JP4861110B2 - 光学機器 - Google Patents

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本発明は、手振れ等による像振れを抑制するカメラ、交換レンズ及びこれらにより構成されるカメラシステム等の光学機器に関する。
上記のような光学機器には、手振れ等により生ずる像振れを抑制(補正)するための防振システムが搭載されている場合が多い(特許文献1参照)。
防振システムでは、例えば、振れに応じて角速度センサから出力された角速度信号を積分器で積分して角変位信号に変換し、該角変位信号に基づいて、防振レンズを光軸に直交する方向に変位させ、像振れを抑制する。
ところで、角速度センサからの出力には、バイアス成分(オフセット成分)として、直流成分若しくは極めて低い周波数成分が含まれる。また、パンニング時にも低周波成分がバイアス成分として発生する。このようなバイアス成分を含む出力をそのまま積分器で積分すると、バイアス成分も積分されるため、積分信号、つまりは角変位信号の誤差が大きくなってしまう。
そこで、角速度センサの出力をハイパスフィルタで処理してから積分器に入力することで、バイアス成分が積分されないようにする方法がある。
また、特許文献2には、パンニング動作時に、低周波成分の信号からセンタリング力を強めるセンタリング信号を生成することで、低周波成分の影響を緩和する技術が提案されている。
さらに、角速度センサの出力信号に対してハイパスフィルタ処理と積分処理を行うことによって低周波成分をカットすると、パンニング時に積分出力である角変位信号が中心に戻ろうとする。そして、この瞬間に撮像を行うと、該中心へ戻ろうとする角変位信号によって防振効果を十分に発揮できない。そこで、特許文献3には、撮像(露光)中はハイパスフィルタ処理を行わないようにした技術が提案されている。
特開平7−218967号公報(段落0054、図1等) 特開平5−142615号公報(段落0037〜0038、図1〜4等) 特開平10−010596号公報(段落0030to0032、図4等)
防振システムに用いられる積分器は、通常はローパスフィルタにより構成される。角速度信号を積分して得られる角変位信号に基づいて防振動作を行うシステム全体から見れば、ローパスフィルタにより構成される積分器はハイパスフィルタとも考えられる。したがって、積分器の前段にハイパスフィルタを接続すると、角速度センサから積分器の出力までは2次のハイパスフィルタが構成される。このため、手振れの代表的な周波数である1Hz付近の位相も進んでしまう。
また、特許文献2や特許文献3にて提案されている技術では、ハイパスフィルタ処理と積分処理又は積分処理のみなどのように複数の処理系統を設け、パンニングの有無や撮像状況に応じて該処理系統を切り換える。しかしながら、このように防振処理系を複数設けると、処理回路や処理プログラムが大規模化してしまう。
そこで、本発明は、防振処理回路や防振処理プログラムの大規模化を避けつつ、精度の良い防振制御が行えるようにした光学機器を提供することを目的の1つとしている。
本発明の一側面としての光学機器は、振れを検出する振れ検出手段の出力を積分する第1の積分手段と、前記振れ検出手段の出力から前記第1の積分手段の出力を減算する減算手段と、前記減算手段の出力を積分する第2の積分手段と、前記第1の積分手段の出力と前記第2の積分手段の出力との差から得られる前記振れ検出手段のオフセット成分に対応するオフセットデータを前記第1の積分手段の出力から差し引くオフセット調整手段と、撮像前は前記第2の積分手段の出力に基づいて像振れを低減するための防振手段を制御し、撮像中は前記オフセット調整手段の出力に基づいて、前記防振手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、フレーミングが変更される可能性のある撮像前は、振れ検出手段の出力から第1の積分手段の出力を差し引いた演算結果を第2の積分手段で積分し、その結果に基づいて防振制御を行う。これにより、振れ検出手段からの出力に含まれる低周波成分がカットされ、フレーミング変更に対応した防振制御が行われる。一方、撮像中は第1の積分手段の積分結果に基づいて防振制御を行うことで、1Hz付近の位相の進みが少なくなり、防振効果が向上する。そして、以上のことから、防振処理回路や防振処理プログラムを大規模化することなく、精度の良い防振制御を行うことができる。
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、カメラ101とこれに着脱可能に装着された交換レンズ102とにより構成される一眼レフカメラシステムの構成を示す。本実施例では、交換レンズ102が本発明の光学機器に相当するが、一眼レフカメラシステムも本発明の光学機器に含まれる。
被写体からの光束は、交換レンズ102内に設けられた撮像光学系を通ってカメラ101内に入射する。撮像準備状態(撮像前)では、撮像光路内に配置されたクイックリターン主ミラー103のハーフミラー部によって光束の一部が反射され、不図示のピント板上に被写体像を形成する。該被写体像は、ペンタプリズム104で正立像とされ、撮影者はこの正立像を光学ファインダ105を通して確認することができる。ここで、本実施例にいう「撮像(又は撮像動作)」とは、後述する記録媒体に対して撮像素子112を用いて得られた画像を記録する動作をいう。
106は測光回路であり、ピント板上での照度を測定して、その測定結果(測光結果)をカメラシステムMPU107に入力する。カメラシステムMPU107は、測光結果に基づいて、撮像のための露光時間(後述するシャッター110の開動作時間又は撮像素子112の電荷蓄積時間)や絞り値などの撮像条件を決定する。測光回路106内の測光センサは、複数のエリアに分割されており、エリアごとの測光結果を得ることができる。
108はサブミラーであり、クイックリターン主ミラー103の背面側(撮像素子側)に配置されている。撮像準備状態では、クイックリターン主ミラー103のハーフミラー部を通過した光束は、サブミラー108で反射されて焦点検出ユニット109に入射する。焦点検出ユニット109は、入射した光束を分割して複数の像を形成させ、これらを受光センサ(ラインセンサ)で光電変換することで位相差情報を生成する。該位相差情報は、カメラシステムMPU7に入力される。
撮像動作に入ると、クイックリターン主ミラー103及びサブミラー108はペンタプリズム104側に撮像光路外に退避する。そして、フォーカルプレーンシャッター110がシャッター駆動回路111によって開駆動される。これにより、被写体像が撮像素子(CCDセンサやCMOSセンサ等)112の受光面上に形成される。被写体像は、撮像素子112によって光電変換され、撮像素子112から撮像信号が出力される。
113はタイミングジェネレータであり、撮像素子112での電荷蓄積動作、読み出し動作及びリセット動作などを制御する。114は撮像素子112の蓄積電荷ノイズを低減するCDS回路(2重相関サンプリング回路)である。115は撮像信号を増幅するゲインコントロール回路である。116は増幅された撮像信号をアナログ信号からデジタル信号(画像データ)に変換するA/D変換器である。
117は映像信号処理回路であり、A/D変換器116でデジタル化された画像データに対するフィルタ処理、色変換処理及びガンマ処理などを行う。映像信号処理回路117で信号処理されて生成された画像信号は、バッファメモリ118に格納され、LCD119に表示されたり、着脱可能な記録媒体であるメモリカード120に記録されたりする。なお、記録媒体としては、半導体メモリ、光ディスク等を用いることができる。
操作部121には、カメラ101のメイン(電源)スイッチや、撮像モード及び記録画像ファイルサイズの設定や、撮像準備動作及び撮像動作を指示するレリーズスイッチ等が設けられている。
カメラシステムMPU107は、上記各部の動作を制御したり、焦点検出ユニット109からの位相差情報に基づいて撮像光学系のデフォーカス量を求め、該デフォーカス量に基づいて後述するフォーカスレンズの目標駆動量を算出したりする。また、カメラシステムMPU7は、カメラ101側のインターフェース回路122と交換レンズ102側のインターフェース回路123とを介してレンズMPU124と相互に通信したりする。この通信では、交換レンズ102に対してフォーカス駆動命令を送信したり、カメラ101や交換レンズ102の動作状態や光学情報などのデータを送受信したりする。
交換レンズ102には、撮像光学系を構成するフォーカスレンズ125、ズームレンズ126、防振レンズ127及び絞り128が設けられている。
フォーカスレンズ125は、制御手段としてのレンズMPU124からの制御信号に応じてフォーカス制御回路129及びフォーカスモータ130を介して駆動される。フォーカス制御回路129には、フォーカスレンズ駆動回路のほか、フォーカスレンズ125の移動に応じたゾーンパターン信号やパルス信号を出力するフォーカスエンコーダなども含まれる。被写体距離はこのフォーカスエンコーダからの出力を用いて検知することができる。
ズームレンズ126は、撮影者が交換レンズ102に設けられた不図示のズーム操作環を操作することにより光軸方向に移動して変倍を行う。ズームエンコーダ131は、ズームレンズ126の移動に応じたゾーンパターン信号を出力する。
防振レンズ127は、防振(IS)制御回路132及びリニアモータ133を介して撮像光学系の光軸に直交する方向(ピッチ方向及びヨー方向又は光軸直交方向成分を含む方向)にシフト駆動される。
135は縦方向(ピッチ方向)や横方向(ヨー方向)における回転振れを検出する振れ検出手段としての角速度センサ(圧電型振動ジャイロ等)である。
なお、振れ検出手段として角加速度センサを用いたり、撮像素子112により得られた複数の画像(フレーム画像)間で動きベクトルを検出する画像処理回路を用いたりしてもよい。
ここで、本実施例での防振制御は以下のようにして行われる。角速度センサ135からの出力信号である振れ信号(角速度信号)は、信号処理回路136で所定の信号処理が行われてレンズMPU124に入力される。レンズMPU124は、防振レンズ127の目標位置を算出し、この目標位置と防振レンズエンコーダ134からの出力により得られる防振レンズ127の検出位置との差に応じた駆動信号を防振制御回路132に出力する。防振レンズエンコーダ134から出力される防振レンズ127の検出位置を示す信号は、防振制御回路132にフィードバックされ、該検出位置が目標位置に近づくように防振制御が行われる。
絞り128は、レンズMPU124からの制御信号を受けた絞り制御回路137及びステッピングモータ138を介して駆動される。
スイッチ139は、防振機能をON/OFFするためのスイッチである。
次に、図2〜図4に示したフローチャートに従って、交換レンズ102側の動作を説明する。
交換レンズ102をカメラ101に装着すると、カメラシステムMPU107からレンズMPU124へシリアル通信がなされ、レンズMPU124は、図2のステップ(図ではSと略記する)200から動作を開始する。以下の動作は、レンズMPU124内に格納されたコンピュータプログラムに従って実行される。
(ステップ200)
レンズMPU124は、フォーカスレンズ制御、絞り制御及び防振制御等のための初期設定を行う。
(ステップ201)
レンズMPU124は、各スイッチの状態検出やズーム及びフォーカスレンズ126,125の位置検出を行う。ここにいうスイッチとしては、オートフォーカスとマニュアルフォーカスの切り換えスイッチ(図示せず)や、防振機能のON/OFFスイッチ139などがある。
(ステップ202)
レンズMPU124は、カメラ側からフォーカス駆動命令の通信があったかどうかを判定する。フォーカス駆動命令が受信されていればステップ203へ、受信されていなければステップ207へ進む。
(ステップ203)
カメラからのフォーカス駆動命令には、フォーカスレンズ125の目標駆動量(パルス数)の情報も含まれる。レンズMPU124は、フォーカス制御回路129内に設けられたフォーカスエンコーダ(図示せず)から出力されるパルス数をモニタして、フォーカスレンズ125を合焦位置に移動させるよう、フォーカスモータ130を目標駆動量、駆動する。
(ステップ204)
レンズMPU124は、フォーカスモータ130の駆動量が目標駆動量Pに達したかどうかを判定する。目標駆動量に達していればステップ205へ、達していなければステップ206へ進む。
(ステップ205)
レンズMPU124は、合焦状態が得られたとしてフォーカスレンズ126(フォーカスモータ130)の駆動を停止させる。
(ステップ206)
レンズMPU124は、目標駆動量までの残り駆動量に応じて、フォーカスモータ130の駆動速度を設定する。残り駆動量が少なくなるにしたがって、駆動速度を減じる。
(ステップ207)
ステップ201で防振機能ON/OFFスイッチ139のOFFが検出された場合は、不図示のロック機構によって防振レンズ127をその光軸が撮像光学系の光軸に一致した状態でメカ的にロックする。一方、防振機能ON/OFFスイッチ139のONが検出された場合は、カメラ側からステータス通信によりレリーズスイッチの半押し操作(SW1ON)が検出されることを条件に上記ロックを解除(アンロック)する。これにより、防振動作が可能な状態となる。
(ステップ208)
レンズMPU124は、カメラ側からレンズ内の全てのアクチュエータの駆動を停止させる命令(全駆動停止命令)を受信したかどうかを判定を行う。カメラ側で所定時間の間何も操作がなされない場合に、この全駆動停止命令がレンズ側に送信される。
(ステップ209)
レンズMPU124は、カメラ側からレンズ内の全てのアクチュエータの駆動を停止させる。また、レンズMPU124自体も、スリープ(停止)状態にする。さらに、リニアモータ133への給電も停止させる。その後、カメラ側で何らかの操作が行われると、カメラ側からレンズ側にそれを示す通信が行われ、レンズMPU124はスリープ状態を解除する。
これらの動作の間に、カメラから、シリアル通信割込みや防振制御割込みの要求があれば、それらの割込み処理を行う。
シリアル通信割込み処理では、通信データのデコードを行い、そのデコード結果に応じて、絞り駆動やフォーカスレンズ駆動などのレンズ処理を行う。そして、通信データのデコードによって、SW1ON、SW2ON(レリーズスイッチの全押し操作)、シャッター速度、カメラの機種等を判別できる。
また、防振割込みは、一定周期毎に発生するタイマー割り込みであり、防振レンズ127(リニアモータ133)のピッチ方向とヨー方向の駆動制御を行う。
上記シリアル通信割り込み処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。カメラ側からの通信を受けると、レンズMPU124はステップ300から動作を開始する。
(ステップ300)
レンズMPU124は、このステップでカメラ側からの命令(コマンド)を解析し、その結果に応じた処理に分岐する。
(ステップ301,302)
レンズMPU124は、フォーカス駆動命令を受信した場合は、ステップ302で目標駆動量に応じてフォーカスモータ130の速度を設定し、フォーカスレンズ駆動を開始する。
(ステップ303,304)
レンズMPU124は、絞り駆動命令を受信した場合は、送信されてきた絞り駆動データに基づいて絞り128を駆動するため、ステップ304で絞りモータ138の駆動パターンを設定する。そして、設定した駆動パターンを絞り制御回路33を介して絞りモータ138に出力し、絞り128を駆動する。
(ステップ305,306)
レンズMPU124は、カメラからステータス通信命令を受信する。そして、ステップ306で、交換レンズ102の焦点距離情報や防振動作状態などのレンズステータス情報をカメラ側に送信したり、カメラステータス情報(レリーズスイッチの状態、撮像モード、シャッター速度などの情報)を受信したりする。ここで、カメラが撮像準備中(SW1ON)であるか撮像動作中(SW2ON)であるかを判別し、後述する振れ検出の特性切り換えを行う。
(ステップ307,308)
レンズMPU124は、その他の命令、例えばフォーカスレンズ125のフォーカス敏感度データ通信命令や、レンズ光学データ通信命令を受けて、ステップ308でそれらの通信処理を行う。
次に、図5を用いて、特性切り換え機能を有する振れ検出構成について説明する。角速度センサ1(図1における135)からの出力信号(アナログ信号)は、レンズMPU124内のA/D変換器(図示せず)に入力される。そして、該A/D変換器からのデジタル信号は、第1の積分器2で積分され、減算器6により該積分結果を角速度センサ1の出力信号から減算する。
第1の積分器2からの出力信号は、角速度センサ1のオフセットを含む低周波成分を抽出した信号であるので、減算された結果は角速度センサ1の信号から低周波成分がカットされた信号となり、ハイパスフィルタと同様の処理が行われたことになる。なお、角速度センサ1のオフセット(成分)とは、振れが生じていない状態(静止状態)でのセンサ内の基準電圧とセンサ出力電圧との差(=ヌル電圧)である。そして、減算結果は、第2の積分器3で積分され、これにより角変位信号が生成される。
撮像準備中では、フレーミング変更やパンニングによって、角速度センサ1が不要な低周波信号を出力するため、該低周波信号成分をカットした第2の積分器3からの出力信号に基づいて防振制御(リニアモータ133の制御)を行う。
一方、撮像動作に入ると、第1の積分器2の出力信号に基づいて防振制御を行う。ここで、第1の積分器2からの出力信号はオフセット成分が大きい信号である。したがって、撮像準備状態から撮像状態に切り換わるタイミング、例えば、レリーズスイッチの全押し操作(SW2ON)でオフセット成分をキャンセルする必要がある。このキャンセル動作は、オフセット調整部4で行われる。そして、これらの切り換えを制御するのが切換制御部5である。
撮像動作中は、低周波成分を検出している第1の積分器2からの出力信号で防振制御を行うことで、手振れにおいて代表的な1Hz付近の位相の進みが少なくなり、防振効果が向上する。
以上の振れ検出を含む防振制御動作は、レンズMPU124でソフトウェア的に行われる。図4のフローチャートを用いて該防振制御動作について説明する。以下の説明において、図5に示した第1及び第2の積分器2,3による積分動作に相当する演算をそれぞれ、第1及び第2の積分演算と称する。
レンズMPU124のメイン動作中に防振割り込みが発生すると、レンズMPU124は図4のステップ400から防振制御を開始する。
(ステップ400)
レンズMPU124は、角速度センサ135からの角速度信号(振れ信号)をA/D変換する。A/D変換結果は、レンズMPU124内のVAD_DATで設定される不図示のRAM領域に格納される。
(ステップ401)
レンズMPU124は、SW1ON=1(ON)で否か、つまりレリーズスイッチが半押し操作されて撮像準備状態になったか否かを判定する。SW1ON=1であればステップ403へ、SW1ON=0(OFF)であればステップ402へ進む。
(ステップ402)
レンズMPU124は、防振制御を行わないので、第1及び第2の積分演算の初期化を行う。
(ステップ403)
レンズMPU124は、第1の積分演算を行う。第1の積分演算の結果はレンズMPU124内のINT1_DATで設定される不図示のRAM領域に格納する。また、防振の開始後、所定時間が経過するまでは時定数の切り換えを行い、防振の立ち上がり時における像揺れを緩和する。
(ステップ404)
レンズMPU124は、振れ信号VAD_DATから第1の積分演算の結果を減算する。演算結果は、レンズMPU124内のHPF_DATで設定される不図示のRAM領域に格納される。
(ステップ405)
レンズMPU124は、ステップ404での演算結果HPF_DATを入力信号として、第2の積分演算を行う。この演算結果は、レンズMPU124内のINT2_DATで設定される不図示のRAM領域に格納される。
(ステップ406)
レンズMPU124は、SW2ON=1であるか否か、つまりレリーズスイッチが全押し操作されて撮像動作に入ったか否かを判定する。これは、図3のステップ305,306のステータス通信の処理結果から判定する。SW2ON=1であればステップ409へ、SW2ON=0であればステップ407へ進む。
(ステップ407)
撮像動作中ではないので、レンズMPU124は、第2の積分演算の結果であるINT2_DATをレンズMPU124内のDEG_DATで設定される不図示のRAM領域に格納する。DEG_DATは振れ角変位信号である。
(ステップ408)
レンズMPU124は、前述した角速度センサ135のオフセットのデータをラッチしたことを示すオフセット調整制御用フラグOFST_LCHをクリアする。
(ステップ409)
レンズMPU124は、撮像動作中であるので、オフセットデータをラッチしたか否か、すなわたOFST_LCH=1か否かを判定する。OFST_LCH=1であればステップ411へ、OFST_LCH=0であればステップ410へ進む。
(ステップ410)
レンズMPU124は、オフセットデータをラッチしていないので、第1の積分演算の結果INT1_DATと第2の積分演算の結果INT2_DATとの差を求め、オフセットデータOFST_DTを算出する。
(ステップ411)
レンズMPU124は、第1の積分演算の結果INT1_DATからオフセットデータOFST_DTを差し引き、その結果をレンズMPU124内のDEG_DATで設定される不図示のRAM領域に格納する。DEG_DATは振れ角変位信号である。
(ステップ412)
ズームレンズ126及びフォーカスレンズ125のポジションに応じて、振れ角変位信号DEG_DATを補正するための防振レンズ127の偏心量(敏感度)が変化するので、レンズMPU124は、その調整を行う。具体的には、ズーム及びフォーカスレンズ126,125のポジションをそれぞれいくつかのゾーンに分割し、各ゾーンにおける平均的な光学防振敏感度(deg/mm)をテーブルデータから読み出して、防振レンズ駆動データに変換する。この変換結果は、レンズMPU124内のSFTDRVで設定される不図示のRAM領域に格納される。
(ステップ413)
レンズMPU124は、防振レンズエンコーダ134からの出力により得られる防振レンズ127の位置を示す信号をA/D変換し、該A/D結果をレンズMPU124内の SFTPST で設定されるRAM領域に格納する。
(ステップ414)
レンズMPU124は、フィードバック演算(SFTDRV-SFTPST)を行う。演算結果はレンズMPU124内の SFT_DTで設定されるRAM領域に格納される。
(ステップ415)
レンズMPU124は、ループゲインLPG_DTとステップ407での演算結果SFT_DTとを乗算する。この演算結果は、レンズMPU124内の SFT_PWMで設定されるRAM領域に格納される。
(ステップ416)
レンズMPU124は、安定した防振制御系を得るために位相補償演算を行う。
(ステップ417)
レンズMPU124は、ステップ416での演算結果をPWM信号としてレンズMPU124の出力ポートから出力する。これにより、防振割込みが終了する。PWM信号は、防振制御回路132内の不図示のドライバー回路に入力され、該ドライバー回路によってリニアモータ133が駆動されることで、防振レンズ127がピッチ方向及びヨー方向のうち少なくとも一方に移動して防振動作が行われる。
以上説明したように、レンズMPU124は、図4のステップ406において、カメラが撮像準備中(撮像前)であるか撮像動作中であるかを判定する。撮像準備中であればステップ407で第2の積分演算の結果に基づいて防振制御を行い、撮像動作中であればステップ411で第1の積分演算結果に基づいて防振制御を行う。
これにより、撮像準備中は低周波成分をカットした防振制御を行い、フレーミング変更やパンニングによる防振レンズ127の移動によって像振れが発生することを防止する。一方、撮像動作中は、新たな演算処理を追加することなく低周波成分の検出精度を上げることができ、これにより、防振処理回路や防振処理プログラムの大規模化を避けつつ、精度の良い防振制御を行うことができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこの実施例に限定されなず、請求項の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
また、本実施例では、交換レンズ102に、振れ検出手段としての角速度センサ135と、防振手段としての防振レンズ127及びリニアモータ133と、第1及び第2の積分手段、減算手段及び制御手段としてのレンズMPU124とが搭載されている。しかし、本発明はこれに限られない。例えば、本実施例にて説明したのと同様な一眼レフカメラシステムにおいて、振れ検出手段(角速度センサ)をカメラ側に配置し、該振れ検出手段からの出力を交換レンズ側に送信するようにしてもよい。また、レンズMPU124の機能をカメラシステムMPU107に持たせ、カメラ側から交換レンズ側の防振レンズ127をコントロールしてもよい。
また、本発明は、レンズ一体型カメラ(光学機器)にも適用が可能であり、この場合、レンズMPU124の機能をレンズ一体型カメラのMPUが持つ。
さらに、本発明は、一眼レフカメラ等のデジタルスチルカメラに限らず、ビデオカメラ等の他の光学機器にも適用が可能である。
また、本実施例では、防振レンズをシフトさせる方式の防振動作を行う場合について説明したが、本発明は、撮像素子をシフトさせたり、可変頂角プリズムを用いたりする場合にも適用することができる。さらに、角変位信号に基づいて撮像素子により得られた画像からの切り出し範囲をシフトさせる電子防振を行う場合にも本発明を適用することができる。
本発明の実施例であるカメラシステムの構成を示すブロック図。 実施例の交換レンズ側の動作を示すフローチャート。 実施例の交換レンズ側の動作を示すフローチャート。 実施例の防振制御の動作を示すフローチャート。 実施例の振れ検出構成を示すブロック図。
符号の説明
101 カメラ
102 交換レンズ
107 カメラシステムMPU
112 撮像素子
124 レンズMPU
125 フォーカスレンズ
126 ズームレンズ
127 防振レンズ
133 リニアモータ
135 角速度センサ
136 信号処理回路

Claims (5)

  1. 振れを検出する振れ検出手段の出力を積分する第1の積分手段と、
    前記振れ検出手段の出力から前記第1の積分手段の出力を減算する減算手段と、
    前記減算手段の出力を積分する第2の積分手段と、
    前記第1の積分手段の出力と前記第2の積分手段の出力との差から得られる前記振れ検出手段のオフセット成分に対応するオフセットデータを前記第1の積分手段の出力から差し引くオフセット調整手段と、
    撮像前は前記第2の積分手段の出力に基づいて、像振れを低減するための防振手段を制御し、撮像中は前記オフセット調整手段の出力に基づいて前記防振手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする光学機器。
  2. 前記振れ検出手段は、回転振れを検出することを特徴とする請求項に記載の光学機器。
  3. 前記振れ検出手段と前記防振手段とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の光学機器。
  4. 前記防振手段は、撮像光学系の一部を構成する光学素子を移動させることを特徴とする請求項1からのいずれか1に記載の光学機器。
  5. 振れを検出する振れ検出手段の出力を積分する第1の積分ステップと、
    前記振れ検出手段の出力から前記第1の積分ステップでの出力を減算する減算ステップと、
    前記減算ステップでの出力を積分する第2の積分ステップと、
    前記第1の積分ステップでの出力と前記第2の積分ステップでの出力との差から得られる前記振れ検出手段のオフセット成分に対応するオフセットデータを前記第1の積分ステップでの出力から差し引くオフセット調整ステップと、
    撮像前は前記第2の積分ステップでの出力に基づいて、像振れを低減するための防振動作を行うステップと
    撮像中は前記オフセット調整ステップでの出力に基づいて、像振れを低減するための防振動作を行うステップと、を含むことを特徴とする防振制御方法。
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