JP2001199244A - サンルーフ装置 - Google Patents

サンルーフ装置

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JP2001199244A
JP2001199244A JP2000009771A JP2000009771A JP2001199244A JP 2001199244 A JP2001199244 A JP 2001199244A JP 2000009771 A JP2000009771 A JP 2000009771A JP 2000009771 A JP2000009771 A JP 2000009771A JP 2001199244 A JP2001199244 A JP 2001199244A
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雅信 大津
Nobuo Ito
信夫 伊藤
Takashi Ogawa
貴史 小川
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OI SEISAKUSHO CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライダの前後移動範囲の中間にチルトアッ
プ位置を設定した場合における前後方向でのリッドのガ
タつきを防止することができるサンルーフ装置を提供す
る。 【解決手段】 チルトアップ位置に形成した一対の案内
壁14、15の間で、リッド23のガイド部材24に形
成した中間脚部28の前後位置を規制するため、中間脚
部28の上下方向での移動を許容しながら、リッド23
の前後方向でのガタつきを確実に防止することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、サンルーフ装
置、特にリッドの前後移動範囲の中間にチルトアップ位
置を設定した場合における前後方向でのリッドのガタつ
きを防止することができるサンルーフ装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動車のサンルーフ装置としては、ルー
フに形成された開口に、該開口を覆うと共に前後移動す
るリッドを設け、このリッドにより開口を開閉する構造
になっている(類似技術として、実公平8−5852号
公報参照)。リッドの前後移動中の形態としては、開口
を塞いだ全閉位置と、開口後方のルーフ内に収納されて
開口を開放した状態となる全開位置と、後端を開口面よ
りも上昇させたチルトアップ位置とがある。従来は、全
閉位置がスライダの前後移動範囲の中間にあり、スライ
ダが前側へ移動するとチルトアップ位置になり、後側へ
移動すると全開位置になるようになっている。本明細書
において、「開口面」とは、開口の縁部を結ぶ仮想面の
ことである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術にあっては、水密性の確保や、風切り音
防止のために、最も厳密な前後方向での位置保持が要求
されるリッドの全閉位置が、スライダの前後移動範囲に
おける中間に設定されているため、リッドの安定した状
態が得づらく、リッドの位置保持が困難である。つま
り、スライダの前後移動範囲における中間位置は、前側
にも、後側にも、移動可能な安定しない位置であるた
め、両方向での位置保持機構が必要になり、構造が複雑
になる。
【0004】そこで、全閉位置をスライダの前後移動範
囲における前端に変更し、中間にチルトアップ位置をも
ってきて、後端に全開位置をもってくる新規な構造が考
えられる。このようにすれば、リッドを開口の前端に突
き当てるだけで、リッドの前後方向における安定した位
置保持状態が得られることになる。このような新規な構
造では、前後移動範囲における中間がチルトアップ位置
となり、全閉位置ほどの厳密な位置保持は必要としない
が、前後方向でのガタつきは防止されていない。しか
も、チルトアップ位置では、リッドが上下に移動するた
め、その上下移動を許容しながら、前後方向でのガタつ
きを防止する新たな機構が必要となる。また、リッドを
開口前端にぶつけたまま、チルトアップ位置まで上昇さ
せると、リッドの前端が開口前端部にこじれ、ギシギシ
音が発生したりする。
【0005】この発明は、このような要請に応じてなさ
れたものであり、リッドの前後移動範囲の中間に、チル
トアップ位置を設定した場合におけるリッドの前後方向
でのガタつきを防止することができるサンルーフ装置を
提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、車体のルーフに形成された開口の左右両側にサイド
レールを配置すると共に、前記開口を覆う形状に形成さ
れてなるリッドの左右両側の下部にガイド部材を固定
し、該ガイド部材に形成した前側脚部をサイドレールに
対して前後移動自在且つ支点として回動自在に係合さ
せ、リッドを前後移動させることにより、リッドの最前
位置で開口を塞ぐ全閉位置と、前側脚部を中心に回動し
てリッドの後端が開口面よりも上昇したチルトアップ位
置と、リッドの後端が開口面よりも下降したフラップ位
置を経てリッドが後方へスライドして開口を開放した状
態にする全開位置とが得られるサンルーフ装置であっ
て、前記ガイド部材の前側脚部よりも後側で且つガイド
部材の後端付近以外の中間位置に中間脚部を形成すると
共に、サイドレールに、リッドの全閉位置からチルトア
ップ位置に至る範囲において上下動する中間脚部を前後
方向で挟み該中間脚部の前後位置を規制する一対の案内
壁が形成されたストッパを設けた。
【0007】請求項1に記載の発明によれば、チルトア
ップ位置に形成した一対の案内壁の間で、リッドのガイ
ド部材に形成した中間脚部の前後位置を規制するため、
中間脚部の上下方向での移動を許容しながら、リッドの
前後方向でのガタつきを確実に防止することができる。
中間脚部の位置が、リッドの上下方向での回動支点とな
る前側脚部よりも後側に変位しているため、チルトアッ
プ位置において、ある程度高い位置で前後方向での位置
規制を行え、前後方向でのガタつき防止の実効が得られ
る。また、ガイド部材の後端付近に中間脚部を形成する
と、上下方向での変位が大きくなり過ぎ、それに伴って
ストッパの上下寸法も大きくなり、結果として、サイド
レールの位置を下げることになって、車室内スペースの
ヘッドクリアランスを圧迫する状況を招くため、中間脚
部を形成する位置として、ガイド部材の後端付近は除外
した。
【0008】請求項2に記載の発明は、前記開口に設置
された駆動部により駆動されるケーブルを該駆動部から
各サイドレールにかけてそれぞれ配索し、前記リッドに
固定されたガイド部材に所定形状を有するガイド溝を形
成し、前記サイドレールには、ケーブルに連結された状
態で前後移動するスライダを設けると共に、スライダの
上端には、ガイド部材のガイド溝内へ移動自在に係合す
るガイドピンを突設し、前記ガイドピンがガイド溝内を
移動することにより、ガイドピンがガイド溝の前端に当
接した状態でリッドにより開口が塞がれた全閉位置と、
ガイドピンがガイド溝の最も低い位置に係合することに
よりリッドが前側端部を中心に回動して後端が開口面よ
りも上昇したチルトアップ位置と、ガイド溝の後端に当
接した状態でリッドの後端が開口面よりも下降したフラ
ップ位置を経てリッドが後方へスライドして開口が開放
された状態となる全開位置とが得られる。
【0009】請求項2に記載の発明によれば、前記リッ
ドの全閉位置がリッドの前後移動範囲における前端にあ
り、その全閉位置では、スライダのガイドピンがガイド
溝の前端に当接して停止しているので、全閉位置におけ
るリッドは、開口の前端に突き当てられた状態となり、
前後方向でのガタつきが確実に防止される。
【0010】請求項3に記載の発明は、前記中間脚部が
前側脚部寄りの位置に形成されている。
【0011】請求項3に記載の発明によれば、中間脚部
が前側脚部寄りの位置に形成されているため、前後方向
でのガタつき防止の実効を得ながら、ストッパの上下寸
法を極力小さくすることができ、車室内スペースのヘッ
ドクリアランスを十分に確保することができる。
【0012】請求項4に記載の発明は、前記ストッパの
案内壁が後側に傾斜している。
【0013】請求項4に記載の発明によれば、ストッパ
の案内壁が後側に傾斜しているため、全閉位置からチル
トアップ位置に至る際にリッドを若干後退させて、リッ
ド前端の開口前端に対する「こじれ(強接触)」を防止
することができる。
【0014】請求項5に記載の発明は、中間脚部の下端
には、断面略楕円状のキャップが被せられると共に、ス
トッパの案内壁に接触するキャップの前後端にそれぞれ
中空部を形成した。
【0015】請求項5に記載の発明によれば、中間脚部
の下端に被せられたキャップの前後端に、それぞれ中空
部を形成したため、キャップの前後端が撓んだ状態で案
内壁に接触することなり、キャップの前後寸法或いは一
対の案内壁の前後間隔に寸法誤差が生じても、それらを
吸収することができ、リッドの前後方向でのガタつき
を、より確実に防止することができる。
【0016】請求項6に記載の発明は、サイドレールに
ドレン側に位置する縦壁からドレンとは反対側に開口し
た溝部を形成し、該溝部内に中間脚部のキャップを前後
移動自在に係合させ、溝部内にストッパを取付けると共
に、溝部の上面部のみに形成した切欠部から一対の案内
壁を上方へ突出させた。
【0017】請求項6に記載の発明によれば、ストッパ
を取付けるに際し、溝部の上面部のみ切欠き、ドレン側
の縦壁はそのまま残したので、ドレンからの水漏れを防
止することができる。
【0018】請求項7に記載の発明は、ストッパの前側
の案内壁の下部に溝部を塞いた状態で前方に延びてサイ
ドレールに取付けられる取付片を形成すると共に、後側
の案内壁は、溝部よりも上側に位置し溝部を開放してい
る。
【0019】請求項7に記載の発明によれば、ストッパ
の前側の案内壁の下方に形成された取付片により、溝部
の前側が塞がれているため、全開位置からチルトアップ
位置に戻す際に溝部内を前進する中間脚部は、取付片に
突き当たり、一対の案内壁の間で停止し、そのままチル
トアップ位置まで上昇させることができる。また、後側
の案内壁の下方は開放状態になっているため、中間脚部
は、溝部内を自由に移動することができる。
【0020】請求項8に記載の発明は、取付片の溝部内
に位置する後面下端には、後側に突出した傾斜面が形成
されている。
【0021】請求項8に記載の発明によれば、取付片の
後面下端に傾斜面が形成されているため、溝部内で前進
する中間脚部の勢いを上側のチルトアップ位置に向ける
ことができ、全開位置からチルトアップ位置に至る中間
脚部の動作がスムーズになる。
【0022】請求項9に記載の発明は、切欠部の後端に
は、凹部が形成され、後側の案内壁には、該凹部に係合
する凸部が形成されている。
【0023】請求項9に記載の発明によれば、ストッパ
の取付片だけを片持ち状態で取付けても、反対側で凹部
と凸部とが係合しているため、ストッパが水平方向で回
転することはない。
【0024】請求項10に記載の発明は、ガイド部材の
後端に後側脚部を形成し、サイドレールには、ケーブル
に連結された状態で前後移動するフックを設け、該フッ
クには、ガイド部材の後側脚部と係合して該後側脚部の
上下移動を規制する係合部が形成されている。
【0025】請求項10に記載の発明によれば、全閉位
置において、ガイド部材の後側脚部の上下移動を、フッ
クとの係合により規制するため、リッド後端の上下方向
でのガタつきが防止される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な一実施形
態を図1〜図13に基づいて説明する。
【0027】自動車のルーフ1には、サンルーフ用の開
口2が形成されている。開口2の左右両側には、押出成
形品のサイドレール3がそれぞれ左右対称に形成され且
つ配置されている。サイドレール3の前端には、コーナ
部材4を介して車幅方向に沿うフロントレール5が配置
されている。
【0028】サイドレール3の断面形状としては、図6
〜図9に示されるように、外側の端部には、フランジ6
が形成され、その反対側の内側端部には、ルーフライニ
ング7の端末を係合するための内向きの溝部8が形成さ
れている。そして、その溝部8の上に、外向きの溝部9
が形成され、その外向きの溝部9の外側位置に対向する
状態で内向きの溝部10が形成されている。また、前記
外向きの溝部9の上側には、更にシェード11用の内向
き溝部12が形成されている。
【0029】車幅方向で対向している一対の溝部9、1
0のうち、外側の溝部10とフランジ6との間には、ド
レンDが形成され、ここを雨水或いは洗車水などが流れ
て、サイドレール3の前端又は後端から排水されるよう
になっている。溝部10は、ドレンD側に縦壁10aを
有し、ドレンDとは反対の内向き状態で開口した状態に
なっている。この溝部10の上面部には、切欠部30
(図7・図10・図11参照)が形成されている。この
切欠部30は、上面部のみに形成され、縦壁10aには
至っていない。従って、ドレンD内を流れる水が、一対
の溝部9,10内に入り込むことはない。切欠部30の
後側には、凹部31が形成され、切欠部30の後側の上
面部には、取付孔32が形成されている。
【0030】溝部10の切欠部30を形成した部分に
は、ストッパ13が取付けられている。ストッパ13
は、切欠部30から上方に突出する前後に一対の案内壁
14、15を有している。この案内壁14、15は、前
後方向で平行に対向していると共に、外側端が互い連結
され、全体としては、コ字形の断面形状を呈している
(図12参照)。また、この一対の案内壁14、15
は、両方とも後側へ傾斜している。
【0031】前側の案内壁14の下方には、前側へ延び
る取付片33が形成されている。この取付片33には、
前記取付孔32に対応するネジ孔34が形成され、1本
のネジ35によりサイドレール3に取付けることができ
る。取付片33は、溝部10の下側の面と後述するケー
ブル17の支持部10b上面との上下寸法と同じ厚さを
有し、溝部10の案内壁14よりも前側を塞いでいる。
この取付片33の後面下端には、後側に延びる傾斜面3
3a(図11参照)が形成されている。一方、後側の案
内壁15は、切欠部30よりも上側に形成され、取付片
33から後側の溝部10を開放状態にしている。また、
後側の案内壁15の根本には、前記切欠部30の凹部3
1に合致する凸部36が形成されている。従って、スト
ッパ13の前側に形成した取付片33を1本のネジ35
だけで取付けた片持ち状態でも、ストッパ13は、水平
方向に回転しない。
【0032】フロントレール5の中央には、「駆動部」
としてのモータ16が設けられている。このモータ16
から各サイドレール3にかけてケーブル17(図6〜図
9)が配索されている。このケーブル17の一端は、ガ
イドパイプ18(図1)にて保護された状態で、モータ
16からコーナ部材4に至り、そこからサイドレール3
の前記溝部10内の支持部10bに通されている。ケー
ブル17の他端は、同じくガイドパイプ18にて保護さ
れた状態で、モータ16からサイドレール3のフランジ
6の下側に延びている。各ケーブル17は、モータ16
のギアと係合しており、モータ16の回転方向に応じて
前後方向に送り出されるようになっている。
【0033】サイドレール3には、ケーブル17に連結
された状態で、ケーブル17と一緒に前後に移動するス
ライダ19とフック20とが設けられている。図8及び
図9に示すように、スライダ19及びフック20は、両
端を一対の溝部9、10内に係合した状態で前後に移動
するようになっている。スライダ19の上端には、外向
きに突出するガイドピン21が設けられ、フック20の
前面には、前向きに開口する係合部22が凹設されてい
る。
【0034】一方、開口2に設けられたリッド23は、
前記開口2を覆う形状に形成されてなり、該リッド23
の左右両端下面には、前後方向に沿うガイド部材24が
固定されている。このガイド部材24の側部には、図2
乃至図5に示すように、概略逆「へ」の字状のガイド溝
25が切欠き形成されている(尚、ガイド溝25は、ガ
イドピン21が係合する形状であれば「切欠き」でなく
溝部などであっても良い)。このガイド溝25の縁部に
は、カバー26が取付けられ、該カバー26を介した状
態で、前記スライダ19の上端に設けたガイドピン21
がガイド溝25内に内側から係合し、ガイド溝25内で
移動自在になっている。該カバー26は、図7に示すよ
うに、貫通されているものに限らず、ガイドピン21の
自由端側を閉じる形状にして、見映えの向上を図っても
良い。尚、図2乃至図5に示すガイド溝25にもカバー
26が取り付けられているが、図面の煩雑さを避けるた
めに、図示を省略してある。
【0035】そして、このガイド部材24の前端には、
前側脚部27が形成され、該前側脚部27の下端が、図
6に示されるように、外向きの溝部9に係合されてい
る。前側脚部27の下端には、断面楕円形状のキャップ
37が被せられ、溝部9に沿って移動自在であると共
に、溝部9内で回転(角度変更)することもできる。
尚、キャップ37を被せる代わりに、前側脚部27の下
端に、溝部9内でスライド自在な別物のブラケットをヒ
ンジを介して回転自在に取付けても良い。
【0036】また、ガイド部材24における前側脚部2
7寄りの位置で、概ねガイド溝25の前端に対応する位
置には、前記ストッパ13の前後の案内壁14、15間
で上下動する中間脚部28が形成されている。この中間
脚部28は、前側脚部27の後側でなければならず、ま
たガイド部材24の後端付近は、避けなければならな
い。この中間脚部28の下端は、案内壁14、15に挟
まれた状態で斜めに上下移動するだけで、前後方向への
移動は規制されているため、中間脚部28が前後方向で
ガタつくことはない。中間脚部28の下端には、断面楕
円形状で樹脂製のキャップ37が被せられている。この
キャップ37は、図11に示すように、その上下には、
それぞれ細長い中空部38が形成され、その前後には、
円形の中空部39が形成されているため、このキャップ
37は、上下・前後で撓むことができる。従って、キャ
ップ37の前後端が撓んだ状態で案内壁14、15に接
触することなり、キャップ37の前後寸法或いは一対の
案内壁14、15の前後間隔に寸法誤差が生じても、そ
れを吸収することができ、リッド23の前後方向でのガ
タつきをより確実に防止することができる。また、この
キャップ37は、溝部10内を前後移動するが、この場
合もキャップ37の上下面が撓むことにより、上下方向
でのガタつきが防止される。
【0037】更に、ガイド部材24の後端には、後側脚
部29が形成されている。この後側脚部29は、下端が
全閉位置で前記フック20の係合部22と係合して上下
移動が規制される。
【0038】次に、リッド23の動作を順に説明する。
まず、全閉位置(図2)では、スライダ19のガイドピ
ン21が、ガイド溝25の前端に当接した状態になり、
リッド23の前端が開口2の前端に突き当てられた状態
で、開口2を塞いでいる。従って、リッド23の状態が
安定し、前後方向でのガタつきがない。また、後側脚部
29の下端がフック20の係合部22に係合する。従っ
て、リッド23の上下方向でのガタつきも防止される。
【0039】次に、図示せぬスイッチをオープン側に操
作することにより、モータ16を正転方向に回転させて
ケーブル17を後側に送ると、スライダ19及びフック
20が後方へ移動する。そして、ガイドピン21がガイ
ド溝25における最も低い中間位置に来ると、リッド2
3の後端がガイド部材24の前側脚部27の下端を中心
にして、開口2の面(所謂開口面)よりも上昇してチル
トアップ位置(図3)になり、その状態で停止する。チ
ルトアップ位置まで中間脚部28を上昇させる際、スト
ッパ13の各案内壁14、15が後側に傾斜しているた
め、リッド23は、若干後退する。このため、リッド2
3の前端が、開口2の前端に対して離れることで、「こ
じれる(強接触する)」のを防止することができる。リ
ッド23がチルトアップ位置に来るとリミットスイッチ
により自動的に停止する。従って、チルトアップ位置
は、そのまま維持される。前記スイッチは、操作後中立
位置に復帰するものの、リレーでモータ16の回転がそ
のまま継続されるものである場合と、操作している時間
だけモータ16が回転するものとがあるが、いずれでも
良い。
【0040】次に、スイッチを再度オープン側に操作す
ると、モータ16が再び正転方向に回転し、スライダ1
9を更に後方に移動させる。そして、スライダ19のガ
イドピン21がガイド溝25の後端に当接すると、リッ
ド23は、一旦ルーフ1と面一になる「仮想全閉」位置
を経てから、更に、リッド23の後端を開口2よりも下
げたフラップ位置(図4)に至り、続いて、そのまま後
方のルーフ1内にスライドし、全開位置(図5は全開途
中図)となる。尚、全開位置では、リッド23の前端も
若干下がり、開口2の後縁と干渉しないようになってい
る。
【0041】そして、図13に示すように、全開位置か
ら元の全閉位置に戻すには、図示せぬスイッチをクロー
ズ側に操作して、モータ16を逆転させ、スライダ19
を前方へ移動させればよい。フラップ位置までは、ガイ
ドピン21がガイド溝25の後端に係合したまま前方へ
移動する。フラップ位置に来ると、中間脚部28がスト
ッパ13に当接し前方移動が止められると共に、後側脚
部29より後方に設けた拘束用脚部(図2,図3に二点
鎖線で表示)の下端がサイドレール3の切欠部30から
離脱し、上方への移動が可能となるため、リッド23の
後端を押さえるものがなくなり、ガイドピン21がガイ
ド溝25内で前方へ移動する。そして、溝部10内で移
動する中間脚部28のキャップ37は、ストッパ13の
取付片33に突き当たってから上昇し、チルトアップ位
置を経て、そのまま全閉位置に戻る。キャップ37が、
取付片33に当たる際、取付片33の後面下端に傾斜面
33aが形成されているため、溝部10内で前進する中
間脚部28の勢いを上側のチルトアップ位置に向けるこ
とができ、全開位置からチルトアップ位置に至る中間脚
部28の動作がスムーズになる。尚、このように閉める
際には、開く場合と異なり、リッド23は、チルトアッ
プ位置で停止しない。これは、チルトアップ位置を全閉
位置と誤認して車から離れたりすることを防止するため
である。
【0042】以上説明したように、この実施形態では、
チルトアップ位置に形成した一対の案内壁14、15間
で、リッド23のガイド部材24に形成した中間脚部2
8の前後位置を規制するため、中間脚部28の上下方向
での移動を許容しながら、リッド23の前後方向でのガ
タつきを確実に防止することができる。
【0043】
【発明の効果】この発明によれば、リッドの前後移動範
囲の中間にチルトアップ位置を設定した場合における前
後方向でのリッドのガタつきを確実に防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るサンルーフ装置の
平面図。
【図2】図1のリッドが全閉位置にある状態を示す断面
図。
【図3】図1のリッドがチルトアップ位置にある状態を
示す断面図。
【図4】図1のリッドがフラップ位置にある状態を示す
断面図。
【図5】図1のリッドが全開位置に移動中のある状態を
示す断面図。
【図6】図2中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図7】図2中矢示SB−SB線に沿う断面図。
【図8】図2中矢示SC−SC線に沿う断面図。
【図9】図2中矢示SD−SD線に沿う断面図。
【図10】切欠部を示す平面図。
【図11】一対の案内壁の間に位置するキャップを示す
断面図。
【図12】図11中矢示SE−SE線に沿う断面図。
【図13】リッドの前後移動中の状態を示す説明図。
【符号の説明】
1 ルーフ 2 開口 3 サイドレール 4 コーナ部材 10 溝部 10a 縦壁 13 ストッパ 14,15 案内壁 16 モータ(駆動部) 17 ケーブル 19 スライダ 20 フック 21 ガイドピン 22 係合部 23 リッド 24 ガイド部材 25 ガイド溝 27 前側脚部 28 中間脚部 29 後側脚部 30 切欠部 31 凹部 33 取付片 33a 傾斜面 36 凸部 37 キャップ 38、39 中空部 D ドレン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 信夫 神奈川県横浜市磯子区丸山一丁目14番7号 株式会社大井製作所内 (72)発明者 小川 貴史 神奈川県横浜市磯子区丸山一丁目14番7号 株式会社大井製作所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体のルーフに形成された開口の左右両
    側にサイドレールを配置すると共に、前記開口を覆う形
    状に形成されてなるリッドの左右両側の下部にガイド部
    材を固定し、該ガイド部材に形成した前側脚部をサイド
    レールに対して前後移動自在且つ支点として回動自在に
    係合させ、リッドを前後移動させることにより、リッド
    の最前位置で開口を塞ぐ全閉位置と、前側脚部を中心に
    回動してリッドの後端が開口面よりも上昇したチルトア
    ップ位置と、リッドの後端が開口面よりも下降したフラ
    ップ位置を経てリッドが後方へスライドして開口を開放
    した状態にする全開位置とが得られるサンルーフ装置で
    あって、 前記ガイド部材の前側脚部よりも後側で且つガイド部材
    の後端付近以外の中間位置に中間脚部を形成すると共
    に、 前記サイドレールに、リッドの全閉位置からチルトアッ
    プ位置に至る範囲において上下動する前記中間脚部を前
    後方向で挟み、該中間脚部の前後位置を規制する一対の
    案内壁が形成されたストッパを設けたことを特徴とする
    サンルーフ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のサンルーフ装置であっ
    て、 前記開口に設置された駆動部により駆動されるケーブル
    を該駆動部から各サイドレールにかけてそれぞれ配索
    し、リッドに固定されたガイド部材に所定形状を有する
    ガイド溝を形成し、前記サイドレールには、ケーブルに
    連結された状態で前後移動するスライダを設けると共
    に、スライダの上端には、ガイド部材のガイド溝内へ移
    動自在に係合するガイドピンを突設し、 前記ガイドピンがガイド溝内を移動することにより、ガ
    イドピンがガイド溝の前端に当接した状態でリッドによ
    り開口が塞がれた全閉位置と、ガイドピンがガイド溝の
    最も低い位置に係合することによりリッドが前側端部を
    中心に回動して後端が開口面よりも上昇したチルトアッ
    プ位置と、ガイド溝の後端に当接した状態でリッドの後
    端が開口面よりも下降したフラップ位置を経てリッドが
    後方へスライドして開口が開放された状態となる全開位
    置とが得られることを特徴とするサンルーフ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のサンルー
    フ装置であって、 前記中間脚部が、前側脚部寄りの位置に形成されている
    ことを特徴とするサンルーフ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のサ
    ンルーフ装置であって、 前記ストッパの案内壁が、後側に傾斜していることを特
    徴とするサンルーフ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のサ
    ンルーフ装置であって、 前記中間脚部の下端には、断面略楕円状のキャップが被
    せられると共に、ストッパの案内壁に接触するキャップ
    の前後端にそれぞれ中空部を形成したことを特徴とする
    サンルーフ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のサ
    ンルーフ装置であって、 前記サイドレールには、ドレン側に位置する縦壁からド
    レンとは反対側に開口した溝部を形成し、該溝部内に中
    間脚部のキャップを前後移動自在に係合させ、溝部内に
    ストッパを取付けると共に、溝部の上面部のみに形成し
    た切欠部から一対の案内壁を上方へ突出させたことを特
    徴とするサンルーフ装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のサンルーフ装置であっ
    て、 前記ストッパの前側の案内壁の下部に、溝部を塞いた状
    態で前方に延びてサイドレールに取付けられる取付片を
    形成すると共に、後側の案内壁は、溝部よりも上側に位
    置して、溝部を開放していることを特徴とするサンルー
    フ装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のサンルーフ装置であっ
    て、 前記取付片の溝部内に位置する後面下端には、後側に突
    出した傾斜面が形成されていることを特徴とするサンル
    ーフ装置。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれか1項に記載のサ
    ンルーフ装置であって、 前記切欠部の後端には、凹部が形成され、後側の案内壁
    には、該凹部に係合する凸部が形成されていることを特
    徴とするサンルーフ装置。
  10. 【請求項10】 請求項2〜9のいずれか1項に記載の
    サンルーフ装置であって、 前記ガイド部材の後端には、後側脚部を形成し、 前記サイドレールには、ケーブルに連結された状態で前
    後移動するフックを設け、該フックには、ガイド部材の
    後側脚部と係合して該後側脚部の上下移動を規制する係
    合部が形成されていることを特徴とするサンルーフ装
    置。
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