JP4194156B2 - 防振制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振れ信号に重畳するオフセット信号を除去するオフセット信号除去手段を有する防振制御装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在のカメラは露出決定やピント合せ等の撮影にとって重要な作業は全て自動化されているため、カメラ操作に未熟な人でも撮影失敗を起こす可能性は非常に少なくなっている。
【0003】
また、最近では、カメラに加わる手振れを防ぐシステムも研究されており、撮影者の撮影ミスを誘発する要因は殆ど無くなってきている。
【0004】
ここで、手振れを防ぐシステムについて簡単に説明する。
【0005】
撮影時のカメラの手振れは、周波数として通常1Hzないし10Hzの振動であるが、シャッタのレリーズ時点においてこのような手振れを起こしても像振れの無い写真を撮影可能とするための基本的な考えとして、上記手振れによるカメラの振動を検出し、その検出値に応じて補正レンズを変位させなければならない。従って、カメラ振れが生じても像振れが生じない写真を撮影するためには、第1に、カメラの振動を正確に検出し、第2に、手振れによる光軸変化を補正することが必要となる。
【0006】
この振動(カメラ振れ)の検出は、原理的にいえば、加速度,角加速度,角速度,角変位等を検出する振れ検出センサと、カメラ振れ補正の為にその出力を適宜演算処理する演算部を具備した振動検出装置をカメラに搭載することによって行うことができる。そして、この検出情報に基づき、撮影光軸を偏心させる補正手段を駆動させて像振れ抑制が行われる。
【0007】
図9は防振システムを有するコンパクトカメラの外観斜視図であり、光軸41に対して矢印42p,42yで示すカメラ縦振れ及び横振れに対し振れ補正を行う機能を有している。
【0008】
尚、カメラ本体43の中で、43aはレリーズボタン、43bはモードダイヤル(メインスイッチを含む)、43cはリトラクタブルストロボ、43dはファインダ窓である。
【0009】
図10は、図9に示したカメラの内部構成を示す斜視図であり、44はカメラ本体、51は補正手段、52は補正レンズ、53は補正レンズ52を図中58p,58y方向に自在に駆動して図9の矢印42p,42y方向の振れ補正を行う支持枠であり、詳細については後述する。45p,45yは各々矢印46p,46y回りの振れを検出する角速度計や角加速度計等の振動検出装置である。
【0010】
振動検出装置45p,45yの出力は後述する演算装置47p,47yを介して補正手段51の駆動目標値に変換され、該補正手段51のコイルに入力して振れ補正を行う。尚、54は地板、56p,56yは永久磁石、510p,510yはコイルである。
【0011】
図11は前記演算装置47p,47yの詳細を示すブロック図であり、これらは同様な構成である為に同図では演算装置47pのみを用いて説明する。
【0012】
演算装置47pは、一点鎖線にて囲まれる、DCカットフィルタ48p,ローパスフィルタ49p,アナログ・ディジタル変換回路(以下、A/D変換回路と記す)410p,駆動装置419p及び破線で示すカメラマイコン411より構成される。また、前記カメラマイコン411は、記憶回路412p,差動回路413p,DCカットフィルタ414p,積分回路415p,記憶回路416p,差動回路417p,PWMデューティ変更回路418pで構成される。
【0013】
ここでは、振動検出装置45pとして、カメラの振れ角速度を検出する振動ジャイロを用いており、該振動ジャイロはカメラのメインスイッチのオンと同期して駆動され、カメラに加わる振れ角速度の検出を開始する。
【0014】
振動検出装置45pの出力信号は、アナログ回路で構成されるDCカットフィルタ48pにより該出力信号に重畳しているDCバイアス成分がカットされる。このDCカットフィルタ48pは 0.1Hz以下の周波数の信号をカットする周波数特性を有しており、カメラに加わる1〜10Hzの手振れ周波数帯域には影響が及ばないようになっている。しかしながら、この様に 0.1Hz以下をカットする特性にすると、振動検出装置45pから振れ信号が入力されてから完全にDCがカットされるまでには10秒近くかかってしまうという問題がある。そこで、カメラのメインスイッチがオンされてから例えば 0.1秒まではDCカットフィルタ48pの時定数を小さく(例えば10Hz以下の周波数の信号をカットする特性にする)しておく事で、 0.1秒位の短い時間でDCをカットし、その後に時定数を大きくして( 0.1Hz以下の周波数のみカットする特性にして)DCカットフィルタ48pにより振れ角速度信号が劣化しない様にしている。
【0015】
DCカットフィルタ48pの出力信号は、アナログ回路で構成されるローパスフィルタ49pによりA/D変換回路410pの分解能にあわせて適宜増幅されると共に、振れ角速度信号に重畳する高周波のノイズをカットされる。これは、振れ角速度信号をカメラマイコン411に入力する時のA/D変換回路410pのサンプリングが振れ角速度信号のノイズにより読み誤りが起きるのを避ける為である。また、ローパスフィルタ49pの出力信号は、A/D変換回路410pによりサンプリングされてカメラマイコン411に取り込まれる。
【0016】
DCカットフィルタ48pによりDCバイアス成分はカットされている訳であるが、その後のローパスフィルタ49pの増幅により再びDCバイアス成分が振れ角速度信号に重畳している為に、カメラマイコン411内において再度DCカットを行う必要がある。
【0017】
そこで、例えばカメラのメインスイッチのオンから 0.2秒後にサンプリングされた振れ角速度信号を記憶回路412pで記憶し、差動回路413pにより記憶値と振れ角速度信号の差を求めることでDCカットを行う。尚、この動作では大雑把なDCカットしか出来ない為に(カメラのメインスイッチのオンから 0.2秒後に記憶された振れ角速度信号の中にはDC成分ばかりでなく、実際の手振れも含まれている為)、後段でデジタルフィルタにより構成されたDCカットフィルタ414pにて十分なDCカットを行っている。このDCカットフィルタ414pの時定数もアナログのDCカットフィルタ48pと同様に変更可能になっており、カメラのメインスイッチのオンから 0.2秒後から更に 0.2秒費やしてその時定数を徐々に大きくしている。具体的には、このDCカットフィルタ414pはメインスイッチのオンから 0.2秒経過した時には10Hz以下の周波数をカットするフィルタ特性を有しており、その後50msec毎にフィルタでカットする周波数を5Hz,1Hz, 0.5Hz, 0.2Hzと下げていく。
【0018】
但し、上記動作の間に撮影者がレリーズボタン43aを半押し(sw1をオン)して測光,測距を行った時は直ちに撮影を行う可能性があり、時間を費やして時定数変更を行う事が好ましくない場合もある。そこで、その様な時は撮影条件に応じて時定数変更を途中で中止する。例えば、測光結果により撮影シャッタスピードが1/60となる事が判明し、撮影焦点距離が150mmの時には防振の精度はさほど要求されない為に、DCカットフィルタ414pは 0.5Hz以下の周波数をカットする特性まで時定数変更した時点で完了とする(シャッタスピードと撮影焦点距離の積により時定数変更量を制御する)。これにより、時定数変更の時間を短縮でき、シャッタチャンスを優先する事が出来る。勿論、より速いシャッタスピード、或いはより短い焦点距離の時は、DCカットフィルタ414pの特性は1Hz以下の周波数をカットする特性まで時定数変更した時点で完了とし、より遅いシャッタスピード,長い焦点距離の時は、時定数が最後まで変更完了するまで撮影を禁止する。
【0019】
積分回路415pは、カメラのレリーズボタン43aの半押し(sw1のオン)に応じてDCカットフィルタ414pの出力信号の積分を始め、角速度信号を角度信号に変換する。但し、前述した様にDCカットフィルタ414pの時定数変更が完了していない時には時定数変更が完了するまで積分動作を行わない。尚、図11では省略しているが、積分された角度信号はその時の焦点距離,被写体距離情報により適宜増幅され、振れ角度に応じて適切な量補正手段51を駆動するように変換される(ズームフォーカスにより撮影光学系が変化し、補正手段51の駆動量に対し光軸偏心量が変わる為、この補正を行う必要がある)。
【0020】
レリーズボタン43aの押し切り(sw2のオン)で補正手段51を振れ角度信号に応じて駆動し始める訳であるが、この時、補正手段51の振れ補正動作が急激に始まらない様に注意する必要がある。記憶回路416p及び差動回路417pは、この対策の為に設けられている。記憶回路416pは、レリーズボタン43aの押し切り(sw2のオン)に同期して積分回路415pの振れ角度信号を記憶する。差動回路417pは、積分回路415pの信号と記憶回路416pの信号の差を求める。その為、スイッチsw2のオン時の差動回路417pの二つの信号入力は等しく、該差動回路417pの補正手段51に対する駆動目標値信号はゼロであるが、その後ゼロより連続的に出力が行われる(記憶回路416pはスイッチsw2のオン時点の積分信号を原点にする役割となる)。これにより、補正手段51は急激に駆動される事が無くなる。
【0021】
差動回路417pからの目標値信号は、PWMデューティ変更回路418pに入力される。補正手段51のコイル510p(図10参照)には振れ角度に対応した電圧或いは電流を印加すれば、補正レンズ52はその振れ角度に対応して駆動される訳であるが、補正手段51の駆動消費電力及びコイルの駆動トランジスタの省電力化の為にはPWM駆動が望ましい。
【0022】
そこで、PWMデューティ変更回路418pは、目標値に応じてコイル駆動デューティを変更している。例えば、周波数が20KHzのPWMにおいて、差動回路417pの目標値が「2048」の時にはデューティ「0」とし、「4096」の時にはデューティ「100」とし、その間を等分にしてデューティを目標値に応じて決定していく。尚、デューティの決定は目標値ばかりではなく、その時のカメラの撮影条件(温度やカメラの姿勢,電源の状態)によって細かく制御して精度良い振れ補正が行われるようにする。
【0023】
PWMデューティ変更回路418pの出力は、PWMドライバ等の公知の駆動装置419pに入力され、該駆動装置419pの出力を補正手段51のコイル510p(図10参照)に印加して振れ補正を行う。駆動装置419pはスイッチsw2のオンに同期してオンされ、フィルムへの露光が終了するとオフされる。又、露光が終了してもレリーズボタン43aが半押し(sw1のオン)されている限り積分回路415pは積分を継続しており、次のスイッチsw2のオンで再び記憶回路416pが新たな積分出力を記憶する。
【0024】
レリーズボタン43aの半押しを止めると、積分回路415pはDCカットフィルタ414pの出力の積分を止め、該積分回路415pのリセットを行う。リセットとは、今まで積分してきた情報をすべて空にする事である。
【0025】
メインスイッチのオフで振動検出装置45pがオフされ、防振シーケンスは終了する。
【0026】
尚、積分回路415pの出力信号が所定値より大きくなった時にはカメラのパンニングが行われたと判定して、DCカットフィルタ414pの時定数を変更する。例えば 0.2Hz以下の周波数をカットする特性であったものを1Hz以下をカットする特性に変更し、再び所定時間で時定数をもとに戻していく。この時定数変更量も積分回路415pの出力の大きさにより制御される。即ち、出力信号が第1の閾値を超えた時には、DCカットフィルタ414pの特性を 0.5Hz以下をカットする特性にし、第2の閾値を超えた時は、1Hz以下をカットする特性とし、第3の閾値を超えた時は、5Hz以下をカットする特性にする。
【0027】
又、積分回路415pの出力が非常に大きくなった時には、該積分回路415pを一旦リセットして演算上の飽和(オーバーフロー)を防止している。
【0028】
図11において、DCカットフィルタ414pはメインスイッチのオンから 0.2秒後に作動を開始する構成になっているが、これに限るものではなく、レリーズボタン43aの半押しより作動を開始しても良い。この場合はDCカットフィルタの時定数変更が完了した時点より積分回路415pを作動させる。
【0029】
又、積分回路415pもレリーズボタン43aの半押し(sw1)で作動を開始させていたが、レリーズボタン43aの押し切り(sw2)より作動を開始する構成にしても良い。この場合には、記憶回路416p及び差動回路417pは必要無くなる。
【0030】
図11では、演算装置47p内に、DCカットフィルタ48p及びローパスフィルタ49pを設けているが、これらは振動検出装置45p内に設けられても良いのは言うまでもない。
【0031】
図12〜図14は、補正手段51の詳細を示す図であり、詳しくは、図12は補正手段51の正面図、図13(a)は図12の矢印B方向より見た側面図、図13(b)は図12のA−A断面図、図14は補正手段51の斜視図である。
【0032】
図12において、補正レンズ52(図13(b)に示す様に、この補正レンズ52は、支持枠53に固定される二枚のレンズ52a,52bと、地板54に固定されるレンズ52cにより成り、撮影光学系の群を構成している)は、支持枠53に固定される。
【0033】
支持枠53には強磁性材料のヨーク55が取付けられ、該ヨーク55の同図の裏面にはネオジウム等の永久磁石56p,56yが吸着固定(かくれ線で示す)されている。又、支持枠53から放射状に延出する3本のピン53aは地板54の側壁54bに設けられた長孔54aに嵌合している。
【0034】
図13(a),図14に示す様に、ピン53aと長孔54aは、補正レンズ52の光軸57方向には嵌合してガタは生じないが、光軸57と直交する方向には長孔54aが延びているため、支持枠53は地板54に対し光軸57方向には移動規制されるが、光軸と直交する平面内には自由に移動できる(矢印58p,58y,58r)。但し、図12に示す様に支持枠53上のフック53bと地板上のフック54c間に引っ張りバネ59が掛けられている為に各々の方向(58p,58y、58r)に弾性的に規制されている。
【0035】
地板54には永久磁石56p,56yに対向してコイル510p,510yが取付けられている(一部かくれ線)。ヨーク55,永久磁石56p,コイル510pの配置は図13(b)の様になっており(永久磁石56y,コイル510yも同じ配置)、コイル510pに電流を流すと支持枠53は矢印58p方向に駆動され、コイル510yに電流を流すと、前記支持枠53は矢印58y方向に駆動される。
【0036】
そして、その駆動量は各々の方向における引っ張りバネ59のバネ定数とコイル510p,510yと永久磁石56p,56yの関連で生じる推力との釣り合いで求まる。即ち、コイル510p,510yに流す電流量に基づいて補正レンズ52の偏心量を制御できる。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
図11で説明した様に、振動検出装置45p(45y)の信号はアナログ回路で構成されるDCカットフィルタ48pにより信号に重畳しているDCバイアス成分がカットされる。このDCカットフィルタ48pの構成は、図15に示す様に、演算増幅器420p、コンデンサ421p、抵抗422p,423p及びスイッチ424pから構成される(振動検出装置45yのDCカットフィルタについても同様)。そして、このDCカットフィルタ48pの特性を 0.1Hz以下の周波数をカットする特性に設定する為には、例えばコンデンサ421pを10μF、抵抗422pを160kΩとする。
【0038】
尚、抵抗423pの抵抗値を例えば 1.6kΩとすると、スイッチ424pが閉じている時にはこのDCカットフィルタ48pは10Hz以下の周波数をカットし、スイッチ424pを開放すると、 0.1Hz以下の周波数をカットする特性になるので、前述した様にカメラのメインスイッチがオンされてから例えば 0.1秒経過するまでは、前記スイッチ424pを閉じておく事で早期にDC成分のカットが可能になる。
【0039】
ところで、図15の回路構成において、コンデンサ421pに10μFと云う大容量のコンデンサを使用している為に、回路が相当大きくなってしまい、またコストも高くなる問題が有った。更にこの様にDCカットフィルタ48pを構成すると防振の精度も低下する問題がある。この事を、図16(a),(b)を用いて説明する。
【0040】
図16は図15のDCカットフィルタ48pの周波数特性を概念的に示しており、線分425は、DCカットフィルタ48pに入力する信号に対する出力信号の比率(利得)を示しており、線分426は、同様に入力信号に対して出力する信号の位相を示している。
【0041】
線分425を見ると、 0.1Hzを境にそれより低周波数では利得が減少しているが、これによりこの周波数以下の信号の出力が減衰され、DCカット特性を得られる事がわかる。
【0042】
防振を精度よく行う為には振動検出装置の信号をなるべく位相ずれ無く補正手段に入力する必要があるが、線分426を見ると、手振れの主帯域以下の1〜10Hzにおいて特に低周波側では位相が進んでしまっており、精度良い防振が出来ていない。
【0043】
防振精度を向上させる為には、例えば現状の 0.1Hz以下の周波数をカットするDCカットフィルタを 0.01 Hzをカットする特性に変更すれば良い。しかしながらこの様にすると、コンデンサ421pの容量を例えば100μFに増やす(或いは、抵抗422pを 1.6MΩに大きくする)必要があり、回路規模,ノイズの面から考えても好ましくない。
【0044】
この様に現状のDCカットフィルタはコンデンサが大きく、小型化,低コスト化に不向きであり、更に防振精度を低下させてしまうといった問題があった。
【0045】
(発明の目的)
本発明の目的は、小型軽量にすると共に、該防振制御装置や該防振制御装置が搭載される機器の動作を損なうことなく、振れ信号に重畳するオフセット信号の除去を適切にかつ素早く行い、精度の高い振れ信号を出力することのできる防振制御装置を提供しようとするものである。
【0047】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段からの振れ信号に重畳するオフセット信号を除去するオフセット信号除去手段とを有する防振制御装置において、一旦オフセット除去動作を終了し、振れ信号を用いてディジタル演算を開始した後も、前記振動検出手段からの振れ信号が予め定められた範囲を超えると、前記オフセット信号除去手段に再度オフセット除去動作を行わせる再動作指示手段を有する防振制御装置とするものである。
【0048】
また、上記目的を達成するために、本発明は、振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段からの振れ信号に重畳するオフセット信号を除去するオフセット信号除去手段とを有する防振制御装置において、一旦オフセット除去動作を終了し、振れ信号を用いてディジタル演算を開始した後も、前記振動検出手段の動作開始から予め定められた時間が経過すると、前記オフセット信号除去手段に再度オフセット除去動作を行わせる再動作指示手段を有する防振制御装置とするものである。
【0049】
また、上記目的を達成するために、本発明は、振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段からの振れ信号に重畳するオフセット信号を除去するオフセット信号除去手段とを有する防振制御装置において、一旦オフセット除去動作を終了し、振れ信号を用いてディジタル演算を開始した後も、当該防振制御装置を搭載する光学機器による露光動作が完了すると、前記オフセット信号除去手段に再度オフセット除去動作を行わせる再動作指示手段を有する防振制御装置とするものである。
【0050】
また、上記目的を達成するために、本発明は、振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段からの振れ信号に重畳するオフセット信号を除去するオフセット信号除去手段とを有する防振制御装置において、一旦オフセット除去動作を終了し、振れ信号を用いてディジタル演算を開始した後も、当該防振制御装置を搭載する光学機器に具備された複数の操作部材の何れが操作されても、前記オフセット信号除去手段に再度オフセット除去動作を行わせる再動作指示手段を有する防振制御装置とするものである。
【0051】
また、上記目的を達成するために、本発明は、振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段からの振れ信号に重畳するオフセット信号を除去するオフセット信号除去手段とを有する防振制御装置において、一旦オフセット除去動作を終了し、振れ信号を用いてディジタル演算を開始した後も、当該防振制御装置を搭載する光学機器に具備された操作部材の操作が行われてから振れ信号が安定したとみなせる時間経過後に、前記オフセット信号除去手段に再度オフセット除去動作を行わせる再動作指示手段を有する防振制御装置とするものである。
【0052】
また、上記目的を達成するために、本発明は、振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段からの振れ信号に重畳するオフセット信号を除去するオフセット信号除去手段とを有する防振制御装置において、一旦オフセット除去動作を終了し、振れ信号を用いてディジタル演算を開始した後も、当該防振制御装置を搭載する光学機器の使用姿勢が変化したことにより、前記オフセット信号除去手段に再度オフセット除去動作を行わせる再動作指示手段を有する防振制御装置とするものである。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0054】
図1は本発明の実施の第1の形態に係るカメラの回路構成を示すブロック図であり、本実施の形態に係る部分のみを示し、カメラの他の要素については説明を簡単にする為に省いてある。
【0055】
図1において、カメラマイコン11(図11のマイコン411と同じ構成である)は、メインスイッチ114のオン信号が入力されると撮影鏡筒を沈胴状態から撮影可能光学系の状態まで繰り出し、同時にレンズバリアを開ける。又この際、振動検出用機構部19a及び振動検出用回路部19bより成る振動検出装置19も起動させる。
【0056】
撮影モード入力部材112からは撮影者にて選択された撮影モードがカメラマイコン11に入力される。撮影モードとしては、例えば動き回る被写体を撮影する時に適したスポーツモード、人物をアップで撮影するのに適したポートレートモード、被写体をクローズアップして撮影するのに適したマクロモード、夜景を撮影するのに適した夜景モードを有している。
【0057】
ストロボモード入力部材111からはストロボモードがカメラマイコン11に入力される。ストロボモードとしては、ストロボを使用しないストロボオフモード、強制的にストロボを発光させるストロボオンモード、被写体の輝度や光線の方向等でストロボを発光させるか否かを制御するストロボオートモードが有り、又、ストロボ発光時に赤目緩和機能を動作させるか否かを決める事が可能となっている。
【0058】
防振スイッチ18からは撮影者によって決められた撮影時に振れ補正を行うか否かの情報がカメラマイコン11に入力される。ズーム操作部材15からは撮影者の操作に応答したズーム信号がカメラマイコン11に入力され、該カメラマイコン11はズーム駆動装置16を制御して撮影焦点距離を変更させる。
【0059】
上記撮影焦点距離が決定されると、撮影者によりレリーズボタンであるところのレリーズ部材113の半押し(sw1のオン)がなされるが、この半押しのタイミングで測距装置13は被写体までの距離を測定してその情報(測距情報)をカメラマイコン11に出力し、該カメラマイコン11は測距情報に基づいてAF駆動装置115を制御して撮影鏡筒の一部或いは全部を駆動して撮影光学系の焦点調節を行う。
【0060】
この時、後述するように振動検出装置19からの振れ情報もA/D変換器117を介してカメラマイコン11に入力され、該カメラマイコン11はその振れ状態からカメラが手持ちなのか或いは三脚や地面に固定されているかを判別する。
【0061】
又、測光装置12からは被写体輝度がカメラマイコン11に入力される。カメラマイコン11はその情報とフィルム感度や種類、防振システムの使用状態、撮影焦点距離及びその時のレンズの明るさ、撮影モード、振れ補正の選択、被写体までの距離情報、振れ情報等、今までに決定された撮影情報を基に露光時間を演算すると同時に、閃光装置17を使用するか否かを決める。
【0062】
温度検出回路119からは振動検出用機構部19aの周辺の温度、つまり使用中の周囲温度が、姿勢検出回路120からは現在のカメラの撮影姿勢、つまり使用姿勢が、それぞれカメラマイコン11に入力される。
【0063】
レリーズ部材113の押し切り(sw2のオン)が行われると、カメラマイコン11は振動検出装置19からの信号を基に補正手段110を制御して振れ補正を始める。その後、シャッタ駆動装置14を制御してフィルムへの露光を行い、状況に応じて閃光装置17を発光させる。
【0064】
116は振動検出装置19等で構成される振動検出ユニットであり、振動検出装置19の出力に重畳するオフセット成分とノイズ成分をカットしてA/Dコンバータ117に出力する。A/Dコンバータ117は振動検出ユニット116の信号をサンプリングしてカメラマイコン11に送る。
【0065】
ここで、振動検出ユニット116における振動検出装置19のオフセット信号カットの方法は、図11で説明した様に周波数特性を持つフィルタを利用しているのではなく、以下の構成になっている。
【0066】
振動検出用機構部19aで検出した信号は振動検出用回路部19bで処理され、角速度信号となって差動器116aで後述するオフセット抽出成分と引き算される。この差動器116aの信号は、増幅器・ローパスフィルタ116bによって図11のローパスフィルタ49pと同様に信号成分に重畳するノイズをカットされ、信号増幅される。増幅器・ローパスフィルタ116bからの出力信号はA/Dコンバータ117に入力されると同時に比較器116cにも入力される。比較器116cは、増幅器・ローパスフィルタ116bの入力信号と基準信号116dの比較を行う。基準信号116dは振動検出用回路部19bに入力される電源電圧の略半分であり、これは振動検出装置19の信号出力範囲の中心値である。又、この基準信号は、その後カメラマイコン11内でディジタルフィルタでDC除去、積分を行う時の基準にもなっている。
【0067】
前記比較器116cは、増幅器・ローパスフィルタ116bの信号が基準信号に対して大きい時(プラスのオフセット電圧がある時)は“H”信号を、基準信号11dに対して小さい時(マイナスのオフセット電圧がある時)は“L”の信号をクロックゲート116eに出力する。クロックゲート116eは、リセット端子116hからクロック信号が入力している時には比較器116cからの信号をアップダウンカウンタ116fに送る。
【0068】
アップダウンカウンタ116fは、クロックゲート116eからの信号が“H”の時には1クロック毎にカウントを1ビットアップさせ、“L”の時にはカウントを1ビットダウンさせる。D/Aコンバータ116gは、アップダウンカウンタ116fの出力に応じた信号をアナログ出力をし、例えば1ビットカウントがアップすればプラス2mVを差動器116aに出力する。
【0069】
上記振動検出用回路部19bと差動器116a,増幅器・ローパスフィルタ116b,比較器116c,基準信号116d,クロックゲート116e,アップダウンカウンタ116f,D/Aコンバータ116gは一つの回路にIC化されており、振動検出用機構部19aを近傍に配置して、コンパクトなユニットになっている。
【0070】
以上のような構成において、初めにカメラのメインスイッチ114がオンされると、振動検出ユニット116が動作を始め、振動検出用機構部19aと振動検出用回路部19bの関連により振れ角速度の検出が始まる。
【0071】
今、説明の為に手振れ等の振動が少ない状態を想定すると、この時振動検出装置19の出力は、動作開始から図2(a)の波形121のように変化していき、最終的にオフセットV1 となる。ここで動作開始直後から時間T0 迄の間において信号が大きく変動している。これは、振動検出装置19として、例えば公知の振動ジャイロを用いた時にはその振動が安定する迄の信号の変動であり、角加速時計を用いた場合においては回路が安定するまでの信号変動である。その為にこの期間にDCオフセット除去動作を行っても、精度良いDC除去は出来ない。
【0072】
よって、振動検出用機構部19a,振動検出用回路部19bの動作開始からT1 (例えば 0.1秒)を経過してから時間T2 まで、カメラマイコン11はリセット端子116hを介してクロック信号をクロックゲートに出力する。
【0073】
差動器116aの出力は初めは時間T1 における信号オフセットV1 を発生している為に比較器116cは“H”信号を出力し、クロックゲートに1クロック入力される度に差動器116aに入力されるD/Aコンバータ116gの信号は増加する。その為に差動器116aの信号のオフセット成分はクロックが増す毎に減少していき(波形122)、最後にはD/Aコンバータ116gの最小分解能(例えば2mV)の範囲で差動器116aの信号がクロックに合わせて交番変動する(矢印123)。
【0074】
このクロックの周波数は、図2(b)に示した様に、クロック124の周波数は初めは高く(第1群125)、後に低く(第2群126)している。クロック周波数を高くする事で、初めに大まかにオフセット除去を行い、その後にクロック周波数を低くして安定したオフセット除去を行う事ができ、これによってオフセット除去の為に要する時間を短くしている。
【0075】
時間T2 になるとカメラマイコン11はクロック信号の出力を止める為に、D/Aコンバータ116gから差動器116aに出力される信号はクロック信号が出力を止めた時点の信号に固定される。これにより、図2(a)に示した矢印123での信号の変動はなくなり、オフセット成分はV2 に減少する。
【0076】
ここで、図11で説明した従来のDCカットフィルタ48pにおいては、最終的にはオフセット成分はゼロに出来るのに対して、本方式ではオフセットは僅か(V2 )ではあるが残ってしまう欠点がある。しかしながら、その信号はカメラマイコン11内のディジタル演算によるDCカットフィルタ414pで除去されるので、防振性能上問題になる事は無い。
【0077】
最終的にカメラマイコン11でオフセット除去を行うのに、振動検出ユニット116でもオフセット除去を行わなくてはならない理由を以下に述べる。
【0078】
今、振動検出ユニット116でオフセットの除去を行わない場合を考える。振動検出装置19の出力はA/D変換してカメラマイコン11に取り込む前に、相当ハイゲインの増幅を行う。これは振動検出装置19の検出する手振れ成分の出力が極めて小さい事によるが、その為に信号に重畳するオフセット成分により増幅器の信号が飽和してしまう恐れがある。よって、この飽和を防ぐ目的で増幅前に、振動検出装置19の信号オフセットをある程度まで減少させておく必要がある。
【0079】
図1の構成においては、図2に示す様に、オフセット成分V1 がV2 に減少しており、これにより、増幅器・ローパスフィルタ116bの信号が飽和してしまう事を防ぐ事ができる。
【0080】
実際の振動検出装置19の出力は、図2(a)の波形121の様にきれいでは無く、図3に示す波形127の様に手振れによる信号も含まれている。その為に時間T2 でカメラマイコン11がクロックの出力を止めた時における手振れ出力分だけオフセット信号V3 が残ってしまうが(波形128)、初めのオフセット成分V1 に比べれば十分小さいオフセットであり、増幅器・ローパスフィルタ116b上の信号の飽和は防ぐ事ができる。
【0081】
以上説明した様な方式によるオフセット成分の除去では、図15に示した従来のDCカットフィルタの様に大容量のコンデンサを必要としない為に回路を相当小型化でき、又、コンデンサ,抵抗から構成される時定回路が無い為に、手振れ周波数帯域における位相ずれが原因となる防振精度劣化の恐れが無いといったメリットが生まれる。
【0082】
図1において、振動検出ユニット116の出力はコンパレータ118にも入力されている。上述した様な振動検出ユニット116の構成により、通常は増幅器・ローパスフィルタ116bの飽和は防ぐ事ができる。しかしながら、DC成分抽出時に振動検出用回路部19bの出力にノイズが重畳していた為に正しいオフセット除去ができなかった時や、DC成分抽出時にカメラに大きな振動(例えばパン)が加わった為に正しいオフセット除去ができなかった時は、増幅器・ローパスフィルタ116bの出力は飽和か或いはそれに近い状態になる事も予想される。このような時への対策として、該コンパレータ118が設けられている。
【0083】
このコンパレータ118は、増幅器・ローパスフィルタ116bの信号が所定範囲を超えた時、或いは、所定範囲を一定期間継続して超えている時(例として 0.5秒信号が1Vから3Vの範囲に無い時)は、カメラマイコン11に信号を出力する。カメラマイコン11は、コンパレータ118の出力を受けると、再度振動検出ユニット116のリセット端子116hにクロック信号を一定時間出力する。この様な構成にする事で、万一増幅器・ローパスフィルタ116bが飽和に近い状況になった時にでも、再度オフセット除去動作が行われ、飽和を回避する事ができる。
【0084】
尚、図1では、コンパレータ118をカメラマイコン11の外側に設けているが、それに限られるものではなく、例えばA/Dコンバータ117でA/D変換し、カメラマイコン11に取り込んだ信号が一定時間以上,一定範囲に無い時には再度クロック信号を発生させるようにして、上記コンパレータ118を省いても良い。
【0085】
この様に信号が飽和するような大きなオフセットがあった時には、再度オフセット除去動作させる時にも、そのクロック信号は図2で説明した様式と同様に、初めはクロック周波数を高くして大まかにオフセット除去を行い、次にクロック周波数を低くして安定したオフセット除去動作を行う様にしている。
【0086】
振動検出用機構部19a,振動検出用回路部19bより成る振動検出装置19の角速度出力に重畳するオフセット成分は、時間の経過と共に変化して行く。その為に一旦オフセット除去動作を行ってもそのまま防振システムを使い続けると再びオフセットが増加して、増幅器・ローパスフィルタ116bを飽和させる恐れがある。
【0087】
そこで、本実施の形態では、一定時間が経過すると再度オフセット除去動作を行う、つまり再動作指示がなされる構成にしている。
【0088】
カメラマイコン11に内蔵されるタイマは振動検出ユニット116を動作させてからの経過時間を常にカウントしており、一定時間(例えば4分)毎に再度オフセット除去動作を行っている。この様な状況で再度オフセット除去を行う時は、増幅器・ローパスフィルタ116bにはさほど大きなオフセットは重畳していないので、図2(b)に示した様に周波数を可変にしたクロック信号を出力する必要はなく、初めから低い周波数のクロックで安定してオフセット除去を行う。即ち、電源を投入した時のオフセット除去の様式と再度オフセット除去を行う時の様式は異ならせている。つまり、オフセット除去様式変更を行っている。
【0089】
また、振動検出用機構部19aは温度変化によってその出力のオフセットが変化する。その為に振動検出用機構部19aの周囲温度が振動検出ユニット116動作中に変化した時には再度オフセット除去することで、振動検出精度を保っている。
【0090】
図1において、温度検出回路119は振動検出ユニット116が動作中に振動検出用機構部19bの周辺の温度が一定以上変化すると、カメラマイコン11にその事を出力する。この様な状況になると、カメラマイコン11は振動検出ユニット116に再度オフセット除去動作をさせるべくクロック信号を出力する。温度変化に伴うオフセット変動も急激に大きなオフセットにはならないので、クロック周波数は低い周波数で安定したオフセット除去のみを行えば良い。
【0091】
前述した様に振動検出ユニット116の出力はカメラマイコン11に入力して、更にディジタルフィルタにてオフセット除去される。しかしながら、このディジタルフィルタによるオフセット除去動作が正確に行われるのにもある程度の時間が必要であり、それまでは精度良い振れ補正はできていない。その為に長秒時露光を行うような時には防振精度が劣化してしまう。しかしながら長秒時露光を行うような状況を考えると、このような時はカメラを三脚等に取付けている場合が多い。そして、この様な時は図2で説明した様に振動検出ユニット116は図3よりも正確にオフセット除去を行える(手振れが無い為)。
【0092】
よって、この様にカメラを三脚に取付けた時や、カメラをしっかりと固定している事が分かった時には、オフセット除去を再度行い、精度良いオフセット除去を行わせる事ができる。
【0093】
カメラマイコン11は振動検出ユニット116からの信号を見ており、その信号が一定期間,一定範囲を超えない時には、カメラは手で持たれていないと判別して再度オフセットカット動作を行う。この時、今までの説明と同様にクロック信号を振動検出ユニット116に出力するのであるが、振動検出ユニット116は既に一度オフセット除去しており、且つ、振れが少ない状況であるので早期にオフセット除去を行っても精度良い結果が得られる。よって、クロック信号の発生時間は初めにオフセット除去動作を行った時よりも短くしても良く、これによって直ちに精度の良い振れ補正を行う事ができる。
【0094】
振動検出装置19として振動ジャイロを用いた場合、外部からの振動によって信号に重畳するオフセット量が変化する事に注意しなくてはならない。例えば一眼レフカメラにおいては、撮影時にクイックリターンミラーが駆動し、シャッタが走行するが、これらの衝撃やフィルム給送の振動は振動ジャイロにとって、無視する事はできない。又、コンパクトカメラの様に電動ズームの駆動も同様である。
【0095】
その為、それらの動作が終了する時に再度オフセット除去を行って、オフセット信号の変動を吸収している。具体的には、撮影が終了し、つまり露光動作が完了し、フィルム給送が完了した時に再度オフセット除去動作を行ったり、カメラの複数の操作手段のうちのいずれかが操作されると、その所定の時間経過後に再度オフセット除去動作を行う。
【0096】
一般に振動ジャイロは梁構造をしている為に、重力で梁がたわむ事でもオフセット量は変化する。その為にカメラの撮影姿勢を検出して撮影姿勢が変化した時再度オフセット除去動作を行わせる。
【0097】
図1において、姿勢検出回路120は、振動検出ユニット116が動作を始めてからカメラの姿勢が変化した事(カメラを横位置から縦位置に構え直す)を検出すると、カメラマイコン11に信号を出力し、カメラマイコン11は振動検出ユニット116にクロック信号を出力する。
【0098】
以上の様に、一旦オフセット除去動作を行っても、振動検出ユニットの状態やカメラの状態によって再度オフセット除去動作を行う訳であるが、オフセット除去動作を行っている間は正しい振れ補正ができなくなってしまう。その為に撮影中に再度オフセット除去動作をするような条件になった時には、却って像振れを引き起こす可能性もでてくる。そこで、本実施の形態においては、再度オフセット除去を行わせるような状況になっても、撮影中であるならば撮影が終了するまでオフセット除去動作を禁止する、つまり再動作禁止を行う構成にしている。
【0099】
また、再度オフセット除去動作を行っている間に撮影を開始しても、良い像は得られにくくなる。シャッタチャンスを優先する場合には、再度のオフセット除去はなるべく行いたくない。そこで、カメラの撮影モードがスポーツモードの時には、再オフセット除去判定レベルを低くして、簡単には再オフセット除去動作が行われない様にしている。一般にスポーツモードの時はシャッタスピードがさほど遅くないので、少々防振精度が落ちるよりもシャッタチャンスを優先する方が好ましく、この様に撮影モードによって再オフセット除去判定レベルを変更している。つまり、カメラの状態判別を行い、状態判別された撮影モードにより再オフセット除去のための判定レベルのレベル変更を行っている。
【0100】
以上の様に、カメラマイコン11はカメラの撮影条件に合わせて振動検出ユニット116のオフセット除去をきめ細かく行う事で、防振精度を保っている。
【0101】
図4〜図6は、上記カメラマイコン11の動作を説明するためのフローチャートであり、このフローは、メインスイッチ114のオンでスタートする。(防振スイッチ18のオフの時も、振動検出装置19及びアナログ処理回路116は待機駆動させるので、このフローは動作する)
図4のステップ#1001においては、振動検出ユニット116に電源を印加して動作を開始させ、振動検出用機構部19a,振動検出装置19bに手振れ角速度検出を行わせる。ステップ#1002においては、タイマをスタートさせ、次のステップ#1003において、T1 時間(例えば 0.1秒)待機してステップ#1004へ進む。これは、図2で説明した様に、振動検出装置19の駆動初期にはオフセット成分の大きな変動がある為に、オフセット成分の抽出誤差を避ける為である。
【0102】
ステップ#1004においては、カメラマイコン11からクロックゲート116eにクロック信号の出力を始める。そして、次のステップ#1005において、撮影焦点距離ZとシャッタスピードSの積を求め、それが2以下の時にはステップ#1013へ進む。例えば、焦点距離が200mmでシャッタスピードが1/60の時には、積は 3.3であり、シャッタスピードが1/125の時は、積は 1.6である。前者の場合は、手振れによる像劣化の恐れがあるので、通常のステップ#1006へ進み、後者においては、比較的に手振れによる像劣化の恐れが少ない為に防振精度よりシャッタチャンスを優先したステップ#1013へ進む。
【0103】
ステップ#1006においては、カメラの撮影モードがスポーツモードか否かを判別し、スポーツモードの時にはシャッタチャンスを優先したステップ#1013へ進み、そうでない時はステップ#1007へ進む。ステップ#1007においては、カメラの撮影モードがポートレートモードか否か判別しており、ポートレートモードの時は画質を優先して、より防振精度を上げるステップ#1032へ進み、そうでない時はステップ#1008へ進む。
【0104】
ステップ#1008においては、撮影時の周囲温度状態を調べており、低温の時には、振動検出装置19の信号が安定する時間が長くなるので、オフセット除去に時間をかけるステップ#1032へ進み、そうでない時はステップ#1009へ進む。ステップ#1009においては、カメラの姿勢からカメラが縦位置に構えられている時には手振れが大きくなるので、防振精度を上げるステップ#1032へ進み、そうでない時はステップ#1010へ進む。なお、上記ステップ#1008では、周囲温度が所定の温度より低温であるかどうかの判定を行っているが、その他の例として、第1の温度と第2の温度の間を適性温度範囲と設定して、その温度範囲内にあるかどうかの判定を行うようにしても良い。
【0105】
ステップ#1010は上記ステップ#1005と同様なステップであるが、撮影焦点距離とシャッタスピードの積が10より大きい時、例えば焦点距離300mm,シャッタスピード1/15の場合であり、このような時には高い防振精度が必要になる為に、防振精度を上げるステップ#1032へ進み、そうでない時はステップ#1011へ進む。
【0106】
ステップ#1011にフローが進む条件は、防振精度がある程度必要であるが、それ程高い精度は求められていない場合である。このような時にはメインスイッチ114のオンで動作を始めたタイマがT2 (例えば 0.3秒)になるまで待機した後にステップ#1012へ進む。ステップ#1012においては、カメラマイコン11はクロックの出力を止めて、ステップ#1018へ進む。なお、(T 2 −T 1 )がクロックの入力時間である。
【0107】
図5のステップ#1013以降は、ステップ#1005,#1006から続く、防振精度をあまり必要としない時のフローである。
【0108】
図5のステップ#1013においては、再度オフセット除去動作をさせる判定レベルを下げる。これは、前述した様に判定レベルを上げることで再オフセットカット動作が行われにくくして、その分シャッタチャンスを生かすようにする為である。次のステップ#1014においては、レリーズ部材の半押し(sw1のオン)を識別し、スイッチsw1がオンされた時にはステップ#1015へ進む。また、スイッチsw1がオンされていない場合はステップ#1016へ進み、時刻T2 を経過したか否か判別し、経過した時にはステップ1017へ進み、経過していない時にはステップ#1014に戻る。
【0109】
ステップ#1015においては、カメラマイコン11はクロックゲート116eへのクロック信号の出力を停止する。よって、この時点で振動検出装置19のオフセット除去は強制的に止めさせられる。
【0110】
このようにスイッチsw1のオンにより、直ちにオフセット除去動作を止めて撮影状態に入れる様にする事で、シャッタチャンスを優先している。
【0111】
ステップ1017においては、同様にカメラマイコン11からのクロック信号を停止する。即ち、防振精度がさほど必要ない時でもスイッチsw1のオンがメインスイッチ114のオンから直ちに行われなかった時には、それまで振動検出ユニット116はオフセット除去動作を続け、精度良いオフセット除去を行う。
【0112】
ステップ#1007,#1008,#1009,#1010で防振精度を高くする必要を判別した時にはステップ#1032へ進み、t>T3 (例えば 0.4秒)まで待機した後、ステップ#1017へ進む。即ち、オフセット除去動作の時間を長くする事で、オフセット除去精度を高めている。
【0113】
上記の様に、ステップ#1013,#1014,#1015,#1016,#1017へ進んだ時には、振動検出装置19のオフセット除去精度よりもシャッタチャンスを優先し、ステップ#1032,#1017へ進んだ時には、シャッタチャンスよりも振動検出装置19のオフセット除去精度を優先しており、カメラの撮影条件に合わせて振動検出装置19の出力のオフセット除去精度を制御する事で、扱いやすい防振システムにする事ができる。
【0114】
ステップ#1018においては、撮影許可の状態にする。これにより、このフローの途中で撮影指令(スイッチsw2のオン)の割り込みが入ると、撮影を行うようにする。(今までのステップ#1001〜#1018のフローの間では、撮影操作が行われても撮影は受け付けない構成して、オフセット除去動作を優先させている)
次のステップ#1019において、図1のコンパレータ118の出力が所定範囲を超えた時には(或いは、所定範囲を所定時間超えたと時には)、回路に飽和、或いは、それに近い状況が起きたと判別して再度オフセット除去動作を行わせるべく図6のステップ#1028へ進む。また、コンパレータ118の出力が所定範囲内の時はステップ#1020へ進み、カメラマイコン11は取り込んだ手振れの状態を観察して、手振れが所定の範囲にある時にはカメラは三脚等に固定されたと判別して、振れの無い状態で再度オフセット除去を行うべく図6のステップ#1027へ進み、振れの状態からカメラが手持ちであると判別した時にはステップ#1021へ進む。
【0115】
ステップ#1021においては、露光が終了した状態であるか否か判別し、露光が終了した状態になっている時には再度オフセット除去動作を行うべく図6のステップ#1026へ進む。また、露光が行われていない時、或いは、露光中の時はステップ#1022へ進み、カメラの操作部材が操作された否かを判別する。カメラのいずれかの操作部材が操作された時には、それによる振動やその操作でカメラのアクチュエータが駆動されたことで発生する振動によるオフセット変動を避ける為に、再度オフセット除去動作を行うべく図6のステップ#1026へ進む。但し、この時のオフセット除去動作は、カメラの操作部材の操作から所定時間(例えば1秒)後に行う事で、カメラへの振動が収まってからオフセット除去の再動作を行うようにしている。
【0116】
また、カメラの操作部材が操作されていない時にはステップ#1023へ進み、メインスイッチ114がオンされてから所定時間(例えば4分)経過するとオフセットの変動が無視できなくなるので、再度オフセット除去すべく図6のステップ#1026へ進む。ここで再度オフセット除去動作が行われても、更に4分経過した時には、またオフセット除去を行う様に4分毎のインターバルでオフセット除去動作を行う。所定時間が経過していない時にはステップ#1024へ進み、振動検出ユニット116が動作してから(初回のオフセット除去動作が終了してから)振動検出装置19の周囲(振動検出用機構部19a近傍)の温度変化が所定値以上生じた時は、再度オフセット除去動作を行わせるべく図6のステップ#1026へ進み、温度変動が小さい時にはステップ#1025へ進む。
【0117】
ステップ#1025においては、振動検出ユニット116が動作してから(初回のオフセット除去動作が終了してから)カメラの撮影姿勢が変化した時には再度オフセット除去動作を行わせるべく図6のステップ#1026へ進む。また、撮影姿勢が変化していない時にはステップ#1019に戻り、再度再オフセット除去判定を行う。
【0118】
図6のステップ#1026においては、上記ステップ#1021,#1022,#1023,#1024,#1025で再度オフセット除去動作要と判別した時に、タイマをステップ#1003,#1011,#1016,#1032と変更して再度オフセット動作を行う。ここでタイマを変更するのは、これらステップにおけるオフセットの変動は比較的に小さいので、安定してオフセットの除去が行える為である。
【0119】
カメラマイコン11からのクロックは、図2(b)の第2群126に固定され、各タイマは、T1 ( 0.1秒)→T7 (0秒)、T2 ( 0.3秒)→T8 ( 0.2秒)、T3 ( 0.4秒)→T9 ( 0.3秒)に設定する。
【0120】
ステップ#1027においては、上記ステップ#1020で再度オフセット除去動作要と判別した時にタイマをステップ#1003,#1011,#1016、#1032と変更して再度オフセット動作を行う。ここでタイマを変更するのはこのような時は振れが極めて少ないので、早期にオフセットの除去が行える為である。
【0121】
カメラマイコン11からのクロックは、図2(b)の第1群125に固定され、各タイマは、T1 ( 0.1秒)→T4 (0秒)、T2 ( 0.3秒)→T5 ( 0.1秒)、T3 ( 0.4秒)→T6 ( 0.2秒)に設定する。
【0122】
ステップ#1028においては、上記ステップ#1019で再度オフセット除去動作要と判別した時に、再度オフセット動作を行うタイマを設定するのであるが、ここでは回路の飽和が原因になっている為に初めからオフセット除去をやり直す必要があり、初期設定タイマからの変更は行わない。即ち、カメラマイコン11からのクロックは、図2(b)の第1群125と第2群126で構成され、各タイマは、T1 ( 0.1秒)→T1 ( 0.1秒)、T2 ( 0.3秒)→T2 ( 0.3秒)、T3 ( 0.4秒)→T3 ( 0.4秒)に設定する。
【0123】
上記ステップ#1026,#1027又は#1028での動作を終了すると、何れもステップ#1029へ進み、ここでは撮影中か否か判別し、撮影中の時には再度オフセット除去動作を行うと撮影像が劣化する恐れがあるので、再度オフセット除去動作を禁止してステップ#1019へ進む。また、撮影が行われていない時にはステップ#1030へ進む。
【0124】
ステップ#1030においては、上記ステップ#1013で判定レベルを変更した時にはそのリセットを行い、ステップ#1031へ進む。そして、このステップ1031において、撮影禁止状態にしてこれから撮影を行おうとしても(レリースボタンを押しきっても)撮影は行われない様に設定して、ステップ#1002に戻る。ステップ#1002以降は再度オフセット除去するステップとなる。
【0125】
この様に再度オフセット除去が必要な状態を判別して再度オフセット除去を行う事で、精度良い防振システムを構築する事が可能となる。
【0126】
(実施の第2の形態)
図7は本発明の実施の第2の形態に係るカメラの主要部分の動作を示すフローチャートであり、上記実施の第1の形態における図6に相当する。その他は上記実施の第1の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0127】
図6と異なるのは、図6に対し、ステップ#2001,#2002を追加した点のみである。
【0128】
ステップ#2001においては、カメラマイコン11が振動検出ユニット116からの手振れデータを基に現在パンニング中であると判別すると再度オフセット除去動作を禁止して、ステップ#1019へ進む。これは、再度オフセット除去を行う時にパンニング中であるとパンニングによるDCに近い比較的低周波の角速度成分もオフセット成分として除去されてしまい、精度良いオフセット除去ができない為である。
【0129】
ステップ#2002においては、現在振れ補正の最中であるか否か判別し、振れ補正中の時には再度オフセット除去を行うのを禁止して、ステップ#1019へ進む。これは、振れ補正中にオフセット除去動作が行われると、そのオフセット除去動作中に補正レンズが大きく揺らいで不快である為である。
【0130】
この様にパンニング中のオフセット除去動作を禁止する事で、間違ったオフセット除去が行われるのを防ぐ事ができ、振れ補正中にオフセット除去が行われるのを防ぐ事で、撮影者に不快感あるいは無用な心配を掛ける事が無くなる。
【0131】
以上の様に、一旦オフセットカット動作終了後も再度オフセットカット動作を行う手段と、該手段の動作を禁止する禁止手段とを有しており、カメラがパンニング状態にある時、或いは振れ補正中には前記各手段の動作を禁止する構成にして、扱い易い防振システムを実現する事ができた。
【0132】
(実施の第3の形態)
図8は本発明の実施の第3の形態に係るカメラの主要部分の動作を示すフローチャートであり、上記実施の第2の形態における図7に相当する。その他は上記実施の第1の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0133】
図7と異なるのは、図7に対し、ステップ#3001を追加した点のみである。
【0134】
上記実施の第2の形態では、ステップ#2002で振れ補正中と判別した時にはオフセット除去を禁止していた。この実施の第3の形態では、ステップ#2002で振れ補正中と判別するとステップ#3001へ進み、振れ補正を中断する。その後、ステップ#1030→#1031→#1002へ進み、オフセット除去動作に入る。
【0135】
この様に、振れ補正を中断するとオフセット除去動作によって補正レンズが揺れる事が無い為に、撮影者に不快感を与えないと同時に次に振れ補正が始まる時(このフローでは図示せれていないがオフセット除去動作が完了すると自動的に再度振れ補正が始まる様に構成しても良い)にはオフセット分の少ない精度良い振れ補正が得られる。
【0136】
以上の様に、振れ補正が行われている時にもオフセット除去動作を可能にする事で速やかに防振精度を高める事ができ、シャッタチャンスに強い防振システムが実現できた。
【0137】
(変形例)
以上の実施の形態のソフト構成とハード構成は、適宜置き換えることができるものである。
【0138】
また、本発明は、クレームまたは実施の形態の構成の全体もしくは一部が、一つの装置を形成するようなものであっても、他の装置と結合するようなものであっても、装置を構成する要素となるようなものであってもよい。
【0139】
また、各請求項記載の発明または実施の各形態の構成が、全体として一つの装置を形成する様なものであっても、又は、分離もしくは他の装置と結合する様なものであっても、又は、装置を構成する要素のようなものであっても良い。
【0140】
また、本発明は、レンズシャッタカメラに適用した例を述べているが、一眼レフカメラやビデオカメラ等の種々の形態のカメラ、さらにはカメラ以外の光学機器やその他の装置、更にはそれらカメラや光学機器やその他の装置に適用される装置、又はこれらを構成する要素に対しても適用できるものである。
【0141】
更に、本発明は、以上の実施の各形態、又はそれらの技術を適当に組み合わせた構成にしてもよい。
【0142】
以上説明したように、本発明によれば、小型軽量にすると共に、該防振制御装置や該防振制御装置が搭載される機器の動作を損なうことなく、振れ信号に重畳するオフセット信号の除去を適切にかつ素早く行い、精度の高い振れ信号を出力することができる防振制御装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の各形態に係るカメラの主要部分の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の各形態において振れ検出開始からオフセット成分除去がなされるまでのタイミングチャートである。
【図3】図2(a)の出力波形を実際の振れ出力で示したタイミングチャートである。
【図4】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの動作の一部を示すフローチャートである。
【図5】図4の動作の続きを示すフローチャートである。
【図6】図5の動作の続きを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の第2の形態のカメラの主要部分の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の第3の形態のカメラの主要部分の動作を示すフローチャートである。
【図9】防振システムを有した従来のコンパクトカメラの外観図である。
【図10】図9のカメラの内部機構を示す斜視図である。
【図11】図10の演算装置の内部構成を示すブロック図である。
【図12】図9のカメラに具備される補正手段の正面図である。
【図13】図12の矢印B方向より見た図及びA−A断面を示す図である。
【図14】図12に示す補正手段の斜視図である。
【図15】図11に示すDCカットフィルタの構成を示す回路図である。
【図16】図15の構成のDCカットフィルタの周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
11 カメラマイコン
14 シャッタ駆動装置
15 ズーム操作部材
16 ズーム駆動装置
18 防振スイッチ
19a 振動検出用機構部
19b 振動検出用回路部
110 補正手段
116 振動ユニット
116a 差動器
116g D/Aコンバータ
116e クロックゲート
116f アップダウンカウンタ
118 コンパレータ
119 温度検出回路
120 姿勢検出回路
Claims (7)
- 振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段からの振れ信号に重畳するオフセット信号を除去するオフセット信号除去手段とを有する防振制御装置において、一旦オフセット除去動作を終了し、振れ信号を用いてディジタル演算を開始した後も、前記振動検出手段からの振れ信号が予め定められた範囲を超えると、前記オフセット信号除去手段に再度オフセット除去動作を行わせる再動作指示手段を有することを特徴とする防振制御装置。
- 振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段からの振れ信号に重畳するオフセット信号を除去するオフセット信号除去手段とを有する防振制御装置において、一旦オフセット除去動作を終了し、振れ信号を用いてディジタル演算を開始した後も、前記振動検出手段の動作開始から予め定められた時間が経過すると、前記オフセット信号除去手段に再度オフセット除去動作を行わせる再動作指示手段を有することを特徴とする防振制御装置。
- 前記再動作指示手段は、前記振動検出手段の動作中の周囲温度が一定以上変化すると、前記オフセット信号除去手段に再度オフセット除去動作を行わせることを特徴とする請求項1又は2に記載の防振制御装置。
- 振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段からの振れ信号に重畳するオフセット信号を除去するオフセット信号除去手段とを有する防振制御装置において、一旦オフセット除去動作を終了し、振れ信号を用いてディジタル演算を開始した後も、当該防振制御装置を搭載する光学機器による露光動作が完了すると、前記オフセット信号除去手段に再度オフセット除去動作を行わせる再動作指示手段を有することを特徴とする防振制御装置。
- 振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段からの振れ信号に重畳するオフセット信号を除去するオフセット信号除去手段とを有する防振制御装置において、一旦オフセット除去動作を終了し、振れ信号を用いてディジタル演算を開始した後も、当該防振制御装置を搭載する光学機器に具備された複数の操作部材の何れが操作されても、前記オフセット信号除去手段に再度オフセット除去動作を行わせる再動作指示手段を有することを特徴とする防振制御装置。
- 振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段からの振れ信号に重畳するオフセット信号を除去するオフセット信号除去手段とを有する防振制御装置において、一旦オフセット除去動作を終了し、振れ信号を用いてディジタル演算を開始した後も、当該防振制御装置を搭載する光学機器に具備された操作部材の操作が行われてから振れ信号が安定したとみなせる時間経過後に、前記オフセット信号除去手段に再度オフセット除去動作を行わせる再動作指示手段を有することを特徴とする防振制御装置。
- 振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段からの振れ信号に重畳するオフセット信号を除去するオフセット信号除去手段とを有する防振制御装置において、一旦オフセット除去動作を終了し、振れ信号を用いてディジタル演算を開始した後も、当該防振制御装置を搭載する光学機器の使用姿勢が変化したことにより、前記オフセット信号除去手段に再度オフセット除去動作を行わせる再動作指示手段を有することを特徴とする防振制御装置。
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