JP2000187255A - 振れ信号出力装置 - Google Patents

振れ信号出力装置

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JP2000187255A
JP2000187255A JP10366289A JP36628998A JP2000187255A JP 2000187255 A JP2000187255 A JP 2000187255A JP 10366289 A JP10366289 A JP 10366289A JP 36628998 A JP36628998 A JP 36628998A JP 2000187255 A JP2000187255 A JP 2000187255A
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signal
low
pass filter
shake
output device
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JP10366289A
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English (en)
Inventor
Koichi Washisu
晃一 鷲巣
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オフセット信号を除去する為の回路を大きく
することなく、又振れ信号に重畳する高周波成分を除去
し、精度の良い振れ信号を出力する。 【解決手段】 振動を検出する振動検出手段19a,1
9bと、記憶手段116e,116f,116gと、前
記振動検出手段からの第1の信号と前記記憶手段からの
第2の信号を差動出力して第3の信号を出力する差動手
段116aと、前記第3の信号から高周波成分を減衰さ
せ、第4の信号を出力するローパスフィルタ116bと
を有し、前記記憶手段に前記第4の信号を記憶させるこ
とで、前記第1の信号に重畳するオフセット信号成分を
除去して前記第3の信号を求める構成にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動検出手段から
の信号よりオフセット信号を除去して振れ信号として出
力する振れ信号出力装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在のカメラは露出決定やピント合せ等
の撮影にとって重要な作業は全て自動化されているた
め、カメラ操作に未熟な人でも撮影失敗を起こす可能性
は非常に少なくなっている。
【0003】また、最近では、カメラに加わる手振れを
防ぐシステムも研究されており、撮影者の撮影ミスを誘
発する要因は殆ど無くなってきている。
【0004】ここで、手振れを防ぐシステムについて簡
単に説明する。
【0005】撮影時のカメラの手振れは、周波数として
通常1Hzないし10Hzの振動であるが、シャッタの
レリーズ時点においてこのような手振れを起こしても像
振れの無い写真を撮影可能とするための基本的な考えと
して、上記手振れによるカメラの振動を検出し、その検
出値に応じて補正レンズを変位させなければならない。
従って、カメラ振れが生じても像振れが生じない写真を
撮影するためには、第1に、カメラの振動を正確に検出
し、第2に、手振れによる光軸変化を補正することが必
要となる。
【0006】この振動(カメラ振れ)の検出は、原理的
にいえば、加速度,角加速度,角速度,角変位等を検出
する振れ検出センサと、カメラ振れ補正の為にその出力
を適宜演算処理する演算部を具備した振動検出装置をカ
メラに搭載することによって行うことができる。そし
て、この検出情報に基づき、撮影光軸を偏心させる補正
手段を駆動させて像振れ抑制が行われる。
【0007】図13は防振システムを有するコンパクト
カメラの外観斜視図であり、光軸41に対して矢印42
p,42yで示すカメラ縦振れ及び横振れに対し振れ補
正を行う機能を有している。
【0008】尚、カメラ本体43の中で、43aはレリ
ーズボタン、43bはモードダイヤル(メインスイッチ
を含む)、43cはリトラクタブルストロボ、43dは
ファインダ窓である。
【0009】図14は、図13に示したカメラの内部構
成を示す斜視図であり、44はカメラ本体、51は補正
手段、52は補正レンズ、53は補正レンズ52を図中
58p,58y方向に自在に駆動して図13の矢印42
p,42y方向の振れ補正を行う支持枠であり、詳細に
ついては後述する。45p,45yは各々矢印46p,
46y回りの振れを検出する角速度計や角加速度計等の
振動検出装置である。
【0010】振動検出装置45p,45yの出力は後述
する演算装置47p,47yを介して補正手段51の駆
動目標値に変換され、該補正手段51のコイルに入力し
て振れ補正を行う。尚、54は地板、56p,56yは
永久磁石、510p,510yはコイルである。
【0011】図15は前記演算装置47p,47yの詳
細を示すブロック図であり、これらは同様な構成である
為に同図では演算装置47pのみを用いて説明する。
【0012】演算装置47pは、一点鎖線にて囲まれ
る、DCカットフィルタ48p,ローパスフィルタ49
p,アナログ・ディジタル変換回路(以下、A/D変換
回路と記す)410p,駆動装置419p及び破線で示
すカメラマイコン411より構成される。また、前記カ
メラマイコン411は、記憶回路412p,差動回路4
13p,DCカットフィルタ414p,積分回路415
p,記憶回路416p,差動回路417p,PWMデュ
ーティ変更回路418pで構成される。
【0013】ここでは、振動検出装置45pとして、カ
メラの振れ角速度を検出する振動ジャイロを用いてお
り、該振動ジャイロはカメラのメインスイッチのオンと
同期して駆動され、カメラに加わる振れ角速度の検出を
開始する。
【0014】振動検出装置45pの出力信号は、アナロ
グ回路で構成されるDCカットフィルタ48pにより該
出力信号に重畳しているDCバイアス成分がカットされ
る。このDCカットフィルタ48pは 0.1Hz以下の周
波数の信号をカットする周波数特性を有しており、カメ
ラに加わる1〜10Hzの手振れ周波数帯域には影響が
及ばないようになっている。しかしながら、この様に
0.1Hz以下をカットする特性にすると、振動検出装置
45pから振れ信号が入力されてから完全にDCがカッ
トされるまでには10秒近くかかってしまうという問題
がある。そこで、カメラのメインスイッチがオンされて
から例えば 0.1秒まではDCカットフィルタ48pの時
定数を小さく(例えば10Hz以下の周波数の信号をカ
ットする特性にする)しておく事で、 0.1秒位の短い時
間でDCをカットし、その後に時定数を大きくして(
0.1Hz以下の周波数のみカットする特性にして)DC
カットフィルタ48pにより振れ角速度信号が劣化しな
い様にしている。
【0015】DCカットフィルタ48pの出力信号は、
アナログ回路で構成されるローパスフィルタ49pによ
りA/D変換回路410pの分解能にあわせて適宜増幅
されると共に、振れ角速度信号に重畳する高周波のノイ
ズをカットされる。これは、振れ角速度信号をカメラマ
イコン411に入力する時のA/D変換回路410pの
サンプリングが振れ角速度信号のノイズにより読み誤り
が起きるのを避ける為である。また、ローパスフィルタ
49pの出力信号は、A/D変換回路410pによりサ
ンプリングされてカメラマイコン411に取り込まれ
る。
【0016】DCカットフィルタ48pによりDCバイ
アス成分はカットされている訳であるが、その後のロー
パスフィルタ49pの増幅により再びDCバイアス成分
が振れ角速度信号に重畳している為に、カメラマイコン
411内において再度DCカットを行う必要がある。
【0017】そこで、例えばカメラのメインスイッチの
オンから 0.2秒後にサンプリングされた振れ角速度信号
を記憶回路412pで記憶し、差動回路413pにより
記憶値と振れ角速度信号の差を求めることでDCカット
を行う。尚、この動作では大雑把なDCカットしか出来
ない為に(カメラのメインスイッチのオンから 0.2秒後
に記憶された振れ角速度信号の中にはDC成分ばかりで
なく、実際の手振れも含まれている為)、後段でデジタ
ルフィルタにより構成されたDCカットフィルタ414
pにて十分なDCカットを行っている。このDCカット
フィルタ414pの時定数もアナログのDCカットフィ
ルタ48pと同様に変更可能になっており、カメラのメ
インスイッチのオンから 0.2秒後から更に 0.2秒費やし
てその時定数を徐々に大きくしている。具体的には、こ
のDCカットフィルタ414pはメインスイッチのオン
から 0.2秒経過した時には10Hz以下の周波数をカッ
トするフィルタ特性を有しており、その後50msec毎に
フィルタでカットする周波数を5Hz,1Hz, 0.5H
z, 0.2Hzと下げていく。
【0018】但し、上記動作の間に撮影者がレリーズボ
タン43aを半押し(sw1をオン)して測光,測距を
行った時は直ちに撮影を行う可能性があり、時間を費や
して時定数変更を行う事が好ましくない場合もある。そ
こで、その様な時は撮影条件に応じて時定数変更を途中
で中止する。例えば、測光結果により撮影シャッタスピ
ードが1/60となる事が判明し、撮影焦点距離が15
0mmの時には防振の精度はさほど要求されない為に、D
Cカットフィルタ414pは 0.5Hz以下の周波数をカ
ットする特性まで時定数変更した時点で完了とする(シ
ャッタスピードと撮影焦点距離の積により時定数変更量
を制御する)。これにより、時定数変更の時間を短縮で
き、シャッタチャンスを優先する事が出来る。勿論、よ
り速いシャッタスピード、或いはより短い焦点距離の時
は、DCカットフィルタ414pの特性は1Hz以下の
周波数をカットする特性まで時定数変更した時点で完了
とし、より遅いシャッタスピード,長い焦点距離の時
は、時定数が最後まで変更完了するまで撮影を禁止す
る。
【0019】積分回路415pは、カメラのレリーズボ
タン43aの半押し(sw1のオン)に応じてDCカッ
トフィルタ414pの出力信号の積分を始め、角速度信
号を角度信号に変換する。但し、前述した様にDCカッ
トフィルタ414pの時定数変更が完了していない時に
は時定数変更が完了するまで積分動作を行わない。尚、
図15では省略しているが、積分された角度信号はその
時の焦点距離,被写体距離情報により適宜増幅され、振
れ角度に応じて適切な量補正手段51を駆動するように
変換される(ズームフォーカスにより撮影光学系が変化
し、補正手段51の駆動量に対し光軸偏心量が変わる
為、この補正を行う必要がある)。
【0020】レリーズボタン43aの押し切り(sw2
のオン)で補正手段51を振れ角度信号に応じて駆動し
始める訳であるが、この時、補正手段51の振れ補正動
作が急激に始まらない様に注意する必要がある。記憶回
路416p及び差動回路417pは、この対策の為に設
けられている。記憶回路416pは、レリーズボタン4
3aの押し切り(sw2のオン)に同期して積分回路4
15pの振れ角度信号を記憶する。差動回路417p
は、積分回路415pの信号と記憶回路416pの信号
の差を求める。その為、スイッチsw2のオン時の差動
回路417pの二つの信号入力は等しく、該差動回路4
17pの補正手段51に対する駆動目標値信号はゼロで
あるが、その後ゼロより連続的に出力が行われる(記憶
回路416pはスイッチsw2のオン時点の積分信号を
原点にする役割となる)。これにより、補正手段51は
急激に駆動される事が無くなる。
【0021】差動回路417pからの目標値信号は、P
WMデューティ変更回路418pに入力される。補正手
段51のコイル510p(図15参照)には振れ角度に
対応した電圧或いは電流を印加すれば、補正レンズ52
はその振れ角度に対応して駆動される訳であるが、補正
手段51の駆動消費電力及びコイルの駆動トランジスタ
の省電力化の為にはPWM駆動が望ましい。
【0022】そこで、PWMデューティ変更回路418
pは、目標値に応じてコイル駆動デューティを変更して
いる。例えば、周波数が20KHzのPWMにおいて、
差動回路417pの目標値が「2048」の時にはデュ
ーティ「0」とし、「4096」の時にはデューティ
「100」とし、その間を等分にしてデューティを目標
値に応じて決定していく。尚、デューティの決定は目標
値ばかりではなく、その時のカメラの撮影条件(温度や
カメラの姿勢,電源の状態)によって細かく制御して精
度良い振れ補正が行われるようにする。
【0023】PWMデューティ変更回路418pの出力
は、PWMドライバ等の公知の駆動装置419pに入力
され、該駆動装置419pの出力を補正手段51のコイ
ル510p(図15参照)に印加して振れ補正を行う。
駆動装置419pはスイッチsw2のオンに同期してオ
ンされ、フィルムへの露光が終了するとオフされる。
又、露光が終了してもレリーズボタン43aが半押し
(sw1のオン)されている限り積分回路415pは積
分を継続しており、次のスイッチsw2のオンで再び記
憶回路416pが新たな積分出力を記憶する。
【0024】レリーズボタン43aの半押しを止める
と、積分回路415pはDCカットフィルタ414pの
出力の積分を止め、該積分回路415pのリセットを行
う。リセットとは、今まで積分してきた情報をすべて空
にする事である。
【0025】メインスイッチのオフで振動検出装置45
pがオフされ、防振シーケンスは終了する。
【0026】尚、積分回路415pの出力信号が所定値
より大きくなった時にはカメラのパンニングが行われた
と判定して、DCカットフィルタ414pの時定数を変
更する。例えば 0.2Hz以下の周波数をカットする特性
であったものを1Hz以下をカットする特性に変更し、
再び所定時間で時定数をもとに戻していく。この時定数
変更量も積分回路415pの出力の大きさにより制御さ
れる。即ち、出力信号が第1の閾値を超えた時には、D
Cカットフィルタ414pの特性を 0.5Hz以下をカッ
トする特性にし、第2の閾値を超えた時は、1Hz以下
をカットする特性とし、第3の閾値を超えた時は、5H
z以下をカットする特性にする。
【0027】又、積分回路415pの出力が非常に大き
くなった時には、該積分回路415pを一旦リセットし
て演算上の飽和(オーバーフロー)を防止している。
【0028】図16において、DCカットフィルタ41
4pはメインスイッチのオンから 0.2秒後に作動を開始
する構成になっているが、これに限るものではなく、レ
リーズボタン43aの半押しより作動を開始しても良
い。この場合はDCカットフィルタの時定数変更が完了
した時点より積分回路415pを作動させる。
【0029】又、積分回路415pもレリーズボタン4
3aの半押し(sw1)で作動を開始させていたが、レ
リーズボタン43aの押し切り(sw2)より作動を開
始する構成にしても良い。この場合には、記憶回路41
6p及び差動回路417pは必要無くなる。
【0030】図16では、演算装置47p内に、DCカ
ットフィルタ48p及びローパスフィルタ49pを設け
ているが、これらは振動検出装置45p内に設けられて
も良いのは言うまでもない。
【0031】図17〜図19は、補正手段51の詳細を
示す図であり、詳しくは、図17は補正手段51の正面
図、図18(a)は図17の矢印B方向より見た側面
図、図18(b)は図17のA−A断面図、図19は補
正手段51の斜視図である。
【0032】図16において、補正レンズ52(図17
(b)に示す様に、この補正レンズ52は、支持枠53
に固定される二枚のレンズ52a,52bと、地板54
に固定されるレンズ52cにより成り、撮影光学系の群
を構成している)は、支持枠53に固定される。
【0033】支持枠53には強磁性材料のヨーク55が
取付けられ、該ヨーク55の同図の裏面にはネオジウム
等の永久磁石56p,56yが吸着固定(かくれ線で示
す)されている。又、支持枠53から放射状に延出する
3本のピン53aは地板54の側壁54bに設けられた
長孔54aに嵌合している。
【0034】図17(a),図18に示す様に、ピン5
3aと長孔54aは、補正レンズ52の光軸57方向に
は嵌合してガタは生じないが、光軸57と直交する方向
には長孔54aが延びているため、支持枠53は地板5
4に対し光軸57方向には移動規制されるが、光軸と直
交する平面内には自由に移動できる(矢印58p,58
y,58r)。但し、図16に示す様に支持枠53上の
フック53bと地板上のフック54c間に引っ張りバネ
59が掛けられている為に各々の方向(58p,58
y、58r)に弾性的に規制されている。
【0035】地板54には永久磁石56p,56yに対
向してコイル510p,510yが取付けられている
(一部かくれ線)。ヨーク55,永久磁石56p,コイ
ル510pの配置は図13(b)の様になっており(永
久磁石56y,コイル510yも同じ配置)、コイル5
10pに電流を流すと支持枠53は矢印58p方向に駆
動され、コイル510yに電流を流すと、前記支持枠5
3は矢印58y方向に駆動される。
【0036】そして、その駆動量は各々の方向における
引っ張りバネ59のバネ定数とコイル510p,510
yと永久磁石56p,56yの関連で生じる推力との釣
り合いで求まる。即ち、コイル510p,510yに流
す電流量に基づいて補正レンズ52の偏心量を制御でき
る。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】図15で説明した様
に、振動検出装置45p(45y)の信号はアナログ回
路で構成されるDCカットフィルタ48pにより信号に
重畳しているDCバイアス成分がカットされる。このD
Cカットフィルタ48pの構成は、図19に示す様に、
演算増幅器420p、コンデンサ421p、抵抗422
p,423p及びスイッチ424pから構成される(振
動検出装置45yのDCカットフィルタについても同
様)。そして、このDCカットフィルタ48pの特性を
0.1Hz以下の周波数をカットする特性に設定する為に
は、例えばコンデンサ421pを10μF、抵抗422
pを160kΩとする。
【0038】尚、抵抗423pの抵抗値を例えば 1.6k
Ωとすると、スイッチ424pが閉じている時にはこの
DCカットフィルタ48pは10Hz以下の周波数をカ
ットし、スイッチ424pを開放すると、 0.1Hz以下
の周波数をカットする特性になるので、前述した様にカ
メラのメインスイッチがオンされてから例えば 0.1秒経
過するまでは、前記スイッチ424pを閉じておく事で
早期にDC成分のカットが可能になる。
【0039】ところで、図19の回路構成において、コ
ンデンサ421pに10μFと云う大容量のコンデンサ
を使用している為に、回路が相当大きくなってしまい、
またコストも高くなる問題が有った。更にこの様にDC
カットフィルタ48pを構成すると防振の精度も低下す
る問題がある。この事を、図20(a),(b)を用い
て説明する。
【0040】図20は図19のDCカットフィルタ48
pの周波数特性を概念的に示しており、線分425は、
DCカットフィルタ48pに入力する信号に対する出力
信号の比率(利得)を示しており、線分426は、同様
に入力信号に対して出力する信号の位相を示している。
【0041】線分425を見ると、 0.1Hzを境にそれ
より低周波数では利得が減少しているが、これによりこ
の周波数以下の信号の出力が減衰され、DCカット特性
を得られる事がわかる。
【0042】防振を精度よく行う為には振動検出装置の
信号をなるべく位相ずれ無く補正手段に入力する必要が
あるが、線分426を見ると、手振れの主帯域以下の1
〜10Hzにおいて特に低周波側では位相が進んでしま
っており、精度良い防振が出来ていない。
【0043】防振精度を向上させる為には、例えば現状
の 0.1Hz以下の周波数をカットするDCカットフィル
タを 0.01 Hzをカットする特性に変更すれば良い。し
かしながらこの様にすると、コンデンサ421pの容量
を例えば100μFに増やす(或いは、抵抗422pを
1.6MΩに大きくする)必要があり、回路規模,ノイズ
の面から考えても好ましくない。
【0044】この様に現状のDCカットフィルタはコン
デンサが大きく、小型化,低コスト化に不向きであり、
更に防振精度を低下させてしまうといった問題があっ
た。
【0045】(発明の目的)本発明の目的は、オフセッ
ト信号を除去する為の回路を大きくすることなく、又振
れ信号に重畳する高周波成分を除去し、精度の良い振れ
信号を出力することのできる振れ信号出力装置を提供し
ようとするものである。
【0046】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1,3〜11記載の本発明は、振動を検出す
る振動検出手段と、記憶手段と、前記振動検出手段から
の第1の信号と前記記憶手段からの第2の信号を差動出
力して第3の信号を出力する差動手段と、前記第3の信
号から高周波成分を減衰させ、第4の信号を出力するロ
ーパスフィルタとを有し、前記記憶手段に前記第4の信
号を記憶させることで、前記第1の信号に重畳するオフ
セット信号成分を除去して前記第3の信号を求める振れ
信号出力装置とするものである。
【0047】同じく上記目的を達成するために、請求項
2〜11記載の本発明は、振動を検出する振動検出手段
と記憶手段と、該振動検出手段からの第1の信号から高
周波成分を減衰させ第4の信号を出力するローパスフィ
ルタと、前記第4の信号を記憶して第2の信号を出力す
る記憶手段と、前記第2の信号と前記第1の信号を差動
出力して前記第1の信号に重畳するオフセット成分を除
去した第3の信号を出力する差動手段とを有する振れ信
号出力装置とするものである。
【0048】同じく上記目的を達成するために、請求項
12〜15記載の本発明は、振動を検出して第1の信号
を出力する振動検出手段と、高周波を減衰させる複数の
ローパスフィルタと、該複数のローパスフィルタの出力
の何れかを第4の信号として選択出力する選択手段と、
前記第1の信号と前記第4の信号を差動出力して第3の
信号を出力する差動手段とを有し、前記第3の信号を前
記ローパスフィルタに入力する事で、前記第1の信号に
重畳するオフセット成分を除去して前記第3の信号を求
める振れ信号出力装置とするものである。
【0049】同じく上記目的を達成するために、請求項
16〜18記載の本発明は、振動を検出して第1の信号
を出力する振動検出手段と、高周波を減衰させ、第4の
信号を出力する第1のローパスフィルタと、前記第1の
信号と前記第4の信号を差動出力して第3の信号を出力
する差動手段と、前記第3の信号の高周波成分を減衰さ
せて第5の信号を出力する時定数変更可能な第2のロー
パスフィルタとを有し、前記第5の信号を前記第1のロ
ーパスフィルタに入力する事で、前記第1の信号に重畳
するオフセット成分を除去して前記第3の信号を求める
振れ信号出力装置とするものである。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
【0051】図1は本発明の実施の第1の形態に係るカ
メラの回路構成を示すブロック図であり、本実施の形態
に係る部分のみを示し、カメラの他の要素については説
明を簡単にする為に省いてある。
【0052】図1において、カメラマイコン11(図1
5のマイコン411と同じ構成である)は、メインスイ
ッチ114のオン信号が入力されると撮影鏡筒を沈胴状
態から撮影可能光学系の状態まで繰り出し、同時にレン
ズバリアを開ける。又この際、振動検出用機構部19a
及び振動検出用回路部19bより成る振動検出装置19
も起動させる。
【0053】撮影モード入力部材112からは撮影者に
て選択された撮影モードがカメラマイコン11に入力さ
れる。撮影モードとしては、例えば動き回る被写体を撮
影する時に適したスポーツモード、人物をアップで撮影
するのに適したポートレートモード、被写体をクローズ
アップして撮影するのに適したマクロモード、夜景を撮
影するのに適した夜景モードを有している。
【0054】ストロボモード入力部材111からはスト
ロボモードがカメラマイコン11に入力される。ストロ
ボモードとしては、ストロボを使用しないストロボオフ
モード、強制的にストロボを発光させるストロボオンモ
ード、被写体の輝度や光線の方向等でストロボを発光さ
せるか否かを制御するストロボオートモードが有り、
又、ストロボ発光時に赤目緩和機能を動作させるか否か
を決める事が可能となっている。
【0055】防振スイッチ18からは撮影者によって決
められた撮影時に振れ補正を行うか否かの情報がカメラ
マイコン11に入力される。ズーム操作部材15からは
撮影者の操作に応答したズーム信号がカメラマイコン1
1に入力され、該カメラマイコン11はズーム駆動装置
16を制御して撮影焦点距離を変更させる。
【0056】上記撮影焦点距離が決定されると、撮影者
によりレリーズボタンであるところの部材113の半押
し(sw1のオン)がなされるが、この半押しのタイミ
ングで測距装置13は被写体までの距離を測定してその
情報(測距情報)をカメラマイコン11に出力し、該カ
メラマイコン11は測距情報に基づいてAF駆動装置1
15を制御して撮影鏡筒の一部或いは全部を駆動して撮
影光学系の焦点調節を行う。
【0057】この時、振動検出装置19からの振れ情報
もA/D変換器117を介してカメラマイコン11に入
力され、該カメラマイコン11はその振れ状態からカメ
ラが手持ちなのか或いは三脚や地面に固定されているか
を判別する。
【0058】又、測光装置12からは被写体輝度がカメ
ラマイコン11に入力される。カメラマイコン11はそ
の情報とフィルム感度や種類、防振システムの使用状
態、撮影焦点距離及びその時のレンズの明るさ、撮影モ
ード、振れ補正の選択、被写体までの距離情報、振れ情
報等、今までに決定された撮影情報を基に露光時間を演
算すると同時に、閃光装置17を使用するか否かを決め
る。
【0059】レリーズ部材113の押し切り(sw2の
オン)が行われると、カメラマイコン11は振動検出装
置19からの信号を基に補正手段110を制御して振れ
補正を始める。その後、シャッタ駆動装置14を制御し
てフィルムへの露光を行い、状況に応じて閃光装置17
を発光させる。
【0060】116は振動検出装置19及びその信号を
処理してオフセット信号を除去するアナログ信号処理回
路(後述する116a〜116gより成る)で構成され
る振動検出ユニットであり、振動検出装置19の出力に
重畳するオフセット成分とノイズ成分をカットしてA/
Dコンバータ117に出力する。A/Dコンバータ11
7は振動検出ユニット116の信号をサンプリングして
カメラマイコン11に送る。
【0061】ここで、振動検出ユニット116における
振動検出装置19からの信号のオフセット信号の除去方
法は、図11で説明した様に周波数特性を持つフィルタ
を利用しているのではなく、以下の構成になっている。
【0062】振動検出用機構部19aで検出した信号は
振動検出用回路部19bで処理され、角速度信号となっ
て差動器116aで後述するオフセット抽出成分と引き
算される。この差動器116aの信号はA/D変換され
ると共にローパスフィルタ116bに入力され、ローパ
スフィルタ116bの信号は比較器116cに入力され
る。比較器116cは、ローパスフィルタ116bの入
力信号と基準信号116dの比較を行う。基準信号11
6dは振動検出用回路部19bに入力される電源電圧の
略半分であり、これは振動検出装置19の信号出力範囲
の中心値である。又、この基準信号は、その後カメラマ
イコン11内でディジタルフィルタでDC除去、積分を
行う時の基準にもなっている。
【0063】前記比較器116cは、ローパスフィルタ
116bの信号が基準信号に対して大きい時(プラスの
オフセット電圧がある時)は“H”信号を、基準信号1
1dに対して小さい時(マイナスのオフセット電圧があ
る時)は“L”の信号をクロックゲート116eに出力
する。クロックゲート116eは、リセット端子116
hからクロック信号が入力している時には比較器116
cからの信号をアップダウンカウンタ116fに送る。
【0064】アップダウンカウンタ116fは、クロッ
クゲート116eからの信号が“H”の時には1クロッ
ク毎にカウントを1ビットアップさせ、“L”の時には
カウントを1ビットダウンさせる。D/Aコンバータ1
16gは、アップダウンカウンタ116fの出力に応じ
た信号をアナログ出力をし、例えば1ビットカウントが
アップすればプラス2mVを差動器116aに出力す
る。
【0065】上記振動検出用回路部19bと差動器11
6a,ローパスフィルタ116b,比較器116c,基
準信号116d,クロックゲート116e,アップダウ
ンカウンタ116f,D/Aコンバータ116gは一つ
の回路にIC化されており、振動検出用機構部19aを
近傍に配置して、コンパクトなユニットになっている。
【0066】以上のような構成において、初めにカメラ
のメインスイッチ114がオンされると、振動検出ユニ
ット116が動作を始め、振動検出用機構部19aと振
動検出用回路部19bの関連により振れ角速度の検出が
始まる。
【0067】今、説明の為に手振れ等の振動が少ない状
態を想定すると、この時振動検出装置19の出力は、動
作開始から図2(a)の波形121のように変化してい
き、最終的にオフセットV1 となる。ここで動作開始直
後から時間T0 迄の間において信号が大きく変動してい
る。これは、振動検出装置19として、例えば公知の振
動ジャイロを用いた時にはその振動が安定する迄の信号
の変動であり、角加速時計を用いた場合においては回路
が安定するまでの信号変動である。その為にこの期間に
DCオフセット除去動作を行っても、精度良いDC除去
は出来ない。
【0068】よって、振動検出用機構部19a,振動検
出用回路部19bの動作開始からT 1 (例えば 0.1秒)
時間を経過してからT2 時間まで、カメラマイコン11
はリセット端子116hを介してクロック信号をクロッ
クゲートに出力する。
【0069】差動器116aの出力は初めはT1 時間に
おける信号オフセットV1 を発生している為に比較器1
16cは“H”信号を出力し、クロックゲートに1クロ
ック入力される度に差動器116aに入力されるD/A
コンバータ116gの信号は増加する。その為に差動器
116aの信号のオフセット成分はクロックが増す毎に
減少していき(波形122)、最後にはD/Aコンバー
タ116gの最小分解能(例えば2mV)の範囲で差動
器116aの信号がクロックに合わせて交番変動する
(矢印123)。
【0070】このクロックの周波数は、図2(b)に示
した様に、クロック124の周波数は初めは高く(第1
群125)、後に低く(第2群126)している。クロ
ック周波数を高くする事で、初めに大まかにオフセット
除去を行い、その後にクロック周波数を低くして安定し
たオフセット除去を行う事ができ、これによってオフセ
ット除去の為に要する時間を短くしている。
【0071】T2 時間になるとカメラマイコン11はク
ロック信号の出力を止める為に、D/Aコンバータ11
6gから差動器116aに出力される信号はクロック信
号が出力を止めた時点の信号に固定される。これによ
り、図2(a)に示した矢印123での信号の変動はな
くなり、オフセット成分はV2 に減少する。
【0072】ここで、図15で説明した従来のDCカッ
トフィルタ48pにおいては、最終的にはオフセット成
分はゼロに出来るのに対して、本方式ではオフセットは
僅か(V2 )ではあるが残ってしまう欠点がある。しか
しながら、その信号はカメラマイコン11内のディジタ
ル演算によるDCカットフィルタ414pで除去される
ので、防振性能上問題になる事は無い。
【0073】最終的にカメラマイコン11でオフセット
除去を行うのに、振動検出ユニット116でもオフセッ
ト除去を行わなくてはならない理由を以下に述べる。
【0074】今、振動検出ユニット116でオフセット
の除去を行わない場合を考える。振動検出装置19の出
力はA/D変換してカメラマイコン11に取り込む前
に、相当ハイゲインの増幅を行う。これは振動検出装置
19の検出する手振れ成分の出力が極めて小さい事によ
るが、その為に信号に重畳するオフセット成分により増
幅器の信号が飽和してしまう恐れがある。よって、この
飽和を防ぐ目的で増幅前に、振動検出装置19の信号オ
フセットをある程度まで減少させておく必要がある。
【0075】図1の構成においては、図2(a)に示す
様に、オフセット成分V1 がV2 に減少しており、これ
により、ローパスフィルタ116bの信号が飽和してし
まう事を防ぐ事ができる。
【0076】実際の振動検出装置19の出力は、図2
(a)の波形121の様にきれいでは無く、図3に示す
波形127の様に手振れによる信号も含まれている。そ
の為にT2 時間でカメラマイコン11がクロックの出力
を止めた時における手振れ出力分だけオフセット信号V
3 が残ってしまうが(波形128)、初めのオフセット
成分V1 に比べれば十分小さいオフセットであり、ロー
パスフィルタ116b上の信号の飽和は防ぐ事ができ
る。
【0077】以上説明した様な方式によるオフセット成
分の除去では、図19に示した従来のDCカットフィル
タの様に大容量のコンデンサを必要としない為に回路を
相当小型化でき、又、コンデンサ,抵抗から構成される
時定回路が無い為に、手振れ周波数帯域における位相ず
れが原因となる防振精度劣化の恐れが無いといったメリ
ットが生まれる。
【0078】図1において、振動検出ユニット116の
出力はコンパレータ118にも入力されている。上述し
た様な振動検出ユニット116の構成により、通常は差
動器116aの飽和は防ぐ事ができる。しかしながら、
DC成分抽出時に振動検出用回路部19bの出力にノイ
ズが重畳していた為に正しいオフセット除去ができなか
った時や、DC成分抽出時にカメラに大きな振動(例え
ばパンニングによる)が加わった為に正しいオフセット
除去ができなかった時は、差動器116aの出力は飽和
か或いはそれに近い状態になる事も予想される。このよ
うな時への対策として、該コンパレータ118が設けら
れている。
【0079】このコンパレータ118は、差動器116
aの信号が所定範囲を超えた時、或いは、所定範囲を一
定期間継続して超えている時(例として 0.5秒信号が1
Vから3Vの範囲に無い時)は、カメラマイコン11に
信号を出力する。カメラマイコン11は、コンパレータ
118の出力を受けると、再度振動検出ユニット116
のリセット端子116hにクロック信号を一定時間出力
する。この様な構成にする事で、万一差動器116aが
飽和に近い状況になった時にでも、再度オフセット除去
動作が行われ、飽和を回避する事ができる。
【0080】尚、図1では、コンパレータ118をカメ
ラマイコン11の外側に設けているが、それに限られる
ものではなく、例えばA/Dコンバータ117でA/D
変換し、カメラマイコン11に取り込んだ信号が一定時
間以上,一定範囲に無い時には再度クロック信号を発生
させるようにして、上記コンパレータ118を省いても
良い。
【0081】この様に信号が飽和するような大きなオフ
セットがあった時には、再度オフセット除去動作させる
時にも、そのクロック信号は図2で説明した様式と同様
に、初めはクロック周波数を高くして大まかにオフセッ
ト除去を行い、次にクロック周波数を低くして安定した
オフセット除去動作を行う様にしている。
【0082】上記の様な構成でオフセット除去を行う
と、図19のようなアナログ回路が不用になる為に制御
回路全体をコンパクトに出来る。
【0083】ここで、ローパスフィルタ116bの役割
について説明する。
【0084】図3に手振れの状態を波形127で示した
が、この波形にはさらに高周波の成分が含まれている。
これらは手振れの中での高周波成分と振動検出装置19
に重畳するノイズによるものである。そして、それらの
高周波成分によってオフセット除去精度が変わってく
る。
【0085】図4はその事を説明する為の図であり、波
形129は波形127に高周波の成分が重畳している事
を示している。
【0086】ここで、T1 時間でカメラマイコン11が
クロックゲート116eにクロック信号を入力し始める
と、クロック信号の入力の度に差動器116aに入力す
るD/Aコンバータ116gの値が変化して行く。これ
は、このクロックの入力毎に新しい減算値が記憶されて
いる為である。この減算値は振動検出装置19に重畳す
るオフセット成分と同じ値になれば完全にオフセット成
分を除去できるのであるが、実際には波形129の様に
高周波の信号が重畳している為にクロック信号が入力し
てきた時がたまたまその高周波信号の山や谷のタイミン
グと一致すると、減算値は実際オフセット信号とは異な
るものになってしまう。
【0087】その為にクロック信号の入力の度に差動器
116aの信号は波形128の様に大きく変動してしま
い、最終的にT2 時間でクロック信号が停止した時のオ
フセット除去精度は大きく劣化してしまう。
【0088】ローパスフィルタ116bは、例えば1H
z以上の高周波を減衰する特性を有している。これは手
振れは大体1Hzから10Hz位の帯域に分布してお
り、この手振れ成分を除去してより低周波の成分である
オフセット信号を抽出する為である。よって、ローパス
フィルタ116bを通った信号は手振れの高周波成分や
ノイズは除去され、比較器116cでは正しいオフセッ
ト信号値と基準信号116dを比較できる。その為に差
動器116aに入力する減算値は正確なオフセット成分
になり、T1 時間経過時には精度良いオフセット信号の
除去が可能である。
【0089】ここで、振動検出装置19の高周波成分を
除去する為には、図5の様な構成も考えられる。
【0090】図5では、ローパスフィルタ116bが、
差動器116aとA/Dコンバータ117の間に入って
いる。この場合でも振動検出装置19の高周波成分は除
去できる。しかしながら、ローパスフィルタ116bで
はオフセット成分の抽出の為に手振れの信号も除去して
しまっているので、A/Dコンバータ117には正しい
手振れ信号が入力されない。
【0091】よって、図5のレイアウトで防振システム
を構築する事はできず、高精度の防振システムの為に
は、図1の様に、メインの信号の流れ(振動検出装置1
9→差動器116a→A/Dコンバータ117→カメラ
マイコン11)から外してローパスフィルタ116aを
設定しなくてはならない(図1では、負帰還ループにロ
ーパスフィルタ116aを配置している)。
【0092】1Hzより高周波を減衰させる特性の様な
時定数に大きいローパスフィルタは、その起動から安定
までに時間がかかる事が問題となる。
【0093】図2(a)で説明した様に、カメラマイコ
ン11からのクロック信号出力はT 1 時間まで待機して
いる。これは、前述した様にそれまで振動検出装置19
の出力信号が安定しない為である。ここで、更にローパ
スフィルタ116bの安定時間を考慮すると、クロック
信号の出力をT1 時間より遅くする必要があり、好まし
くない。
【0094】図1では、カメラマイコン11からローパ
スフィルタ116bに時定数切換え信号が入力してお
り、ローパスフィルタ116bの起動時にその時定数を
切換えて早期に安定させている。
【0095】図6は上記ローパスフィルタ116bの回
路構成の一例であり、該ローパスフィルタ116bは、
演算増幅器116i、抵抗116m,116n、コンデ
ンサ116j、スイッチ116kで構成されている。
【0096】前記スイッチ116kが閉じている時に
は、抵抗116mと116nは並列抵抗になり、抵抗値
は低くなる。その為に抵抗とコンデンサ116jで求ま
るローパスフィルタ116bの時定数は小さくなり、該
ローパスフィルタ116bの出力が安定するまでの時間
は短くなる。しかし、この様に時定数の小さいローパス
フィルタは安定までの時間は短いものの、高周波減衰能
力は低くなるので手振れの中でも高周波の成分は除去さ
れずに残ってしまう。
【0097】上記スイッチ116kが開放している時
は、時定数は抵抗116mとコンデンサ116jのみで
求まり、大きい時定数になる。この場合はローパスフィ
ルタ116bの安定までの時間はかかる事になるが、該
ローパスフィルタ116bの効果は大きくなる。
【0098】そこで、ローパスフィルタ116bの立ち
上げ当初はスイッチ116kを閉じておく事で早期に安
定させ、その後にスイッチ116kを開放して、該ロー
パスフィルタ116bの効果を高めるようにしている。
【0099】カメラマイコン11からローパスフィルタ
116bに入力する信号はスイッチ116kのオン,オ
フを制御する事でローパスフィルタ116bの早期安定
性と該ローパスフィルタの効果を両立させている。
【0100】カメラのメインスイッチ114がオンされ
ると、振動検出装置19に電源が投入されて角速度検出
が開始される。この時、ローパスフィルタ116bのス
イッチ116kは閉じた状態にしておき、早期安定を図
る。その後にある程度振動検出装置19の出力が安定し
てきた所で上記スイッチ116kを開放させ、ローパス
フィルタの効果を高める。そして、カメラマイコン11
はクロックゲート116eにクロック信号を出力してオ
フセット成分の除去を始める。
【0101】この様にオフセット成分の除去を始める前
にローパスフィルタ116bの時定数切換えを行い、該
ローパスフィルタ116bを安定状態にしておく。
【0102】ここで、オフセット除去精度と防振精度に
ついて考えてみる。
【0103】オフセット除去精度が低いと防振精度は悪
くなる訳であるが、露光時間が短い時には防振精度があ
る程度低くても像面への影響は少ない。そこで、露光時
間が短い時にはローパスフィルタ116bのスイッチ1
16kを閉じた状態にしておいても像面への影響は少な
い。反対にスイッチ116kを閉じたままにしておく事
で、カメラマイコン11からクロックゲート116eに
出力するクロック信号の周波数を高くする事ができ、オ
フセット除去までの時間を短くしてシャッタチャンスに
強くできる。
【0104】スイッチ116kを閉じておくと、前述し
た様にローパスフィルタ116bの時定数は小さくな
り、この時「差動器116a→ローパスフィルタ116
b→クロックゲート116e→アップダウンカウンタ1
16f→D/Aコンバータ116g→差動器116a」
の閉じたループの安定度は高まるのでクロック周波数を
高くすることができる。反対にスイッチ116kを開放
すると、このループの中に時定数の大きいブロックが入
る事になるのでクロック周波数を高くすると発振が生じ
てしまうので、あまりクロック周波数を高くする事がで
きない。
【0105】この様にローパスフィルタ116bの時定
数を大きくするとオフセット除去精度は高まるが、オフ
セット除去までの時間は必要になり、時定数を小さくす
るとオフセット除去までの時間は早くできるが、オフセ
ット除去精度が低くなる関係になっている。
【0106】そこで、露光時間が短い時の様にオフセッ
ト除去精度をあまり高く必要としない時はローパスフィ
ルタ116bの時定数を小さくし、オフセット除去まで
の時間を短くしている。又、実際の露光時間ばかりで無
く、露光時間が長くならない撮影モード(例えばスポー
ツモード)の時には時定数を小さくしても良い。
【0107】図7は、以上のカメラマイコン11の動作
を説明する為のフローチャートであり、このフローはカ
メラのレリーズ部材113が半押しされ、被写体の輝度
が測光された後にスタートする。又ローパスフィルタ1
16bのスイッチ116kは閉じた状態にある。
【0108】まず、ステップ#1001において、振動
検出ユニット116に電源を印加して動作を開始させ、
振動検出用機構部19a,振動検出用回路部19bに手
振れ角速度検出を行わせる。そして、次のステップ#1
002において、撮影モードがスポーツモードか否かを
判定し、スポーツモードであればステップ#1003へ
進み、そうでない時はステップ#1004へ進む。これ
は、スポーツモードの時はシャッタチャンスを優先させ
る為にオフセット除去の時間を短くする為である。
【0109】ステップ#1003へ進んだ場合、ここで
被写体輝度から求めた撮影露光時間が例えば1/30秒
よりも短いか否かを判定し、長い場合はステップ#10
08へ進み、そうでない時はステップ#1004へ進
む。尚、この判定は露光時間ばかりで無く撮影焦点距離
も加味しても良く、例えば撮影焦点距離が200mmの時
は1/60秒より露光時間が長いとステップ#1008
へ進むが、撮影焦点距離が30mmの時は露光時間が1/
8秒より長い時にステップ#1008へ進むようにして
も良い。
【0110】この様に、露光時間が短い時は厳しいオフ
セット除去精度を要求されない為にステップ#1004
から始まるオフセット除去スピードの速いフローにシー
ケンスが流れ、露光時間が長い時は高いオフセット除去
が求められるので、ステップ#1008から始まるオフ
セット除去精度の高いフローにシーケンスが流れる。
【0111】ステップ#1004においては、タイマt
をスタートさせ、次のステップ#1005において、T
1 時間(例えば 0.1秒)待機してステップ#1006へ
進む。これは、図2で説明したように、振動検出装置1
9の駆動初期にはオフセット成分の大きな変動がある為
に、オフセット成分の抽出誤差を避ける為である。
【0112】次のステップ#1006においては、カメ
ラマイコン11からクロックゲート116eにクロック
信号f1 の出力を始める。このクロック信号f1 は図2
(b)で示した様に、始めに高周波のクロック(第1
群)を出力してオフセットをザッと除去し、次いで低周
波のクロック(第2群)を出力して残りのオフセット除
去を行う。
【0113】ステップ#1007においては、上記ステ
ップ#1004で動作を始めたタイマがT2 時間(例え
ば 0.2秒)になるまで待機し、その後にステップ#10
14へ進む。ステップ#1014においては、カメラマ
イコン11はクロックの出力を止める。そして、ステッ
プ#1015において、図6のスイッチ116kは閉で
あるのでこのままフローを終了する。
【0114】また、ステップ#1008においては、タ
イマtをスタートさせる。そして、次のステップ#10
09において、T2 時間(例えば 0.8秒)待機してステ
ップ#1010へ進み、ここでは図6のスイッチ116
kを開放して、ローパスフィルタ116bの時定数を大
きくする。続くステップ#1011においては、T3
間(例えば 0.2秒)待機し、ステップ#1012へ進
む。これにより、早期にローパスフィルタ116bの高
周波減衰能力を高める事ができる。
【0115】ステップ#1012においては、カメラマ
イコン11からクロックゲート116eにクロック信号
2 の出力を始める。このクロック信号f2 は図2
(b)で示した様に、始めに高周波のクロック(第1
群)を出力し、次いで低周波のクロック(第2群)を出
力するのではなく、初めから低周波のクロックのみ出力
する。これは、前述した様にオフセット除去ループに大
きい時定数のローパスフィルタが入っているので、高周
波のクロックを入力するとループが発振してしまう為で
ある。
【0116】次のステップ#1013においては、上記
ステップ#1008で動作を始めたタイマtがT4 (例
えば 0.4秒)になるまで待機し,その後ステップ#10
14へ進み、ここではカメラマイコン11はクロックの
出力を止める。これにより、ローパスフィルタ116b
からの第1の信号に重畳していたオフセット成分の除去
が終了する。
【0117】この様に、ステップ#1008から始まる
フローによるオフセット除去時間は、ステップ#100
4から始まるフローによるオフセット除去時間に比べて
長くなっているが、その分オフセット除去精度を高める
事ができ、露光時間が長く、高い防振精度が求められる
時には有効である。
【0118】次のステップ#1015においては、前述
した様に、図6のスイッチ116kを閉じてローパスフ
ィルタ116kの時定数を元に戻し、フローを終了す
る。
【0119】図1の構成においては、オフセット除去の
為の記憶手段として、クロックゲート116e,アップ
ダウンカウンタ116f,D/Aコンバータ116gを
用いてきたが、これに限られるものではなく、記憶手段
として公知のサンプル&ホールド回路を用いても良い。
【0120】図8はその一例を示すブロック図であり、
ローパスフィルタ116bの出力はサンプル&ホールド
(SH)回路116pに入力され、その出力が差動器1
16aに入力される。
【0121】カメラマイコン11がホールド信号をサン
プル&ホールド回路116pに出力すると、該サンプル
&ホールド回路116pはローパスフィルタ116bの
信号をホールドする。
【0122】そこで、振動検出ユニット116の起動時
は、カメラマイコン11はサンプル&ホールド回路11
6pにサンプリング信号を出力してローパスフィルタ1
16bの信号のサンプリングを継続させ、次いでローパ
スフィルタ116bの時定数を切換えて大きくする。そ
れからカメラマイコン11はサンプル&ホールド回路1
16pにホールド信号を出力して、該サンプル&ホール
ド回路116pにローパスフィルタ116bの信号を記
憶させる。これによって、差動器116aには振動検出
装置19に重畳するオフセット成分が入力される事にな
るので、その出力からはオフセット成分が除去できる。
【0123】また、回路構成としては図9の様にしても
良い。
【0124】図9では、振動検出装置19の出力が直接
ローパスフィルタ116bに入力され、その出力をサン
プル&ホールド回路116pが記憶する構成になってい
る。そして、記憶したオフセット成分を差動器116a
で元の振動検出装置19の出力から引く事でオフセット
除去を行っている。
【0125】この場合でも、カメラマイコン11は始め
はサンプル&ホールド回路116pにローパスフィルタ
116bの信号のサンプリングを続けさせ、次いでロー
パスフィルタ116bの時定数を切換えた後に、該サン
プル&ホールド回路116pにローパスフィルタ116
bの信号をホールドさせる。
【0126】上記の実施の第1の形態によれば、振動を
検出する振動検出装置19と、クロックゲート116
e,アップダウンカウンタ116f,D/Aコンバータ
116gで構成される記憶手段と、前記振動検出装置1
9からの信号(第1の信号とも記す)と前記記憶手段か
らの信号(第2の信号とも記す)を差動出力して第3の
信号を出力する差動器116aと、前記第3の信号から
高周波成分を減衰させ、第4の信号を出力するローパス
フィルタ116bとを有し(図1参照)、前記記憶手段
に前記第4の信号を記憶させ、前記第1の信号に重畳す
るオフセット成分を除去して前記第3の信号を求める装
置(振れ信号出力装置)を構成するか、或いは、前記第
1の信号から高周波成分を減衰させ第4の信号を出力す
るローパスフィルタ116bと、サンプル&ホールド回
路116pで構成され、前記第4の信号を記憶して第2
の信号を出力する記憶手段と、前記第2の信号と前記第
1の信号を差動出力して第1の信号に重畳するオフセッ
ト成分を除去した第3の信号を出力する差動器116a
とを有する装置を構成(図8)するようにしている。
【0127】また、前記ローパスフィルタ116bの高
周波減衰開始周波数は手振れ周波数帯域との関係から
0.1〜1Hzに設定される。又、ローパスフィルタ11
6bは時定数を可変に設定され、該ローパスフィルタ1
16bの時定数切換えは記憶手段が第4の信号を記憶す
る以前に小から大に切換えられるようにしている。更
に。前記ローパスフィルタ116bの時定数は、カメラ
の撮影モード或いは露光時間で切換えるようにしてい
る。詳細には、露光時間が短い時或いは撮影モードが露
光時間の制限を行うモードの時は、前記ローパスフィル
タ116bの時定数を小さく設定するようにしている。
【0128】これらによって、従来の様にオフセット除
去の為の回路を大型化する事無く、又、記憶前の信号に
重畳する高周波成分をローパスフィルタでカットできる
ので、精度良いオフセット除去が可能になる。
【0129】(実施の第2の形態)図10は本発明の実
施の第2の形態に係るカメラの主要部分の構成を示すブ
ロック図であり、図1と同じ部分は同一の符号を付して
ある。
【0130】図1と異なるのは、三つの異なる時定数の
ローパスフィルタ116q,116r,116sを設け
た点である。
【0131】差動器116aからの信号は、各々ローパ
スフィルタ116q,116r,116sに入力され、
高周波を減衰させられる。前記ローパスフィルタ116
qは、例えば 0.5Hz以上の周波数を減衰させる特性を
有しており、オフセット成分の抽出精度は高いが、ロー
パスフィルタの立ち上がり安定性は遅い。前記ローパス
フィルタ116rは、例えば2Hz以上の周波数を減衰
させる特性を有しており、適切なオフセット成分の抽出
精度と適切なローパスフィルタの立ち上がり安定性を有
している。また、前記ローパスフィルタ116sは、例
えば10Hz以上の周波数を減衰させる特性を有してお
り、ローパスフィルタの立ち上がり安定性は速いが、オ
フセット成分抽出精度は低い。
【0132】各々のローパスフィルタ116q,116
r,116sの出力は共に選択回路116tに入力さ
れ、該選択回路116tはカメラマイコン11からの指
示によって露光時間や撮影モード等の撮影状況に合わせ
て三つのローパスフィルタの中から一つを選択して比較
器116cに接続する。
【0133】例えば露光時間が極めて長い時には、オフ
セット除去精度を求められるので、ローパスフィルタ1
16qを選択し、通常はローパスフィルタ116rを選
択、露光時間が短い時には、ローパスフィルタ116s
を選択することで、シャッタチャンスに強くしている。
【0134】この様に、複数のローパスフィルタを持つ
構成は、図11の様に、サンプル&ホールド回路116
pを用いた場合でも適用できる。
【0135】図11において、振動検出用回路部19b
の出力信号は各々ローパスフィルタ116q,116
r,116sに入力される。なお、各ローパスフィルタ
の特性は図10の場合と同じである。そして、それらの
信号は選択回路116tに入力され、カメラマイコン1
1はカメラの露光時間に応じてローパスフィルタ116
q,116r,116sから一つを選んでサンプル&ホ
ールド回路116pに出力する。サンプル&ホールド回
路116pは撮影準備完了と同時に選択されたローパス
フィルタからの信号をホールド(記憶)し、差動器11
6aからはオフセット成分が除去された信号が出力され
る。
【0136】以上の実施の第2の形態によれば、第1の
信号を出力する振動検出装置19と、高周波を減衰させ
る複数のローパスフィルタ116q,116r,116
sと、これら複数のローパスフィルタの出力の何れかを
選択して第4の信号を出力する選択回路116tと、前
記第1の信号と前記第4の信号を差動出力して第3の信
号を出力する差動器116aとを有し、前記第3の信号
をそれぞれローパスフィルタに入力する事で、前記第1
の信号に重畳するオフセット成分を除去して第3の信号
を求める装置(振れ信号出力装置)を構成(図10参
照)するか、或いは、振動検出装置19と、該振動検出
装置19からの第1の信号より高周波成分を減衰させる
複数のローパスフィルタ116q,116r,116s
と、これら複数のローパスフィルタの出力の何れかを第
4の信号として選択出力する選択回路116tと、前記
第1の信号と前記第4の信号を差動出力して第1の信号
に重畳するオフセット成分を除去した第3の信号を出力
する差動器116aとを有する装置を構成(図10参
照)するようにしている。
【0137】また、前記選択回路116tによりカメラ
の状態によって複数のローパスフィルタの中から選択さ
れる何れかの信号を第4の信号を記憶し、該記憶値を前
記差動器116aに出力する記憶手段(クロックゲート
116e,アップダウンカウンタ116f,D/Aコン
バータ116g又はサンプル&ホールド回路116p)
を有している。
【0138】これによって、上記の実施の第1の形態で
説明した効果のみならず、異なる時定数の複数のローパ
スフィルタを同時に駆動している為、状況に応じてすぐ
にローパスフィルタを選択し直しても直ちに適正な出力
が得られる効果を有する。
【0139】(実施の第3の形態)図12は本発明の実
施の第3の形態に係るカメラの回路構成を示すブロック
図であり、図1と同じ部分は同一符号を付してある。
【0140】振動検出用回路部19bからの信号は差動
器116aに入力し、その信号はカメラマイコン11に
制御される時定数可変のローパスフィルタ116uに入
力される。また、ローパスフィルタ116uの出力は、
コンパレータ118,A/Dコンバータ117及びロー
パスフィルタ116vに入力される。ローパスフィルタ
116vの信号は比較器116cに入力され、クロック
ゲート116e,アップダウンカウンタ116f,D/
Aコンバータ116g,差動器116aによってオフセ
ット除去される。
【0141】図1の実施の第1の形態と異なるのは、差
動器116aとコンパレータ118、A/Dコンバータ
117の間にローパスフィルタ116uが入っている
事、そしてそのローパスフィルタ116uの時定数が変
更可能な事である。
【0142】ローパスフィルタ116uの出力はA/D
コンバータ117でディジタル信号に変換されてカメラ
マイコン11に取り込まれる訳であるが、ここでローパ
スフィルタ116uの信号にノイズが多ければディジタ
ル信号化(符号化)に変換誤りが生ずる。その為にA/
D変換前にノイズを十分除去しておく必要がある。該ロ
ーパスフィルタ116uはその為の役割を果たしてお
り、差動器116aからの信号のノイズ除去を行う。
【0143】ここで、オフセット除去の為には前述した
ようにローパスフィルタ116uの時定数が大きい方が
好ましいが、防振の制御の為にはローパスフィルタ11
6uの時定数を大きくすると実際の手振れ信号まで減衰
してしまうので好ましくない。そこで、カメラマイコン
11はクロックゲート116e,アップダウンカウンタ
116f,D/Aコンバータ116g,差動器116a
がオフセット除去動作を行っている間は、ローパスフィ
ルタ116uの時定数を大きくし、オフセット除去が終
了するとその時定数を小さくする。
【0144】正確には振動検出装置19が駆動を開始し
てから所定時間(例えば 0.1秒)はローパスフィルタ1
16uの時定数を小さいままに保持しておき(例えば2
00Hz以上の高周波成分を除去する特性)、該ローパ
スフィルタ116uの早期安定を図り、その後にローパ
スフィルタ116uの時定数を大きくする(例えば5H
z以上の高周波成分を除去する特性)。
【0145】その後、所定時間待って(例えば時定数切
換えから 0.1秒)カメラマイコン11はクロックゲート
116eにクロック信号を出力してオフセット除去を開
始させる。そして、更に所定時間待って(例えばクロッ
ク信号出力から 0.2秒)クロック信号の出力を止めてオ
フセット除去動作を終了する。それからローパスフィル
タ116uの時定数を再び小さくして、A/Dコンバー
タ117には精度良い振れ信号を送る事ができる。
【0146】この様にオフセット除去を行っている最中
にはA/Dコンバータ117には手振れの高周波成分は
減衰していて入力されない。この事は次のメリットも生
じている。
【0147】即ち、オフセット除去中まではオフセット
信号がカメラマイコン11に入力される事になるが、こ
こで手振れの高周波成分が重畳しているとオフセット量
プラス高周波振れ量によってカメラマイコン11内の演
算信号が飽和(オーバーフロー)する恐れがある。一旦
オーバーフローすると、その回復までには時間がかかる
ので信号がオーバーフローし無い様な対策が必要である
が、この実施の形態の様にオフセット除去中はA/Dコ
ンバータ117には高周波の手振れは入力されない様に
(ローパスフィルタ116uで減衰)構成すれば、簡単
に対策をする事ができる。
【0148】また、ローパスフィルタ116vはローパ
スフィルタ116uの信号の高周波成分を更に減衰させ
ることでオフセット成分の抽出精度を高めている。勿論
ローパスフィルタ116uの時定数を更に大きく設定す
れば、このフィルタだけで十分オフセット成分の抽出精
度が高まるのでこの場合にはローパスフィルタ116v
を省いても良い。
【0149】又、ローパスフィルタ116uの時定数切
換えは行わない様にして、その時定数は手振れを劣化さ
せない程度の高周波減衰特性に設定し、逆にローパスフ
ィルタ116vの時定数を大きく設定してローパスフィ
ルタ116uとローパスフィルタ116vとの共同によ
ってオフセット成分の抽出精度を高めても良い。この場
合にはカメラマイコン11からの時定数切換え指示信号
が不要になる。
【0150】以上の実施の第3の形態によれば、振動を
検出して第1の信号を出力する振動検出装置19と、高
周波を減衰させ、第4の信号を出力する第1のローパス
フィルタ116vと、前記第1の信号と前記第4の信号
を差動出力して第3の信号を出力する差動器116a
と、前記第3の信号の高周波成分を減衰させて第5の信
号を出力する時定数変更可能な第2のローパスフィルタ
116uとを有し、前記第5の信号を第1のローパスフ
ィルタ116uに入力する事で、前記第1の信号に重畳
するオフセット成分を除去して第3の信号を求める装置
(振れ信号出力装置)を構成するようにしている。
【0151】また、前記第4の信号を記憶し、記憶値を
該前記差動器116aに出力する記憶手段を有すると共
に、カメラの状態によりゼンキ第2のローパスフィルタ
116uの時定数を変更する構成にしている。
【0152】これによって、従来の様にオフセット除去
の為の回路を大型化する事無く、又、記憶前の信号に重
畳する高周波成分をローパスフィルタでカットできるの
で、精度良いオフセット除去が可能になる。
【0153】(変形例)以上の実施の形態のソフト構成
とハード構成は、適宜置き換えることができるものであ
る。
【0154】また、本発明は、クレームまたは実施の形
態の構成の全体もしくは一部が、一つの装置を形成する
ようなものであっても、他の装置と結合するようなもの
であっても、装置を構成する要素となるようなものであ
ってもよい。
【0155】また、各請求項記載の発明または実施の各
形態の構成が、全体として一つの装置を形成する様なも
のであっても、又は、分離もしくは他の装置と結合する
様なものであっても、又は、装置を構成する要素のよう
なものであっても良い。
【0156】また、本発明は、レンズシャッタカメラに
適用した例を述べているが、一眼レフカメラやビデオカ
メラ等の種々の形態のカメラ、さらにはカメラ以外の光
学機器やその他の装置、更にはそれらカメラや光学機器
やその他の装置に適用される装置、又はこれらを構成す
る要素に対しても適用できるものである。
【0157】更に、本発明は、以上の実施の各形態、又
はそれらの技術を適当に組み合わせた構成にしてもよ
い。
【0158】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
オフセット信号を除去する為の回路を大きくすることな
く、又振れ信号に重畳する高周波成分を除去し、精度の
良い振れ信号を出力することができる振れ信号出力装置
を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの主要
部分の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の第1の形態において振れ検出開
始からオフセット成分除去がなされるまでのタイミング
チャートである。
【図3】図2(a)の出力波形を実際の振れ出力で示し
たタイミングチャートである。
【図4】図3の振れ出力に重畳する高周波成分について
説明する為の図である。
【図5】図1の回路構成に対しローパスフィルタの配置
が適切でない例を示すブロック図である。
【図6】図1等のローパスフィルタ116bの構成を示
す回路図である。
【図7】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの動作
の一部を示すフローチャートである。
【図8】図1の回路構成の一部を変更した例を示すブロ
ック図である。
【図9】同じく図1の回路構成の一部を変更した他の例
を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の第2の形態に係るカメラの主
要部分の構成を示すブロック図である。
【図11】図10の回路構成の一部を変更した例を示す
ブロック図である。
【図12】本発明の実施の第3の形態に係るカメラの主
要部分の構成を示すブロック図である。
【図13】防振システムを有した従来のコンパクトカメ
ラの外観図である。
【図14】図13のカメラの内部機構を示す斜視図であ
る。
【図15】図14の演算装置の内部構成を示すブロック
図である。
【図16】図13のカメラに具備される補正手段の正面
図である。
【図17】図16の矢印B方向より見た図及びA−A断
面を示す図である。
【図18】図16に示す補正手段の斜視図である。
【図19】図15に示すDCカットフィルタの構成を示
す回路図である。
【図20】図19の構成のDCカットフィルタの周波数
特性を示す図である。
【符号の説明】
11 カメラマイコン 18 防振スイッチ 19 振動検出装置 110 補正手段 112 撮影モード入力部材 113 レリーズ部材 114 メインスイッチ 116 振動検出ユニット 116b,116q〜116s,116u,116v
ローパスフィルタ 116p サンプル&ホールド回路 116t 選択回路 117 A/Dコンバータ 118 コンパレータ

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動を検出する振動検出手段と、記憶手
    段と、前記振動検出手段からの第1の信号と前記記憶手
    段からの第2の信号を差動出力して第3の信号を出力す
    る差動手段と、前記第3の信号から高周波成分を減衰さ
    せ、第4の信号を出力するローパスフィルタとを有し、
    前記記憶手段に前記第4の信号を記憶させることで、前
    記第1の信号に重畳するオフセット信号成分を除去して
    前記第3の信号を求めることを特徴とする振れ信号出力
    装置。
  2. 【請求項2】 振動を検出する振動検出手段と記憶手段
    と、該振動検出手段からの第1の信号から高周波成分を
    減衰させ第4の信号を出力するローパスフィルタと、前
    記第4の信号を記憶して第2の信号を出力する記憶手段
    と、前記第2の信号と前記第1の信号を差動出力して前
    記第1の信号に重畳するオフセット成分を除去した第3
    の信号を出力する差動手段とを有することを特徴とする
    振れ信号出力装置。
  3. 【請求項3】 前記記憶手段は、前記第4の信号が入力
    されるクロックゲートと、D/Aコンバータと、前記ク
    ロックゲートからの信号を基に前記D/Aコンバータの
    出力信号をアップ、ダウンさせるアップダウンカウンタ
    とで構成されることを特徴とする請求項1又は2記載の
    振れ信号出力装置。
  4. 【請求項4】 前記ローパスフィルタの高周波減衰開始
    周波数は、該振れ信号出力装置に加わる手振れの帯域の
    中で下限の周波数或いは手振れの周波数帯域より低く設
    定されることを特徴とする請求項1又は2記載の振れ信
    号出力装置。
  5. 【請求項5】 前記ローパスフィルタの高周波減衰開始
    周波数は、 0.1〜1Hzに設定されることを特徴とする
    請求項4記載の振れ信号出力装置。
  6. 【請求項6】 前記ローパスフィルタは、その時定数を
    可変に設定されることを特徴とする請求項1又は2記載
    の振れ信号出力装置。
  7. 【請求項7】 前記ローパスフィルタの時定数の切換え
    は、前記記憶手段が前記第4の信号を記憶する以前に行
    うことを特徴とする請求項6記載の振れ信号出力装置。
  8. 【請求項8】 前記時定数は、小から大に切換えられる
    ことを特徴とする請求項7記載の振れ信号出力装置。
  9. 【請求項9】 該振れ信号出力装置は光学機器に搭載さ
    れ、該ローパスフィルタの時定数は、前記光学機器の状
    態により切換えられることを特徴とする請求項6記載の
    振れ信号出力装置。
  10. 【請求項10】 前記光学機器の撮影モード或いは露光
    時間により、前記ローパスフィルタの時定数を切換える
    ことを特徴とする請求項9記載の振れ信号出力装置。
  11. 【請求項11】 前記光学機器の露光時間が短い時或い
    は前記光学機器の撮影モードが露光時間の制限を行うモ
    ードの時に、前記ローパスフィルタの時定数を小さくす
    ることを特徴とする請求項10記載の振れ信号出力装
    置。
  12. 【請求項12】 振動を検出して第1の信号を出力する
    振動検出手段と、高周波を減衰させる複数のローパスフ
    ィルタと、該複数のローパスフィルタの出力の何れかを
    第4の信号として選択出力する選択手段と、前記第1の
    信号と前記第4の信号を差動出力して第3の信号を出力
    する差動手段とを有し、前記第3の信号を前記ローパス
    フィルタに入力する事で、前記第1の信号に重畳するオ
    フセット成分を除去して前記第3の信号を求めることを
    特徴とする振れ信号出力装置。
  13. 【請求項13】 振動を検出する振動検出手段と、該振
    動検出手段からの第1の信号から高周波成分を減衰させ
    る複数のローパスフィルタと、該複数のローパスフィル
    タの出力の何れかを第4の信号として選択出力する選択
    手段と、前記第1の信号と前記第4の信号を差動出力し
    て前記第1の信号に重畳するオフセット成分を除去した
    第3の信号を出力する差動手段とを有することを特徴と
    する振れ信号出力装置。
  14. 【請求項14】 前記第4の信号を記憶し、この記憶値
    を前記差動手段に入力する記憶手段を有することを特徴
    とする請求項12又は13記載の振れ信号出力装置。
  15. 【請求項15】 該振れ信号出力装置は光学機器に搭載
    され、前記選択手段は、前記光学機器の状態により前記
    複数のローパスフィルタの中から1つを第4の信号とし
    て出力することを特徴とする請求項12又は13記載の
    振れ信号出力装置。
  16. 【請求項16】 振動を検出して第1の信号を出力する
    振動検出手段と、高周波を減衰させ、第4の信号を出力
    する第1のローパスフィルタと、前記第1の信号と前記
    第4の信号を差動出力して第3の信号を出力する差動手
    段と、前記第3の信号の高周波成分を減衰させて第5の
    信号を出力する時定数変更可能な第2のローパスフィル
    タとを有し、前記第5の信号を前記第1のローパスフィ
    ルタに入力する事で、前記第1の信号に重畳するオフセ
    ット成分を除去して前記第3の信号を求めることを特徴
    とする振れ信号出力装置。
  17. 【請求項17】 前記第4の信号を記憶し、この記憶値
    を前記差動手段に出力する記憶手段を有することを特徴
    とする請求項16記載の振れ信号出力装置。
  18. 【請求項18】 該振れ信号出力装置は光学機器に搭載
    され、該光学機器の状態により、前記第2のローパスフ
    ィルタの時定数を変更することを特徴とする請求項16
    記載の振れ信号出力装置。
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