JP2001226580A - 難燃ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
難燃ポリアミド樹脂組成物Info
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Abstract
どの産業用材料に好適な、得られる成形体が、剛性、強
度、耐熱性などの機械特性に優れ、かつ難燃性に優れる
ポリアミド樹脂組成物の提供。 【解決手段】 (A)ポリアミド、ならびに(B)フェ
ノール溶媒に不溶な有機物を含有するアパタイト型化合
物からなり、該有機物がアパタイト型化合物100重量
部に対し0.5〜100重量部であるポリアミド複合
体、あるいは該ポリアミド複合体に他の樹脂を混合して
なるポリアミド樹脂複合体に、(C)臭素系難燃剤を配
合してなる難燃性ポリアミド樹脂組成物。
Description
成物に関する。更に詳細には、電気・電子分野のコネク
ター等の部品、自動車分野の電装部品等の部品の材料と
して、好適に用いられる難燃性ポリアミド樹脂組成物に
関するものであり、成形品が低ソリであり、剛性、強
度、耐熱性などの機械物性に優れ、かつ難燃性に優れる
ポリアミド樹脂組成物に関する。
機械的特性、耐熱性、耐薬品性を有し、また自己消化性
という特性を有することから、各種ポリアミド樹脂と難
燃剤とを配合した難燃性ポリアミド樹脂組成物が、従来
より自動車部品、電気電子部品、工業機械部品などの各
種部品に広く利用されている。例えば、ポリアミド樹
脂、あるいはガラス繊維などで強化したポリアミド樹脂
に、難燃剤を配合した難燃性ポリアミド樹脂組成物が、
プリント積層板やコネクター用途などの電気・電子部品
用途に使われてきた。
り具体的には、例えば、ポリアミド樹脂と塩素置換多環
式化合物を配合した組成物(特開昭48−29846号
公報)が開示されている。また、ポリアミド樹脂に臭素
系難燃剤を配合した難燃性ポリアミド樹脂組成物が多く
提案されている。例えば、デカブロモジフェニルエーテ
ルの配合(特開昭47−7143号公報)、臭素化ポリ
スチレンの配合(特開昭51−47044号公報や特開
平4−175371号公報)、臭素化ポリフェニレンエ
ーテルの配合(特開昭54−116054号公報)、臭
素化架橋芳香族重合体の配合(特開昭63−31755
2号公報)、臭素化スチレン−無水マレイン酸共重合体
の配合(特開平3−168246号公報)などが開示さ
れている。
高める目的で、ガラス繊維などで強化したポリアミド樹
脂に、前記ハロゲン系難燃剤を配合した場合には、その
成形体のソリが大きいなどの問題点があった。この問題
点を解消するために、特開平8−269322号公報で
は、ポリアミド樹脂、膨潤性フッ素雲母、および臭素系
難燃剤からなる難燃性ポリアミド樹脂組成物が開示され
ているが、ソリの改良効果は十分でない。すなわち、成
形品が低ソリであり、剛性、強度、耐熱性などの機械特
性に優れ、かつ高度な難燃性を有する難燃性ポリアミド
樹脂組成物の開発が強く望まれていた。
成形体が低ソリであり、剛性、強度、耐熱性などの機械
特性に優れ、かつ難燃性に優れるポリアミド樹脂組成物
を提供することである。
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂に特定
量のアパタイト型化合物を含有させたポリアミド樹脂複
合体に、特定の難燃剤を配合した難燃性ポリアミド樹脂
組成物により、上記課題を解決できることをを見出し、
本発明に至った。
ド、ならびに(B)フェノール溶媒に不溶な有機物を含
有するアパタイト型化合物からなり、該有機物がアパタ
イト型化合物100重量部に対し0.5〜100重量部
であるポリアミド複合体、あるいは該ポリアミド複合体
に他の樹脂を混合してなるポリアミド樹脂複合体に、
(C)臭素系難燃剤を配合してなる難燃性ポリアミド樹
脂組成物、(2)ポリアミド形成成分と、アパタイト型
化合物形成成分とを配合し、ポリアミドの重合反応およ
びアパタイト型化合物の合成反応を進行させて得られる
ポリアミド複合体、あるいは該ポリアミド複合体に他の
樹脂を混合してなるポリアミド樹脂複合体に、臭素系難
燃剤を配合してなる難燃性ポリアミド樹脂組成物、
にして0.001〜1μmであることを特徴とする上記
1あるいは2記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物、
(4)アパタイト型化合物形成成分が、平均粒子径にし
て0.001〜10μmであることを特徴とする上記2
記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物、である。以下、本
発明について詳細に説明する。
化合物とからなるポリアミド樹脂複合体に臭素系難燃剤
を配合した難燃性ポリアミド樹脂組成物に係る。本発明
におけるポリアミドは、主鎖中にアミド結合(−NHC
O−)を有する重合体でよい。
は、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリテトラメ
チレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレ
ンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセ
バカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデ
カミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジ
パミド(ナイロン116)、ポリウンデカラクタム(ナ
イロン11)、
リトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロ
ンTMHT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド
(ナイロン6I)、ポリノナンメチレンテレフタルアミ
ド(9T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(6
T)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンド
デカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メ
チル−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイ
ロンジメチルPACM12)、
MXD6)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフ
タルアミド(ナイロン11T(H))、およびこれらの
うち少なくとも2種の異なったポリアミド成分を含むポ
リアミド共重合体、およびこれらの混合物などである。
これらのポリアミドのうち、本発明課題を達成するのに
より好ましいポリアミドは、ポリカプロラクタム(ナイ
ロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6
6)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン61
2)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン
6I)、およびこれらのうち少なくとも2種の異なった
ポリアミド成分を含むポリアミド共重合体、およびこれ
らの混合物などである。
と他の樹脂とを混合して得られるポリアミド樹脂も用い
ることができる。この場合のポリアミド樹脂中のポリア
ミドの含有量は、好ましくは50重量%以上、より好ま
しくは60重量%以上、最も好ましくは70重量%以上
である。ポリアミド樹脂中のポリアミドの含有量が50
重量%未満の場合には、本発明の改良効果が顕著でない
場合がある。ポリアミドに配合する他の樹脂としては、
熱可塑性樹脂やゴム成分を添加することができる。
ポリスチレン、アイソタクチックポリスチレン、シンジ
オタクチックポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂など
のポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹
脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホンなどのポリエーテル系
樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシメチレン
などの縮合系樹脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エ
ステル、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチ
レンープロピレン共重合体などのポリオレフィン系樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの含ハロ
ゲンビニル化合物系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂などを挙げることができる。
ることができる。ゴムは、例えば天然ゴム、ポリブタジ
エン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ネオプレ
ン、ポリスルフィドゴム、チオコールゴム、アクリルゴ
ム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エビクロロヒドリ
ンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB
R)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(SEB)、
共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イ
ソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添加スチレ
ン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、スチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、
水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合体(SEPS)、
水素添加スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチ
レン−エチレン−プロピレンランダム共重合体、スチレ
ン−エチレン−ブチレンランダム共重合体、エチレン−
プロピレン共重合体(EPR)、エチレン−(1−ブテ
ン)共重合体、エチレン−(1−ヘキセン)共重合体、
エチレン−(1−オクテン)共重合体、
(EPDM)、あるいはブタジエン−アクリロニトリル
−スチレン−コアシェルゴム(ABS)、メチルメタク
リレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(M
BS)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−
スチレン−コアシェルゴム(MAS)、オクチルアクリ
レート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(MA
BS)、
リロニトリル−スチレンコアシェルゴム(AABS)、
ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(SBR)、メ
チルメタクリレート−ブチルアクリレートシロキサンを
はじめとするシロキサン含有コアシェルゴムなどのコア
シェルタイプを挙げることができる。また、ゴム変性体
は、上記ゴムを、極性基を有する変性剤により変性した
ものであり、例えば無水マレイン酸変性SEBS、無水
マレイン酸変性SEPS、無水マレイン酸変性エチレン
−プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−
(1−ブテン)共重合体、無水マレイン酸変性エチレン
−(1−ヘキセン)共重合体、無水マレイン酸変性エチ
レン−(1−オクテン)共重合体、
性SEBS、エポキシ変性エチレン−プロピレン共重合
体、エポキシ変性エチレン−(1−ブテン)共重合体、
エポキシ変性エチレン−(1−ヘキセン)共重合体、エ
ポキシ変性エチレン−(1−オクテン)共重合体などが
好ましく用いられる。本発明では、ポリアミドに、上記
熱可塑性樹脂、ゴム成分を1種類配合して用いても良い
し、2種類以上組み合わせて配合して用いても良い。
は、重合可能なアミノ酸、重合可能なラクタム、あるい
は重合可能なジアミン・ジカルボン酸塩、および重合可
能な前記化合物のオリゴマーを挙げることができる。重
合可能なアミノ酸としては、例えば6−アミノカプロン
酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸、パラアミノメチル安息香酸をより具体的に挙げるこ
とができる。本発明では、これらの重合可能なアミノ酸
を1種で用いても良いし、2種類以上組み合わせて用い
ても良い。
ルラクタム、ピバロラクタム、カプロラクタム、カプリ
ルラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、
ドデカノラクタムなどをより具体的に挙げることができ
る。本発明では、これらの重合可能なラクタムを1種で
用いても良いし、2種類以上組み合わせて用いても良
い。
アミンとしては、例えばテトラメチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデ
カメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミ
ン、ノナンメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル
ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキ
サメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミ
ン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、メタキ
シリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、
サン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデカ
ン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5,−ト
リメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘ
キシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、
アミノエチルピペラジンなどを挙げることができる。本
発明では、これらの重合可能なジアミンを1種で用いて
も良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
カルボン酸としては、例えばマロン酸、ジメチルマロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルア
ジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2
−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、
エイコジオン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチ
ルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、
ヘキサヒドロテレフタル酸、ジグリコール酸などを挙げ
ることができる。本発明では、これらの重合可能なジカ
ルボン酸は1種で用いても良いし、2種類以上組み合わ
せて用いても良い。
は、さらに分子量調節あるいは耐熱水性向上のために公
知の末端封止剤を添加することができる。末端封止剤と
しては、モノカルボン酸またはモノアミンが好ましい。
その他、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネ
ート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアル
コール類などを挙げることができる。
酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、
吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデ
シル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン
酸、シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボ
ン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン
酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカル
ボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸など
を挙げることができる。本発明では、これらのモノカル
ボン酸を1種で用いても良いし、2種類以上組み合わせ
て用いても良い。
ては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えばメチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、
オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミンなどの脂肪族モノアミン、シクロヘキシル
アミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミ
ン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチ
ルアミンなどの芳香族モノアミンなどを挙げることがで
きる。本発明では、これらのモノアミンを1種で用いて
も良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
よび物性がより優れていることから、重量平均分子量
(Mw)にして、1万〜100万であることが好まし
く、更には2万〜50万、最も好ましくは3万〜20万
のものである。重量平均分子量は、例えば、溶媒として
ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用い、
分子量標準試料としてポリメタクリル酸メチル(PMM
A)を用いて、ゲルパーミッショクロマトグラフィー
(GPC)により求めることができる。本発明で好まし
く用いられるアパタイト型化合物は、下記一般式で示さ
れる。 (A)10−z(HPO4)z(PO4)6−z(X)
2−z・nH2O ここで、0≦z<2、0≦n≦16であり、(A)は金
属元素、またXは陰イオンまたは陰イオン化合物である
が、成形性および物性の観点から0≦z<1、0≦n≦
4であることがより好ましい。
期律表の1A、2A、3A、4A、5A、6A、7A、
8、1B、2B、3B族元素およびスズ、鉛を挙げるこ
とができる。これら金属元素は1種であっても、2種以
上であってもかまわない。本発明においては、得られる
樹脂組成物の経済性、安全性および物性の点から、2A
族元素であるマグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、あるいはこれらの2種以上からなる混合
物であることが特に好ましい。
は陰イオン化合物としては、水酸イオン(OH−)、フ
ッ素イオン(F−)、塩素イオン(Cl−)などを挙げ
ることができる。これら陰イオン元素または陰イオン化
合物は1種であっても、2種以上であってもかまわな
い。また、本発明においては、前記一般式中のリン酸水
素イオン(HPO4 2−)、リン酸イオン(P
O4 3−)、あるいはXの一部が炭酸イオン(CO3
2−)に置換した炭酸含有アパタイトであってもよい。
物の中、金属元素(A)がカルシウムである水酸アパタ
イト(Xが水酸イオン)、フッ素化アパタイト(Xの一
部または全部がフッ素イオン)、塩素化アパタイト(X
の一部または全部が塩素イオン)、炭酸含有水酸アパタ
イト、炭酸含有フッ素化アパタイト、炭酸含有塩素化ア
パタイト、さらには、これらの混合物が最も好ましく用
いられる。かかるアパタイト型化合物形成成分(原料)
としては、リン酸系金属化合物や、リン酸系金属化合物
と非リン酸系金属化合物とからなる混合物などを挙げる
ことができるが、本発明では、リン酸系金属化合物と非
リン酸系金属化合物とからなる混合物であることがより
好ましい。本発明では、アパタイト型化合物形成成分の
リンに対する金属元素のモル比が0.9〜10.0であ
ればよく、より好ましくは1.2〜5.0、さらに好ま
しくは1.5〜2.0である。
は、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、メタ
リン酸、亜リン酸、次亜リン酸などを挙げることができ
る。より具体的には、リン酸系金属化合物としては、リ
ン酸一水素カルシウム(CaHPO4・mH2O、但し
0≦m≦2である。)、二リン酸二水素カルシウム(C
aH2P2O7)、リン酸二水素カルシウム一水和物
(Ca(H2PO4) 2・H2O)、二リン酸カルシウ
ム(α−およびβ−Ca2P2O7)、リン酸三カルシ
ウム(α−およびβ−Ca3(PO4)2)、
O)、リン酸八カルシウム五水和物(Ca8H2(PO
4)6・5H2O)、亜リン酸カルシウム一水和物(C
aHPO3・H2O)、次亜リン酸カルシウム(Ca
(H2PO2)2)、リン酸マグネシウム第二・三水和
物(MgHPO4・3H2O)、リン酸マグネシウム第
三・八水和物(Mg3(PO4)2・8H2O)、リン
酸バリウム第二(BaHPO4)などを挙げることがで
きる。
物性により優れる点から、リン酸とカルシウムの化合物
が好ましく用いられ、中でもリン酸一水素カルシウム
(CaHPO4・mH2O、但し0≦m≦2である。)
がより好ましく用いられ、特に無水リン酸一水素カルシ
ウム(CaHPO4)とリン酸一水素カルシウム二水和
物(CaHPO4・2H2O)が最も好ましく用いられ
る。これらのリン系金属化合物は、1種であっても良い
し、2種以上の組み合わせであっても良い。
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO4・2H
2O)と二リン酸二水素カルシウム(CaH2P
2O7)とを用いるように、同種の金属元素を含有する
化合物の組み合わせや、リン酸一水素カルシウム二水和
物(CaHPO4・2H2O)とリン酸マグネシウム第
二・三水和物(MgHPO4・3H2O)とを用いるよ
うに、異種の金属元素を含有する化合物の組み合わせな
どが例示されるが、いずれでも差し支えない。
ン酸一水素カルシウム(CaHPO 4・mH2O、但し
0≦m≦2である。)を例にとると、Phosphor
usand its Compounds,1(195
8)で記載されているVan WazerによるCaO
−H2O−P2O5系の状態図が示すように、水の存在
下、リン酸化合物とカルシウム化合物を混合することに
よる公知の方法で得ることができる。より具体的には、
例えば、20〜100℃の温度下、リン酸二水素カリウ
ム溶液に、リン酸アルカリ溶液および塩化カルシウム溶
液を滴下し反応させ合成する方法や、炭酸カルシウムま
たは水酸化カルシウムとリン酸水溶液を混合する方法な
どによれば良い。
かわりに、砒素(As)やバナジウム(V)からなる化
合物、すなわち砒酸類やバナジウム酸類を用いても、本
発明と同様な効果が得られるものと推察している。しか
しながら、本発明では、原料成分の安定性、形成成分の
入手容易性、安全性の点で優れることから、リン酸類を
用いることが最も好ましい。
ては、前記リン酸類以外で金属元素と化合物を形成する
ものであれば特に制限はなく、金属水酸化物(水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウ
ム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、
水酸化マンガンなど)、金属塩化物(塩化カルシウム、
塩化マグネシウム、
リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アルミ
ニウム、塩化鉄、塩化マンガンなど)、金属フッ化物
(フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリ
ウム、フッ化ストロンチウム、フッ化リチウム、フッ化
ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アルミニウムな
ど)、金属臭化物(臭化カルシウムなど)、金属ヨウ化
物(ヨウ化カルシウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化銅な
ど)、金属炭化物(炭化カルシウムなど)、金属酸化物
(酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウ
ムなど)、
シウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸リチ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アルミニウ
ムなど)、硫酸金属塩(硫酸カルシウムなど)、硝酸金
属塩(硝酸カルシウムなど)、ケイ酸金属塩(ケイ酸カ
ルシウム、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウムなど)など
の無機金属化合物や、金属元素とモノカルボン酸との化
合物(酢酸カルシウム、酢酸銅、安息香酸カルシウム、
ステアリン酸カルシウムなど)、金属元素とジカルボン
酸との化合物(しゅう酸カルシウム、酒石酸カルシウム
など)、金属元素とトリカルボン酸との化合物(クエン
酸カルシウムなど)などを挙げることができる。
物は、1種であっても良いし、2種以上組み合わせても
良い。2種以上組み合わせる場合には、例えば水酸化カ
ルシウムと炭酸カルシウムとの混合物のように、同種の
金属元素を含有する化合物を組み合わせても良いし、例
えば、炭酸カルシウムと水酸化マグネシウムとの混合物
のように、異種の金属元素を含有する化合物を組み合わ
せても良い。
性および物性がより優れていることから、金属水酸化
物、金属フッ化物、金属塩化物、炭酸金属塩、金属酸化
物、あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。特
に元素周期律表の2A族元素であるカルシウム、マグネ
シウム、ストロンチウム、バリウムの水酸化物、フッ化
物、塩化物、炭酸塩、あるいはこれらの混合物がより好
ましく、更にはカルシウムの水酸化物、フッ化物、塩化
物、炭酸塩、酸化物、あるいはこれらの混合物が好まし
く用いられ、その中でも水酸化カルシウム、炭酸カルシ
ウム、フッ化カルシウムが最も好ましく用いられる。
限されるものでなく、例えば炭酸カルシウムの場合を例
にとると、天然材の粉砕品であっても、化学的に合成さ
れたものであってもかまわない。また、その結晶形態や
形状も特に制限されるものではなく、炭酸カルシウムの
場合を例にとると、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カル
シウム、コロイド炭酸カルシウム、アラゴナイト型炭酸
カルシウム、バテライト型炭酸カルシウム、針状型炭酸
カルシウムなど、あるいはこれらの混合品など、いずれ
を用いてもかまわない。
るリン酸系金属化合物や非リン酸系金属化合物は、好ま
しい平均粒子径が0.001〜10μm、より好ましく
は0.001〜5μm以下、さらに好ましくは0.00
1〜1μmである。平均粒子径の測定は、アパタイト型
化合物形成成分を純水あるいはアルコール類中に分散さ
せ、超音波処理を行った後、レーザ回折/散乱式粒度分
布装置で測定する方法によれば良い。
ポリアミド形成成分(原料)に、アパタイト型化合物形
成成分(原料)を配合し、次いでポリアミドの重合とア
パタイト型化合物の合成を行う方法を用いることが好ま
しい。ポリアミドの重合とアパタイト型化合物合成のよ
り好ましい方法は、ポリアミド形成成分とアパタイト型
化合物形成成分との配合物を加熱し、ポリアミド形成成
分をアパタイト型化合物形成成分の存在下に重合し、そ
の後アパタイト型化合物を合成する方法や、あるいはア
パタイト型化合物形成成分をポリアミド形成成分の存在
下に反応させ、その後ポリアミドを重合する方法であ
る。
合物を40〜300℃の温度下で、ポリアミドの重合反
応およびアパタイト型化合物の合成反応を進行させる方
法であり、最も好ましい方法は、前記両形成成分の配合
物を加圧下、40〜300℃の温度下で、ポリアミドの
重合反応およびアパタイト型化合物の合成反応を同時並
行的に進行させる方法である。
の形成成分との配合方法としては、固体状のポリアミド
形成成分とアパタイト型化合物の形成成分を直接混合す
る方法、ポリアミド形成成分の水溶液とアパタイト型化
合物形成成分の水溶液や懸濁液とを配合する方法などの
いずれによっても良い。また、アパタイト型化合物の分
散性を向上させるために、必要に応じて、ポリアミド形
成成分やアパタイト型化合物形成成分に分散剤や錯化剤
などの化合物を添加しても良い。更には、アパタイト型
化合物形成成分の懸濁液、あるいはアパタイト型化合物
形成成分とポリアミド形成成分との混合液を、超音波に
よる処理を行ったり、ホモジナイザーによる処理を行っ
ても良い。
限するものではなく、公知の分散剤を用いることができ
る。例えば、「分散・凝集の解明と応用技術,1992
年」(北原文雄監修・株式会社テクノシステム発行)の
232〜237ページに記載されているようなアニオン
系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性
剤、非イオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤など
を用いることができる。これらの中でもアニオン系界面
活性剤、非イオン系界面活性剤を用いることが好まし
く、特に、価格および物性の観点から、クエン酸ナトリ
ウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アン
モニウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン−無水マレイン酸などのオレフィン−無水マレイン酸
共重合体、ショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖エ
ステル類などを用いることがより好ましい。
する化合物であれば特に制限されることがなく、例え
ば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三
酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエー
テルジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ク
エン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、エ
チレンジアミンなどの脂肪族アミン、尿素などを用いる
ことができる。これらの中でも、価格および物性の観点
からクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、
エチレンジアミン(en)が特に好ましい。
いることができる。例えば、11−アミノウンデカン酸
などの水に難溶な成分を形成成分とし、40〜300℃
で加熱し重縮合する方法、ε−カプロラクタムを形成成
分とし、その水溶液を必要に応じてモノカルボン酸など
の末端封鎖剤、あるいはε−アミノカプロン酸などの反
応促進剤を加えて、不活性ガスを流通させながら、40
〜300℃に加熱し重縮合するラクタム類の開環重縮合
法、ヘキサメチレンアジパミドなどのジアミン・ジカル
ボン酸を形成成分とし、その水溶液を40〜300℃の
温度下、加熱濃縮し、発生する水蒸気圧を常圧〜約1.
96Mpa(ゲージ圧)の間の圧力に保ち、最終的には
圧力を抜き常圧あるいは減圧し重縮合を行う熱溶融重縮
合法などを用いることができる。さらには、ジアミン・
ジカルボン酸固体塩や重縮合物の融点以下の温度で行う
固相重合法、ジカルボン酸ハライド成分とジアミン成分
とを溶液中で重縮合させる溶液法なども用いることがで
きる。
かまわない。また、重合形態としては、バッチ式でも連
続式でもかまわない。また、重合装置も特に制限される
ものではなく、公知の装置、例えば、オートクレーブ型
の反応器、タンブラー型反応器、ニーダーなどの押出機
型反応器などを用いることができる。本発明のアパタイ
ト型化合物の確認は、例えば、ポリアミド複合体、ポリ
アミド樹脂複合体、あるいはポリアミド樹脂組成物やそ
の成形体を用いて、広角X線回折、赤外吸収スペクトル
などで直接確認する方法や、ポリアミドや配合した他の
樹脂が可溶な溶媒で、ポリアミドあるい配合した他の樹
脂を溶出し、アパタイト型化合物成分を分離し、分離し
たアパタイト型化合物の広角X線回折、赤外吸収スペク
トルなどで確認する方法などによれば良い。
は、特に制限されるものではなく、公知の溶媒を用いる
ことができる。例えば、「POLYMERHANDBO
OKThirdEdition」(J.Brandru
pandE.H.Immergut監修/AWiley
−IntersciencePublication)
の第VII(SolventsandNon−solv
entsForPolymers)に記載されている溶
媒を用いれば良いが、本発明においては、ポリアミドを
溶解する溶媒としては、フェノール溶媒を用いるのが好
ましい。また、ポリアミド樹脂がポリアミドとポリフェ
ニレン系樹脂との混合物のような場合には、例えば、ポ
リフェニレン系樹脂の可溶溶媒として、クロロホルム溶
媒、ポリアミドの可溶溶媒としてフェノール溶媒を用い
れば良い。溶解操作は、具体的には、まず十分な量のク
ロロホルム溶媒を用いてポリフェニレン系樹脂を溶解
し、その後ポリアミドを十分な量のフェノール溶媒を用
いて溶解するという多段の溶解操作を行えば良い。
パタイト型化合物であっても、非晶性アパタイト型化合
物であってもかまわないが、物性の観点から、結晶性ア
パタイト型化合物であることがより好ましい。アパタイ
ト型化合物が結晶性であることの確認は、具体的には、
X線の線源として、銅Kα(波長λ=0.1542n
m)を用いて、広角X線回折を測定し、回折角(2θ)
が25.5〜26.5度に(002)面ピークが存在
し、さらに回折角(2θ)が32.5〜33.5度に
(300)面ピークが存在することを確認すればよい。
本発明では、上記のように確認される結晶性アパタイト
型化合物であることが特に好ましい。
ポリアミド100重量部に対して0.5〜300重量部
であることが好ましく、より好ましくは1〜200重量
部、更には3〜100重量部、特に好ましくは5〜75
重量部である。アパタイト型化合物の含有量は、例え
ば、ポリアミド複合体を用いて、JISR3420に従
って強熱減量(Ig.loss)を測定し、その重量減
少量から求めることができる。また、上記強熱減量と溶
媒抽出、NMR、あるいは赤外吸収スペクトルなどとを
必要に応じて組み合わせて、ポリアミド樹脂複合体、あ
るいは本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物またはその
成形品からでもアパタイト型化合物の含有量を求めるこ
とができる。アパタイト型化合物の含有量がポリミド1
00重量部に対して、0.5重量部未満の場合には、得
られる成形体の機械特性の改良効果が本発明の目的を達
成し得る程に顕著でなく、一方300重量部を越えた場
合には、成形加工がしにくくなるなどの問題が発生しや
すい。
る金属元素の比は、モル比にして0.9〜10.0であ
ることが好ましく、より好ましくは1.2〜5.0、特
に好ましくは、1.3〜2.5である。この比が0.9
未満の場合には、押出や成形加工時に気泡の混入や発泡
が起こりやすくなり、得られる成形体の収率が低下する
懸念がある。また、この比が10.0を越えた場合に
は、靭性の低下が著しくなる恐れがある。
機物は、アパタイト型化合物100重量部あたり、0.
5〜100重量部であることが必要である。より好まし
くは、1〜100重量部、更には3〜75重量部、特に
好ましくは4〜50重量部である。該有機物は、イオン
結合反応、吸着反応あるいはグラフト化反応などの物理
的、化学的相互作用によりアパタイト型化合物の内部や
表面に取り込まれている有機物であるため、たとえポリ
アミドが可溶なフェノール溶媒を用いて溶解操作を行っ
ても、溶媒中に溶解・溶出しないという性質を有しお
り、このことがアパタイト型化合物とマトリックスであ
るポリアミドとの固着、接着性を非常に向上させてい
る。該有機物の量が、アパタイト型化合物100重量部
あたり0.5重量部未満の場合には、得られる成形体の
靭性の低下が大きくなる恐れがある。また100重量部
を越えた場合には、成形加工性が低下する傾向にある。
る前記有機物は、分離したアパタイト型化合物の熱分解
ガスクロマトグラフィーおよび熱分解成分のマススペク
ト(MS)、赤外吸収スペクトルの測定結果から、ポリ
アミド形成成分、ポリアミド、あるいはこれらの反応生
成物である。従って本発明の前記有機物は、特にマトリ
ックスであるポリアミドとの固着、接着性がより向上す
る点から、前記有機物の少なくとも一部がポリアミドで
あることが好ましい。また、前記有機物には、水が含有
されてもかまわない。
は、(i)アパタイト型化合物の分離操作、(ii)熱
減量率の測定、(iii)熱分解成分の測定による有機
物の定量、を行うことによって求めることができる。以
下に、詳細に説明する。
リアミド複合体、ポリアミド樹脂複合体、ポリアミド樹
脂組成物あるいはその成形品10gを秤量し、90重量
%フェノール200mlと混合し、40℃で2時間攪拌
し、遠心分離器を用いて分離操作を行い、上澄み溶媒を
除去する。さらに200mlのフェノールを加え、以後
同様な溶解操作と遠心分離器を用いた分離操作を4回繰
り返し行う。引き続き、99.5重量%エタノール20
0mlを加えて、23℃で2時間攪拌し、遠心分離器を
用いて分離操作を行い、上澄み溶媒を除去する。この操
作をさらに4回繰り返した後、減圧乾燥器中で乾燥し、
アパタイト型化合物を得る。なお、ポリアミド樹脂がポ
リアミドと他の樹脂との混合物の場合には、上記ポリア
ミド溶解操作前あるいはその後に、他の樹脂が可溶な溶
媒を用いて、混合したポリアミド以外の樹脂の溶解・分
離操作を行えば良い。
ト型化合物100重量部))の測定:得られたアパタイ
ト型化合物5〜15mgを秤量し、熱重量分析(TG
A)装置により、30℃から550℃まで99.9℃/
minで昇温後、550℃で1時間保持する。30℃に
おける初期重量(W0)と、550℃で1時間保持した
後の最終重量(W1)を用いて、下式に熱減量率Xを算
出できる。熱減量率X(重量部/アパタイト型化合物1
00重量部)=(W0−W1)×100/W1
の定量:前記(i)により得られたアパタイト型化合物
を1〜10mg秤量し、熱分解ガスクロマトグラフィー
により、熱分解温度550℃、カラム温度50〜320
℃(昇温速度20℃/min)の条件下で測定する。得
られた熱分解ガスクロマトグラフィーのパイログラム
を、保持時間2min未満と2min以上に分けそのピ
ーク面積を算出する。2min以下の成分は二酸化炭素
などの低分子量成分であるため、この低分子量成分を全
体から差し引き、有機物の量とした。具体的には、それ
ぞれの面積Sa(2min未満)とSb(2min以
上)を算出し、前記(ii)の熱減量率Xを用いて、下
式にて有機物の量を算出する。有機物の量(重量部/ア
パタイト型化合物100重量部)=X・Sb/(Sa+
Sb)
は、好ましくは0.001〜1μm、より好ましくは
0.001〜0.5μmである。本発明における平均粒
子径は、電子顕微鏡写真法により求めることができ、該
平均粒子径は次のようにして算出することができる。す
なわち、ポリアミド複合体、ポリアミド樹脂複合体、あ
るいはポリアミド樹脂組成物や得られる成形体から切り
出した超薄切片の透過型電子顕微鏡(TEM:写真倍率
5万倍あるいは10万倍)を撮影し、アパタイト型化合
物の粒子径di、粒子数niを求め、次式により平均粒
子径を算出する。平均粒子径=Σdi・ni/Σniこ
の場合、粒子径が球状とみなせない場合には、その短径
と長径を測定し、両者の和の1/2を粒子径とする。ま
た、平均粒子径の算出には最低2000個の粒子径を測
定する。
化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素
化ビスフェノール型エポキシ系重合体および臭素系架橋
芳香族重合体からなる化合物類から選ばれる少なくとも
1種の難燃剤である。以下、難燃剤について詳細に説明
する。臭素化ポリスチレンの臭素含有量は、難燃化効果
の観点から55〜75重量%が好ましく、分子量は数平
均分子量にして、100〜50万のものが好ましい。臭
素化ポリフェニレンエーテルの分子量は数平均分子量に
して、1000〜5万のものが好ましい。臭素化ビスフ
ェノール型エポキシ系重合体は下記式で示されるもので
ある。
ジル基、アルキル基、フェニル基、ベンジル基及びそれ
らの誘導体から選ばれる基、Rは直接結合、アルキレン
基、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、スル
ホン基から選ばれる基、nはエポキシ当量2500以上
にするために必要な整数、pは1〜4の整数である。臭
素化ビスフェノール型エポキシ系重合体のエポキシ当量
は、通常2500〜5万のものが好ましい。
ば、ポリスチレンとジビニルベンゼンとの共重合により
得られた架橋芳香族重合体を臭素化したものが挙げら
れ、その臭素含有量は30〜70重量%のものが好まし
い。このような臭素化架橋芳香族重合体は、三次元構造
を有し実質的に不溶・不融であり、0.1〜30μm程
度に粉砕されたのち、ポリアミド複合体、あるいはポリ
アミド樹脂複合体に配合される。これら臭素系難燃剤の
中でも、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエ
ーテルが耐熱性、非ブリードアウト性の点から特に好ま
しい。
ロ社製パイロチェック68PB<登録商標>、パイロチ
ェックLM<登録商標>、グレートレークス社製PDB
S−80<登録商標>、PDBS−10<登録商標>、
マナック社製ERB−370FK<登録商標>、グレー
トレークス社製PO64P<登録商標>、マクテシム社
製F2400<登録商標>などを挙げることができる。
は、必要に応じて難燃助剤を添加することができる。難
燃助剤としては、三酸化二アンチモン、四酸化二アンチ
モン、五酸化二アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、
酒石酸アンチモンなどのアンチモン化合物や、ホウ酸亜
鉛、メタホウ酸バリウム、水和アルミナ、酸化ジルコニ
ウム、ポリリン酸アンモニウム、酸化スズ、酸化鉄など
を挙げられるが、この中でも、難燃効果が向上するいう
観点から、アンチモン化合物が好ましく、三酸化二アン
チモンが最も好ましい。
点から、平均粒子径が0.01〜10μmであることが
好ましい。前記アンチモン化合物の具体例としては、日
本精鉱社製パトックスC<登録商標>、パトックスM<
登録商標>、アポックスS<登録商標>、住友金属鉱山
社製酸化アンチモンKU及びFS<登録商標>、第一工
業製薬社製ピロガードAN−700、AN−800およ
びAN−900<登録商標>等の酸化アンチモンが挙げ
られる。また、アンチモン酸ナトリウムとしては日産化
学社製サンポックNA−1075<登録商標>、日本精
鉱社製アンチモン酸ソーダSなどを挙げることができ
る。
ミド100重量部に対して1〜300重量部であること
が好ましく、3〜200重量部がより好ましく、5〜1
00重量部が最も好ましい。配合量が1重量部未満の場
合には、難燃性の改良効果が顕著でなくなる傾向にあ
り、また300重量部を越えた場合には、成形加工性や
機械特性の低下を引き起こす懸念がある。また、前記難
燃助剤の配合量は、ポリアミド100重量部に対して
0.1〜100重量部であることが好ましく、2〜70
重量部がより好ましい。配合量が0.1重量部未満の場
合には、難燃性の改良効果が顕著でなくなる傾向にあ
り、また100重量部を越えた場合には、成形加工性や
機械特性の低下を引き起こす懸念がある。
造方法は、ポリアミド複合体、あるいはポリアミド樹脂
複合体と臭素系難燃剤、必要に応じて難燃助剤とを混合
する方法であればよく、特に限定されるものではない。
混合方法としては、例えば、ポリアミド複合体、あるい
はポリアミド樹脂複合体と臭素系難燃剤とをヘンシュル
などを用いて混合し、溶融混練機に供給し混練する方法
や、単軸または2軸押出機で溶融状態にしたポリアミド
複合体、あるいはポリアミド樹脂複合体にサイドフィダ
ーから臭素系難燃剤を配合する方法などが例示できる。
脂複合体と臭素系難燃剤とを混練する装置としては、特
に制限されるものではなく、公知の装置を用いることが
できる、例えば単軸あるいは2軸押出機、バンバリーミ
キサーおよびミキシングロールなどの溶融混練機が好ま
しく用いられる。さらに本発明の目的を達成するため
に、ポリアミドと臭素系難燃剤との間に作用する混和剤
を用いることも出来る。混和剤としては、酸無水物構造
を置換基の一部に有するポリフェニレンエーテル樹脂
や、スチレンと無水マレイン酸との共重合体が特に好ま
しく、これらの混和剤を少量用いると、本発明で得られ
る難燃性ポリアミド樹脂組成物を成形した際、ウエルド
部強度の高い成形品が得られ、更に臭素系難燃剤の分散
粒径が小さくなることにより部品組立の際の折れ、割れ
が改善される。
マトリックスであるポリアミドあるいはポリアミド樹脂
に、アパタイト型化合物が均一にかつ微細に分散しかつ
ポリアミドとアパタイト型化合物との界面が極めて良好
に固着、接着したポリアミド複合体に臭素系難燃剤を配
合したものであり、従来の難燃性ポリアミド樹脂組成物
に比較し、得られる成形体がソリが少なく、剛性、強
度、耐熱性などの機械特性に優れ、かつ難燃性に優れる
という特徴を有する。
機械部品などの各種部品への応用が期待される。各種部
品としては、スィッチ類、超小型スライドスイッチ、D
IPスイッチ、スイッチのハウジング、ランプソケッ
ト、結束バンド、コネクター、コネクターのハウジン
グ、コネクターのシェル、ICソケット類、コイルボビ
ン、ボビンカバー、リレー、リレーボックス、コンデン
サーケース、モーターの内部部品、小型モーターケー
ス、ダンシングプーリー、電磁開閉器、ホルダー、プラ
グ、ブレーカーなどを挙げることができる。
公知の成形方法、例えばプレス成形、射出成形、ガスア
シスト射出成形、溶着成形、押出成形、吹込成形、フィ
ルム成形、中空成形、多層成形、溶融紡糸など、一般に
知られているプラスチック成形方法を用いても、良好に
成形加工ができる。
は、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、成
形性改良剤として、例えば、リン酸トリフェニルなどの
リン酸エステル化合物、亜リン酸トリフェニルなどの亜
リン酸エステル化合物、ステアリン酸、ベヘン酸、モン
タン酸などの高級脂肪酸化合物、ステアリン酸カルシウ
ム、モンタン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩化合
物、ステアリルステアレートなどの高級脂肪酸エステル
化合物、高級脂肪酸アミド化合物、ポリアルキレングリ
コールあるいはその末端変性物、低分子量ポリエチレン
あるいは酸化低分子量ポリエチレン、置換ベンジリデン
ソルビトール、カプロラクトン類、タルクなどの無機結
晶核剤を含有させることができる。
物には、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で
通常のポリアミド樹脂に用いられる充填剤、例えばガラ
ス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維などの無機充填剤
や、チタンホワイト、カーボンブラックなどの顔料や着
色剤、亜リン酸ソーダやヒンダードフェノールに代表さ
れる熱安定剤、種々の可塑剤、耐候性向上剤、帯電防止
剤などの各種添加剤を含有させることができる。
詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、
以下の実施例に制限されるものではない。なお、以下の
実施例、比較例において記載した物性評価は、以下のよ
うに行った。 1.ポリアミド形成成分とアパタイト型化合物形成成分
の特性 (1−1)アパタイト型化合物形成成分の含有量(重量
%) ポリアミド形成成分とアパタイト型化合物形成成分の配
合量から算出した。 (1−2)アパタイト型化合物形成成分のリンに対する
金属元素のモル比 アパタイト型化合物形成成分中の金属元素およびリンを
定量し、モル比を算出した。
してカルシウムの場合につき説明するが、他の金属元素
についても同様にして求めることができる。アパタイト
型化合物形成成分0.5gを白金皿に秤量し、500℃
電気炉で炭化する。冷却後、塩酸5mlおよび純水5m
lを加えヒーター上で煮沸溶解する。再び冷却し、純水
を加え500mlとした。装置はThermoJarr
ellAsh製IRIS/IPを用いて、高周波誘導結
合プラズマ(ICP)発光分析により、波長317.9
33nmにて定量した。
成成分0.5gを秤量し濃硫酸を20ml加え、ヒータ
ー上で湿式分解した。冷却後、過酸化水素5mlを加
え、ヒーター上で加熱し、全量が2〜3mlになるまで
濃縮した。再び冷却し、純水で500mlとした。装置
はThermoJarrellAsh製IRIS/IP
を用いて、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析
により、波長213.618(nm)にて定量した。
グラフィー(GPC)により求めた。装置は東ソー
(株)製HLC−8020、検出器は示差屈折計(R
I)、溶媒はヘキサフルオロイソプロパノール(HFI
P)、カラムは東ソー(株)製TSKgel−GMHH
R−Hを2本とG1000HHRを1本用いた。溶媒流
量は0.6ml/min、サンプル濃度は、1〜3(m
gサンプル)/1(ml溶媒)であり、フィルターでろ
過し、不溶分を除去し、測定試料とした。得られた溶出
曲線をもとに、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)換
算により、重量平均分子量(Mw)を算出した。
定量(重量部/100重量部ポリアミド) ポリアミド複合体を100±20℃で8時間乾燥し冷却
する。組成物を白金皿に1g秤量し、650±20℃の
電気炉で灰化し、冷却後、その重量を秤り、アパタイト
型化合物の含有量を定量した。 (2−3)アパタイト型化合物のリンに対する金属元素
のモル比 アパタイト型化合物の金属元素およびリンを定量し、モ
ル比を算出した。
してカルシウムの場合につき説明するが、他の金属元素
についても同様にして求めることができる。ポリアミド
複合体を0.5gを白金皿に秤量し、500℃電気炉で
炭化する。冷却後、塩酸5mlおよび純水5mlを加え
ヒーター上で煮沸溶解する。再び冷却し、純水を加え5
00mlとした。装置はThermoJarrellA
sh製IRIS/IPを用いて、高周波誘導結合プラズ
マ(ICP)発光分析により、波長317.933nm
にて定量した。
0.5gを秤量し濃硫酸を20ml加え、ヒーター上で
湿式分解した。冷却後、過酸化水素5mlを加え、ヒー
ター上で加熱し、全量が2〜3mlになるまで濃縮し
た。再び冷却し、純水で500mlとした。装置はTh
ermoJarrellAsh製IRIS/IPを用い
て、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析によ
り、波長213.618(nm)にて定量した。
型化合物100重量部) (a)アパタイト型化合物の分離操作:ポリアミド複合
体を秤量し、90重量%フェノール200mlと混合
し、40℃で2時間攪拌し、遠心分離器〔国産遠心器
(株)製H103RLH〕を用いて20000rpmで
1時間、分離操作を行い、上澄み溶媒を除去した。さら
に200mlのフェノールを加え、以後同様な溶解操作
と遠心分離器を用いた分離操作を4回繰り返し行った。
引き続き、99.5重量%エタノール200mlを加え
て、23℃で2時間攪拌し、遠心分離器を用いて200
00rpmで1時間、分離操作を行い、上澄み溶媒を除
去する。この操作をさらに4回繰り返した後、減圧乾燥
器中で80℃で12時間乾燥し、目的のアパタイト型化
合物を得た。
量率(X(重量部/アパタイト型化合物))測定:(2
−4)の(a)で得られたアパタイト型化合物10mg
を秤量し、熱重量分析(TGA)装置により熱減量率X
を求めた。装置は島津製作所製TGA−50、温度条件
としては、30℃から550℃まで99.9℃/min
で昇温後、550℃で1時間保持した。30℃における
初期重量(W0)と、550℃で1時間保持した後の最
終重量(W1)を用いて、下式により、有機物量を算出
した。 熱減量率X(重量部/アパタイト型化合物100重量
部)=(W0−W1)×100/W1
で得たアパタイト型化合物を3mg秤量し、以下の条件
で熱分解クロマトグラフィー(GC)および熱分解GC
/MSのパイログラムを得た。 ・熱分解 装置:フロンティア社ダブルショットパイロライザーP
Y−2010D 熱分解温度:550℃
0 カラム:J&W社製DURABONDDB−1 (0.25mmI.D.×30m、膜厚0.25μm) カラム温度:50℃→320℃(昇温速度20℃/mi
n) 注入口温度:320℃ 検出器温度:320℃
n未満と2min以上に分け、それぞれののピーク面積
Sa(2min未満)とSb(2min以上)を算出
し、(2−4)の(b)で求めた熱減量率Xを用いて、
下式にて有機物の量を算出した。 有機物の量(重量部/アパタイト型化合物100重量
部)=X・Sb/(Sa+Sb)
成分の同定を行った。 (2−5)赤外吸収スペクトル (2−4)の(a)で得たアパタイト型化合物の赤外吸
収スペクトルを測定した。装置はPerkinElme
r社製1640、分解能は4cm−1で測定した。 (2−6)X線回折によるアパタイト型化合物の生成の
確認 (2−4)の(a)で得たアパタイト型化合物のX線回
折を測定した。測定条件は以下のとうりである。
脂(株)製PS40E、シリンダー温度280℃、金型
温度80℃に設定し、射出17秒、冷却20秒の射出成
形条件で、成形品を得た。
pa) 測定は、ASTM D790に準じて行った。 (3−2)引張強度(Mpa)および引張伸度(%) ASTM D638に準じて行った。 (3−3)ノッチ付きIzod衝撃強度(J/m) ASTM D256に準じて行った。 (3−4)荷重たわみ温度(℃) ASTM D648に準じて行った。荷重は1.82M
paで行った。
た平板を水平面に置き、水平面との最大隙間間隔を測定
した。 (3−6)難燃性 UL94(米国Under Writers Labo
ratories Incで定められた規格)の方法に
従って測定した。なお、厚み1/32inch(UL9
4規格)の成形品を、射出成形機(日精樹脂(株)製P
S40E)を用いて成形して評価した。
%のポリアミド形成成分(ヘキサメチレンジアミンとア
ジピン酸との等モル塩)の水溶液を30Kg作製した。
アパタイト型化合物形成成分として、平均粒子径1μm
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO4・2H
2O)の25重量%懸濁液を6Kg(リン酸一水素カル
シウム二水和物:純水=1.5Kg:4.5Kg)、お
よび平均粒子径1.5μm重質炭酸カルシウム(CaC
O3)の25重量%懸濁液を2.32Kg(炭酸カルシ
ウム:純水=0.58Kg:1.74Kg)用いた。カ
ルシウムとリンとのモル比は、1.67と算出された。
ト型化合物形成成分の懸濁液とを、撹拌装置を有し、か
つ下部に抜出しノズルを有する70リットルのオートク
レーブ中に仕込み、50℃の温度下、よく攪拌した。十
分窒素で置換した後、撹拌しながら温度を50℃から約
270℃まで昇温した。この際、オートクレーブ内の圧
力は、ゲージ圧にして約1.77Mpaになるが、圧力
が1.77Mpa以上にならないよう水を系外に除去し
ながら加熱を約1時間続けた。その後、約1時間をか
け、圧力を大気圧まで降圧し、更に約270℃、大気圧
で約1時間保持した後、撹拌を停止し、下部ノズルから
ストランド状にポリマーを排出し、水冷・カッティング
を行い、ポリアミド複合体(A)のペレットを得た。得
られたポリアミド複合体(A)を評価した結果、重量平
均分子量(Mw)は40000、アパタイト型化合物含
有量は、ポリアミド100重量部に対して、11.4重
量部であった。
7と算出された。10万倍の透過型電顕観察結果から、
アパタイト型化合物の平均粒子径は85nmであった。
90%フェノール水溶液により、溶出・分離操作を行
い、得られたアパタイト型化合物を評価した結果、広角
X線回折により、結晶性アパタイト型化合物の生成を確
認できた。また該溶出・分離操作により得られたアパタ
イト型化合物の有機物の量は5.5(重量部/アパタイ
ト100重量部)と算出された。また、熱分解GC/マ
ススペクトルの解析結果から、アパタイト型化合物に残
存する有機物の熱分解成分の1つとして、シクロペンタ
ノンが確認された。さらに、赤外吸収スペクトルの観察
から、約1548cm−1に有機物の存在を示すピーク
が確認された。
%のポリアミド形成成分(ヘキサメチレンジアミン・ア
ジピン酸等モル塩1.2Kgとヘキメチレンジアミン・
イソフタル酸等モル塩0.3Kgとの混合物)の水溶液
を30Kg作製した。該ポリアミド形成成分を用いる以
外は、実施例1と同様にして行い、ポリアミド複合体
(B)のペレットを得た。
て、アパタイト形成成分を配合せず、ポリアミド形成成
分のみを用いて重合を行い、ポリアミド66のペレット
を得た。
塩の一単位の厚みが平均的に95nmで、一辺の長さが
約0.1μmのモンモリロナイト100gを10リット
ルの水に分散し、これに51.2gの12−アミノドデ
カン酸と24mlの濃塩酸を加え、五分間撹拌した後、
ろ過した。更にこれを十分洗浄した後、真空乾燥し、1
2−アミノドデカン酸のアンモニウムイオンとモンモリ
ロナイトとの複合体を調整した。この操作を繰り返し、
約2Kgの12−アミノドデカン酸のアンモニウムイオ
ンとモンモリロナイトとの複合体を得た。50重量%の
ポリアミド形成成分(ヘキサメチレンジアミン・アジピ
ン酸等モル塩)の水溶液30Kgに、12−アミノドデ
カン酸のアンモニウムイオンとモンモリロナイトの複合
体1.5Kgとを、撹拌装置を有し、かつ下部に抜出し
ノズルを有する70リットルのオートクレーブ中に仕込
み、50℃の温度下、よく攪拌した。その後の操作は実
施例1と同様にして行い、ポリアミド複合体(C)のペ
レットを得た。
00重量部(ポリアミド複合体からアパタイト型化合物
の含有量を差し引いた重量を100重量部とした。)に
対して、難燃剤として臭素化ポリスチレン(フェロ有社
製パイロチェック68PB、臭素含有率66重量%)3
0重量部、難燃助剤として三酸化二アンチモン(日本精
鉱(株)製パトックスC)10重量部、およびガラス繊
維(旭ファイバーグラス(株)製JA416)25重量
部とを混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM3
5)を用いて、280℃の条件下で溶融混練し、ポリア
ミド樹脂組成物を得た。評価結果を表1に示す。
アミド複合体(B)を用いて、実施例1と同様にして行
った。得られたポリアミド樹脂組成物の評価結果を表1
に示す。
例3のポリアミドを用いて、実施例1と同様にして行っ
た。得られたポリアミド樹脂組成物の評価結果を表1に
示す。
アミド複合体(C)を用いて、実施例1と同様にして行
った。得られたポリアミド樹脂組成物の評価結果を表1
に示す。
リフェニレンエーテル(グレードレークス社製PO−6
4P、臭素含有率62重量%)を用いて、実施例1と同
様にして行った。得られたポリアミド樹脂組成物の評価
結果を表2に示す。
スフェノール型エポキシ系重合体(松永化学社製EBR
−101、臭素含有率52重量%)を用いて、実施例1
と同様にして行った。得られたポリアミド樹脂組成物の
評価結果を表2に示す。
ド中に均一にかつ微細に分散し、その界面においてポリ
アミドに極めて良好に固着、接着しているアパタイト型
化合物を含有するポリアミド複合体に臭素系難燃剤を配
合して成る難燃性ポリアミド樹脂組成物である。したが
って、得られる成形体は、従来の難燃性ポリアミド樹脂
成形体に比較し、剛性、強度、耐熱性に優れ、かつ難燃
性に優れるという特徴を有するため、自動車外装・外板
部品、自動車内装部品、自動車アンダーフード部品、二
輪車用部品、家具用部品、OA機器分野用品、電子電器
用部品、工業用部品など、各種用途に非常に有用である
ことが期待される。
Claims (4)
- 【請求項1】(A)ポリアミド、ならびに(B)フェノ
ール溶媒に不溶な有機物を含有するアパタイト型化合物
からなり、該有機物がアパタイト型化合物100重量部
に対し0.5〜100重量部であるポリアミド複合体、
あるいは該ポリアミド複合体に他の樹脂を混合してなる
ポリアミド樹脂複合体に、(C)臭素系難燃剤を配合し
てなる難燃性ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項2】ポリアミド形成成分と、アパタイト型化合
物形成成分とを配合し、ポリアミドの重合反応およびア
パタイト型化合物の合成反応を進行させて得られるポリ
アミド複合体、あるいは該ポリアミド複合体に他の樹脂
を混合してなるポリアミド樹脂複合体に、臭素系難燃剤
を配合してなる難燃性ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項3】アパタイト型化合物が、平均粒子径にして
0.001〜1μmであることを特徴とする請求項1あ
るいは2記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項4】アパタイト型化合物形成成分が、平均粒子
径にして0.001〜10μmであることを特徴とする
請求項2記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
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