JP2000002900A - 光学機器及び撮影装置 - Google Patents

光学機器及び撮影装置

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JP2000002900A
JP2000002900A JP10181344A JP18134498A JP2000002900A JP 2000002900 A JP2000002900 A JP 2000002900A JP 10181344 A JP10181344 A JP 10181344A JP 18134498 A JP18134498 A JP 18134498A JP 2000002900 A JP2000002900 A JP 2000002900A
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vibration
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Koichi Washisu
晃一 鷲巣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精度の高い振れ安定表示を行う。 【解決手段】 振れを検出する振動検出手段、該振動検
出手段の出力を演算する時定数可変な演算手段、及び、
該演算手段の出力を基に制御され、振れを補正する補正
手段を具備した防振システムを有する光学機器におい
て、前記演算手段の演算時定数を基に該光学機器の動作
条件を制御、例えば防振システムの状態を表示する防振
表示手段を制御する動作条件制御手段(#1007,#
1008、#1012,#1013)を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防振システムを有
する光学機器及び撮影装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在のカメラは露出決定やピント合せ等
の撮影にとって重要な作業は全て自動化されているた
め、カメラ操作に未熟な人でも撮影失敗を起こす可能性
は非常に少なくなっている。
【0003】また、最近では、カメラに加わる手振れを
防ぐシステムも研究されており、撮影者の撮影ミスを誘
発する要因は殆ど無くなってきている。
【0004】ここで、手振れを防ぐシステムについて簡
単に説明する。
【0005】撮影時のカメラの手振れは、周波数として
通常1Hzないし10Hzの振動であるが、シャッタの
レリーズ時点においてこのような手振れを起こしても像
振れの無い写真を撮影可能とするための基本的な考えと
して、上記手振れによるカメラの振動を検出し、その検
出値に応じて補正レンズを変位させなければならない。
従って、カメラ振れが生じても像振れが生じない写真を
撮影するためには、第1に、カメラの振動を正確に検出
し、第2に、手振れによる光軸変化を補正することが必
要となる。
【0006】この振動(カメラ振れ)の検出は、原理的
にいえば、加速度,角加速度,角速度,角変位等を検出
する振れ検出センサと、カメラ振れ補正の為にその出力
を適宜演算処理する演算部を具備した振動検出装置をカ
メラに搭載することによって行うことができる。そし
て、この検出情報に基づき、撮影光軸を偏心させる補正
光学装置を駆動させて像振れ抑制が行われる。
【0007】振動検出装置と補正光学装置等を有した防
振システムについては、特開平2−58037号に詳細
が公開されているが、ここでは図19を用いてその概略
について説明する。
【0008】図19(a)は防振システムを搭載したコ
ンパクトカメラの斜視図であり、61はカメラのカバ
ー、62はカメラの撮影レンズであり、撮影をしないと
きはレンズバリアで保護されている(図19(a)は撮
影状態のためにレンズバリアは待避して見えない)。6
3はカメラのメインスイッチで、図19(a)は防振シ
ステムがオンされた撮影可能状態であり、このメインス
イッチ63を指標“OFF”に合せると撮影不能状態に
なり、このメインスイッチ63をスポーツモード64
(高速シャッタモード)或いはストロボモード65に合
せたときは、防振システムがオフされた撮影可能状態に
切り換る(このようなモードでは防振システムは必要な
いため)。66はレリーズボタンであり、該レリーズボ
タン66を押し込むことでカメラは測光,測距を行い、
ピント合せ終了後に振れ補正を始め、フィルムへの露光
を行う。67は被写体が暗いとき等に自動的に発光、或
いは、強制的に発光するストロボ発光部である。
【0009】図19(b)は図19(a)の内部斜視図
であり、68はカメラ本体、69は補正光学系70を図
中X,Y方向に自在に駆動して振れ補正を行う補正手
段、71p,71yは各々ピッチ方向の振れ72p,ヨ
ー方向の振れ72yを検出する振れ検出センサである。
73は前述したレンズバリアであり、図19(a)に示
したノブ74に連動して開閉する。ノブ74は図19
(a)に示す様にメインスイッチ63と隣接しており、
このメインスイッチ63を操作すると該ノブ74も押さ
れてレンズバリア73は開く構造になっている。レンズ
バリア73は閉状態の時に補正手段69(詳しくは、補
正光学系70を支持した支持枠)を機械的にロックし
て、携帯時等の撮影しないときに該補正手段69が暴れ
て破損することを防いでいる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一眼レフレックスカメ
ラの防振システムの場合、TTL(スルー・ザ・レン
ズ:撮影者は撮影レンズを通して被写体を狙える)の為
に実際に振れ補正していることをファインダを通して確
認できる。つまり、防振システムを使わないときはファ
イダ像は手振れで揺れて見えるが、防振システムを使用
するとこの揺れが収まるのをファインダを通して確認で
きる。ところが、図19に示した様なコンパクトカメラ
においては、撮影系のレンズ(振れを補正するレンズを
含む)と撮影者が被写体を確認するファインダ系のレン
ズは夫々専用のために、ファインダを通して防振システ
ムの作動を知る事が出来ない。この場合、ファインダ系
のレンズも振れ補正すれば良いのであるが、そうするこ
とでカメラは大きくなり、又コストアップしてしまうの
でこの種のコンパクトカメラには採用することはできな
い。
【0011】その為に問題になるのが、防振システムの
作動状態を未確認のまま撮影した為に十分な振れ補正が
行われていない写真が撮れてしまうことである。
【0012】これに対し特開平4−68322号に開示
されている様に、防振システムの安定度をファインダ内
に表示する事で、防振不安定時に撮影してしまう事を防
ぐ考え方がある。
【0013】しかしながら、上記特開平4−68322
号における安定度表示は防振システム起動からの経過時
間を基に制御されていた事に問題があった。ここで、上
記従来例を簡単に説明すると、防振システム起動開始
(振動検出手段のオン)からタイマがスタートし、タイ
マが一定時間(例えば1秒であるが、シャッタスピード
が短く、防振精度が高く求められない時はより短い時
間)経由するとファインダ内に防振システム安定表示を
行う。前記振動検出手段(振れ検出センサとその演算処
理回路を含む)の出力はその起動から一定の時間で安定
する事が解っている為に、タイマ計測だけで防振の安定
度を表示できるのである。
【0014】しかし上記振動検出手段の安定度は、上述
の時間ばかりでなく起動後の環境によっても変化する。
例えば、起動後に外部衝撃(カメラを大きく振る、軽く
叩く等)が加わると、それにより振動検出手段に誤差が
生じ(振れ検出センサの出力にオフセット出力が重畳し
たり、演算処理回路が飽和したりする)、その後出力が
安定する迄に更に時間が必要となる。
【0015】よって、従来例の様に単にタイマの経過時
間だけで防振安定度表示を管理していると、上述の様な
不意のカメラ操作時には正しい安定度表示が出来ないと
云う欠点があった。
【0016】また、安定度表示が正しく行われたとして
も撮影者がそれを十分に活用しなければ十分な防振精度
は得られない。特にカメラの扱いに不慣れな撮影者にお
いては、撮影前のカメラからの情報に気を配らずに撮影
してしまう事はしばしば起きる問題である。そして、防
振システムが不安定な時に撮影を行ってしまうと、防振
が十分に効かないばかりでなく、手振れ以上に像劣化が
生ずる恐れもある。従って、撮影者が防振システム安定
前に撮影を行った場合への対策も重要である。
【0017】これに対して従来の対策としては、特開平
3−248132号に述べられている様に、振動検出手
段の出力に異常がある時は、振れ補正を行わなかった
り、特開平4−68322号の様に防振システム安定迄
はレリーズを禁止する方法がある。
【0018】しかしながら、撮影前にカメラからの情報
に気を配らず一気に撮影してしまう様な撮影操作方法は
概して手振れの大きくなる操作方法であり、この様な時
に振れ補正が行われないと手振れによる像劣化は著しい
ものになる。又、この様な時にレリーズロックを行って
しまうと、撮影者は何故写真が撮れないのか解らず何度
も同じ操作(手振れの大きくなる様な急激なレリーズ操
作)を繰り返し、いつ迄たっても写真が撮れなくなる事
も考えられる。
【0019】(発明の目的)本発明の第1の目的は、精
度の高い防振安定表示を行ったり、振れが生じた状態で
撮影が行われてしまう事を未然に防いだり、どの様な撮
影の為の操作が行われても防振効果を発揮させることの
できる光学機器及び撮影装置を提供しようとするもので
ある。
【0020】本発明の第2の目的は、防振効果を高め、
失敗の無い撮影を行うことのできる撮影装置を提供しよ
うとするものである。
【0021】本発明の第3の目的は、防振効果を有した
動作を行うことのできる光学機器を提供しようとするも
のである。
【0022】本発明の第4の目的は、補正手段の振れ補
正ストロークの使い切りを防ぎ、防振効果を有した失敗
の無い撮影を行うことのできる撮影装置を提供しようと
するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1〜12記載の本発明は、振れを検出
する振動検出手段、該振動検出手段の出力を演算する時
定数可変な演算手段、及び、該演算手段の出力を基に制
御され、振れを補正する補正手段を具備した防振システ
ムを有する光学機器において、前記演算手段の演算時定
数を基に該光学機器の動作条件を制御する動作条件制御
手段を有した光学機器とするものである。
【0024】上記構成においては、演算手段の演算時定
数を基に該光学機器の動作条件を制御する、具体的に
は、演算手段の時定数が可変範囲内で大きい時に、防振
安定表示や振れ補正の開始を行ったり、演算手段の時定
数が可変範囲内で小さい時には、撮影禁止やシャッタレ
リーズタイムラグの延長を行うようにしている。又それ
らの制御は、単に演算手段の時定数ばかりでなく、振動
検出手段や演算手段の出力,撮影機能を有した光学機器
のシャッタスピードや焦点距離の情報も加味して制御す
るようにしている。
【0025】上記第2の目的を達成するために、請求項
13〜15記載の本発明は、振れを検出する振動検出手
段、及び、該振動検出手段の出力を基に撮影操作に応答
して制御が開始され、振れ補正動作を行う補正手段を具
備した防振システムを有する撮影装置において、該撮影
装置の撮影タイミングとは独立に、前記振動検出手段の
出力を基に前記補正手段による振れ補正動作開始,終了
を制御する振れ補正タイミング制御手段を有した撮影装
置とするものである。
【0026】上記構成においては、振動検出手段の出力
の平均値が所定範囲を越えると補正手段による振れ補正
動作を終了し、撮影終了までは補正手段を振れ補正動作
終了位置に保持しておくようにしている。
【0027】同じく上記第2の目的を達成するために、
請求項16及び17記載の本発明は、振れを検出する振
動検出手段、該振動検出手段の出力を演算する時定数可
変な演算手段、及び、該演算手段の出力を基に制御さ
れ、振れ補正を行う補正手段を具備した防振システムを
有する撮影装置において、撮影者の操作、或いは、被写
体の輝度により設定される露光期間とは独立に、前記演
算手段の時定数の状態を基に前記補正手段による振れ補
正期間を制御する振れ補正期間制御手段を有した撮影装
置とするものである。
【0028】上記構成においては、撮影者の操作、或い
は、被写体の輝度により設定される露光期間とは独立
に、演算手段の時定数が可変範囲内で大きい時は、補正
手段による振れ補正期間の上限を制御するようにしてい
る。
【0029】また、上記第3の目的を達成するために、
請求項18及び19記載の本発明は、振れを検出する振
動検出手段、該振動検出手段の出力を演算する演算手
段、及び、該演算手段の出力を基に制御され、振れ補正
を行う補正手段を具備した防振システムを有する光学機
器において、前記振動検出手段の出力を基に前記補正手
段の振れ補正範囲を制御する補正範囲制御手段を有した
光学機器とするものである。
【0030】上記構成においては、演算手段の時定数は
振動検出手段の出力を基に可変に設定され、前記時定数
が可変範囲内で大きい時は、前記補正手段の振れ補正範
囲を狭くするようにしている。
【0031】また、上記第4の目的を達成するために、
請求項20〜22記載の本発明は、振れを検出する振動
検出手段、該振動検出手段の出力を演算する演算手段、
及び、該演算手段の出力を基に制御され、振れを補正す
る補正手段を具備した防振システムを有する撮影装置に
おいて、前記補正手段の振れ補正開始時の位置を撮影状
態に応じて変更する補正開始位置変更手段を有した撮影
装置とするものである。
【0032】上記構成においては、演算手段の時定数は
振動検出手段の出力を基に可変に設定され、前記時定数
が可変範囲内で大きい時は、補正手段の振れ補正開始位
置を、補正手段の振れ補正ストローク内の光学中心を振
れ量の平均値とした時の振れ補正開始時の前記演算手段
の出力に応じて変更し、前記時定数が可変範囲内で小さ
い時は、補正手段の振れ補正ストローク内の光学中心と
する、或いは、露光時間(シャッタスピード)に応じて
補正開始位置を変更するようにしている。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
【0034】図1は本発明の実施の第1の形態に係る防
振システムを備えたカメラの回路構成を示すブロック図
である。
【0035】同図において、11はカメラマイコンであ
り、該カメラマイコン11には、カメラのメインスイッ
チ12からの信号12a、レリーズボタン13からの半
押し(S1)信号13a,押し切り(S2)13b信
号、測光回路14からの測光情報14a、測距回路15
からの測距情報15aが入力しており、これらの信号を
基に、レンズ合焦駆動装置16、シャッタ装置17、ズ
ーム駆動装置18、フィルム給送装置19、補正手段1
10、振動検出手段111を駆動している。
【0036】また、それらの装置や手段からもカメラマ
イコン11に必要な情報が入力されており、例えばレン
ズ合焦駆動装置16からはレンズの位置情報や合焦用レ
ンズ駆動モータの回転情報16a、シャッタ装置17か
らはシャッタの開口量情報17a、ズーム駆動装置18
からはレンズの繰り出し量情報18a、フィルム給送装
置19からはフィルムの給送状態の情報や給送モータの
負荷情報19a、補正手段110からは補正レンズの位
置情報110a、振動検出手段111からはカメラに加
わる振れ情報111aが、それぞれ入力されている。
【0037】カメラマイコン11は、更に上述した複数
の装置や手段の情報を表示装置112に表示させ、必要
とあれば閃光装置113を発光させて撮影時の光量を補
っている。
【0038】ここで、上記振動検出手段111は、公知
の振動ジャイロ等の角速度計と、その出力のDC成分を
減衰させるハイパスフィルタと、高周波ノイズを減衰さ
せるローパスフィルタとにより構成されており、その出
力(角速度信号)111aはA/D変換されてカメラマ
イコン11に入力している。
【0039】カメラマイコン11は、入力された角速度
信号111aを積分演算して角度信号に変換しており、
その演算の方法について以下に説明する。
【0040】図2は、カメラマイコン11内の積分演算
の様子を説明するブロック図であり、角速度信号111
aを積分器114で積分して角度信号114aを出力す
る。この積分器114は公知の差分方程式等のディジタ
ルフィルタで構成されており、その帯域は図3(a)に
示す様に、 0.1Hz以上を積分する特性116となって
いる。手振れの帯域117は、同図に併記した様に1〜
10Hzであるが、この帯域の角速度信号を正確に角度
信号に変換しようとすると 0.1Hz位の低周波から積分
する特性116にしなくてはならない訳であるが、ここ
に問題がある。同図から解る様に、この特性の場合、1
Hz以下の低周波数はA倍増幅されてしまう。
【0041】その為、角速度信号にこの帯域(1Hz以
下)のノイズがあるとそれがA倍に増幅されてしまい、
例えば図3(b)の波形116aの様に大きなうねりを
生じ、この間に撮影を行うと逆に像劣化を起こしてしま
う。又、起動直後においては角速度信号111aが積分
器114にステップ状に入力して来る為にその過度応答
特性としても波形116aの様な信号が出力される。
【0042】この現象を少なくする為に、図3(a)に
おける破線の特性118の様に 0.5Hz以上を積分する
ようにした場合は、図3(b)に示す波形118aの様
にうねりは小さくなる。しかしながらこの特性118の
場合、手振れ帯域117の特に1Hz近辺の信号は精度
良く角度信号に積分されない事になる。
【0043】これは、例えばシャッタスピードが1/3
0秒の様にある程度速い時や、焦点距離が100mm以下
の様に手振れが目立ち難い時には問題ない(防振精度が
良くなくても像性能の絶対レベルが高い)が、シャッタ
スピードが1/8秒や焦点距離200mmとなって来ると
十分な防振が出来なくなる。
【0044】さて、振動ジャイロの出力は起動直後には
低周波のうねり成分が少なからず重畳しており、その成
分が前述した積分器114により波形116a,118
aの様に増幅されてしまう。その為にこの波形116
a,118aが落ち着く迄撮影は控えた方が望ましい訳
であり、その事を撮影者に伝える事で撮影の失敗は防ぐ
事が出来る。
【0045】図2において、積分器114にはタイマ1
19からのタイマ信号119aが入力されている。この
タイマ119はレリーズボタン13の半押し信号13a
で起動し(振動検出手段111もこれと同期して起動す
る)、例えば 0.2秒毎に信号13aの入力から 0.8秒間
信号119aを積分器114に出力する。この信号11
9aの入力毎に積分器114は時定数を大きくしてい
く。即ち、図3(a)における積分特性をレリーズボタ
ン13の半押し時はリセットされているのを、 0.2秒後
に特性121、 0.4秒後に特性120、 0.6秒後に特性
118、 0.8秒後に特性116とする。
【0046】そして、特性121の場合、防振精度は低
いが焦点距離が200mmでもシャッタスピードが1/1
25秒以上の時、或いは、シャッタスピードが1/30
秒でも焦点距離が70mm以下の時は像振れの心配はな
く、特性120の場合でも、焦点距離が200mmでもシ
ャッタスピードが1/60秒以上の時、或いは、シャッ
タスピードが1/15秒でも焦点距離が70mm以下の時
は像振れの心配はなくなる。特性118の時は、前述し
た様に焦点距離200mmでシャッタスピード1/30秒
以上の時、シャッタスピード1/8秒でも焦点距離70
mm以下の時は像振れの必要はなくなる。
【0047】よって、撮影条件(シャッタスピード,焦
点距離)と積分器114の特性(時定数)の状態によ
り、防振可能表示のタイミングを制御してやれば撮影の
失敗は少なくなり、通常の撮影(シャッタスピード1/
60秒,焦点距離135mm)の時は表示は早く出力され
(特性121の積分能力で十分な為、レリーズボタン1
3の半押しから 0.2秒で表示は出る)、夜景の様に暗い
被写体の時は防振精度を良くする為に特性116になる
迄( 0.8秒)表示は行わない様にする。
【0048】ここで、積分器114の時定数はタイマ1
19と対応している為に、従来例と同様に防振システム
起動からタイマで表示を制御しているのと大きな差はな
くなる様に考えられる。
【0049】ところが、図2において、積分器114の
出力信号114aはウインドコンパレータ115に入力
されており、該ウインドコンパレータ115では信号1
14a(波形116a,118a等)が図3(b)の様
に範囲115bを越えると積分特性を特性118に戻
し、範囲115cを越えると特性120に戻す。そして
上記範囲内に収まると再び特性116に時定数を大きく
していく。
【0050】これはカメラのパンニングやカメラへの衝
撃入力等で振動検出手段111に大きな出力変動が生じ
た際にその直後からも撮影を行える様に波形116a等
のうねりを少なくする為の対策である。
【0051】この様にレリーズボタン13の半押し(S
1のオン)操作ばかりではなく、カメラのパンニング等
でも防振精度(積分特性)は変化する為に、単純にタイ
マだけで表示を制御する訳にはいかない。積分時定数で
表示を制御する場合には、レリーズボタン13の半押し
操作時ばかりではなく、上述パンニング時においても表
示を制御する事が出来る。
【0052】図4及び図5は本発明の実施の第1の形態
に係るカメラの動作を説明するフローチャートであり、
カメラのメインスイッチ12のオンでこのフローはスタ
ートし、前記メインスイッチ12のオフでこのフローの
どのステップにあっても、該フローは終了しリセットさ
れるようになっている。
【0053】なお、動作の説明を解り易くする為に測光
や測距等の一般的なカメラ動作は省き、本発明に係る動
作部分のみを示している。
【0054】カメラのメインスイッチ12がオンされる
と、カメラマイコン11はステップ#1001におい
て、レリーズボタン13が半押しされる(S1のオン)
まで待機し、半押しされることでステップ#1002へ
進む(この時、同時に振動検出手段111や積分器11
4等より成る演算手段は起動する)。
【0055】次のステップ#1002においては、測光
回路14からの測光情報より得られたシャッタスピード
Sと現在の焦点距離Zの積aを求める。例えば、S=1
/30[s] ,Z=180[mm]では「a=6」となる。
【0056】ここで、この積aと図3(a)の特性の関
係を説明する。
【0057】積aはシャッタスピードが遅くなる程、
又、焦点距離が長くなる程大きくなり、積aが大きいと
云う事はそれだけ像振れし易い事になる。そして、この
積aが大きい程防振精度も高くしなくては十分な防振効
果は得られない。よって、例えば以下の組み合わせの時
は像振れ失敗の無い写真撮影が可能となる。
【0058】 図3(a)の特性121の時 a≦ 1.6 図3(a)の特性120の時 a≦ 3.3 図3(a)の特性118の時 a≦ 6.6 図3(a)の特性116の時 a≦25 従って、最終特性116の場合も「a>25」の時(例
えばシャッタスピード1/4[s] ,焦点距離200[m
m])は十分な防振は出来なくなってしまうが、この様な
条件は稀であり、撮影者もその様な条件が解っている為
にカメラ側で特別な措置をとる事はしない。
【0059】次のステップ#1003においては、タイ
マtをスタートさせ、続くステップ#1004におい
て、レリーズボタン13の押し切り操作(S2のオン)
を検出することで図5のステップ#1032へ進む。そ
うでない時はステップ#1005へ進み、「t≧ta
(ta= 0.2秒)」迄待機し、ta経過後にステップ#
1006へ進む。そして、ステップ#1006において
は、積分器114の時定数τをτa に設定し、積分特性
を図3(a)の特性121とする。次のステップ#10
07においては、「a≦a1 (a1 = 1.6)」の時はス
テップ#1008へ進み、そうでない時はステップ#1
009へ進む。
【0060】ステップ#1008においては、前述の様
に特性121で「a≦a1 」の時は像振れの失敗がない
為に撮影可能表示を表示器112にて行う。
【0061】以降のステップ#1009〜#1013
や、#1014〜#1017→#1021や、#102
2〜#1026→#1029は、上記ステップ#100
4〜#1008と同じ動作を行う部分であり、タイマt
が 0.2秒毎(tb = 0.4[s] ,tc = 0.6[s] ,td
0.8[s] )に積分特性を特性120,118,116に
変更していく。そして、その時の特性と積aの値を比較
して撮影可能表示の判定をしている。
【0062】但し、図4のステップ#1017において
は、積分器114の信号114aをウインドコンパレー
タ115で比較し、信号出力Vが図3(b)の範囲11
5cを越えている時(即ち、積分出力Vの絶対値|V|
がVa 以下の時:Va は範囲115cの半分の値)には
カメラにパンニング等の外乱が入ったと判定し、ステッ
プ#1018で表示を消し、次のステップ#1019に
おいて、タイマtを「t=tb 」に戻し( 0.2秒遅ら
す)、ステップ#1011に戻って積分特性を特性12
0に戻すようにしている。
【0063】また、図5のステップ#1025〜#10
28も同様の動作を行う部分であり、ステップ#102
5は上記ステップ#1017と同様のステップである
が、「|V|≦Va」でない時にはステップ#1017
へ進む(但し、ステップ#1019で「t=tb 」とす
る事は現時点に比べ 0.4遅らす事になる)。次のステッ
プ#1026においては、積分信号114aの出力が図
3(b)の範囲115bを越えたか否か判定しており、
具体的には、範囲115bの半分の値をVbとすると、
「|V|≦Vb」でない時、即ち、「Vb<|V|≦V
a」の時は特性120迄戻す必要はない為にステップ#
1027にて表示を消し、次のステップ#1028にお
いて、「t=tc」に戻し( 0.2秒遅らす)、図4のス
テップ#1016へ戻り、積分特性を特性118に戻
す。
【0064】ステップ#1030においては、レリーズ
ボタン13の半押し状態を検出し、半押しが解除されて
いる(S1がオフ)時はステップ#1001に戻る。一
方、レリーズボタン13の半押し状態のままであればス
テップ#1031へ進み、レリーズボタン13の押し切
り操作(S2がオン)がなされているか否かを判定す
る。押し切り操作がなされていなければステップ#10
30→#1031のループを繰り返し、その後レリーズ
ボタン13の押し切り操作がなされるとステップ#10
32へ進む。そして、このステップ#1032において
は、今迄表示されていた(#1008,#1013,#
1021,#1029で表示されている)表示を消す。
【0065】次のステップ#1033においては、補正
手段110による振れ補正を開始し、続くステップ#1
034において、フィルムへの露光を行い、露光終了後
はステップ#1035へ進み、前記振れ補正を終了す
る。そして、次のステップ#1036において、レリー
ズボタン13の半押し解除まで待機し、半押し解除がな
されると図4のステップ#1001へ戻る。
【0066】以上の説明した様に、シャッタスピードと
焦点距離と振動検出手段111内の積分器114の時定
数の関係により、表示のタイミング(#1008,#1
013,#1021,#1029の何れで表示を行う
か)を制御しており、撮影者はその表示に従って撮影タ
イミングを定める事で、像振れによる失敗の無い写真を
撮ることが出来る。
【0067】上記のフローでもわかる様に、ステップ#
1017,#1025,#1026で積分器114の時
定数を変更しており、ステップ#1018,#1027
では表示を消している。
【0068】この様に、積分出力の安定性と積分特性
(時定数)の関係が対応している為に時定数により表示
を制御する事により、撮影失敗を未然に防ぐことが可能
であり、従来例の様にタイマにより表示を制御する方法
に比べ、より細かく正確な表示の制御が可能となる。
【0069】(実施の第2の形態)上記実施の第1の形
態では、撮影者は表示に従って撮影を実行する事で像振
れによる失敗を未然に防ぐ様にしていた。しかしなが
ら、表示を見ないで撮影した場合、或いは、表示に従っ
てレリーズボタン13の押し切り操作をしたが、その後
突発的な外乱で再び防振不安定となった時は良好な撮影
は出来ない。本発明の実施の第2の形態では、この様な
時も撮影の失敗を無くす構成したものである。
【0070】図6及び図7は本発明の実施の第2の形態
に係る防振システムを備えたカメラの主要部分の動作を
示すフローチャートであり、上記実施の第1の形態にお
ける図4及び図5と基本的には同じであり、以下に異な
る部分のみについて説明する。
【0071】図4のステップ#1004の代わりにステ
ップ#2001が入っており、このステップにおいて、
「a≦a0 」でない時は上記実施の第1の形態と同様に
レリーズボタン13の押し切りを許可せず、ステップ#
1005へ進む。また、このステップ#2001で「a
≦a0 」であった場合はステップ#2002へ進み、レ
リーズボタン13の押し切りを許可する。ここで、a0
は例えば焦点距離200mm、シャッタスピード1/20
0秒の時の様に手振れが生じる可能性が低い場合(a=
1)であり、aが「1」以下の場合は防振システム不要
の為にステップ#2001,#2002にてレリーズボ
タン押し切りを許可する。
【0072】同様に、ステップ#1007,#101
2,#1020において、aの値が大きく、防振不十分
と考えられる場合は、ステップ#1009,#101
4,#1022は通らず、撮影は許可しない。よって、
表示を見ないで撮影してしまう事が無くなり、撮影条件
に見合う積分時定数になる迄振れ補正は開始しない為、
余分に電力を使う事も無くなる。
【0073】図7のステップ#1032にて表示をオフ
した後はステップ#2003へ進み、振動検出手段11
1の角速度出力が一定範囲内になる迄待機している点
が、上記実施の第1の形態と異なる。このステップ#2
003において、角速度出力ωの絶対値がω0 以下の
時、即ち角速度出力が一定範囲内の時のみステップ#1
033へ進み、そうでない時は角速度出力が一定範囲に
入る迄待機する。ステップ#1033においては、振れ
補正を開始し、次のステップ#2004において、露光
を開始する訳であるが、露光中も補正手段の停止タイミ
ングを制御している点が上記実施の第1の形態と異な
る。
【0074】次のステップ#2005においては、積分
器114の出力114aが一定範囲内にあるか否か判定
し(#1017と同じ)、一定範囲を越えたらステップ
#2006へ進み、越えない時はステップ#2007へ
進む。ステップ#2007においては、露光終了秒時か
否かを判定し、露光終了秒時であればステップ#200
8へ進み、そうでない時はステップ#2005へ戻り、
ステップ#2005〜#2007を繰り返す。
【0075】振動検出手段111の出力には低周波大振
幅のうねりが露光中に生ずる場合があり、この様な場
合、防振を行った方が却って像が劣化する恐れがある。
その様な時は防振するより逆に防振を止めてしまった方
が良く、ステップ#2005にて大振幅を検出するとス
テップ#2006へ進み、大振幅時点における補正手段
110の現位置に該補正手段110を固定する。
【0076】これは、露光中に防振を止める際に補正手
段110を初期位置に戻すと、その動作が逆に像振れに
なってしまう事を防ぐ為である。
【0077】尚、ステップ#2005では積分出力で判
定しているが、検出したいのは低周波のうねりの為に、
積分器114の出力を平均化、あるいは高周波カットフ
ィルタを通した出力を用いて、その出力が一定範囲から
外れると補正手段110をその位置に固定しても良い。
【0078】ステップ#2008においては露光を終了
し、その後は上記実施の第1の形態と同様に、ステップ
#1035,#1036を経てステップ#1001へ戻
る。
【0079】以上の様に、積分器114の時定数(演算
時定数)や振動検出手段111の出力、積分出力(演算
出力)を基に振れ補正開始,終了を制御することで、誰
にでも像振れによる失敗のない写真を撮ることができる
ようになる。
【0080】(実施の第3の形態)図8及び図9は本発
明の実施の第3の形態に係る防振システムを備えたカメ
ラの主要部分の動作を示すフローチャートであり、上記
実施の第2の形態と異なるは、図8のステップ#200
4の動作終了後以降の、図9に示すステップ#3001
〜#3004のみであるので、その部分について説明
し、その他は上記実施の第2の形態と同様であるのでそ
の部分の動作や、図6に対応するフローチャート及びそ
の説明は省略する。
【0081】図8のステップ#2004での動作を終了
すると図9のステップ#3001へ進み、ここでは積分
器114の時定数を検出して、「τ=τd 」と最も大き
い時(図3(a)の特性116)はステップ#3002
へ進み、そうでない時はステップ#2007へ進む。ス
テップ#3002においては、被写体輝度により求まる
露光秒時T1 と一定値te との関係を判定し、「T1
e 」の時はステップ#3003へ進み、「T1 <t
e 」の時はステップ#2007へ進む。
【0082】ステップ#3003においては、タイマt
S をスタートさせ、次のステップ#3004において、
「tS ≧te 」となる迄待機し、この条件を満たすこと
によりステップ#2006へ進む。そして、このステッ
プ#2006において、補正手段110を今迄振れ補正
していた最終位置に固定し、ステップ#2007以降の
動作を実行する。
【0083】即ち、この実施の第3の形態では、積分時
定数が最も大きく、且つ露光時間が一定より長い時は、
露光途中で振れ補正を停止するようにしている。
【0084】図10(a),(b)は以上を説明する為
の図であり、積分時定数がτc の時(τd 以外の時)、
振れ補正を行うと露光終了後に振れ補正は終了する(T
2 とtf 参照)。しかしながら積分時定数がτd の場
合、且つ、露光時間T1 がte以上の時は振れ補正は露
光中に停止し、補正手段110をその位置に保持してお
く。
【0085】前述した様に積分時定数が大きいと低周波
のうねりを増大してしまう為、却って像劣化を起こす場
合もある。従って、長秒時露光時は振れ補正を途中で止
める構成にしている。
【0086】以上の様に、積分時定数を基に振れ補正期
間を制御することで、像振れによる撮影の失敗を防ぐこ
とができる。
【0087】(実施の第4の形態)図11は本発明の実
施の第4の形態に係る防振システムを備えたカメラの主
要部分の動作を示すフローチャートであり、上記実施の
第3の形態と異なるは、図9に対応する図11におい
て、ステップ#4001〜#4004のみが異なるの
で、その部分についてのみ説明する。
【0088】ステップ#4001においては、補正手段
110の現在の積分出力(駆動目標値)が一定範囲を越
えたか否かを判定し、一定範囲を越えた場合はステップ
#4002へ進み、そうでない時はステップ#2007
へ進む。ステップ#4002においては、補正手段11
0をその時の補正位置に固定する。そして、次のステッ
プ#4003において、再度ステップ#4001と同様
の判定を行い、積分出力が一定範囲に入ればステップ#
4004へ進み、そうでない時はステップ#2007へ
進む。ステップ#4004においては、補正手段110
による振れ補正動作を再開してステップ#2007へ進
む。
【0089】ステップ#2007においては、露光が終
了したか否かを判定し、終了していなければステップ#
4001へ戻り、以下同様の動作を繰り返す。その後、
露光が終了したことを判定するとステップ#2008へ
進んで露光を終了する。
【0090】この様に積分時定数が最も大きく(τ
d )、積分出力が一定範囲を越えている間は振れ補正を
止めるようにしている。
【0091】図12(a),(b)は以上のフローを説
明する為の図であり、積分時定数が大きい(τ=τd
時は、一定範囲内しか振れ補正を行っていない。これは
前述した様に積分時定数が大きい時は低周波のうねりが
増幅される為に、それによる像劣化を防ぐ為であり、多
少防振効果は犠牲になるが防振により却って像劣化する
ことを防いでいる。一方、積分時定数が小さい場合は低
周波のうねりの心配がない為に補正手段110の駆動範
囲の規制は行わない。
【0092】この様に積分時定数(演算時定数)によっ
て振れ補正範囲を制御する事で、像振れによる失敗の無
い写真を得ることができる。
【0093】(実施の第5の形態)図13及び図14は
本発明の実施の第5の形態に係る防振システムを備えた
カメラの主要部分の動作を示すフローチャートであり、
図13は上記実施の第2の形態にて説明した図8のステ
ップ#1003,#2004の省いた部分と同様である
ので、その説明は省略する。
【0094】図13のステップ#2003にて角速度出
力が一定範囲内に入ることにより図14のステップ#5
001へ進み、ここでは被写体輝度で求められる露光時
間Tが所定時間(例えば1/15秒)より長いか否かを
判定し、長い場合はステップ#5004へ進み、そうで
ない時はステップ#5002へ進む。
【0095】ステップ#5002においては、積分時定
数が最も大きい(τd )か否かを判定し、大きい場合は
ステップ#5004へ進み、そうでない時はステップ#
5003へ進む。
【0096】ステップ#5003においては、後述する
様にスイッチ回路をスイッチ接点Sb側に接続する。こ
の事を図15を用いて説明する。
【0097】図15において、積分出力114a(図2
に示した積分器114の出力)は、スイッチ回路63の
接点Sa、及び、サンプルホールド回路61に、それぞ
れ入力されている。前記サンプルホールド回路61は常
時サンプリング中であり、カメラマイコン11からホー
ルド信号H(61a)が入力された時点で入力信号をホ
ールドする。次段の差動演算回路62は積分出力114
aと前記サンプルホールド回路61の出力61bの差を
求めており、サンプルホールド回路61がサンプリング
中は差動演算回路62の両入力は同じな為、その出力6
2aはゼロである。
【0098】そして、サンプルホールド回路61がホー
ルドされた時点から差動演算回路62の出力62aはゼ
ロから連続的に出力を始める。前記出力62aはスイッ
チ回路63の接点Sbに入力され、該スイッチ回路63
はスイッチ接点Sa,Sbいずれかを選択して補正手段
110へ入力信号を送る。その為、スイッチ接点Saが
接片63aにて選択されている場合は、積分出力114
aに従って振れ補正が行われる。よって、補正手段11
0は振れ補正前は初期位置にあるが、補正開始とともに
その時の積分出力114aの指示する位置に急速に移動
し、振れ補正を始める。
【0099】一方、スイッチ接点Sbが接片63aにて
選択されている場合は、ホールド信号H(61a)の入
力時点の出力63bがゼロであり、そこから連続的に出
力される為に補正手段110は初期位置から連続的に振
れ補正を始める。
【0100】図16はその事を説明する為の図であり、
積分出力114aに対し補正手段110の振れ補正開始
位置はスイッチ接点Saが選択されている時は波形65
となり、矢印66に示す過渡応答区間を生ずる。よっ
て、露光時間が短い場合、全体の露光時間に対する過渡
応答時間の割合が大きくなり、像劣化を引き起こす事が
ある。また、スイッチ接点Sbが選択されている時は波
形64の様に振れ補正開始とともに補正手段110はス
ムーズに振れ補正を始め、過渡応答区間はなくなり、上
記問題は解決する。
【0101】しかしながら、積分出力114aは補正手
段110の振れ補正ストローク内の中心を平均値として
いる為に、波形64の様に振れ補正開始位置をずらすと
振れ補正ストロークに片寄りが出てしまい、ストローク
を使い切って補正が出来なくなる場合が出て来る。
【0102】図17において、波形65は補正ストロー
ク内に収まっているが、波形64はストロークを使い切
っている。そして、露光時間TS (短い時)の場合、波
形64でもストローク使い切りは無く良好な撮影が出来
るし、波形65の過渡応答部66の影響もない。
【0103】露光時間がTL (長い時)の場合、ストロ
ーク使い切りを防ぐ為に波形65を選択する。この時、
露光時間が長い為に過渡応答の影響は無視される。この
判定を行うのが上記ステップ#5001である。
【0104】又、同じ露光時間であっても積分時定数が
大きい場合の積分出力114b(図18(b))は積分
時定数の小さい場合の出力114c(図18(a))に
比べて低周波うねりが多く、その分ストローク使い切り
の影響が大きい。
【0105】そこで、ステップ#5002にて時定数の
判定を行い、時定数が大きい時は、接片63aによりス
イッチ接点Sa側を選択し、図18(b)の波形67の
様に補正手段110を駆動してストローク使い切りを防
ぎ、時定数が小さい時は、接片63aによりスイッチ接
点Sb側を選択し、過渡応答の影響を防いでいる。
【0106】上記の様に、ステップ#5001,#50
02において、露光時間,時定数を判定し、ステップ#
5003又はステップ#5004において、補正開始位
置の切り換えを行う。
【0107】上記ステップ#5003にてスイッチ接点
Sb側を選択した後はステップ#5005へ進み、ここ
ではサンプルホールド回路61にホールド信号H(61
a)を出力する。これにより、出力62aがゼロから連
続的に出力し始める。
【0108】次のステップ#1033においては、振れ
補正を開始し、以降は実施の第1の形態と同様の動作を
行う。
【0109】以上の様に、露光時間,演算時定数で補正
開始位置を制御することで、補正手段110の振れ補正
ストローク使い切りを防ぎ、良好な撮影が行えるように
なる。
【0110】(発明と実施の形態の対応)上記実施の各
形態において、カメラマイコン11内の図4及び図5の
動作を行う部分が本発明の動作条件制御手段に、表示装
置112が本発明の防振表示手段に、カメラマイコン1
1内の図8のステップ#2003や図9のステップ#3
004の動作を行う部分が本発明の振れ補正タイミング
制御手段に、カメラマイコン11内の図11のステップ
#4001,#4002の動作を行う部分が本発明の振
れ補正期間制御手段に、カメラマイコン11内の図11
のステップ#4001〜#4005の動作を行う部分が
本発明の補正範囲制御手段に、カメラマイコン11内の
図14のステップ#5001〜#5005の動作を行う
部分が本発明の補正開始位置変更手段に、それぞれ相当
する。
【0111】以上が実施の形態の各構成と本発明の各構
成の対応関係であるが、本発明は、これら実施の形態の
構成に限定されるものではなく、請求項で示した機能、
又は実施の形態がもつ機能が達成できる構成であればど
のようなものであってもよいことは言うまでもない。
【0112】(変形例)本発明は、コンパクトカメラに
適用した場合を想定しているが、その他の種々の形態の
防振機能付きカメラであっても、さらにはカメラ以外の
防振機能を有した光学機器に対しても適用できるもので
ある。
【0113】更に、本発明は、以上の実施の各形態、又
はそれらの技術を適当に組み合わせた構成にしてもよ
い。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
精度の高い防振安定表示を行ったり、ぶれが生じた状態
で撮影が行われてしまう事を未然に防いだり、どの様な
撮影の為の操作が行われても防振効果を発揮させること
ができる光学機器及び撮影装置を提供できるものであ
る。
【0115】また、本発明によれば、防振効果を高め、
失敗の無い撮影を行うことができる撮影装置を提供でき
るものである。
【0116】また、本発明によれば、防振効果を有した
動作を行うことができる光学機器を提供できるものであ
る。
【0117】また、本発明によれば、補正手段の振れ補
正ストロークの使い切りを防ぎ、防振効果を有した失敗
の無い撮影を行うことができる撮影装置を提供できるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの回路
構成を示すブロック図である。
【図2】図1の振動検出手段内の回路構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】図2の振動検出手段の構成における各種の特性
を説明する為の図である。
【図4】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの主要
部分の動作の一部を示すフローチャートである。
【図5】図4の動作の続きを示すフローチャートであ
る。
【図6】本発明の実施の第2の形態に係るカメラの主要
部分の動作の一部を示すフローチャートである。
【図7】図6の動作の続きを示すフローチャートであ
る。
【図8】本発明の実施の第3の形態に係るカメラの主要
部分の動作の一部を示すフローチャートである。
【図9】図8の動作の続きを示すフローチャートであ
る。
【図10】図9の動作説明を助ける為の図である。
【図11】本発明の実施の第4の形態に係るカメラの主
要部分の動作を示すフローチャートである。
【図12】図11の動作説明を助ける為の図である。
【図13】本発明の実施の第5の形態に係るカメラの主
要部分の動作の一部を示すフローチャートである。
【図14】図13の動作の続きを示すフローチャートで
ある。
【図15】図14の動作説明を助ける為の図である。
【図16】同じく図14の動作説明を助ける為の図であ
る。
【図17】同じく図14の動作説明を助ける為の図であ
る。
【図18】同じく図14の動作説明を助ける為の図であ
る。
【図19】従来の防振システムを備えたコンパクトカメ
ラの斜視図である。
【符号の説明】
11 カメラマイコン 110 補正手段 111 振動検出手段 112 表示装置 114 積分器

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振れを検出する振動検出手段、該振動検
    出手段の出力を演算する時定数可変な演算手段、及び、
    該演算手段の出力を基に制御され、振れを補正する補正
    手段を具備した防振システムを有する光学機器におい
    て、前記演算手段の演算時定数を基に該光学機器の動作
    条件を制御する動作条件制御手段を有したことを特徴と
    する光学機器。
  2. 【請求項2】 前記動作条件制御手段は、前記防振シス
    テムの状態を表示する防振表示手段を制御することを特
    徴とする請求項1記載の光学機器。
  3. 【請求項3】 前記動作条件制御手段は、前記演算手段
    の時定数が可変範囲内で大きい時に、前記防振表示手段
    に防振システム安定表示を行わせることを特徴とする請
    求項2記載の光学機器。
  4. 【請求項4】 前記動作条件制御手段は、前記補正手段
    による振れ補正開始タイミングを制御することを特徴と
    する請求項1記載の光学機器。
  5. 【請求項5】 前記動作条件制御手段は、前記演算手段
    の時定数が可変範囲内で大きい時に、前記補正手段に振
    れ補正を開始させることを特徴とする請求項4記載の光
    学機器。
  6. 【請求項6】 該光学機器は撮影機能を有した機器であ
    り、前記動作条件制御手段は、撮影可否を制御すること
    を特徴とする請求項1記載の光学機器。
  7. 【請求項7】 前記動作条件制御手段は、前記演算手段
    の時定数が可変範囲内で小さい時に、撮影の禁止を行う
    ことを特徴とする請求項6記載の光学機器。
  8. 【請求項8】 前記動作条件制御手段は、撮影開始信号
    が入力されてから実際の撮影を開始させるまでの遅延時
    間を制御することを特徴とする請求項6記載の光学機
    器。
  9. 【請求項9】 前記動作条件制御手段は、前記演算手段
    の時定数が可変範囲内で小さい時に、前記遅延時間を長
    くすることを特徴とする請求項8記載の光学機器。
  10. 【請求項10】 前記動作条件制御手段は、前記演算手
    段の時定数と前記振動検出手段の出力を基に撮影条件を
    制御することを特徴とする請求項6記載の光学機器。
  11. 【請求項11】 前記動作条件制御手段は、前記演算手
    段の時定数及び出力を基に撮影条件を制御することを特
    徴とする請求項10記載の光学機器。
  12. 【請求項12】 前記動作条件制御手段は、前記演算手
    段の時定数、及び、シャッタスピードと焦点距離の少な
    くとも一方の情報を基に撮影条件を制御することを特徴
    とする請求項6記載の光学機器。
  13. 【請求項13】 振れを検出する振動検出手段、及び、
    該振動検出手段の出力を基に撮影操作に応答して制御が
    開始され、振れ補正動作を行う補正手段を具備した防振
    システムを有する撮影装置において、該撮影装置の撮影
    タイミングとは独立に、前記振動検出手段の出力を基に
    前記補正手段による振れ補正動作開始,終了を制御する
    振れ補正タイミング制御手段を有したことを特徴とする
    撮影装置。
  14. 【請求項14】 前記振れ補正タイミング制御手段は、
    前記振動検出手段の出力の平均値が所定範囲を越えた時
    に、前記補正手段による振れ補正動作を終了させること
    を特徴とする請求項13記載の撮影装置。
  15. 【請求項15】 前記補正手段が振れ補正を終了した位
    置を、撮影終了まで保持する補正位置保持手段を有した
    ことを特徴とする請求項14記載の撮影装置。
  16. 【請求項16】 振れを検出する振動検出手段、該振動
    検出手段の出力を演算する時定数可変な演算手段、及
    び、該演算手段の出力を基に制御され、振れ補正を行う
    補正手段を具備した防振システムを有する撮影装置にお
    いて、撮影者の操作、或いは、被写体の輝度により設定
    される露光期間とは独立に、前記演算手段の時定数の状
    態を基に前記補正手段による振れ補正期間を制御する振
    れ補正期間制御手段を有したことを特徴とする撮影装
    置。
  17. 【請求項17】 前記振れ補正期間制御手段は、前記演
    算手段の時定数が可変範囲内で大きい時は、前記補正手
    段による振れ補正期間の上限を規制することを特徴とす
    る請求項16記載の撮影装置。
  18. 【請求項18】 振れを検出する振動検出手段、該振動
    検出手段の出力を演算する演算手段、及び、該演算手段
    の出力を基に制御され、振れ補正を行う補正手段を具備
    した防振システムを有する光学機器において、前記振動
    検出手段の出力を基に前記補正手段の振れ補正範囲を制
    御する補正範囲制御手段を有したことを特徴とする光学
    機器。
  19. 【請求項19】 前記演算手段の時定数は前記振動検出
    手段の出力を基に可変に設定され、前記時定数が可変範
    囲内で大きい時は、前記補正範囲制御手段は前記補正手
    段の振れ補正範囲を制限することを特徴とする請求項1
    8記載の光学機器。
  20. 【請求項20】 振れを検出する振動検出手段、該振動
    検出手段の出力を演算する演算手段、及び、該演算手段
    の出力を基に制御され、振れを補正する補正手段を具備
    した防振システムを有する撮影装置において、前記補正
    手段の振れ補正開始時の位置を撮影状態に応じて変更す
    る補正開始位置変更手段を有したことを特徴とする撮影
    装置。
  21. 【請求項21】 前記演算手段の時定数は前記振動検出
    手段の出力を基に可変に設定され、前記時定数が可変範
    囲内で大きい時は、前記補正開始位置変更手段は、前記
    補正手段の振れ補正開始位置を、前記補正手段の振れ補
    正ストローク内の光学中心を振れ量の平均値とした時の
    振れ補正開始時の前記演算手段の出力に応じて変更し、
    前記時定数が可変範囲内で小さい時は、前記補正手段の
    振れ補正開始位置を、前記補正手段の振れ補正ストロー
    ク内の光学中心とすることを特徴とする請求項20記載
    の撮影装置。
  22. 【請求項22】 前記補正開始位置変更手段は、前記補
    正手段の振れ補正位置を露光時間に応じて変更すること
    を特徴とする請求項20記載の撮影装置。
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