JPH0632788Y2 - 正弦波信号の移相回路 - Google Patents

正弦波信号の移相回路

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JPH0632788Y2
JPH0632788Y2 JP8167386U JP8167386U JPH0632788Y2 JP H0632788 Y2 JPH0632788 Y2 JP H0632788Y2 JP 8167386 U JP8167386 U JP 8167386U JP 8167386 U JP8167386 U JP 8167386U JP H0632788 Y2 JPH0632788 Y2 JP H0632788Y2
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signal
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潤一 篠原
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Fuji Electric Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の属する技術分野〕 この考案は、正弦波信号の移相回路に関する。
〔従来技術とその問題点〕
複数の交流電源同士を並列運転しようとするときは、両
者の電圧位相が一致した状態で並列に投入しないと不都
合であり、両者の電圧位相が一致しているか否かを検出
するために、一方の電源電圧の位相を電気角で90度移相
して比較する方式が採用されるなど、移相回路は各方面
に使用されている。
第3図は移相回路の利用により交流電圧の位相差を検出
する従来例を示すブロック図であって、トランジスタイ
ンバータ3により直流電源2からの直流を交流に変換
し、この交流を並列遮断器4を介して商用電源5に並列
接続する場合を示している。このトランジスタインバー
タ3はデジタル制御により所望の電圧と周波数の交流を
インバータ制御回路6からの制御信号に従って出力する
のであるが、周波数制御部分は次のとおりである。すな
わち水晶発振器11の出力を分周器12で分周することによ
り所望のクロック信号が得られるので、このクロック信
号をカウンタ回路13に入力させてNビットのメモリー回
路14のアドレス信号に必要な信号を作る。メモリー回路
14には正弦波パターンのデータが格納されているので、
この正弦波パターンを読み出し、デジタル・アナログ変
換器(以下ではD/A変換器と略記する)15によりアナロ
グ正弦波信号に変換してインバータ制御回路6に出力す
れば、トランジスタインバータ3からは、このD/A変換
器15からの正弦波信号とは同じ周波数でかつ位相差のな
い正弦波形の交流電力が出力されるので、商用電源5が
出力する交流と同期状態になった時点で並列遮断器4を
閉路するならば、トランジスタインバータ3と商用電源
5とは並列運転状態となる。
ここでトランジスタインバータ3の交流電圧の位相と、
商用電源5からの交流電圧の位相とが一致した状態すな
わち同期状態は従来は下記のごとくにして検出されてい
た。第3図において、商用電源5からの交流電圧の零点
通過時点が零点検出回路10により検出されてその検出信
号が位相差検出回路17へ送られる。D/A変換器15から出
力される正弦波信号は、上述したようにトランジスタイ
ンバータ3が出力する電圧の正弦波形と同一位相である
から、このD/A変換器15の出力正弦波信号を移相回路16
に入力させ、この移相回路16から入力信号とは位相が90
度ずれた波形を位相差検出回路17へ送出する。
位相差検出回路17は移相回路16から入力される90度ずれ
た電圧波形を、零点検出回路10からの信号に従って電気
角で180度分切り取って平均値回路18へ出力する。切り
取られた180度分の電圧信号を平均値回路18において平
均した結果、この平均値回路18からの出力が零であるな
らば、商用電源5の出力電圧とトランジスタインバータ
3の出力電圧とは同位相、すなわち両電源は同期状態に
あるので、このときに並列遮断器4を閉路させるなら
ば、両電源は円滑に並列運転状態となる。また上記平均
値回路18からの出力が零でないときは、その出力信号の
極性の大きさから、両電源電圧のいずれが進み位相ある
いは遅れ位相にあるのか、またその位相差の程度を知る
ことができるので、周波数制御回路19は平均値回路18か
らの信号に従ってトランジスタインバータ3に対して位
相差を零にする周波数制御信号を与えることで、両電源
を速やかに同期状態にさせる。
第4図は第3図に示す従来例回路における同期状態検出
部分の動作を示す動作波形図であって、第4図(イ)は
商用電源5の出力電圧の波形を、第4図(ロ)は移相回
路16から出力される位相が90度ずれた電圧波形を、第4
図(ハ)は位相差検出回路17から出力される信号の波形
をそれぞれがあらわしている。
第4図では、商用電源5の電圧と、トランジスタインバ
ータ3の電圧とが同位相にある場合を示しており、位相
差検出回路17の出力信号すなわち移相回路16の出力を電
気角で180度分切り取った波形の正側の面積と負側の面
積とは等しいので、平均値回路18で平均すれば、その結
果は零である。しかしながらトランジスタインバータ3
の電圧が商用電源5に対して遅れ位相にあるならば、平
均値回路18の出力は正極性となり、逆に進み位相にある
ならば負極性信号を出力することになるので、この信号
にもとづいてトランジスタインバータ3の周波数を制御
することで容易に両電源電圧の位相をそろえることがで
きる。
第5図は第3図に示す従来例回路に使用している移相回
路の回路図であって、演算増幅器21、コンデンサ22およ
び抵抗23が構成要素になっている。なお符号24は入力端
子、符号25は出力端子である。この第5図に示す移相回
路に入力される正弦波信号の周波数を、コンデンサ22
の静電容量をC、抵抗23が抵抗値をRとすると、下記の
(1)式に示す関係が成立するときにのみ当該移相回路は
入力正弦波から90度遅れ位相にある正弦波を出力でき
る。
すなわち第5図に示す従来の移相回路は、周波数が変化
すると90度の位相差を確保できなくなるし、コンデンサ
22や抵抗23の値が温度などにより変化するときも90度の
位相差を正確に保持できないという欠点を有する。
〔考案の目的〕
この考案は、周波数の変化や回路部品の定数の変化など
に影響されることなく、出力電圧の位相をずらすことが
できる正弦波信号の移相回路を提供することを目的とす
る。
〔考案の要点〕
この考案は、所望の周波数のクロック信号をカウンタ回
路に入力させることにより、Nビットのメモリー回路の
アドレス信号に必要な信号を作るのであるが、メモリー
回路には正弦波パターンのデータが格納されており、こ
の正弦波パターンを読み出してインバータ制御回路に与
え、正弦波交流電力を出力するようにインバータを制御
するのであるが、前記カウンタ回路からメモリー回路へ
与えられる最上位ビット信号と第2位ビット信号とを取
り出し、この両者を排他的論理和回路に入力させること
により、当該排他的論理和回路から出力される演算結果
をもって周波数や回路部品の定数の変化などに影響され
ることのない移相された信号を得ようとするものであ
る。
〔考案の実施例〕
第1図は本考案の実施例を示すブロック図である。この
第1図において、直流電源2からの直流電力はトランジ
スタインバータ3により交流電力に変換されるのである
が、この交流電力の周波数を制御する部分は第3図に示
す従来例回路にて既述のものと同じである。すなわち、
水晶発振器11の出力を分周器12により分周して所望のク
ロック信号を作り、このクロック信号をカウンタ回路13
に入力させることにより、Nビットのメモリー回路14の
アドレス信号に必要な信号を作る。このメモリー回路に
は正弦波パターンのデータが格納されているので、この
正弦波パターンを読み出し、D/A変換器15によりアナロ
グ正弦波信号に変換してインバータ制御回路6に出力す
れば、トランジスタインバータ3からはこのD/A変換器1
5からの正弦波信号とは同じ周波数でかつ位相差のない
正弦波形の交流電力が出力される。
本考案においては、カウンタ回路13からメモリー回路14
へ与えられる最上位ビット信号と第2位ビット信号とを
取り出し、この両者を排他的論理和回路30に入力させる
ことにより、90度の位相差を有する信号が得られる。
第2図は第1図に示す実施例回路の動作を示す動作波形
図であって、4ビットのメモリー回路を用いた場合を示
している。すなわち第2図(イ)はD/A変換器15が出力
する正弦波信号を、第2図(ロ)はカウンタ回路13から
の最上位ビット信号を、第2図(ハ)は第2位ビット信
号を、第2図(ニ)は第3位ビット信号を、第2図
(ホ)は第4位ビット信号を、第2図(ヘ)はカウンタ
回路13へ入力するクロック信号を、第2図(ト)は排他
的論理和回路30の出力信号をそれぞれがあらわしてい
る。
この第2図から明らかなように、排他的論理和回路30は
最上位ビット信号と第2位ビット信号とを入力して両入
力の排他的論理和を演算するので、その出力信号はD/A
変換器15の出力信号に対し、90度の遅れ位相となる。
第2図に示す動作波形は、D/A変換器15が出力する正弦
波信号が零点通過する時点と最上位ビット信号との同期
をとっているので、排他的論理和回路30の出力信号は90
度遅れ位相となっているが、最上位ビット信号を零点通
過時点からずらすことにより、任意の遅れ位相または進
み位相を当該排他的論理和回路30から出力させることが
できるのは勿論である。
上述した正弦波信号の移相回路は、従来技術で説明した
複数の交流電源同士を並列運転する場合の同期検出に利
用することができる。
また、例えば、負荷へ交流電力を供給するインバータ
と、負荷へ商用電源から交流電力を供給する直送バイパ
ス回路と、この両電源のいずれかを選択する無瞬断切換
回路とを備えた電源装置において、商用運転からインバ
ータ運転或いはインバータ運転から商用運転に切り換え
る場合のタイミング検出に、上述の移相回路を利用する
ことができる。この場合、インバータと商用電源との間
に発生する横流を最小限に抑えるために、両電源の電力
差の少ない時点、すなわち零電圧付近で切り換えればよ
い。
〔考案の効果〕
この考案によれば、Nビットのメモリー回路のアドレス
信号に必要な信号を作り出すカウンタ回路からの最上位
ビット信号と第2位ビット信号との排他的論理和を演算
させるならば、その演算結果はこのメモリー回路から読
み出される正弦波パターンに対して90度の遅れ位相にな
るが、この遅れ位相角度は交流の周波数の変化や回路部
品の定数の変化に影響されることなく、常に一定である
ことから、インバータのように出力周波数が変化する交
流電源の同期状態を検出するのに最適である。また最上
位ビット信号を交流の零点から移動させることにより、
所望の角度だけ遅れ位相の、あるいは進み位相の信号を
得ることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例を示すブロック図であり、第2
図は第1図に示す実施例回路の動作を示す動作波形図で
ある。第3図は移相回路の利用により交流電圧の位相差
を検出する従来例を示すブロック図であり、第4図は第
3図に示す従来例回路における同期状態検出部分の動作
を示す動作波形図、第5図は第3図に示す従来例回路に
使用している移相回路の回路図である。 2……直流電源、3……トランジスタインバータ、4…
…並列遮断器、5……商用電源、6……インバータ制御
回路、10……零点検出回路、11……水晶発振器、12……
分周器、13……カウンタ回路、14……メモリー回路、15
……D/A変換器、16……移相回路、17……位相差検出回
路、18……平均値回路、19……周波数制御回路、21……
演算増幅器、22……コンデンサ、23……抵抗、24……入
力端子、25……出力端子、30……排他的論理和回路。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】水晶発振器からの出力信号を分周させて所
    要周波数のクロック信号を作り、このクロック信号をカ
    ウンタ回路に入力させることによりNビットのメモリー
    回路のアドレス信号に必要な信号を創成して前記メモリ
    ー回路に格納されている正弦波パターンを読み出し、こ
    の読み出されたデジタル正弦波信号を変換して得られる
    アナログ正弦波信号を交流を出力するインバータの周波
    数制御に用いる際に必要な90度位相差を持つ信号の発生
    に用いる正弦波信号の移相回路であって、前記カウンタ
    回路からメモリー回路へ与えられる最上位ビット信号
    と、最上位から2番目のビット信号とを入力とする排他
    的論理和回路を備え、この排他的論理和回路の出力信号
    を最上位ビット信号とし、その他下位ビット信号により
    構成されるアドレス信号を使用して前記アナログ正弦波
    信号と90度位相差を持つ信号を得るようにしたことを特
    徴とする正弦波信号の移相回路。
JP8167386U 1986-05-29 1986-05-29 正弦波信号の移相回路 Expired - Lifetime JPH0632788Y2 (ja)

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JPS62195385U JPS62195385U (ja) 1987-12-11
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