JP2001194696A - 振動検出システム - Google Patents

振動検出システム

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JP2001194696A
JP2001194696A JP2000001415A JP2000001415A JP2001194696A JP 2001194696 A JP2001194696 A JP 2001194696A JP 2000001415 A JP2000001415 A JP 2000001415A JP 2000001415 A JP2000001415 A JP 2000001415A JP 2001194696 A JP2001194696 A JP 2001194696A
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vibration
angular velocity
vibration detection
camera
beat frequency
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JP2000001415A
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English (en)
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Koichi Washisu
晃一 鷲巣
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザージャイロを用いた振動検出システム
のダイナミックレンジを広げる。 【解決手段】 露光時には駆動切換手段117に駆動レ
ベルの切換を指示し、演算増幅器66aに与える電位を
V2にし、半導体レーザーに与える定電流を50mAに
すると角速度が無い状態での半導体レーザの発生するビ
ート周波数が2KHz、1deg/sの角速度が加わっ
た時3KHz、−1deg/sの角速度が加わった時1
KHzになる。この場合分解能0.1deg/sでのビ
ート周波数の変化は100Hzとなりカウンタ116で
十分カウント可能になる。尚、露光時は被写体を狙って
いる時の角速度感度(入力角速度に対するビート周波数
の関係)とは角速度感度が異なってくるのでカメラマイ
コン11はカウンタに対応する角速度を切り替えて補正
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は振動検出システムに
関し、特に、たとえばカメラ等の光学機器に加わる1H
zないし10Hz程度の比較的周波数の低い振動手ブレ
等の振動を検出してこれを像ぶれ防止の情報として像ブ
レ抑制を図る振動検出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在のカメラは露出決定やピント合わせ
等の撮影にとって重要な作業は全て自動化され、カメラ
操作に未熟な人でも撮影失敗を起こす可能性は非常に少
なくなっている。また、最近では、カメラに加わる手振
れを防ぐシステムも研究されており、撮影者の撮影ミス
を誘発する要因は殆ど無くなってきている。
【0003】ここで、手振れを防ぐシステムについて簡
単に説明する。撮影時のカメラの手振れは、周波数とし
て通常1Hzないし10Hzの振動であるが、シャッタ
のレリーズ時点においてこのような手振れを起こしてい
ても像振れの無い写真を撮影可能とするための基本的な
考えとして、上記手振れによるカメラの振動を検出し、
その検出値に応じて補正レンズを変位させなければなら
ない。従って、カメラ振れが生じても像振れが生じない
写真を撮影するためには、第1にカメラの振動を正確に
検出し、第2に手振れによる光軸変化を補正することが
必要となる。この振動(カメラ振れ)の検出は、原理的
にいえば、加速度、角加速度、角速度、角変位等を検出
しカメラブレ補正の為にその出力を適宜演算処理する振
動検出手段をカメラに搭載することによって行うことが
できる。そして、この検出情報に基づき撮影光軸を偏心
させる補正光学装置を駆動させて像振れ抑制が行われ
る。
【0004】図8は、防振システムを有するコンパクト
カメラの外観図である。光軸41に対して矢印42p,
42yで示すカメラ縦ブレ及び横ブレに対しブレ補正が
行われる。カメラ本体43の中で43aはレリーズボタ
ン、43bはモードダイアル(メインスイッチを含
む)、43cはリトラクタブルストロボ、43dはファ
インダ窓である。
【0005】図9は、図8のカメラの内部斜視図であ
る。44はカメラ本体、53は補正レンズ52を58
p,58y方向に自在に駆動して矢印42p,42y方
向のブレ補正を行う補正手段である。45p,45yは
各々矢印46p,46y回りのブレを検出する角速度計
や角加速度計等の振動検出手段である。振動検出手段4
5p,45yの出力は後述する演算手段47p,47y
を介して補正手段の駆動目標値に変換され補正手段のコ
イルに入力してブレ補正を行う。
【0006】図10は、演算手段47pのブロック図で
ある。演算装置47yも同様である。演算手段47pは
一点鎖線にて囲まれるDCカットフィルタ48p、ロー
パスフィルタ49p、アナログ トゥ ディジタル変換
手段(A/D)410p、駆動手段419p及びカメラ
マイコン411内の記憶手段1(412p)、差動手段
1(413p)、DCカットフィルタ414p、積分手
段415p、記憶手段2(416p)、差動手段2(4
17p)、PWMデューティー変換手段418pで構成
される。ここでは振動検出手段45pとしてカメラのブ
レ角速度を検出するレーザージャイロを用いており、レ
ーザージャイロはカメラのメインスイッチオンと同期し
て駆動されカメラに加わるブレ角速度の検出を開始す
る。
【0007】振動検出手段45pの信号はアナログ回路
で構成されるDCカットフィルタ48pにより信号に重
畳しているDCバイアス成分がカットされる。
【0008】このDCカットフィルタ48pは0.1H
z以下の周波数の信号はカットする周波数特性を有して
おり、カメラに加わる1ないし10Hzの手ブレ周波数
帯域には影響が及ばない様に成っている。しかしながら
この様に0.1Hz以下をカットする特性にすると振動
検出手段からブレ信号が入力されてから完全にDCがカ
ットされるまでには10秒近くかかってしまう問題があ
る。そこでカメラのメインスイッチがオンされてから例
えば0.1秒まではDCカットフィルタ48pの時定数
を小さく(例えば10Hz以下の周波数の信号をカット
する特性にする)しておく事で0.1秒位の短い時間で
DCをカットし、その後に時定数を大きくして(0.1
Hz以下の周波数のみカットする特性にしてDCカット
フィルタ48pによりブレ角速度信号が劣化しない様に
している。
【0009】DCカットフィルタ48pの出力はアナロ
グ回路で構成されるローパスフィルタ49pによりA/
D分解能にあわせて適宜増幅されると共にブレ角速度信
号に重畳する周波数のノイズをカットする。これはブレ
角速度信号をカメラマイコンに入力する時のA/D41
0pのサンプリングがブレ角速度信号のノイズにより読
み誤りが起きるのを避ける為である。
【0010】ローパスフィルタ49pの信号はA/D4
10pによりサンプリングされてカメラマイコン411
に取り込まれる。DCカットフィルタ48pによりDC
バイアス成分はカットされているが、その後のローパス
フィルタ49pの増幅により再びDCバイアス成分がブ
レ角速度信号に重畳している為にカメラマイコン411
内において再度DCカットを行う必要がある。
【0011】そこで例えばカメラメインスイッチオンか
ら0.2秒後にサンプリングされたブレ角速度信号を記
憶手段1(412p)で記憶し、差動手段1(413
p)により記憶値とブレ角速度信号の差を求めることD
Cカットを行う。尚、この動作ではおおざっぱなDCカ
ットしか出来ない為に(カメラメインスイッチオンから
0.2秒後に記憶されたブレ角速度信号の中にはDC成
分ばかりでなく、実際の手ブレも含まれている為)後段
でデジタルフィルタで構成されたDCカットフィルタ4
14pにより十分なDCカットを行っている。
【0012】このDCカットフィルタ414pの時定数
もアナログのDCカットフィルタ48pと同様に変更可
能に成っており、カメラのメインスイッチオンから0.
2秒後から更に0.2秒費やしてその時定数を徐々に大
きくしている。具体的には、このDCカットフィルタ4
14pはメインスイッチオンから0.2秒経過した時に
は10Hz以下の周波数をカットするフィルタ特性であ
り、その後50msec毎にフィルタでカットする周波
数を5Hz,1Hz,0.5Hz,0.2Hzと下げて
ゆく。但し上記動作の間に撮影者がシャッタレリーズボ
タンを半押し(sw1)して測光測距を行った時は直ち
に撮影を行う可能性があり、時間を費やして時定数変更
を行う事が好ましくない場合もある。そこでその様な時
には撮影条件に応じて時定数変更を途中で中止する。例
えば測光結果により撮影シャッタスピードが1/60と
なる事が判明し、撮影焦点距離が150mmの時には防
振の精度はさほど要求されない為にDCカットフィルタ
414pは0.5Hz以下の周波数をカットする特性ま
で時定数変更した時点で完了とする(シャッタスピード
と撮影焦点距離の積により時定数変更量を制御する)。
これにより時定数変更の時間を短縮でき、シャッタチャ
ンスを優先する事が出来る。勿論より速いシャッタスピ
ード、或いはより短い焦点距離の時にはDCフィルタ4
14pの特性は1Hz以下の周波数をカットする特性ま
で時定数変更した時点で完了とし、より遅いシャッタス
ピード、長い焦点距離の時には時定数が最後まで変更完
了するまで撮影を禁止する。
【0013】積分手段415pはカメラのシャッタレリ
ーズボタン半押し(sw1)に応じてDCカットフィル
タ414pの信号の積分を始め、角速度信号を角度信号
に変換する。但し前述したようにDCカットフィルタの
時定数変更が完了していない時には時定数変更が完了す
るまで積分動作を行わない。積分された角度信号はその
時の焦点距離、被写体距離情報により適宜増幅されブレ
角度に応じて適切な量補正手段が駆動するように変換さ
れる。ズームフォーカスにより撮影光学系が変化し、補
正手段の駆動量に対し光軸偏心量が変わる為この補正を
行う必要がある。シャッタレリーズボタンの押し切り
(sw2)で補正手段をブレ角度信号に応じて駆動し始
めるが、この時補正手段のブレ補正動作が急激に始まら
ない様に注意する必要がある。
【0014】記憶手段2(416p)及び差動手段2
(417p)はこの対策の為に設けられている。記憶手
段2(416p)はシャッタレリーズボタンの押し切り
(sw2)動作に同期して積分手段415pのブレ角度
信号を記憶する。差動手段2(417p)は積分手段4
15pの信号と記憶手段2(416p)の信号の差を求
める。その為sw2時の差動手段2(417p)の2つ
の信号入力は等しく差動手段2(417p)の補正手段
駆動目標値信号はゼロであるが、その後ゼロより連続的
に出力が行われる(記憶手段2はsw2時点の積分信号
を原点にする役割となる)。これにより補正手段は急激
に駆動される事が無くなる。差動手段2(417p)か
らの目標値信号はPWMデューティ変更手段418pに
入力される。補正手段コイルにはブレ角度に対応した電
圧或いは電流を印加すれば補正レンズはそのブレ角度に
対応して駆動される訳であるが、補正手段の駆動消費電
力及びコイルの駆動トランジスタの省電力化の為にはP
WM駆動が望ましい。
【0015】そこでPWMデューティ変更手段418p
は目標値に応じてコイル駆動デューティを変更してい
る。例えば周波数が20KHzのPWMにおいて差動手
段2(417p)の目標値が2048の時にはデューテ
ィゼロ、4096の時にはデューティ100としその間
を等分にしてデューティを目標値に応じて決定してい
く。尚、デューティの決定は目標値ばかりではなくその
時のカメラの撮影条件(温度やカメラの姿勢、バッテリ
の状態)によって細かく制御して精度良いブレ補正が行
われる様にする。
【0016】PWMデューティ変更手段418pの出力
はPWMドライバ等の公知の駆動手段419pに入力さ
れ駆動手段419pの出力を補正手段のコイルに印加し
てブレ補正を行う。駆動手段419pはsw2に同期し
てオンし、フィルムへの露光が終了するとオフされる。
また、露光が終了してもレリーズボタンが半押し(sw
1)されている限り積分手段415pは積分を継続して
おり、次のsw2で再び記憶手段2(416p)が新た
な積分出力を記憶する。シャッタレリーズボタンの半押
しを止めると積分手段415pはDCカットフィルタ4
14pの出力の積分を止め、積分手段のリセットを行
う。リセットとは今まで積分してきた情報をすべてカラ
にする事である。
【0017】メインスイッチオフで振動検出手段45p
がオフされ防振シーケンスは終了する。積分手段415
pの信号が所定値より大きくなった時にはカメラのパン
ニングが行われたと判断してDCカットフィルタ414
pの時定数を変更する。例えば0.2Hz以下の周波数
をカットする特性であったものを1Hz以下をカットす
る特性に変更し再び所定時間で時定数をもとに戻してい
く。この時定数変更量も積分手段415pの出力の大き
さにより制御される。即ち出力が第1の閾値を超えた時
にはDCカットフィルタの特性を0.5Hz以下をカッ
トする特性にし、第2の閾値を超えた時は1Hz以下を
カットする特性、第3の閾値を超えた時は5Hz以下を
カットする特性にする。又、積分手段415pの出力が
非常に大きくなった時には積分手段を一旦リセットして
演算上の飽和(オーバーフロー)を防止している。
【0018】以上演算手段47pについて説明した。DC
カットフィルタ414pはメインスイッチオンから0.
2秒後に作動を開始する構成に成っているがこれに限ら
れるものではなくシャッタレリーズボタン半押し(sw
1)より作動を開始しても良い。この場合はDCカット
フィルタの時定数変更が完了した時点より積分手段を作
動させる。
【0019】又、積分手段もシャッタレリーズボタンの
半押し(sw1)で作動を開始させていたが、シャッタ
レリーズボタン押し切り(sw2)より作動を開始する
構成にしても良い。この場合には記憶手段2(416
p)及び作動手段2(417p)は必要無くなる。
【0020】又、演算手段47p内にDCカットフィル
タ48p及びローパスフィルタ49pが設けられている
が、これらは振動検出手段内に設けられてもよい。
【0021】図11は補正手段の正面図、図12は図1
1の補正手段を矢印51方向より見た図、図13は図1
1の補正手段のA−A断面図、図14は補正手段の斜視
図である。
【0022】補正レンズ52は支持枠53に固定される
2枚のレンズ52a,52bと地板54に固定されるレ
ンズ52cにより撮像光学系の群を構成している。この
補正レンズ52は、支持枠53に固定される。
【0023】支持枠53には強磁性材料のヨーク55が
取付けられ、ヨーク55の紙面裏面にはネオジウム等の
永久磁石56p,56yが吸着固定されている(かくれ
線で示す)。
【0024】又、支持枠53から放射状に延出する3本
のピン53aは地板54の側壁54bに設けられた長孔
54aにかん合している。ピン53aと長孔54aの関
係は補正レンズ52の光軸方向57にはかん合してガタ
は生じないが光軸と直交する方向には長孔54aが延び
ている。よって支持枠53は地板54に対し光軸57方
向には移動規制されるが光軸と直交する平面内には自由
に移動できる(矢印58p,58y,58r)。但し支
持枠上のフック53bと地板上のフック54c間に引っ
張りバネ59が掛けられている為に各々の方向(58
p,58y,58r)に弾性的に規制されている。
【0025】地板54には永久磁石56p,56yに対
向してコイル510p,510yが取付けられている。
コイル510pに電流を流すと支持枠53は矢印58p
方向に駆動され、コイル510yに電流を流すと支持枠
53は矢印58y方向に駆動される。そしてその駆動量
は各々の方向における引っ張りバネ59のバネ定数とコ
イル510p,510yと永久磁石56p,56yの関
連で生ずる推力との釣り合いで求まる。即ちコイル51
0p,510yに流す電流量に基づいて補正レンズ52
の偏心量を制御できる。
【0026】図15は周回状に光が伝搬するリング共振
型レーザーを備えたレーザージャイロの模式的な斜視図
であり、レーザーとして円柱状の半導体レーザーを用い
た場合を示す。61は円柱状の半導体レーザー、62は
半導体レーザーを構成する活性層、63は半導体レーザ
ーを載置する基盤、64は半導体レーザーのアノード、
65は半導体レーザーのカソードである。活性層62は
1.55μm組成のInGaAsPであり、その上下に
1.3μm組成のInGaAsP光ガイド層、更にこれ
らを挟む様にInPクラッド層が形成されている。半導
体と空気では屈折率が異なる為、界面で反射が生じる。
半導体の屈折率を3.5とすると、界面に対する法線と
レーザー光とのなす角が16.6度以上で全反射が生じ
る。全反射を受けるモードは、他のモードに比べてミラ
ー損失分だけしきい利得が小さくなるので、低注入電流
レベルで発振は抑制される。半導体レーザー61からな
る素子の半径が10μm、活性層の厚さが0.1μmの
時、発振しきい電流は0.8mAとなる。今、駆動電流
3mAを与えた時を考える。この時角速度が生じていな
いとすると半導体レーザー内に伝搬される右回りのレー
ザー光と左回りのレーザー光の発振周波数は全く等しく
なる。この状態でレーザー光の伝搬方向と同じ方向、例
えば右周りに角速度が半導体レーザーに加わると右回り
のレーザー光の発振周波数が異なってきて結果としてそ
れらのビート周波数が生ずる。例えば角速度としてカメ
ラの手ブレや自動車の振動程度の毎秒30度の回転を受
けると電圧振幅100mV、周波数23.6Hzの信号
が半導体レーザー内に生じ、この周波数は入力角速度に
比例する。即ち入力角速度が大きくなると発生ビート周
波数が高くなる。そこで公知の周波数−電圧変換回路
(F−V変換回路)を用いて得られた周波数を電圧に変
換することで生じている角速度を検出できる。しかしな
がら入力角速度をビート周波数の変化で検出している為
に問題点もある。それは回転方向の検出が出来ないこと
である。前述したように角速度変化により右回りのレー
ザー光と左回りのレーザー光の振動数に差が現れ、それ
がビート周波数になる。そして角速度が生じていない時
には右回りのレーザー光と左回りのレーザー光の振動数
に差が生じないのでビートは発生しない。この対策とし
て角速度の入力が無い状態でも常に一定のビート周波数
を発生させておくことで方向判別を行う方法が試みられ
ている。角速度がない時に一定のビート周波数f0 が発
生しているとすると、例えば右回りに角速度が入力する
とf0 より高い周波数のビートが発生し、左回りに角速
度が入力するとf0 より低い周波数のビートが発生する
のでこれにより角速度の方向を判別することが出来る。
そして静止時(角速度の入力がない時)にも所定のビー
トを発生させる方法としては右回り、或いは左回りのレ
ーザー光のみに損失を与えれば良い。
【0027】図16に示すようにレーザー光の光路中の
一部に非対称な形状のテーパー部62aを設けると、あ
る方向(例えば右周り)に周回するレーザー光に対して
損失が大きく、その反対方向に周回するレーザー光に対
しては損失を小さく出来る。したがって静止時において
も所定のビート周波数を発生させることが出来る。そし
てこのテーパー部62aによりレーザージャイロは角速
度の方向判別が可能になる。
【0028】図17は、レーザージャイロの駆動回路で
あり、半導体レーザーに角速度が入力すると、前述した
ように半導体レーザー内に周波数が発生し、それにより
半導体レーザーの内部インピーダンスが変化するので、
その変化を検出している。
【0029】具体的には半導体レーザーを定電流駆動
し、半導体レーザーの内部インピーダンスの変化に伴う
印加電圧の変化を検出している。半導体レーザー61の
アノード64は保護抵抗66bを介して演算増幅器66
aの出力端子に接続され、半導体レーザーのカソード6
5は演算増幅器66aの反転入力端子に接続される。
又、抵抗66cは演算増幅器66aの反転入力端子と基
準電位の間に接続されている。故に演算増幅器66aの
非反転入力端子に定電位を与えるとその電位と抵抗66
cの抵抗値で求まる電流が半導体レーザー65に流れる
低電流ドライブ構成になる。抵抗66dは演算増幅器6
6aの非反転入力端子に定電位が与えられないときには
反転入力端子を基準電位にする為の接地抵抗である。演
算増幅器66aの非反転入力端子はカメラマイコン11
に接続され、カメラマイコンから半導体レーザー61へ
の電流制御が行われる。半導体レーザー61のアノード
64はバッファ用の演算増幅器66eに接続される。バ
ッファ用の演算増幅器66eは信号VOUT を出力し、こ
の信号は入力される角速度に比例したビート周波数であ
るので公知の周波数−電圧変換回路(F−V変換回路)
により電圧に変換してその出力をディジタル変換してカ
メラマイコン11に取り込み補正手段を駆動することで
ブレ補正を行うか或いはこの信号VOUT をマイコンでカ
ウントして周波数−角速度変換(F−ω変換)して角速
度を求め補正手段を駆動する。定電流駆動してその電圧
変化で角速度を求める方法に限らず、定電圧駆動して、
その電流変化で角速度を求めてもよい。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したレーザー
ジャイロを用いて振動検出を行いブレ補正を行う場合に
問題になるのはレーザージャイロのダイナミックレンジ
である。
【0031】今迄説明してきたようにレーザージャイロ
は角速度出力をビート周波数で出力する。そのため例え
ばパンニング等のためにカメラを振り回した時等入力さ
れる角速度が大きすぎる場合には高いビート周波数が発
生し、カメラに搭載されるカウンタではカウント出来な
くなる場合も出てくる。
【0032】そこで上記大きな角速度にも対応するよう
にビート周波数を設定した場合を考える。例えば大きな
角速度入力でも高いビート周波数が発生しない様に半導
体レーザーの大きさを決める。この場合上記大きな角速
度入力には対応することが出来る様になる。しかし角速
度が小さい場合には発生するビート周波数が低すぎるの
でカウンタでカウントする時間がかかり、応答性に問題
が出てくる。
【0033】上述したコンパクトカメラ等のカメラの場
合においてはレーザージャイロは露光時のみ精度を要求
されるので大きな角速度入力に対しては考える必要はな
いと思われるが、実際には露光前にカメラを振りまわす
ことが有り、このような時にカウンタの能力不足等で角
速度情報が絶たれるとその後の演算に影響し、露光時に
十分なブレ補正が出来なくなる。
【0034】この様にカメラのブレに関して、ブレ補正
を十分に行う為に微小な角速度も検出する必要がある反
面、パンニング等大きな角速度も検出する必要が有り、
レーザージャイロには広いダイナミックレンジが求めら
れている。
【0035】そこで、本発明はレーザージャイロを用い
た振動検出システムのダイナミックレンジを広げること
を課題としている。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明は、光学機器と、前記光学機器の操作状態を
検出する操作状態検出手段と、前記光学機器の振動を検
出する振動検出手段と、前記振動検出手段の振動検出感
度を変更する感度切換手段とを備えた振動検出システム
であって、前記操作状態に応じて前記振動検出感度を変
更するようにしている。
【0037】すなわち、本発明においては、半導体レー
ザーに与える電力を調節すること等でレーザージャイロ
の入力角速度に対するビート周波数の関係すなわち応答
感度が変化することに着目し、カメラの状態に応じて応
答感度を切り替えてレーザージャイロのダイナミックレ
ンジを拡大する。
【0038】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は、本発
明の振動検出システムの全体的ブロック図である。カメ
ラマイコン11にはカメラメインスイッチ114からの
信号が入力されると撮影鏡筒を沈胴状態から撮影可能光
学系の状態まで繰り出し、同時にレンズバリアを開け
る。又、この時振動検出手段も起動させる。
【0039】撮影モード入力手段112からは撮影者が
選択した撮影モードがカメラマイコン11に入力され
る。撮影モードは例えば動き回る被写体を撮影する時に
適したスポーツモード、人物をアップで撮影するのに適
したポートレートモード、被写体をクローズアップして
撮影するのに適したマクロモード、夜景を撮影するのに
適した夜景モードがある。
【0040】ストロボモード入力手段111からはスト
ロボモードがカメラマイコン11に入力される。ストロ
ボモードにはストロボを使用しないストロボオフモー
ド、強制的にストロボを発光するストロボオンモード、
被写体の輝度や光線の方向等でストロボを発光させるか
否かを制御するストロボオートモードが有り、又、スト
ロボ発光時に赤目緩和機能を動作させるか否かを決める
事が出来る。
【0041】撮影者は防振スイッチ18を操作して撮影
時にブレ補正を行うか否かを決め、その情報はカメラマ
イコン11に入力される。
【0042】又、撮影者はカメラを構えてからズーム操
作手段15を操作してズーム信号をカメラマイコン11
に送り、カメラマイコン11はズーム駆動手段16を制
御して撮影焦点距離を変更させる。
【0043】撮影者は撮影焦点距離を決定すると次にレ
リーズ手段113のレリーズボタンを半押しし、このタ
イミングで測距手段13は被写体までの距離を測定し、
その情報をカメラマイコン11に送る。カメラマイコン
11はAF駆動手段115を制御して測距情報を基に撮
影鏡筒の一部又は全部を駆動して撮影光学系の焦点調節
を行う。
【0044】この時、振動検出手段19からの振れ情報
もカメラマイコンに入力され、そのブレ状態からカメラ
が手持ちなのか又は三脚や地面に固定されているかを判
断する。
【0045】又、測光手段12は被写体輝度を測定し、
その情報をカメラマイコン11に出力する。カメラマイ
コン11はその情報とフィルム感度や種類、防振システ
ムの使用状態、撮影焦点距離及びその時のレンズの明る
さ、撮影モード、ブレ補正の選択、被写体までの距離情
報、ブレ情報等今でまでに決定された撮影情報を基に露
光時間を演算すると同時に閃光手段17を使用するか否
かを決める。
【0046】レリーズ手段113のレリーズボタン押し
切りs2が行われるとカメラマイコン11は振動検出手
段19の信号を基に補正手段110を制御してブレ補正
を始める。その後シャッタ駆動手段14を制御してフィ
ルムへの露光を行い、状況に応じて閃光手段17を発光
させる。
【0047】レーザージャイロの回路構成は図17で説
明したものと基本的には変化無いが演算増幅器66eの
出力はカウンタ116でカウントされ半導体レーザー6
1の発生ビート周波数を求めてカメラマイコン11に出
力している。
【0048】図16で説明した構造の半導体レーザーで
は半導体レーザーに角速度が加わっていない状態でもビ
ート周波数は発生し、その周波数は半導体レーザーに与
える駆動電流又は駆動電圧の大きさで変化する。
【0049】そこでカメラマイコン11は半導体レーザ
ーへの駆動レベルを自在に変更することでビート周波数
を変えることが出来る。
【0050】図2は、本発明の振動検出システムの部分
的ブロック図である。撮影者が被写体を狙っている時は
フレーミング変更やパンニングの可能性が高いので、大
きな角速度が発生し、その時高い周波数のビートが出力
するとカウンタ116がカウントできなくなるか又はカ
メラマイコン11がカウンタのカウント値に対して対応
した角速度を与えられなくなる可能性がある。そのよう
な時にはカメラマイコン11はレーザージャイロに与え
る駆動レベルを小さくする事で半導体レーザーの発生ビ
ート周波数を下げる。
【0051】例えばカメラマイコン11は駆動切換手段
117に駆動レベルの切換を指示し、演算増幅器66a
に与える電位をV1にし、半導体レーザーに与える定電
流を5mAにすると角速度の無い状態での半導体レーザ
ーの発生するビート周波数が2KHz、10deg/s
の角速度が加わった時3KHz、−10deg/sの角
速度が加わった時1KHzになる。カメラのフレーミン
グ変更、パンニングの検出すべき大きさは±10deg
/sなので、この範囲でビート周波数が1〜3KHzに
変化してもこの程度の周波数ならばカウンタ116は十
分カウントでき、カメラマイコン11もそのカウント値
を角速度に変換できる。しかし露光時に実際に補正すべ
き角速度の分解能は0.1deg/sであり、上記感度
の場合この分解能でのビート周波数の変化は10Hzに
なってしまいカウンタで正確にカウントできない、又は
カウントの遅れが生ずる場合が出てくる。
【0052】そこで露光時には駆動切換手段117に駆
動レベルの切換を指示し、演算増幅器66aに与える電
位をV2にし、半導体レーザーに与える定電流を50m
Aにすると角速度が無い状態での半導体レーザの発生す
るビート周波数が2KHz、1deg/sの角速度が加
わった時3KHz、−1deg/sの角速度が加わった
時1KHzになる。
【0053】この場合分解能0.1deg/sでのビー
ト周波数の変化は100Hzとなりカウンタ116で十
分カウント可能になる。
【0054】尚、露光時は被写体を狙っている時の角速
度感度(入力角速度に対するビート周波数の関係)とは
角速度感度が異なってくるのでカメラマイコン11はカ
ウンタに対応する角速度を切り替えて補正を行う。
【0055】実際にはカメラの操作部材であるレリーズ
手段113からの露光指示信号s2がカメラマイコン1
1に入力している時までは駆動切換手段117の信号V
1をあたえて角速度感度を低くし、レリーズ手段113
から露光指示信号s2がカメラマイコン11に入力した
時に駆動切換手段117の信号V2をあたえて角速度感
度を高くしている。
【0056】図3は、カメラマイコン11のレーザージ
ャイロの駆動指令フローチャートである。このフローは
カメラのメインスイッチオンでスタートし、メインスイ
ッチをオフするとレーザージャイロへの駆動指令はなく
なりレーザージャイロは振動検出を止める。又は、カメ
ラのレリーズボタン半押しでスタートし、レリーズボタ
ンの半押しを解除するとレーザージャイロへの駆動指令
はなくなりレーザージャイロは振動検出を止める。即ち
カメラの撮影準備操作に応じてこのフローはスタート
し、レーザージャイロは起動を始める。
【0057】ステップ#1001では半導体レーザー6
1に駆動信号V1を与える。これにより例えば半導体レ
ーザー61に5mAの定電流を流し、半導体レーザー6
1は発振を始める。
【0058】ステップ#1002ではレリーズボタン押
し切りs2が押され、露光指示がなされるまで待機す
る。即ちレリーズボタンの押し切りまでは半導体レーザ
ーに駆動信号V1を与えつづける。レリーズボタンの仕
切りs2が行われるとステップ#1003に進む。
【0059】ステップ#1003では半導体レーザー6
1に駆動信号V2を与える。これにより例えば半導体レ
ーザー61に50mAの定電流を流し、半導体レーザー
61の角速度感度を変更する。これにより半導体レーザ
ーの入力角速度に対するビート周波数の関係すなわち角
速度感度が変化する。この時同時にカメラマイコン11
はカウンタ116からのカウント値には対応する角速度
感度を変更し、上記半導体レーザーの角速度感度の変化
を補正する。
【0060】ステップ#1004では露光が終了するま
で待機し、露光が終了するとステップ#1001に戻
る。即ち露光終了後は半導体レーザーの角速度感度を元
に戻す。
【0061】以上の様に振動を検出する振動検出手段で
あるレーザージャイロを搭載する光学機器において、そ
の操作状態を検出する操作状態検出手段であるレリーズ
手段113からカメラマイコン11に入力する信号に応
じて振動検出手段の振動検出感度を変更する感度切換手
段である駆動切換手段117を設け、感度切換手段は振
動検出手段の駆動電圧又は電流を変更する。操作状態検
出手段は光学機器が被写体を狙っている時、パンニング
時、画像記録時に応じて振動検出手段の感度を変更す
る。
【0062】より詳細には振動検出手段はレーザー光の
ビート周波数の変化で振動角速度の変化を検出するレー
ザージャイロであって、感度切換手段はレーザージャイ
ロの入力角速度に対するビート周波数の関係を変更した
り、感度切換手段は操作状態検出手段の信号に応じてビ
ート周波数の計測様式を変更する。
【0063】別の言い方をすればレーザー光のビート周
波数の変化で入力される振動角速度の変化を検出するレ
ーザージャイロにおいて入力角速度に対するビート周波
数の関係を変更するビート周波数変更手段である駆動切
換手段117を設けている。
【0064】(第2の実施形態)図4は、第2の実施形
態の振動検出システムの部分的ブロック図である。第1
の実施形態の様に半導体レーザーの駆動レベルを変更す
ることで角速度感度を変更するのではなく、カウンタの
カウント様式を変更することで角速度感度を変更してい
る点が異なる。
【0065】図4においては図2と異なり駆動切換手段
117が省かれており、代わりにカウンタ21がカメラ
マイコン11から指令によりカウント様式を変更できる
様に設定されている。
【0066】カウンタ21は公知の倍周波発生回路21
aを備えており、バッファ66eからのビート周波数
を、その立ち上がり、立ち下がりを検出することで倍の
周波数に変換している。
【0067】カメラマイコン11はカウンタ21に指示
を与え必要に応じてビート周波数のカウントか又は倍周
波発生回路からの倍のビート発明をカウントしてそのカ
ウント値をカメラマイコン11に送っている。
【0068】ここでカメラマイコンがカウンタ21に倍
周波発生回路の出力をカウントする様に指示するのは露
光時の様に大きな角速度が生じず、且つ角速度検出精
度、応答性が求められる時である。
【0069】又、露光時であっても流し撮り(パンニン
グ)の様に大きな角速度が生じている場合には倍周波発
生回路の信号ではなくビート周波数そのものをカウント
することでカウンタの能力不足(飽和)を補っている。
【0070】図5は、カメラマイコン11のレーザージ
ャイロの駆動指令フローチャートであり、このフローは
メインスイッチオンでスタートし、メインスイッチをオ
フするとレーザージャイロへの駆動指令はなくなりレー
ザージャイロは振動検出を止める。又はカメラのレリー
ズボタン半押しでスタートし、レリーズボタンの半押し
を解除するとレーザージャイロへの駆動指令はなくなり
レーザージャイロは振動検出を止める。
【0071】即ちカメラの撮影準備操作に応じてこのフ
ローはスタートし、レーザージャイロは起動を始める。
【0072】ステップ#2001では半導体レーザー6
1に駆動信号を与える。これにより例えば半導体レーザ
ー61に定電流を流し、半導体レーザー61は発振を始
める。
【0073】ステップ#2002ではカメラマイコン1
1はカウンタ21にビート周波数のカウントを指示し、
カウンタ21はカウント値をカメラマイコンに出力し、
カメラマイコン11はそのカウント値を角速度に変換す
る。
【0074】ステップ#2003ではレリーズボタン押
し切りs2が押され、露光指示がなされるまでステップ
#2002に戻り待機する。即ちレリーズボタンの押し
切りまではカウンタ21はビート周波数のカウントを続
ける。レリーズボタンの仕切りs2が行われるとステッ
プ#2004に進む。
【0075】ステップ#2004ではカメラがパンニン
グを行っているか否か判断する。これはカメラマイコン
11が検出する角速度が所定時間所定量を発生している
時にパンニングと判断している。そしてパンニングを行
っている時にはステップ#2005に進み、パンニング
を行っていない時にはステップ#2006に進む。
【0076】ステップ#2005ではステップ#200
2と同様にカメラマイコン11はカウンタ21にビート
周波数のカウントを指示し、カウンタ21はカウント値
をカメラマイコンに出力し、カメラマイコン11はその
カウント値を角速度に変換する。
【0077】ステップ#2006は露光時のステップで
あり、且つパンニングが行われていない時(被写体をし
っかり固定して撮影している時)のステップなので大き
な角速度は発生せず、精度よい角速度検出が出来るので
ビート周波数を倍周波発生回路で変換した信号をカウン
トしてそのカウント値をカメラマイコン11に送りカメ
ラマイコンはその出力を元に角速度を求める。
【0078】倍周波発生回路の出力をカウントしている
ので角速度感度は2倍になっており、カメラマイコン1
1はそれを考慮してカウント値に対する角速度の割り当
てを半分にすることで感度補正を行っている。
【0079】ステップ#2007では露光が終了したか
否かを判断し、露光中ならばステップ#2004に戻り
露光が終了した時はステップ#2001に戻り、このフ
ローを繰り返す。
【0080】以上説明したようにレーザー光のビート周
波数の変化で振動角速度の変化を検出するレーザージャ
イロにおいてレーザージャイロを搭載する機器の状態に
応じてビート周波数の計測様式を変更する事で振動検出
のダイナミックレンジを拡大している。
【0081】(第3の実施形態)図6は、第3の実施形
態の振動検出システムの部分的ブロック図である。半導
体レーザー61は加振手段であるステージ31aの上に
設置されている。
【0082】ステージ31aは圧電材料で作成されてお
り、電極31bにカメラマイコン11内の励振指令から
交番電圧を与えられることでステージ31a及び半導体
レーザー61は軸31d周りに振動を始める。
【0083】電極31cはステージ31aの振動をモニ
ターし、カメラマイコン11はこの信号を基にステージ
31aの駆動を制御することで精度よい加振を行ってい
る。
【0084】半導体レーザー61からのビート周波数も
演算増幅器66eを通しカメラマイコン11に入力され
る。
【0085】ここでカメラマイコン11はレリーズ手段
113からのレリーズボタン押し切り信号s2に応じ
て、露光中はステージ31a加振する。
【0086】半導体レーザーを加振する理由を説明す
る。
【0087】レーザージャイロには入力角速度が僅かな
場合にはビート周波数が発生しない現象がある。
【0088】半導体レーザーに電流を印加すると半導体
レーザー内に伝搬される右回りのレーザー光と左回りの
レーザー光が発生する。この状態でレーザー光の伝搬方
向と同じ方向、例えば右周りに角速度が半導体レーザー
に加わると右回りのレーザー光の光路と左回りのレーザ
ー光の光路が異なってくるのでこの時の右回りのレーザ
ー光と左回りのレーザー光の発振周波数のビート周波数
で角速度検出が可能なのであるが、入力される角速度が
小さいときには右回りのレーザー光と左回りのレーザー
光の光路差が僅かになる。
【0089】この様に光路差が小さくなるとロックイン
と云う現象が生じビート周波数は発生しなくなる。
【0090】即ち入力される角速度が小さいときには角
速度検出が出来なくなる。
【0091】その解決として常に所定の角速度をステー
ジによりレーザージャイロに与えることでロックインを
解除するディザという手法がある。
【0092】これにより、半導体レーザー61内の右回
りのレーザー光と左回りのレーザー光に強制的に光路差
が生じ、前記ロックインが回避できる。
【0093】即ちバイアス角速度を与えて光路差が所定
よりも少なくならない様にしている。
【0094】例えば通常はレーザージャイロとしては2
deg/sec以下の角速度はロックインの影響で検出
出来ないが、レーザージャイロをメカニカルに加振する
ことで0.2deg/secの角速度迄検出可能にな
る。
【0095】これにより露光時の様に小さい角速度の検
出が必要な時であっても精度良く角速度の検出が可能に
なる。
【0096】しかしながら常時ステージを加振している
と、それによる消費電力が大きくなるので露光時のみス
テージを加振する事で消費電力を抑え、且つ露光時の防
振精度を高めている。
【0097】図7は、カメラマイコン11のレーザージ
ャイロの駆動指令フローチャートであり、このフローは
カメラのメインスイッチオンでスタートし、メインスイ
ッチをオフするとレーザージャイロへの駆動指令はなく
なりレーザージャイロは振動検出を止める。又はカメラ
のレリーズボタン半押しでスタートし、レリーズボタン
の半押しを解除するとレーザージャイロへの駆動指令は
なくなりレーザージャイロは振動検出を止める。即ちカ
メラの撮影準備操作に応じてこのフローはスタートし、
レーザージャイロは起動を始める。
【0098】ステップ#3001では半導体レーザー6
1に駆動信号を与える。これにより例えば半導体レーザ
ー61に定電流を流し、半導体レーザー61は発振を始
める。
【0099】ステップ#3002ではカメラマイコン1
1はカウンタ116にビート周波数のカウントを指示
し、カウンタ21はカウント値をカメラマイコンに出力
し、カメラマイコン11はそのカウント値を角速度に変
換する。
【0100】ステップ#3003ではレリーズボタン押
し切りs2が押され、露光指示がなされるまでステップ
#3002に戻り待機する。即ちレリーズボタンの押し
切りまではカウンタ21はビート周波数のカウントを続
ける。レリーズボタンの仕切りs2が行われるとステッ
プ#3004に進む。
【0101】ステップ#3004ではステージ31aを
加振する。
【0102】ステップ#3005ではステップ#300
2と同様にカメラマイコン11はカウンタ116にビー
ト周波数のカウントを指示し、カウンタ116はカウン
ト値をカメラマイコンに出力し、カメラマイコン11は
そのカウント値を角速度に変換する。
【0103】ステップ#3006では露光が終了したか
否かを判断し、露光中ならばステップ#3005に戻
り、露光が終了した時はステップ#3007に進みステ
ージ31aの加振を停止した後、ステップ#3001に戻
り、このフローを繰り返す。
【0104】以上説明した様に振動を検出する振動検出
手段であるレーザージャイロと、振動検出手段に振動を
与える加振手段であるステージを搭載するカメラ等の光
学機器において、光学機器の状態たとえば露光を行って
いるか否かに応じて加振手段を制御する加振制御手段を
有し、光学機器が露光時用の画像記録状態の時に、加振
制御手段は振動検出手段に振動を与えることで角速度感
度を変更し、露光時には精度よい角速度検出を行い、被
写体を狙っている時、カメラを備えている時等露光以外
でカメラを使用している時には電力の消耗を防ぐように
している。
【0105】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、半導体レ
ーザーに与える電力を調節すること等でレーザージャイ
ロの入力角速度に対するビート周波数の関係(感度)が
変化することに着目し、カメラの状態に応じて感度を切
り替える構成にしてレーザージャイロのダイナミックレ
ンジを拡大できた。
【0106】具体的には、光学機器の操作状態を検出す
る操作状態検出手段の信号に応じて振動検出手段の振動
検出感度を変更する感度切換手段を設け感度切換手段は
振動検出手段の駆動電圧又は電流を変更しているので、
操作状態検出手段は光学機器が被写体を狙っている時、
パンニング時、画像記録時に応じて振動検出手段の感度
を変更し、高精度、広い検出範囲を確保できる。又、レ
ーザー光のビート周波数の変化で入力される振動角速度
の変化を検出するレーザージャイロにおいて入力角速度
に対するビート周波数の関係を変更するビート周波数変
更手段を設けて高精度化と広いダイナミックレンジを広
げている。又、光学機器の状態に応じて加振手段を制御
する加振制御手段を有し、光学機器が画像記録状態の時
に加振制御手段は振動検出手段に振動を与える様に加振
手段を駆動制御する事で高精度化と省電力を実現してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の振動検出システムの全体的ブロッ
ク図
【図2】実施形態1の振動検出システムの部分的ブロッ
ク図
【図3】実施形態1におけるカメラマイコン11による
レーザージャイロの駆動指令のフローチャート
【図4】実施形態2の振動検出システムの部分的ブロッ
ク図
【図5】実施形態2におけるカメラマイコン11による
レーザージャイロの駆動指令のフローチャート
【図6】実施形態3の振動検出システムの部分的ブロッ
ク図
【図7】実施形態3におけるカメラマイコン11による
レーザージャイロの駆動指令のフローチャート
【図8】防振システムを有するカメラの外観図
【図9】図8のカメラの内部斜視図
【図10】演算手段47pのブロック図
【図11】補正手段の正面図
【図12】補正手段を図11の矢印51方向より見た図
【図13】補正手段の図11のA−A断面図
【図14】補正手段の斜視図
【図15】レーザージャイロの模式的な斜視図
【図16】非対称なテーパー部を有するリングレーザー
ジャイロの概念図
【図17】リングレーザージャイロの駆動回路の回路図
【符号の説明】
11 カメラマイコン 12 測光手段 13 測距手段 14 シャッタ駆動手段 15 ズーム操作手段 16 ズーム駆動手段 17 閃光手段 18 防振スイッチ 19 振動検出手段 110 補正手段 111 ストロボモード入力手段 112 撮影モード入力手段 113 レリーズ手段 114 カメラメインスイッチ 115 AF駆動手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学機器と、 前記光学機器の操作状態を検出する操作状態検出手段
    と、 前記光学機器の振動を検出する振動検出手段と、 前記振動検出手段の振動検出感度を変更する感度切換手
    段とを備えた振動検出システムであって、 前記操作状態に応じて前記振動検出感度を変更すること
    を特徴とする振動検出システム。
  2. 【請求項2】 前記感度切換手段は、前記振動検出手段
    の駆動電圧又は電流を変更することで前記振動検出手段
    の振動検出感度を変更することを特徴とする請求項1記
    載の振動検出システム。
  3. 【請求項3】 前記操作状態検出手段は、前記光学機器
    が被写体を狙っている時、パンニング時、又は画像記録
    時に応じて前記振動検出手段の感度を変更することを特
    徴とする請求項1記載の振動検出システム。
  4. 【請求項4】 前記振動検出手段は、レーザー光のビー
    ト周波数の変化で振動角速度の変化を検出するレーザー
    ジャイロであり、 前記感度切換手段は、前記レーザージャイロの入力角速
    度に対する前記ビート周波数の関係を変更することを特
    徴とする請求項1記載の振動検出システム。
  5. 【請求項5】 前記感度切換手段は、前記操作状態検出
    手段の信号に応じて前記ビート周波数の計測様式を変更
    することを特徴とする請求項4記載の振動検出システ
    ム。
  6. 【請求項6】 前記レーザージャイロは、前記入力角速
    度に対する前記ビート周波数の関係を変更するビート周
    波数変更手段を備えることを特徴とする請求項4記載の
    振動検出システム。
  7. 【請求項7】 前記振動検出手段に振動を与える加振手
    段と、 前記光学機器の状態に応じて前記加振手段を制御する加
    振制御手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の
    振動検出システム。
  8. 【請求項8】 前記光学機器は、画像記録状態の時に前
    記加振制御手段が前記振動検出手段に振動を与える様に
    前記加振手段を駆動制御することを特徴とする請求項7
    記載の振動検出システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1906233A1 (en) * 2006-09-29 2008-04-02 Fujinon Corporation Imaging device
US7840127B2 (en) 2006-09-29 2010-11-23 Fujinon Corporation Imaging device with T-shaped shake compensation actuator arrangement
CN115406430A (zh) * 2022-11-03 2022-11-29 四川图林科技有限责任公司 多物理场耦合条件下激光陀螺减振一体化设计方法

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