JP2001186690A - 交流無停電電源装置 - Google Patents
交流無停電電源装置Info
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Abstract
を構成することができる交流無停電電源装置を提供す
る。 【解決手段】交流主電源1の出力電圧を基準信号Vo と
し、インバータ3の出力電圧を同期信号Vs として位相
同期制御を行なう位相同期制御部Bを設ける。基準信号
Vo の立上りが検出されてから同期信号Vs の立上りが
検出されるまでの時間及び同期信号の立上りが検出され
てから基準信号の立上りが検出されるまでの時間をそれ
ぞれ第1及び第2の位相差T1 及びT2 として検出し、
これらの位相差のうちの小さい方をゼロにするように、
同期信号の基本正弦波形を与えるデジタル信号を構成す
るパルスの周波数を増減させる。
Description
る交流電圧の位相を商用電源等の交流主電源の出力電圧
の位相に一致させるように制御する交流無停電電源装置
に関する。
インバータの出力電圧を負荷に供給するようにした交流
無停電電源装置においては、インバータの出力電圧の位
相及び周波数を交流主電源の出力電圧の位相及び周波数
に合わせるための制御行なう必要があり、そのために、
位相同期制御[PLL(Phase-Locked Loop )制御]を
行なっている。
た位相同期制御部を図9及び図10を用いて説明する。
図9は一般的な位相同期制御部を構成する位相同期回路
の基本構成を示すブロック図であり、図10はその動作
波形図である。
に、位相比較器1と、低域通過フィルタ[LPF(Low
Pass Filter )]2と、電圧制御発振器[VCO(Volt
age Controlled Oscillator )]3とにより構成されて
いる。
参照)を入力する入力端子1aと、電圧制御発信器3の
フィードバック出力を同期信号Vs (図10B)として
入力する入力端子1bとを有していて、基準信号Vo と
同期信号Vs の位相を比較する。
期信号Vs の位相差が遅れている場合に、図10(C)
に示したように、正側(図示のVOH側)に差信号電圧V
d を出力し、基準信号Vo に対して同期信号Vs の位相
が進んでいる場合に負側(VOL側)に差信号電圧Vd を
出力する。
出力される差信号電圧Vd を、高調波成分が取り除かれ
たリニアなアナログ信号電圧Va に変換して出力する。
から出力されるアナログ信号電圧Va に比例した周波数
をもつ同期信号Vs を出力し、この同期信号を位相比較
器1の入力端子1bにフィードバックする。
(A),(B)に示したように基準信号Vo に対して同
期信号Vs が、時間TA だけ遅れている場合に、同期信
号Vs の周波数を遅れ時間TA に比例した増加分だけ高
くし、同期信号Vs が時間TB だけ進んでいる揚合に
は、同期信号Vs の周波数を進み時間TB に比例した減
少分だけ低くするように、基準信号と同期信号との位相
関係に応じて同期信号の周波数を増減させることによ
り、同期信号と基準信号との位相差をゼロにするように
制御している。
電電源装置においては、商用電源が出力する交流電圧の
検出信号を基準信号とし、インバータの出力電圧の検出
信号を同期信号としている。
相同期回路を用いて交流無停電電源装置の位相同期制御
部を構成した場合には、位相同期の操作量、同期速度、
同期追従範囲等を容易に変更することができない上に、
回路構成が複雑になるという問題点があった。
同期制御部をマイクロコンピュータにより構成する方法
が考えられる。
電源装置の位相同期制御部では、基本正弦波信号を構成
するパルス数を増減することによりインバータの出力電
圧の周期(周波数)を1サイクル毎に変化させて、イン
バータ出力電圧の周波数を増減させているため、これを
単純にマイクロコンピュータで置き換える場合には、パ
ルス数とパルス幅の積をインバータ出力電圧の周波数
(周期)として演算することが必要となり、またインバ
ータから基本正弦波形の出力を得るために、1パルス毎
の信号を正弦波(sin ωt)の各瞬時の電気角度に対応
させることが必要になる。
の1周期毎にパルス数が増減することになるため、sin
ωtの演算が複雑になり、マイクロコンピュータが実行
するプログラムのアルゴリズムが複雑になって、演算処
理時間が長くなるという問題があった。そのため、マイ
クロコンピュータとして演算処理が早い高価なものを用
いることが必要になり、コストが高くなるのを避けられ
なかった。
り駆動される発電機のような周波数変動が大きい交流主
電源の出力に同期させる場合には、位相同期操作量及び
同期追従範囲を大きくとる必要があるが、従来の位相制
御回路ではインバータの出力電圧の周期を1サイクル毎
に変化させていたため、出力電圧の周期の変化量が大き
くなり過ぎてハンチングが生じるだけでなく、波形歪み
が大になるという問題があった。
従範囲に制限を設けたり、位相同期操作量を積分演算し
てインバータの出力電圧の周期が急激に変化しないよう
にしたりしているが、このような構成をとると、インバ
ータの出力電圧を周波数変動の大きい交流主電源の出力
に同期させることが困難になるとい問題があった。
用いて位相同期制御部を構成するのに適した交流無停電
電源装置を提供することにある。
出力電圧を交流主電源の出力電圧に同期させるために位
相同期制御を行なう交流無停電電源装置に係わるもの
で、本発明においては、蓄電池が出力する直流電圧を交
流電圧に変換するインバータと、該インバータの出力電
圧と交流主電源の出力電圧とを切り換えて負荷に供給す
る電源切換スイッチとからなる主回路部と、インバータ
の出力と交流主電源の出力との位相差に応じてインバー
タから出力させる交流電圧の正弦波形を表す正弦波形デ
ジタル信号を出力する位相同期制御部と、該位相同期制
御部が出力する正弦波形デジタル信号により表される正
弦波形の交流電圧をインバータから出力させるように該
インバータに駆動信号を与えるインバータ駆動回路とが
設けられる。
交流主電源が出力する交流電圧を検出して検出した交流
電圧を該交流電圧と同位相の矩形波パルス状の基準信号
に変換する第1のパルス化回路と、インバータが出力す
る交流電圧を検出して該交流電圧と同位相の矩形波パル
ス状の同期信号に変換する第2のパルス化回路と、前記
基準信号及び同期信号のそれぞれの立上りまたは立ち下
がりを基準点として、基準信号の基準点が検出されてか
ら同期信号の基準点が検出されるまでの時間及び同期信
号の基準点が検出されてから基準信号の基準点が検出さ
れるまでの時間をそれぞれ第1及び第2の位相差T1 及
びT2 として検出する位相差検出手段と、該位相差検出
手段により検出された位相差を記憶する位相差記憶手段
と、インバータが出力すべき交流電圧の基本正弦波形を
多数に分割してデジタル信号で表す場合の各分割点を規
定する各パルス信号と各分割点における基本正弦波形の
数値情報との関係を与えるテーブルを基本正弦波形演算
用テーブルとして記憶した基本正弦波形データ演算用テ
ーブル記憶手段と、第1及び第2の位相差T1 及びT2
のうちの小さい方を基準位相差として、該基準位相差を
零にするために必要なパルス信号の周期または周波数の
変化量を位相同期操作量として該位相同期操作量と基準
位相差との関係を与える数値データのテーブルを位相同
期操作量演算用テーブルとして記憶した位相同期操作量
演算用デーブル記憶手段と、位相同期操作量演算用テー
ブルを用いて基準位相差に対する位相同期操作量を演算
する位相同期操作量演算手段と、演算された位相同期操
作量だけパルス信号の周期または周波数を変化させると
ともに、各パルス信号に対する基本正弦波形の瞬時値を
基本正弦波形データ演算用テーブルを用いて演算して、
インバータから出力させる交流電圧の正弦波形を表す正
弦波形デジタル信号を出力する正弦波デジタル信号出力
手段とを備えることにより構成される。
ムを複雑にすることなく、また長い演算処理時間を要す
ることなく、交流無停電電源装置の位相同期制御部をマ
イクロコンピュータを用いて構成して、回路の簡略化を
図ることができる。
操作量、同期速度、同期追従範囲等を容易に変更するこ
とが可能になる上に、インバータの出力電圧の1周期内
で基本正弦波パルス信号のパルス発生周期を徐々に増減
することができるため、インバータの出力を周波数変動
が大きい交流主電源の出力に同期追従させても大きなハ
ンチング現象を伴うことなく、波形歪みが少ない安定し
た動作を行なわせることができる。そのため、例えば、
内燃機関により駆動される発電機等、周波数変動が大き
い交流主電源にインバータの出力を同期させる特殊用途
の交流無停電電源装置にも対応することができる。
1の位相差T1 と第2の位相差T2との大小関係からイ
ンバータの出力電圧と交流主電源の出力電圧との位相関
係を判定して、位相同期操作量を演算するのが好まし
い。即ち、第1の位相差T1 が第2の位相差T2 以下の
場合には、インバータの出力電圧の位相が交流主電源の
出力電圧の位相よりも遅れているとしてパルス信号の周
波数を増加させるように位相同期操作量を演算し、第1
の位相差T1 が第2の位相差T2 を超えている場合に
は、インバータの出力電圧の位相が交流主電源の出力電
圧の位相よりも進んでいるとしてパルス信号の周波数を
減少させるように位相同期操作量を演算するのが好まし
い。
とも交流主電源の2サイクル以上前の時点から現時点ま
での間に検出された出力電圧及びインバータの出力電圧
の第1及び第2の位相差を記憶するように位相差記憶手
段を構成し、第1及び第2の位相差T1 及びT2 の大小
関係及びそれぞれの大きさと、所定サイクル前の位相差
と現在の位相差との差分とをパラメータとして位相同期
操作量演算用テーブルを構成するのが好ましい。
電源装置の構成例を示したブロック図、図2及び図3は
図1に示した交流無停電電源装置の位相同期制御部にお
ける位相比較動作を示す波形図、図4は基本正弦波パル
ス信号の動作波形図、図5はインバータの出力電圧の波
形図、図6(A),(B)及び図7は図1の交流無停電
電源装置の位相同期制御部に用いるマイクロコンピュー
タが実行するプログラムの制御アルゴリズムを示すフロ
ーチャート、図8(A)〜(D)は位相同期操作量演算
用テーブルの構成例を示した図である。
て、1は交流主電源、Aは主回路部、Bは位相動機制御
部、Cはインバータ駆動回路である。
として交流電圧に変換するインバータ3と、インバータ
3の出力電圧と商用電源等の交流主電源1が出力する交
流電圧とを切り換えて負荷5に供給する電源切換スイッ
チ4とにより構成されている。以下の説明では、交流主
電源1が商用電源であるとする。
化回路6及び第2のパルス化回路7と、第1及び第2の
位相差検出器8及び9を備えた位相差検出手段B1と、
マイクロコンピュータの主演算制御部(CPU)10
と、フィルタ回路11と、システムクロック信号を発生
するシステムクロック発生回路12と、タイマ・カウン
タ13と、RAM14と、ROM15とにより構成され
ている。
出力する交流電圧を検出して検出した交流電圧を該交流
電圧と同位相の矩形波パルス状の基準信号Vo に変換す
る回路で、この第1のパルス化回路6が出力する基準信
号Vo は第1及び第2の位相差検出器8及び9に入力さ
れている。
3が出力する交流電圧を検出して、検出した交流電圧を
該交流電圧と同位相の矩形波パルス状の同期信号Vs に
変換する回路で、この第2のパルス化回路7が出力する
同期信号Vs は、第1及び第2の位相差検出器8及び9
に入力されている。
に、基準信号Vo 及び同期信号Vsのそれぞれの立上り
を基準点として、基準信号Vo の基準点が検出されてか
ら同期信号Vs の基準点が検出されるまでの間に発生す
るシステムクロック信号を計数することにより、基準信
号Vo の基準点が検出されてから同期信号Vs の基準点
が検出されるまでの時間を第1の位相差T1 として検出
する。
s の基準点が検出されてから基準信号Vo の基準点が検
出されるまでの間システムクロック信号を計数すること
により、同期信号Vs の基準点が検出されてから基準信
号Vo の基準点が検出されるまでの時間を第2の位相差
T2 として検出する。
り、基準信号Vo の基準点(立上り)が検出されてから
同期信号Vs の基準点(立上り)が検出されるまでの時
間及び同期信号の基準点が検出されてから基準信号の基
準点が検出されるまでの時間をそれぞれ第1及び第2の
位相差T1 及びT2 として検出する位相差検出手段B1
が構成されている。
が検出されてから次の立上りが検出されるまでの間タイ
マ・カウンタ13にシステムクロック信号を計数させる
ことにより、基準信号Vo の周期(主電源1が出力する
交流電圧の周期)TBYP を検出する。CPUはまた、同
期信号Vs の立上りから次の立上りまでタイマ・カウン
タ13にシステムクロック信号を計数させることによ
り、同期信号Vs の周期(インバータ3の出力の周期)
TINV を検出する。
号Vs のそれぞれの立上りを基準点としているが、基準
信号Vo 及び同期信号Vs のそれぞれの立下がりを基準
点として、基準信号の基準点が検出されてから同期信号
の基準点が検出されるまでの時間及び同期信号の基準点
が検出されてから基準信号の基準点が検出されるまでの
時間をそれぞれ第1及び第2の位相差T1 及びT2 とし
て検出するように位相差検出手段B1 を構成してもよ
い。
計測された位相差T1 及びT2 をRAM14に記憶させ
る。このRAM14により位相差記憶手段が構成され
る。
は、基本正弦波形データ演算用テーブル記憶手段を構成
していて、この記憶手段は、インバータ3が出力すべき
交流電圧の基本正弦波形を多数に分割してデジタル信号
で表す場合の各分割点を規定する各パルス信号と各分割
点における基本正弦波形の瞬時値との関係を与える数値
データのテーブルを記憶している。
デーブル記憶手段を構成しており、この記憶手段は、第
1及び第2の位相差T1 及びT2 のうちの小さい方を基
準位相差として、この基準位相差を零にするために必要
なパルス信号の周期または周波数の変化量を位相同期操
作量として、該位相同期操作量と基準位相差との関係を
与える数値データのテーブルを位相同期操作量演算用テ
ーブルとして記憶している。
定のプログラムを実行することにより、位相同期操作量
演算手段と、正弦波デジタル信号出力手段とを実現す
る。
記憶された位相同期操作量演算用テーブルを用いて基準
位相差に対する位相同期操作量を演算する。
同期量演算手段により演算された位相同期操作量だけパ
ルス信号の周期または周波数を変化させるとともに、各
パルス信号に対する基本正弦波形の瞬時値を基本正弦波
形データ演算用テーブルを用いて演算してインバータか
ら出力させる交流電圧の正弦波形を表す正弦波形デジタ
ル信号を出力する。
号はフィルタ回路11を通してアナログ信号に変換され
た後、PWM回路16に入力されている。
により表される正弦波形の交流電圧をインバータ3から
出力させるように該インバータに駆動信号を与える。こ
の例では、PWM回路16によりインバータ駆動回路C
が構成されている。
る。交流主電源1が出力する交流電圧は、第1のパルス
化回路6により図2(A)に示したような矩形波パルス
状の基準信号Vo に変換される。またインバータ3の出
力電圧は第2のパルス化回路7により、図2(B)に示
すような矩形波パルス状の同期信号Vs に変換される。
検出されてから次の立上りが検出されるまでの間タイマ
・カウンタ13にシステムクロック信号を計数させるこ
とにより、基準信号Vo の周期TBYP を検出し、同期信
号Vs の各立上りから次の立上りまでタイマ・カウンタ
13にシステムクロック信号を計数させることにより、
同期信号Vs の周期TINV を検出する。
より検出された第1の位相差T1 と第2の位相差T2 と
を取り込んで、第1の位相差T1 と第2の位相差T2 と
の大小比較演算を行う。
である場合には、同期信号Vs が基準信号Vo に対して
遅れているので、CPUはインバータ位相遅れ(インバ
ータ3の出力の位相が主電源1の出力の位相に対して遅
れている)と判定する。逆に、T1 >T2 である場合に
はインバータ位相進み(インバータの出力の位相が主電
源の出力の位相よりも進んでいる)と判定する。
同期信号Vs との間の位相差をゼロに近づけるのが目的
であるから、位相同期操作量は位相差T1 ,T2 の小さ
い方を基準位相差として演算する。即ち、位相差T1 ,
T2 の比較により、インバータ位相遅れと判定された場
合には、第1の位相差T1 を基準位相差として位相同期
操作量を演算し、インバータ位相進みの場合には第2の
位相差T2 を基準位相差として位相同期操作量を演算す
る。
準信号と同期信号の位相差をゼロに近づける操作は、イ
ンバータ3の出力電圧の周波数を一時的に高くする(周
期を短くする)ことにより行われる。
ータの出力電圧の周期を短く( TINV >TINV ´)した
時の例であり、この場合、次の周期には、第1の位相差
T1がT1 ´(<T1 )となる。
準信号Vo と同期信号Vs の位相差をゼロに近づける操
作は、逆にインバータ3の出力電圧の周波数を一時的に
低く(周期を長く)することにより行われる。このと
き、周波数を低くした後の第2の位相差T2 ´は、TIN
V <TINV ´、T2 >T2 ´となる。
信号の位相差をゼロに近づける動作の他に、基準信号と
なる主電源1の周波数にインバータ3の出力電圧の周波
数を一致させる動作も当然のことながら必要となるの
で、位相同期制御部Bは、前述の位相同期操作を行いつ
つ検出された基準信号Vo の周期(主電源の出力の周
期)TBYP を目標値として、インバータ3の出力電圧の
周期TINV を主電源の出力の周期TBYP に一致させる演
算を常に行っている。
ンバータの出力電圧の基準波形を与える基本正弦波パル
ス信号を出力する。この基本正弦波パルス信号は、同期
信号(インバータの出力電圧)の基本正弦波形を与える
デジタル信号を構成するものであり、複数のクロックパ
ルスにより構成される。
ータ3が出力すべき交流電圧の基本正弦波形を多数に分
割してデジタル信号で表す場合の各分割点を規定するも
ので、1パルス毎にsin ωtに対応した数値情報が与え
られている。
2が発生するクロックパルスの基本周波数を2400H
z (周期=約417μs) とし、50Hzの正弦波交流
電圧を生成するものとすると、50Hzの正弦波は48
(=2400/50)分割されて、48個のクロックパ
ルスで構成されることになる。電気角2πは360゜に
相当するので次式が成立する。
り、tはクロックパルスの周期(417μs)×パルス
の番号である。第1番目のパルス(417μs)は、5
0Hzの正弦波の7.5゜に相当する。この第1番目の
パルスには、(1)式より、sin ωt=0.131とい
う数値情報が与えられる。
ωtに対応した数値情報を与えるわけであるが、本発明
においては、この数値情報をあらかじめサイン数表と呼
ばれるテーブル(基本正弦波形演算用テーブル)に記入
して、ROM15に記憶させておく。こうすることによ
り前述の演算を行うことなく、テーブルから数値情報を
読み出すだけで基本正弦波パルス信号を生成できる。
期)を増減する操作を具体的な数値例を用いて説明す
る。
減する方法としては、基本正弦波信号を構成するバルス
数を増減する方法が考えられるが、この方法では、従来
例でも説明したように、1パルスに対応するsin ωtの
演算が複雑になるという問題があり、上記サイン数表か
ら数値情報を読み出す方法を適用することができない。
更に、上記の例ではパルスの周波数を2400Hzとし
ているが、基本正弦波信号を構成するバルス数を増減す
る方法をとると、1パルスの増減でインバータ出力電圧
の周波数が変化し過ぎてしまうので、周波数変化の分解
能を上げるためには、クロックパルスの周波数を更に高
くしなければならず、位相同期制御を行なうために、演
算速度が速い高速の演算装置が必要となる。
減させずに、インバータの出力電圧の周波数(周期)を
変化させる方法を採用する。この方法は、クロックパル
スの周期を増減させることにより実現することができ
る。
Hz(周期417μs )を2405Hz(周期416μ
s)に変化させた場合を考える。
48分割したことになるのでその周波数は次式で求められ
る。
合、インバータの出力電圧の周波数は150.1Hzと
なり、インバータの出力電圧の周波数を0.1Hzだけ
変化させたことになる。なお、周波数の変化量の最小単
位は、タイマ・カウンタ13のパルス幅分解能により決
まる。
数)を変化させると、インバータの出力電圧の周波数を
複雑な演算を行うことなく調整することができ、かつ、
サイン数表のテーブルを活用することができる。
信号の周期を変化させた例を示したものである。図示の
ようにパルス波形の周期TT1を変化分Δtt1だけ増
加させることにより、インバータ出力電圧全体の周期
(周波数)を変化させることができる。
相同期操作量は第1及び第2の位相差T1 及びT2 のう
ちの小さい方を基準位相差として演算することは前述し
た通りであり、基準信号Vo と同期信号Vs の位相差の
大きさに応じでインバータ3の出力電圧の周波数の変化
量を調整することが必要不可欠である。
位相差が大きいときには、インバータの出力周波数の変
化量(操作量)を大きくし、基準信号と同期信号の位相
差が小さいときには変化量(操作量)を小さくしながら
インバータの出力電圧の周波数を制御しなければならな
い。
波数精度と同期速度とに応じて適当に決めればよいが、
位相差の増大に伴なって位相同期操作量を増大させる
と、位相差が大きくなったときに位相同期操作量が過大
になり、周波数変化率が増加してしまうので、通常は、
決められた位相差を超えた場合に操作量を一定にするよ
うにリミッタを設けるのが好ましい。
の間の位相差の変化に対する位相同期操作量の変化のパ
ターンが決まれば、その数値情報をテーブルに表現する
ことができるので、複雑な演算を実行することなくテー
ブルからデータを読み出す操作だけで位相同期制御を実
現できる。
ス信号を構成するクロックパルスの周期の増減量であ
り、例えば、タイマ・カウンタ13のパルス幅分解能が
0.5 μsであった場合、操作量を+1増加させること
は、クロックパルスの周期を0.5μs増加させることに
相当する。
パルスの周期の増加に伴なって同期信号Vs と基準信号
Vo (図2A)との間の位相差が目標値(位相差ゼロ)
に徐々に近づいていく動作を順次示した波形である。こ
れらの図から明らかなように、同期信号と基準信号との
間の位相差が目標値に近付く割合は、該位相差の変化に
伴なって変化する。図2の(B)から(C)に変化する
過程では、基準位相差が大きいため、位相同期操作量が
大きく、位相差が大きな割合で目標値(ゼロ)に近付く
が、(C)から(D)に変化する過程では、位相差が小
さくなっているので、位相同期操作量が小さくなり、位
相差が目標値(ゼロ)に近付く割合が小さくなってい
る。
明する。図3は、図2と同様に位相同期の状態を示した
波形図であり、同図(A)は基準信号Vo を示してい
る。また図3(B)は同期信号の3サイクル前の状態を
示し、(C),(D)及び(E)は現在のサイクルの状
態を示している。
クル前の位相差T1 が、現在はΔTだけ目標値(位相差
ゼロ)に近づいてT1 ´となった状態を示し、図3
(B)から(C)の過程は、位相差がΔT´だけ目標値
に近付いてT1 ”となった状態を示している。
イクル前から現在までの位相同期操作量及び基準信号の
動作条件の違いから生じている。このことから、3サイ
クル前の位相差と現在の位相差とを比較することによ
り、位相差が目標値にどれだけの割合(速度)で近付き
つつあるか(または離れつつあるか)を推測することが
可能になる。
揚合には、3サイクル前から現在までの操作量が異なっ
ていても同じ操作量で制御を継続することになるので、
目標値を行き過ぎたり、目標値に近付けなかったりする
ことがある。これに対し、数サイクル前の位相差と現在
の位相差を比較してその差分に応じて位相同期操作量を
決めるようにすれば、同期追従動作を安定に、かつ高速
で行なわせることができる。
相差を記憶するメモリの量と周波数変動速度(周波数変
動の大きい電源等)とを考慮して3サイクル前の位相差
と現在の位相差とを比較するとしたが、現在の位相差と
比較するのは必ずしも3サイクル前の位相差である必要
はなく、2サイクル以上前(好ましくは10サイクル以
下)の位相差と現在の位相差とを比較することにより、
位相差が目標値にどれだけの割合(速度)で近付きつつ
あるか(または離れつつあるか)を推測するようにして
もよい。
と現在の位相差との差分から位相差が目標値に近付く割
合を推測して位相同期操作量の適値を演算する場合に
は、現時点より少なくとも交流主電源の2サイクル以上
前の時点から現時点までの間に検出された出力電圧及び
インバータの出力電圧の第1及び第2の位相差を記憶す
るように位相差記憶手段を構成して、第1及び第2の位
相差T1 及びT2 の大小関係及びそれぞれの大きさと、
所定サイクル前の位相差と現在の位相差との差分とをパ
ラメータとして位相同期操作量演算用テーブルを作成し
ておくことにより、位相同期操作量の演算を簡単に行な
うことができる。
機の動作の確認や、シミュレーション等により、第1及
び第2の位相差T1 及びT2 の大小関係及びそれぞれの
大きさと、所定サイクル前の位相差と現在の位相差との
差分と、位相同期操作量との間の関係を求めることによ
り作成することができる。
は、位相進みであるか位相遅れであるかの情報と、位相
差と、少なくとも2サイクル前の位相差と現在の位相差
との差分とを条件として位相同期操作量を求めるように
位相同期操作量演算用テーブルを作成して、該テーブル
からデータを読み出すことにより、位相同期操作量を決
定する。
形歪みについて説明する。
ンバータの出力電圧波形の時間的な変化を示しており、
図5(B)は本発明の実施例におけるインバータの出力
電圧波形の時間的な変化を示している。
同期制御によりインバータの出力電圧の周期(周波数)
を変化させた場合には、期間Aと期間Bの周期(周波
数)がいきなり変化することになるので、期間A2と期
間B1の面積比率が変化する。インバータの出力電圧制
御は波形制御と平均値制御とがあり、平均値制御では、
周波数が変化しても平均値(及び実効値)が変化しない
ように制御されるが、一般には、よほど高速な制御を行
なわない限り、1サイクル毎に平均値(及び実効値)を
一定にすることは不可能である。そのため、従来は、位
相同期制御において波形歪みが発生することはやむを得
ないとされており、位相同期操作量が大きくなるに従っ
て波形歪みにより重畳される直流分が大きくなってい
た。通常は位相同期操作量を制限するリミッタを設けた
り、積分演算により波形を急激に変化させないようにし
たりして、波形歪みを抑制するように制御を行っている
が、このような制御を行なった場合には、内燃機関によ
り駆動される交流発電機のように、周波数変動が大きい
交流主電源とインバータとを同期させる場合に、位相同
期制御を適確に行なわせることができない。
り、基本正弦波バルス信号のパルス波形の周期を増減す
ることができるので、図5(B)のようにインバータの
出力電圧の1周期内で徐々に波形を変化させることが可
能となる。
標値(図5ではd点)にインバータ出力電圧の周期を変
化させた場合、期間A2と期間B1´の比率は、期間A
2と期間B2の比率より小さくなる。したがって、波形
歪みを少なくしつつ周波数変動の大きい電源に追従させ
るに充分な位相同期操作量を得ることができる。但し、
当然のことながら、期間B1´と期間B2´の比率も、
期間A2と期間B1の比率より少なくなるようにする必
要がある。
るためにCPUが実行するプログラムのアルゴリズムを
示すフローチャートを図6及び7を用いて説明する。
正弦波パルス信号を構成するパルスを発生するルーチン
(以下、タイマータスクと呼ぶ。)と、周期と位相差を
計測して演算し、位相同期操作量を決定するルーチン
(以下サブタスクと呼ぶ。)とに分けられ、それぞれタ
イマー割り込みにより時分割で実行される。
応して2400Hzで動作させることとする。タイマータス
クの動作周期は、そのまま基本正弦波パルス信号を構成
するパルスの基本周期に相当する。サブタスクにおいて
はプログラム処理時間の制約は特にないが、交流主電源
の周波数を計測することや、前述のインバータ出力電圧
の1周期内に徐々に波形を広げる操作を行うこと等か
ら、サブタスクは仮に150 Hzで動作させることとす
る。この条件では、サブタスクが1回の処理を終了する
までの間に、タイマータスクが16回処理される計算に
なる。
ては、先ずステップS1においてタイマータスクの周期
を決めるタイマーデータを読み出す。初期値としては、
2400Hz(周期417μs)に相当するデータが読
み出される。
ーデータをタイマーにセットしてタイマーをスタートさ
せる。この動作は、図1においてCPU10がタイマ・
カウンタ13を制御する動作である。
ス信号を発生させる。この時、タイマータスクのプログ
ラム実行回数に応じてサイン数表のテーブルより決めら
れた数値情報を読み出す。前述の如く50Hzの正弦波
に対しては48個の数値情報があるので、タイマータス
クのプログラムが48回実行されて初めて50Hzの基
本正弦波パルス信号を出力したことになる。
マータスクの基本周期が変わらないので40個の数値情
報となり、サイン数表のテーブルは50Hz用と60H
z用の2つのテーブルを有することになる。ステップS
3では50Hz,60Hzのデータを読み出すための切
り換え操作も行っている。
に、パルスの周期を347μsに設定すれば、上記切り
換え動作及び2つのテーブルは必要としないが、初期値
のデータ及び位相同期操作量等を変えなければならない
のでデータの切り換え操作を行なう方が容易である。
信号を構成するパルスの周期を決めるタイマ・カウンタ
13を制御する動作も行う。
イマー割り込みが終了し、サブタスクのプログラムがス
タートする。サブタスク実行中にタイマー割り込みが発
生するとサブタスクの処理は一時中断してタイマータス
クのプログラムがスタートする。しかし、サブタスクの
処理時間がタイマータスクの半周期未満(208μs未
満)であれば処理を中断する必要がなくまたタイマータ
スクを含む他のプログラムも同様にタイマータスクの半
周期未満であるように構成すれば、2400Hz,15
0Hz以外の処理動作を行なうプログラムも作成可能で
ある。以下、本動作を繰り返す。タイマー割り込み時間
は前記のタイマーデータより決まる。
は、その最初のステップS4において、交流主電源の周
期TBYP を計測したデータを読み出す。これが位相同期
における基準信号となり、同期信号の目標値になる。
の出力電圧の周期TINV を計測したデータを読み出す。
これが同期信号となる。
立ち上がりから同期信号の第1の立ち上がりまでの時間
T1(位相差)を計測したデータを読み出した後、ステ
ップS7において、同期信号の第1の立ち上がりから基
準信号の第2の立ち上がりまでの時聞T2(位相差)を
計測したデータを読み出す。
の大小比較を行う。この比較の結果T1≦T2であると
きには、ステップS9に進む。図2(A),(B)に示
したように同期信号が基準信号より遅れている場合に
は、ステップS9において、インバータ位相遅れと判定
し、位相差T1を基準位相差としてセットする。
あると判定された場合には、ステップS10に進んでイ
ンバータ位相進みと判定し、位相差T2を基準位相差と
してセットする。
相差のデータを基に位相同期演算を行なう。ここでは、
位相進み、位相遅れ、位相差の大きさ等をパラメータと
してROMに記憶された位相同期操作量演算用テーブル
から必要なデータを読み出す操作を行う。このデータが
位相差をゼロに近付けるためのデータとなる。ステップ
S11では、更に、同期信号の周期を基準信号の周期に
合わせる操作も行われる。
を示すフローチャートの一例である。図7に示した例で
は、ステップS13で位相差、周期の判定と、周波数チ
ェックとを行い、現在位相差が所定の範囲内であるかど
うかを判定する。
源切換スイッチ4の動作タイミングが決まる。例えば、
非同期時に電源切換スイッチ4を切り換える動作が発生
した場合、交流主電源とインバータ出力電圧とが非同期
条件において無瞬断切換にならないよう動作タイミング
をずらす操作を行う。
停電の有無の判定を行い、停電時はステップS34に進
み、インバータ3の出力電圧の周期の初期値データを読
み出す。
なくなってしまうので、周期、位相差の計測ができなく
なる。従って、主電源の停電時はインバータの出力電圧
周波数を固定値として設定する必要があるので、通常は
初期値のデータ(タイマータスクの周波数2400H
z)をタイマーデータとして設定する。
同期制御を行うことになり、ステップS15で位相差デ
ータ(現在の計測データ)をスタックした後、ステップ
S16で本位相差データをシフトする。この操作は3サ
イクル前の位相差データから現在の位相差データをメモ
リに記憶する操作となる。本実施例ではサブタスクが1
50Hzで動作するので、インバータの出力電圧が50
Hzであれば、3サイクル前のデータを記憶するには9
つのメモリに150Hz毎のデータが記億される。例え
ば、メモリのアドレスが1000番地から1008番地
に予約されている場合には、1000番地のデータが1
001番地ヘシフトされる。1000番地のデータが1
008番地へ移動するまでの間には8回のシフト動作が
行なわれる。この揚合1000番地のデータが現在の位
相差データであり、10008番地のデータは3サイク
ル前のデータである。上記の位相差データシフト操作
は、サブタスク1回の処理で1回実効される。
み出し、ステップS18以降のステップで位相差の判定
を行う。図7に示した例においては、位相差が2゜(イ
ンバータの出力電圧の周波数が50Hzの場合、約11
1μs)以内であればステップS24に進み、後述の位相
同期操作量テーブルのA1行(位相遅れT1≦T2の揚
合はA1行,位相進みT1>T2の場合はB1行)のデ
ータを読み出す準備をする。以下、ステップS19〜S
23のように判定する。
タP1と3サイクル前の位相差デー夕P2を読み出し、
P1−P2の演算を行う。ステップS26でP1−P2
の演算結果が1゜(約56μs)以内であれば、ステッ
プS32へ進み、C1列(P1≧P2の場合はC1列,
P1<P2の場合はD1列)のデータを読み出す準備を
する。以下、ステップS27〜S31のように判定す
る。
列のデータを図8の位相同期操作量演算用テーブルより
読み出す。これが位相同期操作量データとなる。前述の
判定値は実機動作等により決めることになるので、何度
の範囲内であっても良いが、n≧mとしてnを20°以
内とするのが実用的である。
タを積分演算する。積分演算結果よりタイマータスクの
割り込み周期が決まる。
記データを基にタイマータスクの周期(タイマーデー
タ)を設定する動作を行う。
同期制御では、商用電源電圧とインバー夕出力電圧との
位相差をゼロに近ずける動作と、商用電源の周波数にイ
ンバー夕出力電圧の周波数を一致させる動作との2つの
動作を同時に行う。
ンバータ出力電圧の周波数を増減する制御を迅速に行な
う必要があるが、上記の実施例のような制御を行なえ
ば、マイクロコンピュータによる制御でも充分対処でき
る。
ータの出力電圧が交流主電源の出力電圧に対して進んで
いるか遅れているかの判定を、第1及び第2の位相差T
1 ,T2 の比較演算により行ない、また基本正弦波パル
ス信号の周期を増減させることによりインバータの出力
電圧の周波数を増減させて主電源の出力電圧とインバー
タの出力電圧との位相差をゼロにするように制御するよ
うにしたので、複雑な演算を行なうことなく位相同期制
御を行なわせることができる。したがって、マイクロコ
ンピュータを用いて位相同期制御部を構成することがで
き、従来の装置よりも位相同期制御部構成を簡単にする
ことができる利点がある。
示したブロック図である。
波形を示した波形図である。
同期状態を説明するための基準信号及び同期信号の波形
図である。
図である。
バータの出力電圧の動作波形を示した波形図である。
ルゴリズムを示すフローチャートである。
ステップのアルゴリズムを詳細に示したフローチャート
である。
同期操作量テーブルの構成例を示した図である。
相同期制御部の構成を示すブロック図である。
の波形図である。
源切換スイッチ、5…負荷、6…第1のパルス化回路、
7…第2のパルス化回路、8…第1の位相差検出器、9
…第2の位相差検出器、10…CPU、11…フィルタ
回路、16…PWM回路、A…主回路部、B…位相同期
制御部、C…インバータ駆動回路。
Claims (3)
- 【請求項1】 蓄電池が出力する直流電圧を交流電圧に
変換するインバータと、前記インバータの出力電圧と交
流主電源の出力電圧とを切り換えて負荷に供給する電源
切換スイッチとからなる主回路部と、 前記交流主電源が出力する交流電圧を検出して検出した
交流電圧を該交流電圧と同位相の矩形波パルス状の基準
信号に変換する第1のパルス化回路と、前記インバータ
が出力する交流電圧を検出して検出した交流電圧を該交
流電圧と同位相の矩形波パルス状の同期信号に変換する
第2のパルス化回路と、前記基準信号及び同期信号のそ
れぞれの立上りまたは立ち下がりを基準点として、基準
信号の基準点が検出されてから同期信号の基準点が検出
されるまでの時間及び同期信号の基準点が検出されてか
ら基準信号の基準点が検出されるまでの時間をそれぞれ
第1及び第2の位相差T1 及びT2 として検出する位相
差検出手段と、前記位相差検出手段により検出された位
相差を記憶する位相差記憶手段と、前記インバータが出
力すべき交流電圧の基本正弦波形を多数に分割してデジ
タル信号で表す場合の各分割点を規定する各パルス信号
と各分割点における基本正弦波形の数値情報との関係を
与えるテーブルを基本正弦波形演算用テーブルとして記
憶した基本正弦波形データ演算用テーブル記憶手段と、
前記第1及び第2の位相差T1 及びT2 のうちの小さい
方を基準位相差として、該基準位相差を零にするために
必要な前記パルス信号の周期または周波数の変化量を位
相同期操作量として該位相同期操作量と前記基準位相差
との関係を与える数値データのテーブルを位相同期操作
量演算用テーブルとして記憶した位相同期操作量演算用
デーブル記憶手段と、前記位相同期操作量演算用テーブ
ルを用いて前記基準位相差に対する位相同期操作量を演
算する位相同期操作量演算手段と、演算された位相同期
操作量だけ前記パルス信号の周期または周波数を変化さ
せるとともに、各パルス信号に対する基本正弦波形の瞬
時値を前記基本正弦波形データ演算用テーブルを用いて
演算して前記インバータから出力させる交流電圧の正弦
波形を表す正弦波形デジタル信号を出力する正弦波デジ
タル信号出力手段とを備えた位相同期制御部と、 前記正弦波形デジタル信号により表される正弦波形の交
流電圧を前記インバータから出力させるように該インバ
ータに駆動信号を与えるインバータ駆動回路とを具備
し、 前記同期信号の位相を基準信号の位相に一致させるよう
に制御することを特徴とする交流無停電電源装置。 - 【請求項2】 前記第1の位相差T1 が第2の位相差T
2 以下の場合には、前記インバータの出力電圧の位相が
前記交流主電源の出力電圧の位相よりも遅れているとし
て前記パルス信号の周波数を増加させるように前記位相
同期操作量を演算し、前記第1の位相差T1 が第2の位
相差T2 を超えている場合には、前記インバータの出力
電圧の位相が前記交流主電源の出力電圧の位相よりも進
んでいるとして前記パルス信号の周波数を減少させるよ
うに前記位相同期操作量を演算することを特徴とする請
求項1に記載の交流無停電電源装置。 - 【請求項3】 前記位相差記憶手段は、現時点より少な
くとも前記交流主電源の2サイクル以上前の時点から現
時点までの間に検出された出力電圧及びインバータの出
力電圧の第1及び第2の位相差を記憶するように構成さ
れ、 前記位相同期操作量演算用テーブルは、前記第1及び第
2の位相差T1 及びT2 の大小関係及びそれぞれの大き
さと、所定サイクル前の位相差と現在の位相差との差分
とをパラメータとして構成されていることを特徴とする
請求項1または2に記載の交流無停電電源装置。
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