JP4552394B2 - 振れ補正機能を有するカメラ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手振れを補正する振れ補正機能を有するカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、手振れを補正するための振れ補正機能を有するカメラが知られている。このようなカメラでは、ジャイロなどで振れ量を検出し、検出した振れ量に基づいて振れ補正部材(光学系や撮像素子等)の位置を制御することによって振れ補正が行われる。振れ補正の精度を向上させるために、振れ補正部材の位置を制御するための位置制御信号に、振れ補正部材の位置を検出する位置検出センサからの位置情報をフィードバックさせるフィードバック制御が行われる。
【0003】
一般に、フィードバック制御には、比例補償(P補償)・積分補償(I補償)・微分補償(D補償)のPID補償が用いられる。P補償は、入力量に比例する出力量を出力する制御を行う。D補償は、P補償の過補償によるゲイン余裕GM及び位相余裕PMの低下を改善し、フィードバック制御の安定性を向上させるために用いられる。I補償は、フィードバック制御のオフセット特性を改善するために用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−218795号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1では、露光前はP補償を行い、露光後はPID補償を行っているが、PID補償のI補償では、低周波領域で位相の遅れが発生し、振れ補正性能の低下につながる場合がある。
【0006】
具体的に説明すると、I補償制御の周波数応答のゲインは、例えば−20dB/decの直線になり、位相は−90度で一定となる。また、P補償では、周波数に関わらずゲインは一定であり、位相は0度となる。したがって、P補償とI補償とを組み合わせたPI補償では、積分時間を変えると周波数特性が変化する。積分時間を短くする(すなわち、I補償のゲインを大きくする)と、高い周波数まで適切に制御され、速やかにオフセットが減少する。周波数の高い領域においては、I補償に対してP補償のゲイン比率が高くなり、I補償による位相の遅れも現れてこない。ところが、周波数の低いI補償が利きだす領域では、P補償に対してI補償のゲイン比率が高くなり、I補償による位相の遅れが現れ、この位相の遅れは周波数が低くなるほど大きくなる。そのため、振れ補正機能を有するカメラにおいて、PI補償を行う場合、I補償が利きだす周波数は、ある程度高くする必要があり、その周波数は補正しようとする振れ周波数領域内に入ってしまう。したがって、I補償による低周波領域の位相の遅れは振れ補正機能の低下につながることになる。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、振れ補正性能の低下を防止することができる振れ補正機能を有するカメラを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る振れ補正機能を有するカメラは、振れを検出する振れ検出部と、
光軸に直交する方向に移動して振れを補正する振れ補正部材と、
前記振れ補正部材の前記光軸に直交する方向の位置を検出する位置検出部と、
前記振れ検出部からの出力に基づいて、前記振れ補正部材を制御する制御信号を生成する制御信号生成部とを備え、
前記制御信号生成部は、前記振れ検出部からの出力と前記位置検出部からの出力との差分を積分して積分補償動作を行う積分補償部を有し、
前記積分補償部は、静止画撮影のための露光開始前までは前記積分補償動作を行い、静止画撮影のための露光開始後は、露光開始直前の積分補償値を保持し、積分補償動作を停止して該保持した露光開始直前の積分補償値に基づいて前記振れ補正部材を制御する。
【0009】
この構成によれば、振れ検出部によって振れが検出され、振れ補正部材によって光軸に直交する方向に移動して振れが補正され、位置検出部によって振れ補正部材の光軸に直交する方向の位置が検出され、制御信号生成部によって振れ検出部からの出力に基づいて、振れ補正部材を制御する制御信号が生成される。そして、制御信号生成部は、振れ検出部からの出力と位置検出部からの出力との差分を積分して積分補償動作を行う積分補償部を有しており、積分補償部によって、静止画撮影のための露光開始前までは積分補償動作が行われ、静止画撮影のための露光開始後は、露光開始直前の積分補償値を保持し、積分補償動作が行われないで該保持した露光開始直前の積分補償値に基づいて振れ補正部材が制御される。
【0010】
したがって、静止画撮影のための露光開始後は、積分補償動作が行われないので、積分補償動作によって発生する位相の遅れを防止することができ、振れ補正性能の低下を防止することができる。
【0011】
また、静止画撮影のための露光開始後は、露光直前の積分補償値を用いて積分補償が行われるので、積分補償による効果を維持しつつ、積分補償動作によって発生する位相の遅れを防止することができ、振れ補正性能の低下を防止することができる。
【0012】
また、上記の振れ補正機能を有するカメラにおいて、露光開始前までの前記振れ検出部からの出力をオフセット値として記憶するオフセット記憶部をさらに備え、
前記制御信号生成部は、露光開始後にオフセット記憶部に記憶されているオフセット値を前記振れ検出部からの出力から減算し、減算した値に基づいて前記振れ補正部材を制御する制御信号を生成することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、露光開始前までの振れ検出部からの出力がオフセット値としてオフセット記憶部に記憶され、制御信号生成部によって、露光開始後にオフセット記憶部に記憶されているオフセット値が振れ検出部からの出力から減算され、減算された値に基づいて振れ補正部材を制御する制御信号が生成される。
【0014】
したがって、露光開始前までの振れ検出部からの出力がオフセット値として記憶され、露光開始後に、記憶されているオフセット値が振れ検出部からの出力から減算され、減算された値に基づいて振れ補正部材を制御する制御信号が生成されるので、露光開始後は適切な制御信号を用いて振れ補正を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0016】
図1は、本実施形態における振れ補正機能を有するカメラの構成を示す図である。
【0017】
図1に示すように、角速度センサ部1は、振れωを検出し、角速度信号としてハイパスフィルタ(HPF)部2に出力する。ハイパスフィルタ(HPF)部2は、角速度センサ部1からの角速度信号に含まれる直流ドリフトやオフセットを除去する。積分部3はハイパスフィルタ部2を経由した角速度信号を積分して角度信号に変換する。レベル設定部4は、補正光学素子8の移動量又は移動させるべき位置(補正位置)を決定するために、角度信号のレベルを調節して補正位置制御信号に変換する。レベル設定部4によるレベルは、撮像レンズの焦点距離に応じてあらかじめ決定されており、マイクロコンピュータ(マイコン)12からレベル設定部4に入力される。補正光学素子8の位置(光軸に直交する方向における位置)は位置センサ部9により検出される。また、補正光学部11は、補正光学素子8と、駆動素子7と、駆動素子7を保持し、駆動素子7の出力を補正光学素子8に伝達するための機構部材(図示省略)と、位置センサ部9とで構成される。
【0018】
PID部5、駆動素子7を駆動するための駆動部6、駆動素子7、補正光学素子8、位置センサ部9及び減算部10はフィードバックループを構成する。減算部10は、レベル設定部4の補正位置制御信号から位置センサ部9の補正位置検出信号を減算する。PID部5は、減算部10からの出力信号に対して比例補償(P補償)、積分補償(I補償)、微分補償(D補償)を行い、補正光学部11の遅れ伝達特性(駆動素子7から補正光学素子8への伝達特性)を補償する。
【0019】
カメラ本体のシャッターレリーズボタン13は、その押し込み量に応じて第1スイッチS1及び第2スイッチS2が順にオンするように構成されている。第1スイッチS1は、シャッターレリーズボタン13を約半分押し込んだ(半押し状態)ときにオンし、マイコン12は第1スイッチS1のオンにより、被写体輝度の測定(測光)、被写体への撮像レンズのピント合わせ(測距)、振れ補正動作等の一連の露光準備シーケンスを開始する。第2スイッチS2は、シャッターレリーズボタン13を最後まで押し込んだ(全押し状態)ときにオンし、マイコン12は第2スイッチS2のオンにより、ミラーのアップダウン、撮像レンズの絞り動作、シャッターの開閉、フィルムの巻き上げ等の露光シーケンスを行う。
【0020】
なお、実際のカメラでの振れ補正は、上記振れ補正装置を2組用い、フィルム面上で互いに直交する2つの方向(撮像レンズの光軸に対してピッチ方向及びヨー方向)における画像の振れをそれぞれ補正する。
【0021】
図2は、図1に示す積分部3及びPID部5等をより詳細に説明するための図である。図2に示すように、積分部3は、積分係数部31、積分器32及び加算部33を備えて構成される。積分係数部31は、積分器32の値に積分係数を乗算する。なお、積分係数は1より小さい値が与えられており、時間が経過するに従って積分器32の値は減少することとなる。加算部33は、積分係数部31によって積分係数が乗算された値と、HPF部2からの角速度信号とを加算する。加算された角速度信号は、再び積分器32に入力することとなり、積分器32は、加算部33によって加算された角速度信号を記憶する。
【0022】
PID部5は、I補償部51、D補償部52、P補償部53、加算部54及び加算部55を備えて構成される。I補償部51は、フィードバック制御のオフセット特性を改善するものであり、積分器511、Iゲイン部512、スイッチ513及び加算部514を備えて構成される。I補償部51は、レベル設定部4から出力される補正位置制御信号と、位置センサ部9より出力される位置検出信号との差分データの積分値に所定のIゲインが乗算された値を積分補償値として出力し、加算部54は、前記積分補償値を前記差分データに加算する。スイッチ513は、マイコン12からの制御により、オン/オフされる。スイッチ513がオフの間は、差分データの入力が禁止されるため、積分器511の値は変化しない。従って、差分データに関わらず、オフ直前の積分値に基づく積分補償値が差分データに加算されることとなる。
【0023】
D補償部52は、P補償の過補償によるゲイン余裕GM及び位相余裕PMの低下を改善し、フィードバック制御の安定性を向上させるものであり、微分器521、Dゲイン部522及び減算部523を備えて構成される。D補償部52は、レベル設定部4から出力される補正位置制御信号と、位置センサ部9より出力される位置検出信号との差分データの微分値に所定のDゲインが乗算された値を微分補償値として出力し、加算部55は、前記微分補償値を積分補償値が加算された差分データに加算する。
【0024】
P補償部53は、入力量に比例する出力量を出力する制御を行うものであり、Pゲイン部531を備えて構成される。Pゲイン部531は、積分補償値及び微分補償値が加算された差分データに所定のPゲインを乗算し、Pゲインが乗算された値を駆動部6に出力する。
【0025】
このように、レベル設定部4から出力される補正位置制御信号と、位置センサ部9より出力される位置検出信号との差分データに対して、I補償部51、D補償部52及びP補償部53によるPID補償が行われ、振れ補正駆動が行われる。
【0026】
また、レベル設定部4から出力される補正位置制御信号は、オフセット記憶部16に記憶される。具体的には、オフセット記憶部16の入力側及び出力側には、それぞれスイッチ17及びスイッチ18が設けられる。スイッチ17,18は、マイコン12からの制御により、オン/オフされる。露光開始のタイミングで、スイッチ18がオフにされ、スイッチ17がオフ→オン→オフと制御されることにより、露光開始直前の補正位置制御信号がオフセット値としてオフセット記憶部16に記憶される。また、露光中は、スイッチ17がオフにされ、スイッチ18がオンにされ、減算部14によって、オフセット記憶部16に記憶されたオフセット値が補正位置制御信号より減算される。露光時以外は、スイッチ18はオフにされる。
【0027】
したがって、露光時以外は、レベル設定部4からの補正位置制御信号は、そのまま後段に出力され、露光時は、レベル設定部4からの補正位置制御信号からオフセット記憶部16に記憶されているオフセット値が減算された値が後段に出力されることとなる。そのため、露光開始時に減算部10に入力される値は0となり、露光開始後は、この0となった補正位置制御信号を基準として、振れωに応じた補正位置制御信号が生成される。
【0028】
センタリング部19は、0出力部191及びスイッチ192を備えて構成される。0出力部191は、レベル設定部4からの補正位置制御信号を0にする0信号を出力する。補正位置制御信号が0にされることで、補正光学素子8が0位置、すなわちセンター位置に移動することとなる。スイッチ192は、マイコン12からの制御により、レベル設定部4の出力側と、0出力部191の出力側とに切り換える。スイッチ192がレベル設定部4の出力側にオンされることによって、レベル設定部4と減算部10とが接続され、レベル設定部4より出力される補正位置制御信号が減算部10に入力されることとなる。また、スイッチ192が0出力部191の出力側にオンされることによって、0出力部191と減算部10とが接続され、0出力部191より出力される0信号が減算部10に入力されることとなる。
【0029】
図3は、図2に示す振れ補正機能を有するカメラの動作を示すフローチャートである。
【0030】
ステップST1において、マイコン12は、シャッターレリーズボタン13が半押し状態であるか否か、すなわち、第1スイッチS1がオンであるか否かを判断する。ここで、第1スイッチS1がオンであると判断されると(ステップST1でYES)、ステップST2に移行し、第1スイッチS1がオンでないと判断されると(ステップST1でNO)、第1スイッチS1がオンされるまで待機状態となる。
【0031】
ステップST2において、マイコン12は、積分補償部51の積分器511をリセットする。すなわち、マイコン12は、積分器511の記憶内容(積分値)をリセットするリセット信号を積分器511に出力し、積分器511は、マイコン12より入力されるリセット信号に基づいて記憶内容をリセットする。
【0032】
ステップST3において、マイコン12は、スイッチ(SW)513をオンにする。これにより、I補償部51において、レベル設定部4から出力される補正位置制御信号と、位置センサ部9より出力される位置検出信号との差分データが積分され、積分補償が行われる。
【0033】
ステップST4において、マイコン12は、スイッチ(SW)17をオンにする。ステップST5において、マイコン12は、スイッチ(SW)18をオフにする。このように、スイッチ17がオンにされ、スイッチ18がオフにされることにより、レベル設定部4から出力される補正位置制御信号がオフセット値としてオフセット記憶部16に記憶されることとなる。
【0034】
ステップST6において、マイコン12は、スイッチ(SW)192をレベル設定部4側に切り換える(図2のスイッチ192において、左オンとする)。これにより、レベル設定部4と減算部10とが接続され、レベル設定部4から出力される補正位置制御信号が減算部10に入力されることとなる。
【0035】
このように、スイッチ513がオンにされ、スイッチ17がオンにされ、スイッチ18がオフにされ、スイッチ192がレベル設定部4側に切り換えられることで、第1スイッチS1がオンの間は、検出された振れに基づく補正位置制御信号に応じて振れ補正制御が行われる。なお、第1スイッチS1がオンの間、PID部5では、スイッチ513がオンにされているため、積分補償が行われる。
【0036】
ステップST7において、マイコン12は、シャッターレリーズボタン13が全押し状態であるか否か、すなわち、第2スイッチS2がオンであるか否かを判断する。ここで、第2スイッチS2がオンであると判断されると(ステップST7でYES)、ステップST8に移行し、第2スイッチS2がオンでないと判断されると(ステップST7でNO)、第2スイッチS2がオンされるまで待機状態となる。
【0037】
ステップST8において、マイコン12は、スイッチ(SW)192を0出力部191側に切り換える(図2のスイッチ192において、右オンとする)。これにより、補正位置制御信号が0になり、補正光学素子8は、0位置、すなわち、センター位置に移動する。このような補正光学素子8がセンター位置に移動することをセンタリング動作という。このように、補正光学素子8は、静止画撮影のための露光開始直前に所定の位置、すなわち、センター位置に移動するので、露光開始後は、補正光学素子8の振れ補正をセンター位置から行うことができ、振れ補正範囲を広くすることができる。なお、このセンタリング動作と同時に、マイコン12は、絞り制御やAF(オートフォーカス)制御等の露光準備を行う。
【0038】
ステップST9において、マイコン12は、露光が開始されたか否かを判断する。ここで、露光が開始されたと判断されると(ステップST9でYES)、ステップST10に移行し、露光が開始されていないと判断されると(ステップST9でNO)、露光が開始されるまで待機状態となる。
【0039】
ステップST10において、マイコン12は、スイッチ17をオフにする。ステップST11において、マイコン12は、スイッチ18をオンにする。このように、スイッチ17がオフにされ、スイッチ18がオンにされることにより、レベル設定部4より出力される補正位置制御信号から、オフセット記憶部16に記憶されているオフセット値が減算されることとなる。
【0040】
ステップST12において、マイコン12は、スイッチ192をレベル設定部4側に切り換える(図2のスイッチ192において、左オンとする)。これにより、レベル設定部4と減算部10とが接続され、レベル設定部4から出力される補正位置制御信号が減算部10に入力されることとなる。
【0041】
ステップST13において、マイコン12は、スイッチ513をオフにする。このように、スイッチ17がオフにされ、スイッチ18がオンにされ、スイッチ192がレベル設定部4側に切り換えられ、スイッチ513がオフにされることで、補正光学素子8はセンター位置から検出された振れに応じた振れ補正動作を開始する。また、スイッチ513がオフにされることで、減算部10と加算部514とが接続されなくなり、I補償部51において、レベル設定部4から出力される補正位置制御信号と、位置センサ部9より出力される位置検出信号との差分データが入力されなくなり、露光開始後はI補償部51による積分補償動作が行われなくなる。したがって、露光開始直前に積分器511に保持された積分補償値によって積分補償が行われる。
【0042】
ステップST14において、マイコン12は、露光が終了したか否かを判断する。ここで、露光が終了したと判断されると(ステップST14でYES)、ステップST1に戻ることとなり、露光が終了していないと判断されると(ステップST14でNO)、露光が終了するまで待機状態となる。
【0043】
このように、角速度センサ部1によって振れが検出され、補正光学素子8によって振れが補正され、HPF部2、積分部3、レベル設定部4及びPID部5によって角速度センサ部1からの出力に基づいて、補正光学素子8を制御する制御信号が生成される。そして、PID部5は積分補償動作を行う積分補償部51を有しており、積分補償部51によって、静止画撮影のための露光開始前までは積分補償動作が行われ、静止画撮影のための露光開始後は積分補償動作が行われないで補正光学素子8が制御される。
【0044】
したがって、静止画撮影のための露光開始後は、積分補償動作が行われないので、積分補償動作によって発生する低周波領域での位相の遅れを防止することができ、振れ補正性能の低下を防止することができる。
【0045】
次に、レベル設定部4より出力される補正位置制御信号のオフセット補正について説明する。図4は、図2に示すオフセット記憶部16の効果について説明するための図である。図4に示す実線は補正光学素子8の動きを表し、二点差線はレベル設定部4より出力される補正位置制御信号を表し、破線はオフセット補正を行わず、振れ補正開始時に積分部3の積分器32をリセットした場合の補正光学素子8の動きを表す。
【0046】
図4に示すように、第2スイッチS2がオンされる以前は、レベル設定部4の補正位置制御信号に一致するように補正光学素子8が駆動される。そして、第2スイッチS2がオンされると、センタリング動作により、補正光学素子8は、レベル設定部4からの補正位置制御信号に関係なくセンター位置(振幅が0となる位置)に移動する。露光開始により振れ補正が開始されると、補正光学素子8は、振れ補正開始時のレベル設定部4における補正位置制御信号のオフセット値(図4の矢印で示す)を有したままセンター位置から振れ補正を開始する。このオフセット値は、露光の間は変化しない。したがって、露光中に振れが生じても振れのない撮影画像が得られることとなる。
【0047】
なお、振れ補正開始時に積分部3の積分器32をリセットした場合、図4の破線で示すように、積分係数部31で乗算される積分係数によりオフセットが徐々に減少していき、露光中のオフセットの変化分は、撮影画像の振れとなる。
【0048】
このように、露光開始時までにレベル設定部4より出力される補正位置制御信号をオフセット値としてオフセット記憶部16に記憶しておき、露光開始後は、補正位置制御信号からオフセット値を減算した値に基づいて補正光学素子8が駆動されるので、常に適切な振れ補正を行うことができる。
【0049】
次に、露光開始後にPID部5のI補償部51において積分補償を行わなかった場合における効果について説明する。図5は、露光時に積分補償を行った場合と行わなかった場合とにおける補正光学素子8の動きを示す図である。図5に示す実線は積分補償を行った場合における補正光学素子8の動きを表し、破線は積分補償を行わなかった場合における補正光学素子8の動きを表す。
【0050】
補正光学素子8は、重力の影響により、指示された位置よりも下方にずれてしまう傾向にある。そこで、積分補償を行うことによって、このずれを解消することができる。図5に示すように、第2スイッチS2がオンされる以前は、積分補償の効果により、補正光学素子8の下方へのずれはほぼ解消されているが、位相の遅れが生じている。第2スイッチS2がオンされると、センタリング動作により、補正光学素子8は、レベル設定部4からの補正位置制御信号に関係なくセンター位置(振幅が0となる位置)に移動する。第2スイッチS2がオンされる以前は、振れ補正制御により、補正光学素子8が下方にずれることに対する積分補償がある程度できているが、補正位置制御信号は常に変化しているために、最適な値にはなっていない。センタリング動作においては、補正位置制御信号は0に固定されるので、積分補償値は、補正光学素子8が下方にずれることに対して適切な値となる。
【0051】
露光開始により振れ補正が開始されると、適切な値に固定された積分補償値を使用して振れ補正駆動が行われるため、補正位置制御信号に忠実に振れ補正が行われる。
【0052】
露光時に積分補償を全く行わなかった場合、すなわち、積分器511に保持されている積分値を用いずに振れ補正を行った場合、図5の破線で示すような振れ補正動作が行われる。振れ補正開始の時点で、補正光学素子8が下方にずれることを解消するための積分補償がなくなるため、重力に応じた量だけ下方にずれた後に、下方にずれた分のオフセットがかかった状態で振れ補正動作が行われる。このように、露光時に積分補償が行われなかった場合、重力の影響によって補正光学素子8が下方にずれてしまい、このずれが安定するまでの間は撮影画像の振れとなって現れる。
【0053】
しかしながら、本実施形態では、静止画撮影のための露光開始後は、露光直前の積分補償値を用いて露光時における積分補償が行われるため、位相のずれが生じることなく、且つ補正光学素子8が重力の影響によって下方にずれることを防止することができるという積分補償による効果を維持しつつ、適切な振れ補正を行うことができ、積分補償動作によって発生する位相の遅れを防止することができ、振れ補正性能の低下を防止することができる。
【0054】
なお、本実施形態において、振れ補正部材として補正光学素子8を用い、補正光学素子8を光軸に対して移動させることによって振れを補正しているが、本発明は特にこれに限定されず、補正光学素子8を固定し、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を光軸に対して移動させてもよく、振れ補正のために何らかの部材を移動させるものであればよい。
【0055】
また、本実施形態では、センタリング部19を設け、露光開始前に補正光学素子8のセンタリング動作を行っているが、本発明は特にこれに限定されず、センタリング動作を行わずに振れ補正を行ってもよい。
【0056】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、静止画撮影のための露光開始後は、積分補償動作が行われないので、積分補償動作によって発生する位相の遅れを防止することができ、振れ補正性能の低下を防止することができる。
【0057】
また、静止画撮影のための露光開始後は、露光直前の積分補償値を用いて積分補償が行われるので、積分補償による効果を維持しつつ、積分補償動作によって発生する位相の遅れを防止することができ、振れ補正性能の低下を防止することができる。
【0058】
請求項に記載の発明によれば、露光開始前までの振れ検出部からの出力がオフセット値として記憶され、露光開始後に、記憶されているオフセット値が振れ検出部からの出力から減算され、減算された値に基づいて振れ補正部材を制御する制御信号が生成されるので、露光開始後は適切な制御信号を用いて振れ補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態における振れ補正機能を有するカメラの構成を示す図である。
【図2】 図1に示す積分部及びPID部等をより詳細に説明するための図である。
【図3】 図2に示す振れ補正機能を有するカメラの動作を示すフローチャートである。
【図4】 図2に示すオフセット記憶部の効果について説明するための図である。
【図5】 露光時に積分補償を行った場合と行わなかった場合とにおける補正光学素子の動きを示す図である。
【符号の説明】
1 角速度センサ部
2 HPF部
3 積分部
4 レベル設定部
5 PID部
6 駆動部
7 駆動素子
8 補正光学素子
9 位置センサ部
16 オフセット記憶部
17 スイッチ
18 スイッチ
19 センタリング部
31 積分係数部
32 積分器
33 加算部
51 積分補償部
52 微分補償部
53 比例補償部
191 0出力部
192 スイッチ
511 積分器
512 Iゲイン部
513 スイッチ
514 加算部
521 微分器
522 Dゲイン部
523 減算部
531 Pゲイン部

Claims (2)

  1. 振れを検出する振れ検出部と、
    光軸に直交する方向に移動して振れを補正する振れ補正部材と、
    前記振れ補正部材の前記光軸に直交する方向の位置を検出する位置検出部と、
    前記振れ検出部からの出力に基づいて、前記振れ補正部材を制御する制御信号を生成する制御信号生成部とを備え、
    前記制御信号生成部は、前記振れ検出部からの出力と前記位置検出部からの出力との差分を積分して積分補償動作を行う積分補償部を有し、
    前記積分補償部は、静止画撮影のための露光開始前までは前記積分補償動作を行い、静止画撮影のための露光開始後は、露光開始直前の積分補償値を保持し、積分補償動作を停止して該保持した露光開始直前の積分補償値に基づいて前記振れ補正部材を制御することを特徴とする振れ補正機能を有するカメラ。
  2. 露光開始前までの前記振れ検出部からの出力をオフセット値として記憶するオフセット記憶部をさらに備え、
    前記制御信号生成部は、露光開始後にオフセット記憶部に記憶されているオフセット値を前記振れ検出部からの出力から減算し、減算した値に基づいて前記振れ補正部材を制御する制御信号を生成することを特徴とする請求項1記載の振れ補正機能を有するカメラ。
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