可溶な溶媒を用いて行えば良い。
【0075】(ii)熱減量率(X(重量部/アパタイ
ト型化合物100重量部))の測定:得られたアパタイ
ト型化合物5〜15mgを秤量し、熱重量分析(TG
A)装置により、30℃から550℃まで99.9℃/
minで昇温後、550℃で1時間保持する。30℃に
おける初期重量(W0)と、550℃で1時間保持した
後の最終重量(W1)を用いて、下式に熱減量率Xを算
出できる。 熱減量率X(重量部/アパタイト型化合物100重量
部)=(W0−W1)×100/W1
【0076】(iii)熱分解成分の測定による有機物
の定量:前記(i)により得られたアパタイト型化合物
を1〜10mg秤量し、熱分解ガスクロマトグラフィー
により、熱分解温度550℃、カラム温度50〜320
℃(昇温速度20℃/min)の条件下で測定する。得
られた熱分解ガスクロマトグラフィーのパイログラム
を、保持時間2min未満と2min以上に分けそのピ
ーク面積を算出する。2min以下の成分は二酸化炭素
などの低分子量成分であるため、この低分子量成分を全
体から差し引き、有機物の量とした。具体的には、それ
ぞれの面積Sa(2min未満)とSb(2min以
上)を算出し、前記(ii)の熱減量率Xを用いて、下
式にて有機物の量を算出する。 有機物の量(重量部/アパタイト型化合物100重量
部)=X・Sb/(Sa+Sb)
【0077】本発明のアパタイト型化合物の平均粒子径
は、好ましくは0.001〜1μm、より好ましくは
0.001〜0.5μmである。本発明における平均粒
子径は、電子顕微鏡写真法により求めることができ、該
平均粒子径は次のようにして算出することができる。す
なわち、ポリアミド複合体、ポリアミド樹脂複合体、あ
るいは樹脂組成物や得られる成形体から切り出した超薄
切片の透過型電子顕微鏡(TEM:写真倍率5万倍ある
いは10万倍)を撮影し、アパタイト型化合物の粒子径
i、粒子数niを求め、次式により平均粒子径を算出す
る。 平均粒子径=Σdi・ni/Σni 本発明の熱可塑性樹脂組成物中のアパタイト型化合物
は、ポリアミドと固着、接着性が高いということから、
アパタイト型化合物の50重量%以上がポリアミド中に
存在することが好ましい。
【0078】本発明のポリエステル系樹脂の配合量は、
ポリアミド100重量部に対して0.1〜300重量部
であることが好ましく、1〜200重量部がより好まし
く、10〜100重量部が最も好ましい。配合量が0.
1重量部未満の場合には、耐水性などの改良効果が顕著
でなくなる傾向にあり、また300重量部を越えた場合
には、強度、靭性などの低下を引き起こす懸念がある。
【0079】本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法
は、前記ポリアミド複合体、ポリエステル系樹脂、必要
に応じて耐衝撃性改良材、変性剤(不飽和カルボン酸化
合物またはその誘導体、不飽和エポキシ化合物、不飽和
イミド化合物)、あるいはポリカーボネートなどのよう
なポリアミドやポリエステル以外の樹脂を配合し、混合
する方法であれば特に限定はされないが、好ましい方法
としては、バンバリーミキサー、ミキシングロール、単
軸あるいは二軸の押出機などを用いて、溶融混練する方
法を挙げることができる。
【0080】前記耐衝撃性改良材は、特に限定はしない
が、例えばエチレンと不飽和カルボン酸あるいは不飽和
カルボン酸金属塩とからなる共重合体、エチレン・α−
オレフィン系共重合体あるいはその変性物、ビニル系芳
香族化合物および共役ジエン系化合物から得られるブロ
ック共重合体あるいはその変性物、天然ゴム,ポリブタ
ジエン,ポリイソプレン,ポリイソブチレン、ネオプレ
ン、
【0081】ポリスルフィドゴム、チオコールゴム、ア
クリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エビクロ
ロヒドリンゴムなど、あるいはそれらの変性物、ブタジ
エン−アクリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム
(ABS)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチ
レン−コアシェルゴム(MBS),メチルメタクリレー
ト−ブチルアクリレート−スチレン−コアシェルゴム
(MAS)、
【0082】オクチルアクリレート−ブタジエン−スチ
レン−コアシェルゴム(MABS)、アルキルアクリレ
ート−ブタジエン−アクリロニトリル−スチレンコアシ
ェルゴム(AABS)、ブタジエン−スチレン−コアシ
ェルゴム(SBR)、メチルメタクリレート−ブチルア
クリレートシロキサンをはじめとするシロキサン含有コ
アシェルゴムなどのコアシェルタイプあるいはそれらの
変性物などから選ばれる少なくとも1種の化合物を挙げ
ることができる。
【0083】前記変性物を得るための変性剤としては、
不飽和カルボン酸化合物またはその誘導体、不飽和エポ
キシ化合物、不飽和イミド化合物などを挙げることがで
きる。これら耐衝撃改良材の中で、好ましいものとして
は、(a)エチレン・α−オレフィン系共重合体あるい
はその変性物、(b)ビニル系芳香族化合物および共役
ジエン系化合物から得られるブロック共重合体あるいは
その変性物を挙げることができる。
【0084】以下これらの耐衝撃性改良剤について詳細
に説明する。 (a)エチレン・α−オレフィン系共重合体あるいはそ
の変性物 前記エチレン・α−オレフィン共重合体は、密度が90
0Kg/m3未満、より好ましくは850〜890Kg
/m3の、エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィン
との共重合体である。炭素数が3以上のα−オレフィン
は、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセ
ン、4 −メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−
デセンなどをあげることができる。これらは1種でもよ
いし、2種以上組み合わせてもよい。
【0085】また、例えばジシクロペンタジエン、エチ
リデンノルボルネンなどの不飽和結合を有する構成単位
を含有させてもかまわない。エチレン・α−オレフィン
共重合体は、エチレン含有量は30〜95モル%である
ことが好ましく、より好ましくは40〜90モル%、さ
らに好ましくは50〜85モル%である。エチレン・α
−オレフィン共重合体のエチレン含有量が95モル%を
越えたり、あるいは30モル%より少ない場合には、エ
チレン・α−オレフィン共重合体を配合しても、顕著な
耐衝撃性の改良効果が見られないことがある。
【0086】エチレン・α−オレフィン共重合体は、M
FR(190℃、荷重2160g)が0.05〜100
g/10分程度が好ましく、0.1〜50g/10分で
あることがより好ましい。分子量分布(重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比)は10以下程
度が好ましい。さらに、結晶化度は0〜50%が好まし
く、0〜20%であることがより好ましい。上記範囲を
はずれると耐衝撃性改良効果が顕著でなくなる傾向にあ
る。
【0087】前記エチレン・α−オレフィン共重合体
は、チーグラー・ナッタ触媒またはメタロセン系触媒を
用いた方法、その他、ICI法、BASF法、フィリッ
プス法、スタンダード法などの公知の方法により製造す
ることができる。また、エチレン・α−オレフィン系共
重合体は、不飽和カルボン酸化合物またはその誘導体、
不飽和エポキシ化合物、不飽和イミド化合物などをグラ
フト化し、変性エチレン・α−オレフィン共重合体とし
て、用いることもできる。
【0088】エチレン・α−オレフィン共重合体の変性
方法としては、溶融混練法、溶液法、スラリー法を挙げ
ることができ、いずれの方法によっても好ましく行うこ
とができる。溶融混練法の場合には、変性に用いる前記
変性剤(不飽和カルボン酸化合物またはその誘導体、不
飽和エポキシ化合物、不飽和イミド化合物)と、ラジカ
ル重合用触媒を併存させて、押出機を用いて、150〜
350℃の温度に加熱して溶融混練すればよい。一方、
溶液法、スラリー法の場合には、キシレンなどの有機溶
剤にエチレン・α−オレフィン共重合体、変性剤、およ
びラジカル重合触媒とを溶解、あるいはスラリー状態と
し、80〜350℃の温度で撹拌しながら変性すればよ
い。配合する変性剤の量は、エチレン・α−オレフィン
共重合体100重量部に対して、0.01〜10重量%
が好ましい。
【0089】前記変性剤である不飽和カルボン酸化合物
としては、アクリル酸、α−エチルアクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、フマール酸、ハロゲン化マレイン
酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテト
ラヒドロフタル酸、ハロゲン化シトラコン酸、クロトン
酸、ハロゲン化クロトン酸、イタコン酸、ハロゲン化イ
タコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカル
ボン酸、エンド−ビシクロ−(2、2,1)−5−ヘプ
テン−2,3−ジカルボン酸、メチル−エンド−シス−
ビシクロ−(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジ
カルボン酸、エンド−ビシクロ−(2,2,1)−1,
2,2,2,7,7−ヘキサクロロ−2−ヘプテン−
5,6−ジカルボン酸など、あるいはこれらの混合物を
挙げることができる。
【0090】不飽和カルボン酸化合物の誘導体は、前記
不飽和カルボン酸化合物の酸ハライド、無水、エステ
ル、アミド、イミド、金属塩などを挙げることができ、
例えば塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無
水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジ
メチル、グリシジルマレエートなど、あるいはこれらの
混合物を挙げることができる。この中で、好ましいもの
としては、無水マレイン酸、無水ナジック酸を挙げるこ
とができる。
【0091】不飽和エポキシ化合物としては、グリシジ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン
酸モノグリシジルエステル、イタコン酸ジグリシジルエ
ステル、ブテントリカルボン酸モノグリシジルエステ
ル、ブテントリカルボン酸ジグリシジルエステル、ブテ
ントリカルボン酸トリグリシジルエステル、p−スチレ
ンカルボン酸グリシジルエステル、アリルグリシジルエ
ーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレ
ン−p−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレ
ン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ
−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペ
ンテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペンテ
ン、5,6−エポキシ−1−ヘキセンおよびビニルシク
ロヘキセンモノオキシドなど、あるいはこれらの混合物
を挙げることができる。
【0092】不飽和イミド化合物としては、例えばマレ
イミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミ
ド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、
N−オクチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N
−(o−メチルフェニル)マレイミド、N−(m−メチ
ルフェニル)マレイミド、N−(p−メチルフェニル)
マレイミド、N−(メトキシフェニル)マレイミド、
【0093】N−(クロルフェニル)マレイミド、N−
(カルボキシフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレ
イミド、N−ナフチルマレイミド、N−シクロヘキシル
マレイミド、イタコンイミド、N−メチルイタコンイミ
ド、N−フェニルイタコンイミドなどを挙げることがで
きる。中でもN−シクロヘキシルマレイミド、N−ベン
ジルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(カル
ボキシフェニル)マレイミドが好ましく用いられる。こ
れらの不飽和カルボン酸もしくはその誘導体、不飽和エ
ポキシ化合物、あるいは不飽和イミド化合物は1種類で
あっても、2種類以上を組み合わせて用いてもかまわな
い。
【0094】ラジカル重合用触媒としては、例えばベン
ゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシ
ド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペル
オキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシ
ベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert
−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイ
ルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、
【0095】2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert
−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサ
ン、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブ
チルペルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイ
ソブチレート、tert−ブチルペル−sec−オクト
エート、tert−ブチルペルピバレート、クミルペル
ピバレート、
【0096】tert−ブチルペルジエチルアセテー
ト、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブ
チレートなど、あるいはこれらの混合物を挙げることが
できる。中でも、好ましいものとしてはジクミルペルオ
キシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)
ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ter
t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(te
rt−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどの
ジアルキルペルオキシドを挙げることができる。
【0097】グラフト化反応した変性剤の量は、得られ
る樹脂組成物の成形性や物性が優れるという点から、エ
チレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対し
て、0.01〜7重量部であることが好ましい。また、
密度は900Kg/m3未満であることが好ましく、8
50〜890Kg/m3であることがより好ましい。さ
らにMFR(190℃、荷重2160g)が0.05〜
100g/10分が好ましく、0.1〜50g/10分
であることがより好ましい。
【0098】(b)ビニル系芳香族化合物および共役ジ
エン系化合物から得られるブロック共重合体あるいはそ
の変性物 前記ビニル系芳香族化合物および共役ジエン系化合物か
ら得られるブロック共重合体は、少なくとも1個のビニ
ル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少な
くとも1個の共役ジエン化合物を主体とするブロックB
とからなるブロック共重合体である。これらのブロック
共重合体の構造は、例えば、A−B、A−B−A、A−
B− A−B、(A−B−)4 −Si、A−B−A−B
−Aなどの構造を有するブロック共重合体である。ま
た、ブロックB部分の一部が水素添加されてもかまわな
い。
【0099】ブロック共重合体を構成するビニル芳香族
化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、
ジフェニルエチレンなどを挙げることができる。これら
化合物は1種でも良いし、2種以上を組み合わせてもよ
い。また、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジ
エン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジ
メチル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができ
る。これら化合物は1種でも良いし、2種以上を組み合
わせてもよい。
【0100】ブロック共重合体の数平均分子量は好まし
くは、1万〜100万であり、より好ましくは2万〜5
0万の範囲である。さらに、分子量分布(重量平均分子
量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比)は10以下
が好ましい。なお、ブロック共重合体の分子構造は、直
鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの組み合わせのい
ずれであってもよい。
【0101】前記ブロック共重合体の中でも、上記した
ブロック共重合体の共役ジエン化合物を主体とする重合
体ブロックBの脂肪族系二重結合を、70%以上水素添
加した水添ブロック共重合体が好ましく用いられ、より
好ましくは80%以上まで水素添加した水添ブロック共
重合体である。この水素添加率は、赤外分光スペクトル
やNMRなどで測定することができる。
【0102】これら水添ブロック共重合体の製造方法
は、特に限定はされないが、例えば、特開昭47−11
486号公報、特開昭49−66743号公報、特開昭
50−75651号公報、特開昭54−126255号
公報、特開昭56−10542号公報、特開昭56−6
2847号公報、特開昭56−100840号公報、特
開平2−300218号公報、英国特許第113077
0号および米国特許第3281383号および同第36
39517号明細書に記載された方法や英国特許第10
20720号および米国特許第3333024号および
同第4501857号明細書に記載された方法を挙げる
ことができる。
【0103】また、前記変性・エチレン・α−オレフィ
ン共重合体の場合と同様な方法を用いて、不飽和カルボ
ン酸化合物またはその誘導体、不飽和エポキシ化合物、
不飽和イミド化合物などをグラフト化し、変性ブロック
共重合体として、用いることもできる。この場合、グラ
フト化する変性剤の量は、グラフト化反応した変性剤の
量は、得られる樹脂組成物の成形性や物性が優れるとい
う点から、ブロック共重合体あるいはその水添ブロック
共重合体100重量部に対して、0.01〜7重量部で
あることが好ましい。
【0104】本発明の熱可塑性樹脂組成物中のポリエス
テル系樹脂の分散状態は、四酸化オスミウムおよび/ま
たは四酸化ルテニウムによる染色固体法で調整された超
薄切片を透過型電子顕微鏡で観察することができる。本
発明の熱可塑性樹脂組成物の分散構造は、特に限定しな
いが、ポリアミドが連続相であり、ポリエステル系樹脂
が分散相を形成する形態が好ましい。
【0105】本発明のポリエステル系樹脂の平均粒子径
は、好ましくは5μm以下が好ましい。平均粒子径が5
μmを越えると耐衝撃性が低下する傾向にある。ポリエ
ステル系樹脂の平均粒子径は、電子顕微鏡写真法により
求めることができ、該平均粒子径は次のようにして算出
することができる。樹脂組成物やその成形体から切り出
した超薄切片の透過型電子顕微鏡(2.5万倍)を撮影
し、分散相の粒子径d i、粒子数niを求め、次式により
平均粒子径を算出する。 平均粒子径=Σdi・ni/Σni この場合、粒子径が球状とみなせない場合には、その短
径と長径を測定し、両者の和の1/2を粒子径とする。
また、平均粒子径の算出には最低2000個の粒子径を
測定する。
【0106】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形加工
性に優れ、かつ得られる成形体が剛性、強度、耐衝撃
性、耐熱性、吸水時の剛性や寸法安定性に優れるという
ことから、自動車部品、電子電気部品、工業機械部品な
どの各種部品への応用が期待される。
【0107】各種部品としては、例えばバンパー、スポ
イラー、サイドカバー、フードルーバー、ホイールカバ
ー、ホイールキャップ、グリルエプロンカバーフレー
ム、ルーフレール、ルーフレッグ、ドアミラースティ、
ドアミラーカバー、ドアミラーブラケット、レインチャ
ンネル、ワイパーブレード、サンルーフデフレクター、
アウトドアの把手、フェンダー、テールランプなどの自
動車外装・外板部品、シリンダーヘッドカバー、ラジエ
ータタンク、タイミングベルトカバー、
【0108】コネクター、結束バンド、モーターファ
ン、ギア・カム、熱風機ハウジング、チューブ、ホー
ス、パワーステアリングオイルタンク、リザーバータン
ク、ブレーキオイルタンク、フューエルストレーナー、
エアークリナー、ペーパーキャスター、クーリングファ
ン、ファンシュラウド、オイルパン、エンジンマウン
ト、エアサスタンク、ガソリンタンク、アルコールタン
ク、フレオンタンク、フューエルチューブ、フューエル
ストレーナー、ブレーキオイルタンク、クラッチオイル
タンク、パワーステアリングタンク、クーラー用フレオ
ンチューブ、エアークリナー、インテクマニーホール
ド、サージタンクなどの自動車アンダーフード部品、
【0109】レジスターブレード、ウォッシャーレバ
ー、ウインドーレギュレーターハンドル、ウインドーレ
ギュレーターハンドルのノブ、パッシングライトレバ
ー、サンバイザーブラケット、サンバイザーアーム、シ
ートロック部品、アクセルペダルなどの得られる成形
体、ホイールリム、ホイールスポーク、サドル、サドル
ポスト、ハンドル、スタンド、荷台などの自転車などの
二輪車用部品、机の脚、椅子のの脚、座、キャビン、ワ
ゴンなどの家具用部品、パソコンハウジングなどのOA
機器分野用品、
【0110】スィッチ類、超小型スライドスイッチ、D
IPスイッチ、スイッチのハウジング、ランプソケッ
ト、結束バンド、コネクター、コネクターのハウジン
グ、コネクターのシェル、ICソケット類、コイルボビ
ン、ボビンカバー、リレー、リレーボックス、コンデン
サーケース、モーターの内部部品、小型モーターケー
ス、ダンシングプーリーなどの電子電気部品、
【0111】歯ブラシ用などのブラシ用ブリッスル、マ
ジックファスナー、タイヤコード、ベルト、人工芝生、
絨毯、自動車座席用シート、漁網、ロープ、ザイル、フ
ィルター用糸、ホース用補強糸、バルブハウジング、
釘、ねじ、ボルト、ボルトナット、スペーサー、インシ
ュレーター、ファスナー、バックル、ワイヤーグリッ
プ、アジャスターなどの床下部品、サッシ用クレセン
ト、トイレ便座用温水タンクなどの温水用各種容器、各
種シリンダー、洗濯機バランサー、スピーカーボック
ス、農薬用ボトル、飲料水用などの各種ボトルなどの工
業機械部品などが挙げられ、その他各種用途に有用であ
ることが期待できる。
【0112】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、公知の成
形方法、例えばプレス成形、射出成形、ガスアシスト射
出成形、溶着成形、押出成形、吹込成形、フィルム成
形、中空成形、多層成形、溶融紡糸など、一般に知られ
ているプラスチック成形方法を用いても、良好に成形加
工ができる。
【0113】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、導電性
カーボンブラックを添加してもさせても差し支えない。
導電性カーボンブラックの含有量としては、ポリアミド
100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、3〜
30重量がより好ましい。導電性カーボンブラックとし
ては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カー
ボンナノチューブなどが挙げられるが、中でも良好な鎖
状構造を有し、凝集密度が大きいものが好ましい。
【0114】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に
応じて本発明の目的を損なわない範囲で通常のポリアミ
ド樹脂やポリエステル系樹脂に用いられる充填剤、例え
ば三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、ホウ酸亜鉛、すず酸亜鉛、ヒドロキシすず酸
亜鉛、ポリリン酸アンモニウム、シアヌル酸メラミン、
サクシノグアナミン、ポリリン酸メラミン、硫酸メラミ
ン、フタル酸メラミン、芳香族系ポリフォスフェート、
複合ガラス粉末などの難燃剤、チタンホワイトやメタリ
ック顔料などの着色剤、リン系熱安定剤やヒンダードフ
ェノールに代表される熱安定剤、成形性改良剤、種々の
可塑剤、耐候性向上剤や帯電防止剤などの各種添加剤を
含有させることができる。
【0115】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により更に
詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、
以下の実施例に制限されるものではない。なお、以下の
実施例、比較例において記載した物性評価は、以下のよ
うに行った。 1.ポリアミド形成成分とアパタイト型化合物形成成分
の特性 (1−1)アパタイト型化合物形成成分の含有量(重量
%) ポリアミド形成成分とアパタイト型化合物形成成分の配
合量から算出した。 (1−2)アパタイト型化合物形成成分のリンに対する
金属元素のモル比 アパタイト型化合物形成成分中の金属元素およびリンを
定量し、モル比を算出した。
【0116】(a)金属元素の定量:以下、金属元素と
してカルシウムの場合につき説明するが、他の金属元素
についても同様にして求めることができる。アパタイト
型化合物形成成分0.5gを白金皿に秤量し、500℃
電気炉で炭化する。冷却後、塩酸5mlおよび純水5m
lを加えヒーター上で煮沸溶解する。再び冷却し、純水
を加え500mlとした。装置はThermoJarr
ellAsh製IRIS/IPを用いて、高周波誘導結
合プラズマ(ICP)発光分析により、波長317.9
33nmにて定量した。
【0117】(b)リンの定量:アパタイト型化合物形
成成分0.5gを秤量し濃硫酸を20ml加え、ヒータ
ー上で湿式分解した。冷却後、過酸化水素5mlを加
え、ヒーター上で加熱し、全量が2〜3mlになるまで
濃縮した。再び冷却し、純水で500mlとした。装置
はThermoJarrellAsh製IRIS/IP
を用いて、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析
により、波長213.618(nm)にて定量した。
【0118】2.ポリアミド樹脂組成物の特性 (2−1)ポリアミドの重量平均分子量(Mw) ポリアミド複合体を用いて、ゲルパーミッショクロマト
グラフィー(GPC)により求めた。装置は東ソー
(株)製HLC−8020、検出器は示差屈折計(R
I)、溶媒はヘキサフルオロイソプロパノール(HFI
P)、カラムは東ソー(株)製TSKgel−GMHH
R−Hを2本とG1000HHRを1本用いた。溶媒流
量は0.6ml/min、サンプル濃度は、1〜3(m
gサンプル)/1(ml溶媒)であり、フィルターでろ
過し、不溶分を除去し、測定試料とした。得られた溶出
曲線をもとに、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)換
算により、重量平均分子量(Mw)を算出した。
【0119】(2−2)アパタイト型化合物の含有量の
定量(重量部/100重量部ポリアミド) ポリアミド複合体を100±20℃で8時間乾燥し冷却
する。組成物を白金皿に1g秤量し、650±20℃の
電気炉で灰化し、冷却後、その重量を秤り、アパタイト
型化合物の含有量を定量した。 (2−3)アパタイト型化合物のリンに対する金属元素
のモル比 アパタイト型化合物の金属元素およびリンを定量し、モ
ル比を算出した。
【0120】(a)金属元素の定量:以下、金属元素と
してカルシウムの場合につき説明するが、他の金属元素
についても同様にして求めることができる。ポリアミド
複合体を0.5gを白金皿に秤量し、500℃電気炉で
炭化する。冷却後、塩酸5mlおよび純水5mlを加え
ヒーター上で煮沸溶解する。再び冷却し、純水を加え5
00mlとした。装置はThermoJarrellA
sh製IRIS/IPを用いて、高周波誘導結合プラズ
マ(ICP)発光分析により、波長317.933nm
にて定量した。
【0121】(b)リンの定量:ポリアミド複合体を
0.5gを秤量し濃硫酸を20ml加え、ヒーター上で
湿式分解した。冷却後、過酸化水素5mlを加え、ヒー
ター上で加熱し、全量が2〜3mlになるまで濃縮し
た。再び冷却し、純水で500mlとした。装置はTh
ermoJarrellAsh製IRIS/IPを用い
て、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析によ
り、波長213.618(nm)にて定量した。
【0122】(2−4)有機物量(重量部/アパタイト
型化合物100重量部) (a)アパタイト型化合物の分離操作:ポリアミド複合
体を秤量し、90重量%フェノール200mlと混合
し、40℃で2時間攪拌し、遠心分離器〔国産遠心器
(株)製H103RLH〕を用いて20000rpmで
1時間、分離操作を行い、上澄み溶媒を除去した。さら
に200mlのフェノールを加え、以後同様な溶解操作
と遠心分離器を用いた分離操作を4回繰り返し行った。
引き続き、99.5重量%エタノール200mlを加え
て、23℃で2時間攪拌し、遠心分離器を用いて200
00rpmで1時間、分離操作を行い、上澄み溶媒を除
去する。この操作をさらに4回繰り返した後、減圧乾燥
器中で80℃で12時間乾燥し、目的のアパタイト型化
合物を得た。
【0123】(b)分離したアパタイト型化合物の熱減
量率(X(重量部/アパタイト型化合物))測定:(2
−4)の(a)で得られたアパタイト型化合物10mg
を秤量し、熱重量分析(TGA)装置により熱減量率X
を求めた。装置は島津製作所製TGA−50、温度条件
としては、30℃から550℃まで99.9℃/min
で昇温後、550℃で1時間保持した。30℃における
初期重量(W0)と、550℃で1時間保持した後の最
終重量(W1)を用いて、下式により、有機物量を算出
した。 熱減量率X(重量部/アパタイト型化合物100重量
部)=(W0−W1)×100/W1
【0124】(c)有機物の定量:(2−4)の(a)
で得たアパタイト型化合物を3mg秤量し、以下の条件
で熱分解クロマトグラフィー(GC)および熱分解GC
/MSのパイログラムを得た。
【0125】・熱分解 装置:フロンティア社ダブルショットパイロライザーP
Y−2010D 熱分解温度:550℃ ・ガスクロマトグラフィー(GC) 装置:HEWLETTPACKARD社製HP−589
0 カラム:J&W社製DURABONDDB−1 (0.25mmI.D.×30m、膜厚0.25μm) カラム温度:50℃→320℃(昇温速度20℃/mi
n) 注入口温度:320℃ 検出器温度:320℃
【0126】・マススペクトル(MS) 装置:JEOL社製AutoMSSystemII イオン化:EI(70V) 測定質量範囲:m/z=10〜400 温度:200℃ 得られた熱分解GCのパイログラムを、保持時間2mi
n未満と2min以上に分け、それぞれののピーク面積
Sa(2min未満)とSb(2min以上)を算出
し、(2−4)の(b)で求めた熱減量率Xを用いて、
下式にて有機物の量を算出した。 有機物の量(重量部/アパタイト型化合物100重量
部)=X・Sb/(Sa+Sb) また、マススペクトル(MS)から熱分解成分の同定を
行った。
【0127】(2−5)赤外吸収スペクトル (2−4)の(a)で得たアパタイト型化合物の赤外吸
収スペクトルを測定した。装置はPerkinElme
r社製1640、分解能は4cm-1で測定した。 (2−6)X線回折によるアパタイト型化合物の生成の
確認 (2−4)の(a)で得たアパタイト型化合物のX線回
折を測定した。測定条件は以下のとうりである。
【0128】X線:銅Kα 波数:0.1542nm 管電圧:40KV 管電流:200mA 走査速度:4deg./min 発散スリット:1deg. 散乱スリット:1deg. 受光スリット:0.15mm
【0129】3.成形品の作成および物性 成形品は、射出成形機を用いて作成した。装置は日精樹
脂(株)製PS40E、シリンダー温度280℃、金型
温度80℃に設定し、射出17秒、冷却20秒の射出成
形条件で、成形品を得た。 (3−1)曲げ弾性率および曲げ強度(Mpa) ASTM D790に準じて行った。 (3−2)引張強度(Mpa)および引張伸度(%) ASTM D638に準じて行った。 (3−3)ノッチ付きIzod衝撃強度(J/m) ASTM D256に準じて行った。測定温度は、23
℃で行った。
【0130】(3−4)荷重たわみ温度(℃) ASTM D648に準じて行った。荷重は1.82M
paで行った。 (3−5)吸水率(重量%) ASTM D570に準じて行った。条件は、23℃の
水中に24時間保持した後の重量変化で求めた。
【0131】(3−6)成形収縮率(%) 厚み3mm、一辺130mmの金型を用いて射出成形
し、得られた平板の寸法を測定し、成形収縮率を求めた (3−7)そり量(mm) 厚み3mm、一辺130mmの金型を用いて射出成形し
た平板を水平面に置き、水平面との最大隙間間隔を測定
した。
【0132】
【製造例1】ポリアミド複合体(A)の製造:50重量
%のポリアミド形成成分(ヘキサメチレンジアミンとア
ジピン酸との等モル塩)の水溶液を30Kg作製した。
アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径1μm
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2
O)の25重量%懸濁液を6Kg(リン酸一水素カルシ
ウム二水和物:純水=1.5Kg:4.5Kg)、およ
び平均粒子径1.5μm重質炭酸カルシウム(CaCO
3)の25重量%懸濁液を2.32Kg(炭酸カルシウ
ム:純水=0.58Kg:1.74Kg)用いた。カル
シウムとリンとのモル比は、1.67と算出された。該
ポリアミド形成成分の水溶液とアパタイト型化合物形成
成分の懸濁液とを、撹拌装置を有し、かつ下部に抜出し
ノズルを有する70リットルのオートクレーブ中に仕込
み、50℃の温度下、よく攪拌した。十分窒素で置換し
た後、撹拌しながら温度を50℃から約270℃まで昇
温した。
【0133】この際、オートクレーブ内の圧力は、ゲー
ジ圧にして約1.77Mpaになるが、圧力が1.77
Mpa以上にならないよう水を系外に除去しながら加熱
を約1時間続けた。その後、約1時間をかけ、圧力を大
気圧まで降圧し、更に約270℃、大気圧で約1時間保
持した後、撹拌を停止し、下部ノズルからストランド状
にポリマーを排出し、水冷・カッティングを行い、ポリ
アミド複合体(A)のペレットを得た。得られたポリア
ミド複合体(A)を評価した結果、重量平均分子量(M
w)は40000、アパタイト型化合物含有量は、ポリ
アミド100重量部に対して、11.4重量部であっ
た。
【0134】リンに対するカルシウムのモル比は1.6
7と算出された。10万倍の透過型電顕観察結果から、
アパタイト型化合物の平均粒子径は85nmであった。
90%フェノール水溶液により、溶出・分離操作を行
い、得られたアパタイト型化合物を評価した結果、広角
X線回折により、結晶性アパタイト型化合物の生成を確
認できた。また該溶出・分離操作により得られたアパタ
イト型化合物の有機物の量は5.5(重量部/アパタイ
ト100重量部)と算出された。また、熱分解GC/マ
ススペクトルの解析結果から、アパタイト型化合物に残
存する有機物の熱分解成分の1つとして、シクロペンタ
ノンが確認された。さらに、赤外吸収スペクトルの観察
から、約1548cm-1に有機物の存在を示すピークが
確認された。
【0135】
【製造例2】ポリアミド複合体(B)の製造:50重量
%のポリアミド形成成分(ヘキサメチレンジアミン・ア
ジピン酸等モル塩)の水溶液20Kgを作製した。アパ
タイト型化合物形成成分として、平均粒子径1μmリン
酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2O)
の25重量%懸濁液を12Kg(リン酸一水素カルシウ
ム二水和物:純水=3Kg:9Kg)、および平均粒子
径100nm軽質炭酸カルシウム(CaCO3)の25
重量%懸濁液を4.64Kg(炭酸カルシウム:純水=
1.16Kg:3.48Kg)用いた。
【0136】該ポリアミド形成成分の水溶液とアパタイ
ト型化合物形成成分の懸濁液とを、撹拌装置を有し、か
つ下部に抜出しノズルを有する70リットルのオートク
レーブ中に仕込み、50℃の温度下、よく攪拌した。十
分窒素で置換した後、温度を50℃から約270℃まで
昇温した。この際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ
圧にして約1.77Mpaになるが、圧力が1.77M
pa以上にならないよう水を系外に除去しながら加熱を
約2時間続けた。その後、約1時間をかけ、圧力を大気
圧まで降圧し、更に約270℃、大気圧で約1時間保持
した後、撹拌を停止し、下部ノズルからストランド状に
ポリマーを排出し、水冷・カッティングを行い、ポリア
ミド複合体(B)を得た。
【0137】
【製造例4】ポリアミド複合体(C)の製造:50重量
%のポリアミド形成成分(ヘキサメチレンジアミン・ア
ジピン酸等モル塩1.2Kgとヘキメチレンジアミン・
イソフタル酸等モル塩0.3Kgとの混合物)の水溶液
を30Kg作製した。該ポリアミド形成成分を用いる以
外は、実施例1と同様にして行い、ポリアミド複合体
(D)のペレットを得た。
【0138】
【製造例4】ポリアミド66の製造:実施例1におい
て、アパタイト形成成分を配合せず、ポリアミド形成成
分のみを用いて重合を行い、ポリアミド66のペレット
を得た。
【0139】
【製造例5】ポリアミド複合体(D)の製造:層状珪酸
塩の一単位の厚みが平均的に95nmで、一辺の長さが
約0.1μmのモンモリロナイト100gを10リット
ルの水に分散し、これに51.2gの12−アミノドデ
カン酸と24mlの濃塩酸を加え、五分間撹拌した後、
ろ過した。更にこれを十分洗浄した後、真空乾燥し、1
2−アミノドデカン酸のアンモニウムイオンとモンモリ
ロナイトとの複合体を調整した。この操作を繰り返し、
約2Kgの12−アミノドデカン酸のアンモニウムイオ
ンとモンモリロナイトとの複合体を得た。50重量%の
ポリアミド形成成分(ヘキサメチレンジアミン・アジピ
ン酸等モル塩)の水溶液30Kgに、12−アミノドデ
カン酸のアンモニウムイオンとモンモリロナイトの複合
体1.5Kgとを、撹拌装置を有し、かつ下部に抜出し
ノズルを有する70リットルのオートクレーブ中に仕込
み、50℃の温度下、よく攪拌した。その後の操作は実
施例1と同様にして行い、ポリアミド複合体(D)のペ
レットを得た。
【0140】以下に、本発明の実施例および比較例に使
用したポリエステル系樹脂、耐衝撃改良材を記す。 1.ポリエステル系樹脂 ポリエステル(A):ポリエチレンテレフタレート(ユ
ニチカ(株)製 MA2103、以下PETと略す場合
がある。) ポリエステル(B):ポリブチレンテレフタレート(東
レ(株)製 1401−X06、以下PBTと略す場合
がある。) ポリエステル(C):ポリアリレート(ユニチカ(株)
製Uポリマーグレード、U−100、以下PARと略す
場合がある。) 2.耐衝撃改良材 耐衝撃改良材(A):変性エチレン・プロピレンランダ
ム共重合体(エクソン化学(株)製EXXELOR U
A1803、以下変性EPRと略す場合がある。) 耐衝撃改良材(B):エチレン−グリシジルメタクリレ
ート−酢酸ビニル共重合体(住友化学(株)製 ボンド
ファーストE)
【0141】
【実施例1】ポリアミド複合体(A)中のポリアミド1
00重量部(ポリアミド複合体からアパタイト型化合物
の含有量を差し引いた重量を100重量部とした。)に
対して、PETが40重量部になるように混合し、二軸
押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、28
0℃の条件下で溶融混練し、樹脂組成物を得た。評価結
果を表1に示す。
【0142】
【実施例2】ポリアミド複合体(A)中のポリアミド1
00重量部(ポリアミド複合体からアパタイト型化合物
の含有量を差し引いた重量を100重量部とした。)に
対して、PETが100重量部になるように混合し、二
軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、2
80℃の条件下で溶融混練し、樹脂組成物を得た。評価
結果を表1に示す。
【0143】
【比較例1】ポリアミド複合体(A)の代わりに、製造
例4のポリアミドを用いる以外は、実施例1と同様にし
て実施した。評価結果を表1に示す。
【0144】
【比較例2】ポリアミド複合体(A)の代わりに、ポリ
アミド複合体(D)を用いる以外は、実施例2と同様に
して実施した。評価結果を表1に示す。
【0145】
【実施例3】ポリアミド複合体(A)中のポリアミド1
00重量部(ポリアミド複合体からアパタイト型化合物
の含有量を差し引いた重量を100重量部とした。)に
対して、PBTが100重量部になるように混合し、二
軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、2
80℃の条件下で溶融混練し、樹脂組成物を得た。評価
結果を表2に示す。
【0146】
【実施例4】ポリアミド複合体(A)中のポリアミド1
00重量部(ポリアミド複合体からアパタイト型化合物
の含有量を差し引いた重量を100重量部とした。)に
対して、PARが100重量部になるように混合し、二
軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、2
80℃の条件下で溶融混練し、樹脂組成物を得た。評価
結果を表2に示す。
【0147】
【比較例3】ポリアミド複合体(A)の代わりに、製造
例4のポリアミドを用いる以外は、実施例3と同様にし
て実施した。評価結果を表2に示す。
【0148】
【比較例4】ポリアミド複合体(A)の代わりに、ポリ
アミド複合体(D)を用いる以外は、実施例4と同様に
して実施した。評価結果を表2に示す。
【0149】
【実施例5】ポリアミド複合体(A)中のポリアミド1
00重量部(ポリアミド複合体からアパタイト型化合物
の含有量を差し引いた重量を100重量部とした。)に
対して、PETが100重量部、および耐衝撃改良材
(a)(変性EPR)と耐衝撃改良材(b)がそれぞれ
5重量部、になるように混合し、二軸押出機(東芝機械
(株)製TEM35)を用いて、280℃の条件下で溶
融混練し、樹脂組成物を得た。評価結果を表3に示す。
【0150】
【実施例6】ポリアミド複合体(A)の代わりに、ポリ
アミド複合体(B)を用いる以外は、実施例5と同様に
して実施した。評価結果を表3に示す。
【0151】
【実施例7】ポリアミド複合体(A)の代わりに、ポリ
アミド複合体(C)を用いる以外は、実施例5と同様に
して実施した。評価結果を表3に示す。
【0152】
【実施例8】ポリアミド複合体(A)中のポリアミド1
00重量部(ポリアミド複合体からアパタイト型化合物
の含有量を差し引いた重量を100重量部とした。)に
対して、PARが100重量部、および耐衝撃改良材
(a)(変性EPR)と耐衝撃改良材(b)がそれぞれ
5重量部、になるように混合し、二軸押出機(東芝機械
(株)製TEM35)を用いて、280℃の条件下で溶
融混練し、樹脂組成物を得た。評価結果を表3に示す。
【0153】
【比較例5】ポリアミド複合体(A)の代わりに、製造
例4のポリアミドを用いる以外は、実施例5と同様にし
て実施した。評価結果を表4に示す。
【0154】
【比較例6】ポリアミド複合体(A)の代わりに、ポリ
アミド複合体(D)を用いる以外は、実施例8と同様に
して実施した。評価結果を表4に示す。
【0155】
【表1】
【0156】
【表2】
【0157】
【表3】
【0158】
【表4】
【0159】
【発明の効果】本発明は、マトリックスであるポリアミ
ド中に均一にかつ微細に分散し、その界面においてポリ
アミドに極めて良好に固着、接着しているアパタイト型
化合物を含有するポリアミド複合体にポリエステル系樹
脂を配合して成る熱可塑性樹脂組成物である。したがっ
て、得られる成形体は従来に比較し、剛性、強度、耐衝
撃性、耐熱性、吸水時の剛性や寸法安定性などに優れる
という特徴を有するため、自動車外装・外板部品、自動
車内装部品、自動車アンダーフード部品、二輪車用部
品、家具用部品、OA機器分野用品、電子電器用部品、
工業用部品など、各種用途に非常に有用であることが期
待される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアミド、ならびに(B)フェノ
    ール溶媒に不溶な有機物を含有するアパタイト型化合物
    からなり、該有機物がアパタイト型化合物100重量部
    に対し0.5〜100重量部であるポリアミド複合体、
    あるいは該ポリアミド複合体に他の樹脂を混合してなる
    ポリアミド樹脂複合体に、(C)ポリエステル系樹脂を
    配合してなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】ポリアミド形成成分と、アパタイト型化合
    物形成成分とを配合し、ポリアミドの重合反応およびア
    パタイト型化合物の合成反応を進行させて得られるポリ
    アミド複合体、あるいは該ポリアミド複合体に他の樹脂
    を混合してなるポリアミド樹脂複合体に、ポリエステル
    系樹脂を配合してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】アパタイト型化合物が、平均粒子径にして
    0.001〜1μmであることを特徴とする請求項1あ
    るいは2記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】アパタイト型化合物形成成分が、平均粒子
    径にして0.001〜10μmであることを特徴とする
    請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物。
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