JP2018203162A - サンルーフ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドレイン通路の前壁を高くすることなく、車両のルーフに形成された開口及び該開口を閉塞する可動パネル間の境界部から浸入した水滴の飛沫の室内への浸入を抑制できるサンルーフ装置を提供する。【解決手段】係合穴26が形成され可動パネル12を支持する支持ブラケット24と、開口10aの車両の幅方向各縁部に設けられたガイドレール13と、係合突部35が形成され境界部Bの下方で車両の幅方向に延在する底壁31a、前壁31b及び後壁31cを備えたドレイン通路31を有し、車両の幅方向各端部が前後方向に移動自在に、且つ、幅方向に延びる軸線周りに回動自在に支持された樋部材30と、全閉状態におけるドレイン通路31の車両の前方斜め上方の傾斜角度θcが、チルトダウン状態における係合穴26内の位置を係合突部35が維持しているときよりも大きくなるように係合穴26内で係合突部35を移動させるリンクバー40とを備える。【選択図】図4
Description
本発明は、サンルーフ装置に関するものである。
従来、サンルーフ装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。このサンルーフ装置は、樋状のドレイン通路(ドレイン部)の底面に水滴破砕手段を設けており、該水滴破砕手段により開閉体及び開口部の閉止部分(境界部)から浸入して落下する雨水等の水滴を細分することで、該水滴の飛び跳ねる高さを低くするものである。これにより、ドレイン通路の前壁(前側壁)を高くすることなく水滴の飛沫がドレイン通路の外方に飛び散ることを防止できるとしている。
ところで、特許文献1では、例えば高圧洗浄時に浸入等する水滴の場合、非常に勢いが強いことから、水滴の落下エネルギーを十分に減少できるようにこれを細分化するためには水滴破砕手段の凸部の突出長を十分に確保する必要がある。この場合、水滴破砕手段によってドレイン通路の排水性能が低下する可能性がある。従って、このような排水性能に及ぼす影響を考慮すると、前記突出長の確保には自ずと限界があり、依然としてドレイン通路の前壁を高くする必要性に迫られる。
本発明の目的は、ドレイン通路の前壁を高くすることなく、車両のルーフに形成された開口及び該開口を閉塞する可動パネル間の境界部から浸入した水滴の飛沫の室内への浸入を抑制できるサンルーフ装置を提供することにある。
上記課題を解決するサンルーフ装置は、係合穴及び該係合穴に係入される係合突部のいずれか一方が形成され、車両のルーフに形成された開口を開閉する可動パネルの車両の幅方向両縁部の各々を支持する支持ブラケットと、前記開口の車両の幅方向両縁部の各々に設けられたガイドレールと、前記支持ブラケットに連係されて前記ガイドレールに沿って車両の前後方向に移動するように駆動され、該移動に伴って全閉状態にある前記可動パネルをチルトダウン状態に移行させ、該チルトダウン状態のまま前記可動パネルを開閉作動させる摺動部材と、前記係合穴及び前記係合突部のいずれか他方が形成され、前記全閉状態にある前記可動パネルの後縁部における前記開口との間の境界部の下方で車両の幅方向に延在する底壁、該底壁の前端に立設された前壁及び前記底壁の後端に立設された後壁を備えたドレイン通路を有し、車両の幅方向両端部の各々が前記ガイドレールに沿って車両の前後方向に移動自在に、且つ、車両の幅方向に延びる軸線周りに回動自在に支持された樋部材と、前記全閉状態における前記ドレイン通路の車両の前方斜め上方の傾斜角度が、前記チルトダウン状態における前記係合穴内の位置を前記係合突部が維持しているときよりも大きくなるように前記係合穴内で前記係合突部を移動させる作動部材とを備える。
この構成によれば、前記全閉状態における前記ドレイン通路の前記傾斜角度が、前記チルトダウン状態における前記係合穴内の位置を前記係合突部が維持しているときよりも大きくなるように前記係合穴内で前記係合突部が移動することで、その分、前記前壁が上昇する。これにより、前記前壁自体を高くしなくても、前記開口及び前記可動パネル間の前記境界部から浸入した水滴の飛沫が前記前壁を乗り越える可能性をより低減でき、該飛沫が室内に浸入することを抑制できる。
上記サンルーフ装置について、前記作動部材は、両端が前記支持ブラケット及び前記樋部材にそれぞれ回動自在に連結され、前記可動パネルの状態に応じて前記樋部材を押し引きするリンクバーであることが好ましい。
この構成によれば、前記作動部材は、前記可動パネルの状態に応じて前記樋部材を直に押し引きする前記リンクバーであることで、前記係合穴内で前記係合突部をより確実に移動させることができる。
上記サンルーフ装置について、前記係合穴は、前記全閉状態及び前記チルトダウン状態の間で前記係合突部の車両の前後方向の位置が変位しないように成形されることが好ましい。
この構成によれば、例えば前記可動パネルが前記チルトダウン状態から前記全閉状態に移行しても、前記樋部材が車両の前方に移動するように、即ち前記後壁が前記開口の端縁に近付くように前記係合穴内で前記係合突部が車両の前後方向に変位(移動)することがないことで、前記後壁及び前記開口の前記端縁が干渉する可能性をより低減できる。
上記サンルーフ装置について、前記摺動部材は、前記ガイドレールに沿う車両の前後方向の移動に伴って全閉状態にある前記可動パネルをチルトアップ状態に移行させるように構成されており、前記作動部材は、前記チルトアップ状態における前記傾斜角度が、前記チルトダウン状態における前記係合穴内の位置を前記係合突部が維持しているときよりも大きくなるように前記係合穴内で前記係合突部を移動させるように構成されており、前記係合穴は、前記全閉状態及び前記チルトアップ状態の間でも前記係合突部の車両の前後方向の位置が変位しないように成形されることが好ましい。
この構成によれば、例えば前記可動パネルが前記全閉状態から前記チルトアップ状態に移行しても、前記樋部材が車両の前方に移動するように、即ち前記後壁が前記開口の前記端縁に近付くように前記係合穴内で前記係合突部が車両の前後方向に変位(移動)することがないことで、前記後壁及び前記開口の前記端縁が干渉する可能性をより低減できる。
上記サンルーフ装置について、前記係合穴は、前記全閉状態から前記チルトダウン状態への移行に伴って前記係合突部の一方向への移動を許容する第1係合穴と、前記全閉状態から前記チルトアップ状態への移行に伴って前記係合突部の他方向への移動を許容する第2係合穴とからなるL字形状を呈することが好ましい。
この構成によれば、前記可動パネルの前記チルトダウン状態、前記全閉状態及び前記チルトアップ状態における前記係合突部の車両の前後方向の位置の維持を、前記第1係合穴及び前記第2係合穴からなるL字形状の前記係合穴によって極めて簡易に実現できる。
本発明は、ドレイン通路の前壁を高くすることなく、車両のルーフに形成された開口及び該開口を閉塞する可動パネル間の境界部から浸入した水滴の飛沫の室内への浸入を抑制できる効果がある。
以下、サンルーフ装置の一実施形態について説明する。なお、以下では、車両の前後方向を「前後方向」という。
図1に示すように、自動車などの車両のルーフ10には、略四角形の開口10aが形成されるとともに、サンルーフ装置11が搭載される。このサンルーフ装置11は、前後方向に移動して開口10aを開閉する、例えばガラス板からなる略四角形の可動パネル12を備える。
図1に示すように、自動車などの車両のルーフ10には、略四角形の開口10aが形成されるとともに、サンルーフ装置11が搭載される。このサンルーフ装置11は、前後方向に移動して開口10aを開閉する、例えばガラス板からなる略四角形の可動パネル12を備える。
可動パネル12は、その前部を中心に一方向に回動することで後部が上動するチルトアップ作動、前部を中心に他方向に回動することで後部が下動するチルトダウン作動、及び前後方向へのスライド作動可能に取り付けられている。可動パネル12の開閉作動においては、チルトダウン状態のままスライド作動する、いわゆるインナースライディング式が採用されている。
図2に示すように、開口10aの車両の幅方向両縁部には、一対のガイドレール13が配設されている。各ガイドレール13は、例えばアルミニウム合金の押出材からなり、長手方向に一定断面を有して前後方向に延在する。そして、各ガイドレール13には、摺動部材としてのリアシュー21が前後方向に移動可能に案内・支持されている。両リアシュー21には、それらの間に橋渡しされる態様で前記可動パネル12の車両の幅方向両縁部が連係・支持されている。
また、開口10aの前側縁部には、両ガイドレール13の前端同士を車両の幅方向に接続するフロントハウジング17が設けられている。このフロントハウジング17の長手方向中間部には、例えば出力ギヤを有する電動モータ18が設置されている。この電動モータ18は、例えば樹脂材からなる略帯状の一対の駆動ベルト19を介して両リアシュー21に連結されており、これらリアシュー21を同時に前後方向に移動駆動する。リアシュー21は、ガイドレール13に沿う前後方向への移動に伴い、可動パネル12をチルトアップ作動、チルトダウン作動又はスライド作動させる。
なお、全閉状態にある可動パネル12の後縁部12aにおける開口10aとの間の境界部Bの下方には、例えば樹脂材からなる略長尺状の樋部材30が両ガイドレール13間に跨って車両の幅方向に延びるように設けられている。この樋部材30の車両の幅方向両端部の各々は、ガイドレール13に沿って前後方向に移動自在に、且つ、車両の幅方向に延びる軸線周りに回動自在に支持されている。
図3に示すように、各ガイドレール13には、リアシュー21の車両の前方でフロントシュー22が前後方向に移動可能に案内・支持されている。このフロントシュー22は、車両の幅方向(図3において紙面に直交する方向)に中心線の延びる支持柱部23を有する。この支持柱部23には、前後方向に延在する支持ブラケット24の前端部が回動自在に支持されている。この支持ブラケット24には、支持柱部23よりも車両の後方に長孔状のガイド孔24bが形成されている。支持ブラケット24は、リアシュー21に設けられた車両の幅方向に中心線の延びる支持ピン25がガイド孔24bに挿通されることで、リアシュー21に対し回動可能且つガイド孔24bに沿って前後方向に移動可能に連結されている。そして、可動パネル12は、その車両の幅方向両縁部の各々において支持ブラケット24に固定・支持されている。
可動パネル12の全閉状態(図3に示す状態)において、ガイド孔24bは、全体として車両の後方に向かうに従い上昇するように傾斜しており、リアシュー21の支持ピン25は、ガイド孔24bの長手方向中間部に配置されている。従って、可動パネル12の全閉状態において、リアシュー21がガイドレール13に沿って車両の前方に移動すると、支持ブラケット24は、ガイド孔24bにおいて支持ピン25に押し上げられることで、支持柱部23を中心に図示反時計回りに回動する。このとき、可動パネル12は、その前部に対して後部が上動するチルトアップ作動をする。そして、支持ピン25がガイド孔24bの前端に到達することで、可動パネル12のチルトアップ状態への移行が完了する。反対に、可動パネル12の全閉状態において、リアシュー21がガイドレール13に沿って車両の後方に移動すると、支持ブラケット24は、ガイド孔24bにおいて支持ピン25に押し下げられることで、支持柱部23を中心に図示時計回りに回動する。このとき、可動パネル12は、その前部に対して後部が下動するチルトダウン作動をする。そして、支持ピン25がガイド孔24bの後端に到達することで、可動パネル12のチルトダウン状態への移行が完了する。
次に、樋部材30及びその連結構造について説明する。
図4(a)、(b)に示すように、開口10aの後縁部は、その略長に亘って下向きに延びる略フランジ状の端縁10bを有する。一方、可動パネル12の後縁部12aには、例えばEPDM等の合成ゴムや熱可塑性エラストマーからなるシール部材14が取着されている。可動パネル12の後縁部12aは、可動パネル12が全閉状態にあるときに、シール部材14が端縁10bに液密的に接触することで、開口10aとの間の境界部Bを形成する。
図4(a)、(b)に示すように、開口10aの後縁部は、その略長に亘って下向きに延びる略フランジ状の端縁10bを有する。一方、可動パネル12の後縁部12aには、例えばEPDM等の合成ゴムや熱可塑性エラストマーからなるシール部材14が取着されている。可動パネル12の後縁部12aは、可動パネル12が全閉状態にあるときに、シール部材14が端縁10bに液密的に接触することで、開口10aとの間の境界部Bを形成する。
樋部材30は、境界部Bの下方で車両の幅方向(紙面に直交する方向)に延在する底壁31a、該底壁31aの前端に立設された前壁31b及び底壁31aの後端に立設された後壁31cを備えた断面略U字状のドレイン通路31を有する。ドレイン通路31は、両ガイドレール13間に跨って車両の幅方向に連通している。なお、前壁31bの上方への突出長は、後壁31cの上方への突出長よりも短く設定されている。
また、樋部材30は、ドレイン通路31の車両の幅方向両端部の各々に下方に突設された台座部32を有する。この台座部32のドレイン通路31よりも車両の後方に位置する後端部下部には、車両の幅方向に中心線の延びる略柱状の支持部33が突設されている。樋部材30は、支持部33においてガイドレール13に沿って前後方向に移動自在に、且つ、車両の幅方向に延びる軸線周りに回動自在に支持されている。
さらに、樋部材30は、台座部32から車両の前方に延出する略長尺状のアーム部34を有する。アーム部34の前端部には、支持ブラケット24に向かって車両の幅方向一側(紙面に直交する奥側)に略円柱状の係合突部35が突設されている。一方、支持ブラケット24の後端部には、係合突部35に対向して車両の幅方向に凹む係合穴26が形成されている。この係合穴26は、概ね上下方向に延びる第1係合穴26aと、該第1係合穴26aの上端に接続されて車両の後方斜め上方に延びる第2係合穴26bとからなるL字形状を呈する。この係合穴26には、係合突部35が係入されている。これにより、樋部材30は、係合突部35において、車両の幅方向に延びる軸線周りに回動自在に、且つ、係合穴26の範囲で概ね上下方向に移動自在に支持ブラケット24に連結されている。
支持ブラケット24及び樋部材30の間には、概ね前後方向に延在する作動部材としての略棒状のリンクバー40が介設されている。このリンクバー40の前端には、係合穴26に隣接するその車両の前方で支持ブラケット24に向かって車両の幅方向一側(紙面に直交する奥側)に略円柱状の支持軸41が突設されている。また、リンクバー40の後端には、支持部33に隣接するその車両の前方で樋部材30に向かって車両の幅方向一側に略円柱状の支持軸42が突設されている。リンクバー40は、支持軸41及び支持軸42において、支持ブラケット24及び樋部材30にそれぞれ車両の幅方向に延びる軸線周りに回動自在に連結されている。従って、リンクバー40は、可動パネル12の状態(全閉状態、チルトダウン状態、チルトアップ状態)に応じて樋部材30を押し引きする。このとき、支持部33がガイドレール13に沿って前後方向に移動する樋部材30は、係合穴26内で係合突部35を移動させる。換言すれば、可動パネル12の状態に応じた樋部材30の姿勢は、係合穴26内での係合突部35の配置によって決定されている。
ここで、可動パネル12の全閉状態では、係合突部35は、第1及び第2係合穴26a,26bの境界部に配置されている。このとき、樋部材30は、底壁31a(ドレイン通路31)が車両の前方に向かうに従い上方に向かうように傾斜角度θcで傾斜している。この傾斜角度θcは、図4(a)に2点鎖線で描いたように、係合突部35が第1係合穴26aの下端に配置されていると仮定したときの当該傾斜角度θc1よりも大きく設定されている。
そして、可動パネル12が全閉状態からチルトアップ状態に移行すべく支持ブラケット24が前端部(支持柱部23)を中心に図示反時計回りに回動すると、これに連動して樋部材30が支持部33をガイドレール13に沿って車両の前方に移動させつつ支持部33を中心に図示時計回りに回動する。このとき、樋部材30は、リンクバー40に引かれることで、係合突部35が係合穴26に沿って移動する。
図5(a)、(b)に示すように、可動パネル12のチルトアップ状態では、樋部材30がリンクバー40に引かれたことで、係合突部35が第2係合穴26bに沿って移動してその上端に配置されている。換言すれば、第2係合穴26bは、全閉状態からチルトアップ状態への移行に伴って係合突部35の上方(他方向)への移動を許容している。このとき、樋部材30は、底壁31a(ドレイン通路31)が車両の前方に向かうに従い上方に向かうように傾斜角度θu(>θc)で傾斜している。この傾斜角度θuは、図5(a)に2点鎖線で描いたように、係合突部35が第1係合穴26aの下端に配置されていると仮定したときの当該傾斜角度θu1よりも大きく設定されている。
一方、可動パネル12の全閉状態からチルトダウン状態に移行すべく支持ブラケット24が前端部(支持柱部23)を中心に図示時計回りに回動すると、これに連動して樋部材30が支持部33をガイドレール13に沿って車両の後方に移動させつつ支持部33を中心に図示反時計回りに回動する。このとき、樋部材30は、リンクバー40に押されることで、係合突部35が係合穴26に沿って移動する。
図6(a)、(b)に示すように、可動パネル12のチルトダウン状態では、樋部材30がリンクバー40に押されていることで、係合突部35が第1係合穴26aに沿って移動してその下端に配置されている。換言すれば、第1係合穴26aは、全閉状態からチルトダウン状態への移行に伴って係合突部35の下方(一方向)への移動を許容している。このとき、樋部材30は、底壁31a(ドレイン通路31)が略水平に延びている。また、リンクバー40は、アーム部34に沿って略水平に延びている。つまり、リンクバー40は、その上下方向の位置がアーム部34の上下方向の位置に収まるように配置されている。
なお、可動パネル12のチルトダウン状態では、樋部材30は、可動パネル12の開作動時にリンクバー40等に押されることで一体で車両の後方に移動するとともに、可動パネル12の閉作動時にリンクバー40等に引かれることで一体で車両の前方に移動する。
ここで、前記傾斜角度θc1は、チルトダウン状態における第1係合穴26a(係合穴26)内の位置を係合突部35が維持しているときのものに相当する。つまり、リンクバー40は、全閉状態における底壁31a(ドレイン通路31)の傾斜角度θcの方が、チルトダウン状態における第1係合穴26a(係合穴26)内の位置を係合突部35が維持しているときの傾斜角度θc1よりも大きくなるように係合穴26内で係合突部35を移動させている。
同様に、前記傾斜角度θu1は、チルトダウン状態における第1係合穴26a(係合穴26)内の位置を係合突部35が維持しているときのものに相当する。つまり、リンクバー40は、チルトアップ状態における底壁31a(ドレイン通路31)の傾斜角度θuの方が、チルトダウン状態における第1係合穴26a(係合穴26)内の位置を係合突部35が維持しているときの傾斜角度θu1よりも大きくなるように係合穴26内で係合突部35を移動させている。
また、図4(b)に示すように、可動パネル12の全閉状態では、第1係合穴26aが略垂直に延びており、係合突部35は、チルトダウン状態における第1係合穴26a(係合穴26)内の位置の直上に位置している。つまり、第1係合穴26a(係合穴26)は、全閉状態及びチルトダウン状態の間で係合突部35の前後方向の位置が変位しないように成形されている。
同様に、図5(b)に示すように、可動パネル12のチルトアップ状態では、第1係合穴26aが車両の前方斜め上方に延びるとともに第2係合穴26bが車両の後方斜め上方に延びており、係合突部35は、チルトダウン状態における第1係合穴26a(係合穴26)内の位置の直上に位置している。つまり、係合穴26は、チルトアップ状態及びチルトダウン状態の間で係合突部35の前後方向の位置が変位しないように成形されている。
なお、「係合突部35の前後方向の位置が変位しない」とは、支持ブラケット24による支持位置を基準にしており、例えば支持ブラケット24の回動に伴う係合穴26の前後方向の変位を含むものではない。
次に、本実施形態の作用とともに、その効果について説明する。
(1)本実施形態では、全閉状態におけるドレイン通路31の傾斜角度θcが、チルトダウン状態における係合穴26内の位置を係合突部35が維持しているときよりも大きくなるように係合穴26内で係合突部35が移動することで、その分、前壁31bが上昇する。これにより、前壁31b自体を高くしなくても、例えば高圧洗浄時などで開口10a及び可動パネル12間の境界部Bから浸入した水滴の飛沫が前壁31bを乗り越える可能性をより低減でき、該飛沫が室内に浸入することを抑制できる。
(1)本実施形態では、全閉状態におけるドレイン通路31の傾斜角度θcが、チルトダウン状態における係合穴26内の位置を係合突部35が維持しているときよりも大きくなるように係合穴26内で係合突部35が移動することで、その分、前壁31bが上昇する。これにより、前壁31b自体を高くしなくても、例えば高圧洗浄時などで開口10a及び可動パネル12間の境界部Bから浸入した水滴の飛沫が前壁31bを乗り越える可能性をより低減でき、該飛沫が室内に浸入することを抑制できる。
また、単純に前壁31b自体を高くした場合のように、樋部材30の搭載スペースを上下方向に拡大する必要性を解消でき、ひいてはサンルーフ装置11の搭載スペースを上下方向に拡大する必要性を解消できる。
さらに、可動パネル12の全閉状態では、開口10a及び可動パネル12間の境界部Bから浸入した水滴の飛沫が主として当たる底壁31aは、該飛沫が後壁31cに向かって飛散しやすくなるように傾斜する。このため、飛沫が室内に浸入することをいっそう抑制できる。
(2)本実施形態では、リンクバー40により、可動パネル12の状態に応じて樋部材30を直に押し引きすることで、係合穴26内で係合突部35をより確実に移動させることができる。
また、係合穴26内での係合突部35の移動を、極めて簡易な構造のリンクバー40によって実現できる。
(3)本実施形態では、例えば可動パネル12がチルトダウン状態から全閉状態に移行しても、樋部材30が車両の前方に移動するように、即ち後壁31cが開口10aの端縁10bに近付くように係合穴26内で係合突部35が前後方向に変位(移動)することがないことで、後壁31c及び開口10aの端縁10bが干渉する可能性をより低減できる。
(3)本実施形態では、例えば可動パネル12がチルトダウン状態から全閉状態に移行しても、樋部材30が車両の前方に移動するように、即ち後壁31cが開口10aの端縁10bに近付くように係合穴26内で係合突部35が前後方向に変位(移動)することがないことで、後壁31c及び開口10aの端縁10bが干渉する可能性をより低減できる。
(4)本実施形態では、例えば可動パネル12が全閉状態からチルトアップ状態に移行しても、樋部材30が車両の前方に移動するように、即ち後壁31cが開口10aの端縁10bに近付くように係合穴26内で係合突部35が前後方向に変位(移動)することがないことで、後壁31c及び開口10aの端縁10bが干渉する可能性をより低減できる。
(5)本実施形態では、可動パネル12のチルトダウン状態、全閉状態及びチルトアップ状態における係合突部35の車両の前後方向の位置の維持を、第1係合穴26a及び第2係合穴26bからなるL字形状の係合穴26によって極めて簡易に実現できる。
(6)本実施形態では、基本的にチルトダウン状態における樋部材30の姿勢(傾斜角度)は従来どおりであることで、つまり、可動パネル12の開閉作動に連動する樋部材30の前後方向の移動は従来どおりであることで、上下方向へのサンルーフ装置11の大型化を抑制できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、可動パネル12のチルトダウン状態、全閉状態及びチルトアップ状態における係合突部35の前後方向の位置は維持されなくてもよい。つまり、可動パネル12のチルトダウン状態、全閉状態及びチルトアップ状態に合わせて係合突部35が3位置の間を移動できるのであれば、係合穴(26)の形状は任意である。例えば係合穴(26)は、一方向のみに延在する長穴状であってもよい。
・前記実施形態において、可動パネル12のチルトダウン状態、全閉状態及びチルトアップ状態における係合突部35の前後方向の位置は維持されなくてもよい。つまり、可動パネル12のチルトダウン状態、全閉状態及びチルトアップ状態に合わせて係合突部35が3位置の間を移動できるのであれば、係合穴(26)の形状は任意である。例えば係合穴(26)は、一方向のみに延在する長穴状であってもよい。
・前記実施形態において、チルトアップ状態への移行機能がないサンルーフ装置であってもよい。この場合、可動パネル12のチルトダウン状態及び全閉状態に合わせて係合突部35が2位置の間を移動できる係合穴(26)であればよい。
・前記実施形態において、支持ブラケット24及び樋部材30に係合穴26及び係合突部35をそれぞれ配置したが、それらの関係は互いに逆であってもよい。すなわち、支持ブラケット24及び樋部材30に係合突部(35)及び係合穴(26)をそれぞれ配置してもよい。
・前記実施形態において、可動パネル12の状態に応じて係合穴26内で係合突部35を移動させる機構は任意であり、リンク機構やカム機構、ギヤ機構、ケーブル(ロープ、ベルト)伝動機構、ねじ機構、あるいはこれらの組合せ等を適宜採用すればよい。
B…境界部、10…ルーフ、10a…開口、10b…端縁、11…サンルーフ装置、12…可動パネル、12a…後縁部、13…ガイドレール、21…リアシュー(摺動部材)、24…支持ブラケット、26…係合穴、26a…第1係合穴、26b…第2係合穴、30…樋部材、31…ドレイン通路、31a…底壁、31b…前壁、31c…後壁、35…係合突部、40…リンクバー(作動部材)。
Claims (5)
- 係合穴及び該係合穴に係入される係合突部のいずれか一方が形成され、車両のルーフに形成された開口を開閉する可動パネルの車両の幅方向両縁部の各々を支持する支持ブラケットと、
前記開口の車両の幅方向両縁部の各々に設けられたガイドレールと、
前記支持ブラケットに連係されて前記ガイドレールに沿って車両の前後方向に移動するように駆動され、該移動に伴って全閉状態にある前記可動パネルをチルトダウン状態に移行させ、該チルトダウン状態のまま前記可動パネルを開閉作動させる摺動部材と、
前記係合穴及び前記係合突部のいずれか他方が形成され、前記全閉状態にある前記可動パネルの後縁部における前記開口との間の境界部の下方で車両の幅方向に延在する底壁、該底壁の前端に立設された前壁及び前記底壁の後端に立設された後壁を備えたドレイン通路を有し、車両の幅方向両端部の各々が前記ガイドレールに沿って車両の前後方向に移動自在に、且つ、車両の幅方向に延びる軸線周りに回動自在に支持された樋部材と、
前記全閉状態における前記ドレイン通路の車両の前方斜め上方の傾斜角度が、前記チルトダウン状態における前記係合穴内の位置を前記係合突部が維持しているときよりも大きくなるように前記係合穴内で前記係合突部を移動させる作動部材とを備えた、サンルーフ装置。 - 請求項1に記載のサンルーフ装置において、
前記作動部材は、両端が前記支持ブラケット及び前記樋部材にそれぞれ回動自在に連結され、前記可動パネルの状態に応じて前記樋部材を押し引きするリンクバーである、サンルーフ装置。 - 請求項1又は2に記載のサンルーフ装置において、
前記係合穴は、前記全閉状態及び前記チルトダウン状態の間で前記係合突部の車両の前後方向の位置が変位しないように成形された、サンルーフ装置。 - 請求項3に記載のサンルーフ装置において、
前記摺動部材は、前記ガイドレールに沿う車両の前後方向の移動に伴って全閉状態にある前記可動パネルをチルトアップ状態に移行させるように構成されており、
前記作動部材は、前記チルトアップ状態における前記傾斜角度が、前記チルトダウン状態における前記係合穴内の位置を前記係合突部が維持しているときよりも大きくなるように前記係合穴内で前記係合突部を移動させるように構成されており、
前記係合穴は、前記全閉状態及び前記チルトアップ状態の間でも前記係合突部の車両の前後方向の位置が変位しないように成形された、サンルーフ装置。 - 請求項4に記載のサンルーフ装置において、
前記係合穴は、前記全閉状態から前記チルトダウン状態への移行に伴って前記係合突部の一方向への移動を許容する第1係合穴と、前記全閉状態から前記チルトアップ状態への移行に伴って前記係合突部の他方向への移動を許容する第2係合穴とからなるL字形状を呈する、サンルーフ装置。
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JP2021066356A (ja) * | 2019-10-24 | 2021-04-30 | ベバスト ジャパン株式会社 | サンルーフ装置のドリップ機構 |
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2017
- 2017-06-08 JP JP2017113221A patent/JP2018203162A/ja active Pending
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