JP6150655B2 - 像振れ補正装置およびその制御方法、レンズ鏡筒、光学機器、並びに撮像装置 - Google Patents
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Description
カメラ振動を検出するセンサの出力信号には、センサの個体差による基準電圧のバラツキ等の直流成分が含まれ、温度変化によってドリフトしていく。センサ出力に低周波成分ノイズが含まれる場合、補正精度が低下する可能性がある。そこで、オフセット成分を除去するために、HPF(ハイパスフィルタ)によってセンサの出力信号から低周波成分を除去し、像振れ補正用信号を得ることが一般的に行われている。
角速度計の出力に基づいて像振れ補正を行う場合、角速度計の出力に低周波数のノイズ成分が含まれていると、実際の振れに対して適切でない補正が行われてしまう。また、パンニング等において、2次HPFを含んだフィルタ特性の影響を受ける可能性がある。パンニング等による揺れの発生で大きな振幅の低周波成分が減衰され、例えばパンニング終了時にパンニング方向とは逆方向の信号が生じる(いわゆる揺り戻し現象)。この信号はその後、ゆっくりとゼロに収束していくが、この信号に基づいて像振れ補正を行った場合、実際の撮像装置の振れとは異なる信号によって補正量の演算が行われてしまう。よって、補正精度が低下する可能性がある。
また、特許文献2に開示の技術では、撮像直前に角速度のオフセットを固定する場合、固定した角速度のオフセットに誤差が生じると、実際の手振れとは異なる状態で補正が行われてしまう。つまり、撮像直前の角速度にオフセット誤差が生じた場合、撮像中はオフセット誤差分の角速度を、手振れ成分の信号に加算し続けた状態で像振れ補正が実行される。このため、像振れ補正が意図しない方向で行われると、補正効果が低下する。
本発明の目的は、振れ検出の開始直後に安定した像振れ補正性能を確保しつつ、広い周波数帯域での像振れ補正を実現することである。
まず、像振れ補正装置に使用する角度算出フィルタ(後述の角度算出部に含まれる)について説明する。角速度計の出力をもとに像振れ補正を行う場合に使用する角度算出フィルタは、下式(1)の左辺に示すように積分器とHPFを組み合わせたフィルタである。これは、下式(1)の右辺に示すように、時定数Tのローパスフィルタ(LPF)に時定数Tを乗算した式と同じになる。
角速度計の出力に低周波数のノイズ成分が含まれている場合、実際の振れとは異なる補正が行われてしまい、逆に振れを誘発してしまう可能性がある。積分演算において角度信号の演算結果の飽和を防ぐため、式(1)の右辺に示す特性のフィルタを用いる。角度算出フィルタはHPFを含むので、角度算出フィルタの前段に別のHPFを接続すると、角速度計の出力から角度算出までのフィルタは2次HPFで構成される。このため、手振れの低周波帯域では大きく位相が進んでしまい、補正効果が低下する可能性がある。
以下では、撮像中に広い周波数帯域で精度の高い振れ補正を行うための構成について、各実施形態に従って順次説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る像振れ補正装置を備える撮像装置を模式的に示す斜視図である。図2は撮像装置の撮像部の構成と、CPU(中央演算処理装置)105が実行する像振れ補正処理の機能ブロックを示す。
カメラ101の本体部はレリーズボタンを備え、該ボタンの操作によるスイッチ(レリーズSW)104の開閉信号がカメラ101のCPU105に送られる。撮像光学系の光軸102(図1のz軸)上には、振れ補正部108の補正レンズと撮像素子106が位置する。角速度計103は、矢印103pで示すピッチ方向、および矢印103yで示すヨー方向の角度振れを検出して振れ検出信号を出力する振れ検出手段である。図1のx軸はz軸に直交する第1軸(ピッチ回転軸)を示し、y軸はz軸およびx軸に直交する第2軸(ヨー回転軸)を示す。
本実施形態では、角度1算出部110を含む第1演算部による角度演算と並列に、第2の角度算出部(以下、角度2算出部という)117を含む第2演算部による角度演算が実行される。撮像(露光)前には角度1算出部110の出力に基づいて像振れが抑制され、撮像(露光)中には角度2算出部117の出力に基づいて像振れ補正制御が行われる。
図2に示す例では、算出された像振れ補正量に基づき、振れ補正手段として補正レンズを光軸に垂直な面内で移動させる、いわゆる光学防振が採用されている。これに限らず、像振れ補正方法には、撮像素子を光軸に垂直な面内で移動させる方法がある。また、撮像素子が出力する各撮影フレームの画像切り出し位置を変更することで、手振れ等の影響を軽減させる電子防振による方法がある。静止画撮影前に電子防振による振れ補正を行い、静止画撮影中に光学防振を行う等、複数の方法を組み合わせて像振れ補正を行うこともできる。
第1のオフセット算出部(以下、オフセット1算出部という)111は、角速度計103の出力に検出ノイズとして含まれる角速度オフセット成分を演算する。角速度オフセット成分である第1オフセットを「オフセット1」と記す。例えば、HPF通過後の角速度の振幅が小さいときや、角速度を微分した角加速度の振幅が小さいとき等のように、撮像装置に加わる手振れ振動が非常に小さいときの角速度計103の出力値が取得される。その出力値を、カットオフ周波数が非常に小さく設定されたLPFによって滑らかに繋げていく方法等により、DC成分であるオフセット1が算出される。
上記のようにオフセット1(角速度オフセット)とオフセット2(角度オフセット)がそれぞれ算出される。角速度計103の出力からオフセット1を減算した信号と、減算部114が角度2算出部117で演算された角度2からオフセット2を減算した信号が減算量算出部115に入力される。
図3は、手振れによる角速度が入力されたときの、図2に示す各部111ないし117における信号変化を例示する。図3(A)には、角速度計103の角速度出力301と、オフセット1算出部111が演算した角速度のオフセット値302を示す。角速度出力301を積分して角度を算出した信号は、図3(F)に示す信号308である。角度のオフセット値307を図3(F)に併せて示す。
パンニング動作で大きな角速度が生じた場合、角度算出フィルタの出力(信号308)は、オフセット値307から大きく外れた後、時間をかけてオフセット値307に収束する。算出された角度がオフセット値から大きく乖離した場合、信号308がオフセット値307付近に戻るまでに長い時間を要するので、像振れ補正が不能な状態になってしまう。特に、像振れ補正制御の周波数帯域を低域側まで拡大した場合、つまり角度算出フィルタのカットオフ周波数を小さく設定するほど、像振れ補正の性能が低下する時間が長くなってしまう。よって、角速度が大きい場合、補正対象としない不要な角速度成分をできるだけカットして角度算出フィルタに入力する。角度算出フィルタの出力が角度オフセット値を中心とする、ある角度範囲内で制御できるようにした方が、パンニング直後の像振れ補正性能は向上する。
角速度減算量については、減算量算出部115が以下の量から算出する。
・図3(A)の角速度出力301からオフセット値302を減算したオフセット除去後の角速度303(図3(B)参照)。
・角度2の前回サンプリング値から、オフセット値307を減算したオフセット除去後の角度信号309(図3(D)参照)。
・図3(G)および(H)に示すゲイン算出テーブル。
図3(H)では、横軸にオフセット除去後の角度信号309をとり、縦軸をゲイン係数βとする。オフセット除去後の角度信号309が第3閾値B1以上のとき、ゲイン係数βの値は0である。オフセット除去後の角度信号309が第4閾値B2以下のとき、ゲイン係数βの値は1である。オフセット除去後の角度信号309が閾値B1とB2との間に位置するとき、ゲイン係数βは0と1との間を線形補間した値となる。
[数2式]
角速度がプラスの場合
角速度減算量 = オフセット減算後の角速度 × α ・・・(2)
[数3式]
角速度がマイナスの場合
角速度減算量 = オフセット減算後の角速度 × β ・・・(3)
図4(A)は、撮像装置の振れ角度の波形401を示す。この場合、像振れ補正の目標角度は波形401と同様になることが好ましい。しかし、実際には像振れ補正装置の補正可能範囲に限りがあること、および振れ検出部の出力にオフセットが含まれ、そのオフセットが温度によってドリフトしてしまうという問題がある。このため、波形401に従って像振れ補正を実行することは難しい。
図4(B)は、振れ検出部(角速度計103)の角速度オフセットを、積分フィルタに通すことで生じる角度オフセット404を示す。目標となる像振れ補正角度は、角度オフセット404を中心として制御されることが望ましい。図2および図3を参照して説明した角速度減算処理を行わない場合、パンニング動作時に像振れ補正角度402が角度オフセット404から大きく離れて、再びオフセットまで戻るまでに長い時間を要してしまう。フィルタのカットオフ周波数が低周波側に設定される程、復帰に時間がかかる。角度オフセット404に戻るまでの間、像振れ補正角度402は、実際の振れ角度を示す波形401とは乖離しており、適切な補正効果が得られない。そこで、図2および図3を参照して説明した角速度減算処理を行うことで、角度403に示すように、角度オフセット404を中心として像振れ補正角を求めることができる。したがって、理想的な振れ目標値(波形401)に相似する制御量(補正角度)を算出できるので、適切な像振れ補正を行える。
上記制御においては、HPF109を用いることなく角度を算出できる。しかし、ここで算出された角度には、角速度計103の出力ノイズ成分の影響によるオフセットが含まれている。そこで、以下では、オフセットを含んだ角度2算出部117の出力に基づいて、どのように像振れ補正の制御を行うかを説明する。
角度2の算出にはHPF109を使用しないため、電源投入時点から長時間が経過すると温度ドリフトの影響が現れる。例えば期間504にて角速度計103のオフセット温度ドリフトが生じ、ゼロ中心から離れた角度2が算出されることになる。
以上により、撮像期間中には、HPF109を含まないフィルタ構成により演算された角度に基づいて像振れ補正が実行される。よって、パンニングやチルティングの直後の揺り戻し現象を伴わずに、フィルタ特性を低周波数領域まで拡大できるので、像振れ補正効果が高まる。
図2に示す基準値算出部121は、角速度計103の出力のオフセット基準値を算出する。電源投入後からオフセット算出処理が開始し、オフセット基準値が算出される。その後、基準値算出部121による基準値算出処理が完了すると、減算部116へオフセット基準値が固定値として出力される。角速度計103への電源OFFによりオフセット基準値が初期化され、電源ONによりオフセット基準値の算出が開始される。オフセット基準値の算出処理が完了していない間、信号選択部122には基準値算出の完了通知が入力されない。オフセット基準値の算出処理が完了すると、基準値算出部121は信号選択部122に基準値算出完了を通知する。基準値算出が完了していない間、信号選択部122はHPF109の出力値を選択し、角度2算出部117へHPF109の出力値を送る。基準値算出処理が完了すると、信号選択部122は減算部116の出力値を選択し、角度2算出部117へ減算部116の出力値を送る。
基準値算出部121は角速度計103への電源供給がOFF状態になるまでの間、算出されたオフセット基準値を保持する。
図7は、電源投入時に角速度計103の出力がオフセット701を含んでおり、HPF109により低周波成分をカットした後、角度1算出部110が算出する目標角度を例示する。
角速度計103の出力702は、手振れ等による角速度にセンサノイズであるオフセット701が加算された信号となる。角速度計103の出力をHPF109に通して低周波数成分をカットすると、信号703のようにオフセット701が除去される。HPF109の出力から角度1算出部110が演算した目標角度を信号704に示す。電源投入時点から期間705では、オフセット701の影響により角度演算が不安定な状態である。その後、ある時間経過後の期間706においては、オフセット701の影響が除去された状態で目標角度が演算される。しかし、HPF109を用いているので、特にカットオフ周波数以下の低周波領域における性能は低下した状態となる。HPF109のカットオフ周波数を低く設定すれば、期間706での低周波領域における像振れ補正効果は高くなる。しかし、電源投入後から制御が安定するまでに要する期間705が長くなってしまう。逆に、HPF109のカットオフ周波数を高く設定すると期間705は短くなるため、電源投入後から制御が安定するまでの時間が短くなる。しかし、期間706での低周波領域における像振れ補正効果は弱まる。
オフセット701を含んだ角速度計103の出力702は、HPF処理やオフセット減算を行うことなく角度2算出部117のフィルタに通され、目標角度801が算出される。フィルタは、図6のグラフ線602で示すように、低周波帯域で平坦な特性を有する。このため、角度出力には角速度のオフセット成分のゲイン特性が残るので、目標角度にはオフセット802が含まれて演算されることになる。しかし、電源投入時点での目標角度は初期値0である。電源投入直後に角速度の出力702に対してフィルタ演算が行われるので、目標角度801が角度オフセットを含んだ角度信号805に到達するまでに期間803に示す時間を要する。フィルタのカットオフ周波数が低いと、期間803の長さは長くなる。また、フィルタのカットオフ周波数が高いと、期間803の長さは短くなる。但し、期間804では低周波領域での性能を確保するために、フィルタのカットオフ周波数については、ある程度低い値に設定しておく必要がある。
図9は、目標角度の算出例を示す。この目標角度は、基準値算出部121及び信号選択部122での信号処理を行い、減算部116が角速度計103の出力から減算量算出部115の出力と基準値算出部121の出力を減算し、これを角度2算出部117が積分することで算出される。信号901は、角速度計の出力702からオフセット基準値を減算し角速度を示す。信号901を角度2算出部117のフィルタに通すことで、目標角度902が算出される。目標角度902には、図8の期間803に示すような不安定な期間が殆どない。仮にオフセット基準値の算出に誤差が生じたとしても、期間803のような長時間の不安定状態はなく、非常に短時間で制御が安定する。
これによって、初期オフセット(基準値)の算出後には、HPF109を使用することなく、制御帯域を低域側に拡大したフィルタを使用することで補正効果が向上する。また、オフセット基準値の算出前には、HPF109を使用することで電源投入直後から制御安定までの時間を短くしつつ、ある程度の性能を確保できる。
スリープモードへの遷移後、温度変化に伴う角速度計オフセットのドリフトによって、スリープモードの設定直前からオフセットがずれてしまった場合を想定する。スリープモード解除の瞬間に、オフセット1算出部111のオフセット1と、オフセット2算出部113のオフセット2が、実際の設定すべきオフセットよりも大きくずれてしまうことがあり得る。その場合、スリープモード解除の直後から制御安定までの時間が長くかかってしまうと、その間に適切な像振れ補正効果が得られない可能性がある。そこで、スリープモードに遷移した場合においてもオフセット基準値が初期化される。あるいは、スリープモードへ遷移した時点からの時間を計測し、計測時間が所定の判定時間を超えた場合にオフセット基準値が初期化される。所定の判定時間については、大きな温度ドリフト変化が起らない時間に設定される。また、カメラ内のジャイロセンサ(姿勢検出手段)の近くに実装されたサーミスタによって温度を計測しておき、スリープモードへの遷移時の温度を取得し、所定値以上の温度変化が検出された場合にオフセット基準値の初期化を行ってもよい。この場合、所定値未満の温度変化では大きな温度ドリフト変化が起らない値(温度変化量)が閾値として設定される。
まずS1001でCPU105は、角速度計103の出力を取得する。次のS1002でCPU105は、像振れ補正が可能な状態であるか否かを判定する。像振れ補正が可能な状態である場合、S1003へ進み、振れ補正が可能な状態でない場合、S1021へ処理を進める。S1002の判定処理では、電源投入時点から角速度計103の出力が安定するまでの間、像振れ補正が可能な状態でないと判定される。角速度計103の出力が安定した後で、像振れ補正が可能な状態であると判定される。これにより、電源投入直後の出力値が不安定な状態で像振れ補正を行うことによる性能低下を防止できる。
S1003でHPF109は、角速度出力からオフセット(これをAと記す)を減算し、減算後の角速度を出力する。S1004で角度1算出部110は、オフセットAの減算後の角速度を積分し、角度1を演算する。
S1010でオフセット1算出部111は、角速度のオフセット(これをBと記す)を演算し、減算部112は角速度からオフセットBを減算し、減算後の角速度を出力する。S1011で角度2算出部117の出力(前回サンプリング値)が取得される。S1012では、S1011で取得した角度2から、オフセット2算出部113がオフセット(これをCと記す)を演算する。減算部114は角度2からオフセットCを減算し、減算後の角度を出力する。
S1016でレリーズSW104の出力値に基づき、信号切り替え部118は撮像中か否かを判定する。撮像中でない場合、S1020に移行し、目標角度に角度1が設定されて、S1018に進む。一方、S1016で撮像中であると判定された場合、S1017に移行して角度2が設定され、図5を参照して説明した波形503に示す目標角度が設定される。次のS1018で敏感度調整部119は、ズームレンズおよびフォーカスレンズの位置情報107より得られる焦点距離や撮影倍率に基づく敏感度を、目標角度に乗算することで像振れ補正目標値を演算する。次のS1019で駆動制御部120は、像振れ補正目標値に基づいて補正レンズを駆動する。そして像振れ補正サブルーチンが終了し、次回のサンプリング時点まで待ち処理となる。
S1021へ移行した場合、駆動制御部120は補正レンズの駆動を停止し、像振れ補正サブルーチンを終了し、次回のサンプリング時点まで待ち処理となる。
本実施形態によれば、上記制御により、電源投入により振れ検出動作が開始した直後に安定した像振れ補正性能を確保しつつ、広い周波数帯域での像振れ補正を実現できる。
次に本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態において第1実施形態の場合と同様の構成部については既に使用した符号を用いることでそれらの詳細な説明を省略し、主に相違点を説明する。
図11と図2との構成上の相違点は以下の通りである。
・図11では信号選択部122がなく、代わりに、基準値算出部121の基準値算出完了通知が信号切り替え部118に入力されること。
103 角速度計
104 レリーズスイッチ
105 CPU
106 撮像素子
108 振れ補正部
109 HPF
110 角度1算出部
117 角度2算出部
121 基準値算出部
Claims (9)
- 装置の振れを検出する振れ検出手段の出力する振れ検出信号を取得して像振れ補正量を算出する演算手段と、
前記演算手段により算出された前記像振れ補正量に従って像振れを補正する振れ補正手段と、を備え、
前記演算手段は、
ハイパスフィルタを用いて前記振れ検出信号からオフセット成分を除去するオフセット除去手段と、
前記振れ検出信号を取得してオフセット基準値を算出する基準値算出手段を有し、
前記振れ検出手段の動作が開始した後、前記基準値算出手段により前記振れ検出信号に係るオフセット基準値を算出するまでの間、前記オフセット除去手段により前記振れ検出信号からオフセット成分を除去して前記像振れ補正量を算出し、前記基準値算出手段により前記オフセット基準値を算出した後には、前記振れ検出信号から前記オフセット基準値を減算した信号から前記像振れ補正量を算出し、
前記振れ検出信号から前記オフセット基準値を減算した信号から算出した前記像振れ補正量は、前記ハイパスフィルタを通過しないことを特徴とする像振れ補正装置。 - 前記演算手段は、前記振れ検出手段に電源が投入された時点から前記基準値算出手段が前記振れ検出信号に係るオフセット基準値を算出するまでの間、前記オフセット除去手段により前記振れ検出信号からオフセット成分を除去して前記像振れ補正量を算出することを特徴とする請求項1に記載の像振れ補正装置。
- 前記演算手段は、前記振れ検出手段のスリープモードが解除された時点から前記基準値算出手段が前記振れ検出信号に係るオフセット基準値を算出するまでの間、前記オフセット除去手段により前記振れ検出信号からオフセット成分を除去して前記像振れ補正量を算出することを特徴とする請求項1に記載の像振れ補正装置。
- 前記基準値算出手段は、前記振れ検出手段への電源供給の停止またはスリープモードへの遷移によって前記オフセット基準値を初期化することを特徴とする請求項2または3に記載の像振れ補正装置。
- 前記演算手段は、
前記振れ検出信号を取得して第1の像振れ補正量を演算する第1演算部と、
前記振れ検出信号を取得して第2の像振れ補正量を演算する第2演算部と、
前記第1の像振れ補正量と前記第2の像振れ補正量を切り替える切り替え部を備え、
前記第1の像振れ補正量または前記第2の像振れ補正量に基づいて像振れ補正を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の像振れ補正装置。 - 前記第1演算部は、前記オフセット除去手段により前記振れ検出信号からオフセット成分を除去した信号から前記第1の像振れ補正量を算出し、
前記第2演算部は、前記振れ検出手段の動作が開始した後、前記基準値算出手段が前記オフセット基準値を算出するまでの間、前記オフセット除去手段により前記振れ検出信号からオフセット成分を除去した信号から前記第2の像振れ補正量を算出し、前記基準値算出手段が前記オフセット基準値を算出した後には、前記振れ検出信号から前記オフセット基準値を減算した信号から前記第2の像振れ補正量を算出することを特徴とする請求項5に記載の像振れ補正装置。 - 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の像振れ補正装置を備えることを特徴とする光学機器。
- 請求項5または6に記載の像振れ補正装置を備え、
撮像期間中には前記切り替え部が前記第2の像振れ補正量を選択し、撮像前には前記切り替え部が前記第1の像振れ補正量を選択して、前記振れ補正手段により像振れ補正を行うことを特徴とする撮像装置。 - 装置の振れを検出する振れ検出手段の出力する振れ検出信号を取得して像振れ補正量を算出する演算手段と、
前記演算手段により算出された前記像振れ補正量に従って像振れを補正する振れ補正手段と、を備える像振れ補正装置にて実行される制御方法であって、
前記演算手段により、
前記振れ検出手段の動作が開始した後、前記振れ検出信号に係るオフセット基準値を算出するまでの間、ハイパスフィルタを用いて前記振れ検出信号からオフセット成分を除去して前記像振れ補正量を算出するステップと、
前記オフセット基準値が算出された後、前記振れ検出信号から前記オフセット基準値を減算した信号から前記像振れ補正量を算出するステップを有し、
前記振れ検出信号から前記オフセット基準値を減算した信号から算出した前記像振れ補正量は、前記ハイパスフィルタを通過しないことを特徴とする像振れ補正装置の制御方法。
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